JP5293523B2 - 流量計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、都市ガスやLPガスのような可燃性ガスの瞬時流量値や積算流量値を計測するために用いられるガスメータに関するものである。
従来、この種の流量計測装置は、図12に示すように、流量計測装置の流路内に流れるガスの流量を計測する流量計測手段101と、各ガス器具A,B,Cの燃焼にともなって発生する一連のガス流量パターンを記憶する登録器具流量パターンテーブル102と、流量計測手段101が計測する流量から現在動作中のガス器具の流量パターンを抽出するパターン抽出手段103と、登録器具流量パターンテーブル102に記憶されているガス器具の流量パターンとパターン抽出手段103が抽出した今動作中のガス器具の流量パターンとを比較して、今動作中のガス器具を特定する器具判別手段104と、登録器具流量パターンテーブル102に登録されていない器具が動作して、器具判別手段104が動作中の器具を判別できない場合に、パターン抽出手段103が抽出したデータ(好ましくは、複数回における流量パターンの平均値)を登録器具流量パターンテーブル102に登録する登録手段105とで構成されている。
登録手段105は、未登録の流量パターンを検出すると、そのガス器具が頻繁に動作する器具であるならば、通信回線を利用して新規器具と思われる流量パターンとその器具名などのデータを遠隔のセンタから受信して、登録器具流量パターンテーブル102に登録するしくみをとっている。
これによって流量計測装置は通常10年程度使用されているため、流量計測装置が設置されてからも新しいガス器具が販売される可能性を想定して、そういった市場投入後に発売されるガス器具の判別にも対応できる。
つまりは、新規器具が流量計測装置設置後に発売された場合には、その器具を別途数回動作させてその器具の流量パターンを遠隔のセンタから取得して、その後の判別に活用しようとしたものである(例えば,特許文献1参照)。
特開2003−148728号公報
しかしながら、前記従来の構成では、次のような課題がある。
すなわち、ガス器具には、ガステーブルのようなユーザが火力調節レバーを操作することによっていかようにもガス流量を変化させることができるガス器具と、ファンヒータのように電子制御でゆっくりと(例えば、8秒以上かけて)ガス流量を変化させるガス器具と、ガスストーブの全開・半開制御のように決まった量を短時間(例えば、6秒以内)で変化させるガス器具などがある。
加えて、ガスオーブンのように点火(ON)時には一定のガス流量を消費するがONと消火(OFF)を繰り返して調理を行うガス器具や、小型ガス給湯器のように絶えず一定のガス流量を消費するガス器具もある。
このようにガス器具によって、点火後のガス流量変化のパターンは、制御なし、ON/OFF制御、緩やか、急(一定値)、急(不定値)のパターンに分けることができる。なお、ガステーブルは、いかようにも変化することができるので、緩やか、急(一定値)、急(不定値)の3つのパターンを持っているものとしている。
また、従来の構成では、通信回線を利用して新規器具と思われる流量パターンとその器具名などのデータを遠隔のセンタから受信して、登録器具流量パターンテーブル102に登録するしくみをとっている。このため、センタ側で全てのガス器具のパターンを記憶しておく必要があるのでセンタ側に膨大な情報を登録しておかないといけなく、たくさんの記憶手段が必要となる。
加えて、流量計測装置は予めセンタと通信可能にする必要がある。だから、流量計測装置1にセンタと通信するための手段を備えさせなくてはいけない。これは、流量計測装置1を構成する部品点数を増加させることになりコストを増加させてしまう。
その他として、センタと通信しないで、ガス器具を動作させてガス器具から制御パターンを取得しようとしても、ファンヒータのようなガス器具は制御させるタイミングは、制御対象である部屋の室温に依存するものなので一定でない。
ガステーブルのようなガス器具は、いかようにも変化させることができるので、ユーザが使用する可能性のある制御パターン全てを取得させることは困難である。
ガスオーブンのような周期的にON/OFFを繰り返すものについては、ある程度動作させつづける必要があるので動作させる分だけ余計にガスを使用することになる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、流量計測装置が制御流量パターンから下流につながるガス器具を判別するために必要な情報をセンタと通信することなく、更に実際にガス器具を動作させることによって情報取得するにしても、その際にガス器具が消費するガス流量を最小限にすることを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の流量計測装置は、ガス流路に流れるガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、前記流量計測手段が計測するガス流量からガス漏れや異常なガス使用を判断しガスを遮断する遮断手段と、前記遮断手段によってガスが遮断された後に遮断を解消する(遮断復帰する)為に使用する遮断復帰用入力手段ととしてのスイッチ、ガスが遮断されていい場合の前記スイッチの操作情報によって前記ガス流路下流に接続されるガス器具の情報を判断し、この判断した情報を記憶する器具情報記憶手段を備えるとしたものである。
これによって、流量計測装置は、既に備えている遮断復帰用入力手段を利用して、ガス流路下流に接続されるガスガス器具の情報を記憶することができる。また、遮断復帰用入力手段への入力操作(ON/OFFの情報を入力すること)だけで記憶させることができるので、記憶させる人(登録者)の煩雑さを軽減することができる。
本発明の流量計測装置及びそのプログラムは、外部センタと通信することなく、既に備えている遮断復帰用入力手段を利用して、ガス流路下流に接続されるガスガス器具の情報を記憶することができる。また、遮断復帰用入力手段への入力操作(ON/OFFの情報を入力すること)だけで記憶させることができるので、記憶させる人(登録者)の煩雑さ
を軽減することができる。
本発明の実施の形態1における流量計測装置の構成図 本発明の実施の形態1における流量計測部構成図 本発明の実施の形態1における流量計測装置の機能ブロック図 本発明の実施の形態1における器具情報記憶手段に記憶される情報を示す説明図 本発明の実施の形態1におけるファンヒータ動作時に流れるガス流量の時間特性を示す図 本発明の実施の形態1におけるガスオーブン動作時に流れるガス流量の時間特性を示す図 本発明の実施の形態1におけるガスストーブ動作時に流れるガス流量の時間特性を示す図 本発明の実施の形態1におけるガステーブル動作時に流れるガス流量の時間特性を示す図 本発明の実施の形態1における流量計測装置のフローチャート 本発明の実施の形態1におけるファンヒータ動作時に流れるガス流量の時間特性の着火後20秒間を示す図 本発明の実施の形態1における遮断復帰用入力手段の押下回数と登録するガス器具の種類とを示す図 従来の流量計測装置の構成図
第1の発明は、ガス流路に流れるガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、前記流量計測手段が計測するガス流量からガス漏れや異常なガス使用を判断しガスを遮断する遮断手段と、前記遮断手段によってガスが遮断された後に遮断を解消する(遮断復帰する)為に使用する遮断復帰用入力手段としてのスイッチと、ガスが遮断されていい場合の前記スイッチの操作情報によって前記ガス流路下流に接続されるガス器具の情報を判断し、この判断した情報を記憶する器具情報記憶手段を備えるとしたものである。
これによって、流量計測装置は、既に備えている遮断復帰用入力手段を利用して、ガス流路下流に接続されるガスガス器具の情報を記憶することができる。また、遮断復帰用入力手段としてのスイッチへの入力操作(ON/OFFの情報を入力すること)だけで記憶させることができるので、記憶させる人(登録者)の煩雑さを軽減することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の流量計測装置の前記ガス器具の情報とは、前記ガス流路下流に接続されるガス器具の台数であることによって次のような効果を得る。
それは、ガス流路下流に接続されるガス器具が何台あるかの情報を流量計測装置で予め認識することができれば、その上限以上の台数のガス器具が使用されることはないということが明確になる為、流れるガス流量の特徴を見てガス器具を判別する際の判別精度を向上させることができる。
また、1台しか接続されていない時でかつ、1台のガス器具(ガス器具A)が使用されていると流量計測装置が認識している状態で、ガス器具Aの火力調整や停止にともなうガス流量変化以外でガス流量の変化が生じた場合には、ガス漏れの可能性を疑うこともできるので、ガスを使用する上での安全性向上も見込むことができる。例えば、ガス器具Aがそれまで使用されていた時に流れていたガス流量よりも大きいガス流量が流れた場合には、直ぐにガス漏れとしてガスを遮断することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の流量計測装置の前記ガス器具の情報とは、前記ガス流路下流に接続されるガス器具の種類であることによって次のような効果を得る。
それは、流量計測装置にガス流路下流に接続されるガス器具の種類を登録することができれば、ガス器具の種類によって異なる火力調整(制御)パターンを予め認識することができるので、流れるガス流量の特徴を見てガス器具を判別する際の判別精度を向上させることができる。
また、記憶されているガス器具の起動(使用開始)、火力調整や停止にともなうガス流量変化以外でガス流量の変化が生じた場合には、ガス漏れの可能性を疑うこともできるので、ガスを使用する上での安全性向上も見込むことができる。
第4の発明は、特に、第1の発明の流量計測装置の前記ガス器具の情報とは、前記ガス流路下流に接続されるガス器具の火力調整を行った時の制御パターンであることによって次のような効果を得る。
それは、ガス器具は将来的に増える可能性がある。今現在存在しないガス器具もその制御パターンは急に変化するか、ゆっくりと変化するかに特徴付けることができるので、その制御パターンを登録するようにすれば、将来的に全く新しいガス器具が登場した際も流量計測装置を取り替えなくても対応することができる。
第5の発明は、特に、第1の発明の流量計測装置の前記スイッチの操作情報とは、入力有無(ON/OFF情報)であり、ON/OFFの繰り返し回数で前記ガス器具の情報を判断することによって次のような効果を得る。
それは、遮断復帰用入力手段としてのスイッチの押下回数で記憶させたいガス器具の情報を切り替えることができるので記憶させる操作を簡単にすることができ、記憶させる人(登録者)の作業の煩雑さを軽減することができる。
第6の発明は、特に、第1の発明の流量計測装置の前記スイッチの操作情報とは、連続して入力があった場合の時間(連続ON時間)であり、連続ON時間の長さで前記ガス器具の情報を判断することによって次のような効果を得る。
それは、遮断復帰用入力手段としてのスイッチを押下している時間で記憶させたいガス器具の情報を切り替えることができるので記憶させる操作を簡単にすることができ、記憶させる人(登録者)の作業の煩雑さを軽減することができる。
第7の発明は、特に、第1の発明の流量計測手段は、瞬時流量計測手段としての超音波流量計を用いた構成により流量が変化した瞬間に器具判別動作や学習動作を作動させることができ細かく流量変化を捉えることで器具判別精度を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1において、流量計測装置1の内部には、複数のガス器具A,B,C(例えば、ファンヒータ、ガステーブル、ストーブ、ガスオーブン)に対してガス供給を行うための計測流路2が配設されている。
この計測流路2には、主にガス漏れや異常なガス使用時に計測流路自身を遮断するガス遮断弁3と、ユーザに対して視覚的な報知を行う表示部4と、計測流路2に流れるガス流量を検出する流量計測部5と、ガス遮断弁3がガスを遮断した後にガス供給を再開するためのガス使用者の操作を検出する遮断復帰用入力部6aが配置されている。
また、流量計測装置1の内部には、流量計測部5の出力と遮断復帰用入力部6aへの操作内容情報を受け付けるとともに、ガス遮断弁3を制御するコントロール部7が設けられている。
そして、コントロール部7は、CPU(中央処理装置)8、ROM(リード・オンリー・メモリ)9、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)10、および入出力ポート11を備え、これらは互いにバス12によって接続されている。入出力ポート13は、流量計測部5と、ガス遮断弁3を駆動する駆動回路14と表示部4を駆動する駆動回路15とが接続されている。
このコントロール部では、CPUが、RAM10をワーキングエリアとして、ROM9に格納されてプログラムを実行することによって、流量計測装置1としての機能を実現するようになっている。
ここで、流量計測部5の動作について図2を用いて説明する。
図2において、計測流路2は矩形断面を持っており、ガスの流れる方向と直角方向にある壁面には前記計測流路2を挟んで一対の超音波送受信器16,17が上流側と下流側で角度φを有して斜めに対向して装着されている。
超音波送受信器16,17間で交互に超音波を送受信させて流体の流れに対して順方向と逆方向の超音波の伝搬時間の差を一定間隔おいて計り、伝搬時間差信号として出力する働きを持つ。この伝搬時間差信号を受けて計算手段(図示せず)により被計測流体の流速及び流量を算出するものである。
算出式を下記に示す。
図2において、Lは測定距離であり、t1を上流からの伝達時間、t2を下流からの伝達時間、Cを音速とすると、計測ポイントの時刻Tでの流速Vは
V=L/2cosφ(1/t1−1/t2) 式(1)
である。更に、流速を計測するポイントによって計測流路2に流れるガスは突発的に変化するので、流路全体からみた流速よりも大きかったり、小さかったりする場合があるので、その影響を小さくするために前回計測した流速V’との平均を流量計測部5が計測する計測流量(以下、流量と呼ぶ)としている。
なお、本実施の形態の流量計測部5に関しては、超音波方式の計測手段を使用しているが他の流量計測方式、例えばフルディック方式などの短時間に一定サイクルで連続計測可能であれば使用可能である。
計測の時間間隔は超音波の送受信が可能な範囲で設定できるが、本実施の形態では2秒間隔の計測を行っている。
更に、時間間隔を小さくすることは測定原理上可能であり、ガス器具によっては2秒より短時間で起動する器具もあるため、測定時間間隔を小さくすることは器具判別を瞬時に行う点では有利となるが、計測間隔を短くすると電池の消耗が大きくなるなどの課題があ
る。
また、計測時間を従来のガスメータで使用している膜式方式と同等の計測間隔が2桁オーダーの秒数間隔になると、アルゴリズムの流量変化の差分を見て判断することが困難になり、コストや器具判別の性能面からバランスの良い時間として本実施の形態では2秒間隔計測で行っている。
図3は、実施の形態1における流量計測装置1の機能を示す機能ブロック図である。この図で示すように、本実施の形態の流量計測装置1は、先ずガス流量を計測する流量計測手段18と本発実施の形態に関わる器具判別を行うための各種情報を記憶する器具情報記憶手段19とを備えている。
流量計測手段18は流量計測部5とコントロール部7によって実現され、器具情報記憶手段19は、RAM10によって実現される。
流量計測装置1は、更に、流量演算手段20である第1の演算手段21と第2の演算手段22、器具判別手段23、登録手段24、遮断手段25、および遮断復帰用入力手段26を備えている。
遮断手段25とは、駆動回路14、コントロール部7、およびガス遮断弁3によって実現され、ガス流路に流れるガスを遮断するものであり、主に主にガス漏れや異常なガス使用時に計測流路自身を遮断する。
遮断復帰用入力手段26とは、ガスが遮断した後にガス供給を再開するための入力手段(スイッチなど)であり、例えば、ガスが遮断されている状態でこの入力手段をある時間長押しすると、遮断手段25がガス遮断を解消する(遮断復帰する)ものである。これは、遮断復帰用入力部6aとコントール部7によって実現される。
第1の演算手段21とは、流量計測手段18が2秒おきに計測する計測流量について現在の流量値と2回(4秒)前の計測流量値との差分を計算する演算手段である。
第2の演算手段22とは、第1の演算手段21が計算する差分値が予め定めた正の閾値より大きくなった時刻aより4秒前の計測流量(Qa)と時刻a後、第1の演算手段21が計算する差分値の絶対値が前記正の閾値より小さくなった時刻bの計測流量(Qb)との流量差(Qb−Qa)を計算する処理部である。これは、コントロール部7によって実現される。
器具判別手段23は、第1の演算手段21が計算する差分値を監視し、必要なときに第2の演算手段22が計算する流量差と器具情報記憶手段19に記憶されているガス器具の情報とを比較して、動作を開始した器具を判別する処理部である。
また、判別したガス器具について、2秒ごとに動作している器具毎のガス使用量を算出する。更に、動作中の器具が停止したときにおいても、第1の演算手段21が計算する差分値を監視し、必要なときに第2の演算手段22が計算する流量差と器具毎のガス使用量とを比較して停止した器具を特定するものである。
また、動作している器具の使用している流量を管理する処理部である。これは、コントロール部7によって実現される。登録手段24は、本実施の形態に関わる器具判別を行うためのガス器具の各種情報を記憶する器具情報記憶手段19に記憶する処理部であり、この処理部もコントロール部7によって実現される。
また、登録手段24は、遮断手段25がガスを遮断していない状態で、遮断復帰用入力手段26へ長時間(例えば、30秒)の連続ON(長押し)があるとガス器具の各種情報を記憶する処理(登録処理)の始まりと認識し、その状態で再度、遮断復帰用入力手段26へ長時間(例えば、30秒)の連続ON(長押し)があるとガス器具の各種情報を記憶する処理(登録処理)の終わりと認識し、必要なガス器具の各種情報を器具情報記憶手段19へ記憶させる。
なお、器具情報記憶手段19に記憶される情報は、図4に示すように、ガス流路下流に接続されるガス器具の台数と、ガス器具の種類と、ガス器具を動作させたときのガス流量である。ただし、ガステーブルの場合にのみコンロが2口とグリルがある場合には、口数とグリル数の3を台数として考える。
この判別値は、登録手段24によって登録されるものである。登録手段24が判別値を登録する方法については、実際に器具を動作させて数値を収集することによって登録されるものとする。ここで、最大の流量とは、ファンヒータでいうと、スイッチをONして動作させた時にファンヒータが使用するガス消費量と等しい。
ガスストーブならば全開設定で動作させた時に使用するガス消費量と等しい。ガステーブル(プッシュ式点火のガステーブル)ならば、点火して火力調節レバーを動かさない場合に使用するガス消費量と等しい。本実施の形態では、第2の演算手段22が計算する流量差(Qb−Qa)と同じものである。詳しくは、後述する動作を示すフローチャート(図9)で説明する。
次に図5から図8にあるガス器具を動作させたときの流量計測手段18が計測するガス流量の時間特性の一部を示す。
図5はあるファンヒータを動作させた時の時間特性である。図5から分かるように起動直後はホットダッシュ機能によってある一定のガス流量が流れ、その後外気温と動作設定によってガス流量(時間特性)が変化する図5においては130[L/h]くらいから40[L/h]辺りまである程度長い時間(70秒目から116秒目までの間)をかけながらガス流量が変化している。
なお、この流量変化発生するタイミングは外気温・動作設定によって変わるので、流量変化が発生するタイミングを予め推測できるものではない。
図6は、あるガスオーブン(オーブン)を動作させた時の時間特性である。図6から分かるようにON/OFFを繰り返しながら動作していることが分かる。なお、ON/OFFの繰り返しについて、ON時間間隔やOFF時間間隔などはオーブンの設定、庫内温度などによって変わるので予め推測できるものではない。
図7は、全開・半開設定の可能なあるストーブを動作させた時の時間特性であり、300秒目あたりでストーブの設定を半開設定から全開設定に変更したものである。図7においては、60[L/h]辺りから120[L/h]辺りまで短時間でガス流量が変化している。なお、全開から半開に設定を変更した場合は、120[L/h]辺りから60[L/h]辺りまで短時間でガス流量が変化するとともに、この設定変更はユーザが任意で実施することができるので、流量変化が発生するタイミングを予め推測できるものではない。
図8は、あるガステーブルを動作させた時の時間特性である。この時ガステーブルを着
火後、火力調節レバーを「強」→「中」→「弱」→「中」→「強」→「弱」→「強」と変化させている。図8から分かるように火力調節レバーによってユーザはいかようにもユーザがガス流量を変化させることができるとともにその制御のタイミングも変えることができる。そして、ユーザは火力調節レバーをゆっくり操作したり、急に操作したりすることもできるので変化の時間間隔も自由に変えることができる。
以上図5から図8から分かるようにガス器具によって着火後のガス流量の時間特性のパターン(制御なし・ON/OFF制御・緩やか・急(一定値)・急(不定値))が異なる。そして、この制御による流量変化が発生するタイミングも決まっているわけではない。更に、例えばガステーブルはいかようにも制御することができるので、そのパターンを全て記憶しようとすると膨大なデータ量を要すこととなる。本発明は、ガス遮断されていない状態において、遮断復帰用入力手段26に入力される情報を使って、流量計測装置1にガス流路下流に接続されるガス器具の情報(ガス器具の台数、種類、制御パターン)を認識させることができる。
また一方で、ガス流路下流に接続されるガス器具の種類を予め流量計測装置で認識することができれば、発生する制御パターンも予測できる。
そのため、接続されるガス器具が持つ制御パターン以外は発生しないということであり、もし発生した場合には、ガス漏れの疑いがあると考えることもできる。制御パターンを登録した場合も登録されていない制御パターンがあれば、ガス漏れの疑いがあると考えることもできる。
次に、本実施の形態における流量計測装置の動作について説明する。ここでは、図9のフローチャートを用いて説明する。
まず遮断手段25によってガスが遮断されていない状態において、登録者が遮断復帰用入力手段26を押下する。ここでは、流量計測装置1にガス器具の種類を記憶させる動作をさせることを認識させるために、例えば、30秒以上連続して長押しすることを考えている。
流量計測装置1は、この遮断復帰用入力手段26への入力を検知すると(S901)、遮断手段25がガスを遮断していないかということと、30秒以上連続した長押しであるかということをチェックして(S902)、どちらも成立する場合にのみこれからガス流露下流に接続するガス器具の器具情報を器具情報記憶手段19に記憶する処理をこれから行うと認識する。
ここでは、まだ登録作業が完了していなく、2秒経過ごとに流量計測手段3は、計測流路に流れるガス流量を計測する。
ここで、登録するガス器具を動作させるまで計測流路にガスは流れないので第1の演算手段21が4秒前のガス流量との差分を計算しても、その差分値は0[L/h]で3[L/h]より小さい上に、初期状態である登録が未確定なので、次のガス流量計測を行う2秒後を待つことになる。
本実施の形態では、図5に示すファンヒータの器具情報を器具情報記憶手段19に登録する方法について説明する。
なお、図10は、図5のファンヒータを動作させた時の動作開始から約20秒間の流量計測手段18が計測するガス流量の時間特性である。
図10から分かるように着火後しばらくすると計測流路に流れるガス流量は安定し一定値を取る。安定している状態では、第1の演算手段21が計算する4秒前との差分値も時刻T07では3[L/h]以下になっている。
なお、オーブン、ストーブ、ガステーブルにおいても着火してから数秒後にはガス流量が安定する。ただし、ユーザによってガステーブルの火力調節レバーが絶えず操作されていたり、ガスストーブの全開・半開の切り替えが絶えず行われていたりする場合は考慮していない。
流量計測装置1は、第1の演算手段21でガス流量の変化(ガス器具が使用されたこと)を検知し、第2の演算手段22によってその変化があった期間で変動したガス流量の総量を計算する。よって、登録処理の始まりから終わりの間にファンヒータを動作させると、起動時のガス流量の変化が安定したときのガス流量(起動流量)が、第2の演算手段21によって計算される(S903)。
その後流量計測装置1は、遮断復帰用入力手段26へ入力される操作がなんであるか検知する(S904)。ここで、遮断復帰用入力手段26への操作は、図11のように考えている。押下(ON/OFF)回数が1回の場合は、動作を検知したガス器具がガステーブルであると判断する。
また、2回の場合はファンヒータ、3回の場合はオーブン、4回の場合はガスストーブといった具合である。
本実施の形態においては、動作ガス器具はファンヒータであるので、登録者は、遮断復帰用入力手段26を2回押下する。もちろん、ガス器具の種類を区別させるための押下は、30秒以上の長押しでなく短い時間の押下である(S905)。
流量計測装置1は、その押下回数を検知しその回数と、30秒以上の長押しでないという情報からガス器具を判断する(S906)。
そして、遮断復帰用入力手段26へ入力される操作がなんであるか検知する(S904)。今度は、動作させたガス器具も確定しているので、登録者は遮断復帰用入力手段26を30秒以上長押しする。
その操作を流量計測装置1が検知すると登録処理の終わりと判断するので(S905)、登録手段24は、S903で計算したガス器具を動作させたときに流れるガス流量とS906で判断したガス器具の種類を器具情報記憶手段19に記憶する(S907)。
以上のように、ガスが遮断されていないときに、既に搭載されている遮断復帰用入力手段26を使って、ガス流路下流に接続されるガス器具の種類と動作させたときに流れるガス流量を登録するようにすれば、使っているガス器具だけを流量計測装置に登録することができる。
また、遮断復帰用入力手段26の操作内容によって登録するガス器具を切り替えることができるようになるので、その登録処理も簡単にすることができる。
なお、本実施の形態では、ガス器具の種類を登録するようにしたが、種類ではなく制御パターンを登録するようにしてもよい。また、単純にガス流路下流に接続されるガス器具の台数だけを登録するとしてもよい。
これは、例えば1台しか接続されていない時でかつ、1台のガス器具(ガス器具A)が使用されていると流量計測装置が認識している状態で、ガス器具Aの火力調整や停止にともなうガス流量変化以外でガス流量の変化が生じた場合には、ガス漏れの可能性を疑うこともできるので、ガスを使用する上での安全性向上も見込むことができるためである。
更に、本実施の形態では、遮断復帰用入力手段26の押下回数だけでガス器具の種類を判断したが、0〜5秒間までの長押しならガステーブル、5〜10秒間までの長押しならファンヒータといった具合に長押し時間でガス器具の種類を切り替えるようにしてもよい。
以上で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信したりすることで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
以上のように、本発明にかかる流量計測装置は、ガスメータの下流に接続されたガス器具が各時刻におけるガス使用量(流量)の計算を精度よく行うことができるので、ガス器具が適正に使用されているか監視する保安等の用途にも適用できる。
1 流量計測装置
3 流量計測手段
23 器具判別手段
24 登録手段
19 器具情報記憶手段
25 遮断手段
26 遮断復帰用入力手段

Claims (7)

  1. ガス流路に流れるガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、
    前記流量計測手段が計測するガス流量からガス漏れや異常なガス使用を判断しガスを遮断する遮断手段と、
    前記遮断手段によってガスが遮断された後に遮断を解消して遮断復帰する為に使用する遮断復帰用入力手段としてのスイッチと、
    ガスが遮断されていい場合の前記スイッチの操作情報によって前記ガス流路下流に接続されるガス器具の情報を判断し、この判断した情報を記憶する器具情報記憶手段とを備えた流量計測装置。
  2. ガス器具の情報とは、前記ガス流路下流に接続されるガス器具の台数である請求項1に記載の流量計測装置。
  3. ガス器具の情報とは、前記ガス流路下流に接続されるガス器具の種類である請求項1に記載の流量計測装置。
  4. ガス器具の情報とは、前記ガス流路下流に接続されるガス器具の火力調整を行った時の制御パターンである請求項1に記載の流量計測装置。
  5. 前記スイッチの操作情報とは、入力有無のON/OFF情報であり、ON/OFFの繰り返し回数で前記ガス器具の情報を判断する請求項1に記載の流量計測装置。
  6. 前記スイッチの操作情報とは、連続して入力があった場合の連続ON時間であり、連続ON時間の長さで前記ガス器具の情報を判断する請求項1に記載の流量計測装置。
  7. 流量計測手段は、超音波流量計を用いた請求項1項に記載の流量計測装置。
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