JP5285553B2 - ガス検知装置及び火災検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス検知装置及び火災検知装置に関する。
従来、火災報知器では、光学的に煙や炎や熱を検知したり、あるいは、電気化学的に熱や火災に基づくガスを検知したりして、それら検知部からの出力に基づき火災を複合的に判断することが行われている(例えば、特許文献1)。
しかし、火災を複合的に判断したいときに、複数の出力の検知部が異なる機構により出力を発生するものである場合、複数の検知部を1つの製品の筺体内に搭載すると、検知部を構成する部品がかさばり、製品の小型化が困難になったり、部品点数の増加に伴いコストアップしたり、消費電力の増加に伴い短寿命になったりするので、部品の共通化、検知機構の簡素化が望まれる。
一方、本発明者らは、火災検知装置において、一対の光ファイバブラググレーチング(以下FBGと称する)を設け、火災に基づくガスの複数種を光学的に検知して火災を判定することのできる火災検知装置を提案している(特願2008−078628号)。FBGは、光ファイバーに紫外レーザ光を照射するなどして、光ファイバー中のコアの屈折率に周期的な強弱を持たせ、その結果ファイバー長手方向に周期的な屈折率変調(格子)を形成しておくと、周期に合致した波長の光信号のみが反射し、他の波長の光信号はこの周期的屈折率変動を感知せず通過するという特徴を有し、光ファイバーそのものに形成するため構造が大変シンプルで、損失が少ないなどの長所があるもので、近年その利用範囲が拡大しているものである。
上記火災検知装置では、1つの光源からの光を分割して2対のFBGに誘導する光路を設ける。それぞれのFBGにおいて一対のFBGの間に検知対象ガスが導入されるように構成しておく。ここに検知対象ガスが存在する場合、検知対象ガスに対応する波長の光が吸光されるため、出力光を、例えばキャビティリングダウン分光法等により分析すると、その吸光度に基づいてその検知対象ガスの濃度を知ることができ、その濃度の分布、推移等から火災を判定することができる。つまり、1つの光源で、2種のガスを検知し、火災を判定することができるというものである。
また、前記FBGは、温度センサとして利用することが提案されており(例えば特許文献2)、この種の温度センサでは、温度計側の際にブラッグ波長を測定し、この測定値をあらかじめ測定しておいたブラッグ波長の温度依存性と対照することにより、雰囲気温度を求める。
特開2006−065656号公報 特開2000−088676号公報
上述の技術において、火災を判定する場合、雰囲気温度情報は、非常に有用であるため、火災検知装置を構成する場合に温度検知機構を搭載することが望ましいと考えられている。しかし、従来、火災に伴うガスを検知する機構と雰囲気温度を検知する機構とは、異なるものが用いられていたため、部品の共通化、検知機構の簡素化を実現するのは困難であった。
本発明は、上記実情に鑑み、各種センサに搭載された既存の構成を利用でき、簡便に雰囲気温度検知を行える温度検知機構、および、その温度検知機構を搭載したガスセンサ、火災検知装置を提供することにある。
〔構成〕
上記技術課題を解決するための本発明のガス検知装置の特徴構成は、
光源から検出器に光を導く光路を設け、
前記光路に、検知対象ガスの吸光波長に対応する格子を有する一対の光ファイバブラググレーチング(以下FBGと称する)を設け、
前記一対のFBG間に、雰囲気ガスを導入する検知部を備え、
前記光源からの照射光を、波長幅が前記FBGの通常動作温度における反射ピーク波長範囲内に含まれる狭帯域光として、
前記一対のFBGを通過して前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記雰囲気ガス中の検知対象ガス濃度を求める処理部、及び、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記検知部の温度異常を識別する処理部を設けた
点にある。
〔作用効果〕
つまり、本発明のガス検知装置は、光源から検出器に光を導く光路にFBGを設けたから、前記光源から狭帯域光を光路に供給することにより、前記FBGにおいて特定波長の光のみを、一旦FBG間に閉じ込められて徐々に出力される光として前記検出器に出力させることができる。
具体的には、前記FBGに狭帯域光を供給すると、前記FBGの特定の反射周波数に該当する光だけが、反射させられる。ここで、たとえばFBGで反射される光が1%であるとすると、最初に狭帯域光が入射する一方のFBGでは、特定の反射周波数の光が1%減少してそのFBGを通過する。通過した光は次に、他方側のFBGに達して再度、前記FBGの特定の反射周波数に該当する光だけが、反射させられる。その結果、前記狭帯域光の約1%(0.99%)の光が一方側のFBGに向かって反射される。さらに、この光が、一方側のFBGに反射され、他方側のFBGに戻ってくると、その他方側のFBGでは、前記約1%の狭帯域光のうち、さらに1%の光が、一方側のFBGに向かって反射される。このとき同時に前記約1%の狭帯域光のうち99%は、前記検出器に向かって出射される。さらに同様の工程を経ると、前記狭帯域光が、前記他方側のFBGで反射するたびに前記検出器に向かって出力を生じる。
この出力強度は、前記FBGの反射率に応じて次第に減衰する。そのため、前記一対のFBG間における環境内で前記狭帯域光が減衰する何らかの要因があれば、その要因がどの程度発生しているのかを、その出力強度を分析することによって知ることができる。具体的には、前記FBG間に吸光部があれば、前記吸光部における前記反射周波数の吸光度を知ることができるし、前記FBG間に応力が生じてひずみが発生したような場合、その応力の程度を予測することもできる。
このFBGに、波長幅が前記FBGの通常動作温度における反射ピーク波長範囲内に含まれる狭帯域光を導入すると、FBG固有の波長の光を選択的に前記FBG間に閉じこめることができる。この固有の波長を、そのガスの吸光波長に一致させておくことにより、その光の強度から、そのガスの分光分析を精度良く行える。
一方、FBGは、その構成材料の熱膨張による格子幅の変化、FBG材料の屈折率の変化などが原因となり、その反射ピーク波長が変化する。前記狭帯域光は、波長幅が前記FBGの通常動作温度における反射ピーク波長に含まれるから、前記FBGの使用可能な許容温度域では、前記FBGは、入射光に対する出射光を必ず出力することができる。この出射光は、前述のように減衰しつつ前記FBGから徐々に放出されるものであるから、その出力強度の減衰を前記検出器で観察することにより、この出力に基づいた種々の分光分析が可能となる。
ここで、前記FBGが温度変化すると、前記FBGの反射ピーク波長が前記狭帯域光の波長を含まない領域に移動してしまう。すると、前記一対のFBG間には、前記狭帯域光が閉じこめられなくなり、徐々に放出される光出力が得られなくなるとともに、狭帯域光の照射と同時に、その狭帯域光がそのまま前記FBGからの光出力として通過してしまうことになる。この状態で、その光出力を前記検出器で検出した場合、光出力の変化が得られないために、前記FBGにおける分光分析は不能になり、前記FBGが許容温度域を超えた高温の雰囲気に晒されていることが判別できるのである。
そのため、FBGで検知対象ガスを検知し、その濃度を解析することができ、かつ雰囲気温度情報を知ることができるようになり、FBGを用いた信頼性の高いガス検知に加え、さらに、FBGの雰囲気温度情報も加味したガス検知、分析が行えるようになるため、さらに信頼性の高い検知対象ガスの分析が可能となった。
上述の本発明の構成によると、従来のFBGを用いたガス検知装置の主要な構成をそのまま利用して、実質的には、処理部において検出された出力光の有無に基づき雰囲気温度を判断させるコンピュータおよびプログラムの仕様の変更を行う簡単な設計変更だけで、ガス検知装置本来の構成をそのまま利用して、信頼性が高く、高機能なガス検知装置を提供することができた。
〔構成〕
また、本発明の火災検知装置の特徴構成は、
前記検知対象ガスをメタンガス、または、一酸化炭素ガスとした上述のガス検知装置を備え、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記雰囲気ガス中の検知対象ガス濃度を求める処理部、及び、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記検知部の温度異常を識別する処理部を設け、
少なくとも前記検知対象ガス濃度と前記温度異常とに基づいて、火災を判定する判定部を設けた点にある。
〔作用効果〕
つまり、本発明の火災検知装置は、上述のガス検知装置を備えるから、前記検知対象ガスとして、火災に関連するメタンガスもしくは一酸化炭素ガスの濃度を、雰囲気温度情報とともに得ることができる。
さらに、前記処理部では、検知対象ガスの濃度及び雰囲気温度異常を識別することができるから、その識別情報を基に、前記判定部で火災を判定することができる。
つまり、従来のFBGを用いたガス検知装置の主要な構成をそのまま利用して、実質的には、処理部において検出された出力光の有無に基づき火災を判断させるコンピュータおよびプログラムの仕様の変更を行う簡単な設計変更だけで、ガス検知装置本来の構成をそのまま利用して、信頼性が高く、高機能な火災検知装置を提供することができた。
〔構成〕
また、火災検知装置は、
前記検知対象ガスをメタンガス、または、一酸化炭素ガスとした前記ガス検知装置を第一ガス検知装置として備え、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記雰囲気ガス中の検知対象ガス濃度を求める処理部、及び、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記検知部の温度異常を識別する処理部を設け、
前記検知対象ガスを前記第一ガス検知装置の検知対象ガスとは異なる一酸化炭素ガス、または、メタンガスとした第二ガス検知装置を設け、
メタン濃度、一酸化炭素濃度と前記温度異常とに基づいて、火災を判定する判定部を設けてあることが好ましい。
〔作用効果〕
つまり、上述の火災検知装置においては、温度検知機能を備えた前記第一ガス検知装置に加えて、さらに第二ガス検知装置を設けて構成したものである。
この構成によると、メタン濃度、一酸化炭素濃度、雰囲気の温度異常を基に火災を検知することができるから、より多角的に信頼性高く、火災を判定することができるようになる。
特に第二ガス検知装置として第一ガス検知装置同様にFBGを備えたものであるような場合には、ガス濃度の測定精度が高く、かつ、構成要素の共通化、集約化を高めることができるので、コストと機能との対比において、高性能化を図ることができた。
〔構成〕
具体的には、前記FBGの通常動作温度における反射ピーク波長域が、中心波長1630nm〜1690nmあるいは中心波長1560nm〜1590nmあるいは2320nm〜2380nmであることが好ましい。
〔作用効果〕
上述の構成によると、常温でメタン(中心波長1630nm〜1690nm)あるいは一酸化炭素(中心波長1560nm〜1590nmあるいは2320nm〜2380nm)の濃度を測定するのに適した特性を有するとともに、それぞれのガスの吸収波長に対応した狭帯域光を反射するので、雰囲気温度が上記高温に達したときに、検出器に達する出力が急激になくなることになり、ガス検知とともに適切に温度異常も検知できる。したがって雰囲気の火災を検知するのに適したガス検知装置とすることができる。
尚、反射ピーク波長の半値幅は、2nm以下程度としてあると、狭帯域光を確実にカバーでき、かつ、FBGで、その狭帯域光の透過、反射の境界が鋭く、明確に判定できるため好ましい。
したがって、部品の共通化、温度検知機構の簡素化を図ることができ、高性能なガス検知装置、火災検知装置をコンパクトかつ低コストで提供することができるようになった。
本発明の火災検知装置を示すブロック図である FBGの第2素子から出射された光の強度の経時変化を示すグラフである 図2における(a)の減衰曲線と(b)の減衰曲線との差分を経過時間に対してプロットしたグラフである 時間tmaxを含む時間t1〜t2における光強度とメタン濃度との関係を示す図である メタン用FBGの透過光の−10℃、50℃における波形を示す図である メタン用FBGの反射光波長の温度依存性を示すグラフである
以下に、本発明の火災検知装置を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
本発明の火災検知装置を以下に示す。
図1は、本発明を模式的に示したブロック図である。火災検知装置は、例えば、火災等により発生した熱とともに、火災に関連する検知対象ガスとして都市ガス中のメタンガス及び不完全燃焼等に基づく一酸化炭素ガスを検知可能なガス検知装置を内蔵した複合型の火災検知装置として構成される。
本発明の火災検知装置は、光源としてのメタン用発光素子10、メタン用受光素子15、一対のFBG(以下、メタン用第一FBG、メタン用第二FBGと称する)12,13を備えるメタンガス検知用光路11と、一酸化炭素用発光素子20、一酸化炭素用受光素子25、一対のFBG(以下、CO用第一FBG、CO用第二FBGと称する)22,23を備える一酸化炭素ガス検知用光路21とを備える。各検知対象ガス用の光路11,12において一対のメタン用第一第二FBG12,13,および一対のCO用第一第二FBG22,23の間には、雰囲気ガスを導入する空洞部を設けて検知部14,24を形成してある。また、前記メタン用第一第二FBG12,13,およびCO用第一第二FBG22,23からの出力はメタン用受光素子15、一酸化炭素用受光素子25により検知され、処理部3においてキャビティリングダウン分光法に基づき解析され、その結果に基づき判定手段4により火災の判定が行われる構成としてある。
メタン用発光素子10、一酸化炭素用発光素子20は、狭帯域の光を出力可能な光源として構成され、DFB(分布帰還型(Distributed Feedback))レーザが採用される。メタン用発光素子10から検査光として出力される光は、検知対象ガスであるメタンの吸収波長(1653nm)であり、一酸化炭素用発光素子20から検査光として出力される光は、検知対象ガスである一酸化炭素の吸収波長(1568nm)を中心波長とする狭帯域光である。
各メタン用発光素子10、一酸化炭素用発光素子20から照射された検査光は、上記特定波長の光を選択的に反射する一対のメタン用第一第二FBG12,13,および一対のCO用第一第二FBG22,23に入力され、一対のメタン用第一第二FBG12,13,および一対のCO用第一第二FBG22,23間で反射を繰り返されながら、徐々に受光素子側に出射されつつ減衰する。前記一対のメタン用第一第二FBG12,13,および一対のCO用第一第二FBG22,23間の検知部14,24において検査光は、前記FBG間で反射を繰り返す毎に、前記検知部14,24を通過し、前記雰囲気に含まれる検知対象ガス(メタンガスもしくは一酸化炭素ガス)に吸光され、さらに減衰する。その結果、前記FBGから出射される光の強度は、前記雰囲気ガス中の検知対象ガスの濃度に応じた曲線を描きつつ減衰する。この光を前記メタン用受光素子15、一酸化炭素用受光素子25で検出し、キャビティリングダウン分光法を用いて、解析すると、前記雰囲気ガス中の検知対象ガスの濃度を知ることができる。各メタン用受光素子15、一酸化炭素用受光素子25としては、光電子増倍管(PMT)、電荷結合素子(CCD)、フォトダイオード等を採用することができる。
次に、メタン検知用光路11のメタン用第二FBG13から出射された検査光の挙動について説明する。
図2は、メタン用第二FBG13から出射された光の強度の経時変化を示すグラフである。なお、このグラフでは、時間に対して光強度を連続的な曲線で描画しているが、メタン用第二FBG13から出射される光は、メタン用第一FBG12とメタン用第二FBG13との間を連続的且つ選択的に反射しつつ、その反射過程において反射光の一部がメタン用第二FBG13から経時的に出射されたものである。従って、メタン用第二FBG13からの出射光は、実際には不連続な光であり、よって、ガス検知用の受光素子15で検知される光強度も不連続となる。ただし、この不連続な出射光における不連続区間の間隔は極めて短いため、図2のグラフでは便宜上連続的な曲線で示してある。
図2において、(a)はガス導入部22cにメタンが存在しない(すなわち、空気が存在する)場合の挙動を示したものであり、(b)はガス導入部22cにメタンが存在する場合の挙動を示したものである。
(a)に示されるように、空気中を進行する光は、徐々に強度が減衰する。このときの減衰曲線は、以下の式(1)によって表される。
I(t)=I0exp(−(1/τ0)t) ・・・ (1)
上記式(1)において、I0は、FBG22の第1素子22aに入射し、反射すること
なく最初に第2素子22bから出射した光の強度(初期の光強度)である。I(t)は、第1素子22aと第2素子22bとの間で連続的且つ選択的に反射を繰り返し、第2素子22bから出射した時刻tにおける光の強度である。τ0は寿命時間(緩和時間)であり
、光が伝播する媒体によって決まる値である。
上記式(1)で示されるように、空気中を進行する光の強度は、時間の経過(すなわち、光路長の増加)とともに指数関数的に減少する。
一方、(b)に示されるように、メタン中を進行する光についても、時間とともに徐々に強度が指数関数的に減衰する。このときの減衰曲線は、以下の式(2)によって表される。
I(t)=I0exp[−(1/τ0+ρnc)t] ・・・ (2)
上記式(2)において、ρはメタンの吸収断面積であり、nはメタンの密度であり、cは光路長である。ここで、括弧内の第一項(すなわち、1/τ0)は第2素子2bから出射した光の減衰に関連するファクターであり、第二項(すなわち、ρnc)はメタンによる吸収に関連するファクターである。
このように、メタン中を進行する光は、メタンの吸収波長においてその一部が吸収されるため、減衰の度合いは空気中を進行する光よりも大きいものとなる。そして、上記式(2)のメタン吸収に関連する第二項において、ランベルト・ベール則(Lambert−Beer law)を適用することができ、(a)の減衰曲線と(b)の減衰曲線との関係で、両者の強度差が明確である時間t又は時間帯Tの出射光の強度からメタンの濃度を得ることができる。
図2に示すように、式(1)で示される(a)の減衰曲線と、式(2)で示される(b)の減衰曲線との差分を求め、この差分を経過時間に対してプロットする。
図3の差分曲線において、時間軸において極大値をとる時間tmaxは、空気中を通過す
る光の強度減衰曲線(ブランク)とメタン中を通過する光の強度減衰曲線との差が最大となる時間である。従って、この時間tmaxにおいて、あるいは時間tmaxを中心とする所定幅の時間帯t2−t1=Tmaxにおいて、以下に説明する所定の演算を処理部3で行うこ
とにより、メタンの濃度がどの程度変化したかを知ることができる。
処理部3は、メタンの濃度もしくは濃度に関係する情報を演算する。また、処理部3は、出射光の強度が、メタンがガスがメタン用検知部14に存在しない場合の出射光の強度(ブランク)に対して所定の比率以下となった場合に、メタンが所定の濃度以上であると判定する判定手段4を備える。
処理部3は、例えば、コンピュータで構成される。判定手段4は、例えば、コンピュータに組み込まれたプログラムで構成される。
演算手法として、時間tにおける出射光の強度(生データ)から直接メタン濃度を求めることができる。この場合、処理部3は、例えば、図4に示すように、時間tmaxを含む時間帯t1〜t2における光強度とメタン濃度との関係を示すマップを有している。ガス検知用受光素子15から処理部3に出射光に関する情報が入力されると、処理部3は光強度を求めるとともに、判定手段4は前記マップからメタンが所定の濃度以上であるか否かを判定する。あるいは、処理部3は、図4中の矢印Pに示すように、前記マップを参照して、求めた光強度からメタン濃度を直接導出する。
また、処理部3は、マップに加えて所定の閾値S2を有することもできる。この閾値S2は、光強度がブランクにおける光強度に対して所定の比率となるように設定される。図4に示す例では、閾値S2はブランクにおける光強度に対して0.7に設定されている。ガス検知用受光素子21aから処理部3に光強度に関する情報が入力されると、判定手段4は、処理部3が求めた光強度を閾値S2と比較する。そして、当該光強度が閾値S2を下回った場合、メタンが所定濃度以上であると判定する。
閾値S2を用いて所定濃度以上のガスの有無を判定する場合は、光強度とメタン濃度との関係を示すデータは少なくとも閾値S2の前後だけあればよい。従って、マップ上に適切に閾値S2を設定すれば、マップのデータ量を少なくすることができる。また、閾値S2を時間tmaxに対して設けるようにすれば、閾値S2の設定幅が最大となるため好ましい。
このように、本実施形態の警報装置においては、検知部に存在するメタンの濃度を、FBGの第2素子22bから経時的に出射する出射光の強度(生データ)から求めることができ、精度の高いメタン濃度判定結果を得ることができる。また、同様の機構により、一酸化炭素ガス濃度についても精度高く求めることができる。
このように、本実施形態の警報装置200においては、ガス導入部22cに存在するメタンの濃度を、FBG22の第2素子22bから経時的に出射する出射光の強度(生データ)から求めることができる。
尚、一酸化炭素用光路の第二素子としてのFBGから出射される短波長成分の光の挙動についてもメタン用第二FBGの場合と同様である。
発光素子から出射された検査光が前記FBGにより反射される光の波長は、図5,6に示すように、前記FBGの温度(雰囲気温度)に依存するため、火災により発生した熱を前記FBGから出力される光の波長により判断することができる。具体的には、前記メタン検知用FBGの出力波長は、−10℃において1653.1nm(半値幅は、ほぼ1nm))であるが、50℃では、1653.7nmとなる(図5参照)。(約0.01nm/℃で変化する)前記狭帯域光は、この波長域に含まれるものであり、検出器では、この波長域の光強度を経時的に測定することができる。しかし、前記FBGが高温になると、例えば65℃において、前記メタン検知用FBGが光を反射可能な波長は、1653.2nm〜1654.4nmにシフトする。すると、検査光として例えば、1653.1nmの検査光を照射すると、前記FBGが常温から65℃までの間は前記FBGによって反射、減衰させられつつ出力するが、65℃を超えると、前記検査光は反射されずに直接前記メタン受光素子に到達するようになる。すなわち、雰囲気温度が高温になると、前記受光素子で検出される光強度が急激に増加することになる。従って、前記受光素子の検出光の急激な増加を検出することによって、雰囲気の大きな温度上昇(上述の例では火災による温度上昇による65℃)、つまり、火災を判定することができる。
本実施形態においては、単一の固体発光素子(光源)を有する光学系を用いて、火災に関連するガスの検知と熱の検知とを同じ光学系を用いて行うことができる。従って、小型化・軽量化された長寿命の警報装置として実現することができる。このように、多角的な検知(すなわち、複数種のガス検知及び火災検知)を行うことを可能としながら、光源を共通化することができため、装置構成が大型化・複雑化することなく、省電力で合理的な警報装置を実現することができる。また、上述の警報装置に採用した温度検知機構は、ガス検知用の構成要素を有効に利用して雰囲気温度を検知する温度検知機構としてあるから、小型化・軽量化された長寿命の警報装置として実現することができる。
尚、火災の判定手法については、前記判定部において、
前記温度検知機構が例えば65℃以上の高温を検知したとき、即座に火災と判断し、
高温でない(65℃以下の)場合には、所定濃度以上のメタンガス及び一酸化炭素ガスが検知されている場合に火災であると判断し、
高温でなく、メタンガスもしくは一酸化炭素ガスの一方のみが高濃度である場合、ガス漏れ、あるいは、不完全燃焼と判断する、
一酸化炭素ガスのみ検知され、濃度の上昇が急激である場合、高温でなくとも火災であると判断する
など、公知の種々のアルゴリズムを適用することができる。
このように、判定手法のアルゴリズムに雰囲気温度、メタンガス濃度、一酸化炭素ガス濃度が含まれている場合、単に雰囲気温度のみから火災と判定される場合が含まれるとしても、火災は、雰囲気温度、メタンガス濃度、一酸化炭素ガス濃度に基づき判断されたものとし、「メタンガス濃度、一酸化炭素ガス濃度に基づいて判定」のように称するものとする。
〔別実施の形態〕
上述の実施の形態においては、前記処理部3では、閾値でガス濃度を求めたが、この他にも種々の手法でガス濃度を求めることができる。例えば、第2の演算手法として、時間帯t1〜t2における出射光の強度微分値(微分データ)からメタン濃度を求める。この場合、処理部3は、出射光の強度微分値とメタン濃度との関係を示すマップを設ければよい。また、第3の演算手法として、時間帯t1〜t2における出射光の強度積分値(積分データ)からメタン濃度を求める。この場合、処理部3は、出射光の強度積分値とメタン濃度との関係を示すマップを設ければよい。
上記の各演算手法は、夫々単独で実行してもよいし、任意に組み合わせて総合的に濃度判定を行ってもよい。
また、上記の各演算手法では、出射光の強度、強度微分値、又は強度積分値が、メタンがメタン検知部14に存在しない場合の対応する出射光の強度、強度微分値、又は強度積分値に対して所定の比率以下となった場合に、メタンが所定の濃度以上であると判定しているが、所定以上の差となった場合にメタンが所定の濃度以上であると判定することも可能である。すなわち、比較演算であれば、任意の演算手法を採用することができる。
10 メタン用発光素子(光源)
11 メタンガス検知用光路
12 メタン用第一FBG
13 メタン用第二FBG,
14 検知部
15 メタン用受光素子(検知部)
20 一酸化炭素用発光素子
21 一酸化炭素ガス検知用光路
22 CO用第一FBG
23 CO用第二FBG
24 検知部
25 一酸化炭素用受光素子(検知部)
3 処理部
4 判定手段

Claims (5)

  1. 光源から検出器に光を導く光路を設け、
    前記光路に、検知対象ガスの吸光波長に対応する格子を有する一対のファイバブラググレーチングを設け、
    前記一対のファイバブラググレーチング間に、雰囲気ガスを導入する検知部を備え、
    前記光源からの照射光を、波長幅が前記ファイバブラググレーチングの通常動作温度における反射ピーク波長範囲内に含まれる狭帯域光として、
    前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記雰囲気ガス中の検知対象ガス濃度を求める処理部、及び、
    前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記検知部の温度異常を識別する処理部を設けた
    ガス検知装置。
  2. 前記検知対象ガスをメタンガス、または、一酸化炭素ガスとした請求項1に記載のガス検知装置を備え、
    前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記雰囲気ガス中の検知対象ガス濃度を求める処理部、及び、
    前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記検知部の温度異常を識別する処理部を設け、
    少なくとも前記検知対象ガス濃度と前記温度異常とに基づいて、火災を判定する判定部を設けた
    火災検知装置。
  3. 前記検知対象ガスをメタンガス、または、一酸化炭素ガスとした請求項1に記載のガス検知装置を第一ガス検知装置として備え、
    前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記雰囲気ガス中の検知対象ガス濃度を求める処理部、及び、
    前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記検知部の温度異常を識別する処理部を設け、
    前記検知対象ガスを前記第一ガス検知装置の検知対象ガスとは異なる一酸化炭素ガス、または、メタンガスとした第二ガス検知装置を設け、
    メタン濃度、一酸化炭素濃度と前記温度異常とに基づいて、火災を判定する判定部を設けた
    火災検知装置。
  4. 前記ファイバブラググレーチングの通常動作温度における反射ピーク波長域が、中心波長1630nm〜1690nmであり、前記検知対象ガスがメタンである請求項1に記載のガス検知装置。
  5. 前記ファイバブラググレーチングの通常動作温度における反射ピーク波長域が、中心波長1560nm〜1590nmあるいは2320nm〜2380nmであり、前記検知対象ガスが一酸化炭素ガスである請求項1に記載のガス検知装置。
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