JP5284350B2 - 環状カーボネートならびに脂肪族ニトリルおよび/またはアミンの同時製造 - Google Patents

環状カーボネートならびに脂肪族ニトリルおよび/またはアミンの同時製造 Download PDF

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Description

本発明は、一方では脂肪族ニトリルおよび/またはアミン、ならびに他方ではポリオールカーボネートを天然油から合成するための結合プロセスに向けられる。
環境分野における現在の進化は、再生可能資源に由来する天然出発物質の開発が有望なエネルギーおよび化学分野に向かう傾向を示している。これらの環境上の制約は、有害な出発物質の輸送および保管を回避しなければならないという制限も加える。
出発物質として脂肪酸を使用する工業プロセスの例は、脂肪族ニトリルおよび/またはアミンを動物性もしくは植物性トリグリセリドから抽出できる脂肪酸から製造するプロセスである。このプロセスは、Kirk−Othmer’s encyclopedia,Vol.2,4th edition,page 411に記載されている。脂肪族アミンは、幾つかの工程で入手される。第1の工程は、各々脂肪酸のメチルエステルまたは脂肪酸を産生する、植物油または動物性脂肪のメタノリシスまたは加水分解から構成される。脂肪酸のメチルエステルは、加水分解すると次に脂肪酸を形成することができる。次に脂肪酸は、アンモニアとの反応によってニトリルへ、最後にはこうして得られたニトリルの水素化反応によってアミンへ変換させられる。
脂肪酸からのニトリルを経由する脂肪族アミンの調製は、1940年代に始まる。ニトリルを合成するための反応スキームは、以下のように要約することができる。
Figure 0005284350
この反応スキームに基づいて、2つのタイプのプロセス、CECA社によって実施される液相バッチプロセス、および気相連続プロセスが存在する。
バッチプロセスでは、脂肪酸もしくは脂肪酸の混合物には、一般には金属酸化物、通常は酸化亜鉛である触媒が装填される。反応媒体は、攪拌しながら約150℃に加熱され、その後にアンモニアガスの導入が開始される。第1段階では、アンモニア塩もしくはアンモニウム石けんが形成される。次に反応媒体の温度は、アンモニアを連続的に導入しながら約250℃から300℃へ上昇させられる。アンモニウム塩は、水の第1分子を遊離しながらアミドに変換されるようになる。次に第2段階で触媒を用いると、アミドは水の第2分子を形成しながらニトリルに変換させられる。形成されたこの水は、未反応アンモニアおよび少量の最軽鎖の脂肪とともに反応器から連続的に除去される。脂肪族化合物はデフレグメーター(分縮器)を通過して反応媒体へ逆戻りさせられ、他方アンモニア液は、再生利用可能なアンモニアを回収するためのシステムへ運ばれる。反応は、これ以上酸性官能基が存在しなくなると、およびアミド含量が仕様と一致すると完了する。
連続プロセスでは、反応は、高温レベルにある気相内で、一般にはドープアルミナもしくは非ドープアルミナの固定床上で行われる。
バッチプロセスの利点は、ニトリルが一般に蒸留されるために事実上純粋なニトリルを生じさせる点にあり、これは連続プロセスには当てはまらない。他方連続プロセスは、飽和脂肪鎖化合物より高度に温度感受性である不飽和もしくは多価不飽和脂肪鎖ニトリルに関する場合は、より有益である。詳細には、このプロセスでは、滞留時間が短く、不飽和数を反映するヨウ素数がより良好に維持される。
脂肪族アミンを合成する工程は、脂肪族ニトリルを標準水素化する工程から構成される。多数の触媒を利用できるが、ラネーニッケルもしくはラネーコバルトが優先的に使用されている。このプロセスは、第1級アミンの形成を促進するためにはアンモニア分圧を用いて実施されるが、第2級アミンを入手することが所望である場合はアンモニア分圧が使用されず、この反応中に形成されたアンモニアは、可能であれば除去される。
多数の特許出願は、トリグリセリドもしくはメチルエステルから脂肪酸ニトリルまたは脂肪族アミンの合成を実施するための条件について記載している。挙げることのできる1つの例は、酸化ニオビウムタイプの触媒の存在下における180から350℃の範囲内の温度で、6から22個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分枝状、飽和もしくは不飽和の脂肪酸のメチルエステルおよびアンモニアからのニトリルの合成について記載している文献JP2000−7637である。特許US6 005 134は、C−C22カルボン酸、C−C22カルボン酸のアルキルエステル、またはトリグリセリドから脂肪族ニトリルを合成するプロセスであって、アンモニアとの反応は少なくともチタニウムを含む触媒の存在下で実施されるプロセスについて記載している。しかし入手される結果は、エステルもしくはトリグリセリドから出発すると、酸から出発した場合と比較して収率が低いことを示している。特許JP10−195 035では、鉄でドープされた酸化ジルコニウム触媒はニトリルのすばらしい収率をもたらすが、この著者らはメチルエステルの場合においてメタノールの形成に関連した軽鎖アミンの存在について言及している。特許US4 801 730は、トリグリセリドから脂肪酸ニトリルおよびグリセロールを同時に調製するプロセスについて記載している。この反応は、2つの工程で実施され、第1段階ではアンモニアとの反応によってグリセロール、水、脂肪酸、脂肪酸アミドおよびニトリルが製造され、次に再び脂肪酸、脂肪族アミドおよび脂肪族ニトリルの混合物とアンモニアとの反応によって脂肪酸およびアミドはニトリルに変換させられる。
脂肪酸を用いて工業的に実施される脂肪族ニトリルおよび/またはアミンを合成するプロセスは、数十年間にわたって全体としては満足が得られていた。しかしこのプロセスは、幾つかの欠点を提示する。主要な欠点は、この実施が実際には特定の出発物質を、特に保管および使用のためには費用のかかる予防措置を必要とするアンモニアを利用することを条件としている点にある。
トリグリセリドが脂肪族ニトリルおよび/またはアミンを合成するプロセスのための脂肪酸の起源として使用されると、このプロセスは、トリグリセリドのメタノリシスの第1工程中にグリセロールを産生するが、連続加水分解工程中にはさらにメタノールも産生する。次にこのメタノールは、初期メタノリシス工程を実施するために再生利用するために精製および濃縮させられる。
グリセリルカーボネートを合成するためには、幾つかの経路がある。あるプロセスはホスゲンを使用し、他のプロセスはCOの存在下でグリセロールの酸化を使用し(JP6 157 509およびUS5 359 094)、さらに他のプロセスはまた別のカーボネートとのエステル交換反応を使用し、最後にまた別のプロセスはグリセロールのウレアとのエステル交換反応を使用する。
グリセリルカーボネートは、長年にわたって均一系触媒作用下でエチレンカーボネートとのエステル交換反応によって製造されてきた(US2 915 529、FR2 733 232、US5 091 543)。その他のカーボネートの合成プロセスは、不均一系触媒を使用する(US4 691 041)。
特許出願EP955 298は、ヘテロ原子の1つ以上のアニオン性対イオンと結び付いているルイス酸部位を有する触媒を使用する、グリセロールをウレアとエステル交換反応するプロセスについて記載している。これらの実験は、導入されるグリセロールが工業等級のグリセロールの形態にあってよいことを証明した。
特許US6 495 703は、さらにまたウレアをエステル交換反応する工程によってグリセリルカーボネートを製造するプロセスについて記載している。この反応は、好ましくは脱水剤の存在下で実施される。
ウレアを使用するカーボネート化反応については、他のポリオールのために既に記載されていることに留意されたい(EP443 758およびEP581 131)。
脂肪族ニトリルおよび/またはアミンを合成するプロセスでは、輸送問題の他に、万一漏出が発生すると職員にとってだけではなく近隣の全ての人にとっても重大なリスクを意味する、大量のアンモニアを輸入および貯蔵することが必要である。この貯蔵は、結果としてこのタイプのプロセスを実施する場所に大きな制約を課する。
解決すべき問題は、同時にプロセスの有効性を維持し、または、さらにこれを改善しながら、これらの環境上のリスクを制限するという問題である。
特開2000−7637号公報 米国特許第6 005 134号明細書 特開平10−195035号公報 米国特許第4 801 730号明細書 日本特許第6 157 509号明細書 米国特許第5 359 094号明細書 米国特許第2 915 529号明細書 仏国特許第2 733 232号明細書 米国特許第5 091 543号明細書 米国特許第4 691 041号明細書 欧州特許出願第955 298号明細書 米国特許第6 495 703号明細書 欧州特許第443 758号明細書 欧州特許第581 131号明細書
Kirk−Othmer’s encyclopedia,Vol.2,4th edition,page 411
そこで本発明は、天然飽和もしくは不飽和トリグリセリドから脂肪族ニトリルおよび/またはアミンおよびポリオールカーボネートを製造するための結合プロセスであって、該プロセスでは、同一天然トリグリセリドが一方では脂肪族ニトリルおよび/またはアミンの合成、および他方ではポリオールカーボネートの合成のための出発物質として機能するプロセスに向けられる。ポリオールカーボネートの合成は、ウレアがポリオールへ及ぼす作用によって実施され、このようにして製造されたアンモニアは、一方ではニトリルの合成中のトリグリセリドに由来する脂肪酸のアンモニア化の工程のため、他方では第1級アミンの合成中のニトリルの水素化反応工程のための試薬として使用することができる。
本発明は、脂肪族ニトリルおよび/またはアミンならびにポリオールカーボネートを天然油から製造するための結合プロセスであって、以下の、
I)少なくとも1つの脂肪酸のトリグリセリドを含有する天然油をメタノリシスまたは加水分解するためのゾーンであって、一方では、一般式R−COOR(式中、Rは、7から21個の炭素原子および好ましくは11から17個の炭素原子を含有する飽和もしくは不飽和アルキルラジカルであり、ならびにRはメタノリシスの場合にはCH、または加水分解の場合にはHである。)に対応する脂肪酸のメチルエステルもしくは脂肪酸を、および、他方では、グリセロールを製造するゾーンと、
II)脂肪族アミンを合成するためのゾーンであって、以下のa)工程I)から引き出されるエステルの加水分解によって最初に脂肪酸のメチルエステルから脂肪酸へ場合により変換する工程、b)ニトリルを形成するために、ゾーンIから入手される酸もしくは脂肪酸メチルエステルまたは工程a)から入手される酸のアンモニアを用いたアンモニア化反応の工程、ならびに次にc)対応するアミンを入手するために、場合によりアンモニアの存在下において、工程IIb)の結果として生じる化合物の水素を用いて還元する工程、を含むゾーンと、
III)グリセロール上、またはグリセロールの水素化反応による還元後に入手されるプロピレングリコールもしくはエチレングリコール上のいずれかで直接的に、ウレアとの反応によってポリオールカーボネートを合成するためのゾーンであって、ポリオールとウレアとの反応はアンモニアを生成するゾーンと、
IV)工程IIbのアンモニア化および場合によりゾーンIIの工程IIcの水素化反応のための供給材料として機能させるために、ゾーンIIIから入手されるアンモニア、反応がアンモニアの過剰下で実施されるゾーンIIbから入手されるアンモニア、および場合によりゾーンIIcから入手されるアンモニアを回収するためのゾーンと、を含むプロセスに向けられる。
図1は、プロセスの略図である。
以下では、添付の図1の略図によるスキームを参照しながら本発明のプロセスについて記載する。
ゾーンIには、一方ではトリグリセリドを含有する天然油がライン1を経由して、他方ではメタノールもしくは水がライン2を経由して供給される。トリグリセリドのメタノリシスもしくは加水分解反応が実施されると、ゾーンIaにおいては以下の反応、
Figure 0005284350
(式中、R、R’およびR’’は、7から21個の炭素原子、ならびに好ましくは11から17個の炭素原子を含有する飽和もしくは不飽和アルキルラジカルであり、R、R’およびR’’は同一もしくは相違しており、およびRはCHもしくはHである。)が発生する。
次に分離は、一般にはゾーンIbにおいて、一方ではライン3を経由してゾーンIIへ運ばれるトリグリセリドの脂肪酸のメチルエステルもしくは脂肪酸と、および他方ではライン11を経由してゾーンIIIへ運ばれるグリセロールとの傾斜法によって実施される。残留化合物は、ゾーンIからライン19を経由して抽出される。
ゾーンIaにおいて形成された脂肪酸のメチルエステルは、次にゾーンIIaへ運ばれ、そこで対応する脂肪酸を入手するために加水分解にかけられる。水はライン5を経由して導入され、メタノールはライン6を経由して抽出される。場合により精製されるこのメタノールは、エステル交換反応のためにゾーンI内へ再循環させることができる。
ゾーンIIaから入手される、もしくはゾーンIbから直接入手される脂肪酸、またはゾーンIbから入手される脂肪酸のメチルエステルは、ゾーンIIb内へ導入され、そこで脂肪族ニトリルを入手するために以下の反応プロセス、
Figure 0005284350
に従って、過剰のアンモニアを用いたアンモニア化反応にかけられる。
アンモニアは、ライン7を経由して導入される。過剰のアンモニアおよび脂肪酸から生成される水は、ライン8を経由して抽出され、精製のためにセクションIVへ運ばれる。過剰のアンモニアならびに脂肪酸のメチルエステルから生成された水およびメタノールは、ライン14および/または8を経由して抽出され、生成されたメタノールは、精製後には、エステル交換反応のためにゾーンI内へ再循環させることができる。
ゾーンIIbから入手されるニトリルは、ゾーンIIc内に導入され、そこで、場合によりアンモニアの存在下において、以下の反応工程、
Figure 0005284350
に従って水素を用いた還元反応にかけられる。
アンモニアは、ライン17を経由して、水素はライン4を経由してゾーンIIc内に導入される。脂肪族アミンは、ライン9を経由してゾーンIIから抽出され、過剰のアンモニアは精製のためにセクションIVへ運ばれる。一般に、これら全ての作業のためのアンモニアはガス状にあるが、流れに依存して、液化された含水形もしくは無水形であってよい。
ゾーンIから入手されるグリセロールは、ライン11を経由してゾーンIIIへ運ばれ、そこでウレアがライン12を経由して注入されると以下の反応工程、
Figure 0005284350
に従ってグリセリルカーボネートが形成される。
合成されたグリセリルカーボネートはライン13を経由してゾーンIIIから抽出され、形成されたアンモニアはライン15を経由してゾーンIVへ運ばれる。
1,2−もしくは1,3−プロピレングリコールの環状カーボネートを合成するのが望ましい場合は、ゾーンIIIは2つのゾーンIIIaおよびIIIbに分割される。ゾーンIIIaでは、ライン18を経由して水素を注入することによってグリセロールの部分還元が実施され、プロピレングリコールは水素化反応によって製造された水から分離された後にゾーンIIIb内へ移され、そこではウレアとの反応が発生して、反応したプロピレングリコールの構造によって5もしくは6原子の環状プロピレングリコールカーボネートが形成される。
エチレングリコールカーボネートを入手するのが望ましい場合は、ゾーンIIIa内の作業条件を、エチレングリコールを製造するより厳密な条件下でのグリセロールの水素化分解へ修正することによってこのプロセスを実施することが可能であり、エチレングリコールはウレアの作用によって5原子環エチレンカーボネートへ変換させられる。実際に、グリセロールの水素化作業は、通常はプロピレングリコールおよびエチレングリコールの混合物を生じさせる。
ゾーンIVは、供給ライン15、8および10の他に、装置を始動させるため、およびゾーンIIIにおけるアンモニアの製造の変法において装置を調節するために必要とされるアンモニアを供給することを特に可能にする供給ライン16を含んでいる。
このプロセスは、脂肪族ニトリルおよび/またはアミンを合成するために特に適合する。様々な反応は、下記の通りである。
Figure 0005284350
同一反応がR’およびR’’に当てはまる。
Figure 0005284350
同一プロセスは、エステルもしくはトリグリセリドから直接的にニトリル/アミンを製造するためにも使用できる。これを実施するために、工程IIaおよび/またはIは場合により省略されてよい。
ゾーンI、II、IIIおよびIVの様々な工程を実施するための条件は、当業者には公知である。
しかし、以下のことを指摘できる。
ゾーンIのメタノリシスは、一般には60から100℃の温度で、ナトリウムメトキシドなどの触媒の存在下および過剰のメタノールを用いて実施される。さらにまたより高温で不均一系触媒作用を、または酸触媒作用さえ使用することも可能である。
ゾーンIの加水分解は、一般には酸触媒の存在下で実施される。
ゾーンIIの工程a)の加水分解反応は、例えば室温で、またはわずかに高い温度さえで実施される。
ニトリルを生じさせるゾーンIIにおける工程b)のアンモニア化は、150から400℃の温度範囲、および好ましくは300℃の領域内の温度で実施される。
アミンを生じさせるゾーンIIにおける工程c)の水素化反応は、80から170℃の範囲内の温度で、および好ましくは第1級アミンを形成するためにアンモニアの存在下で実施される。
ゾーンIII内で実施されたグリセロールのグリセリルカーボネートへの変換は、上述したように、長年にわたって公知であった。本プロセスを実施するために採用された解決策は、グリセロールのウレアとのエステル交換反応である。
この反応は、例えば特許US6 495 703に記載されている酸化亜鉛、またはEP0 955 298に記載されている有機金属スルフェートもしくは金属亜鉛スルフェートなどの、これ自体は公知である触媒の存在下で実施される。
1つの変形では、本プロセスは、グリセロール以外のポリオール、つまり例えば1,2−プロパンジオール(または1,2−プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオールおよびエチレングリコール(またはエタンジオール)、ならびに特にゾーンIから入手されるグリセロールの水素化反応によって入手される1,2−プロピレングリコールなどの3個の炭素原子を含むジオールのカーボネートを入手することを可能にする。この水素化反応は、当業者には周知である条件下で実施される。
幾つかの特許出願および論文は、グリセロールの水素化反応によるプロピレングリコール、プロパンジオールおよびエチレングリコールへの変換を実施するための条件について記載している。特許US5 276 181、US5 214 219、US5 616 817およびUS4 642 394ならびに以下の論文、Daniel G.Lahrら、J.Catal.232(2005),386−394、Daniel G.Lahrら、Ind.Eng.Chem.Res.(2003)42,(22),5467−5472を挙げることができる。さらに、グリセロールをプロパンジオールおよびプロピレングリコールへ変換させるために発酵プロセスを用いる経路もまた例えば以下の論文において記載されてきた。D.C.Cameronら、Biotechnology 4(1986),651,D.C.Cameronら、Biotechnol.Prog.14(1998),116。
特許US4 642 394は、タングステンおよび第VIII族金属を基剤とする可溶性触媒の存在下で有機溶剤中の合成ガス(H+CO)の作用によりグリセロールから1,2−および1,3−プロパンジオールの混合物を製造するプロセスについて記載している。
特許US5 214 219は、水性もしくはアルコール性溶剤中の亜鉛−銅不均一系触媒の存在下で、グリセロールから1,2−プロパンジオールおよびエタンジオールの混合物をグリセロールの水素化反応によって製造するプロセスについて記載している。
特許US5 616 817は、コバルト、銅、マンガンおよびモリブデンを基剤とする不均一系触媒の存在下で、グリセロールから1,2−プロパンジオールを製造するプロセスについて記載している。
プロピレンカーボネートを合成するための1,2−プロパンジオールのウレアとのエステル交換反応は、Xinqiang Zhaoらによって「Synthesis of Propylene Carbonate from Urea and 1,2−Propylene Glycol over a Zinc Acetate Catalyst」Ind.Eng.Chem.Res.,43(15),4038−4042,2004と題する論文の中で記載されている。Journal of Chemical Technology & Biotechnology in 2006の中で発表された論文における同一著者らによると、亜鉛−鉄複酸化物触媒を用いて同一反応を実施することができる。
エタンジオールのウレアとのエステル交換反応は、エチレンカーボネートの合成に関してChiyodaによる刊行物におけるChiyoda and Mitsubishi Gas Chemicalによって記載されている(ACS 212th National Meeting,August 1996,Div.Fuel Chem.Preprint,Vol.41,No.3,pp.868−872)。三菱ガス化学株式会社の特許(US5 489 702)に引用された実験データは、145℃および100mmHg下で2時間の接触時間を用いて、および酸化亜鉛触媒を用いると、エチレンカーボネートに対する選択性のために、ウレアおよびエチレングリコールと比較してウレアの97%を超える全変換率が得られることを証明している。

Claims (5)

  1. 脂肪族ニトリルおよび/またはアミンならびにポリオールカーボネートを天然油から製造するための結合プロセスであって、以下の、
    I)ライン1を経由して導入される少なくとも1つの脂肪酸のトリグリセリドを含有する天然油を、ライン2を経由して導入されるメタノールもしくは水を用いてメタノリシスもしくは加水分解するためのゾーンであって、一方では、一般式R−COOR(式中、Rは、7から21個の炭素原子を含有する飽和もしくは不飽和アルキルラジカルであり、Rはメタノリシスの場合にはCH、または加水分解の場合にはHである。)に対応する脂肪酸のメチルエステルもしくは脂肪酸を、および、他方では、ゾーンIbにおける分離後に、ライン3を経由してゾーンIIおよびライン11を経由してゾーンIIIへ各々運ばれた後にグリセロールを製造するゾーンと、
    II)脂肪族アミンを合成するためのゾーンであって、以下のa)工程I)から引き出されるエステルの加水分解によって最初にライン3を経由して導入される脂肪酸のメチルエステルを脂肪酸へ場合により変換し、水をライン5を経由して導入し、メタノールをライン6を経由して抽出する工程、b)ニトリルを形成するために、ライン3を経由して導入されるゾーンIから入手される酸もしくは脂肪酸メチルエステルまたは工程a)から入手される酸の、ライン7を経由して導入される過剰アンモニアを用いたアンモニア化反応により、過剰のアンモニアおよび生成された水がライン8を経由して抽出され、または過剰アンモニアならびに生成された水およびメタノールはライン14および/または8を経由して抽出される工程、ならびに次にc)場合によりライン10を経由してゾーンIV内へアンモニアを再循環させながら、ライン9を経由して抽出される対応するアミンを入手するために、場合によりライン17を経由して導入されるアンモニアの存在下で、工程IIb)の結果として生じる化合物のライン4を経由して導入される水素を用いた還元する工程を含むゾーンと、
    III)ライン11を経由して運ばれるグリセロール上、またはグリセロールの水素化反応による還元後に入手されるプロピレングリコールもしくはエチレングリコール上のいずれかで直接的にウレアとの反応によってポリオールカーボネートを合成するためのゾーンであって、ポリオールカーボネートはライン13を経由して抽出され、形成されたアンモニアはライン15を経由してゾーンIVへ運ばれるゾーンであって、ポリオールとウレアとの反応はアンモニアを生成するゾーンと、
    IV)ゾーンIIの工程IIbのアンモニア化のためにはライン7を経由する、および場合によりゾーンIIの工程IIcの水素化反応のためにはライン17を経由する供給材料として機能させるために、ライン15を経由してゾーンIIIから入手されるアンモニア、およびさらに反応が過剰のアンモニアを用いて実施されるゾーンIIbから入手されるライン8を経由して入手されるアンモニア、さらに場合によりゾーンIICから入手されるライン10を経由するアンモニアを回収するためのゾーンと、を含むプロセス。
  2. ゾーンIにおける反応は、式R−COOCH(式中、Rは、7から21個の炭素原子を含有する飽和もしくは不飽和アルキルラジカルである。)の化合物を入手するためのメタノリシスであることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  3. ゾーンIにおける反応は、式R−COOH(式中、Rは、7から21個の炭素原子を含有する飽和もしくは不飽和アルキルラジカルである。)の化合物を入手するための加水分解であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  4. ゾーンIから入手されてゾーンIIIへ運ばれるグリセロールは、ウレアの作用によってグリセリルカーボネートへ変換させられることを特徴とする、請求項1から3の一項に記載のプロセス。
  5. ゾーンIから入手されてゾーンIIIへ運ばれるグリセロールは、ゾーンIIIaにおいて水素の作用によって少なくとも1つのジオール、プロパンジオールおよび/またはエタンジオールへ還元させられ、プロパンジオールおよび/またはエタンジオールはウレアの作用によってプロパンジオールおよび/またはエタンジオールカーボネートへ変換させられることを特徴とする、請求項1から3の一項に記載のプロセス。
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