JP5286252B2 - ボールジョイント - Google Patents

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Description

本発明は、リンク機構を構成するボールジョイントに係り、詳細には、揺動及び回転運動自在に係合したホルダとボールシャンクとの摺接面に対して外部から水分や粉塵等が侵入するのを防止するための改良に関する。
一般的に、この種のボールジョイントとしては、ボール部を有するボールシャンクと、このボールシャンクのボール部を包持して該ボールシャンクと相対的に揺動あるいは回転運動自在に連結するホルダとを備えたものが知られている。前記ホルダはボールシャンクに対して荷重が作用した場合であっても、かかる荷重に抗してボール部を離脱不能に包持するものでなくてはならない。このため、ボールジョイントにおいては、如何なる構造を用いて前記ボール部をホルダの内部に封じ込め、且つ、ボールシャンクとホルダとの自由な揺動及び回転運動を確保するかが課題となる。
従来から採用されているボールジョイントの構造の一つとしては、ボール部の直径よりも大きな内径を有する金属製ホルダを準備し、摺動特性の良好な樹脂シートによって包まれたボールシャンクのボール部をこのボール受け部内に圧入したものが知られている(特開2002−139022)。前記ホルダは相反する方向に第1及び第2の開口部が形成されており、第1の開口部からはボールシャンクの軸部を突出させ、ボール部をホルダ内に係止することができるようになっている。ボールシャンクのボール部はこれを包み込む樹脂シートと共にホルダ内に押し込まれ、かかるホルダ内において樹脂シートと隙間なく密着するようになっている。すなわち、このボールジョイントでは、前記樹脂シートがボールシャンクのボール部とホルダとの間で押し潰されて弾性変形を生じ、これによってボール部と樹脂シートとの隙間が排除され、かかるボール部をホルダ内でガタつきなく回転させることが可能となっている。
この構造のボールジョイントでは、前記ボール部と樹脂シートをホルダのボール受け部内に係止するため、前記ホルダに形成された第2の開口部を閉塞部材によって閉塞している。この閉塞部材はホルダの第2の開口部に適合し、第2の開口部の周縁に対してカシメ加工を施すことによって前記ホルダに固定されている。このとき、前記閉塞部材はホルダ内に対して外部から水分や塵芥が侵入するのを防止する機能を担っている。
一方、その他のボールジョイントの構造としては、ボール部を中子としてホルダを鋳造することにより、かかるボール部をホルダのボール受け部内に直接封じ込めた構造が知られている(特開2001−12450、特開2004−316771等)。このボールジョイントでは、ボールシャンクのボール部となる鋼球を金型内にセットした後、かかる鋼球を中子として亜鉛合金又はアルミニウム合金からホルダをダイカスト鋳造しており、鋳造されたホルダが前記鋼球を離脱不能に包持するようになっている。そして、ホルダの鋳造後、前記鋼球に対して軸部を溶接することでボールシャンクが完成するようになっている。
この構造のボールジョイントでは、ホルダを鋳造する際に中子となる鋼球を金型内で固定することが必要となり、鋳造されたホルダには、相反する方向に第1及び第2の開口部が形成されてしまう。第1の開口部はホルダに包持された鋼球に対してボールシャンクの軸部を接合するための窓として利用され、この第1の開口部の範囲内でボールシャンクがホルダに対して揺動することが可能となる。一方、第2の開口部はボールシャンクのボール部とホルダとの摺接面に対して潤滑剤を供給するための潤滑剤ポケットとして利用され、かかる第2の開口部に適合する閉塞部材によって閉塞されている。この閉塞部材はホルダの開口部の周縁に対してカシメ加工を施すことによって前記ホルダに固定されている。すなわち、この閉塞部材もホルダ内に対して外部から水分や塵芥が侵入するのを防止する機能を担うと共に、ホルダ内の潤滑剤が外部へ漏出するのを防止する機能を担っている。
特開2002−139022 特開2001−12450 特開2004−316771
このように、従来のボールジョイントのホルダは、ボールシャンクの軸部が突出する第1の開口部と、この第1の開口部と相反する方向に開設された第2の開口部とを有しており、第2の開口部は閉塞部材によって閉塞されている。前述の通り、かかる閉塞部材はホルダ内に対して外部から水分や塵芥が侵入するのを防止する機能を担うと共に、ホルダ内の潤滑剤が外部へ漏出するのを防止する機能を担っているので、これらホルダと閉塞部材との間に高い密封性が要求される。仮にこれらの間の密封性が低い場合には、例えばボールジョイントに対して泥水等が降り注いだ際に、水分がホルダ内に侵入してしまい、ボール部の球面に対して早期に腐食が生じ、ホルダに対するボールシャンクの滑らかな揺動又は回転運動が損なわれてしまう。また、ホルダ内の潤滑剤が漏出してしまった場合にも同様な不具合が生じてしまう。
前述した従来のボールジョイントでは閉塞部材として単一材質の金属プレートを使用しているが、この閉塞部材とホルダとの間の密封性を高めるためには、カシメ加工時におけるカシメ荷重を増加させ、またはカシメ荷重の印加時間を長く設定し、ホルダと閉塞部材との密着度を高めるといった方策が必要であった。しかし、カシメ荷重を増加させると、その分だけホルダの変形量が大きくなり、かかるホルダに対して不必要な歪みが生じてしまう懸念がある。また、カシメ荷重の印加時間を長く設定したのでは、生産性が低下してしまい、生産コストの上昇を避けることができなかった。
また、前記閉塞部材としてはそれ自身の耐食性を考慮して例えばアルミニウム合金が使用されているが、外力が作用した場合に容易に変形してしまうと、かかる閉塞部材とホルダとの密着性が低下し、両者の間の密封性が損なわれ易い他、閉塞部材そのものがホルダから離間してしまう懸念もある。すなわち、このような観点からすれば、閉塞部材としては変形し難い材料が適していると考えられる。このため、従来の閉塞部材としては、アルミニウム合金の中でも硬い材料が選定されているが、閉塞部材として硬い材料を使用すると、その分だけホルダと閉塞部材との密着性は低下してしまい、やはり両者の間の密封性が悪化してしまう。
前述の特開2002−139022では、閉塞部材の周縁の形状及びホルダの第2の開口部の周縁の形状を改良し、カシメ加工後の閉塞部材とホルダとの密着性を高める方策を採用しているが、閉塞部材及びホルダに特別な加工が必要となり、その分だけ製造コストが上昇してしまう。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ホルダの第2の開口部に対して閉塞部材をカシメ加工によって装着するにあたり、カシメ荷重及びその印加時間を増強することなくホルダと閉塞部材との密着性を高めて、外部からホルダの内部に対して水分が侵入するのを確実に防止することが可能であると共に、かかる閉塞部材が変形に伴ってホルダから離間する不具合を防止することが可能であり、しかも低コストで製造可能なボールジョイントを提供することにある。
すなわち、本発明のボールジョイントは、軸部の一端にボール部が設けられたボールシャンクと、相反する方向に第1及び第2の開口部が形成されると共に前記ボール部を離脱不能に包持し、前記第1の開口部からボールシャンクの軸部が突出したホルダと、前記ボールシャンクの軸部とホルダとの間に装着され、前記ホルダの第1の開口部を密封するブーツシールと、前記ホルダの第2の開口部に適合し、かかる第2の開口部の周縁に対してカシメ加工を施すことによって当該第2の開口部を密封する閉塞部材とから構成されており、前記閉塞部材は、ベースプレートと、このベースプレートを被覆して前記ホルダの第2の開口部に接すると共に前記ベースプレートよりも硬度の低い材料から形成されたシール層とを含んでいる。
このような技術的手段によれば、閉塞部材をホルダの第2の開口部に対して適合させた後、この第2の開口部の周縁に対してカシメ加工を施してホルダの一部を変形させ、前記閉塞部材をホルダに対して固定すると、かかる閉塞部材のシール層がホルダと密着する。
閉塞部材はベースプレートとこれを被覆すると共に前記ベースプレートよりも硬度の低いシール層の2層を含んでいるので、前者のベースプレートとしては閉塞部材の離間の防止を考慮して変形しにくい硬度の高い材料を、後者のシール層としては閉塞部材とホルダとの密着性を考慮して硬度の低い材料を選択することができる。このため、ホルダと閉塞部材との間における密封性の向上、閉塞部材の離間防止という2つの相反する要求を高次元で両立することが可能となる。
また、閉塞部材とホルダとの密着性を容易に高められることから、カシメ荷重の軽減、その印加時間の短縮を図ることが可能となり、ホルダの歪みを排除しつつ、ボールジョイントの生産性の向上を図ることが可能となる。
更に、本発明の閉塞部材は単なる板状に形成されていても、前述の如くホルダとの密着性を高めることができるので、かかる閉塞部材を複雑な形状に加工する必要はなく、前述の作用効果を発揮するボールジョイントを低コストで実現することが可能となる。
本発明を適用したボールジョイントの実施形態を示すものである。 ホルダの第2の開口部に対する閉塞部材の装着状態を示す拡大断面図である。 閉塞部材の構造を示す拡大断面図である。 シール層をホルダの内側に向けた状態で閉塞部材を第2の開口部に適合させる様子を示す模式図である。 図4aに示す状態からカシメ工具を用いて閉塞部材を第2の開口部に固定する様子を示す模式図である。 図4bに示すカシメ加工が完了した状態を示す模式図である。 シール層をホルダの外側に向けた状態で閉塞部材を第2の開口部に適合させる様子を示す模式図である。 図5aに示す状態からカシメ工具を用いて閉塞部材を第2の開口部に固定する様子を示す模式図である。 図5bに示すカシメ加工が完了した状態を示す模式図である。
以下、添付図面に沿って本発明のボールジョイントを詳細に説明する。
図1は本発明を適用したボールジョイントの実施形態を示すものである。このボールジョイントBJは、一端にボール部を備えたボールシャンク1と、このボールシャンク1のボール部10を包持するボール受け部20を備えたホルダ2と、これらホルダ2とボールシャンク1との間に装着されるブーツシール3と、ホルダ2に潤滑剤ポケットを形成する閉塞部材4とから構成され、前記ボール部10がボール受け部20に対して自在に摺接することで、前記ボールシャンク1及びホルダ2が揺動又は回転運動自在に連結している。
前記ボールシャンク1はボール部10となる真球度の高いベアリング用鋼球に対して棒状の軸部11を溶接して形成されており、この軸部11の根元にはサスペンションアーム等のリンクを固定するためのフランジ部12が形成されている。また、この軸部11のボール部10と反対側の端部には雄ねじ13が形成されており、この雄ねじ13にナットを螺合させることで、前記リンクを前記フランジ部12とナットとの間で挟持し、ボールシャンク1に固定できるようになっている。
一方、前記ホルダ2は、ボールシャンク1のボール部10を包持するボール受け部20と、かかるボール受け部20をリンクに結合するための固定部21とを備え、これらボール受け部20と固定部21とがアルミニウム合金又は亜鉛合金のダイカスト鋳造により一体に成形されている。このホルダ2のダイカスト鋳造においては、ボール部10となるベアリング用鋼球を金型内に中子としてインサートし、この状態でホルダ2の鋳造を行う。これにより、鋳造されたホルダ2のボール受け部20はボール部10の最大直径部を抱え込み、ボール部10がボール受け部20から離脱するのを防止している。また、ボール受け部20にはベアリング用鋼球の球面を転写した凹球面状の摺接面24が形成されるが、鋳造後はボール部10とボール受け部20とが隙間なく密着している。
ダイカスト鋳造時には型内にインサートされたボール部10としての鋼球を上下からピンで抑え込んでいるので、鋳造されたホルダ2には相反する方向に向かってボール部10を露出させる第1の開口部22及び第2の開口部23が形成されている。ボールシャンク1の軸部11は第1の開口部22を介してボール受け部20内に包持されたボール部10と接合されている。この接合にはプロジェクション溶接が用いられる。
前記軸部11をボール部10に溶接することでボールシャンク1が完成するが、この状態ではホルダ2とボール部10とが密着しており、ボールシャンク1をホルダ2に対して自在に揺動させることはできない。このため、ボールシャンク1が完成した後、ボール部10の球面とホルダ2の摺接面24との間に僅かな隙間を形成することが必要となる。この隙間形成は、かかるボールシャンク1に対して軸方向へ外力を加えることにより行われる。これにより、前記摺接面24がボール部10によって圧延され、ボール部10とホルダ2の摺接面24との間に僅かな隙間が形成される。その結果、ボールシャンク1がホルダ2に対してガタつきのない高精度の揺動又は回転運動をなし得るようになっている。
このボールジョイントBJでは鋼球からなるボール部10とホルダ2の摺接面24が直接接触していることから、かかる摺接面24を流体潤滑する必要がある。前記第1の開口部22はボール受け部20の摺接面24に対する潤滑剤の供給窓としても機能している。すなわち、ホルダ2のボール受け部20の周縁とボールシャンク1の軸部11との間には前記ブーツシール3が取り付けられ、ボール部10の球面とボール受け部20の摺接面24との間に第1の開口部22から塵芥が侵入するのを防止すると共に、かかる第1の開口部22に露出したボール部10の球面に面して潤滑剤の第1保持ポケット30を形成している。このブーツシール3はゴム等の弾性材料から成形されており、ホルダ2に対するボールシャンク1の自在な揺動運動を阻害しないよう、かかるボールシャンク1に追従して自在に変形し得るようになっている。
一方、前記第2の開口部23には閉塞部材4が固定され、かかる第2の開口部23に露出したボール部10の球面に面して潤滑剤の第2保持ポケット34を形成している。これにより、ボール部10の球面とホルダ2の摺接面24との間に潤滑剤を供給することが可能となっている。図2に示すように、前記閉塞部材4は円板状に打ち抜かれると共に絞り加工がなされており、ボール部10に面した側には合成樹脂製の規制パッド5が接着されている。前記閉塞部材4をホルダ2に固定した状態で、前記規制パッド5は第2の開口部23内に位置してボールシャンク1のボール部10に圧接している。この規制パッド5はホルダ2に対するボールシャンク1の揺動又は回転運動に対して圧接力に応じた抵抗力を与えており、所定以上の回転トルクがボールシャンク1に作用した場合にのみ該ボールシャンク1がホルダ2に対して揺動するよう、ボールシャンク1の動きを規制している。
この閉塞部材4はカシメ加工によって前記第2の開口部23の周縁に固定されている。図2に示すように、ホルダ2の第2の開口部23の周縁には環状段部25が形成されており、前記閉塞部材4は環状段部25に係止されて第2の開口部23内で位置決めされている。カシメ加工は前記環状段部25の外側の位置でホルダ2に対してカシメ荷重Fを作用させて行う。これにより、環状段部25を取り囲む第2の開口部23の周壁がカシメ荷重を受けて変形し、それによって閉塞部材4が環状段部25に押さえ付けられるようにしてホルダ2に固定される。
前記閉塞部材4は前記第2保持ポケット34の内部に潤滑剤を保持する機能も発揮するが、同時に第2保持ポケット34に対して外部から水分が侵入するのを防止する機能も発揮している。すなわち、閉塞部材4の周縁部がホルダ2の環状段部25に圧接し、前記第2保持ポケットを外部から密封している。従って、これら環状段部25と閉塞部材4との間の密封性が不良であると、第2保持ポケット34に保持している潤滑剤が外部へ流出してしまい、あるいは泥水などがホルダ2に降り注いだ際に、水分が外部から第2保持ポケット34に侵入してしまうおそれがある。加えて、ボールシャンク1に対して図1の紙面下方向への軸方向荷重が作用すると、かかる軸方向荷重が前記規制パッド5を介して閉塞部材4に作用するので、作用する荷重の大きさによっては閉塞部材4が変形を伴って第2の開口部23から抜け落ちてしまう懸念がある。
このことから、本実施形態のボールジョイントBJでは、前記閉塞部材4として2層構造の板材が使用されている。図3に示すように、この閉塞部材4は、ベースプレート40と、このベースプレート40の片側に一様に設けられたシール層41とからなり、これらベースプレート40とシール層41とが分離することなく一体に接合されている。
前記ベースプレート40は閉塞部材4の強度を担う部材であり、例えば、鋼やアルミニウム合金を選択することができる。但し、閉塞部材4はカシメ加工によってホルダ2に固定されることから、前記ベースプレート40はホルダ2の材質よりも硬い材質、すなわち硬度の高い材質であることが好ましい。従って、ホルダ2の材質がアルミニウム合金である場合、ベースプレート40をアルミニウム合金とするのであれば、ホルダ2よりも硬いアルミニウム合金を選択することが望ましい。
一方、前記シール層41としては、ベースプレート40よりも硬度の低い材料であれば良く、例えば、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂を選択することができる。シール層41に使用する合成樹脂の例としては、超高分子ポリエチレン(UPE)を挙げることができる。また、ベースプレート40よりも硬度の低い金属材料も選択することができ、例えばベースプレート40が鋼板であれば、前記シール層41としてはアルミニウム合金を使用することができる。更に、ホルダと閉塞部材との間のより確実なシール性を考慮した場合、前記シール層としては、ホルダの材質よりも硬度の低い材質であることが好ましい。
前記閉塞部材4の実施例1は、鋼とアルミニウム合金を重ねて接合した2層構造の板状クラッド材であり、前記ベースプレート40は鋼、シール層41はアルミニウム合金である。
また、閉塞部材4の実施例2は、アルミニウム合金板の一面を合成ゴムで被覆した板状コート材であり、その場合、前記ベースプレート40はアルミニウム合金、シール層41は合成ゴムである。
また、前記ベースプレート40として鋼等の腐蝕を生じやすい材質を選択する場合には、前記シール層41と反対側の面に対して耐蝕層を設けるのが好ましい。すなわち、閉塞部材4は2層構造の板材に限定されない。この耐蝕層の材質は耐蝕性を考慮して自由に選択することができるが、シール層41と耐蝕層が異なる材質だと製造コストが嵩むので、閉塞部材4を安価に入手するといった観点からは、シール層41と同一の材質を耐蝕層として選択するのが好ましい。例えば、鋼の板材の表裏両面にアルミニウム合金層を接合したクラッド材や、アルミニウム合金の板材の表裏両面に合成ゴム層を塗布したコート材等がこれに相当する。
各実施例ともに板状クラッド材、板状コート材をポンチで打ち抜いて前記閉塞部材4を製作することができ、ホルダ2の第2の開口部23の内径に応じたサイズの閉塞部材5を低コストで簡便に製作することができる。
図4a〜図4cは、前記閉塞部材4をホルダ2の第2の開口部23に固定する際の手順を示す模式図である。尚、この図4a〜図4cは閉塞部材4に接着されている前記樹脂パッド5を省略して描いてある。図4aに示されるように、ホルダ2の第2の開口部23の周縁には前記閉塞部材4を係止するための環状段部25が形成されている。閉塞部材4はシール層41を前記環状段部25に突き当てるようにして第2の開口部23に嵌合する。閉塞部材4を第2の開口部23に嵌合させた後、図4bに示すように、リング状のカシメ工具6を環状段部25の外側でホルダ2に当接させ、カシメ荷重Fを加えて環状段部25を囲む周壁を塑性変形させる。これにより、図4cに示すように、環状段部25を囲む周壁が閉塞部材4のベースプレート40の周縁に被さるようにして変形し、閉塞部材4は前記環状段部25に押し付けられた状態でホルダ2に固定される。
2層構造を有する閉塞部材4をこのようにして第2の開口部23に固定すると、シール層41が前記環状段部25と接してこれらの間を密封するので、例えばベースプレート40を環状段部25に対して直接押し当てるよりも、閉塞部材4とホルダ2との密封性を高めることが可能となる。
Figure 0005286252
表1は、実際にカシメ加工を用いて前記実施例1及び実施例2の閉塞部材4をホルダ2の第2の開口部23に固定し、第2の開口部23の中に保持した潤滑剤が閉塞部材4の周囲から漏出するか否かを観察した結果を示すものである。このときのカシメ加工は、カシメ荷重0.25MPa、カシメ荷重の印加時間を1秒として行った。また、比較例として、アルミニウム合金のみからなる閉塞部材を同一のカシメ加工条件でホルダ2の第2の開口部23に固定し、潤滑剤の漏出の有無を確認した。更に、各実施例及び比較例において、閉塞部材4を第2の開口部23の内側から強制的に押圧した場合の耐荷重、すなわち閉塞部材4の抜け強度についても計測した。
表1の通り、上述の条件に関しては、アルミニウム合金のみの閉塞部材を固定した比較例では潤滑剤の漏出が認められたが、クラッド材又はコート材を用いた各実施例では潤滑剤の漏出は発生しなかった。このことは、前記第2保持ポケットに対して外部から水分等の侵入がなかったことを意味する。また、閉塞部材4の抜け強度についても、各実施例の閉塞部材4は比較例のものに比べて大幅に改善されていた。
尚、比較例の閉塞部材、すなわちアルミニウム合金のみからなる従来の閉塞部材であっても、カシメ荷重0.25MPa、カシメ荷重の印加時間を3秒以上に設定すれば、第2の開口部23に固定した閉塞部材の周囲から潤滑剤が漏出することはなかった。
従って、以上の実験結果からすれば、ベースプレート40とその表面に固着されたシール層41との2層構造からなる閉塞部材4を用いれば、この閉塞部材4をホルダ2に固定するためのカシメ加工においてカシメ荷重の印加時間の短縮化を図りつつも、閉塞部材4とホルダ2との間の密閉性を維持可能なことが明らかとなった。
すなわち、本発明によれば、ホルダ2の第2の開口部23に対して閉塞部材4をカシメ固定する工程に関し、かかる工程に要する時間の短縮化を図りつつも、ホルダ2に対する水分の侵入、外部に対する潤滑剤の漏出を確実に防止することができ、ボールジョイントの生産性を高めることができるものである。また、本発明に用いる2層構造の閉塞部材4には、市販の板状クラッド材や板状コート材を使用することができ、かかる閉塞部材4のホルダ2に対する固定方法は従来と異なるところがないので、簡便に且つ低コストで実施することが可能となるものであり、既存のボールジョイントを本発明のボールジョイントに置き換えることも容易である。
また、閉塞部材4を被覆するシール層41がホルダ2に接してシール領域を形成することから、閉塞部材4のベースプレート40には、閉塞部材4とホルダ2との間の密封性を懸念することなく、曲げ剛性の高い材料、すなわち硬度の高い材料を選択することができる。これにより、閉塞部材4が変形を伴って第2の開口部23から脱落してしまう事故を未然に防ぐことが可能となる。
前記表1に示された実験結果から明らかなように、ベースプレート40として鋼を用いた閉塞部材4はアルミニウム合金を用いたものよりも抜け強度が格段に改善されていた。これにより、ベースプレート40とシール層41に機能分離した本発明の閉塞部材4の有効性が明らかとなった。
また、表1に示された実験結果から把握される事実として、ベースプレート40に同じアルミニウム合金を使用した閉塞部材4であっても、シール層41として合成ゴム層を設けた場合には、シール層41を具備しない従来の閉塞部材に比べて、抜け強度が改善されていた。これは、シール層41である合成ゴム層がホルダ2と密着し、両者の間が滑り難くなることから、ホルダ2によって挟持された閉塞部材4の周縁が該ホルダ2から抜け出し難くなるためであると考えられる。すなわち、シール層41を設けて、このシール層41をホルダ2と密着させることにより、このこととシール層40の曲げ剛性の高さとが相まって、閉塞部材4の抜け強度の一層の改善が図られていることになる。
更に、図1に示すように閉塞部材4に対して段部を設けている場合、例えば板材から円板状の閉塞部材4をプレス加工によって打ち抜き、同時に当該閉塞部材4を所定形状に成形することになる。このとき、かかる閉塞部材4がベースプレート40とシール層41との二層構造を有していると、従来の一層構造の閉塞部材に比べて、プレス加工時における当該閉塞部材4の損傷が発生し難くなるといった利点もある。従って、本発明によれば、閉塞部材4の形状の設計に対する自由度が高まり、この点においても閉塞部材4の抜け強度の改善、密封性の改善を図ることが可能となる他、ホルダ2に対する組み付け作業の容易化を達成することも可能となる。
図4a〜図4cに示される固定手順では、前記閉塞部材4を第2の開口部に固定するに際し、前記シール層41をホルダ2の内側に向け、かかるシール層41が前記環状段部25と接するようにした。しかし、図5a〜図5cに示すように、前記シール層41をホルダ2の外側に向け、ベースプレート40が前記環状段部25と接するように閉塞部材をホルダ2に固定することも可能である。
このように前記シール層41をホルダ2の外側に向けた状態で閉塞部材4を当該ホルダ2に固定すると、カシメ荷重Fによるホルダ2の変形部位26がシール層41を押し潰すようにして当該シール層41に密着するので、閉塞部材4とホルダ2との間の密閉性を一層向上させることが可能となる。
実際に、閉塞部材4のシール層41をホルダ2の内側に向けて固定した場合と、ホルダ2の外側に向けて固定した場合との二通りの固定方法に関し、潤滑剤の漏出の有無を複数のサンプルについて確認したところ、カシメ荷重及びその印加時間が同じであれば、シール層41をホルダ2の外側に向けた図5a〜図5cの固定方法の方が、より確実に潤滑剤の漏出を防止できることが判明した。
また、シール層41をホルダ2の外側に向けて当該ホルダ2に固定すれば、ベースプレート40として鋼等の腐蝕を生じやすい材質を選択した場合でも、前述した耐蝕層をシール層41と別個に設ける必要がなくなり、閉塞部材4の構造を簡素化することが可能となる。
尚、ここに示した実施形態はあくまでも本発明を実施する際の一例であって、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、前記ボールシャンク1のボール部10とホルダ2のボール受け部20との間には樹脂層を介在させても良い。また、前記閉塞部材4はその形状を平板状や球面状等のように任意のものに設計変更して差し支えなく、前記規制パッド5についてはこれを省略することも可能である。更に、閉塞部材4のシール層41はホルダ2の第2の開口部23の周縁と接するものであればベースプレート40の一面を覆っている必要はなく、例えばベースプレート40の周縁に対して環状に設けられたものであっても良い。

Claims (1)

  1. 軸部の一端にボール部が設けられたボールシャンクと、
    アルミニウム合金のダイカスト鋳造によって成形され、相反する方向に第1及び第2の開口部が形成されると共に前記ボール部を離脱不能に包持し、前記第1の開口部からボールシャンクの軸部が突出したホルダと、
    前記ボールシャンクの軸部とホルダとの間に装着され、前記ホルダの第1の開口部を密封するブーツシールと、
    前記ホルダの第2の開口部に適合し、かかる第2の開口部の周縁に対してカシメ加工を施すことによって当該第2の開口部を密封する閉塞部材とから構成されるボールジョイントにおいて、
    前記閉塞部材は、前記ホルダよりも高硬度のアルミニウム合金からなるベースプレートと、このベースプレートを被覆する合成樹脂材料又はゴム材料からなるシール層とを含み、これらベースプレートとシール層とが一体に接合されたコート材を打ち抜いて製作され、
    前記閉塞部材はシール層を前記ホルダの外側に向けて前記第2の開口部に固定されていることを特徴とするボールジョイント。
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