JP5293013B2 - 研削盤 - Google Patents

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Description

本発明は、シャフトと、カム駒と、軸受とを備えた軸受付カムシャフトのカム駒の外周を仕上げ研削する、研削盤に関する。
従来より、吸気バルブや排気バルブを有する内燃機関のシリンダヘッドには、各バルブを作動させるカムシャフトが回転可能に組み付けられている。
従来のカムシャフトは、シャフトに複数のカム駒が組み付けられており、例えば特許文献1に記載されている従来技術では、シャフトと複数のカム駒のそれぞれを単品の状態で仕上げ加工した後、シャフトにカム駒を嵌合(外嵌)させてカムシャフトを組み付け、組み付け後の仕上げ研削を行うことなくカムシャフトを完成させている。
特開2000−145411号公報
シャフトにカム駒を嵌合する方法としては、焼きばめ、拡管、シャフトローレット等があり、これらの嵌合方法を用いて、シャフトの軸方向の所望する位置にカム駒を組み付けていく。いずれの嵌合方法も、カム駒の内径とシャフトの外径は締め代を持つことになり、嵌め合いがカム駒の外径に影響を及ぼし、カムプロフィール崩れを生じる場合がある。
このため、カム駒の外周形状の精度を高くするには、シャフトにカム駒を嵌合させてカムシャフトを組み付けた後、カム駒の外周を仕上げ研削する必要がある。
特許文献1に記載された従来技術では、シャフトと複数のカム駒のそれぞれを単品の状態で仕上げ加工した後、シャフトにカム駒を嵌合(外嵌)させてカムシャフトを組み付け、カムシャフトを組み付けた後の仕上げ加工を行っていないので、カム駒の外周形状を、より高精度に仕上げることが困難である。より高精度な外周形状の要求が有る場合は、カムシャフトを組み付け後に仕上げ研削をしなければならない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、軸受付カムシャフトのカム駒の外周形状の精度をより向上させる、研削盤を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの研削盤である。
請求項1に記載の研削盤は、シャフトの外周面の軸方向に単数または複数のカム駒と単数または複数の軸受が嵌合された軸受付カムシャフトのカム駒の外周を研削する研削盤であって、前記軸受付カムシャフトを主軸回転軸回りに回転可能に支持する一対の支持手段と、前記カム駒の外周面を研削可能な砥石と、前記砥石を砥石回転軸回りに回転可能に支持し、前記一対の支持手段に支持された前記軸受付カムシャフトに対して相対的に前記主軸回転軸に交差する方向に進退移動可能な砥石台と、前記一対の支持手段に支持された前記軸受付カムシャフトに嵌合されている前記軸受を、カム駒の研削による研削屑及びカム駒へのクーラントが当該軸受内に浸入することを防止するように覆うマスキング装置と、を備えている。

また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの研削盤である。
請求項2に記載の研削盤は、請求項1に記載の研削盤であって、前記マスキング装置は、前記軸受を覆っている状態において、前記軸受付カムシャフトのシャフトと当該マスキング装置との間隙からの研削屑やクーラントの浸入を防止するシール手段を備えている。
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの研削盤である。
請求項3に記載の研削盤は、請求項2に記載の研削盤であって、前記マスキング装置には、液体状または気体状の媒体が供給されており、前記マスキング装置は、前記シール手段として、前記間隙から前記媒体を噴出する。
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの研削盤である。
請求項4に記載の研削盤は、請求項1〜3のいずれかに記載の研削盤であって、前記マスキング装置は、前記軸受を覆っている状態において、覆っている軸受における前記砥石と反対の側を支持する支持部を備えている。
また、本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりの研削盤である。
請求項5に記載の研削盤は、請求項1〜4のいずれかに記載の研削盤であって、前記マスキング装置は、内部に前記軸受を収容可能な収容空間を有する軸受収容部を備えている。
そして、前記軸受収容部は、2つに分割されており、分割されたそれぞれの軸受収容部の少なくとも一方は、前記主軸回転軸に平行な回動軸回りに回動可能であり、分割された軸受収容部を回動させて開いた状態として前記収容空間に前記軸受を出し入れ可能な開放状態と、分割された軸受収容部を回動させて閉じた状態として前記収容空間に前記軸受を収容したマスキング状態にすることが可能である。
請求項1に記載の研削盤を用いれば、カム駒及び軸受を嵌合して組み付けられた後の軸受付カムシャフトのカム駒を、砥石を用いて研削することで、カム駒の外周形状の精度をより向上させることができる。
また、研削する際、マスキング装置を用いて軸受を覆うことで、軸受への研削屑の浸入を防止することができる。
また、請求項2に記載の研削盤によれば、マスキング装置にシール手段を備えることで、より適切に軸受への研削屑の浸入を防止することができる。
また、請求項3に記載の研削盤によれば、液体状または気体状の媒体を噴出することで、適切なシール手段を実現することができる。
また、請求項4に記載の研削盤によれば、軸受付カムシャフトを実際の内燃機関に組み付けた際における軸受のクリアランスによる誤差をより低減することができる。
また、請求項5に記載の研削盤によれば、一対の支持装置に支持された軸受付カムシャフトの軸受を、容易にマスキングすることが可能なマスキング装置を実現することができる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1(A)は、軸受付カムシャフト(ワークW)を研削する、本発明の研削盤1の一実施の形態における概略外観図(平面図)を示している。また、図1(B)は、図1(A)に示す研削盤1の右側面図の例を示している。なお、図1(B)では心押装置40等の記載を省略している。
なお、本実施の形態の説明では、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Y軸は鉛直上方を示しており、X軸とZ軸は水平方向を示している。また、X軸は砥石TがワークWに切り込む方向を示しており、Z軸は一対の支持手段(図1の例では、センタ部材30Cと、センタ部材40C)をとおる主軸回転軸方向を示している。
●[研削盤1の概略構成(図1)]
図1(A)及び(B)に示す研削盤1は、略円筒形状のシャフトSTにおける軸方向の所望する位置のそれぞれに、複数のカム駒CAと、複数の軸受BRとを嵌合させて組み付けた軸受付カムシャフトW(図2(A)及び(B)参照)のカム駒の外周を仕上げ研削する研削盤の例を示している。
研削盤1は、基台2と、主軸テーブル20と、砥石テーブル10とを備えている。なお、各検出手段からの信号を取り込むとともに各モータに駆動信号を出力する数値制御装置等の制御手段は記載を省略している。
また、図1(A)、(B)では、一対の支持手段がセンタ部材30C、40Cである場合の例を示しているが、センタ部材30C、40Cの少なくとも一方は、挿通されたワークを爪部にて把持可能なチャックであってもよい。また、ワークWの概略形状や構造については後述する。
主軸テーブル20は、基台2に設けられた主軸テーブル駆動モータ20M(Z軸駆動装置)と送りネジ20B、及び主軸テーブル20に設けられたナット(図示省略)により、基台2に対してZ軸方向に移動可能であり、制御手段は、エンコーダ等の検出手段20Eの検出信号によって、基台2に対する主軸テーブル20のZ軸方向の位置を検出できる。なお、Z軸は、一対の支持手段(図1の例では、センタ部材30C、センタ部材40C)をとおる主軸回転軸CZ(ワーク回転軸に相当)に平行な軸であり、送りネジ20BはZ軸と平行である。
主軸テーブル20の上には、主軸台30Dと心押台40Dが載置されている。
主軸台30Dには、主軸装置30をZ軸方向に往復移動可能な主軸移動モータ30Mが設けられており、制御手段は、エンコーダ等の検出手段30Eの検出信号によって、主軸台30Dに対する主軸装置30のZ軸方向の位置を検出できる。また、主軸装置30の先端には、心押装置40のセンタ部材40Cと一対となるセンタ部材30Cが設けられている。また、主軸装置30には、センタ部材30Cを回転させる主軸回転モータが設けられており、一対の支持手段(この場合、センタ部材30C、40C)にて支持したワークWを主軸回転軸CZ回りに回転させる。そして、主軸回転モータには、ワークWの回転角度または回転速度を検出する検出手段(エンコーダ等)が設けられている(主軸装置30と心押装置40は一対の支持装置に相当する)。なお、図1(A)の例では、ワークWは連結部材32にて主軸(センタ部材30Cと一体となって回転する部材)に接続されている。
心押台40Dには、心押装置40をZ軸方向に往復移動可能な心押装置移動手段42が設けられている。また、心押装置40の先端には、主軸装置30のセンタ部材30Cと一対となるセンタ部材40Cが設けられている。
また、研削盤1には、砥石Tの反対の側からワークWを支持する支持装置60が設けられている。また、図1(A)に示す例では、支持装置60は制御手段からの制御信号によってZ軸方向の位置を移動可能であり、複数設けているが、移動可能でなくてもよく、単数であってもよい。なお、支持装置60の詳細については後述する。
また、研削盤1は、クーラントを加工個所に噴出するクーラントノズル等を備えているが、これらについては説明及び図示を省略する。
砥石テーブル10には、略円筒状の砥石T(加工工具に相当)を備えている。軸受12に設けられた砥石Tは、例えば鉄製のコアの外周にCBNチップ砥石が貼り付けられて整形されており、砥石テーブル10に載置された砥石駆動モータ11により、Z軸に平行な砥石回転軸TZを中心に回転する。
また、砥石テーブル10は、基台2に設けられた砥石テーブル駆動モータ10M(X軸駆動装置)と送りネジ10B、及び砥石テーブル10に設けられたナット(図示省略)により、基台2に対してX軸方向に往復移動可能であり、主軸回転軸CZに交差する方向に砥石Tを進退移動させる。なお、X軸は、前記Z軸に直交する方向の軸であり、送りネジ10BはX軸と平行である。
また、砥石テーブル駆動モータ10Mには砥石テーブル10のX軸方向の位置を検出する検出手段10E(エンコーダ等)が設けられている。
なお、図1(A)及び(B)の例では、砥石駆動モータ11には検出手段を設けていないが、砥石駆動モータ11にも速度検出手段等を設け、砥石駆動モータ11の回転速度をフィードバック制御することも可能である。
また、数値制御装置(図示省略)は、ワークWの回転角度(あるいは回転速度)を検出する検出手段(図示省略)からの信号、砥石テーブル10のX軸方向の位置を検出する検出手段10Eからの信号、主軸テーブル20のZ軸方向の位置を検出する検出手段20Eからの信号等と、加工データ及び加工プログラム等に基づいて、主軸回転モータ(図示省略)、砥石テーブル駆動モータ10M、主軸テーブル駆動モータ20M、砥石駆動モータ11を制御する。
●[ワークWの構造と概略形状(図2)]
次に図2(A)及び(B)を用いて、本実施の形態にて用いるワークWの構造と概略形状について説明する。
本実施の形態にて説明するワークWは、略円筒形状のシャフトSTにおける所定位置のそれぞれに、複数のカム駒CAと複数の軸受BRを嵌合させて組み付けた、軸受付カムシャフトである。なお、軸受BRは、例えば内輪BIの周囲を外輪BOが周回可能に構成されたラジアルベアリングであって、連続した円環状の形状であり、いわゆる分割タイプ(回転軸を通る面で2分割されて挟み込むように取り付けるタイプ)ではない。
本実施の形態では、軸受付カムシャフト(ワークW)のカム駒CAの外周形状の精度をより高精度とするために、カム駒CAと軸受BRをシャフトSTに嵌合にて組み付けて軸受付カムシャフト(以下、ワークWと記載する)を作り、当該組み付け後の軸受付カムシャフトのカム駒の外周を、研削盤1にて仕上げ研削する。
なお、図2(B)に示すように、ワークWにおいて、軸受BRはカム駒CAに近接する位置にある。研削盤1を用いてカム駒CAの外周を研削すると、クーラント(研削時には研削個所にクーラントをかけながら研削する)や研削屑が飛散し、軸受BRにクーラントや研削屑が浸入する可能性がある。研削屑が軸受BRに浸入した場合、軸受BRの寿命の低下や圧痕が発生する可能性がある。
そこで、ワークWのカム駒CAの外周形状を高精度に仕上げる仕上げ研削を行うとともに、軸受BRにクーラントや研削屑が浸入することを防止するために、軸受BRを覆うマスキング装置60を研削盤1に設ける。以下、マスキング装置60について説明する。
●[マスキング装置60の全体構造(図3)]
マスキング装置60は、図3(A)〜(D)に示すように、支軸69に設けられた台座68と、台座68に載置された収容部駆動手段66と、軸67を介して収容部駆動手段66にてX軸方向に往復移動可能な収容部60Sにて構成されている。
収容部60Sは、ワークWの軸受BRを収容可能な収容空間を内部に有する軸受収容部61、62の2つに分割されており、軸受収容部61、62の少なくとも一方は、ヒンジ部63にて主軸回転軸CZに平行な回動軸(この場合、ヒンジ部63)回りに回動可能に構成されている。なお、補助部材64は軸受収容部61と軸受収容部62とヒンジ部63(回動軸に相当)を保持している。
また、支軸69は、制御手段(図示省略)からの制御信号によって、図1(A)におけるZ軸方向に往復移動可能であり、支持対象の軸受BRと対向する位置にマスキング装置60を位置決めする。
本実施の形態では、軸受収容部62がヒンジ部63回りに回動可能に構成されている。軸受収容部62を回動させて、軸受収容部61と軸受収容部62とが開いた開放状態(図3(A)参照)では、軸受収容部61の収容空間にワークWの軸受BRを出し入れ可能である。また、開放状態にてワークWの軸受BRを軸受収容部61の収容空間73(図6参照)に収めた後、軸受収容部62を回動させて、軸受収容部61と軸受収容部62とが閉じたマスキング状態(図3(B)参照)にすると、軸受BRは軸受収容部61の収容空間と軸受収容部62の収容空間とに収容され、軸受BRは軸受収容部61と軸受収容部62に覆われ、マスキングされる。
また、図3の例に示す軸受収容部61、62の形状は、図6(B)に示すように内部が空洞状であり、軸受収容部61における収容部駆動手段66の側の内壁には支持部65が設けられているが、支持部65については後述する。なお、軸受収容部61、62の形状が図6(A)に示すように収容空間73が軸受BRより僅かに大きい形状の場合は、収容空間73の内壁が支持部65に相当する。
図2(B)に示す軸受付カムシャフト(以下、ワークWと記載する)を製造するためには、まず最初のステップにて、(複数の)カム駒CAの挿通孔CAHと、(複数の)軸受BRの挿通孔BRHを、シャフトSTの外周面の軸方向におけるそれぞれの所定位置に嵌合させて組み付ける(嵌合方法については特に限定しない)。
次のステップでは、図3(A)に示すように、マスキング装置60の軸受収容部61、62を開放状態にして、ワークWの軸受BRを軸受収容部61の収容空間に収め、ワークWをマスキング装置60に載置する。なお、研削盤1には、単数または複数のマスキング装置60が設けられており、軸受収容部61、62を開放状態にした場合、従来の仮置台として使用することができる。
次のステップでは、マスキング装置60に載置したワークWを、一対の支持手段(図1の例では、センタ部材30C、40C)にて支持する(支持すると、ワークWは僅かに浮く)。
そして、次のステップでは、図3(B)に示すように、マスキング装置60の軸受収容部61と軸受収容部62とを閉じてマスキング状態にする。そして、収容部駆動手段66を駆動して収容部60SをX軸方向に移動させて支持部65を軸受BRに当接させ、軸受BRにおける砥石Tと反対側のクリアランスがほぼゼロとなるようにする。このクリアランスについては後述する。
少なくとも研削対象のカム駒CAに最も近い位置の軸受BRをマスキング装置60にてマスキングした後、次のステップでは、図3(C)及び(D)(図3(D)は図3(C)の平面図である)に示すように、砥石Tを用いて、前記研削対象のカム駒CAの外周形状を仕上げ研削する。
マスキング後の仕上げ研削におけるステップとしては、研削対象のカム駒CAの外周と砥石Tとが対向するように、研削対象のカム駒CAに対して砥石Tを相対的に移動させる(図1の例では主軸テーブル駆動モータ20Mにて主軸テーブル20をZ軸方向に移動させる)。
次のステップでは、ワークWを主軸回転軸CZ(ワークWの回転軸に相当)回りに回転させながら、ワークWに対して砥石Tを主軸回転軸CZに直交する方向に進退移動させて(図1の例では、砥石テーブル駆動モータ10Mにて砥石テーブル10をX軸方向に往復移動させて)、研削対象のカム駒CAに砥石Tを押し付けて仕上げ研削する。
●[軸受BRのクリアランスによる誤差の低減(図4)]
以上の説明では、各カム駒CAの単体の外周形状のそれぞれを、より高精度とするために、軸受付カムシャフトにカム駒CAと軸受BRを嵌合(組み付け)した後にカム駒CAの仕上げ研削を行った。ここで、軸受BRには必ず僅かなクリアランス(遊び)があり、実際の内燃機関に軸受付カムシャフトが組み付けられた場合、このクリアランスによるガタつきによって、カム駒CAの外周形状の誤差とは別の誤差を生じる。
そこで、支持部65を軸受BRに当接させ、軸受BRにおける砥石Tと反対側のクリアランスがほぼゼロとなるようにしたが、これにより、軸受BRのクリアランスによる誤差の低減に効果があることを説明する。
図4(A)は、内燃機関に軸受付カムシャフトWが組み付けられた状態の例を示しており、シリンダCDと、ボルトB等にてシリンダCDに固定されたシリンダヘッドCHと、の間に軸受付カムシャフトの軸受BRが挟持されている様子を示している。この場合、内燃機関のシリンダCDの側には排気バルブまたは吸気バルブの反対側の端部であるタペットTPが、各カム駒CAと対向する位置にある。そしてタペットTPはバルブスプリング等によって、対向しているカム駒CAの方向に押し付けられている。この押し付け力をFpとすると、この力Fpがカム駒CAからシャフトSTに伝わり、シャフトSTがシリンダヘッドCH側に押し付けられる。
これにより、軸受BRのクリアランスにおける、タペットTPと反対の側(シリンダヘッドCHの側)のクリアランス(内輪BIと鋼球BBとのクリアランスC1a+外輪BOと鋼球BBとのクリアランスC1b)は、ほぼゼロとなり、タペットTPの側のクリアランス(内輪BIと鋼球BBとのクリアランスC2a+外輪BOと鋼球BBとのクリアランスC2b)は大きくなる。
次に、内燃機関に軸受付カムシャフトWが組み付けられた状態である図4(A)と近似する状態を、研削盤1で再現しながらカム駒CAを研削する状態を図4(B)に示す。
砥石Tにてカム駒CAを押し付ける力Ftが、図4(A)におけるタペットTPからの押し付け力Fpに相当する。この押し付け力FtによってシャフトSTが砥石Tと反対の側に押し付けられる。ここで、軸受BRのクリアランスにおける、砥石Tと反対の側のクリアランス(内輪BIと鋼球BBとのクリアランスC1a+外輪BOと鋼球BBとのクリアランスC1b)をほぼゼロとするために、砥石Tの反対の側から支持部65を用いて、軸受BRを支持する(軸受BRが砥石Tの反対の側に移動しないように支持する)。
図4(B)における支持部65は図4(A)におけるシリンダヘッドCHに相当し、図4(B)における砥石Tは図4(A)におけるタペットTPに相当する。
●[収容部60Sのシール構造(図5)]
次に、図5を用いて収容部60Sのシール構造について説明する。軸受BRを収容させて軸受収容部61、62を閉じてマスキング状態にしても、図5(A)に示すように、ワークWのシャフトSTと収容部60Sとの間には間隙K1があるので、この間隙K1からクーラントや研削屑が収容部60Sに浸入する可能性がある。
そこで、収容部60Sの内部に液体状(きれいなクーラントや油等)または気体状(圧縮エアやオイルミスト等)の媒体を供給し、この間隙K1から媒体を噴出させるシール手段を設ける。
ここで、軸受収容部62が図6(A)に示すように軸受BRを収容する収容空間73が軸受BRの形状に沿うように削り出し等で形成されている場合、軸受収容部62におけるシャフトSTと対向する縁部に、媒体充填溝72を形成する。そして、媒体充填溝72に導通する導通路71を形成し、配管70を導通路71に接続する。これにより、配管70から供給された媒体は、導通路71を経由して媒体充填溝72に充填され、間隙K1から外部に向けて噴出される。
また、軸受収容部62が図6(B)に示すように箱状に形成されて収容空間73が箱状である場合は、配管70を軸受収容部62に接続して収容空間73に媒体を供給すればよく、導通路71や媒体充填溝72を設ける必要がない。
なお、軸受収容部61も同様であるので、軸受収容部61については説明を省略する。
●[マスキング装置60の他の例(図7)]
次に、図7を用いて、マスキング装置60の他の例について説明する。図7に示すマスキング装置60は、図3に示すマスキング装置60に対して、収容部駆動手段66と軸67を省略し、調整手段65X、65Yと支持部65Yを追加している。なお、図7に示すマスキング装置60は、媒体を噴出するシール手段の記載を省略している。
作業者は、調整手段65Xを操作することで、支持部65のX軸方向の位置を調整することが可能であり、調整手段65Yを操作することで、支持部65BのY軸方向の位置を調整することが可能である。
なお、調整手段65Y及び支持部65Bは省略してもよい。
また、図7に示す収容部60S(支軸69、台座68を含まない)を作成し、作成した収容部60Sを従来の仮置台等に設けるようにしてもよい。
以上、本実施の形態にて説明した研削盤1を用いれば、カム駒CAの外周形状をより高精度に仕上げることが可能であり、且つマスキング装置60を用いることで、軸受BRに切削屑等が浸入することを適切に防止することができる。
また、軸受BRを砥石Tの反対の側から支持して砥石Tに向かう方向に押し付けることで、軸受付カムシャフトを実際の内燃機関に組み付けた際に軸受BRのクリアランスによる誤差をより低減することができる。これにより、加工の基準と使用時の回転基準が同じであり、製品精度を確保し易い。
本発明の研削盤1及びマスキング装置60は、本実施の形態で説明した外観、構成、構造等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、軸受BRの構造及び概観等は、本実施の形態にて説明したものに限定されるものではなく、鋼球BBは、略円筒状の「ころ」であってもよい。
また、本実施の形態では、シャフトSTに複数のカム駒CAと複数の軸受BRとを組み付けた軸受付カムシャフトの例を説明したが、シャフトSTに単数または複数のカム駒CAと単数または複数の軸受BRを組み付けた軸受付カムシャフトに適用することができる。
軸受付カムシャフト(ワークW)のカム駒CAを仕上げ研削する研削盤1の一実施の形態における概略外観図(平面図、側面図)を説明する図である。 軸受付カムシャフトの構造と外観形状の例を説明する図である。 マスキング装置60の全体構造と研削の手順を説明する図である。 軸受付カムシャフトを実際の内燃機関に組み付けた状態を示す図と、軸受付カムシャフトのカム駒CAを研削盤1の砥石Tを用いて研削する様子を説明する図である。 マスキング装置60の収容部60Sに設けたシール手段を説明する図である。 軸受収容部62(61)の形状、構造の例を説明する斜視図である。 マスキング装置60の他の例を説明する図である。
符号の説明
1 研削盤
2 基台
10 砥石テーブル
10M 砥石テーブル駆動モータ
11 砥石駆動モータ
20 主軸テーブル
20M 主軸テーブル駆動モータ
30 主軸装置
30C センタ部材(一対の支持手段)
30D 主軸台
30M 主軸移動モータ
40 心押装置
40C センタ部材(一対の支持手段)
40D 心押台
60 マスキング装置
61、62 軸受収容部
60S 収容部
63 ヒンジ部(回動軸)
65 支持部
73 収容空間
T 砥石(加工工具)
W ワーク(軸受付カムシャフト)
ST シャフト
CA カム駒
BR 軸受
BO 外輪
BI 内輪
BB 鋼球
CZ 主軸回転軸(ワーク回転軸)
TZ 砥石回転軸

Claims (5)

  1. シャフトの外周面の軸方向に単数または複数のカム駒と単数または複数の軸受が嵌合された軸受付カムシャフトのカム駒の外周を研削する研削盤であって、
    前記軸受付カムシャフトを主軸回転軸回りに回転可能に支持する一対の支持手段と、
    前記カム駒の外周面を研削可能な砥石と、
    前記砥石を砥石回転軸回りに回転可能に支持し、前記一対の支持手段に支持された前記軸受付カムシャフトに対して相対的に前記主軸回転軸に交差する方向に進退移動可能な砥石台と、
    前記一対の支持手段に支持された前記軸受付カムシャフトに嵌合されている前記軸受を、カム駒の研削による研削屑及びカム駒へのクーラントが当該軸受内に浸入することを防止するように覆うマスキング装置と、を備えている、
    研削盤。
  2. 請求項1に記載の研削盤であって、
    前記マスキング装置は、前記軸受を覆っている状態において、前記軸受付カムシャフトのシャフトと当該マスキング装置との間隙からの研削屑やクーラントの浸入を防止するシール手段を備えている、
    研削盤。
  3. 請求項2に記載の研削盤であって、
    前記マスキング装置には、液体状または気体状の媒体が供給されており、
    前記マスキング装置は、前記シール手段として、前記間隙から前記媒体を噴出する、
    研削盤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の研削盤であって、
    前記マスキング装置は、前記軸受を覆っている状態において、覆っている軸受における前記砥石と反対の側を支持する支持部を備えている、
    研削盤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の研削盤であって、
    前記マスキング装置は、内部に前記軸受を収容可能な収容空間を有する軸受収容部を備えており、
    前記軸受収容部は、
    2つに分割されており、分割されたそれぞれの軸受収容部の少なくとも一方は、前記主軸回転軸に平行な回動軸回りに回動可能であり、
    分割された軸受収容部を回動させて開いた状態として前記収容空間に前記軸受を出し入れ可能な開放状態と、分割された軸受収容部を回動させて閉じた状態として前記収容空間に前記軸受を収容したマスキング状態にすることが可能である、
    研削盤。
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