JP5283668B2 - ブロー成形機 - Google Patents

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Description

本発明は、ペットボトル等の樹脂製容器の成形を行なうブロー成形機において、ブロー成形機で使用された後の高圧空気の有効利用を可能にしたブロー成形機に関する。
ペットボトル等の樹脂製容器は、ブロー成形機を用いたブロー成形によって製造される。ブロー成形は、シリンダ内で樹脂を加熱溶融し、溶融樹脂をシリンダから2つの金型内に押し出し、2つの金型で挟み、溶融樹脂の内部に空気を入れることによって溶融樹脂を風船のように膨らまし容器状に成形する方法である。具体的には、まず中圧空気を溶融樹脂の内部に吹き込んでパリソンと呼ばれる円筒状の溶融樹脂とする(プレフォーム工程)。次に、パリソンの内部に高圧空気を吹き込んでパリソンを膨張させ、金型に押し付けることで、容器状に成形している(ブロー成形工程)。
図3により、ブロー成形機の一例とブロー成形の各工程の概略を説明する。図3に示すブロー成形機100において、シリンダ102の内部にホッパー104から熱可塑性樹脂の粉体Pが投入される。シリンダ102の外周には加熱ジャケット106が設けられ、この加熱ジャケット106でシリンダ102の内部は加熱され、シリンダ102内に投入された熱可塑性樹脂の粉体Pは溶融する。
シリンダ102の内部には回転軸108が設けられ、回転軸108の外周には、螺旋羽根110が取り付けられている。回転軸108はモータ112によって回転する。溶融した樹脂Pは、回転軸108の回転によって矢印a方向に押し出される。シリンダ102の一端には、ダイス型114が取り付けられており、シリンダ102の出口102aから押し出された溶融樹脂Pは、ダイス型114に設けられた流路116を通り、金型118に導入される。
流路116には高圧空気供給配管117が挿入されている。高圧空気供給配管117から例えば1MPa程度の中圧空気Aが供給されると、溶融樹脂Pは、所謂パリソンと称される円筒状の溶融樹脂Pを形成する(工程1)。この状態をプレフォームという。次に、金型118を閉じると共に、例えば2.5MPa程度の高圧空気Aを高圧空気供給配管117からパリソンPの内部に吹き込む(工程2)。これによって、パリソンP3が金型118の内部いっぱいに膨脹する(ブロー成形)。次に、樹脂製容器Pが冷えて固まったら、金型118を開いて樹脂製容器Pを取り出す。
なお、シリンダ102の回転軸108の外周には、螺旋羽根110の代わりに、回転軸108の回転によって溶融樹脂Pを矢印a方向に押し出す機能を有する多数の突起を形成するようにしてもよい。また、回転軸108の代わりに、後述する図1又は図2に示すブロー成形機にように、加圧空気によって作動するピストンを備えるようにし、このピストンによって溶融樹脂Pを出口102aから押し出すようにしてもよい。
ブロー成形では、2.0〜4.0MPaのブロー成形用高圧空気が用いられる。そのため、この高圧空気を製造するための高圧圧縮機、及び製造された高圧空気を貯蔵する高圧タンク等を介設した配管系統が必要になる。また、ブロー成形機のシリンダ作動用として、あるいはプレフォーム工程には、ブロー成形工程より低圧の約1MPa程度の中圧空気が用いられる。この中圧空気を得るために、ブロー成形用高圧空気を減圧するか、あるいは別途低圧用圧縮機を用いて中圧空気を製造する必要がある。
ブロー成形に用いられた高圧空気は、そのまま大気に排気されるか、あるいはブロー成形機駆動用の低圧空気配管系統に戻され、ブロー成形機駆動用として、再利用されていた。大型のブロー成形機で樹脂製容器を大量生産する場合、高圧空気の消費量も多くなり、容器成形の都度高圧空気を排気していると、高圧空気が無駄となり、高圧空気を製造する圧縮機の負荷も多くなり、電力消費量も増大することとなった。
高圧排気をブロー成形機駆動用として再利用する場合、ブロー成形機の駆動用回路に必要な高圧空気量は、ブロー成形機全体で必要な高圧空気量と比べて少量(10〜20%程度)であるため、他の余剰分は有効活用されずに排気されているのが現状である。
特許文献1には、延伸ブロー成形法を用いたブロー成形機が開示されている。延伸ブロー成形法とは、加熱したパリソンを金型に挿入後、延伸ロッドと呼ばれる棒でパリソンを軸方向(垂直方向)に引き伸ばしながら、加圧空気をパリソン内に吹き込んで円周方向に膨らませる方法である。特許文献1に開示されたブロー成形機には、高圧空気、中圧空気及び低圧空気の夫々の配管系統が設けられ、金型での溶融樹脂の成形工程に応じて3種類の圧力が異なる空気が金型に供給されるように構成されている。
低圧空気は、延伸ロッドによるパリソンの軸方向への延伸と所期膨脹時に使用される。次に、中圧空気及び高圧空気が順々にパリソンに吹き込まれ、パリソンが容器状に成形される。そして、ブロー成形工程で金型に吹き込まれた高圧空気は、中圧空気配管系統又は低圧空気配管系統に設けられた回収タンクに回収され、次の成形工程で低圧空気又は中圧空気として用いられる。
特許文献2に開示されたブロー成形機は、金型に高圧空気を供給する配管系統と、金型に中圧空気を供給する配管系統とが設けられ、ブロー成形が完了した樹脂製容器から流出する高圧排気を中圧空気配管系統に介設された回収タンクに戻し、次の成形工程で中圧空気として再利用する技術が開示されている。
特開平11−207808号公報 特表2008−511471号公報
特許文献1や特許文献2に開示された高圧空気の再利用手段は、中圧空気配管系統や高圧空気配管系統に回収タンクを設け、ブロー成形時に使用された高圧排気を該回収タンクに戻すようにしているため、これらの配管系統に回収タンクのみならず、高圧排気回収用の切り換え流路や切り換え弁等を設ける必要がある。そのため、配管系統が複雑化し、設備費が高コストとなる。
また、設備費が高コストとなる割りには、高圧排気の回収率がそれほど高くなく、利用効率は良くない。特許文献1(段落〔0040〕)の記載によれば、高圧排気の回収率は30%程度に留まっている。
そこで、本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、ブロー成形機で使用された後の高圧排気を従来よりさらに有効活用することを課題とする。
かかる課題を解決するため、本発明のブロー成形機は、
熱可塑性樹脂を溶融するシリンダと、溶融した熱可塑性樹脂を容器状に成形する金型と、該金型に加圧空気を吹き込む加圧空気供給配管系統とを備え、該シリンダからダイス型を介して筒状の溶融樹脂を該金型に押し出し、該溶融樹脂の内部に加圧空気を吹き込んで樹脂製容器を成形するブロー成形機において、前記樹脂製容器を成形した後の前記加圧空気の膨張エネルギーを受けて動作する動作部材、該動作部材と連動して回転する回転軸を有する容積型膨張機と、該容積型膨脹機の回転軸と連結された回生用発電機と、前記加圧空気供給配管系統と前記膨張機の入口とに接続され、前記樹脂製容器を成形した後の加圧空気の排気を前記膨張機に供給する排気供給管と、を備え、該排気供給管を介して排気される前記加圧空気の膨張エネルギーで前記膨張機の回転軸を回転させ、回生電力を発生させるようにしたものである。
本発明装置では、ブロー成形に用いられた後の加圧空気の排気を回生用発電機と連結した膨張機の入口に導入し、該加圧空気の膨張エネルギーを該発電機の回転軸を回転させる回転力に変換させるようにしたものである。これによって、金型から排出される加圧空気の排気のエネルギーをすべて発電エネルギーに変換できる。得られた回生電力は、本発明装置に組み込まれた空気圧縮機等の駆動用して利用でき、あるいは回生電力の一部を商用電源に供給してもよい。
本発明に用いられる膨張機は、容積型膨張機である。容積型膨張機とは、スクロール型膨張機のように、圧縮流体の膨張エネルギーを受けて動作する動作部材によって閉鎖された膨張室を形成する膨張機であり、あるいはスクリュー型膨張機のように、閉鎖された膨張室に動作部材が配置された膨張機を指す。
容積型膨張機は、容積型膨張機の上流側(入口)と下流側(出口)との加圧空気の圧力差を効率良く回転力に変換でき、タービン型膨張機等の非容積型膨張機と比べて、効率良く発電機を駆動するための回転力(動力)を得ることができる。特に、スクロール型膨張機は、小規模な設備で、かつ小さな動力で駆動して、効率良く回生電力を得ることができるため、本発明装置に用いられて最適である。
本発明装置において、膨張機の出口と前記加圧空気供給配管系統と接続、膨張機で膨張した後の大気圧近傍の冷却空気を該加圧空気供給配管系統に戻す排気戻し管を備えるとよい。
膨張機で膨張した後の空気は、大気圧に近い圧力となるが、大気圧よりわずかに高い残圧を有しているため、本発明装置では、膨張後の排気をブロー成形機の加圧空気供給配管系統に戻すようにするとよい。加圧空気供給配管系統に戻された空気は、加圧空気供給配管系統に設けられた空気圧縮機によって圧縮され、再び加圧空気として利用できる。このように、膨張機で膨張後の空気は、わずかな残圧を有するため、大気と比べて圧縮効率を向上できる。
スクロール膨張機で膨張した後の空気は、膨張過程で冷却されているため、ブロー成形機の加圧空気供給配管系統に戻されたとき、該加圧空気供給配管系統を流れる高温となった加圧空気を冷却する作用を有する。そのため、加圧空気供給配管系統における加圧空気の圧縮効率を向上できる。
本発明装置において、ブロー成形機の加圧空気供給配管系統、排気供給管及び排気戻し管が、外部への空気漏れのない閉回路で構成されているとよい。溶融樹脂は加熱され溶融したとき、毒性のある有機溶剤が揮発する。この有機溶剤が溶融樹脂の成形過程で金型に吹き込まれた加圧空気に混入する。そのため、加圧空気供給配管系統、排気供給管及び排気戻し管を閉回路とすることで、毒性のある有機溶剤が大気に放散するのを防止できる。
また、本発明装置において、加圧空気供給配管系統が、金型に第1の加圧空気をプレフォーム形成用として供給する第1の加圧空気供給配管系統と、第1の加圧空気より高圧の第2の加圧空気をプレフォームされた溶融樹脂のブロー成形時に金型に供給する第2の加圧空気供給配管系統とからなり、排気戻し管に戻された排気空気を第1の加圧空気と同等の圧力まで加圧して第1の加圧空気供給配管系統に供給する第1空気圧縮機と、該第1空気圧縮機で加圧された加圧空気を前記第2の加圧空気と同等の圧力まで加圧して第2の加圧空気供給配管系統に供給する第2空気圧縮機と、を備えているとよい。
これによって、膨張機で膨脹した後の大気圧近傍の空気を、ブロー成形機のシリンダ駆動用又は溶融樹脂の各成形工程に利用できる圧力に調整できる。そのため、すべての排気空気を再利用可能になる。また、排気空気を一旦第1空気圧縮機で圧縮した後、一部の加圧空気のみを第2空気圧縮機で圧縮するようにしているので、大きな動力を要する第2空気圧縮機の動力を低減でき、ランニングコストを低減できる利点がある。
本発明装置によれば、熱可塑性樹脂を溶融するシリンダと、溶融した熱可塑性樹脂を容器状に成形する金型と、該金型に加圧空気を吹き込む加圧空気供給配管系統とを備え、該シリンダからダイス型を介して筒状の溶融樹脂を該金型に押し出し、該溶融樹脂の内部に加圧空気を吹き込んで樹脂製容器を成形するブロー成形機において、前記樹脂製容器を成形した後の前記加圧空気の膨張エネルギーを受けて動作する動作部材、該動作部材と連動して回転する回転軸を有する容積型膨張機と、該容積型膨脹機の回転軸と連結された回生用発電機と、前記加圧空気供給配管系統と前記膨張機の入口とに接続され、前記樹脂製容器を成形した後の加圧空気の排気を前記膨張機に供給する排気供給管と、を備え、該排気供給管を介して排気される前記加圧空気の膨張エネルギーで前記膨張機の回転軸を回転させ、回生電力を発生させるようにしたので、ブロー成形後のすべての加圧空気の排気が保有する膨張エネルギーを発電機で回生された電力に変換できる。
そして、その回生電力をブロー成形機又は加圧空気供給配管系統に設けられた圧縮機等の動力として、あるいは他の用途に利用できるようになり、ブロー成形機等のランニングコストを大幅に節減できる。
本発明装置の第1実施形態の系統図である。 本発明装置の第2実施形態の系統図である。 一例としてのブロー成形機の構成及び樹脂製容器の成形工程を示す説明図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
本発明装置の第1実施形態に係るブロー成形機を図1に基づいて説明する。図1に示すブロー成形機10Aにおいて、シリンダ12は、加圧空気によってピストン14を作動させ、溶融樹脂Pをシリンダ12から管路16に押し出す方式のシリンダである。シリンダ12から押し出された溶融樹脂Pは、ダイス型18の内部に設けられた流路を通り、金型19に導入される。一方、例えば2.5MPaの高圧空気(第2の加圧空気)が貯留された高圧タンク20と、例えば1.0MPaの中圧空気(第1の加圧空気)が貯留された中圧タンク22とが設けられている。これらタンクに夫々圧力計24,26が設けられている。
中圧タンク22から中圧空気管路28を通って中圧空気がシリンダ12に供給され、シリンダ12の内部に設けられたピストン14を駆動する。ピストン駆動後の中圧空気は、管路30に排気され、この排気空気は、後述する高圧空気圧縮機52(第2空気圧縮機)の吸入部に送られる。また、プレフォーム形成工程(図3の工程1)で、中圧タンク22から中圧空気管路32を通って中圧空気が金型19に供給される。次に、樹脂製容器Pの成形工程(図3の工程2)で、高圧タンク20から逆止弁36が介設された高圧空気管路34を通って金型19に高圧空気が供給される。こうして、樹脂製容器Pが製造される。
中圧空気管路32は高圧排気供給管路38と接続され、高圧排気供給管路38は、スクロール膨張機40の固定スクロール42及び旋回スクロール44の螺旋状のラップ同士が噛み合って形成される膨張室Eの入口42aに接続されている。旋回スクロール44の背面には回転軸46が連結され、回転軸46は旋回スクロール44の公転運動に連動して回転する。回転軸46が回転することによって、回生用発電機48のロータが回転し、電力が発生する。
樹脂製容器Pが製造された後、金型からダイス型18を経て排気される高圧排気は、中圧空気管路32及び高圧排気供給管路38を経てスクロール膨張機40の膨張室Eに供給される。膨張室Eに供給された高圧排気は、その膨張エネルギーによって旋回スクロール44を公転させる。旋回スクロール44が公転すると、回転軸46が回転し、回生用発電機48で電力が発生する。膨張エネルギーを放出した後の高圧排気は、大気圧に近い圧力となって膨張室Eの出口42bに接続された排気戻し管路50に排気される。
排気戻し管路50の他端は高圧空気圧縮機52に接続されている。高圧空気圧縮機52に戻された排気は2.5MPaの高圧に圧縮される。2.5MPaに圧縮された高圧空気は、管路54を経て高圧タンク20に送られると共に、絞り弁等の減圧機構58が介設された管路56に送られ、減圧機構58によって約1MPaに減圧された後、中圧タンク22に送られる。中圧タンク22に貯留された中圧空気は、中圧空気管路28を介してシリンダ12に送られ、ピストン14を駆動する。
本実施形態では、高圧空気、中圧空気、高圧排気等が流れるすべての配管系統及びこの配管系統に介設された機器類は、閉回路となっており、内部の空気が外部に漏れないように構成されている。
本実施形態によれば、溶融樹脂Pのブロー成形時に金型に供給された高圧排気を、スクロール膨張機40の膨張室Eに供給し、回転軸46を回転させて、回生用発電機48による電力を回生させるので、該高圧排気のもつ膨張エネルギーをすべて電力に変換できる。
そのため、その回生電力をブロー成形機10A又は高圧空気供給配管系統に設けられた高圧圧縮機52等の動力として利用できるようになり、ブロー成形機10Aのランニングコストを大幅に節減できる。
本実施形態では、膨張機としてスクロール膨張機を用いているので、上流側(入口)と下流側(出口)との高圧空気の圧力差を効率良く回転力に変換でき、タービン型膨張機等の非容積型膨張機と比べて、効率良く発電機を駆動するための回転力(動力)を得ることができる。特に、スクロール型膨張機は、小規模な設備で、かつ小さな動力で駆動して、効率良く回生電力を得ることができる。
また、スクロール膨張機40の膨張室Eから排気された空気は、大気圧に近い圧力となるが、わずかな残圧を有しているため、排気戻し管路50に戻し、高圧空気圧縮機52で圧縮するとき、大気空気を圧縮する場合と比べて、圧縮効率を向上できる。
また、膨張室Eで膨張した後の排気空気は、膨張過程で冷却されているため、ブロー成形機10Aの高圧空気供給配管系統に戻されたとき、高圧空気供給配管系統内で圧縮され高温となった高圧空気を冷却する作用を有する。そのため、高圧空気供給配管系統に設けられた高圧圧縮機52の圧縮効率を向上できる。
また、高圧空気、中圧空気、高圧排気等が流れるすべての配管系統及びこの配管系統に介設された機器類は、閉回路となっており、内部の空気が外部に漏れないように構成されているので、ブロー成形の過程で溶融樹脂Pから放散される毒性のある有機溶剤が外部に漏れない。
本実施形態のブロー成形機10Aが2,000リットル/分の圧縮空気を使用する小型ブロー成形機であり、かつスクロール膨張機40が5kWの発電用スクロール膨張機であり、使用圧縮空気の60%を回収し、そのうち10%をシリンダ12の駆動用として用いたとする。この場合、1,000リットル/分程度の高圧空気を前記スクロール膨張機の膨張室に供給できる。そのため、電気料金を17円/kW・hとし、年間稼動時間を6,000時間とすると、17円×5kW×6,000h=510,000円分の電力を回生できる。
(実施形態2)
次に、本発明装置の第2実施形態を図2により説明する。本実施形態では、シリンダ12から管路30に排気された排気空気、及びスクロール膨張機40から排気戻し管路50に排気された排気空気は、低圧空気圧縮機(第1空気圧縮機)60に供給される。低圧空気圧縮機60で約1MPaに圧縮された中圧空気の一部が管路62を経て高圧空気圧縮機52に送られると共に、残りの中圧空気は管路64を経て中圧タンク22に送られる。高圧空気圧縮機52に送られた中圧空気は、高圧空気圧縮機52で2.5MPa程度の高圧空気に圧縮された後、管路66を経て高圧タンク20に送られる。その他の構成は、前記第1実施形態と同一であり、同一の機器又は同一部位には同一符号を付している。
本実施形態によれば、第1実施形態によって得られる作用効果に加えて、スクロール膨張機40で膨脹した後の大気圧近傍の空気を、ブロー成形機10Aのシリンダ12の駆動用又は溶融樹脂Pの各成形工程に利用できる圧力に調整できる。そのため、すべての排気空気を再利用可能になる。また、排気空気を一旦低圧空気圧縮機60で圧縮した後、一部の中圧空気のみを高圧空気圧縮機52で圧縮するようにしているので、大きな動力を要する高圧空気圧縮機52の動力を低減でき、第1実施形態と比べて、ランニングコストを低減できる利点がある。
本発明によれば、ブロー成形機から排気された高圧空気で電力を発生させ、この電力をブロー成形機又は他の用途に利用することで、ブロー成形機等のランニングコストを大幅に削減できる。
10A、10B、100 ブロー成形機
12,102 シリンダ
14 ピストン
16,30,56,62,66,116 管路
18,114 ダイス型
19,118 金型
20 高圧タンク
22 中圧タンク
24,26 圧力計
28,64 中圧空気管路
32 中圧空気管路(第1の高圧空気供給配管系統)
34 高圧空気管路(第2の高圧空気供給配管系統)
36 逆止弁
38 高圧排気供給管路
40 スクロール膨張機
42 固定スクロール
44 旋回スクロール
46,108 回転軸
48 回生用発電機
50 排気戻し管路
52 高圧空気圧縮機(第2空気圧縮機)
54 高圧空気管路
58 減圧機構
60 低圧空気圧縮機(第1空気圧縮機)
104 ホッパー
106a 加熱ジャケット
110 螺旋羽根
112 モータ
117 高圧空気供給配管
E 膨張室
熱可塑性樹脂粉体
溶融樹脂
パリソン
樹脂製容器

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂を溶融するシリンダと、溶融した熱可塑性樹脂を容器状に成形する金型と、該金型に加圧空気を吹き込む加圧空気供給配管系統とを備え、該シリンダからダイス型を介して筒状の溶融樹脂を該金型に押し出し、該溶融樹脂の内部に加圧空気を吹き込んで樹脂製容器を成形するブロー成形機において、
    前記樹脂製容器を成形した後の前記加圧空気の膨張エネルギーを受けて動作する動作部材、該動作部材と連動して回転する回転軸を有する容積型膨張機と、
    該容積型膨脹機の回転軸と連結された回生用発電機と、
    前記加圧空気供給配管系統と前記膨張機の入口とに接続され、前記樹脂製容器を成形した後の加圧空気の排気を前記膨張機に供給する排気供給管と、を備え、
    該排気供給管を介して排気される前記加圧空気の膨張エネルギーで前記膨張機の回転軸を回転させ、回生電力を発生させるようにしたことを特徴とするブロー成形機。
  2. 前記膨張機の出口と前記加圧空気供給配管系統とを接続し、膨張機で膨張した後の大気圧近傍の冷却空気を該加圧空気供給配管系統に戻す排気戻し管を備えていることを特徴とする請求項1に記載のブロー成形機。
  3. 前記加圧空気供給配管系統、前記排気供給管及び排気戻し管が、外部への空気漏れのない閉回路で構成されていることを特徴とする請求項2に記載のブロー成形機。
  4. 前記加圧空気供給配管系統が、前記金型に第1の加圧空気をプレフォーム形成用として供給する第1の加圧空気供給配管系統と、前記第1の加圧空気より高圧の第2の加圧空気をプレフォームされた溶融樹脂のブロー成形時に金型に供給する第2の加圧空気供給配管系統とからなり、
    前記排気戻し管に戻された排気空気を前記第1の加圧空気と同等の圧力まで加圧して前記第1の加圧空気供給配管系統に供給する第1空気圧縮機と、該第1空気圧縮機で加圧された加圧空気を前記第2の加圧空気と同等の圧力まで加圧して前記第2の加圧空気供給配管系統に供給する第2空気圧縮機と、を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載のブロー成形機。
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