JP5285553B2 - ガス検知装置及び火災検知装置 - Google Patents
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Description
上記技術課題を解決するための本発明のガス検知装置の特徴構成は、
光源から検出器に光を導く光路を設け、
前記光路に、検知対象ガスの吸光波長に対応する格子を有する一対の光ファイバブラググレーチング(以下FBGと称する)を設け、
前記一対のFBG間に、雰囲気ガスを導入する検知部を備え、
前記光源からの照射光を、波長幅が前記FBGの通常動作温度における反射ピーク波長範囲内に含まれる狭帯域光として、
前記一対のFBGを通過して前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記雰囲気ガス中の検知対象ガス濃度を求める処理部、及び、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記検知部の温度異常を識別する処理部を設けた
点にある。
つまり、本発明のガス検知装置は、光源から検出器に光を導く光路にFBGを設けたから、前記光源から狭帯域光を光路に供給することにより、前記FBGにおいて特定波長の光のみを、一旦FBG間に閉じ込められて徐々に出力される光として前記検出器に出力させることができる。
また、本発明の火災検知装置の特徴構成は、
前記検知対象ガスをメタンガス、または、一酸化炭素ガスとした上述のガス検知装置を備え、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記雰囲気ガス中の検知対象ガス濃度を求める処理部、及び、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記検知部の温度異常を識別する処理部を設け、
少なくとも前記検知対象ガス濃度と前記温度異常とに基づいて、火災を判定する判定部を設けた点にある。
つまり、本発明の火災検知装置は、上述のガス検知装置を備えるから、前記検知対象ガスとして、火災に関連するメタンガスもしくは一酸化炭素ガスの濃度を、雰囲気温度情報とともに得ることができる。
また、火災検知装置は、
前記検知対象ガスをメタンガス、または、一酸化炭素ガスとした前記ガス検知装置を第一ガス検知装置として備え、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記雰囲気ガス中の検知対象ガス濃度を求める処理部、及び、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記検知部の温度異常を識別する処理部を設け、
前記検知対象ガスを前記第一ガス検知装置の検知対象ガスとは異なる一酸化炭素ガス、または、メタンガスとした第二ガス検知装置を設け、
メタン濃度、一酸化炭素濃度と前記温度異常とに基づいて、火災を判定する判定部を設けてあることが好ましい。
つまり、上述の火災検知装置においては、温度検知機能を備えた前記第一ガス検知装置に加えて、さらに第二ガス検知装置を設けて構成したものである。
具体的には、前記FBGの通常動作温度における反射ピーク波長域が、中心波長1630nm〜1690nmあるいは中心波長1560nm〜1590nmあるいは2320nm〜2380nmであることが好ましい。
上述の構成によると、常温でメタン(中心波長1630nm〜1690nm)あるいは一酸化炭素(中心波長1560nm〜1590nmあるいは2320nm〜2380nm)の濃度を測定するのに適した特性を有するとともに、それぞれのガスの吸収波長に対応した狭帯域光を反射するので、雰囲気温度が上記高温に達したときに、検出器に達する出力が急激になくなることになり、ガス検知とともに適切に温度異常も検知できる。したがって雰囲気の火災を検知するのに適したガス検知装置とすることができる。
図1は、本発明を模式的に示したブロック図である。火災検知装置は、例えば、火災等により発生した熱とともに、火災に関連する検知対象ガスとして都市ガス中のメタンガス及び不完全燃焼等に基づく一酸化炭素ガスを検知可能なガス検知装置を内蔵した複合型の火災検知装置として構成される。
(a)に示されるように、空気中を進行する光は、徐々に強度が減衰する。このときの減衰曲線は、以下の式(1)によって表される。
I(t)=I0exp(−(1/τ0)t) ・・・ (1)
なく最初に第2素子22bから出射した光の強度(初期の光強度)である。I(t)は、第1素子22aと第2素子22bとの間で連続的且つ選択的に反射を繰り返し、第2素子22bから出射した時刻tにおける光の強度である。τ0は寿命時間(緩和時間)であり
、光が伝播する媒体によって決まる値である。
上記式(1)で示されるように、空気中を進行する光の強度は、時間の経過(すなわち、光路長の増加)とともに指数関数的に減少する。
I(t)=I0exp[−(1/τ0+ρnc)t] ・・・ (2)
図3の差分曲線において、時間軸において極大値をとる時間tmaxは、空気中を通過す
る光の強度減衰曲線(ブランク)とメタン中を通過する光の強度減衰曲線との差が最大となる時間である。従って、この時間tmaxにおいて、あるいは時間tmaxを中心とする所定幅の時間帯t2−t1=Tmaxにおいて、以下に説明する所定の演算を処理部3で行うこ
とにより、メタンの濃度がどの程度変化したかを知ることができる。
処理部3は、例えば、コンピュータで構成される。判定手段4は、例えば、コンピュータに組み込まれたプログラムで構成される。
また、処理部3は、マップに加えて所定の閾値S2を有することもできる。この閾値S2は、光強度がブランクにおける光強度に対して所定の比率となるように設定される。図4に示す例では、閾値S2はブランクにおける光強度に対して0.7に設定されている。ガス検知用受光素子21aから処理部3に光強度に関する情報が入力されると、判定手段4は、処理部3が求めた光強度を閾値S2と比較する。そして、当該光強度が閾値S2を下回った場合、メタンが所定濃度以上であると判定する。
閾値S2を用いて所定濃度以上のガスの有無を判定する場合は、光強度とメタン濃度との関係を示すデータは少なくとも閾値S2の前後だけあればよい。従って、マップ上に適切に閾値S2を設定すれば、マップのデータ量を少なくすることができる。また、閾値S2を時間tmaxに対して設けるようにすれば、閾値S2の設定幅が最大となるため好ましい。
前記温度検知機構が例えば65℃以上の高温を検知したとき、即座に火災と判断し、
高温でない(65℃以下の)場合には、所定濃度以上のメタンガス及び一酸化炭素ガスが検知されている場合に火災であると判断し、
高温でなく、メタンガスもしくは一酸化炭素ガスの一方のみが高濃度である場合、ガス漏れ、あるいは、不完全燃焼と判断する、
一酸化炭素ガスのみ検知され、濃度の上昇が急激である場合、高温でなくとも火災であると判断する
など、公知の種々のアルゴリズムを適用することができる。
上述の実施の形態においては、前記処理部3では、閾値でガス濃度を求めたが、この他にも種々の手法でガス濃度を求めることができる。例えば、第2の演算手法として、時間帯t1〜t2における出射光の強度微分値(微分データ)からメタン濃度を求める。この場合、処理部3は、出射光の強度微分値とメタン濃度との関係を示すマップを設ければよい。また、第3の演算手法として、時間帯t1〜t2における出射光の強度積分値(積分データ)からメタン濃度を求める。この場合、処理部3は、出射光の強度積分値とメタン濃度との関係を示すマップを設ければよい。
上記の各演算手法は、夫々単独で実行してもよいし、任意に組み合わせて総合的に濃度判定を行ってもよい。
また、上記の各演算手法では、出射光の強度、強度微分値、又は強度積分値が、メタンがメタン検知部14に存在しない場合の対応する出射光の強度、強度微分値、又は強度積分値に対して所定の比率以下となった場合に、メタンが所定の濃度以上であると判定しているが、所定以上の差となった場合にメタンが所定の濃度以上であると判定することも可能である。すなわち、比較演算であれば、任意の演算手法を採用することができる。
11 メタンガス検知用光路
12 メタン用第一FBG
13 メタン用第二FBG,
14 検知部
15 メタン用受光素子(検知部)
20 一酸化炭素用発光素子
21 一酸化炭素ガス検知用光路
22 CO用第一FBG
23 CO用第二FBG
24 検知部
25 一酸化炭素用受光素子(検知部)
3 処理部
4 判定手段
Claims (5)
- 光源から検出器に光を導く光路を設け、
前記光路に、検知対象ガスの吸光波長に対応する格子を有する一対のファイバブラググレーチングを設け、
前記一対のファイバブラググレーチング間に、雰囲気ガスを導入する検知部を備え、
前記光源からの照射光を、波長幅が前記ファイバブラググレーチングの通常動作温度における反射ピーク波長範囲内に含まれる狭帯域光として、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記雰囲気ガス中の検知対象ガス濃度を求める処理部、及び、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記検知部の温度異常を識別する処理部を設けた
ガス検知装置。 - 前記検知対象ガスをメタンガス、または、一酸化炭素ガスとした請求項1に記載のガス検知装置を備え、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記雰囲気ガス中の検知対象ガス濃度を求める処理部、及び、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記検知部の温度異常を識別する処理部を設け、
少なくとも前記検知対象ガス濃度と前記温度異常とに基づいて、火災を判定する判定部を設けた
火災検知装置。 - 前記検知対象ガスをメタンガス、または、一酸化炭素ガスとした請求項1に記載のガス検知装置を第一ガス検知装置として備え、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記雰囲気ガス中の検知対象ガス濃度を求める処理部、及び、
前記検出器に到達した光線強度に基づき、前記検知部の温度異常を識別する処理部を設け、
前記検知対象ガスを前記第一ガス検知装置の検知対象ガスとは異なる一酸化炭素ガス、または、メタンガスとした第二ガス検知装置を設け、
メタン濃度、一酸化炭素濃度と前記温度異常とに基づいて、火災を判定する判定部を設けた
火災検知装置。 - 前記ファイバブラググレーチングの通常動作温度における反射ピーク波長域が、中心波長1630nm〜1690nmであり、前記検知対象ガスがメタンである請求項1に記載のガス検知装置。
- 前記ファイバブラググレーチングの通常動作温度における反射ピーク波長域が、中心波長1560nm〜1590nmあるいは2320nm〜2380nmであり、前記検知対象ガスが一酸化炭素ガスである請求項1に記載のガス検知装置。
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