手段1.発射された遊技球が案内される遊技領域に設けられ、遊技球を停留可能な停留部を有し、前記停留部に遊技球を停留させる停留状態と、前記停留部における遊技球の停留が解除される停留解除状態とに変化可能な停留装置と、
前記停留部に停留された遊技球を検出する停留球検出手段と、
前記停留球検出手段による検出結果に基づき、前記停留部における遊技球の停留状態を教示する教示手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
手段1に記載の遊技機は、停留装置を備えるものである。停留装置は、遊技領域に設けられ、1個又は複数個といった遊技球を停留可能な停留部を有する。停留装置は、停留状態と停留解除状態とに変化可能に構成されており、停留状態では、停留部に遊技球を停留させる。一方、停留解除状態では、停留部における遊技球の停留が解除される。
ここで本発明では、停留球検出手段が停留部に停留された遊技球を検出し、この検出結果に基づいて、教示手段が、停留部における遊技球の停留状態を教示する。これによって、停留部における遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、停留球検出手段は、停留部に停留された遊技球を検出するのであるが、例えば、所定の通過口を通過した遊技球が全て停留部に停留される構成であれば、当該所定の通過口を通過する遊技球を検出するようにしてもよい。その意味では、「停留された遊技球を検出し」に代えて「停留された遊技球又は停留される遊技球を検出し」としてもよい。また、教示手段としては、表示装置を介し視覚を通じて教示するものや、音声などにより聴覚を通じて教示するものが考えられる。以下の手段でも同様である。
手段2.手段1に記載の遊技機において、
前記教示手段は、前記停留状態を表示する停留状態表示手段を有し、前記停留状態表示手段を介して前記停留状態を教示するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段2によれば、教示手段が、停留状態表示手段を有しており、この停留状態表示手段を介して停留状態を教示する。この場合、遊技者の視覚を通じて停留状態が教示されるため、停留部における遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、停留状態表示手段は、表示によって停留状態を教示可能な構成であればよく、例えば液晶を用いた専用の表示装置であることが考えられる。また、ランプや発光ダイオード(LED)といった発光装置であってもよい。以下の手段でも同様である。
手段3.手段1又は2に記載の遊技機において、
前記停留球検出手段は、前記停留部における遊技球の停留数を検出可能であり、
前記教示手段は、前記停留部における遊技球の停留数に対応させて、前記停留状態を教示するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段3によれば、停留球検出手段が停留部における遊技球の停留数を検出可能であり、教示手段によって、停留部における遊技球の停留数に対応させて停留状態が教示される。
例えば、停留部に停留された遊技球の個数にそれぞれ対応する表示処理を行うという具合である。このようにすれば、停留部における遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この場合、停留球検出手段は、停留部に停留された遊技球の個数を検出できるものであればよく、具体的には、停留部への入口を通過する遊技球をカウントするためのセンサとして実現することが一例として考えられる。このときは、入口を通過した遊技球が全て停留部に停留されることを前提としている。
手段4.手段1又は2に記載の遊技機において、
前記停留球検出手段は、前記停留部における遊技球の停留位置を検出可能であり、
前記教示手段は、前記停留部における遊技球の停留位置に対応させて、前記停留状態を教示するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、停留球検出手段が停留部における遊技球の停留位置を検出可能であり、教示手段によって、停留部における遊技球の停留位置に対応させて停留状態が教示される。例えば、停留部に停留された遊技球の停留位置にそれぞれ対応する表示処理を行うという具合である。このようにすれば、停留部における遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この場合、停留球検出手段は、停留部に停留された遊技球の停留位置を検出する必要があり、具体的には、遊技球の有無を検知するために停留位置毎に設けられるセンサとして実現することが一例として考えられる。
手段5.手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留装置は、所定条件成立時に停留解除状態になるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段5によれば、所定条件成立時に停留解除状態になるように停留装置が構成されている。ここで所定条件とは、停留装置の停留部へ遊技球を案内する所定の入球手段の開放期間の終了であることが考えられる。具体的には、所定時間の経過や所定数の遊技球の入球、あるいは、所定数の遊技球の停留等によって判断される。以下の手段でも同様である。
手段6.手段5に記載の遊技機において、
前記停留解除状態になると、前記停留状態に依存する確率で有利な状態への移行がなされるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、停留解除状態になると、停留状態に依存する確率で有利な状態への移行がなされる。したがって、停留状態が教示されることによって、有利な状態にあるのか否かが遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段7.手段6に記載の遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な特定入球手段を備え、
前記停留解除状態になると、前記停留状態に依存する確率で、前記特定入球手段へ遊技球が案内されて有利な状態への移行がなされるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、停留解除状態になると、停留状態に依存する確率で、特定入球手段へ遊技球が案内されて有利な状態への移行がなされる。したがって、停留状態が教示されることによって、有利な状態にあるのか否かが遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段8.手段7に記載の遊技機において、
前記停留部に停留された遊技球を前記特定入球手段へ相対的に高い確率で案内するために必要な停留数である必要停留数が予め決まっており、
前記教示手段は、前記必要停留数に関する情報を教示することを特徴とする遊技機。
手段8によれば、停留部に停留された遊技球を特定入球手段へ相対的に高い確率で案内するために必要な必要停留数が予め決まっていることを前提として、教示手段が、必要停留数に関する情報を教示する。例えば、必要停留数に達したか否かを表示するという具合である。このようにすれば、有利な停留状態にあるか否かが遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段9.手段7に記載の遊技機において、
前記停留部に停留された遊技球を前記特定入球手段へほぼ確実に案内するために必要な停留数である必要停留数が予め決まっており、
前記教示手段は、前記必要停留数に関する情報を教示することを特徴とする遊技機。
手段9によれば、停留部に停留された遊技球を特定入球手段へほぼ確実に案内するために必要な必要停留数が予め決まっていることを前提として、教示手段が、必要停留数に関する情報を教示する。例えば、必要停留数に達したか否かを表示するという具合である。このようにすれば、有利な停留状態にあるか否かが遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段10.手段8又は9に記載の遊技機において、
前記教示手段は、前記停留状態に対応させて、前記必要停留数に近づいていくことを教示するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段10によれば、停留状態に対応させて必要停留数に近づいていくことが教示されるため、有利な停留状態への移行が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段11.手段7乃至10のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態とに変化可能に構成された可変入球手段を備え、
前記特定入球手段は、前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能となるよう設けられており、
前記停留装置は、前記可変入球手段へ入球した遊技球を停留させるものであることを特徴とする遊技機。
手段11では、開状態と閉状態とに変化可能な可変入球手段を備える構成であり、可変入球手段へ入球した遊技球が特定入球手段へ入球可能となっている。ここで停留装置は、可変入球手段へ入球した遊技球を停留させる。なお、この可変入球手段が、上述した所定の入球手段の一例となる。このような構成においても、停留部における遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段12.手段11に記載の遊技機において、
前記可変入球手段を前記開状態としてから前記閉状態に復帰させるまでの処理である開放処理を実行可能に構成されており、
前記教示手段は、前記停留状態の教示に加え、前記可変入球手段の前記開放処理の時間に関する情報を教示することを特徴とする遊技機。
手段12によれば、教示手段が、可変入球手段の開放処理の時間に関する情報を教示する。開放処理は、可変入球手段を開状態としてから閉状態に復帰させるまでの処理であり、ここでは例えば、可変入球手段が閉状態となるまでの時間経過を段階的に教示するという具合である。このようにすれば、可変入球手段が開状態となってから閉状態となるまでの遊技の進行が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段13.手段12に記載の遊技機において、
前記教示手段は、前記開放処理の時間経過に対応させて、前記可変入球手段の前記閉状態への復帰が迫っていることを教示するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段13によれば、開放処理の時間経過に対応させて可変入球手段の閉状態への復帰が迫っていることが教示されるため、可変入球手段が閉状態となるまでの遊技の進行が切迫感を伴って遊技者に伝えられ、遊技の興趣を向上させることができる。
手段14.発射された遊技球が案内される遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な特定入球手段と、
通常時よりも多くの遊技球を獲得可能な特別遊技状態へ移行させるための状態を発生させる状態発生手段とを備えた遊技機において、
前記状態発生手段は、前記特定入球手段へ遊技球が入球することを条件に前記状態を発生させるよう構成されており、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を停留可能な停留部を有し、前記停留部に遊技球を停留させる停留状態と、前記停留部における遊技球の停留が解除される停留解除状態とに変化可能に構成され、所定条件成立時に前記停留解除状態に変化して、前記停留状態に依存する確率で、前記停留部に停留された遊技球を前記特定入球手段へ案内する停留装置と、
前記停留部に停留された遊技球を検出する停留球検出手段と、
前記停留球検出手段による検出結果に基づき、前記停留部における遊技球の停留状態を教示する教示手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
手段14に記載の遊技機は、上述した遊技機と同様、停留装置を備えるものである。すなわち、停留装置は、1個又は複数個といった遊技球を停留可能な停留部を有し、停留状態と停留解除状態とに変化可能に構成されている。停留状態では、停留部に遊技球を停留させる。一方、停留解除状態では、停留部における遊技球の停留が解除される。
さらに本発明は、通常時よりも多くの遊技価値を獲得可能な特別遊技状態への移行のための状態を発生させる状態発生手段を備える遊技機であり、状態発生手段は、特定入球手段への遊技球の入球を条件に、当該状態を発生させる。そして、停留装置は、所定条件成立時に停留解除状態に変化して、停留状態に依存する確率で、停留部に停留された遊技球を特定入球手段へ案内する。つまり、この場合の遊技球の停留は、特別遊技状態への移行のための状態発生の契機となるものである。なお、所定条件成立時については、既に述べた通りである。
そこで、本発明では、停留球検出手段が停留部に停留された遊技球を検出し、この検出結果に基づいて、教示手段が、停留部における遊技球の停留状態を教示する。これによって、停留部における遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなる。その結果、例えば停留状態による状態発生の確定/不確定などが分かり易いものとなり、また例えば状態発生の確率が相対的に高いか低いかなどが分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段15.手段14に記載の遊技機において、
前記状態発生手段は、前記特定入球手段へ遊技球が入球することを条件に、前記状態としての前記特別遊技状態を発生させるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段15によれば、状態発生手段が、特定入球手段へ遊技球が入球することを条件に、特別遊技状態を発生させる。このような構成においては、停留状態が教示されることによって、例えば停留状態による特別遊技状態の発生の確定/不確定などが分かり易いものとなる。また例えば特別遊技状態発生の確率が相対的に高いか低いかなどが分かり易いものとなる。したがって、遊技の興趣を向上させることができる。
手段16.手段14に記載の遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な特別遊技始動入球手段と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態とに変化可能に構成された特別遊技可変入球手段と、
前記特別遊技始動入球手段への遊技球の入球を契機として前記特別遊技可変入球手段を開放し、前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
手段16によれば、特別遊技始動入球手段と、特別遊技可変入球手段と、特別遊技状態発生手段とを備えている。特別遊技始動入球手段は、上述した状態が発生すると遊技球の入球が可能となるものであり、特別遊技状態発生手段は、特別遊技始動入球手段への遊技球の入球を契機として前記特別遊技可変入球手段を開放する。このような遊技機においても、遊技球の停留状態が教示されれば、例えば停留状態による状態発生の確定/不確定などが分かり易いものとなり、また例えば状態発生の確率が相対的に高いか低いかなどが分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段17.手段14乃至16のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態とに変化可能に構成された可変入球手段とを備え、
前記特定入球手段は、前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能となるように設けられており、
前記状態発生手段は、前記始動入球手段への入球に基づく前記可変入球手段の開放処理であって、前記可変入球手段を前記開状態としてから前記閉状態に復帰させるまでの開放処理において前記可変入球手段へ入球した遊技球のうち、少なくとも1つが前記特定入球手段へ入球することを条件に前記状態を発生させるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段17によれば、始動入球手段と、可変入球手段とを備えており、可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能となるように特定入球手段が設けられている。そして、状態発生手段は、始動入球手段への入球に基づく開放処理において可変入球手段へ入球した遊技球のうち、少なくとも1つが特定入球手段へ入球することを条件に前記状態を発生させる。このような遊技機においても、遊技球の停留状態が教示されれば、例えば停留状態による状態発生の確定/不確定などが分かり易いものとなり、また例えば状態発生の確率が相対的に高いか低いかなどが分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段18.手段14乃至17のいずれかに記載の遊技機において、
前記教示手段は、前記停留状態を表示する停留状態表示手段を有し、前記停留状態表示手段を介して前記停留状態を教示するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段18によれば、教示手段が、停留状態表示手段を有しており、この停留状態表示手段を介して停留状態を教示する。この場合、遊技者の視覚を通じて停留状態が教示されるため、停留部における遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段19.手段17又は18に記載の遊技機において、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、前記可変入球手段の開放処理を実行するか否かの抽選を行う抽選手段と、
複数の識別情報を変動表示可能に構成され、前記抽選手段による抽選結果に基づいた停止態様で前記識別情報を確定停止表示する表示手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
手段19によれば、抽選手段が、始動入球手段への遊技球の入球に基づき、可変入球手段の開放処理を実行するか否かの抽選を行う。そして、表示手段は、抽選結果に基づいた停止態様で識別情報を確定停止表示する。このような遊技機においても、遊技球の停留状態が教示されれば、例えば停留状態による状態発生の確定/不確定などが分かり易いものとなり、また例えば状態発生の確率が相対的に高いか低いかなどが分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段20.手段19に記載の遊技機において、
前記表示手段は、前記停留状態表示手段としても機能するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
上述のように教示手段が停留状態表示手段を有する構成を採用することが考えられるが、識別情報を表示可能な表示手段が、上述した停留状態表示手段としても機能するようにすれば、通常時に視線を配ることになる表示手段を介して停留状態が教示されるため、遊技者にとって見易く、停留部における遊技球の停留状態が分かり易くなる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
手段21.手段17乃至20のいずれかに記載の遊技機において、
前記教示手段は、前記停留状態の教示に加え、前記可変入球手段の前記開放処理の時間に関する情報を教示することを特徴とする遊技機。
手段21によれば、教示手段が、可変入球手段の開放処理の時間に関する情報を教示する。例えば、可変入球手段が閉状態となるまでの時間経過を段階的に教示するという具合である。このようにすれば、可変入球手段が開状態となってから閉状態となるまでの遊技の進行が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段22.手段21に記載の遊技機において、
前記教示手段は、前記開放処理の時間経過に対応させて、前記可変入球手段の前記閉状態への復帰が迫っていることを教示するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段22によれば、開放処理の時間経過に対応させて可変入球手段の閉状態への復帰が迫っていることが教示されるため、可変入球手段が閉状態となるまでの遊技の進行が切迫感を伴って遊技者に伝えられ、遊技の興趣を向上させることができる。
手段23.発射された遊技球が案内される遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態とに変化可能に構成された可変入球手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能な特定入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、前記可変入球手段を開状態とし、通常時よりも多くの遊技価値を獲得可能な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、
前記特別遊技状態発生手段は、前記特別遊技状態にあっては、前記可変入球手段を前記開状態としてから前記閉状態に復帰させるまでの処理である開放処理において、前記可変入球手段へ入球した遊技球のうちの少なくとも1つが前記特定入球手段へ入球することを条件に次回の開放処理への移行を許容し、前記開放処理を予め定められた所定回数だけ継続して実行可能に構成されており、
前記可変入球手段に設けられ、遊技球を停留可能な停留部を有し、前記停留部に遊技球を停留させる停留状態と、前記停留部における遊技球の停留が解除される停留解除状態とに変化可能に構成され、所定条件成立時に前記停留解除状態に変化して、前記停留状態に依存する確率で、前記停留部に停留された遊技球を前記特定入球手段へ案内可能な停留装置と、
前記停留部に停留された遊技球を検出する停留球検出手段と、
前記停留球検出手段による検出結果に基づき、前記停留部における遊技球の停留状態を教示する教示手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
手段23に記載の遊技機は、上述した遊技機と同様、停留装置を備えるものである。すなわち、停留装置は、1個又は複数個といった遊技球を停留可能な停留部を有し、停留状態と停留解除状態とに変化可能に構成されている。停留状態では、停留部に遊技球を停留させる。一方、停留解除状態では、停留部における遊技球の停留が解除される。
さらに本発明は、始動入球手段への遊技球の入球に基づき、可変入球手段を開状態とし、通常時よりも多くの遊技価値を獲得可能な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備える遊技機であり、特別遊技状態発生手段は、特別遊技状態にあっては、可変入球手段の開放処理において、可変入球手段へ入球した遊技球のうちの少なくとも1つが特定入球手段へ入球することを条件に次回の開放処理への移行を許容し、開放処理を予め定められた所定回数だけ継続して実行可能に構成されている。そして、停留装置は、所定条件成立時に停留解除状態に変化して、停留状態に依存する確率で、停留部に停留された遊技球を特定入球手段へ案内する。つまり、この場合の遊技球の停留は、少なくとも特別遊技状態の継続を左右するものとなる。なお、所定条件成立時については、既に述べた通りである。
そこで、本発明では、停留球検出手段が停留部に停留された遊技球を検出し、この検出結果に基づいて、教示手段が、停留部における遊技球の停留状態を教示する。これによって、停留部における遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなる。その結果、例えば停留状態による特別遊技状態の継続/不継続などが分かり易いものとなり、また例えば特別遊技状態の継続可能性が相対的に高いか低いかなどが分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段24.手段23に記載の遊技機において、
前記教示手段は、前記停留状態を表示する停留状態表示手段を含み、前記停留状態表示手段を介して前記停留状態を教示するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段24によれば、教示手段が、停留状態表示手段を有しており、この停留状態表示手段を介して停留状態を教示する。この場合、遊技者の視覚を通じて停留状態が教示されるため、停留部における遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段25.手段23又は24に記載の遊技機において、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、前記特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段と、
複数の識別情報を変動表示可能に構成され、前記抽選手段による抽選結果に基づいた停止態様で前記識別情報を確定停止表示可能な表示手段とを備え、
前記特別遊技状態発生手段は、前記開放処理の途中で前記特定入球手段への遊技球の入球があると、当該開放処理の終了後に次回の開放処理を実行するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段25によれば、抽選手段が、始動入球手段への遊技球の入球に基づき、特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う。そして、表示手段は、抽選結果に基づいた停止態様で識別情報を確定停止表示する。この場合、特別遊技状態発生手段は、開放処理において特定入球手段への遊技球の入球があると、当該開放処理の終了後に次回の開放処理を実行するよう構成されている。このような遊技機においても、遊技球の停留状態が教示されれば、例えば停留状態による特別遊技状態の継続/不継続などが分かり易いものとなり、また例えば特別遊技状態の継続可能性が相対的に高いか低いかなどが分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段26.手段25に記載の遊技機において、
前記表示手段は、前記停留状態表示手段としても機能するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
上述のように教示手段が停留状態表示手段を有する構成を採用することが考えられるが、識別情報を表示可能な表示手段が、上述した停留状態表示手段としても機能するようにすれば、通常時に視線を配ることになる表示手段を介して停留状態が教示されるため、遊技者にとって見易く、停留部における遊技球の停留状態が分かり易くなる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
手段27.手段23又は24に記載の遊技機において、
前記始動入球手段へ遊技球が入球することを契機として前記可変入球手段が所定時間だけ前記開状態となり、
前記特別遊技状態発生手段は、前記特定入球手段への遊技球の入球に基づき前記特別遊技状態を発生させ、前記開放処理において前記特定入球手段への遊技球の入球があると、当該開放処理を終了して即座に次回の開放処理を実行するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段27によれば、始動入球手段への遊技球の入球を契機に可変入球手段が開状態となる。そして、特別遊技状態発生手段は、特定入球手段への遊技球の入球に基づき特別遊技状態を発生させ、開放処理において特定入球手段への遊技球の入球があると、当該開放処理を終了して即座に次回の開放処理を実行するよう構成されている。このような遊技機においても、遊技球の停留状態が教示されれば、例えば停留状態による特別遊技状態の継続/不継続などが分かり易いものとなり、また例えば特別遊技状態の継続可能性が相対的に高いか低いかなどが分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段28.手段14乃至27のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留球検出手段は、前記停留部における遊技球の停留数を検出可能であり、
前記教示手段は、前記停留部における遊技球の停留数に対応させて、前記停留状態を教示することを特徴とする遊技機。
手段28によれば、停留球検出手段が停留部における遊技球の停留数を検出可能であり、教示手段によって、停留部における遊技球の停留数に対応させて停留状態が教示される。例えば、停留部に停留された遊技球の個数にそれぞれ対応する表示処理を行うという具合である。このようにすれば、停留部における遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この場合、停留球検出手段は、停留部に停留された遊技球の個数を検出できるものであればよく、具体的には、停留部への入口を通過する遊技球をカウントするためのセンサとして実現することが一例として考えられる。このときは、入口を通過した遊技球が全て停留部に停留されることを前提としている。
手段29.手段14乃至27のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留球検出手段は、前記停留部における遊技球の停留位置を検出可能であり、
前記教示手段は、前記停留部における遊技球の停留位置に対応させて、前記停留状態を教示することを特徴とする遊技機。
手段29によれば、停留球検出手段が停留部における遊技球の停留位置を検出可能であり、教示手段によって、停留部における遊技球の停留位置に対応させて停留状態が教示される。例えば、停留部に停留された遊技球の停留位置にそれぞれ対応する表示処理を行うという具合である。このようにすれば、停留部における遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この場合、停留球検出手段は、停留部に停留された遊技球の停留位置を検出する必要があり、具体的には、遊技球の有無を検知するために停留位置毎に設けられるセンサとして実現することが一例として考えられる。
手段30.手段14乃至29のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留部に停留された遊技球を前記特定入球手段へ相対的に高い確率で案内するために必要な停留数である必要停留数が予め決まっており、
前記教示手段は、前記必要停留数に関する情報を教示することを特徴とする遊技機。
手段30によれば、停留部に停留された遊技球を特定入球手段へ相対的に高い確率で案内するために必要な必要停留数が予め決まっていることを前提として、教示手段が、必要停留数に関する情報を教示する。例えば、必要停留数に達したか否かを表示するという具合である。このようにすれば、有利な停留状態にあるか否かが遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段31.手段14乃至29のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留部に停留された遊技球を前記特定入球手段へほぼ確実に案内するために必要な停留数である必要停留数が予め決まっており、
前記教示手段は、前記必要停留数に関する情報を教示することを特徴とする遊技機。
手段31によれば、停留部に停留された遊技球を特定入球手段へほぼ確実に案内するために必要な必要停留数が予め決まっていることを前提として、教示手段が、必要停留数に関する情報を教示する。例えば、必要停留数に達したか否かを表示するという具合である。このようにすれば、有利な停留状態にあるか否かが遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段32.手段30又は31に記載の遊技機において、
前記教示手段は、前記停留状態に対応させて、前記必要停留数に近づいていくことを教示するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段32によれば、停留状態に対応させて必要停留数に近づいていくことが教示されるため、有利な停留状態への移行が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段33.手段23乃至32のいずれかに記載の遊技機において、
前記教示手段は、前記停留状態の教示に加え、前記可変入球手段の前記開放処理の時間に関する情報を教示することを特徴とする遊技機。
手段33によれば、教示手段が、可変入球手段の開放処理の時間に関する情報を教示する。例えば、可変入球手段が閉状態となるまでの時間経過を段階的に教示するという具合である。このようにすれば、可変入球手段が開状態となってから閉状態となるまでの遊技の進行が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
手段34.手段33に記載の遊技機において、
前記教示手段は、前記開放処理の時間経過に対応させて、前記可変入球手段の前記閉状態への復帰が迫っていることを教示するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段34によれば、開放処理の時間経過に対応させて可変入球手段の閉状態への復帰が迫っていることが教示されるため、可変入球手段が閉状態となるまでの遊技の進行が切迫感を伴って遊技者に伝えられ、遊技の興趣を向上させることができる。
手段35.手段7乃至34のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留装置は、遊技盤面に対し略鉛直の背面部と、該背面部の直前に位置する受け皿部とを有し、
前記背面部前方を流下するよう案内される遊技球を、前記受け皿部にて停留可能となっており、さらに、前記受け皿部に停留された遊技球に積み重なるようにして別の遊技球を停留可能とすることによって、当該別の遊技球が特定位置に停留されるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段35によれば、受け皿部にて遊技球を停留可能とし、さらに、受け皿部に停留された遊技球に積み重なるようにして別の遊技球を停留可能とすることによって、当該別の遊技球が特定位置に停留されるようにした。このため、特定位置に停留される遊技球をほぼ確実に所定の入球口へ案内することが容易となる。
手段36.手段35に記載の遊技機において、
前記背面部には、前記受け皿部に対応させ、前記特定入球手段および遊技球排出口が設けられており、
前記停留装置が前記停留解除状態になると、前記受け皿部が左右両側へ移動することによって、前記受け皿部に停留された遊技球が前記遊技球排出口へ案内されると共に、前記特定位置に停留された遊技球が前記特定入球手段へ案内されるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段36によれば、停留解除状態になると、受け皿部が左右両側へ移動することによって、特定位置に停留された遊技球が特定入球手段へ案内される。これによって、特定位置に停留される遊技球をほぼ確実に特定入球手段へ案内することができる。
手段37.手段35又は36に記載の遊技機において、
前記背面部には、余剰遊技球排出口が設けられており、
前記特定位置に遊技球が停留された状態において、前記背面部前方を流下する遊技球は、前記余剰遊技球排出口から排出されるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
手段37によれば、特定位置に遊技球が停留された状態において、背面部前方を流下する遊技球は、余剰遊技球排出口から排出される。したがって、特定位置に停留される遊技球をほぼ確実に特定入球手段へ案内することができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レールユニットの球案内通路)と、前記遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口、可変入賞装置、作動口、可変表示ユニット等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球を略鉛直方向に延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)に導く球通路(レールユニットの球案内通路)と、前記遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口、可変入賞装置、作動口、可変表示ユニット等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機。」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機は、遊技領域の拡張されてなる弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「後述する発明の実施の形態に記載された従来に比べて遊技領域を拡張するための技術的構成のうち少なくとも1つを含んでなる弾球遊技機。」が挙げられる。
D.上記各手段における前記遊技機は、可変表示装置を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球を所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)に導く球通路(レールユニットの球案内通路)と、前記遊技領域内に配置された作動口、可変表示装置及び可変入賞装置とを備え、前記作動口へ遊技球の入賞が検知されることに基づいて、前記可変表示装置に表示される識別情報(図柄)を変動表示せしめ、所定時間後停止表示させるとともに、停止表示された識別情報(図柄)が特定態様である場合に前記可変表示装置を所定態様で開放させるように構成した弾球遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11と支持枠部としての内枠12とに対して、前面扉としての前面枠セット14を開放し、下皿ユニット13を取り外した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、後述する遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。
図6に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用が容易な構成となっている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。
また、内枠12及び前面枠セット14は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。両者の成形に合成樹脂を用いることにより、金属製素材を用いた場合と比較してより複雑な形状に対応できるとともに、生産コストの増大を抑制することもできる。また、ABSを用いる利点としては、ポリカーボネイト等の樹脂素材と比較して、生産コストが低い、粘性が強く衝撃に強い等が挙げられる。加えて、例えば前面枠セット14の前面側等の意匠面にメッキ等のコーティング処理を施す場合において、その処理を比較的容易に行いやすく、外観品質のより高いものが製造できるというメリットがある。
さて、内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側(後述するハンドル18の設置箇所の反対側)に上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようになっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲に対応して前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。図3は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。なお、内枠12の前面側には、その周囲(前面枠セット14に対応する部分)においてリブR1が突設されている。そして、前面枠セット14の閉時には、前面枠セット14がリブR1の内側に嵌まり込んだ状態となる。この構成により、前面枠セット14と内枠12との間の隙間から針金等を進入させることが困難となり、不正防止の役割を果たす。
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されているが、その中でも特に下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル23とは難燃性のABS樹脂にて成形されている。このため、この部分は燃え難くなっている。符号25は下皿15内から遊技球を下方へと排出するための球抜きレバーである。
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。つまり、ハンドル18は、内枠12の開閉軸線とは反対側にあたるパチンコ機10の正面からみて右側に位置しており、ハンドル18の突出に関わりなく内枠12の開放時における所定の開放量を確保できる。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。なお、灰皿26は、下皿15の左側辺部より左方へ突出した図示しない軸棒によって、回動可能に支持された、いわゆる片持ち構造となっている。
一方、下皿15の上方において球受皿としての上皿19が設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置の方へ導出するための球受皿である。なお、上皿19は、前面枠セット14において、ガラスを支持するガラス枠部と一体的に形成されている。従来のパチンコ機ではガラス枠の下方の内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前面枠セット14に対し直接的かつ一体的に上皿19が設けられているため、後述するように前面枠セット14のフレーム部分の幅が従来に比べ比較的細いものであっても、前面枠セット14(ガラス枠部)の所定の強度を確保することができる。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する開放検知センサ22が設けられている。また、図示しないが内枠12の開放を検知する開放検知スイッチも設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、特別装置32、可変表示装置ユニット35、始動入賞ユニット461、大開放口ユニット462等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。特別装置32の中央部上方には、普通図柄作動口33が設けられ、普通図柄作動口33の直下に、特定入賞口400が設けられている。また、特別装置32の右方には、停留状態表示装置38が設けられている。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車27等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35には、普通図柄作動口33への入賞をトリガとして識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置42が設けられている。
普通図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。普通図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして普通図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、普通図柄表示装置42(液晶表示装置)は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、普通図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
特別装置32の特定入賞口400は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、「当たり」の際に遊技球が入賞しやすい開状態となる。より詳しくは、普通図柄作動口33に対し遊技球が入賞すると普通図柄表示装置42で図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったことを必要条件に開状態となる。確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなった場合、所定時間だけ(本実施形態では5.8秒)開状態とされる。普通図柄表示装置42の図柄変動表示中に新たに遊技球が普通図柄作動口33に入賞した場合には、その分の図柄変動表示は、その時点で行われている図柄変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、図柄変動表示が待機(保留、記憶)されることとなる。この保留される図柄変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施の形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。しかし、最大保留回数は、これに限定されるものではない。例えば、8回分の図柄変動表示を待機させるべく、最大保留回数を8回に設定することとしてもよい。なお、保留ランプ46は、普通図柄表示装置42の一部で表示される構成等であっても良い。
特別装置32の特定入賞口400は確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなった場合に所定時間だけ開状態とされるが、このとき入球した遊技球が停留部に停留される。停留部には所定数(本実施形態では3個)の遊技球が停留可能な構成となっており、少なくとも所定数の遊技球が特定入賞口400へ入球することによって、そのうちの1個の遊技球が特別装置作動領域を通過する構成となっている。そして、この遊技球の特別装置作動領域の通過を条件に、特別遊技状態への移行のための状態が発生することになる。なお、特別装置32の構成については後述する。
また、可変表示装置ユニット35の右側には、始動入賞ユニット461が設けられており、さらに始動入賞ユニット461の下方には、大開放口ユニット462が設けられている。
始動入賞ユニット461は、大開放口ユニット462を作動させるためのものであり、外枠部の内部に収容された回転体464と、外枠部の下部の特別入賞口465とを備えている。
外枠部はその上端部において間欠している。回転体464は、保持部としての球受け部466を有し、回転可能となっている。回転体464は、通常時、一定速度(本実施の形態では約5秒周期)で所定方向(例えば時計周りに)回転する。そして、釘等により遊技球が始動入賞ユニット461の上端部まで導かれてきた場合に、球受け部466が上方に向いていないときには、遊技球は外枠部の間欠部分において停留し、球受け部466が上方に向くと遊技球が球受け部466に入り込むようになっている。
そして、遊技球は、回転体464の回転に伴い下方へ運ばれ、球受け部466が特別入賞口465の位置にきたところで、遊技球は特別入賞口465に入賞する。この特別入賞口465への遊技球の入賞により、上述したように特別遊技状態への移行のための状態が発生している場合は、大開放口ユニット462が作動する。なお、特別入賞口465へ入賞した遊技球は、後述する入賞感知機構により検出された後、図示しない球排出部へ排出される。なお、通常時、回転体464の回転周期時間は、後述する大開放口471の1回の開放時間と略同一時間となっている。これは、大開放口471の開放中に、ラウンド途中であるにもかかわらず次のラウンドに移行してしまうといった不具合を抑制するためである。
大開放口ユニット462は、大開放口471と、大開放口471を開状態又は閉状態とする電動役物472とを備えている。電動役物472は、左右に開閉可能に軸支されており、大開放口471の裏側に設けられたソレノイドにより開閉駆動される。電動役物472は、遊技球の特別入賞口465への一入賞につき所定開放時間(本実施の形態では約5秒間)開状態となる。大開放口471へ入賞した遊技球は、後述する入賞感知機構により検出された後、図示しない球排出部へ排出される。
上述したように、特別遊技状態への移行のための状態が発生した場合、始動入賞ユニット461への入球によって大開放ユニット462が作動する特別遊技状態となる。この特別遊技状態では、始動入賞ユニット461への入球によって所定ラウンドだけ大開放ユニット462が作動し、通常時よりも多くの遊技球を獲得することが可能となる。
また、特別装置32の右側には、液晶を用いた停留状態表示装置38が配設されている。停留状態表示装置38は、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。本実施形態では、この停留状態表示装置38を介して、上述した特別装置32の停留部における遊技球の停留状態を表示することを特徴としている。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成形品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール構成部(内レール部)51と外レール構成部(外レール取付け部)52とを有する。内レール構成部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されている。また、一部(主に左側部)が内レール構成部51に向かい合うようにして外レール構成部52が形成されている。かかる場合、内レール構成部51と外レール構成部52とにより主として誘導レールが構成され、これら各レール構成部51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材が取着されている。これにより、一旦、内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール構成部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール構成部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻される。外レール構成部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。なお、本実施の形態では、外レール構成部52及び摺動プレート55によって、いわゆる従来の外レールに相当するものが構成されている。そして、内外レール構成部51,52及び摺動プレート55をレールユニット50としてユニット化することにより、従来の内外レールを別々に設けた構成に比べて、取付け作業が容易となり作業性が向上する。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジNJ等の固定手段が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。なお、左下のフランジ56においては他の部分(左上部,右上部及び右下部のフランジ56)と比較して、より多く固定手段が使用されている。これは、上記誘導レール及び球案内通路の位置をより適正な位置に固定するためであり、これにより遊技球発射装置から発射された遊技球がより安定して遊技盤30上部へ案内される。加えて、固定手段の数を増やすことでレールユニット50をより強固に固定でき、仮にレールユニット50の成形時において歪みが生じたとしても、その歪みを吸収する効果がある。
内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール構成部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレート(図のS1,S2)を貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール構成部51,52)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール構成部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール構成部52の極左位置から内レール構成部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール構成部51の極左位置から内レール構成部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール構成部51及び外レール構成部52によって囲まれる領域のうち、内外レール構成部51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール構成部52によってではなく内レール構成部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール構成部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール構成部52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車27、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、風車27、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62と一体的に樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の左右方向の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。また、発射レール61を上記構成とするため、本実施の形態では金属板62も従来のものより比較的大きなものとし、それを固定する固定手段の数も従来に比べ多くしている。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール構成部52に沿って流れ、外レール構成部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール構成部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置している。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。詳しい図面の開示は省略するが、シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となるとともに、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるようになっている。なお、前面枠セット14の開放状態においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。従って、上述したように、前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られたシール等(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71から上記シール等を貼り付けることも可能である。
また、樹脂ベース20には窓孔21の左上方において略四角形状の小窓72が設けられ、小窓72に対応して遊技盤30の左上部にも略四角形状の孔部73(図4参照)が設けられている。そして、後述する前面枠セット14の電飾部102、103等と接続される各種電気配線(図示略)が小窓72及び孔部73を通して本パチンコ機10の背面側から導かれている。
また、内枠12の図3の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
また、内枠12にはアース用金具E1,E2が設けられている(図3参照)。アース用金具E1,E2は、内枠12の背面側において所定の金属部品と接続されている。そして、前面枠セット14が閉じられた状態において、アース用金具E1,E2が後述する補強板131,132と当接することにより短絡するようになっている。
次に、前面枠セット14について図1,図5を参照しつつ説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール構成部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール構成部52の左端部はもちろん、内レール構成部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール構成部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール構成部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が当たりランプとして機能し、当たり時に点灯や点滅を行うことにより、当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図られる。
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。つまり、補強板131〜134において、樹脂パーツ135の絶縁効果により電気が環状に通ることを防止している。これにより、補強板131〜134におけるノイズのループや環状通電による磁界の発生を抑制することができる。
図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3等参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール構成部51,52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール構成部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール構成部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。したがって、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール構成部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール構成部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。ここで、前記支持機構について支持金具81,82及び支持金具151,152の関連性をふまえてより詳しく説明する。支持金具151は略棒状をなし、その上部の径が下部の径より太くなっている。上記支持孔83の切欠の幅は、前記支持金具151の上部の太さより狭く、下部の太さより広くなっている。前面枠セット14の装着手順としては、まず前記支持金具151の下部を前記切欠を介して支持孔83に挿入し、次に支持金具82の突起軸84に支持金具152を差込む。そして、前記切欠位置に対応して前記支持金具151の上部を位置させることで、支持金具151が支持孔83から外れなくなり、前面枠セット14の装着が完了する。
なお、前面枠セット14の施錠機構は、内枠12の施錠機構と一体的となっており、当該一体となった施錠機構G1(図6参照)の本体部は内枠12の背面側に設けられている。そのため、図3では、施錠機構G1から内枠12の前面側に突出した係止爪T1,T2のみが示されている。そして、係止爪T1,T2が前面枠セット14の背面側に係止されることにより、前面枠セット14が施錠された状態となる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図である。
まずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図7の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図7において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図8は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図9は内枠12を後方より見た斜視図である。ここでは図8及び図9を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替えることができるよう構成されており、図8にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠12外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図3参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる普通図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
なお、図示は省略したが、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セットが取り付けられている。この裏枠セットは、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、特別装置32には、特別装置作動領域スイッチ408とカウントスイッチ403とが設けられている。特別装置作動領域スイッチ408は、当たり状態で特別装置32の特定入賞口400に入賞した遊技球が特別装置作動領域(状態の発生を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ403は特別装置32の特定入賞口400への入賞球をカウントするスイッチである。また、普通図柄作動口33に対応させて普通図柄作動口スイッチ225が設けられている。さらに、始動口ユニット461に対応する位置には、始動口モータ222、始動口スイッチ223が設けられ、大開放口ユニット462に対応する位置には、大開放口ソレノイド226、カウントスイッチ227が設けられている。始動口モータ222は回転体464を回転させるためのものであり、始動口スイッチ223は特別入賞口465への入賞球をカウントするスイッチである。また、大開放口ソレノイド226は電動役物472の開閉駆動を行うためのものであり、カウントスイッチ227は大開放口471への入賞球をカウントするスイッチである。
入賞口スイッチ221、特別装置作動領域スイッチ408、カウントスイッチ403、始動口スイッチ223、およびカウントスイッチ227は、図示しない中継基盤を介して主基板(主制御装置261)に接続されている。これに対し、普通図柄作動口スイッチ225は、中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
その他、特別装置32には、停留部を動作させるための停留ソレノイド411と、特別装置32の電動役物402を開閉するための入賞口ソレノイド421とがもうけられている。なお、図8、図9において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔が形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図10に示す。図10に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている(図9参照)。なお、従来、遊技球分配部245に相当する部分が裏パックユニット203側に設けられていたため、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)を通じて裏パックユニット203を押すことにより、内枠12と遊技球分配部245に相当する部分との間に隙間が生じ、その隙間を通じて針金等を差し込み、内部機器を操作するといった不正行為が考えられた。そこで本パチンコ機10では、遊技球分配部245として内枠12側に設け、なおかつ固定手段によって固定することにより、そのような不正行為を防止している。さらに、遊技球分配部245の上端面は遊技盤30の下端面が設置される高さ位置に合わせて形成されており、遊技盤30の取外しの妨げとならないように工夫されている。
また、内枠12の下端部には、下皿15に向けて設置された上記スピーカ249の背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201を図11〜図14を用いて説明する。図11は第1制御基板ユニット201の正面図、図12は同ユニット201の斜視図、図13は同ユニット201の分解斜視図、図14は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図11等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨を容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネイト樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。ただし、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成形品であっても良い。
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図12等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、特別装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図13及び図14に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図11等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図8等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図8等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図8等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図7の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202を図15〜図17を用いて説明する。図15は第2制御基板ユニット202の正面図、図16は同ユニット202の斜視図、図17は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成形品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が取付台303を介して搭載されている。
また、取付台301には、図15等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図8等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図8等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図7の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、パチンコ機10の背面から見た背面図を図18に示し、分解斜視図を図19に示す。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図19に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。なお、バイブレータ360は、パチンコ機の設計変更等による位置変更や故障時等における交換が容易になるよう、モータ等の振動体が本体部であるケース内に収容されたバイブレータ・ユニットとして構成されており、当該ユニットが着脱可能なようにタンクレール356に取付けられている。なお、前記バイブレータ・ユニットは、その本体部(ケース面)がタンクレール356に密着せず、本体部から突出した足部(振動伝達子)を介してタンクレール356の側面に取付けられており、そのバイブ振動がより効果的にタンクレール356に伝達されるよう構成されている。
タンクレール356の構成ついて詳述すると、図20に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、レール本体361が黒色の導電性ポリカーボネイト樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネイト樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図18,図19の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネイト樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これによって、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図18等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図8等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図8等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図8等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。また、本実施の形態では、多くの遊技球が貯留され比較的負荷のかかるタンク355の近傍の係止部M8として、回動式のI型の留め具が採用されている。このため、ナイラッチ等の固定具を用いた場合に比べてより確実に裏パックユニット203(タンク355)の係止を行うことができる。このとき、図8等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図7の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する(図7参照)。
また、裏パックユニット203のベース部353には、外部中継端子板230用の開口部391が設けられており、裏パックユニット203の固定された状態でも、外部中継端子板230の取外し及び操作が可能となっている。
なお、上述してきた構成により、主制御装置261(基板ボックス263)の取外しは、まず裏パックユニット203を開け(又は取外し)、次に第1制御基板ユニット201を開け(又は取外し)、そして、固定具267を解除操作するという複雑な過程をふむことにより、ようやく行うことができる。このため、主制御装置261(基板ボックス263)の取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。
次に、図26〜図30を用いて、特別装置32の構成を説明する。本実施形態では、特別装置32の停留部における遊技球の停留状態を表示する点に特徴を有する。したがって、ここでは、特別装置32における停留部の構成を詳しく説明する。
図26は、特別装置32の正面図であり、図27は、図26のA−A線断面図である。
特別装置32は、中央の最上部に普通図柄作動口33を有している。普通図柄作動口33の直下には、特定入賞口400が設けられており、左右両側に設けられた電動役物402により、遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態とに変化可能となっている。特別装置32の前面側中央部分には、板状の前面飾り部材401が設けられている。前面飾り部材401は、透明樹脂の窓部401aを有しており、後述する遊技球の停留部が遊技者から視認可能となっている。
電動役物402は、特定入賞口ソレノイド421により開閉駆動される。具体的には、特定入賞口ソレノイド421が通電状態となると、可動部材422が前面側に移動し、電動役物402を左右に押し開く。また、前面飾り部材401の裏側には、入賞球をカウントするカウントスイッチ403が設けられている。
本実施形態の特別装置32は、停留部を備える停留装置として構成されているが、図28に示すように、前面飾り部材401の後方には、断面U字形状の球受け部404a,404bが設けられている。球受け部404a,404bは、遊技球を停留させる停留状態にあっては、その開口部分が内側上方を向くように配置される。したがって、特定入賞口400へ入球した1個目の遊技球は、一方の球受け部404a又は404bに停留される。次に、2個目の遊技球は、他方の球受け部404b又は404aに停留される。そして、3個目の遊技球が、球受け部404a及び404bに停留された2個の遊技球の真ん中に積み上がるようにして停留される。なお、本実施形態では3個の遊技球の入球が検知されると特定入賞口400は閉状態に変化するが、それ以前に入球した4個目以降の遊技球は、中央部分の奥側に形成された排出通路406から遊技盤30の裏側へ排出される構成となっている。図27、図28に記号Jで示すごとくである。したがって、本実施形態の停留部は3個の遊技球を停留可能な構成となっている。なお、本実施形態における球受け部404a,404bが「停留部」に相当し、特別装置32が「停留装置」に相当する。
球受け部404a,404bは、図29に示すように前後方向に伸びるシャフト414a,414bの一端に連結されている。このシャフト414a,414bの他端は、クランク413a,413bに連結されている。そして、このクランク413a,413bは、シャフト414a,414bを中心軸として回動可能となるよう支持されており、シャフト414a,414bよりも内側に配置された端部が、ソレノイドフック412に支持されている。ソレノイドフック412は、停留用ソレノイド411に連動して上下方向に可動し、通電時には、上方へ移動する。
このような構成により停留用ソレノイド411の非通電時には、図29(a)に示すように、球受け部404a,404bは、その開口部分が内側上方に向くように配置される。この状態にあっては遊技球を停留させることが可能であり、本実施形態における「停留状態」に該当する。これに対し、停留用ソレノイド411の通電時には、図29(b)に示すように、ソレノイドフック412が上方へ移動し(記号Kで示した)、クランク413a,413bの作用によって、シャフト414a,414bがそれぞれ回転する(記号L,Mで示した)。これによって、球受け部404a,404bは、その開口部分が外側上方を向くように配置される。詳しくは、球受け部404a,404bの間に遊技球の直径よりもわずかに大きな隙間ができる位置まで、球受け部404a,404bが回動する。この状態が、本実施形態における「停留解除状態」に相当する。
そして、このような球受け部404a,404bの回動位置に対応させて、球受け部404a,404bの奥側に、排出経路405a,405bが形成されている。また、排出経路405a,405bの間には、特別装置作動領域407が形成されている。したがって、図30に示すように、球受け部404a,404bに停留された2個の遊技球は、排出経路405a,405bを通過して、遊技盤30の裏側へ排出される(記号Nで示した)。これに対し、3個目の遊技球は、支持される遊技球が球受け部404a,404bの回動により外側方向へ移動するため、下方へ落下して特別装置作動領域407を通過する。記号Oで示すごとくである。したがって、本実施形態では、3個の遊技球が停留されて、すなわち、特定入賞口400へ3個以上の遊技球が入賞した場合には、特別装置作動領域407を遊技球が通過することになる。なお、特別装置作動領域407には、特別装置スイッチ408が設けられており、遊技球の通過を検知可能となっている。
以上、パチンコ機10の物理的構造を説明した。次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。
図26は、本パチンコ機10の電気的構造を示したブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図42参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理(図28参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図42の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45、普通図柄作動口33、その他図示しないスイッチ等が接続されている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理(図42参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理(図43参照)において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技機の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される(図9参照)。
表示制御装置45は、普通図柄表示装置42における普通図柄の変動表示と、停留状態表示装置38における停留状態の表示とを制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置たる普通図柄表示装置42および停留状態表示装置38が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて普通図柄表示装置42及び停留状態表示装置38の表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、普通図柄表示装置42および停留状態表示装置38に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、普通図柄表示装置42および停留状態表示装置38の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、普通図柄表示装置42や停留状態表示装置38に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して普通図柄表示装置42又は停留状態表示装置38に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図42のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
ところで、普通図柄表示装置42には、左・中・右の3つの図柄列が設定されており、図柄列毎に図柄(普通図柄)が変動表示される。本実施の形態では、普通図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付すよう構成されており、数字の昇順又は降順に普通図柄が表示されて一連の図柄列が構成されている。そして、周期性をもって普通図柄が上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左図柄列においては、普通図柄が降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄列及び右図柄列においては、同じく普通図柄が昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に普通図柄表示装置42上で普通図柄が当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の普通図柄の組合せ)で揃えば「当たり」となる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて普通図柄表示装置42の抽選(当たり抽選)や図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図27に示すように、普通図柄表示装置42の当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、普通図柄表示装置42の当たり図柄の選択に使用する当たり図柄カウンタC2と、普通図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、普通図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とからなる記憶エリアとしての保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、普通図柄作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が普通図柄作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、本実施の形態では、低確率時に当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって当たりになり付加価値としてその後の当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時という。
当たり図柄カウンタC2は、当たりの際、普通図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、普通図柄表示装置42において普通図柄が10通り設定されていることから、10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。すなわち、当たり図柄カウンタC2は、0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり9)に達した後0に戻る構成となっている。当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が普通図柄作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、普通図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の始動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が普通図柄作動口33に入賞したタイミングで、RAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、普通図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組み合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、普通図柄表示装置42による普通図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、普通図柄表示装置42の当たり抽選が外れとなった時に左列普通図柄、中列普通図柄、右列普通図柄の停止図柄(外れ図柄)を決定するためのものであり、各列では10の普通図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の停止図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU501に内臓のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、普通図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図28〜図42のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずはじめにタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図40は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図40において、先ずステップ(以下、ステップを単に記号Sで示す)601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、S602では、スイッチ検出情報を保存する。遊技盤30の裏面には、各種スイッチが設けられており、これらのスイッチ検出情報をRAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くS603では、乱数を更新する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、当たり乱数カウンタC1、当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、S604では、普通図柄作動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図41のフローチャートにより説明すると、S701では、遊技球が普通図柄作動口33に入賞したか否かを普通図柄作動口スイッチ225の検出情報により判別する。遊技球が普通図柄作動口33に入賞したと判別されると、続くS702では、普通図柄表示装置42の始動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。普通図柄作動口33への入賞があり、且つ始動保留球数N<4であることを条件にS703に進み、始動保留球数Nを1インクリメントする。
また、続くS704では、普通図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記S603で更新した当たり乱数カウンタC1、当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図42は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図42のNMI割込み処理を開始する。図42のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SK1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電流供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
図42のNMI割込み処理において、先ずS801では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くS802では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、S803では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、S804では、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
S805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。S806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SK1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図42のNMI割込み処理を開始する。その内容は図42で説明した通りである(但し、S804の電源断通知コマンドの送信は除く)。
また、図28は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ずはじめに、S101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。また、S102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、S104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、S106ではRAM判定値を算出し、続くS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(S114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(S114等)に移行する。つまり、S114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、S116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、S108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、S109では、電源断の発生情報をクリアする。S110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信し、S111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、S112,S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
次に、通常処理の流れを図29のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、S201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図29において、先ずS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、普通図柄表示装置42による普通図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、普通図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで確定コマンドが送出されるようになっている。また、停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を入力した表示制御装置45は、かかる各種コマンドに基づいて、普通図柄表示装置42の表示態様を決定し、該表示態様を普通図柄表示装置42において表示するようになっている。
次に、S202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くS203では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明すると、図30に示すように、S301では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、S302では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。そして、左図柄列の更新時期(S301がYES)であればS303に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(S302がYES)であればS304に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(S301、S302が共にNO)であればS305に進み、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。S303〜S305の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に10を減算し、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、S306では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせがリーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにS307では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチの組み合わせである場合、S308に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、S309に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組み合わせである場合、S310では、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄の組み合わせになっていれば、S311に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の外れ図柄バッファに格納する。なお、S306、S310が共にNOの場合は、左・中・右で図柄が揃っている、すなわち当たりの状態に相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
外れ図柄カウンタの更新処理の後、図29のS204では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、S205では、普通図柄表示装置42による普通図柄の変動表示を行うための普通図柄変動処理を実行する。この普通図柄変動処理により、当たり判定や普通図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、普通図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、S206では、電動役物処理を実行する。この処理は、「当たり」状態となった場合において、特別装置32の特定入賞口400を開放又は閉鎖するための処理である。但し、電動役物処理の詳細は後述する。また、S207では、特別遊技処理を実行する。この処理は、始動入賞ユニット461への入賞に基づく大開放ユニット462の作動によって発生する特別遊技状態発生の処理である。但し、特別遊技処理の詳細は後述する。
その後、S208では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。つまり、S209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、S210では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記S202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、S201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
次に、図29におけるS205の普通図柄変動処理を図31〜図33のフローチャートを参照して説明する。
まず最初のS401では、普通図柄作動口33へ入賞したか否かを判断する。この処理は、普通図柄作動口スイッチ225(図8参照)の検出結果に基づいてなされる。ここで普通図柄作動口33へ入賞したと判断された場合(S401:YES)、S402へ移行する。一方、普通図柄作動口33へ入賞していないと判断された場合(S401:NO)、S404へ移行する。
S402では、普通図柄表示装置42の作動保留球数が4以上であるか否かを判断する。ここで保留数≧4である場合(S402:YES)、S404へ移行する。一方、保留数<4である場合(S403:NO)、S403へ移行する。
S403では、乱数を記憶する。この処理は、保留球格納エリア(図27参照)へ各種乱数値を格納するものである。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり図柄カウンタC2、および、リーチ乱数カウンタC3を記憶する。
S404では、特別装置32の電動役物402が作動中か否かを判断する。電動役物402が作動中であるときは、当たり状態が発生している場合である。ここで電動役物402が作動中であると判断された場合(S404:YES)、本普通図柄変動処理を終了する。一方、電動役物402が作動中でないと判断された場合(S404:NO)、S405へ移行する。
S405では、普通図柄表示装置42の作動保留数が0であるか否かを判断する。ここで保留数=0である場合(S405:YES)、本普通図柄変動処理を終了する。一方、保留数≠0である場合(S405:NO)、S406へ移行する。
S406では、普通図柄が変動中であるか否かを判断する。ここで普通図柄が変動中であると判断された場合(S406:YES)、図32のS407へ移行する。一方、変動中でないと判断された場合(S406:NO)、図33のS416へ移行する。
普通図柄が変動中でない場合に移行する図32のS407では、変動表示の時間短縮が設定されているか否かを判断する。後述する確率変動のモードにある場合には、変動表示の時間短縮が設定される。ここで短縮ありと判断された場合(S407:YES)、S408にて表示制御装置45へ短縮コマンドを送信し、S409へ移行する。一方、短縮なしと判断された場合(S407:NO)、S408の処理を実行せず、S409へ移行する。
S409では、変動表示の時間である変動時間が経過したか否かを判断する。ここで変動時間が経過したと判断された場合(S409:YES)、S410にて表示制御装置45へ停止コマンドを送信し、S411にて表示時間を設定し、S412へ移行する。停止コマンドが送信されることにより、普通図柄表示装置42では、普通図柄の確定停止表示が行われる。S411では、この確定停止表示の時間を設定する。一方、変動時間が経過していないと判断された場合(S409:NO)、以降の処理を実行せず、本普通図柄変動処理を終了する。
S412では、確定停止表示の表示時間が経過したか否かを判断する。ここで表示時間が経過したと判断された場合(S412:YES)、S413へ移行する。一方、表示時間が経過していないと判断された場合(S412:NO)、以降の処理を実行せず、本普通図柄変動処理を終了する。
S413では、当たり図柄か否かを判断する。この処理は、確定停止表示された普通図柄が特定の組み合わせとなっているか否かを判断するものである。ここで当たり図柄であると判断された場合(S413:YES)、S414にて電動役物402を作動し、本普通図柄変動処理を終了する。一方、当たり図柄でないと判断された場合(S413:NO)、S414の処理を実行せず、本普通図柄変動処理を終了する。
図31中のS406で否定判断された場合に移行する図33のS415では、表示時間中であるか否かを判断する。この表示時間は、確定停止された普通図柄の表示時間であり、図32中のS411で設定されることは上述した。ここで表示時間中であると判断された場合(S415:YES)、図32中のS412へ移行する。一方、表示時間中でないと判断された場合(S415:NO)、すなわち変動表示がなされている場合には、S416へ移行する。
S416では、確変状態か否かを判断する。本実施形態では、当たり図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行する。特定図柄でない図柄(非特定図柄)でそろった場合には確変状態に移行しない。ここで確変状態であると判断された場合(S416:YES)、S417にて確変状態における当たり判定を行い、S419へ移行する。確変状態においては、当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。一方、確変状態でないと判断された場合(S416:NO)、S418にて非確変状態における当たり判定を行い、S419へ移行する。非確変状態においては、当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値である。
S419では、普通図柄の変動表示の時間である変動時間を設定する。続く、S420では、表示制御装置45へ変動開始コマンドを送信する。これによって、普通図柄表示装置42にて普通図柄の変動表示が開始される。
次に、図29におけるS206の電動役物処理を図34〜図36のフローチャートを参照して説明する。
まず最初のS501においては、特別装置32の電動役物402が作動中であるか否かを判断する。ここで電動役物402が作動中であると判断された場合(S501:YES)、S502へ移行する。一方、電動役物402が作動中でないと判断された場合(S501:NO)、本電動役物処理を終了する。
S502では、特定入賞口400が開放中か否かを判断する。ここで特定入賞口400が開放中であると判断された場合(S502:YES)、S503へ移行する。一方、特定入賞口400が開放中でないと判断された場合(S502:NO)、図35のS506へ移行する。
S503では、特定入賞口400の開放時間が経過したか否かを判断する。本実施形態においては、特定入賞口400の開放時間は5.8秒となっている。ここで開放時間が経過したと判断された場合(S503:YES)、S505へ移行する。一方、開放時間が経過していないと判断された場合(S503:NO)、S504へ移行する。
S504では、必要入賞数が入賞したか否かを判断する。特定入賞口400への遊技球の入賞数は、特定入賞口スイッチ403でカウントされる。本実施形態では、必要入賞数は3個となっている。ここで必要入賞数が入賞したと判断された場合(S504:YES)、S505にて特定入賞口400を閉鎖し、本電動役物処理を終了する。一方、必要入賞数が入賞していないと判断された場合(S504:NO)、S505の処理を実行せず、本電動役物処理を終了する。
S502で否定判断された場合に移行する図35のS506では、残存球処理時間が経過したか否かを判断する。残存球処理時間とは、特定入賞口400に入賞し停留部に停留された遊技球が、停留解除状態となった後、所定通路から排出されるまでの時間である。ここで残存球処理時間が経過したと判断された場合(S506:YES)、図36中のS510へ移行する。一方、残存球処理時間が経過していないと判断された場合(S506:NO)、S507へ移行する。
S507では、停留球の解除タイミングか否かを判断する。ここで停留球の解除タイミングであると判断された場合(S507:YES)、S508にて停留球を解除し、S509にて特別装置作動領域407の通過情報を記憶して、本電動役物処理を終了する。停留球の解除は、停留ソレノイド411(図8参照)を通電状態とすることによってなされる。また、特別装置作動領域407の通過は、特別装置作動領域スイッチ408にて検知される。
図35のS506で肯定判断された場合に移行する図36のS510では、電動役物の作動を停止する。この処理は、入賞口ソレノイド421を非通電状態にするものであり、電動役物402を閉状態にするものである。
続くS511では、特別装置32が作動中であるか否かを判断する。ここで特別装置32が作動中であると判断された場合(S511:YES)、以降の処理を実行せず、本電動役物処理を終了する。一方、特別装置32が作動中でないと判断された場合(S511:NO)、S512へ移行する。
S512では、特別装置作動領域407を遊技球が通過したか否かを判断する。この判断は、上述した図35中のS509において記憶される通過情報に基づいてなされる。ここで特別装置作動領域407を遊技球が通過したと判断された場合(S512:YES)、本電動役物処理を終了する。一方、通過していないと判断された場合(S512:NO)、S513へ移行する。
S513では、特定図柄による当たりか否かを判断する。ここで特定図柄による当たりであると判断された場合(S513:YES)、S515にて確変状態への移行を行い、本電動役物処理を終了する。一方、特定図柄による当たりでないと判断された場合(S513:NO)、S514へ移行する。
S514では、確変状態であるか否かを判断する。ここで確変状態であると判断された場合(S514:YES)、S516にて確変状態を解除して通常状態への移行を行い、本電動役物処理を終了する。一方、確変状態でないと判断された場合(S514:NO)、S516の処理を実行せず、本電動役物処理を終了する。
次に、図29におけるS207の特別遊技処理を図37〜図39のフローチャートを参照して説明する。
まず最初のS1301において、特別装置32が作動中か否かを判断する。ここで特別装置32が作動中であると判断された場合(S1301:YES)、S1302へ移行する。一方、作動中でないと判断された場合(S1301:NO)、図38のS1307へ移行する。
S1302では、特別装置作動領域407を遊技球が通過したか否かを判断する。この判断は、上述した図35中のS509において記憶される通過情報に基づいてなされる。ここで特別装置作動領域407を遊技球が通過したと判断された場合(S1302:YES)、S1303へ移行する。一方、通過していないと判断された場合(S1302:NO)、図38のS1311へ移行する。
S1303では、特別装置32の作動を停止する。続くS1304では、大開放ユニット462の大開放口471が閉状態か否かを判断する。ここで大開放口471が閉状態であると判断された場合(S1304:YES)、S1305へ移行する。一方、大開放口471が閉状態でないと判断された場合(S1304:NO)、本特別遊技処理を終了する。
S1305では、特定図柄による特別装置32の作動か否かを判断する。ここで特定図柄による特別装置32の作動である場合(S1305:YES)、S1306にて確変状態への移行を行い、本特別遊技処理を終了する。一方、特定図柄による特別装置32の作動でない場合(S1305:NO)、S1306の処理を実行せず、本特別遊技処理を終了する。
S1301にて否定判断された場合に移行する図38のS1307では、特別装置作動領域407を遊技球が通過したか否かを判断する。この判断は、上述した図35中のS509において記憶される通過情報に基づいてなされる。ここで特別装置作動領域407を遊技球が通過したと判断された場合(S1307:YES)、S1308にて特別装置32を作動させ、S1309へ移行する。一方、通過していないと判断された場合(S1307:NO)、図39のS1315へ移行する。
S1309では、確変状態にあるか否かを判断する。ここで確変状態にあると判断された場合(S1309:YES)、S1310にて確変状態を解除し、S1311へ移行する。一方、確変状態にないと判断された場合(S1309:NO)、S1310の処理を実行せず、S1311へ移行する。
図37のS1302で否定判断された場合に、S1309で否定判断された場合に、又は、S1310から移行するS1311では、始動入賞ユニット461の特別始動口465へ遊技球が入賞したか否かを判断する。ここで特別始動口465へ遊技球が入賞したと判断された場合(S1311:YES)、S1312にて大開放口ユニット462の大開放口471を開状態とし、S1313へ移行する。一方、入賞していないと判断された場合(S1311:NO)、図39中のS1315へ移行する。
S1313では、特別始動口465へ規定数の遊技球が入賞したか否かを判断する。ここで規定数の遊技球が入賞したと判断された場合(S1313:YES)、S1314にて特別装置32の作動を停止し、図39のS1315へ移行する。一方、規定数の遊技球が入賞していないと判断された場合(S1313:NO)、S1314の処理を実行せず、図39のS1315へ移行する。
図38のS1307、S1311、S1313で否定判断された場合に、又はS1314から移行するS1315では、大開放口471が閉状態か否かを判断する。ここで大開放口471が閉状態であると判断された場合(S1315:YES)、本特別遊技処理を終了する。一方、閉状態でないと判断された場合(S1315:NO)、すなわち開状態である場合には、S1316へ移行する。
S1316では、大開放口471の開放時間が経過したか否かを判断する。本実施形態では大開放口471の一回の開放時間は5秒となっている。ここで開放時間が経過したと判断された場合(S1316:YES)、S1317の処理を実行せず、S1318へ移行する。一方、開放時間が経過していないと判断された場合(S1316:NO)、S1317へ移行する。
S1317では、大開放口471へ規定数の遊技球が入賞したか否かを判断する。ここで規定数の遊技球が入賞したと判断された場合(S1317:YES)、S1318へ移行する。一方、入賞していないと判断された場合(S1317:NO)、本特別遊技処理を終了する。
S1318では、大開放口471を閉状態とする。この処理は、大開放口ソレノイド226を非通電状態とし、大開放口462に対応する電動役物472を閉状態とするものである。続くS1319では、特別装置32が作動中であるか否かを判断する。ここで特別装置32が作動中であると判断された場合(S1319:YES)、本特別遊技処理を終了する。一方、特別装置32が作動中でないと判断された場合(S1319:NO)、S1320へ移行する。
S1320では、特別装置32の作動が特定図柄によるものか否かを判断する。ここで特定図柄によるものであると判断された場合(S1320:YES)、S1321にて確変状態への移行を行い、その後、本特別遊技処理を終了する。一方、特定図柄によるものでないと判断された場合(S1320:NO)、S1321の処理を実行せず、本特別遊技処理を終了する。
以上、普通図柄変動処理、電動役物処理、および特別遊技処理の詳細を説明したが、このような処理に並行して、次に示すような処理を実行することを特徴とする。すなわち、本実施形態では、図32のS414において電動役物402が作動し、特定入賞口400が開放されてから、図34のS505にて特定入賞口400が閉鎖され、図36のS510にて電動役物402の作動が停止されるまでの処理(「開放処理」)に並行して、特別装置32の停留部における遊技球の停留状態を表示する。
この停留状態の表示は、主制御装置261からのコマンドによって表示制御装置45が停留状態表示装置38を介して行う。具体的には、特定入賞口400が開放された後、所定の割り込み処理が実行されることでなされる。
この割り込み処理では、まずカウントスイッチ403によりカウントされる遊技球の入賞数に合わせた表示を行う。つまり、停留部における遊技球の停留数に対応させて停留状態を教示するのである。例えば一例として、図47に示すように、3匹のモンスターを表示する(図47(a)参照)。そして、カウントスイッチ403によるカウント数が1となったとき、すなわち遊技球の停留数が1となった場合、モンスターの1匹が倒れていく様子を表示し(図47(b)参照)、遊技球の停留数が2となった場合、さらに1匹のモンスターが倒れていく様子を表示し(図47(c)参照)、さらに、遊技球の停留数が3となった場合、最後の1匹のモンスターが倒れていく様子を表示する(図47(d)参照)という具合である。なお、最後のモンスターが倒れた後は、「みごと成功」などの文字を表示してもよい。ここで最終的にすべてのモンスターが倒れる様子を表示することは、必要停留数(本実施形態では3個)に関する情報を表示することに相当する。
また、この割り込み処理では、特定入賞口400の開放処理の時間に関する情報を表示する。具体的には、図48に示すように、上述したモンスターの表示に際し、例えば特定入賞口400の開放直後には遠い位置に表示し(図48(a)参照)、2秒経過した段階で、遊技者側へ近づいてきた様子を表示し(図48(b)参照)、開放処理の終了時には、さらに遊技者側へ近づいてきた様子を表示するという具合である(図48(c)参照)。つまり、開放処理の終了が近づくことをモンスターの接近によって遊技者に教示するのである。上述したように3個目の遊技球が特定入賞口400へ入球することなく図48(c)に示すような表示がなされた場合、特別遊技状態への移行のための状態は不発生、いわゆる「パンク」となる。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図43は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、S901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、S902では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、S904で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、S905では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、S907ではRAM判定値を算出し、続くS908では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(S915等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(S915等)に移行する。つまり、S915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、S917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、S918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、S909では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、S910では、電源断の発生情報をクリアする。また、S911では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、S912では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、S913,S914では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
次に、払出制御処理の流れについて、図44のフローチャートを参照しながら、説明する。
図44において、S1001では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。S1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、S1003では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、S1004では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、S1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、S1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
S1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記S1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1007,S1008が共にNO)、S1009に進み、賞球制御処理(後述する図45)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(S1007、S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、S1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1010がNO、S1011がYES)、S1012に進み、貸球制御処理(後述する図46)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(S1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
S1013では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図45に示す賞球制御処理において、S1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、S1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図44の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、S1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、S1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図44の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、S1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、S1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図44の払出制御処理に戻る。
また、図46に示す貸球制御処理において、S1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、S1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図44の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、S1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、S1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図44の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、S1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、S1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図44の払出制御処理に戻る。
なお、本実施形態における主制御装置261が「状態発生手段」、「特別遊技状態発生手段」および「抽選手段」に相当し、主制御装置261および、表示制御装置45、停留状態表示装置38が「教示手段」に相当する。このうち停留状態表示装置38は、教示手段の備える「停留状態表示手段」に相当する。
また、普通図柄作動口33が「始動入球手段」に相当し、特定入賞口400が「可変入球手段」に相当する。そして、特定入賞口400の特別装置作動領域407が「特定入球手段」に相当し、カウントスイッチ403が「停留球検出手段」に相当する。
さらにまた、始動口ユニット461の特別入賞口465が「特別遊技始動入球手段」に相当し、大開放口ユニット462の大開放口471が「特別遊技可変入球手段」に相当し、普通図柄表示装置42が「表示手段」に相当する。
以上詳述したように、本実施形態では、図32のS414において特別装置32の電動役物402を作動させ、特定入賞口400が開放されてから、図34のS505にて特定入賞口400を閉鎖し、図36のS510にて電動役物402の作動を停止するまでの処理(「開放処理」)において、特別装置32の停留部としての球受け部404a,404bにおける遊技球の停留状態を表示する。
具体的には、特別装置32のカウントスイッチ403(図8参照)によりカウントされる遊技球の入賞数に合わせた表示を行う。例えば、図47に示すように3匹のモンスターを表示し(図47(a)参照)、カウントスイッチ403によるカウント数に合わせてモンスターが倒れていく様子を表示する。すなわち遊技球の停留数が1となった場合、モンスターの1匹が倒れていく様子を表示し(図47(b)参照)、遊技球の停留数が2となった場合、さらに1匹のモンスターが倒れていく様子を表示し(図47(c)参照)、さらに、遊技球の停留数が3となった場合、最後の1匹のモンスターが倒れていく様子を表示する(図47(d)参照)。
これによって、遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなる。遊技球の停留数に合わせてモンスターが倒れていく様子を表示すれば、現在いくつの遊技球が停留されているのかが分かり、さらに最後のモンスターが倒れていく様子を表示すれば、状態発生のために必要な停留数である必要停留数となったか否かが分かる。すなわち、停留状態による状態発生の確定/不確定などが分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、特別装置32の右側方に停留状態表示装置38を備えており、この停留状態表示装置38を介して停留状態が表示される。これによって、遊技者の視覚を通じて停留状態が教示されるため、停留部における遊技球の停留状態が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態では、特定入賞口400の開放処理の時間に関する情報を表示する。具体的には、図48に示すように、上述したモンスターの表示に際し、例えば特定入賞口400の開放直後には遠い位置に表示し(図48(a)参照)、2秒経過した段階で、遊技者側へ近づいてきた様子を表示し(図48(b)参照)、開放処理の終了時には、さらに遊技者側へ近づいてきた様子を表示するという具合である(図48(c)参照)。つまり、開放処理の終了が近づくことをモンスターの接近によって遊技者に教示するのである。これによって、特定入賞口400が開状態となってから閉状態となるまでの遊技の進行が遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上記実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り種々の実施の形態を採用することができる。
(a)例えば、上記実施形態では、停留状態表示装置38を介し、遊技者の視覚を通じて停留状態を教示するものであった。これに対し、同様に視覚を通じて教示する場合、ランプや発光ダイオード(LED)などを用いてもよい。また、音声などにより聴覚を通じて教示するものとしてもよい。
(b)上記実施形態では、カウントスイッチ403を用い特定入賞口400への遊技球の入賞数をカウントし、このカウント数に合わせた表示を行っていた。これに対し、停留部における停留位置まで検出する構成とし、検出された停留位置に合わせた表示を行うようにしてもよい。具体的には、球受け部404a,404bにそれぞれ遊技球の停留の有無を検知可能なセンサを設け、停留位置の情報をも表示する。例えば、遊技者側から見て左側の球受け部404aに遊技球が停留した場合、図47に示した3匹のモンスターのうち、向かって左側のモンスターが倒れる様子を表示し(図47(b)参照)、一方、遊技者側から見て右側の球受け部404bに遊技球が停留した場合、向かって右側のモンスターが倒れる様子を表示する(図47(c)参照)という具合である。このようにすれば、センサ(スイッチ)の数が幾分増えることにはなるが、遊技球の停留位置が分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
(c)上記実施形態では、普通図柄表示装置42とは別に停留状態表示装置38を設けるようにしていた。これに対し、普通図柄表示装置42が上述した停留状態表示装置38における表示内容までを表示できる構成としてもよい。この場合、普通図柄表示装置42が「停留状態表示手段」に相当することになる。
(d)上記実施形態では、普通図柄表示装置42により普通図柄の変動表示がなされ、ここで特定の図柄で停止表示された場合に当たりとなって、特定入賞口400が開放される。そして特定入賞口400へ少なくとも3個の遊技球が入賞すると、そのうちの1個が特別装置作動領域407を通過し、これによって、特別遊技状態への移行のための状態が発生する。その後、始動口ユニット461の特別入賞口465への遊技球の入賞があると、大開放口ユニット462の大開放口471が開放される特別遊技状態となる。
これに対し、普通図柄表示装置42を備えないようなパチンコ機として構成することが考えられる。具体的には、特定入賞口400の特別装置作動領域407を通過することによって特別遊技状態への移行のための状態が発生するようなパチンコ機であれば同様に適用することができる。
(e)また、普通図柄表示装置42と同様に識別情報としての特別図柄を変動表示可能な特別図柄表示装置を備え、特別図柄表示装置で確定表示される特別図柄が特定の図柄の組み合わせとなった場合に大入賞口を開放するタイプのパチンコ機に本発明を適用してもよい。具体的には、特別装置作動領域407に対応する特定領域がシャッタなどで開閉可能とされた大入賞口に設けられており、大入賞口の開放処理において特定領域への遊技球の入球があると、当該開放処理の終了後に次の開放処理を継続して実行するような遊技機であることが考えられる。このような遊技機においても、大入賞口などに停留部を設けて遊技球の停留状態を教示するようにすれば、開放処理の継続/不継続などが遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、普通図柄作動口33と同様の始動口と、この始動口へ遊技球が入球することを契機として開状態となる可変入賞口とを備えた遊技機に本発明を適用してもよい。具体的には、特別装置作動領域407に対応する特定領域が可変入賞口の中に設けられており、可変入賞口の開放処理において特定領域への遊技球の入球があると、当該開放処理を終了して即座に次の開放処理を実行するような遊技機であることが考えられる。このような遊技機においても、可変入賞口に対応させて停留部を設け遊技球の停留状態を教示するようにすれば、開放処理の継続/不継続などが遊技者にとって分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。