JP5291800B2 - 多地点協調送受信(CoMP)セルにおけるサブセル探索のレートを動的に調節する方法および装置 - Google Patents

多地点協調送受信(CoMP)セルにおけるサブセル探索のレートを動的に調節する方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、無線通信の分野に関し、特に、多地点協調送受信(CoMP)システムにおけるセル探索の分野に関するものである。
ユニバーサル移動通信システム(UMTS)はGSMに代わるように設計された第3世代移動通信技術のうちの1つである。3GPPロングターム・エボリューション(LTE)は、改良されたサービス(例えば、より高いデータレート、改良された効率およびコスト低減)に関しての将来の必要条件に対処するためのUMTS標準を改良する第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)内のプロジェクトである。UMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)はUMTSシステムの無線アクセスネットワークであり、エボルブドUTRAN(E−UTRAN)はLTEシステムの無線アクセスネットワークである。しかしながら、進化は続き、アドバンスドE−UTRAN(以下にLTEアドバンスドと称する)での研究アイテムが3GPPで最近承認された。
LTEアドバンスドのいくつかの目的のうちの1つは、特にセル端でのスペクトル効率およびシステム/ユーザ・スループットを増加させることである。以前のシステム、例えば直交周波数分割多元接続(OFDMA)を使用するUTRANおよびE−UTRANは、基本的にリユース−1(reuse-1)システムであり、隣接した基地局サイトは同一の周波数を使用し、疎(sparse)なスペクトル資源の効率的利用が出来る。しかし、リユース−1はセル間干渉をもたらし、基地局及びユーザ装置(UE)において高度な受信機を使用することによって緩和される。LTEアドバンスド・システムにおいて、セル間渉は、高度な受信機に基づいて従来の手段に加えアーキテクチャ上の手段によって制限されることが期待される。LTEアドバンスドにおいて使用されるそのような装置は、多地点協調送受信(CoMP)システムと呼ばれている。CoMPシステムに対して文献において使用される他の用語は、分散アンテナ・システム(DAS)であるが、用語CoMPシステムを以下では用いる。CoMPシステムの導入は、また、セル探索、及びセル再選択およびハンドオーバを実行するために必要な測定のような他の処理に影響を与える。
CoMPシステムは、転送ネットワークを介して共通のソースに接続している空間的に分離されたアンテナ・ノードまたは遠隔アンテナ・ユニットであり、地理的エリア内で無線サービスを提供する。以下では、遠隔アンテナ・ユニットをサブ基地局と呼ぶ。図1は、従来のCoMPシステムの基本コンセプトを示している。制御ユニット110は、全てのサブ基地局130の機能を調整する。当該制御ユニット110は、例えば、基地局または分離した集中コントローラに配置され得る。CoMPシステム内のサブ基地局130は受動的な増幅器であり得るが、また、完全な信号処理能力(すなわち送受信機)を含み得る。サブ基地局130の全てはタイトに同期している。以下では、サブ基地局130の各々によってカバーされる領域をサブセル120と呼ぶ。同様に、以下では、CoMPシステムによってカバーされる領域をCoMPセル140と呼ぶ。
CoMPが重要なアーキテクチャであると考えられるLTEアドバンスドにおいて、サブ基地局130の各々は、E−UTRANとの下位互換性を確実にするためにE−UTRAN基地局(eノードB)を再利用することによって実現され得る。これは、1つのCoMPセルが1セットのeノードBを含み得ることを暗に意味する。
CoMPの基本的アイデアは、低減された総電力で従来の基地局と同じ領域のカバー範囲を提供するため、従来の基地局の送信電力を空間的に分離されたいくつかのサブ基地局に分割することである。これは、セル間干渉の低減をもたらす。概して、UEは、CoMPセル内の複数のサブ基地局から信号を受信する。換言すれば、複数のサブセル120は、ダイバーシティー利得により信頼性を改善する1つのUE150にサービスする。サブ基地局の全ては同期しているので、UEは透過的かつコヒーレントにデータを受信する。
セル探索は、UEが無線通信システム内で潜在的に接続するセルを見つける手順である。セル探索、セル識別およびセル検出は、移動通信において一般に使用される用語で有り同じ意味を有する。整合性のため、以下では、セル探索及びセル探索遅延を使用する。セル探索手順の一部として、UEは、最も強い受信信号のセルを発見するため、例えば、他のセルからの基準信号または同期信号を計測する。同期信号はまた、ブロードキャストチャネル情報を受信するために必要なパラメータと同様に、発見されたセルのセル識別子およびフレーム・タイミングを決定するために用いる。セル探索遅延は、UEがセルを発見し識別するために必要な時間である。初期セル探索はUEの電源オンの後で実行され、一方、隣接セル探索はハンドオーバのためのターゲットセル候補を識別するために使用される。隣接セル探索は、UEがネットワークからダウンリンクデータを受信する被接続モード及びアイドルモードの双方において実行される。
CoMPシステムにおいて、例えば同期信号および基準信号のような共通チャネル信号は、CoMPセルの全てのサブ基地局から同様に送信され、それはそれらが同じCoMPセルの全てのサブセルに共通であることを意味する。共通の同期信号によって、例えば、UEは(CoMPセル探索において)CoMPセル識別子を決定することができる。また、従来のCoMPシステムにおいて各サブセルに特有の付加的な同期信号および基準信号が送信され得、UEは(サブセル探索において)CoMPセル内の各サブセルを一意に識別することが出来る。サブセル識別子は、隣接CoMPセルにおいて再利用され得る。このように、サブセルは、CoMPセル識別子およびサブセル識別子の組合せによって識別されなければならない。
UEは典型的には多数のサブセルによってサービスされ、1つのサービングCoMPセルに帰属する。多数のサイトからの協調送信は、信頼性を増加させ、セル間干渉を低減する。従来のCoMPシステムの制御ユニットの役割の1つは、最適なシステム性能を得るために、サブセルから送信を調整することである。これを可能にするため、UEは、CoMPセル内での送受信に適当なサブセルを発見し識別し(すなわち、サブセル探索を実行する)、識別されたサブセルを制御ユニットに報告することを必要とする。
多数のCoMPセルを含むネットワークにおいて、UEは、また、異なるCoMPセル間を移動する。そのため、ハンドオーバはCoMPセル間でサポートされなければならず、CoMPセルはターゲットCoMPセル候補のリストを識別するために定期的に探索される。サービングCoMPセルからターゲットCoMPセルへのハンドオーバの後におけるセル内干渉の増加および性能の低下を防止するため、ターゲットCoMPセルは、多数のサブセルからUEに直ちにサービスを開始しなければならない。これは、ハンドオーバ時に、サービングCoMPセルが、ターゲットCoMPセルに当該ターゲットCoMPセルで”最強”のサブセル(すなわち最強の信号を出力しているサブセル)のリストを提供することによって実現することができる。そのため、UEは、定期的に各ターゲットCoMPセル候補のサブセルを探索しなければならず、最強のターゲットCoMPセル候補の識別子および対応する最強のサブセルの識別子をサービングCoMPセルに送信しなければならない。このような方法で、ターゲットCoMPセルは、ハンドオーバにおいて追加的な遅延無く最強のサブセルからUEへの送信を再開することができる。
サービングCoMPセルからターゲットCoMPセルへのハンドオーバをする被接続モードのUEにおける従来のセル探索手順を図2を参照して説明する。UE230は、サービングCoMPセル210及び当該サービングCoMPセル210内の多数のサブセル220によりサービスされる。UE230は、連続的に隣接CoMPセルから受信する信号強度を測定し、これらの測定に基づいて最強の隣接CoMPセルのリスト(すなわちターゲットCoMPセル候補240a〜b)をサービングCoMPセル210に送信する。また、ターゲットCoMPセル候補240a〜bのそれぞれに対し、UE230は、サブセル探索を行い発見した最強のサブセル(すなわちターゲットサブセル250a〜b)の識別子をサービングCoMPセル210に送信する。これは、サービングCoMPセル210から実際のターゲットCoMPセルと識別されたターゲットCoMPセル候補240aへのハンドオーバにおいて、サービングCoMPセル210は、ターゲットサブセル250aの識別子をすぐにターゲットCoMPセル240aに送信でき、最小の妨害で送信し続けることができることを意味する。
全てのターゲットCoMPセル候補内でサブセル探索を行う理由は、ハンドオーバ直後の性能を最適化することにある。ターゲットCoMPセル候補内でサブセル探索を行わない場合、ハンドオーバ時にターゲットCoMPセル候補として選択されたCoMPセルは、ハンドオーバの直後に送信するための最高の1セットのサブセルを割り当てることが出来ない。代わりに、ターゲットCoMPセルは、ハンドオーバの間のUEからのアップリンク送信(例えばRACH送信)に基づいてサブセルを選択する。しかしながら短いRACHバーストの受信のため、サブセル選択は信頼性が高くないかもしれず、ターゲットCoMPセルは、UEからのより高信頼の信号を受信したときにサブセルを再割り当てることになる。サブセル探索を全く実行せず、代わりにRACH送信に依存することに関する欠点は、UEに正しいサブセルが割り当てられるまでCoMPセル内の干渉が増加することである。加えて、ユーザ・スループットは、サブセルの所望セットの選択の遅延により低下する。
全ての候補ターゲットCoMPセルにおける連続的なサブセル探索の欠点は、UEが大量のセル探索を平行して実行し、サブセル識別子の非常に長いリストを維持することが必要ということである。これは、例えば処理及び記憶のためのより多くのハードウェアのようなUEの複雑度を増加させる。さらに、UEがDRXを使用しアイドルモードである場合、連続的なセル探索はUEのバッテリを消耗する。
サブセル識別子の全てを制御ユニットに送信することが必要であるため、連続的なサブセル探索の更なる不利な点は、アップリンクにおけるシグナリング負荷であり、従って、サービングCoMPセルにおける処理が重要である。
本発明の目的は、上述の不利な点をいくつか取り除き、CoMPセルを有するシステムにおいて、ハンドオーバにおける許容システム性能を維持しつつUEに必要なサブセル探索の回数を制限することを可能にする方法及び装置を達成することである。これは、CoMPセルの品質性能を閾値と比較する特定の条件を満たすときにのみ、UEはターゲットCoMPセル候補内のサブセル探索を実行するという解決法により達成される。
従って、本発明の第1の態様によれば、CoMPセルを有する無線通信システムにおけるユーザ装置のためのセル探索の方法が提供される。ユーザ装置はサービングCoMPセルによりサービスされる。CoMPセルは制御ユニットと少なくとも2つのサブセルとを含み、各サブセルは少なくともCoMPセル固有同期信号とサブセル固有同期信号とを送信している。当該方法は、CoMPセルを探索するステップと、少なくとも1つのターゲットCoMPセル候補を発見するステップと、少なくともCoMPセル固有同期信号に基づいて、探索されたターゲットCoMPセル候補の識別子を決定するステップと、を含む。当該方法は、CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する少なくとも1つの条件が満たされるか否かを決定するステップと、CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する少なくとも1つの条件が満たされるとき、探索されたターゲットCoMPセル候補内で指定レートのサブセル探索を開始するステップと、の更なるステップにより特徴付けられる。
本発明の第2の態様によれば、無線通信システムにおけるCoMPセルの制御ユニットのためのセル探索の方法が提供される。CoMPセルは少なくとも1つのユーザ装置にサービスしており、制御ユニットはターゲットCoMPセル候補のリストを管理している。当該方法は、少なくとも1つの閾値をユーザ装置に送信するステップを含み、閾値はターゲットCoMPセル候補におけるサブセル探索をいつ開始するべきかの決定のためにユーザ装置により使用される。
本発明の第3の態様によれば、CoMPセルを有する無線通信システムにおけるサービングCoMPセルによりサービスされるユーザ装置が提供される。CoMPセルは制御ユニットと少なくとも2つのサブセルとを含み、各サブセルは少なくともCoMPセル固有同期信号とサブセル固有同期信号とを送信している。当該ユーザ装置は、CoMPセルを探索する手段と、少なくとも1つのターゲットCoMPセル候補を発見する手段と、を含む。当該ユーザ装置は、また、少なくともCoMPセル固有同期信号に基づいて、探索されたターゲットCoMPセル候補の識別子を決定する手段を含む。当該ユーザ装置は、CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する少なくとも1つの条件が満たされるか否かを決定する手段と、CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する少なくとも1つの条件が満たされるとき、探索されたターゲットCoMPセル候補内で指定レートのサブセル探索を開始する手段と、により特徴付けられる。
本発明の第4の態様によれば、無線通信システムにおけるCoMPセルの制御ユニットが提供され、CoMPセルは少なくとも1つのユーザ装置にサービスしている。制御ユニットはターゲットCoMPセル候補のリストを管理するのに適している。当該制御ユニットは、少なくとも1つの閾値をユーザ装置に送信する手段を含み、閾値はターゲットCoMPセル候補におけるサブセル探索をいつ開始するべきかの決定のためにユーザ装置により使用される。
本発明の実施例の利点は、特定の1つ又は複数の条件を満たすときにのみ、UEはターゲットCoMPセル候補内のサブセル探索を実行するため、UEの処理および記憶に関して複雑度の低減を可能にすることである。UEによるサブセルのより少量の報告のため、アップリンクのシグナリング負荷が低減され、従ってサービングCoMPセルの処理もまた低減される。更なる効果は、DRXを使用しているアイドルモードのUEは、セル探索のための処理の低減によって電力およびバッテリ寿命をセーブすることである。
従来のCoMPシステムの基本コンセプトを示す図である。 本発明が実施され得る従来のCoMPセルを有する無線通信システムの一部を示す図である。 本発明の実施例に従った制御ユニット及びUEを説明するブロック図である。 本発明の実施例に従ったUEの方法のフローチャートである。 本発明の実施例に従ったUEの方法のフローチャートである。 本発明の実施例に従ったUEの方法のフローチャートである。 本発明の実施例に従った制御ユニットの方法のフローチャートである。
以下では、本発明が、特定の実施例及び添付の図面を参照して更に詳細に記載されている。例えば特定のシナリオ、技術、その他に限定するものでは無い説明のため具体的な詳細が本発明の完全な理解を提供するために記載されている。しかしながら、本発明がこれらの具体的な詳細から離れた他の実施例において実施され得ることは当業者にとって明らかである。
さらに、当業者は、以下の明細書において説明される機能および手段が、プログラムされたマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータと連動して機能するソフトウェアを使用して、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)を使用して実施し得ると認めるであろう。また、本発明が主に方法および装置の形で記載されるが、本発明がまた、コンピュータプロセッサおよび当該プロセッサに接続する(明細書に開示される機能を実行し得る1つ以上のプログラムがコード化されている)メモリを含むシステムと同様にコンピュータ・プログラム製品で実施され得ることを認識するであろう。
本発明は、特定の実施例シナリオを参照して明細書に記載されている。特に、本発明は、LTEアドバンスド・システムに関して非制限の一般コンテキストとして記載されている。しかしながら、本発明およびその例示的な実施形態は、また、CoMPシステムアーキテクチャを使用する無線通信システムの他方式に適用され得る点に留意する必要がある。
上述の通り、CoMPセルはいくつか(典型的に10前後)のサブセルを含む。そのため、従来のCoMPセルは、UEに対して非常に多数のサブセル探索となる。本発明の目的は、CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する1つ以上の条件が満たされる場合にのみUEによるサブセル探索を可能にすることにより、システム内のサブセル探索の回数を制限することにある。これはUEの複雑度を低減し、その一方で、ハンドオーバにおける良好な性能を得るための一定量のサブセル探索を保持する。
用語”セル品質性能指標”は、UEによって実行されるさまざまなダウンリンク測定値に関連する。このようにセル品質性能のさまざまな態様をカバーする総称用語である。性能指標のいくつかの周知の実施例は、セル探索遅延、受信した同期信号の信号レベルまたは品質、基準信号受信電力(RSRP)、基準信号受信品質(RSRQ)、基準信号の信号対干渉及び雑音比(RS SINR)等である。RSRP及びRSRQは、移動性(すなわち、セル再選択及びハンドオーバの実行)のためにE−UTRANおよびLTEアドバンスドにおいて使用されるダウンリンク測定値であり、従って、隣接セルと同様サービングセルにより測定される。
本発明において、UEは、(CoMPセル内の全てのサブセルからコヒーレントに送信される)同期信号を比較することにより、隣接CoMPセルを定期的に探索する。そして、UEは、最強の隣接CoMPセルのリスト(すなわちそのターゲットCoMPセル候補)を発見し、識別し、維持する。各々のターゲットCoMPセル候補に対して、UEは、CoMPセル品質性能に関連する1つ以上の条件が満たされるか否かに基づいて、サブセル探索を開始すべきか否かを判定する。本発明の第1実施例において、1つ以上の条件が満たされる場合、指定レートでサブセル探索が実行される。それ以外は、サブセル探索は全く実行されない。この本発明の第1実施例の効果は、サブセル探索を常に行うのでは無く、特定の1つ又は複数の条件を満たすときにのみ、UEはターゲットCoMPセル候補内のサブセル探索を実行するため、UEの処理および記憶に関して複雑度の低減を可能にする点である。
本発明の第2実施例において、UEは、第1実施例で上述したように、1つ以上の条件が満たされる場合、指定探索レートでサブセル探索を実行し、どの条件も満たさない場合、UEはサブセル探索を実行するが、指定探索レートより低いレートで探索する。これは、サブセル探索が全てのターゲットCoMPセル候補において実行されるが、CoMPセルの品質性能に依存して異なる探索レートで実行されることを意味する。より低いサブセル探索レートは、上述した第1の実施例よりはいくらか多いが、UEでの処理はより少なくなりより低い複雑度を暗示する。同時に、全てのターゲットCoMPセル候補に対してサブセル探索がなされるため、この第2実施例は、いくらかより良好なハンドオーバ性能をもたらす。UEの複雑度とハンドオーバ性能との間でトレードオフがなされる。
本発明の一実施例では、CoMPセル品質性能に関連する条件(すなわちCoMPセル品質性能指標を閾値と比較する条件)は、後述する条件1〜4の1つ以上として定義される。CoMPセル品質性能指標は、受信信号品質(条件1、2および4)およびセル探索遅延(条件3)を表す。
条件1:ターゲットCoMPセル候補からの受信信号品質(例えば、信号対干渉及び雑音比SINR)が第1閾値より良い。すなわち、ターゲットCoMPセル候補品質は、おそらくハンドオーバにおいてサービングセルとなるのに十分良好であり、このCoMPセルに対してサブセル探索を指定レートで実行するべきである。
条件2:ターゲットCoMPセル候補からの受信信号品質とサービングCoMPセルからの受信信号品質との差が第2閾値より大きい。UEは、ターゲットCoMPセル候補の受信信号品質とサービングCoMPセルの受信信号品質との差を定期的に算出し、その差を閾値と比較する。差が閾値より大きい場合、ターゲットCoMPセル候補はサービングCoMPセルより良好な品質を有し、おそらくハンドオーバにおいてサービングセルとなるのに十分良好だろう。このターゲットCoMPセル候補に対してサブセル探索を指定探索レートで実行するべきである。
条件3:ターゲットCoMPセル候補のセル探索遅延が第3閾値より小さい。この場合、UEは、CoMPセル探索に対する時間トラック(すなわち、セル遅延探索)を維持する。セル探索遅延は受信同期信号の品質が低下すると増加するため、ターゲットCoMPセル候補の品質の測定値である。より長いセル探索遅延は、弱いターゲットCoMPセル候補を暗示し、サブセル探索する緊急に必要とされない又はより低い探索レートで実行可能であることを意味する。しかし、セル探索遅延が閾値より短い場合、このCoMPセルに対しては指定レートでサブセル探索をするべきである。
条件4:サービングCoMPセルからの受信信号品質が第4閾値より悪い。条件が成り立つ場合、全てのターゲットCoMPセル候補に対して指定探索レートでサブセル探索を実行すべきである。
これらの4つの条件は、(全てのサブセルからの受信信号の品質に基づく)CoMPセル品質が低下している場合、そのためサブセルの品質が低下している場合のアイデアに基づくものである。
本発明の更なる実施例において、上述の条件1、2 4が満たされるかどうか決定するために測定される受信信号品質が、CoMPセルによって送信される適切な共通チャネル信号(すなわち、同期信号または基準信号、または両方の組合せ)の品質である。後の実施例において、UEは、複数の信号の品質(すなわち基準信号(QT_RS)および同期信号(QT_SS)の品質)を比較する。数学的には、これは、
QT_RS>α AND QT_SS>Ω (1)
のように表される。ここで、α及びΩは閾値である。あるいは、ブロードキャストチャネル信号も使用されうる。
本発明の実施例において、いくつか(または全て)のターゲットCoMPセル候補に対して開始されるサブセル探索は、UEが、サブセルを探索するステップと、CoMPセルのターゲットサブセルを発見するステップとを含む。ターゲットサブセルは、UEにおいて最高の信号強度である信号を受信するサブセルに対応し、ターゲットCoMPセル候補内でUEにサービスするのに最適なサブセルに対応する。次のステップは、UEがサブセル固有同期信号の助けを借りて各ターゲットサブセルの識別子を決定することである。最終のステップは、一意にターゲットサブセルを識別するため、UEがサービングCoMPセルの制御ユニットにターゲットサブセルの識別子と共にターゲットCoMPセル候補の識別子を送信することである。このような方法で、サービングCoMPセルは、サブセル探索が実行されるターゲットCoMPセル候補へのハンドオーバを最適な性能で行うために必要とされる全ての情報を得る。
本発明の更なる実施例において、上述の条件1〜4において使用するそれぞれの閾値はUEで測定される。別の実施例において、閾値は、制御ユニットを介してネットワークからUEまで送信される。さらに他の別の実施例において、閾値は、UEにおいて予め決定されている。
図4aは、上述の本発明の第1実施例に係るUEの方法のフローチャートである。当該方法は、UEによって実行される以下の工程を含んでいる。
410:ターゲットCoMPセル候補を発見するため、CoMPセルを探索する。
420:1つ以上のターゲットCoMPセル候補を発見する。ここで、ターゲットCoMPセル候補は、UEにいて最高の信号強度で受信されるCoMPセルである。
430:少なくともCoMPセル固有同期信号に基づいて、ターゲットCoMPセル候補の識別子を決定する。E−UTRANではセル探索は同期信号のみに基づきうるが、加えて、セル探索性能を更に改善するため共通基準信号(UTRANの共通パイロットチャネル(CPICH)と同様)を使用しうる。
440:CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する条件の何れかを満たすか否かを決定する。
450:はい(少なくとも1つの条件が満たされる)である場合、発見されたターゲットCoMPセル候補内のサブセル探索を指定レートで開始する。
本実施例では、何れの条件も満たさない場合、サブセル探索は開始されない。
図4bは、上述の本発明の第2実施例に係るUEの方法のフローチャートである。当該方法は、図4aのフローチャートに示される第1実施例と同様の工程410〜450を含んでいるが、何れの条件も満たさない場合、指定レートより低いレートでサブセル探索を開始する工程460をまた含んでいる。
本発明の他の実施例によれば、工程450及び460は、図4cのフローチャートに示される方法のUEによって実行される工程を含む。当該工程は、以下の通りである。
451:発見されたターゲットCoMPセル候補のサブセルを探索する。
452:当該CoMPセルのターゲットサブセルを見つける。
453:(CoMPセル探索と同様に)少なくともサブセル固有同期信号に基づいて、発見されたターゲットサブセルの識別子を決定する。
454:発見されたターゲットサブセルの識別子および対応するターゲットCoMPセル候補の識別子をサービングCoMPセルの制御ユニットに送信する。上述したように、サブセルを一意に識別するため、サブセル識別子およびCoMPセル識別子の両方が必要である。
さらに、図5は、本発明の一実施例に従った制御ユニットの方法のフローチャートである。当該方法は、ユーザ装置に少なくとも1つの閾値を送信する工程510を含む。この閾値は、ターゲットCoMPセル候補に対してサブセル探索を開始するか否かを決定するためにユーザ装置によって使用される。
図3のブロック図および本発明の実施例に例示的に説明されるように、UE350は、CoMPセルを探索するための手段351を含む。UE350は、また、少なくとも1つのターゲットCoMPセル候補を発見するための手段352、及び、CoMPセル固有同期信号に基づいてCoMPセルの識別子を決定するための手段353を含む。UEは、また、CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する1つ以上の条件が満たされるか否かを決定するための手段354を含んでいる。
UEは、更に、発見されたターゲットCoMPセル候補内でサブセル探索を開始するための手段355/356を含んでいる。上述の本発明の第1実施例に従って、何れかの条件が満たされる場合、指定探索レートが使用される(355)。第2実施例に従って、何れかの条件が満たされる場合、指定探索レートが使用され(355)、何れの条件も満たさない場合、指定探索レートより低い探索レートが使用される(356)。
また、図3及び本発明の一実施例に従って説明したように、サブセル探索を開始するための手段355/356は、発見されたターゲットCoMPセル候補のサブセルを探索する手段357と、少なくとも1つのターゲットサブセルを発見する手段358と、少なくともサブセル固有同期信号に基づいて、発見された少なくとも1つのターゲットサブセルの識別子を決定するための手段359を含む。サブセル探索を開始する手段355/356は、また、発見されたターゲットサブセルの識別子および対応するターゲットCoMPセル候補の識別子を、サービングCoMPセルの制御ユニットに送信するための手段360を含む。
更に、制御ユニット300が図3に示されている。制御ユニット300は、少なくとも1つの閾値をユーザ装置に送信するための手段301を含んでいる。制御ユニット300は、ある実施例においては基地局内に配置されるように構成され、他の実施例においては集中化したコントローラに配置されるように構成される。
上述し記載されている実施例は、単に例として与えられており、本発明を制限するものでは無い。添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲内の他の解決法、用途、目的および機能が当業者にとって明らかである。

Claims (24)

  1. 多地点協調送受信(CoMP)セルを有する無線通信システムにおけるユーザ装置のためのセル探索の方法であって、前記ユーザ装置はサービングCoMPセルによりサービスされ、前記CoMPセルは制御ユニットと少なくとも2つのサブセルとを含み、各サブセルは少なくともCoMPセル固有同期信号とサブセル固有同期信号とを送信しており、前記方法は、
    少なくとも1つのターゲットCoMPセル候補のCoMPセルを探索するステップ(410)と、
    少なくとも前記CoMPセル固有同期信号に基づいて、探索されたターゲットCoMPセル候補の識別子を決定するステップ(430)と、
    CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する少なくとも1つの条件が満たされるか否かを決定するステップ(440)と、
    CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する前記少なくとも1つの条件が満たされるとき、前記探索されたターゲットCoMPセル候補内で指定レートのサブセル探索を開始するステップ(450)と、
    とを含むことを特徴とする方法。
  2. CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する前記少なくとも1つの条件が満たされないとき、前記探索されたターゲットCoMPセル候補内で前記指定レートより低レートのサブセル探索を開始するステップ(460)を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する前記少なくとも1つの条件は、
    前記探索されたターゲットCoMPセル候補からの受信信号品質が第1閾値より良いという第1条件、
    前記探索されたターゲットCoMPセル候補からの受信信号品質と前記サービングCoMPセルからの受信信号品質との差が第2閾値より大きいという第2条件、
    前記探索されたターゲットCoMPセル候補のセル探索遅延が第3閾値より小さいという第3条件、
    前記サービングCoMPセルからの受信信号品質が第4閾値より悪いという第4条件、
    の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記受信信号品質は、受信基準信号品質と受信同期信号品質との少なくとも一方であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. サブセル探索を開始する前記ステップ(450、460)は、
    少なくとも1つのターゲットサブセルに対して前記探索されたターゲットCoMPセル候補のサブセルを探索するステップ(451)と、
    少なくとも前記サブセル固有同期信号に基づいて前記探索された少なくとも1つのターゲットサブセルの識別子を決定するステップ(453)と、
    前記探索された少なくとも1つのターゲットサブセルの前記識別子と前記探索されたターゲットCoMPセル候補の前記識別子とを前記サービングCoMPセルの前記制御ユニットに送信するステップ(454)と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法。
  6. 前記第1、第2、第3および第4の閾値は、前記ユーザ装置で決定されることを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の方法。
  7. 前記第1、第2、第3および第4の閾値は、前記制御ユニットから受信されることを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の方法。
  8. 前記第1、第2、第3および第4の閾値は、前記ユーザ装置において予め決定されていることを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の方法。
  9. 無線通信システムにおける多地点協調送受信(CoMP)セルの制御ユニットのためのセル探索の方法であって、前記CoMPセルは少なくとも1つのユーザ装置にサービスしており、前記制御ユニットはターゲットCoMPセル候補のリストを管理しており、前記方法は、
    少なくとも1つの閾値を前記少なくとも1つのユーザ装置に送信するステップ(510)を含み、
    前記少なくとも1つの閾値はターゲットCoMPセル候補におけるサブセル探索をいつ開始するべきかの決定をサポートすることを特徴とする方法。
  10. 前記少なくとも1つの閾値は、
    ターゲットCoMPセルからの受信信号品質に対する第1閾値、
    ターゲットCoMPセルからの受信信号品質とサービングCoMPセルからの受信信号品質との差に対する第2閾値、
    ターゲットCoMPセルのセル探索遅延に対する第3閾値、
    サービングCoMPセルからの受信信号品質に対する第4閾値、
    の少なくとも1つであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記受信信号品質は、受信基準信号品質と受信同期信号品質との少なくとも一方であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 多地点協調送受信(CoMP)セルを有する無線通信システムにおけるサービングCoMPセルによりサービスされるユーザ装置(350)であって、前記CoMPセルは制御ユニットと少なくとも2つのサブセルとを含み、各サブセルは少なくともCoMPセル固有同期信号とサブセル固有同期信号とを送信しており、前記ユーザ装置は、
    少なくとも1つのターゲットCoMPセル候補のCoMPセルを探索する手段(351)と、
    少なくとも前記CoMPセル固有同期信号に基づいて、探索されたターゲットCoMPセル候補の識別子を決定する手段(353)と、
    CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する少なくとも1つの条件が満たされるか否かを決定する手段(354)と、
    CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する前記少なくとも1つの条件が満たされるとき、前記探索されたターゲットCoMPセル候補内で指定レートのサブセル探索を開始する手段(355)と、
    とを含むことを特徴とするユーザ装置。
  13. CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する前記少なくとも1つの条件が満たされないとき、前記探索されたターゲットCoMPセル候補内で前記指定レートより低レートのサブセル探索を開始する手段(356)を更に含むことを特徴とする請求項12に記載のユーザ装置。
  14. CoMPセル品質性能指標を閾値と比較する前記少なくとも1つの条件は、
    前記探索されたターゲットCoMPセル候補からの受信信号品質が第1閾値より良いという第1条件、
    前記探索されたターゲットCoMPセル候補からの受信信号品質と前記サービングCoMPセルからの受信信号品質との差が第2閾値より大きいという第2条件、
    前記探索されたターゲットCoMPセル候補のセル探索遅延が第3閾値より小さいという第3条件、
    前記サービングCoMPセルからの受信信号品質が第4閾値より悪いという第4条件、
    の少なくとも1つであることを特徴とする請求項12又は13に記載のユーザ装置。
  15. 前記受信信号品質は、受信基準信号品質と受信同期信号品質との少なくとも一方であることを特徴とする請求項14に記載のユーザ装置。
  16. サブセル探索を開始する前記手段(355、356)は、
    少なくとも1つのターゲットサブセルに対して前記探索されたターゲットCoMPセル候補のサブセルを探索する手段(357)と、
    少なくとも前記サブセル固有同期信号に基づいて前記探索された少なくとも1つのターゲットサブセルの識別子を決定する手段(359)と、
    前記探索された少なくとも1つのターゲットサブセルの前記識別子と前記探索されたターゲットCoMPセル候補の前記識別子とを前記サービングCoMPセルの前記制御ユニットに送信する手段(360)と、
    を含むことを特徴とする請求項15に記載のユーザ装置。
  17. 前記第1、第2、第3および第4の閾値は、前記ユーザ装置で決定されることを特徴とする請求項14乃至16の何れか一項に記載のユーザ装置。
  18. 前記第1、第2、第3および第4の閾値は、前記制御ユニットから受信されることを特徴とする請求項14乃至16の何れか一項に記載のユーザ装置。
  19. 前記第1、第2、第3および第4の閾値は、前記ユーザ装置において予め決定されていることを特徴とする請求項14乃至16の何れか一項に記載のユーザ装置。
  20. 無線通信システムにおける多地点協調送受信(CoMP)セルの制御ユニット(300)であって、前記CoMPセルは少なくとも1つのユーザ装置にサービスしており、前記制御ユニットはターゲットCoMPセル候補のリストを管理するのに適しており、前記制御ユニットは、
    少なくとも1つの閾値を前記少なくとも1つのユーザ装置に送信する手段(301)を含み、
    前記少なくとも1つの閾値はターゲットCoMPセル候補におけるサブセル探索をいつ開始するべきかの決定をサポートすることを特徴とする制御ユニット。
  21. 前記少なくとも1つの閾値は、
    ターゲットCoMPセルからの受信信号品質に対する第1閾値、
    ターゲットCoMPセルからの受信信号品質とサービングCoMPセルからの受信信号品質との差に対する第2閾値、
    ターゲットCoMPセルのセル探索遅延に対する第3閾値、
    サービングCoMPセルからの受信信号品質に対する第4閾値、
    の少なくとも1つであることを特徴とする請求項20に記載の制御ユニット。
  22. 前記受信信号品質は、受信基準信号品質と受信同期信号品質との少なくとも一方であることを特徴とする請求項21に記載の制御ユニット。
  23. 前記制御ユニットは、基地局内に配置されるように構成されることを特徴とする請求項22に記載の制御ユニット。
  24. 前記制御ユニットは、前記CoMPセル内の複数のサブ基地局を制御するのに適しているコントローラ内に配置されるように構成されることを特徴とする請求項22に記載の制御ユニット。
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