JP5290393B2 - タンタルスパッタリングターゲット - Google Patents

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Description

この発明は、均一微細な組織を備え、プラズマが安定であり、膜の均一性(ユニフォーミティ)に優れた高純度タンタルスパッタリングターゲットに関する。なお、本願発明の高純度タンタルは、モリブデンと必要に応じてニオブを含有(添加)するものであるが、これらの元素の添加量が少ないので、本願明細書中では、「高純度タンタル」と総称することとする。
近年、エレクトロニクス分野、耐食性材料や装飾の分野、触媒分野、切削・研磨材や耐摩耗性材料の製作等、多くの分野に金属やセラミックス材料等の被膜を形成するスパッタリングが使用されている。
スパッタリング法自体は上記の分野で、よく知られた方法であるが、最近では、特にエレクトロニクスの分野において、複雑な形状の被膜の形成や回路の形成、あるいはバリア膜の形成等に適合するタンタルスパッタリングターゲットが要求されている。
一般に、このタンタルターゲットは、タンタル原料を電子ビーム溶解・鋳造したインゴット又はビレットの熱間鍛造、焼鈍(熱処理)を繰り返し、さらに圧延及び仕上げ(機械、研磨等)加工してターゲットに加工されている。
このような製造工程において、インゴット又はビレットの熱間鍛造は、鋳造組織を破壊し、気孔や偏析を拡散、消失させ、さらにこれを焼鈍することにより再結晶化し、組織の緻密化と強度を高めることによって製造されている。
一般に、溶解鋳造されたインゴット又はビレットは、50mm以上の結晶粒径を有している。そして、インゴット又はビレットの熱間鍛造と再結晶焼鈍により、鋳造組織が破壊され、おおむね均一かつ微細な(100μm以下の)結晶粒が得られる。
一方、このようにして製造されたターゲットを用いて、スパッタリングを実施する場合、ターゲットの再結晶組織がより細かくかつ均一であり、また結晶方位が特定の方向に揃っているものほど均一な成膜が可能であり、アーキングやパーティクルの発生が少なく、安定した特性を持つ膜を得ることができると言われている。
そのため、ターゲットの製造工程において、再結晶組織の微細化と均一化、さらには特定の結晶方位に揃えようとする方策が採られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
また、Cu配線膜に対するバリア層として用いるTaN膜を形成するための高純度Taターゲットとして、自己維持放電特性を有する元素であるとしてAg、Au及びCuから選択した元素を0.001〜20ppmを含有させ、また不純物元素としてFe、Ni、Cr、Si、Al、Na、Kの合計量を100ppm以下として、これらを差引いた値が99.99〜99.999%の範囲とする高純度Taを用いることが開示されている(特許文献3参照)。
これらの特許文献を見る限り、特定の元素の含有が、組織を微細化させ、これによってプラズマを安定化させるということは行われていない。
特に、特許文献3では、Ag、Au及びCuから選択した元素を0.001〜20ppmを含有させるということで、0.001ppmまでという極微量の元素の添加が、Taイオンの放出量を増加させるとしているが、添加元素が微量なだけに、含有量を調節し、かつ均一な添加(ばらつき)が難しいという問題があると考えられる。
しかも、特許文献3の表1に示すように、Mo、W、Ge、Co量は、それぞれ10ppm、20ppm、10ppm、10ppm未満の含有が許容されている。これだけでも50ppm未満の不純物がある。
したがって、上記の通り「不純物元素としてFe、Ni、Cr、Si、Al、Na、Kの合計量を100ppm以下として、これらを差引いた値が99.99〜99.999%の範囲とする高純度Taを用いる」としているが、実際の純度の下限値は99.99%を下回る純度(それを許容する純度)である。
これは、従来の高純度タンタルのレベル以下であり、高純度タンタルの特性を活かすことはできないことが強く予想される。
特表2002−518593号公報 米国特許第6,331,233号 特開2002−60934号公報
本発明は、タンタルの純度を高純度に維持すると共に、特定の元素を添加することにより、均一微細な組織を備え、プラズマが安定であり、膜の均一性(ユニフォーミティ)に優れた高純度タンタルスパッタリングターゲットを提供することを課題とする。
本発明は、上記の問題を解決するために、タンタルの純度を高純度に維持すると共に、特定の元素を添加することにより、均一微細な組織を備え、プラズマが安定であり、膜の均一性(ユニフォーミティ)に優れた高純度タンタルスパッタリングターゲットを得ることができるとの知見を得た。
本発明は、この知見に基づいて、
1)1massppm以上、100massppm以下のモリブデンを必須成分として含有し、モリブデン及びガス成分を除く純度が99.998%以上であることを特徴とするタンタルスパッタリングターゲット
2)10massppm以上、100massppm以下のモリブデンを必須成分として含有し、モリブデン及びガス成分を除く純度が99.998%以上であることを特徴とするタンタルスパッタリングターゲット
3)10massppm以上、50massppm以下のモリブデンを必須成分として含有し、モリブデン及びガス成分を除く純度が99.998%以上であることを特徴とするタンタルスパッタリングターゲット
4)ターゲット中のモリブデン含有量のばらつきが±20%以下であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット
5)平均結晶粒径が110μm以下であることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット
6)結晶粒径のばらつきが±20%以下であることを特徴とする上記5)記載のタンタルスパッタリングターゲット、を提供する。
本発明は、さらに
7)0〜100maasppm(但し0massppmを除く)のニオブをさらに含有し、モリブデンとニオブの合計量が1massppm以上、150massppm以下であり、モリブデン、ニオブ及びガス成分を除く純度が99.998%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット
8)10massppm以上、100massppm以下のニオブを含有することを特徴とする7)記載のタンタルスパッタリングターゲット
9)10massppm以上、50massppm以下のニオブを含有することを特徴とする7)記載のタンタルスパッタリングターゲット
10)ターゲット中のニオブ及びモリブデンの含有量のばらつきが±20%以下であることを特徴とする7)〜9)いずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット
11)平均結晶粒径が110μm以下であることを特徴とする7)〜10)のいずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット
12)結晶粒径のばらつきが±20%以下であることを特徴とする12)記載のタンタルスパッタリングターゲット、を提供する。
本発明は、タンタルの純度を高純度に維持すると共に、モリブデンを必須成分として添加すること、さらに必要に応じてニオブを添加することにより、均一微細な組織を備え、プラズマが安定であり、膜の均一性(ユニフォーミティ)に優れた高純度タンタルスパッタリングターゲットを提供することができるという優れた効果を有する。また、スパッタリング時のプラズマ安定化は、初期の段階でも安定化するので、バーンイン時間を短縮できるという効果を備えている。
本願発明に使用するタンタル(Ta)ターゲットの原料としては、高純度タンタルを使用する。この高純度タンタルの例を表1に示す(社団法人発明協会編、公開技報2005−502770、公開技報名称「高純度タンタル及び高純度タンタルからなるスパッタリングターゲット」参照)。
この表1では、ガス成分を除き、全ての不純物は1massppm未満である。すなわち99.999〜99.9999mass%となっているが、このような高純度タンタルを使用することができる。
Figure 0005290393
本発明のスパッタリングターゲットは、通常、次の工程によって製造する。
その一例を示すと、まずタンタル、例えば4N(99.99%以上)の高純度タンタルを使用し、これにモリブデン(Mo)又はモリブデン(Mo)とニオブ(Nb)を適量添加してターゲットの原料とする。これを電子ビーム溶解等により溶解・精製して純度を高め、これを鋳造してインゴット又はビレットを作製する。当然ながら、最初から表1に示す99.999〜99.9999mass%高純度タンタルを使用することもできる。
次に、このインゴット又はビレットを焼鈍−鍛造、圧延、焼鈍(熱処理)、仕上げ加工等の一連の加工を行う。
具体的には、例えばインゴット−鍛伸−1373K〜1673Kの温度での焼鈍(1回目)−冷間鍛造(1回目)−再結晶開始温度〜1373Kの温度での再結晶焼鈍(2回目)−冷間鍛造(2回目)−再結晶開始温度〜1373Kの間での再結晶焼鈍(3回目)−冷間(熱間)圧延(1回目)−再結晶開始温度〜1373Kの間での再結晶焼鈍(4回目)−冷間(熱間)圧延(必要に応じて、2回目)−再結晶開始温度〜1373Kの間での再結晶焼鈍(必要に応じて、5回目)−仕上げ加工を行ってターゲット材とする。
鍛造あるいは圧延によって、鋳造組織を破壊し、気孔や偏析を拡散あるいは消失させることができ、さらにこれを焼鈍することにより再結晶化させ、この冷間鍛造又は冷間圧延と再結晶焼鈍の繰返しにより、組織の緻密化、微細化と強度を高めることができる。上記の加工プロセスにおいて、再結晶焼鈍は1回でも良いが、2回繰返すことによって組織上の欠陥を極力減少させることができる。また、冷間(熱間)圧延と再結晶開始温度〜1373Kの間での再結晶焼鈍は、繰返しても良いが1サイクルでも良い。この後、機械加工、研磨加工等の仕上げ加工によって、最終的なターゲット形状に仕上げる。
通常、上記の製造工程によってタンタルターゲットを製造するが、この製造工程は、一例を示すもので、本願発明は、この製造工程を発明とするものではないので、他の工程によって製造することは、当然可能であり、本願発明はそれらを全て包含するものである。
タンタルターゲットの特性を活かすために、6Nレベルの純度の材料を使用することが多いが、どうしてもターゲットの結晶粒が粗大化し易いという欠点があった。
本発明者らは、このような6Nレベルのターゲットの製造工程において、通常であれば0.5massppm程度の含有量であるモリブデンが、たまたま1massppm程度に偏析していた部分で、結晶粒径が局所的に微細化していることを発見した。
このことから、モリブデンの添加がタンタルターゲットの微細化に有効ではないかというヒントを得、これが本願発明につながる契機となった。また、この検討の中で、モリブデンと同質の材料又はモリブデンと共添加できる材料について、多くの実験の結果、ニオブが有効であることの知見を得た。
すなわち、本発明のタンタルスパッタリングターゲットにおいて、重要なことは、モリブデン及びガス成分を除く純度が99.998%以上であるタンタルに、1massppm以上、100massppm以下のモリブデンを必須成分として含有させることである。必要に応じて、さらにニオブを0〜100massppm(但し0massppmを除く)を添加する。モリブデンの下限値1massppmは効果を発揮させるための数値であり、モリブデンの上限値100massppmは、本発明の効果を持続させるための上限値である。
この上限値を超える場合には、モリブデンの偏析が起こり、モリブデンの一部未再結晶部が発生し、結果としてバーンインが長くなるので、モリブデン100massppmを上限値とする。
ニオブは、モリブデン添加と同等の役割(機能)を有するので、共添加することができる。ニオブ添加の下限値は、特にないが、上限値は100massppmとする。この上限値を超えると、モリブデンと同様に、偏析を起こし易くなるので、上限値を100massppmとした。モリブデンとニオブを共添加する場合に注意を要するのは、モリブデンとニオブの合計量が1massppm以上、150massppm以下とすることが必要であることである。
これは後述する比較例に示すように、未再結晶が発生し、結晶粒のばらつきが大きくなり、さらにシート内抵抗分布及び初期安定までの電力量も大きくなるという傾向があるからである。この結果、膜の均一性も悪くなる。この傾向は、本願発明で規定する以上にモリブデン(単独添加)を多量に添加した場合と同様の結果となる。
しかしながら、共添加した場合で特徴的なのは、モリブデンとニオブの合計量が150massppm以下であれば、上記のような問題を発生しないということである。
この理由は、かならずしも明確ではないが、モリブデンとニオブはそれぞれ類似点もあるけれども、それぞれ異なる物質であり、偏析の問題や結晶化への作用は、それぞれの問題として発生すると考えられるからである。しかしながら、この共添加にも限界があり、モリブデンとニオブの合計量が150massppmを超える添加は、好ましくないという結果が得られている。
このモリブデン又はモリブデンとニオブの含有が、ターゲットの均一微細な組織を形成し、それによってプラズマを安定化させ、これによってスパッタリング膜の均一性(ユニフォーミティ)を向上させることが可能となる。また、このスパッタリング時のプラズマ安定化は、初期の段階でも安定化するので、バーンイン時間を短縮できる。
この場合、タンタルの純度は、高純度すなわち99.998%以上とする必要がある。この場合、原子半径の小さい、酸素、水素、炭素、窒素等のガス成分は除外することができる。一般に、ガス成分は特殊な方法でなければ除去は困難であり、通常の生産工程で精製の際に除去することは難しいので、ガス成分は本願発明のタンタルの純度からは除外する。
上記の通り、モリブデン又はモリブデンとニオブがタンタルの均一微細な組織をもたらすのであるが、他の金属成分、金属性非金属成分、酸化物、窒化物、炭化物等のセラミックスの混入は有害であり、許容することはできない。これらの不純物はモリブデン又はモリブデンとニオブの作用を抑制する作用をすると考えられるからである。また、これらの不純物は、モリブデン又はモリブデンとニオブとは明らかに異なり、タンタルターゲットの結晶粒径を均一に仕上げることが難しく、スパッタリング特性の安定化には寄与しない。
本願発明のタンタルスパッタリングターゲットは、より好ましい範囲として、10massppm以上、100massppm以下のモリブデン又はモリブデンとニオブを必須成分として含有し、モリブデン、ニオブ及びガス成分を除く純度が99.998%以上であることである。
さらに、モリブデン又はモリブデンとニオブを10massppm以上、50massppm以下を必須成分として含有し、モリブデン、ニオブ及びガス成分を除く純度が99.998%を超えるタンタルスパッタリングターゲットである。
本発明のタンタルスパッタリングターゲットは、さらにターゲット中のモリブデン又はモリブデンとニオブの含有量のばらつきを±20%以下とすることが望ましい。
適度なモリブデンの含有がタンタルスパッタリングターゲットの均一微細な組織を形成する機能(性質)を有する以上、モリブデン又はモリブデンとニオブは、より均一に分散していることは、ターゲット組織の均一微細な組織に、より強く貢献させことができる。
当然ながら、通常の製造工程において、これらは容易に達成できるのであるが、ターゲットのモリブデン又はモリブデンとニオブの含有量のばらつきを±20%以下とする点に留意し、その意図を明確に持つことが必要である。
このターゲットのモリブデン又はモリブデンとニオブの含有量のばらつきについては、例えば円盤状のターゲットにおいては、円盤の中心を通る等分の8本の線上に、3点(中心点、半径の1/2点、外周又はその近傍点)を採り、合計17点{16点+中心点(中心点は共通しているので1点)}のモリブデン又はモリブデンとニオブの含有量を分析する。
そして、各点において、{(最大値−最小値)/(最大値+最小値)}×100の式に基づいて、ばらつきを計算することができる。
本発明のタンタルスパッタリングターゲットは、さらに平均結晶粒径が110μm以下であることが望ましい。モリブデン又はモリブデンとニオブの適度な添加と通常の製造工程において、結晶粒径の微細化が達成できるのであるが、平均結晶粒径が110μm以下とする点に留意し、その意図を明確に持つことが必要である。
また、この結晶粒径のばらつきが±20%以下とすることがより望ましい。
このタンタルターゲットの平均結晶粒径のばらつきについては、例えば円盤状のターゲットにおいては、円盤の中心を通る等分の8本の線上に、3点(中心点、半径の1/2点、外周又はその近傍点)を採り、合計17点{16点+中心点(中心点は共通しているので1点)}のタンタルの結晶粒径を測定する。
そして、各点において、{(最大値−最小値)/(最大値+最小値)}×100の式に基づいて、結晶粒径のばらつきを計算することができる。
このようなターゲット組織は、プラズマが安定であり、膜の均一性(ユニフォーミティ)に優れる。また、スパッタリング時のプラズマ安定化は、初期の段階でも安定化するので、バーンイン時間を短縮できるという効果を有する。
次に、実施例について説明する。なお、本実施例は発明の一例を示すためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に含まれる他の態様及び変形を含むものである。
(実施例1)
純度99.998%のタンタルにモリブデン1massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1480K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が150μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び1173Kの再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。
ターゲットの平均結晶粒径は110μmであり、結晶粒径のばらつきは±20%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±20%であった。この結果を表2に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(2.6〜3.2%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、120kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
Figure 0005290393
(実施例2)
純度99.999%のタンタルにモリブデン5massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約50mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍は、以下の平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節した。なお、この平均結晶粒径とばらつきは、モリブデンの添加量によっても変化するが、本実施例では、これらの調節が可能であった。
ターゲットの平均結晶粒径は100μmであり、結晶粒径のばらつきは±17%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±18%であった。この結果を、同様に表2に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(2.5〜3.0%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、100kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
(実施例3)
純度99.999%のタンタルにモリブデン10massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約45mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍は、以下の平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節した。なお、この平均結晶粒径とばらつきは、モリブデンの添加量によっても変化するが、本実施例では、これらの調節が可能であった。
ターゲットの平均結晶粒径は90μmであり、結晶粒径のばらつきは±15%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±16%であった。この結果を、同様に表2に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(2.3〜2.7%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、90kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
(実施例4)
純度99.999%のタンタルにモリブデン20massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約40mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍は、以下の平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節した。なお、この平均結晶粒径とばらつきは、モリブデンの添加量によっても変化するが、本実施例では、これらの調節が可能であった。
ターゲットの平均結晶粒径は80μmであり、結晶粒径のばらつきは±10%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±12%であった。この結果を、同様に表2に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(2.0〜2.2%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、87kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
(実施例5)
純度99.999%のタンタルにモリブデン50massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約35mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で鍛伸と据え込み鍛造及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍は、以下の平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節した。なお、この平均結晶粒径とばらつきは、モリブデンの添加量によっても変化するが、本実施例では、これらの調節が可能であった。
ターゲットの平均結晶粒径は75μmであり、結晶粒径のばらつきは±8%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±10%であった。この結果を、同様に表2に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.7〜1.9%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、85kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
(実施例6)
純度99.999%のタンタルにモリブデン70massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約30mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍は、以下の平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節した。なお、この平均結晶粒径とばらつきは、モリブデンの添加量によっても変化するが、本実施例では、これらの調節が可能であった。
ターゲットの平均結晶粒径は72μmであり、結晶粒径のばらつきは±7%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±8%であった。この結果を、同様に表2に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.3〜1.5%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、82kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
(実施例7)
純度99.999%のタンタルにモリブデン100massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約25mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍は、以下の平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節した。なお、この平均結晶粒径とばらつきは、モリブデンの添加量によっても変化するが、本実施例では、これらの調節が可能であった。
ターゲットの平均結晶粒径は70μmであり、結晶粒径のばらつきは±5%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±6%であった。この結果を、同様に表2に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.0〜1.2%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、80kWhであり、減少した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
(比較例1)
純度99.995%のタンタルにモリブデン0.5massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約60mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍を、適度な平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節したが、本比較例では、これらの調節ができず、
ターゲットの平均結晶粒径は130μmであり、結晶粒径のばらつきは±35%であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±40%であった。この結果を、同様に表2に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が大きく(3.8〜6.0%)、すなわち膜厚分布の変動が大きくなることを示していた。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、200kWhであり、増加した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化できず、膜の均一性(ユニフォーミティ)も不良であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができなかった。
以上について、純度99.999%のタンタルにモリブデン0.5massppmを添加した場合についても、同様の試験をしてみたが、この比較例1と同様の傾向が見られた。これは、タンタルの純度にも影響することが明らかであった。
(比較例2)
純度99.999%のタンタルにモリブデン150massppm相当量を添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約20mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍を、適度な平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節したが、本比較例では、これらの調節ができず、ターゲットの平均結晶粒径は一応70μmであったが、結晶粒径のばらつきは±50%で、偏析によるばらつきが大であった。また、モリブデン含有量のばらつきは±70%であった。この結果を、同様に表2に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表2に示す。表2から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が大きく(4.5〜7.0%)、すなわち膜厚分布の変動が大きくなることを示していた。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、130kWhであり、増加した。この結果も表2に示す。このようにバーンイン時間を短縮化できず、膜の均一性(ユニフォーミティ)も不良であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができなかった。
以上について、純度99.999%のタンタルにモリブデンを、100massppmを超える添加量となってから急速に結晶粒径の粗大化とばらつきが大きくなり、さらにはモリブデン含有量のばらつきも顕著になった。
これは、モリブデンが偏析した結果と考えられ、過剰なモリブデン添加は、好ましくないことが分かった。
(実施例8)
純度99.998%のタンタルに、モリブデン1.3massppm、ニオブ0.74massppm、合計量で2.04massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1480K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が150μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び1173Kの再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。
ターゲットの平均結晶粒径は100μmであり、結晶粒径のばらつきは±20%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±18%であった。この結果を表3に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(2.6〜3.5%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、100kWhであり、減少した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
Figure 0005290393
(実施例9)
純度99.998%のタンタルに、モリブデン32massppm、ニオブ12massppm、合計量で44massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が130μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び1173Kの再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。
ターゲットの平均結晶粒径は85μmであり、結晶粒径のばらつきは±11%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±11%であった。この結果を表3に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(2.0〜2.5%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、55kWhであり、減少した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
(実施例10)
純度99.998%のタンタルに、モリブデン67massppm、ニオブ2.4massppm、合計量で69.4massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が130μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び1173Kの再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。
ターゲットの平均結晶粒径は50μmであり、結晶粒径のばらつきは±7%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±8%であった。この結果を表3に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.5〜1.9%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、40kWhであり、減少した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
(実施例11)
純度99.998%のタンタルに、モリブデン24massppm、ニオブ75massppm、合計量で99massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が120μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び1173Kの再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。
ターゲットの平均結晶粒径は47μmであり、結晶粒径のばらつきは±5%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±6%であった。この結果を表3に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.3〜1.6%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、35kWhであり、減少した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
(実施例12)
純度99.998%のタンタルに、モリブデン97massppm、ニオブ53massppm、合計量で150massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び1173Kの再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。
ターゲットの平均結晶粒径は40μmであり、結晶粒径のばらつきは±4%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±15%であった。この結果を表3に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.6〜1.8%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、40kWhであり、減少した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
(実施例13)
純度99.998%のタンタルに、モリブデン51.4massppm、ニオブ95massppm、合計量で146.4massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約55mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び1173Kの再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。
ターゲットの平均結晶粒径は42μmであり、結晶粒径のばらつきは±5%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±13%であった。この結果を表3に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が少ない(1.5〜1.9%)、すなわち膜厚分布の変動が少ないことを示している。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、45kWhであり、減少した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化することができると共に、膜の均一性(ユニフォーミティ)が良好であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができた。
(比較例3)
純度99.995%のタンタルに、モリブデン95massppm、ニオブ65massppm、合計量で160massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約60mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍を、適度な平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節したが、本比較例では、これらの調節ができず、
ターゲットの平均結晶粒径は34μm(未再結晶有り)であり、結晶粒径のばらつきは±60%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±27%であった。この結果を、同様に表3に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が大きく(4.0〜6.5%)、すなわち膜厚分布の変動が大きくなることを示していた。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、150kWhであり、増加した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化できず、膜の均一性(ユニフォーミティ)も不良であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができなかった。
以上について、純度99.999%のタンタルにモリブデン0.5massppmを添加した場合についても、同様の試験をしてみたが、この比較例3と同様の傾向が見られた。これは、タンタルの純度にも影響することが明らかであった。
(比較例4)
純度99.995%のタンタルに、モリブデン60.3massppm、ニオブ97massppm、合計量で157.3massppmを添加した原料を電子ビーム溶解し、これを鋳造して厚さ200mm、直径200mmφのインゴットとした。この場合の結晶粒径は約60mmであった。
次に、このインゴット又はビレットを室温で鍛伸した後、1500Kの温度で再結晶焼鈍した。これによって平均結晶粒径が200μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料が得られた。
次に、これを再度室温で鍛伸及び据え込み鍛造し、再び1400〜1500K温度で再結晶焼鈍を実施した。鍛造、熱処理を再度繰り返し、これによって平均結晶粒径が100μmの組織を持つ厚さ120mm、直径130mmφの材料を得た。
次に、これを冷間で圧延及び再結晶焼鈍を行い、仕上げ加工を行って厚さ10mm、直径450mmφのターゲット材とした。途中及び最後の冷間加工並びに再結晶焼鈍を、適度な平均結晶粒径及び結晶粒径のばらつきとなるように調節したが、本比較例では、これらの調節ができず、
ターゲットの平均結晶粒径は32μm(未再結晶有り)であり、結晶粒径のばらつきは±55%であった。また、モリブデンとニオブの含有量のばらつきは±24%であった。この結果を、同様に表3に示す。
シート抵抗は膜厚に依存するので、ウエハー(12インチ)内のシート抵抗の分布を測定し、それによって膜厚の分布状況を調べた。具体的には、ウエハー上の49点のシート抵抗を測定し、その標準偏差(σ)を算出した。
その結果を、同様に表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においては、スパッタ初期から後期にかけてシート内抵抗分布の変動が大きく(4.3〜7.4%)、すなわち膜厚分布の変動が大きくなることを示していた。
また、スパッタリングの初期安定化に至るまでの電力量を測定したところ、150kWhであり、増加した。この結果も表3に示す。このようにバーンイン時間を短縮化できず、膜の均一性(ユニフォーミティ)も不良であり、スパッタ成膜の品質を向上させることができなかった。
以上について、純度99.999%のタンタルにモリブデン0.5massppmを添加した場合についても、同様の試験をしてみたが、この比較例4と同様の傾向が見られた。これは、タンタルの純度にも影響することが明らかであった。
本発明は、タンタルスパッタリングターゲットにおいて、1massppm以上、100massppm以下のモリブデンを必須成分として含有させ、また必要に応じてニオブを0(但し、0massppmを除く)〜100massppm含有させ、モリブデンとニオブの合計量が1massppm以上、150massppm以下とし、モリブデン及びガス成分を除く純度を99.998%以上とすることにより、均一微細な組織を備え、プラズマが安定であり、膜の均一性(ユニフォーミティ)に優れた高純度タンタルスパッタリングターゲットを提供することができるという優れた効果を有する。また、スパッタリング時のプラズマ安定化は、初期の段階でも安定化するので、バーンイン時間を短縮できるという効果を有するので、エレクトロニクスの分野、特に複雑な形状の被膜の形成や回路の形成あるいはバリア膜の形成等に適合するターゲットとして有用である。

Claims (11)

  1. 10massppm以上、100massppm以下のモリブデンを必須成分として含有し、モリブデン及びガス成分を除く純度が99.998%以上であることを特徴とするタンタルスパッタリングターゲット。
  2. 10massppm以上、50massppm以下のモリブデンを必須成分として含有し、モリブデン及びガス成分を除く純度が99.998%以上であることを特徴とするタンタルスパッタリングターゲット。
  3. ターゲット中のモリブデン含有量のばらつきが±20%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のタンタルスパッタリングターゲット。
  4. 平均結晶粒径が110μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット。
  5. 結晶粒径のばらつきが±20%以下であることを特徴とする請求項4記載のタンタルスパッタリングターゲット。
  6. 0〜100massppm(但し、0massppmを除く)のニオブをさらに含有し、モリブデンとニオブの合計量が10massppm〜150massppm(但し、10massppmを除く)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のタンタルスパッタリングターゲット。
  7. 10massppm以上、100massppm以下のニオブを含有することを特徴とする請求項6記載のタンタルスパッタリングターゲット。
  8. 10massppm以上、50massppm以下のニオブを含有することを特徴とする請求項6記載のタンタルスパッタリングターゲット。
  9. ターゲット中のニオブ及びモリブデンの含有量のばらつきが±20%以下であることを特徴とする請求項6〜8いずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット。
  10. 平均結晶粒径が110μm以下であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載のタンタルスパッタリングターゲット。
  11. 結晶粒径のばらつきが±20%以下であることを特徴とする請求項10記載のタンタルスパッタリングターゲット。
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