JP5283082B2 - 木材乾燥装置 - Google Patents
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Description
乾燥には、木材を放置して乾燥させる自然乾燥の他に、木材を蒸気で加熱して乾燥する蒸気乾燥の方法がある。
自然乾燥は乾燥時間が長くなり、また、蒸気乾燥は木材の表面から加熱するため、内部との偏乾燥が生じ、短時間乾燥には有利であるが、柱や丸太のように肉厚のある木材の場合には割れが生じることがある。
図6はこの種の木材乾燥装置の一例を示す簡略図で、この木材乾燥装置は、木材10を搬入するシールドケース11と、シールドケース11内の木材10にマイクロ波電力を照射する照射アンテナ12と、照射アンテナ12にマイクロ波電力を供給するマイクロ波電源13と、シールドケース11の底部に配設され、木材10を搬入、搬出する移動コンベア14とを備えている。
ケースユニット15は、両端を開放した角筒状で、マイクロ波電力が漏れないように連結してシールドケース11を構成している。
シールドケース11は両端を開口して出入口16となっているが、木材10を入れてマイクロ波電力を照射している状態で、マイクロ波電力が外方に漏れないいようにするため、これら出入口16には開閉扉17が設けてある。
マイクロ波電源13はマグネトロンから出力されたマイクロ波電力を導波管19を介して照射アンテナ12に供給される。
また、照射アンテナ12は、シールドケース11内の木材10の移送方向に離して複数配設し、木材10の上から一定の間隔でマイクロ波電力を照射するように電源室18に下向きに開口されている。
これに対し、木材10の裏側は、シールドケース11の底板金属壁の反射波と移送コンベア14の反射波だけが木材10に照射されて加熱乾燥される。
そこで、この木材乾燥装置では、移送コンベア13を動作させて木材10を前後に往復運動させる構成を採用しているが、しかし、この往復運動構成では上記した木材10の上部と下部の偏乾燥(加熱ムラ)の問題については解決することができない。
つまり、この特性を用いれば、木材10の長さ方向にマイクロ波電界の指向性を一致させることができるから、加熱効率を上げることができる。
しかしながら、このような特徴を採用しても上記したところの木材10の上部と下部の偏乾燥の問題は解決することができない。
木材10の偏乾燥は、木材10の反りや割れなどに繋がる致命的な問題となる。
さらに、前記したローラーコンベアの上方と下方となる前記アプリケータの内面部所にはマイクロ波電力の照射アンテナを設け、これらの照射アンテナは、アプリケータの壁面に向かってマイクロ波電力を照射する構成としたことを特徴とする木材乾燥装置を提案する。
したがって、ローラーコンベアの上方と下方の各々の照射アンテナから直接照射された強い電界強度を含むマイクロ波電力がアプリケータの壁面で反射されて弱められて均一化されるので、その反射波(多重反射波を含む)が木材に照射されることから、木材の加熱ムラが改善され、全体的に均一した乾燥が可能になる。
また、ローラーコンベアの上方と下方とにマイクロ波電力を供給するので、木材の上部と下部とにバランス良くマイクロ波電力(反射波)が照射し、木材の上部と下部の偏乾燥が改善される。
したがって、第2、第3の発明の木材乾燥装置においても、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
図1は、第1実施形態の木材乾燥装置を示す平面図、図2は図1上のA−A線拡大断面図、図3は図2上のB−B線に沿って切断した木材乾燥装置の断面図である。
すなわち、マイクロ波発振器22aは、マイクロ波電力を発振するマグネトロン24aを備え、マグネトロン24aのアンテナが高周波結合器25aに挿入されている。
導波管23aの先端側は、アプリケータ21の左壁21bの上部部所に連結してある。
すなわち、アプリケータ21の内側から左壁21bの上部部所に取り付ける照射アンテナ26aに接続固定してある。
具体的には、照射アンテナ26aには、照射面の垂直方向がアプリケータ21の天井壁21aに向かう構成とした照射部が設けてある。
なお、その他の導波管23b〜23dについても上記同様に構成した照射アンテナ26b〜26d(照射アンテナ26b、26cは図示省略)に接続固定してある。
すなわち、マイクロ波発振器27cは、マイクロ波電力を発振するマグネトロン29cを備え、マグネトロン29cのアンテナが高周波結合器30cに挿入されている。
導波管28cの先端側は、アプリケータ21の右壁21bの下部部所に連結してある。
すなわち、アプリケータ21の内側から右壁21bの下部部所に取り付ける照射アンテナ31cに接続固定してある。
具体的には、照射アンテナ31cには、照射面の垂直方向がアプリケータ21の底板壁21cに向かう構造とした照射部が設けてある。
なお、その他の導波管28a、28b、28dについても上記同様に構成した照射アンテナ31a、31b、31dに接続固定してある。
そして、このアプリケータ21の搬入口には上下方向に移動する搬入シャッター扉32を設け、同様に搬出口には上下方向に移動する搬出シャッター扉33を設けてマイクロ波電力の漏洩を防止する構成としてある。
このローラーコンベア34は、アプリケータ21の四辺形断面に対する上下方向のほぼ中央位置として多数のローラーを長形方向に配列した構成としてある。
具体的には、乾燥が想定される最大径の木材20の根本側がアプリケータ21内のほぼ中央となるように、ローラーコンベア34のローラー位置(高さ)を設定することが好ましい。
続いて、搬入シャッター扉32を閉めた後、各マイクロ波発振器22a〜22d、27a〜27dを運転して木材20の乾燥工程に移る。
なお、本実施形態の木材乾燥装置によれば、乾燥工程中に木材20を前後に往復移動させたり、回転させたりしなくとも効率良く乾燥させることができる。
乾燥工程の終了後は、搬出シャッター扉33を開けて木材20をアプリケータ21外に搬出する。
本実施形態は、図示するように、アプリケータ21の天井壁21aの表面に4台のマイクロ波発振器22a、22b、22c、22dを備え、これらマイクロ波発振器22a〜22dが各々の導波管23a、23b、23c、23dを介してアプリケータ21の天井壁21aに連結して構成した点に特徴があり、その他は上記した第1実施形態の木材乾燥装置と同じ構成となっている。
すなわち、マイクロ波発振器22aは、マイクロ波電力を発振するマグネトロン24aを備え、マグネトロン24aが出力するマイクロ波電力が高周波結合器25aを介して導波管23aに結合され、マイクロ波電力が導波管23aを通してアプリケータ21内に供給される。
すなわち、アプリケータ21の内側から天井壁21aに取り付ける照射アンテナ26aに接続固定してある。
また、本実施形態では、照射アンテナ26aはマイクロ波電力の照射方向がアプリケータ21の左壁21b側に傾斜するようになっている。
具体的には、照射アンタナ26aには、照射面の垂直方向がアプリケータ21の左壁21bに向かう構成とした照射部が設けてある。
なお、その他の導波管23b〜23dについても上記同様に構成した照射アンテナ26b〜26d(照射アンテナ26b、26cは図示省略)に接続固定してある。
下側の照射アンテナ31a〜31dから照射するマイクロ波電力については第1実施形態と同様となる。
21 アプリケータ
21a 天井壁
21b 左右壁
21c 底板壁
22a〜22d マイクロ波発振器
26a〜26d マイクロ波電力の照射アンテナ
27a〜27d マイクロ波発振器
31a〜31d マイクロ波電力の照射アンテナ
34 ローラーコンベア
Claims (3)
- マイクロ波電力を木材に照射して乾燥させる木材乾燥装置において、
木材を搬入してマイクロ波電力を照射するアプリケータには、木材を載せて移動するコンベアを備え、
このコンベアは、アプリケータ内の上下方向の中央位置或いは中央位置から上方又は下方に幾分離した位置を木材の移動通路とするローラーコンベアによって構成し、
さらに、前記したローラーコンベアの上方と下方となる前記アプリケータの内面部所にはマイクロ波電力の照射アンテナを設け、
これらの照射アンテナは、アプリケータの壁面に向かってマイクロ波電力を照射する構成としたことを特徴とする木材乾燥装置。 - 請求項1に記載した木材乾燥装置において、
前記アプリケータは、天井壁、左右壁、底板壁からなる四辺形断面の長形箱状体として形成し、このアプリケータ内の四辺形断面のほぼ中段に沿った長形方向に複数のローラーを設けたローラーコンベアを配設し、
さらに、前記ローラーコンベアのローラーの上方と下方となるアプリケータの左右壁各々にマイクロ波電力の照射アンテナを設け、
上方の照射アンテナは天井壁面に向かって、下方の照射アンテナは底板壁に向かってマイクロ波電力を照射させる構成としたことを特徴とする木材乾燥装置。 - 請求項1に記載した木材乾燥装置において、
前記アプリケータは、天井壁、左右壁、底板壁からなる四辺形断面の長形箱状体として形成し、このアプリケータ内の四辺形断面のほぼ中段に沿った長形方向に複数のローラーを設けたローラーコンベアを配設し、
さらに、前記ローラーコンベアのローラーの上方となるアプリケータの天井壁と前記ローラーコンベアのローラー下方となるアプリケータの左右壁各々にマイクロ波電力の照射アンテナを設け、
天井壁に設けた照射アンテナはアプリケータの側壁に向かって、ローラーコンベアの下方の照射アンテナは底板壁に向かってマイクロ波電力を照射させる構成としたことを特徴とする木材乾燥装置。
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