JP5288828B2 - 液体吐出ヘッド及び液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド及び液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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本発明は、液体吐出ヘッド及び液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
従来、熱等のエネルギーをインクに与えることで、インクに急峻な体積変化を伴う状態変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行なうインクジェット記録方法が知られている。このインクジェット記録方法としては、熱エネルギーの付与により液体中に気泡を発生させて液体を吐出口から吐出させる、いわゆるバブルジェット記録方法がある。このバブルジェット記録方法を用いる記録装置が、特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1及び特許文献2に開示されている記録装置は、インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に連通するインク液流路と、インク液流路内に配されたインクを吐出するためのエネルギー発生手段としての発熱体(電気熱変換体)とが一般的に設けられている。
上記の記録方法によれば、品位の高い画像を高速、低騒音で記録することができるとともに、この記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出口を高密度に配置することができる。この結果、小型の装置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得ることができる等の多くの優れた点を有している。
このため、このバブルジェット記録方法は近年、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムにまで利用されるようになってきている。
他方、従来のバブルジェット記録方法では、発熱体がインクに接した状態で加熱を繰り返すため、発熱体の表面にインクの焦げによる堆積物が発生する場合があった。また、吐出すべき液体が熱によって劣化しやすい液体の場合や、十分に発泡が得られにくい液体の場合、発熱体による直接加熱気泡形成では、良好な吐出が行われない場合がある。
これに対して、出願人は、特許文献3に、発泡用液体と吐出液とを分離する可撓性膜を介して、発泡用液体を熱エネルギーによって発泡させて吐出液を吐出する方法を提案している。この方法における可撓性膜と発泡用液体との構成は、可撓性膜がノズルの一部に設けられているものであるが、それに対して、ヘッド全体を上下に分離する大きな膜を用いる技術が特許文献4に開示されている。この大きな膜は、液路を形成する2つの板材によって挟持されることによって2つの液路内の液体が互いに混合されないことを目的として設けられたものである。
他方、発泡用液体自体に特徴を持たせ、発泡特性を考慮したものとして、吐出液よりも低沸点の液体を用いる技術が特許文献5に、導電性を有する液体を発泡用液体として用いる技術が特許文献6に開示されている。
特開昭54−59936号公報 特開昭55−27282号公報 特開昭55−81172号公報 特開昭59−26270号公報 特開平5−229122号公報 特開平4−329148号公報
しかしながら、本発明者らがこのような分離膜を用いた液体吐出ヘッドを実際に製造することを検討したところ、次のような課題を見出すに至った。
すなわち、従来、開示されている分離膜は複数の発熱素子を有する基板と、共通液室を形成するための天板との間に位置するので、変形可能な分離膜を単体で取り扱う場合、膜の取付け装置が複雑化したり、膜の取付け時に膜が損傷したりする恐れがある。
また、膜をヘッドに設けられたインク液流路及びヒータの所望の位置に貼り付け、膜の可動部以外の領域を確実に固定することが難しく、製品による吐出性能のばらつきが大きくなることが考えられる。また、熱エネルギーによる気泡形成がもたらす液体吐出は分離膜の変位を介してなされるため、その分だけ吐出効率が低下することが懸念される。
従って、分離膜の分離機能による効果を生かしながら、液体吐出をより高い水準にするために本発明者らによって出願されている膜の構造を用いる場合にはこの課題を簡単な方法で解決することが求められる。
さらに、別の観点として、本発明者らは、有機物膜を用い、かつ発熱素子を用いて膜沸騰による気泡形成に基づく液体吐出を行う場合に、従来にはない新規な技術課題を見出した。すなわち、気泡の発生〜成長〜消泡といった一連の変化に伴う分離膜の変位における熱的要素を考慮した、分離膜単体やインクジェットヘッドに対する耐久性の向上という、実用上発生しうる状況を考慮した技術課題である。
本発明の第1の目的は、上述の課題を解決し、製品による吐出性能のばらつきの少なく信頼性の高い、高精細な画像を記録することのできる液体吐出ヘッドを提供することである。
本発明の第2の目的は、上述の課題を解決するとともに、分離膜の分離機能による効果を生かしながら、簡単な構成で液体の吐出効率をより向上させる液体吐出ヘッドを提供することである。
本発明の第3の目的は、上述の課題を解決するとともに、製品による吐出性能のばらつきの少なく信頼性の高い液体吐出ヘッドの製造方法を提供することである。
本発明の第4の目的は、全ての工程が、同一基板上で、貼り合せ工程なしに、形成できる液体吐出ヘッドの製造方法を提供することである。
全ての工程とは、第2の液流路形成、可動膜の形成、第1の液流路形成、液体の吐出口形成、第2の液流路に連通する発泡用液体の供給口、及び、第1の液流路に連通する色材インク等を含む吐出液体の供給路の形成工程を含んでいる。
本発明の液体吐出ヘッドは、
吐出用液体の吐出口と、該吐出口に吐出用液体を供給するための吐出用液流路と、前記吐出用液流路と発泡用液流路との隣接部においてこれらを分離する分離膜と、該分離膜の少なくとも一部に設けられ、前記吐出用液流路と前記発泡用液流路とを前記分離膜のみによって仕切る可動部と、前記発泡用液流路中の発泡用液体を加熱して発泡させるための発熱素子と、を有し、前記発泡用液流路中での発泡による前記発泡用液体の圧力変動に伴い前記可動部が変位することによって前記吐出用液流路中の前記吐出用液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドであって、
前記発泡用液流路と前記発熱素子とを有する基板の表面に、前記吐出用液流路と前記吐出口とが設けられ、
前記分離膜により前記発泡用液流路の天井の少なくとも一部を形成して前記基板の表面に露出させ、前記吐出用液流路を該基板の表面に露出した分離膜の有する可動部をその底面の一部として設けることにより前記吐出用液流路と前記発泡用液流路との隣接部が設けられており、
前記発熱素子は前記発泡用液流路の天井側に設けられており、
前記発熱素子を、間隔をもって2つ配置し、これらの発熱素子間に前記可動部を設けた
ことを特徴とする液体吐出ヘッドである。
又、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、吐出用液体の吐出口と、該吐出口に吐出用液体を供給するための吐出用液流路と、吐出用液流路と発泡用液流路との隣接部においてこれらを分離する分離膜と、該分離膜の少なくとも一部に設けられ、吐出用液流路と発泡用液流路とを分離膜のみによって仕切る可動部と、発泡用液流路中の発泡用液体を加熱して発泡させるための発熱素子と、を有し、発泡用液流路中での発泡による発泡用液体の圧力変動に伴い可動部が変位することによって吐出用液流路中の液体を吐出口から吐出する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
基体の表面に、発泡用液流路となる領域を占める犠牲膜を形成する工程と、
該犠牲膜を被覆する保護膜を形成する工程と、
犠牲膜上の保護膜の上に発熱素子を形成する工程と、
発熱素子を蓄熱層で被覆する工程と、
犠牲膜の、分離膜の可動部となる領域を露出させる工程と、
少なくとも犠牲膜の露出した部分を、分離膜となる膜により被覆する工程と、
犠牲膜に達する貫通穴を基体の裏面から形成する工程と、
貫通穴を介して犠牲膜を基体上から除去して空隙を形成し、該空隙を該空隙に面する基体の表面部分を削りとることで更に拡張して発泡用液流路を形成することにより基板を得る工程と、
基板の表面の可動部を底部の一部として吐出用液流路を設ける工程と、
吐出用液流路に連通する吐出口を形成する工程と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明の液体吐出ヘッドによれば、発泡用液体路と吐出液路を、接合プロセスを用いずに、分離して形成することができる。その結果、インク吐出特性が安定し、かつ信頼性の高い液体吐出ヘッドが簡単な手法にて製造することが可能となった。
本発明の液体吐出ヘッドは、図2(e)に示すように吐出用液体の吐出口19と、吐出口に吐出用液体を供給するための吐出用液流路20と、吐出用液流路20と発泡用液流路14との隣接部においてこれらを分離する分離膜13と、発泡用液流路中の発泡用液体を加熱して発泡させるための発熱素子3と、を有する。
発熱素子としては通常ヒータが用いられる。
分離膜の少なくとも一部に設けられ、吐出用液流路20と発泡用液流路14とを分離膜13のみによって仕切る可動部が設けられている。可動部は、吐出用液流路20と接する膜面と、これと対向する発泡用液流路14側の膜面とを有する。発熱素子による熱エネルギーの付与によって発泡用液流路中の発泡用液体に発泡が生じることによる圧力変動に伴い可動部が変位することによって、吐出用液流路中にかかる圧力変動が伝播し、液体を吐出口19から吐出させることができる。
更に、この液体吐出ヘッドは、発泡用液流路14と発熱素子3と分離膜13を少なくとも設けた基板の表面に、吐出用液流路20と吐出口19を設けることにより形成される。その際、分離膜13により発泡用液流路14の天井の少なくとも一部を形成するとともに、分離膜13を基板の表面に露出させる。この分離膜13が露出した基板の表面に、吐出用液流路20を、分離膜13の有する可動部をその底面の一部として設ける。このことにより吐出用液流路20と発泡用液流路14との隣接部が形成される。また、発熱素子は発泡用液流路の天井側(基板表面側)に設けられる。
発熱素子は1つの発泡用液流路14に対して2以上設けることができる。また、2つの発熱素子を、間隔をもって2つ配置し、これらの発熱素子間に可動部を設ける構成とすることができる。この2つの発熱素子の間に可動部を設ける構成とする場合、この可動部と対向する位置に吐出口を設けることが好ましい。
発熱素子3を発泡用液流路の天井側に設ける場合に、発泡用液流路の天井部分の少なくとも一部を、分離膜13を用いて形成し、この分離膜13の発泡用液流路側に発熱素子3を設けることが好ましい。分離膜13は、化学気相反応もしくはプラズマ重合反応により形成された有機物膜であることが好ましい。この有機物膜としては、パラキシリレン系樹脂からなることが好ましい。
また、発泡用液流路14には、発泡用液体を供給するための供給口を2個所に設けることができる。
一方、吐出口を基板の表面に対向して設け、吐出用液流路を、基板の表面に沿って伸びる液流路部と、吐出口との接続部とを有する構成とし、接続部の天井を液流路部の天井よりも高く設けることが好ましい。
また、吐出口、吐出用液流路、発泡用液流路、発熱素子及び分離膜とからなる構成単位を複数設けても良い。
本発明の液体吐出ヘッドは、以下の工程を有する方法により得ることができる。
・基体の表面に、発泡用液流路となる領域を占める犠牲膜を形成する工程。
・犠牲膜を被覆する保護膜を形成する工程。
・犠牲膜上の保護膜の上に発熱素子を形成する工程。
・発熱素子を蓄熱層で被覆する工程(以上、図1(a)参照)。
・犠牲膜の、分離膜の可動部となる領域を露出させる工程。
・少なくとも犠牲膜の露出した部分を、分離膜となる膜により被覆する工程(以上、図1(e)参照)と、
・犠牲膜に達する貫通穴を基体の裏面から形成する工程(図1(b)〜(d)参照)。
・貫通穴を介して犠牲膜を基体上から除去して空隙を形成し、該空隙を該空隙に面する基体の表面部分を削りとることで更に拡張して発泡用液流路を形成することにより基板を得る工程(図1(f)参照)。
・基板の表面に露出する可動部を底部の一部として吐出用液流路を設ける工程。
・吐出用液流路に連通する吐出口を形成する工程。
基板に吐出用液流路を形成する工程は、以下の工程により行うことができる。
・基板の表面に吐出用液流路となる領域を占める樹脂パターンを設ける工程(図2(b)参照)。
・樹脂パターンを覆う型材を形成する工程。
・樹脂パターンを基板の表面から除去して吐出用液流路を形成する工程(以上、図2(c)〜(e)参照)。
吐出用液流路の吐出口との接続部と基板に沿った液流路部とで天井の高さが異なる構造、すなわち前者の天井部分が後者よりも高い先に説明した構造は、以下の工程により得ることができる。
・基板の表面に第1のポジ型レジストの層を形成する工程。
・第1のポジ型レジストの層の上に、第1のポジ型レジストと感光波長の異なる第2のポジ型レジストの層を設ける工程。
・第2のポジ型レジストのみが感光する波長での第2のポジ型レジストの層へのパターン露光と現像により、第1のポジ型レジストの層の表面から突出した接続部となる領域を占める第2のポジ型レジストのパターンを得る工程。
・第1のポジ型レジストのみが感光する波長での第1のポジ型レジストの層へのパターン露光と現像により、吐出用液流路の基板の表面に沿って伸びる液流路部となる領域を占める第1のポジ型レジストのパターンを得る工程(以上、図3(a)参照)。
この際、間隔をもって2つの発熱素子を保護膜上に配置し、これらの発熱素子の間に犠牲膜を露出させることにより、これらの発熱素子の間に可動部を設けることもできる。
(実施例)
以下に、本発明実施例について詳述する。
(実施例1)
図1は、実施例1の製造方法を示す工程断面図である。膜厚625μmのシリコン基板からなる基体10上に、犠牲膜2となる、膜厚300nmのアルミニウム(以下、ALと略す)からなる膜を、通常のスパッタ法を用いて形成した。その後、フォトリソグラフィ法とドライエッチッング法を用い、所望のパターン形状の犠牲膜2を形成した。
次に、犠牲膜2を覆う様に、プラズマCVD法を用いて、保護膜4となる膜厚300nmのシリコン窒化膜を形成した。
その後、公知の技術を用いて、保護膜4上に、発熱素子としての電気熱変換素子3となるヒータ素子を2個、20μmの間隙を介して形成した後、電気熱変換素子3を覆うように、シリコン酸化膜からなる膜厚600nmの蓄熱層5を、プラズマCVD法を用いて形成した(図1(a)参照)。なお、電気熱変換素子には、記録信号に応じた発熱のための電圧を印加するための電気配線(不図示)が接続されている。
尚、本実施例では、2個の電気熱変換素子3を、形成しているが、電気熱変換素子3は、1個以上であれば良く、2個以上設けることもできる。電気熱変換素子3を2個以上設ける場合は、吐出口の中心軸に対して点対称配置が好ましい。一方、ノズルの密度を考慮すると2個設けることが最も好ましい。
尚、図1(a)では、将来発泡用液流路(第2の液流路)となる領域の犠牲膜2を残しているが、図1(a’)の様に、将来第2の液流路となる領域、及び、将来吐出用液流路(第1の液流路)の供給口を形成する領域の犠牲膜2を残しておくこともできる。
尚、図1(b)から図1(f)は、図1(a)の形状を用いて製法を説明する。
次に、通常のドライエッチング法を用い、基体10のヒータ素子が形成された面(表面)と対向する面(裏面)側から、第2の液流路14の共通液室部分になる発泡用液体の供給口11を、不図示のシリコン酸化膜をマスクにして、異方性ドライエッチング法を用いて形成した(図1(b)参照)。この供給口は、深さ625μmの基体10を貫通せず、犠牲膜近傍まで到達する穴として形成した。
次に、発泡用液体の供給口11の側壁を保護するように、CVD法によって、パラキシリレン系樹脂である膜厚3.0μmの側壁保護膜となるパリレン膜12を形成した。その後、ボトムのみを平行平板型RIE(リアクティブイオンエッチング)装置を用い、異方性ドライエッチングにより除去した(図1(c)参照)。
尚、パリレンは、パラキシリレン系樹脂を示す商標である。
その後、ヒータ素子側の面を不図示の環化イソプレン(東京応化工業社製、品名OBC)からなる保護膜で被覆した後、発泡用液体の供給口11の底部を、TMAH溶液を用い、異方性ウェットエッチングによって、エッチングし、犠牲膜2までの貫通穴を形成した(図1(d)参照)。
TMAH溶液以外にも、EDP溶液、KOHなどのアルカリ溶液を用いることができる。
次に、2つのヒータ素子の間隙部の蓄熱層5及び保護膜4を通常のフォトリソグラフィ法とドライエッチング法とを用いて除去した後、CVD法を用い分離膜13となる膜厚2.0μmのパリレン膜を形成した(図1(e)参照)。
パラキシリレン系樹脂としては、パリレンCあるいはパリレンNを用いることができる。本実施例では、パリレンCを用いた。パラキシレン系樹脂膜は、CVD法以外にも、プラズマ重合反応を用いて形成することができる。更に、パラキシレン系樹脂以外にもフッ素系樹脂、チオ尿素系樹脂及びアクリル系樹脂を用いることができる。これらの樹脂も、CVD法あるいはプラズマ重合反応を用いて形成することができる。
パリレンCをCVD法で形成後に、酸素プラズマを用いて、所望のパターンにパターニングし分離膜を形成した。分離膜は、可動領域と、基板との密着領域を含めているが、基板上の電気接点(パッド部など)には、分離膜があると、電気的接続ができないので、犠牲層全体の方が好ましい。一方、基板との密着性の向上という観点から、犠牲層全体より、少し広く取る事がより好ましい。
パリレンCのパターニング領域は、最小寸法として、犠牲膜2全体を被覆させる必要がある。好ましくは、犠牲膜2全体を含み、第2の液流路全体を含む領域に残す必要がある。より好ましくは、AL犠牲層2より、2μm広い領域を被覆させる必要がある。理由は、可動部だけでなく、基板との密着面積を取り、より信頼性の高い分離膜を形成させることにある。
次に、ALからなる犠牲膜2を気相HF除去法によって、除去した後、発泡用液体の供給口11及び除去された犠牲膜2による空間を介し、TMAH溶液による異方性エッチングによって、基体10の一部を除去し、第2の液流路14を形成した(図1(f)参照)。
Alからなる犠牲膜2を形成した理由は、微細な第2の液流路を形成する場合、供給口11の側からのみTMAHやEDP、KOHなどのアルカリ溶液によるエッチングを行っても精度良く形成することができない場合がある。犠牲膜2を、シリコンと選択性のある気相HF除去法を用いて除去し、犠牲膜2を配置した領域と供給口11の側とからシリコンをエッチング除去することで所望の形状(高密度の第2の液流路)を精度良く形成する事ができる。
この結果、液体吐出ヘッドの第2の液流路と分離膜13を、接合プロセスなしに形成することができた。
図2(a)は、図1(a’)の形状を用いて説明するが、製法については、図1(b)から図1(f)と同じ製法を用いているので、詳細な製法については省略する。
次に、分離膜13上に、後述の第1の液流路20を構成するノズル材17との密着向上層となる膜厚2.0μmのHIMAL膜15をスピンコーターで塗布後に、250℃まで加熱硬化させた。その後、該HIMAL上に、ポジ型レジスト(OFPR 東京応化製)を7μm塗布し、所望のパターンにパターニング後に、ドライエッチング手法を用いて、HIMAL15をパターニングした(図2(a)参照)。
次に、HIMAL膜15上に、15μmのポジ型感光性樹脂層16(ポリメチルイソプロペニルケトンを主成分とするポジ型感光性樹脂:ODUR 東京応化製)を、塗布法を用いて形成し、DeepUV光によるフォトソグラフィ法を用いてでパターン形成を行った(図2(b)参照)。
形成されたパターンは、最終的には、除去するのでポジ型であり、後工程で除去可能な材質である必要があり、ODURやPMMA等を用いることができる。
次に、では、ポジ型感光性樹脂層16上に、ネガ型の化学増幅レジストである有機樹脂からなる膜厚25μmのノズル材17をスピンコート法で塗布し、ハロゲン光を照射する投影露光法を用いて、パターン形成を行った。その際、ノズル材17上に、ネガ型の感光性材料からなる撥水性を有する膜17aも同時に形成した(図2(c)参照)。
ノズル材は、ダイセル化学工業株式会社のEHPE−3150を50部、旭電化工業株式会社製の光カチオン重合開始材SP−172を1部、日本ユニカ社製のシランカップリング材A−187を2.5部を、塗布溶剤として用いたキシレン50部に溶解して作製した。
次に、ウェハ裏面から、不図示のシリコン酸化膜をマスクとして、ドライエッチング法を用い、基体10に開孔を形成した。その際、犠牲膜2はエッチングストッパとして機能した。その後、基体10に形成された開孔に、側壁保護膜となるパリレン膜12を、CVD法を用い形成した。その後、パリレン膜12のボトム部分のみを平行平板型RIE(リアクティブイオンエッチング)装置を用い、異方性ドライエッチングにより除去した(図2(d)参照)。
次に、ALからなる犠牲膜2をC6液(硝酸/酢酸/燐酸の混合液)、もしくは、TMAH液で除去し、その後、保護膜4は、CF4系のガスを用いたドライエッチング、及び、蓄熱層5はバッファードフッ酸系のウェットエッチング法を用いてエッチング除去した。最後に、露出した分離膜13を酸素プラズマを用いて除去し、第1の液流路に色材を含む吐出液体を供給するインク供給口18を形成した(図2(d)参照)。
次に、低圧水銀灯を用いて、ノズル材を透過させて、ポジ型感光性樹脂層16(ODUR 東京応化製)に向けて全面照射し、該ポジ型感光性樹脂を分解した。その後、基板を乳酸メチルに浸漬して、ポジ型感光性樹脂層16(ODUR 東京応化製)を除去し、第1の液流路20を形成した。その後、200度、1時間で、ネガ型の化学増幅レジストである有機樹脂からなるノズル材17の熱硬化を行った。その後、通常の、フォトリソグラフィ法とエッチング法とを用い、ノズル材17に吐出口19を形成し、第1の液流路20を有する液体吐出ヘッドが完成した(図2(e)参照)。
次に、作成した液体吐出ヘッドを記録装置に装着し、
1.第1の液流路を介して純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール/酢酸リチウム/黒色染料フードブラック2からなる色材インク(粘度:4〜10cps)供給し、
2.第2の液流路を介して発砲液(純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール:粘度:1.2〜2.0cps)を供給し、
記録を行ったところ、本実施例では安定な印字が可能であり、得られた印字物は高品位なものであった。
(実施例2)
実施例1の図2(a)までは同一の製造工程であるので、製造方法の詳細は省略する。
本実施例では、吐出口部分を2段型にして、発泡効率を向上させて、更に効率の良い液体吐出ヘッドを形成する方法である。
以下、図3では、分離膜13及びHIMAL膜15を形成した後(図2(a)参照)の工程を詳細に説明する。
ポジ型のレジストである、下層樹脂層21および上層樹脂層22を連続して、スピンコート法によりそれぞれ塗布した。
下層樹脂層21のポジ型のレジストは、波長が300nm以下の紫外光であるDeep−UV光(以下、DUV光と称する。)を露光することによって、感光するレジスト材料を用いることが好ましい。本実施例では、メタクリル酸メチル(MMA)とメタクリル酸(MAA)をラジカル重合させて、ポリマー化させた2元共重合体(P(MMA−MAA)=90〜70:10〜30)をシクロヘキサノン溶媒で溶解した溶液を使用した。
この2元共重合体(P(MMA−MAA))は、上述の波長の光で、分子中の結合が破壊されて現像により溶解可能なメタクリル酸メチル(MMA)とメタクリル酸(MAA)となる。
下層樹脂層21として使用した2元共重合体(P(MMA−MAA))は、脱水縮合反応による熱架橋膜を形成する。この脱水縮合反応は、180〜200℃で30〜120分加熱することにより、より強固な架橋膜を形成することができる。なお、この架橋膜は、溶媒不溶型になっているが、DUV光などの電子線が照射された部分のみ、溶媒可溶性となる。
上層樹脂層22のポジ型のレジストには、ポリメチルイソプロペニルケトン(PMIPK)をシクロヘキサノン溶媒で沃化した液を使用した。
その後、DUV光を照射させる露光装置に、波長260nm未満のDUV光を遮断するフィルタを装着することで260nm以上のみを透過させ、波長が260〜330nm付近のNear−UV光(以下、NUV光と称する。)を照射させ、上層樹脂層22を露光した。
その後、上層樹脂層22を現像することによって、上層樹脂層22に所望のノズルパターンが形成された。上層樹脂層22で形成されたパターンは、電気熱変換素子3と吐出口24のインク液流路を確保するためのものである。
尚、上層樹脂層22と下層樹脂層21とでは、波長260〜330nm付近のNUV光に対する感度比が約40:1以上の差があるので、下層樹脂層21は、波長260〜330nm付近のNUV光では実質的に感光されることがない。更に、このため、下層樹脂層21は熱架橋であるために上層樹脂層22を現像時の現像液に溶解することはない。
次に、上述した露光装置で波長210〜330nmのDUV光を照射し、下層樹脂層21を露光し、その後、現像することによって、下層樹脂層21に所望のノズルパターンが形成される。下層樹脂層21により形成されたパターンは、インク供給口25と電気熱変換素子3とのインク液流路を確保するためのものである(図3(a)参照)。
次に、ノズル材23として、下記のネガ型のレジストとなる樹脂組成物をメチルイソブチルケトン/キシレン混合溶媒に60wt%の濃度で溶解したものを、スピンコートした。その後、インクを撥水させるための撥水材23aをダイレクトコートにて塗布した。本実施例では撥水材23aを溶液状としてコートさせた。撥水性を有する膜23aは、ドライフィルム状としてラミネートで形成しても良い。尚、撥水性を有する膜の材料は、実施例1と同一の材料を用いた。
樹脂組成物
材料名 商品名 製造会社名 重量部
エポキシ樹脂 EHPE−3158 ダイセル化学工業(株)製 100
シランカップリング材 A−187 日本ユニカー(株)製 1
開始材 SP−170 旭電化工業(株)製 1.5
その後、ネガ型のレジストを用い、フォトリソグラフィ法を用い、インクの吐出口24の開口部のレジスト及びノズル材23を同時に露光した。その後、露光後ベーク(以下、PEBと略す)およびレジストの現像を行い、レジストにφ15μmのインク吐出口パターンとなる開口を形成した(図3(b)参照)。
なお、露光はキヤノン(株)製MPA―600FAにて露光量2.5J/cm2、PEBは90℃/4分間、現像はメチルイソブチルケトン/キシレンで行った。
被覆樹脂層23および撥水性を有する膜23aを露光、露光後ベーク(PEB)および現像することによってパターン形成した。
撥水層は、感光性を有する材料で、被覆樹脂層23を塗布後に、プリベークし、該被覆樹脂層23上に、撥水材を塗布、もしくは、ラミネートして形成した。
次に、インク供給のための開口部であるインク供給口25を、図2と同様、ドライエッチングプロセスなどにより形成した。この際、撥水材23aおよびノズル部材23である被覆樹脂層がダメージを受けないように、環化ゴム(不図示)でシリコン基板のノズルを形成した側の面を保護しておき、インク供給口25を形成した。その後、実施例1と同様の製法を用いて、ALからなる犠牲膜2、保護膜4及び蓄熱層5除去した(図3(c)参照)。
次に、USHIO製CE−9000により27J/cm2の全面照射を行い、乳酸メチル中に超音波を付与しつつ浸漬し、溶解可能な上層樹脂層22及び下層樹脂層21を溶出した。最後に、200℃/1時間加熱し、ノズル材23を硬化させて、吐出口24と、第1の液流路を得て液体吐出ヘッドが完成した(図3(d)参照)。この場合の第1の液流路は、基板の表面に沿って伸びる液流路部27と、基板表面から吐出口までの領域である接続部26とからなる。すなわち、液流路部27の天井に対して接続部26の吐出口が設けられた天井が高くなっており、かつ、接続部26における基板の面方向での幅は、基板の厚さ方向において吐出口に向かって段差により減少している。
最後に発熱抵抗体3を駆動するための電気的接合(図示せず)を行ってインクジェット記録ヘッドが完成される。
次に、液体吐出ヘッドを記録装置に装着し、
1.第1の液流路を介して、純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール/酢酸リチウム/黒色染料フードブラック2からなる色材インク(粘度:4〜10cps)と、
2.第2の液流路を介して、発砲液(純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール:粘度:1.2〜2.0cps)を供給し、
記録を行ったところ、本実施例では安定な印字が可能であり、得られた印字物は高品位なものであった。
(実施例3)
実施例3では、実施例1で示した第2の液流路と分離膜の形成工程において、第2の液流路に充填する発泡用液体を循環させて、残留気泡などによる弊害を取り除くための液体吐出ヘッドを形成する工程を示している。
実施例1の図1と同様の方法を用いて、基体10上に、犠牲膜2、保護膜4、電気熱変換素子3及び蓄熱層5を形成した。
尚、図4(a)は実施例1の図1(a)と同様であるので詳細な説明は省略する。
その後、第2の液流路となる領域の両側に発泡用液体の供給口11を実施例1と同様の製法を用い形成した(図4(b)参照)。
その後、発泡用液体の供給口11の側面に、側壁保護膜12となるパリレン膜を形成し、次に、異方性のドライエッチング法を用いて、発泡用液体の供給口11の底部のパリレン膜を除去し、側壁保護膜12を形成した(図4(c))。
次に、発泡用液体の供給口11の底部を、TMAH溶液を用い、異方性ウェットエッチングによって、エッチングし、犠牲膜2までの貫通口を形成した(図4(d)参照)。
次に、2つのヒータ素子間の間隙部の蓄熱層5及び保護膜4を通常のフォトリソグラフィ法とドライエッチング法とを用いて除去した後、CVD法を用い分離膜13となるパリレン膜を形成した(図4(e)参照)。
次に、ALからなる犠牲膜2を気相HF除去法によって、除去した後、発泡用液体の供給口11及び除去された犠牲膜2による空間を介し、TMAH溶液による異方性エッチングによって、基体10の一部を除去し、第2の液流路14を形成した(図4(f)参照)。
その後、第2の液流路と分離膜の基板上に、実施例1又は2で説明した方法で、第1の液流路形成し、液体吐出ヘッドが完成した(不図示)。
本実施例では、ヒータ下部に発泡用液体を循環できるように、イン・アウトとなる共通の発泡用液体の供給口11が2ヶ所形成されている。
ヒータ(発熱体)上で形成される気泡は、膜沸騰〜気泡成長〜最大成長〜消泡という過程を取る。しかしながら、消泡後に、小さな残留気泡が残る事が確認されている。この残留気泡が、時間の経緯と共に、大きく成長すると、発熱体上に電気パルスを通電後、膜沸騰を発生させる場合に、障害となり、上述の気泡過程を阻害してしまう。しかしながら、第2の液流路に連通する2ヶ所の供給口を設けて、発泡液を循環させて、不図示の循環経路途中に、泡取りフィルタを通す事で、発熱体上には、残留気泡がない発泡液を供給することができる。
実施例1、2と同様、このようにして作成した液体吐出ヘッドを記録装置に装着し、
1.第1の液流路を介して純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール/酢酸リチウム/黒色染料フードブラック2からなる色材インク(粘度:4〜10cps)供給し、
2.第2の液流路を介して発砲液(純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール:粘度:1.2〜2.0cps)を供給し、
記録を行ったところ、本実施例では安定な印字が可能であり、得られた印字物は高品位なものであった。
更に、本実施例では、発泡用液体(純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール:粘度:1.2〜2.0cps)を不図示の外部ポンプ機構によって、循環させることで、連続的な印字も、更に安定させることができた。
本発明の第1の実施例の製造工程を説明するための工程断面図である。 本発明の第1の実施例の製造工程を説明するための工程断面図である。 本発明の第2の実施例の製造工程を説明するための工程断面図である。 本発明の第3の実施例の製造工程を説明するための工程断面図である。
符号の説明
2 犠牲膜
3 ヒータ
4 保護膜
5 蓄熱層
10 基体
11 発泡用液体の供給口
12 側壁保護膜
13 分離膜
14 第2の液流路
15 密着層
16 ポジ型レジスト
17 ノズル材(型材)
18 吐出用液体(インク)供給口
19 吐出口
20 第1の液流路
21 下層樹脂層
22 上層樹脂層
23 ノズル材
24 吐出口
25 インク供給口
26 接続部
27 液流路部

Claims (14)

  1. 吐出用液体の吐出口と、該吐出口に吐出用液体を供給するための吐出用液流路と、前記吐出用液流路と発泡用液流路との隣接部においてこれらを分離する分離膜と、該分離膜の少なくとも一部に設けられ、前記吐出用液流路と前記発泡用液流路とを前記分離膜のみによって仕切る可動部と、前記発泡用液流路中の発泡用液体を加熱して発泡させるための発熱素子と、を有し、前記発泡用液流路中での発泡による前記発泡用液体の圧力変動に伴い前記可動部が変位することによって前記吐出用液流路中の前記吐出用液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドであって、
    前記発泡用液流路と前記発熱素子とを有する基板の表面に、前記吐出用液流路と前記吐出口とが設けられ、
    前記分離膜により前記発泡用液流路の天井の少なくとも一部を形成して前記基板の表面に露出させ、前記吐出用液流路を該基板の表面に露出した分離膜の有する可動部をその底面の一部として設けることにより前記吐出用液流路と前記発泡用液流路との隣接部が設けられており、
    前記発熱素子は前記発泡用液流路の天井側に設けられており、
    前記発熱素子を、間隔をもって2つ配置し、これらの発熱素子間に前記可動部を設けた
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記発熱素子が、2以上設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記発熱素子が、前記分離膜の前記発泡用液流路側に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記分離膜が、化学気相反応もしくはプラズマ重合反応により形成された有機物膜である、請求項1からのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記有機物膜が、パラキシリレン系樹脂からなることを特徴とする請求項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記発泡用液流路に、前記発泡用液体を供給するための供給口が2個所に設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記吐出口は前記基板の表面に対向して設けられ、前記吐出用液流路は、前記基板の表面に沿って伸びる液流路部と、前記基板の表面から該基板の表面に対向する前記吐出口までの領域を形成する前記吐出口との接続部とを有し、該接続部の天井が、該液流路部の天井よりも高く設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記接続部の幅が、その天井部分へ向かって減少する部分を有する請求項に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記吐出口、前記吐出用液流路、前記発泡用液流路、前記発熱素子、及び、前記分離膜を有する単位が複数設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 吐出用液体の吐出口と、該吐出口に吐出用液体を供給するための吐出用液流路と、前記吐出用液流路と発泡用液流路との隣接部においてこれらを分離する分離膜と、該分離膜の少なくとも一部に設けられ、前記吐出用液流路と前記発泡用液流路とを前記分離膜のみによって仕切る可動部と、前記発泡用液流路中の発泡用液体を加熱して発泡させるための発熱素子と、を有し、前記発泡用液流路中での発泡による前記発泡用液体の圧力変動に伴い前記可動部が変位することによって前記吐出用液流路中の前記吐出用液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    基体の表面に、前記発泡用液流路となる領域を占める犠牲膜を形成する工程と、
    該犠牲膜を被覆する保護膜を形成する工程と、
    前記犠牲膜上の前記保護膜の上に前記発熱素子を形成する工程と、
    前記発熱素子を蓄熱層で被覆する工程と、
    前記犠牲膜の、前記分離膜の可動部となる領域を露出させる工程と、
    少なくとも前記犠牲膜の露出した部分を、前記分離膜となる膜により被覆する工程と、
    前記犠牲膜に達する貫通穴を前記基体の裏面から形成する工程と、
    前記貫通穴を介して前記犠牲膜を前記基体上から除去して空隙を形成し、該空隙を該空隙に面する基体の表面部分を削りとることで更に拡張して前記発泡用液流路を形成することにより基板を得る工程と、
    前記基板の表面に露出する前記分離膜の可動部を底部の一部として前記吐出用液流路を設ける工程と、
    前記吐出用液流路に連通する前記吐出口を形成する工程と、
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  11. 間隔をもって2つの発熱素子を前記保護膜上に配置し、これらの発熱素子の間に前記犠牲膜を露出させることにより、これらの発熱素子の間に前記可動部を設けることを特徴とする請求項10に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  12. 前記基板に吐出用液流路を形成する工程が、
    前記基板の表面に前記吐出用液流路となる領域を占める樹脂パターンを設ける工程と、
    前記樹脂パターンを覆う型材を形成する工程と、
    前記樹脂パターンを前記基板の表面から除去して前記吐出用液流路を形成する工程と、
    を有する
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  13. 前記液体吐出ヘッドが、前記吐出口は前記基板の表面に対向して設けられ、前記吐出用液流路は、前記基板の表面に沿って伸びる液流路部と、前記吐出口との接続部とを有し、
    該接続部の天井が、該液流路部の天井よりも高い構造を有するものであり、
    前記樹脂パターンの形成工程が、
    前記基板の表面に第1のポジ型レジストの層を形成する工程と、
    前記第1のポジ型レジストの層の上に、前記第1のポジ型レジストと感光波長の異なる第2のポジ型レジストの層を設ける工程と、
    前記第2のポジ型レジストのみが感光する波長での前記第2のポジ型レジストの層へのパターン露光と現像により、前記第1のポジ型レジストの層の表面から突出した前記接続部となる領域を占める第2のポジ型レジストのパターンを得る工程と、
    前記第1のポジ型レジストのみが感光する波長での前記第1のポジ型レジストの層へのパターン露光と現像により、前記吐出用液流路の前記基板の表面に沿って伸びる液流路部となる領域を占める第1のポジ型レジストのパターンを得る工程と、
    を有することを特徴とする請求項12に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  14. 前記接続部の幅が、その天井部分へ向かって減少する部分を有する請求項13に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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