JP5282182B1 - 加圧式多室型回転濾過機及びその運転方法 - Google Patents

加圧式多室型回転濾過機及びその運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5282182B1
JP5282182B1 JP2013513457A JP2013513457A JP5282182B1 JP 5282182 B1 JP5282182 B1 JP 5282182B1 JP 2013513457 A JP2013513457 A JP 2013513457A JP 2013513457 A JP2013513457 A JP 2013513457A JP 5282182 B1 JP5282182 B1 JP 5282182B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filtration
chamber
gas
rotary filter
filtrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013513457A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014049791A1 (ja
Inventor
昭男 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd filed Critical Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP5282182B1 publication Critical patent/JP5282182B1/ja
Publication of JPWO2014049791A1 publication Critical patent/JPWO2014049791A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D33/00Filters with filtering elements which move during the filtering operation
    • B01D33/06Filters with filtering elements which move during the filtering operation with rotary cylindrical filtering surfaces, e.g. hollow drums
    • B01D33/073Filters with filtering elements which move during the filtering operation with rotary cylindrical filtering surfaces, e.g. hollow drums arranged for inward flow filtration
    • B01D33/09Filters with filtering elements which move during the filtering operation with rotary cylindrical filtering surfaces, e.g. hollow drums arranged for inward flow filtration with surface cells independently connected to pressure distributors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/43Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change of the physical state, e.g. crystallisation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

スラリーを濾過して結晶成分を効率よく且つ純度よく回収することができる加圧式多室型回転濾過機を提供する。
本発明の加圧式多室型回転濾過機10は、外周に複数の濾過室11Aを有する回転ドラム11、回転ドラム11の回転軸13A、13Bと駆動機構15、スラリー用のバット16、及びハウジング17を備え、濾過室11Aの下面の長手方向に沿って濾液を排出するために配列された複数の孔と濾過室11Aに対応して回転軸13Aに濾液を排出するために形成された第1の流路11Cを接続する第1の連通管11Bと、濾過室11Aの下面の回転軸13B寄りに設けられた孔と濾過室11Aに対応して回転軸13Bに第1の連通管11Cに残存する濾液を排除するために形成された第2の流路11Eを接続する第2の連通管11Dと、複数の第1、2の流路11C、11Eを開閉するためにそれぞれ切り換える第1、2の切換バルブ18A、18Bと、を備えている。

Description

本発明は、回転濾過機及びその運転方法に関し、更に詳しくは、例えばテレフタル酸等の反応生成物を結晶成分として含む酢酸溶媒を濾過して結晶成分を効率よく回収することができ、しかもその濾過システムを低コストで構築することができる加圧式多室型回転濾過機及びその運転方法に関する。
例えばテレフタル酸は、酢酸溶媒中でp−キシレンを高温、高圧下で酸化することによって製造することができる。酸化反応によって得られるテレフタル酸は、更に酢酸溶媒中で晶析され、所定の温度、圧力まで下げ、テレフタル酸は濾過システムによって結晶成分として回収され、酢酸溶媒は濾液として回収される。以下では、テレフタル酸を結晶成分として含む酢酸溶媒をスラリーとして説明する。
スラリーを濾過する際には、例えば図10に示す真空式単室型回転濾過機が用いられている。この真空式単室型回転濾過機は、図10に示すように、両端面が封止され周面に多数の濾液孔が形成された、可変減速機(図示せず)によって回転駆動する回転ドラム1と、この回転ドラム1を回転可能に軸支するセンターパイプ2と、回転ドラム1の下方に配設された原液バット3とを備えている。回転ドラム1の外周面には濾過部として、図示しないフィルターブリッジを介して濾布が張設され、回転ドラム1の下部が原液バット3に満たされた原液スラリーS内に浸漬されて濾過領域を形成し、回転ドラム1が回転する間に濾過領域で濾布表面に原液スラリーSの結晶成分からなるケーキ層が形成されると共に反応溶媒が濾布を透過して濾液として回転ドラム1内に入り、センターパイプ2に接続された濾液管4により回転ドラム1内の濾液を図示しない真空装置によって吸引して機外へ導出する。
また、回転ドラム1内には、例えば四フッ化エチレン樹脂等の合成樹脂からなるバルブシュー5がセンターパイプ2の軸方向に沿って複数配設され、回転ドラム1の内周面に細隙を介して摺接している。このバルブシュー5の上部と下部には細幅の第1、第2スリットが回転ドラム1の軸方向に沿って形成され、これらのスリットから窒素ガス等のブローガスを吹き出して回転ドラム1からケーキ層を剥離した後に、回転ドラム1を洗浄してその目詰まりを解消している。真空式単室型回転濾過機は処理能力に優れているため、汎用されている。尚、C'は回転ドラム1から剥離されたケーキ状の結晶成分である。
しかしながら、真空式単室型回転濾過機では、酸化反応後に圧力を常圧に戻した後、85〜95℃の温度下で減圧濾過を行っているため、濾過時にスラリーの温度が低下し、反応溶媒中に溶解しているテレフタル酸の副生成物や金属触媒等の不純物が析出して結晶成分の純度が低下し、また、濾布が目詰まりしたり系内にスケールを形成したりする。そのため、たびたび真空式単室型回転濾過機を止めて内部清掃等のメンテナンスを行う必要があり、濾過システムの稼働効率が必ずしも良くはなかった。また、真空式単室型回転濾過機は、回転ドラム1の内部に回転ドラム1との間に細隙を介してバルブシュー5が設置されているため、回転ドラム1には厳しい真円度が要求される。そこで、回転ドラム1の真円度を出すための切削加工が必要になり、それだけ真空式単室型回転濾過機自体の製造コストが高くなっていた。
一方、特許文献1においてテレフタル酸を回収する濾過システムが提案されている。この濾過システムでは、加圧フィルタ装置を用いて、酢酸の常圧沸点より高い高温下(例えば、110〜160℃)で、高圧(2〜5バール)に加圧し、高温、高圧下でスラリーを濾過してテレフタル酸の結晶成分を回収した後、やはり0〜5バールの圧力下で乾燥機を用いて結晶成分を乾燥している。この濾過システムでは、上述のように高温、加圧下でスラリーの濾過を行うため、反応副生成物や金属触媒等の不純物の析出を抑制することができ、加圧フィルタ装置の目詰まりを抑制し、メンテナンス回数を減らすことができる。
しかしながら、この濾過システムでは、濾過時の温度が酢酸溶媒の常圧沸点より高く設定されるため、圧力フィルタ装置に通常使用されるステンレス等の鋼材は、常圧沸点まで加熱された酢酸溶媒に対する耐食性に問題があり、ステンレス等の鋼材を使用することができず、高価な耐食性材料を使わざるを得ず、その場合には圧力フィルタ装置の製造コストが格段に高くなる。しかも、結晶成分の乾燥工程でも圧力フィルタ装置内に準じた高い圧力を維持しているため、濾過工程及び乾燥工程を高い圧力環境に維持しなくてはならず、大量のガスが必要になり運転コストも高くなる問題があった。
WO2011/144935
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、例えば化学反応によって生成する結晶成分を含む反応溶媒(スラリー)を濾過して不純物の混入を抑制し結晶成分を効率よく回収することができ、しかも濾過システムを低コストで構築することができる加圧式多室型回転濾過機及びその運転方法を提供することを目的としている。
本発明の請求項1に記載の加圧式多室型回転濾過機は、外周面に沿って所定の幅で軸方向に細長形状に区画形成された複数の濾過室を有する回転ドラムと、上記回転ドラムの両側面の中心を貫通するセンター軸と、上記センター軸の両端部にそれぞれ設けられた左右一対の回転軸と、上記各回転軸を介して上記回転ドラムを回転させる駆動機構と、上記回転ドラムの下方に配置され且つ結晶成分を含む反応溶媒をスラリーとして受ける容器と、上記回転ドラムと上記容器を収納し密閉空間を形成するハウジングと、を備え、上記複数の濾過室の一部を上記容器内のスラリーに浸漬し、上記複数の濾過室を介して上記スラリーを濾過して上記結晶成分を回収する加圧式多室型回転濾過機であって、上記濾過室の内側の面の長手方向に沿って濾液を排出するために設けられた複数の孔と上記濾過室に対応して上記一方の回転軸にその軸方向に沿って濾液を排出するために形成された第1の流路を接続する第1の連通管と、上記濾過室の内側の面の上記他方の回転軸寄りの端部に設けられた孔と上記濾過室に対応して上記他方の回転軸にその軸方向に沿って上記第1の連通管に残存する濾液を排除するために形成された第2の流路とを接続する第2の連通管と、上記複数の濾過室それぞれからの濾過に合わせて複数の第1の流路を開閉のために同時に切り換える第1の切換バルブと、
上記複数の濾過室それぞれからの濾過に合わせて複数の第2の流路を開閉のために同時に切り換える第2の切換バルブと、を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載の加圧式多室型回転濾過機は、請求項1に記載の発明において、上記第2の流路及び上記第2の連通管は、少なくとも上記第1の連通管及び上記第1の流路に残る濾液を押し出すためのガスを供給するガス供給手段として構成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に記載の加圧式多室型回転濾過機は、請求項1または請求項2に記載の発明において、上記第1の流路及び第1の連通管は、上記第2の連通管及び上記第2の流路を介して上記ケーキ層を剥離するためのガスを供給するガス供給手段として構成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の加圧式多室型回転濾過機を運転する方法であって、所定のガスを結晶成分を含む反応溶媒の常圧沸点より低く上記結晶成分の不純物が析出し難い所定の温度まで加熱して上記加圧式多室型回転濾過機のハウジング内へ供給し、上記ハウジング内の上記ガスを上記所定の温度に調節すると共に上記ハウジング内の圧力を大気圧より高い所定の圧力に調節する第1の工程と、上記所定の温度に調節した上記結晶成分を含む反応溶媒をスラリーとして上記加圧式多室型回転濾過機の容器内へ供給する第2の工程と、上記ハウジング内の上記ガスの圧力との差圧に基づいて上記スラリーを上記加圧式多室型回転濾過機の複数の濾過室で濾過して上記複数の濾過室の濾過面に上記結晶成分をケーキ層として堆積させる第3の工程と上記各濾過室内に上記ガスを供給して上記ケーキ層を剥離させて上記結晶成分を回収する第4の工程と、を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法は、請求項4に記載の発明において、上記第3の工程は、上記加圧式多室型回転濾過機の第2の流路及び第2の連通管を介して上記濾過室内へ上記ガスを供給し、少なくとも上記第1の連通管及び第1の流路に残存する濾液を上記ガスの圧力で排出する工程と、上記ケーキ層に洗浄水を噴射して上記ケーキ層を洗浄する工程と、上記第2の流路及び上記第2の連通管を介して上記濾過室内へ上記ガスを供給し、少なくとも上記第1の連通管及び第1の流路に残存する洗浄濾液を排出する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法は、請求項4または請求項5に記載の発明において、上記第4の工程では、上記第1の流路及び上記第1の連通管を介して上記ガスを上記濾過室内へ供給し、上記濾過室から上記ケーキ層を剥離することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項7に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法は、請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の発明において、上記ハウジングに供給される上記ガスを循環使用することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項8に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法は、請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の発明において、上記ハウジングに供給される上記ガスを外部へ放出することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項9に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法は、請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載の発明において、上記スラリーの温度を、95〜109℃に調節することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項10に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法は、請求項4〜請求項9のいずれか1項に記載の発明において、上記ハウジング内の上記ガスの圧力を、0.05〜0.19MpaGに調節することを特徴とするものである。
本発明によれば、例えば化学反応によって生成する結晶成分を含む反応溶媒(スラリー)を濾過して不純物の混入を抑制し結晶成分を効率よく回収することができ、しかも濾過システムを低コストで構築することができる加圧式多室型回転濾過機及びその運転方法を提供することができる。
本発明の加圧式多室型回転濾過機を用いる濾過システムの一実施形態を示すブロック図である。 (a)、(b)は、それぞれ図1に示す加圧式多室型回転濾過機におけるスラリーの濾過開始時の工程を示す図で、(a)は回転ドラムの軸芯と直交する方向の断面図、(b)は回転ドラムの軸芯を通る要部断面図である。 (a)、(b)は、それぞれ図2に示す濾過工程に続く工程を示す図で、図2の(a)、(b)に相当する断面図である。 (a)、(b)は、それぞれ図3に示す第1回目の脱液工程に続く工程を示す図で、図3の(a)、(b)に相当する断面図である。 (a)、(b)は、それぞれ図4に示す第1回目のスポットブロー工程に続く工程を示す図で、図4の(a)、(b)に相当する断面図である。 (a)、(b)は、それぞれ図5に示す洗浄工程に続く工程を示す図で、図5の(a)、(b)に相当する断面図である。 (a)、(b)は、それぞれ図6に示す第2回目の脱液工程に続く工程を示す図で、図6の(a)、(b)に相当する断面図である。 (a)、(b)は、それぞれ図7に示す第2回目のスポットブロー工程に続く工程を示す図で、図6の(a)、(b)に相当する断面図である。 本発明の加圧式多室型回転濾過機を用いる濾過システムの他の実施形態を示すブロック図である。 従来の濾過システムに用いらる単室型真空式回転濾過機の一例を示す断面図である。
以下、本発明の加圧式多室型回転濾過機を用いる濾過システムについて図1〜図9を参照しながら説明する。
本実施形態の加圧式多室型回転濾過機10は、例えば図1に示す濾過システムの主要部として構成されている。この濾過システムは、例えばテレフタル酸の製造プラントの一部として構成されている。この濾過システムは、図1に示すように、加圧式多室型回転濾過機10と付帯設備100を備え、例えばp−キシレンの酸化反応で得られるテレフタル酸を結晶成分として含む酢酸溶媒を低い加圧下で濾過し、テレフタル酸の結晶成分とその反応溶媒である酢酸溶媒を回収するように構成されている。酸化反応で得られたテレフタル酸を結晶成分として含む酢酸溶媒は、スラリーとして取り扱われる。本実施形態では、加圧式多室型回転濾過機10を用いる場合には、高温、高圧下の酸化反応で得られたスラリーの温度を酢酸の常圧沸点(略118℃)より低く結晶成分の不純物が析出し難い温度(例えば、95〜109℃)に調節すると共に、濾過時の圧力を例えば0.05〜0.19Mpaの圧力に調節することが好ましい。濾過時のスラリーの温度を上記温度に調節することで濾過時の不純物の析出を抑制すると共に酢酸溶媒による腐食性を低下させ、また、濾過時の圧力を上記圧力に調節することで加圧式多室型回転濾過機10が第二種圧力容器の対象外になって装置のコスト低減に寄与することができる。
濾過システムについて説明する前に、本実施形態の加圧式多室型回転濾過機10について図1及び図2を参照にしながら説明する。この加圧式多室型回転濾過機10は、図1、図2の(a)、(b)に示すように、外周面に沿って所定の幅で軸方向に細長形状に区画形成された複数の濾過室11Aを有する回転ドラム11と、回転ドラム11を両端から封止する両端面の中心を貫通するセンター軸12と、センター軸12の両端部にそれぞれ設けられた左右一対の回転軸13A、13Bと、これらの回転軸13A、13Bを軸支する軸受14A、14Bと、軸受14A、14Bで回転軸13A、13Bを介して軸支された回転ドラム11を回転させる駆動機構15と、回転ドラム11の下方に配置され且つスラリーSを受給するスラリー用バット(以下、単に「バット」と称す。)16と、回転ドラム11とバット16を収納し密閉空間を形成するハウジング17と、を備え、複数の濾過室11Aの一部をバット16内のスラリーSに浸漬し、ハウジング内のガス圧力と大気圧との差圧で複数の濾過室11AにおいてスラリーSから結晶成分を濾過するように構成されている。
複数の濾過室11Aは、それぞれの表面が濾布(図示せず)で被覆されていると共に互いに独立しており、いずれもセンター軸12と平行する細長形状の部屋として形成されている。隣接する濾過室11A、11Aの間には隔壁が形成されている。濾過室11Aの外側の面(上面)には多数の孔(図示せず)が均等に分散して形成され、その外側の面は濾布によって被覆されて濾過面として形成されている。また、濾過室11Aの内側の面(以下、「下面」と称す。)にはその軸方向の全長に渡って二列の第1の孔(図示せず)が互いに等間隔を隔てて形成されている。
濾過室11Aの長手方向に複数形成された二列の第1の孔にはそれぞれ第1の連結管11B(図2の(a)参照)が接続されている。この第1の連結管11Bは、一端が二股に分岐して二列の第1の孔にそれぞれ接続され且つ他端がセンター軸12に向けて延びる複数の分岐管11Bと、これらの分岐管11Bの他端が接続されて濾過室11Aからの濾液が合流する合流管11Bから形成されている。合流管11Bは、複数の分岐管11Bが接続された第1の軸方向部分と、第1の軸方向部分の中央部から更にセンター軸12に向けて延びる径方向部分と、径方向部分の延長端から右側に回転軸13Aに向かってセンター軸12と平行に延びる第2の軸方向部分とからなっている。第2の軸方向部分が回転軸13Aを軸方向に貫通して形成された第1の流路11Cに接続されている。
第1の流路11Cは、複数の濾過室11Aに対応して回転軸13の外周と同心円状に互いに等間隔を隔てて複数形成されている。多室型回転濾過機は、一般に濾液の流路が細く、流動抵抗が大きいため単室型回転濾過機と比較して単位時間当たりの濾過量が少なく、大量の濾過には不向きであった。しかし、本実施形態では、各濾過室11Aに複数の第1の連結管11Bが設けられ、濾液の流量が格段に増えているため、単室型回転濾過機に匹敵するほどの濾過ができるようになっている。
回転ドラム11がバット16内のスラリーSに浸漬されて濾過室11AでスラリーSが濾過されると、結晶成分が濾過室11Aの濾過面に堆積してケーキ層C(図3の(a)〜第8図の(a)参照)が形成され、濾過室11A内に透過した濾液(酢酸溶媒)が第1の連通管11B及び第1の流路11Cを経由して外部へ排出される。この時、濾液は複数の第1の連結管11B、第1の流路11Cを経由して排出されるが、各々の第1の連結管11Bの流路が細いため、ハウジング17内のガスの圧力では外部へ十分に排出できず、濾液の一部が残存する。そこで、本実施形態では、次に説明するように残存する濾液を強制的に排出する手段が講じられている。
ここで、残存濾液の強制排出手段について説明する。濾過室11Aの下面の左側端部には例えば一つの孔(図示せず)が形成され、この孔にセンター軸12に向けて延びる第2の連通管11Dの一端が接続され、その他端が左側の回転軸13Bを軸方向に貫通して形成された第2の流路11Eに接続されている。第2の流路11Eも第1の流路11Cと同様に回転軸13に円形状に複数形成されている。第2の連通管11D及び第2の流路11Eは、加圧ガスが供給されて第1の連通管11B及び第1の流路11Cに残存する濾液を外部へ強制的に排出させるようにしてある。複数の第2の流路11Eの描く円は複数の第1の流路11Cが描く円より小径に設定されている。残存濾液の強制排手段は後述の洗浄濾液の排出時にも用いられる。
また、左右の回転軸13A、13Bには第1、第2の切換バルブ18A、18Bそれぞれ設けられており、スラリーSの濾過工程に即して第1、第2の切換バルブ18A、18Bを介して第1、第2の流路11C、11Eそれぞれを他の流路に切り換えるようにしてある。第1の切換バルブ18Aは、例えば濾過室11Aに堆積したケーキ層Cを剥離するタイミングで加圧ガス側に切り換えられる。第2の切換バルブ18Bは、例えば第1の連結管11B及び第1の流路11Cから残存濾液を後述の濾液セパレータへ排出するタイミングで加圧ガス側に切り換えられる。
更に、回転ドラム11の斜め上方には複数の洗浄スプレー19が回転ドラム11の軸方向全長に渡って延び、回転ドラム11の周方向に所定の間隔を隔てて配列され、各濾過室11Aの濾過面に形成されるケーキ層Cに洗浄水を噴射してケーキ層Cを洗浄する。洗浄水はハウジング17内のガスの圧力の作用と相俟って濾過室11Aの内部に浸透する。濾過室11A内の洗浄濾液は濾液と同様に第1の連通管11B及び第1の流路11Cを経由して外部へ排出される。しかし、洗浄濾液は十分に排出されないため、上述の第2の切換バルブ18Bが作動して第2の連通管11D及び第2の流路11E内に加圧ガスが導入され、この加圧ガスによって第1の連通管11B及び第1の流路11C内に残存する洗浄濾液が排出される。
バット16の底部にはスラリーSの流入管16Aが設けられ、バット16の開口端にはオーバーフロー管16Bが設けられている。回転ドラム11の各濾過室11Aの濾過面に堆積したケーキ層Cは、上述の第1の切換バルブ18Aが作動して第1の流路11C及び第1の連通管11Bを介して濾過室11A内全体に均等に供給される加圧ガスを介して濾過室11Aの濾過面から剥離し、回転ドラム11に隣接するケーキ排出管20を介して外部へ排出するようにしてある。このケーキ排出管20にはロータリバルブ21を含む後述のケーキレットダウンシステムが設けられ、ケーキレットダウンシステムを介してハウジング17内と外部が遮断され、ハウジング17内のガスの圧力を一定に保持している。従って、回転ドラム11から剥離されたハウジング17内のケーキは、ケーキレットダウンシステムを介して大気中の後述するスクリューコンベア等の搬送手段、乾燥手段へ供給される。
次いで、加圧式多室型回転濾過機10の付帯設備100について図1を参照しながら説明する。付帯設備100は、図1に示すように、スラリーポンプ101、ガス供給源102、濾液セパレータ103、濾液ポンプ104、酢酸回収部105、ベーパー酢酸回収部106、循環ブロワー107、ミストセパレータ108、封液循環ポンプ109、封液循環クーラ110、ガスヒータ111、ケーキレットダウンシステム112、スクリューコンベア113及びドライヤー114を備えて構成されている。
加圧式多室型回転濾過機10のバット16の流入管16Aにはスラリーポンプ101が接続され、スラリーポンプ101によって所定の温度及び圧力に調節されたスラリーSがバット16内に供給され、余分なスラリーSはオーバーフロー管16Bから排出される。また、ハウジング17にはガス供給源102が接続され、ガス供給源102からハウジング17内に所定のガス(例えば窒素ガス、オフガス)が供給され、ハウジング17内の温度が所定の温度、圧力に調節された状態で濾過を開始する。
回転ドラム11の複数の第1の流路11Cには第1の切換バルブ18Aを介して濾液セパレータ103が切り換え可能に接続され、この濾過セパレータ103の下流側には循環ポンプ104及び酢酸回収部105が順次接続されている。従って、複数の濾過室11AがスラリーSに浸漬されている間にスラリーSの濾過により各々の濾過室11Aの濾過面にケーキ層Cが形成されると共に濾液が各々の濾過面を透過し、濾過室11Aから第1の連通管11B、第1の流路11Cを経由して濾液セパレータ103へ排出される。また、回転ドラム11の反時計方向の回転により濾過室11AがスラリーSから出てハウジング17内のガスに露出するとガスがケーキ層Cに残存している濾液を随伴して濾過面を透過し、これらのガスと濾液が濾過室11Aから第1の連通管11B、第1の流路11Cを経由して濾液セパレータ103へ排出される。濾液セパレータ103では濾液とガスを気液分離し、濾液は濾液ポンプ104を介して酢酸回収部105で酢酸溶媒として回収される。
濾液セパレータ103の下流側にはベーパー酢酸回収部106、循環ブロワー107及びミストセパレータ108がこの順序でそれぞれ接続され、この系統で濾液の蒸気を含むガスが気液分離される。従って、濾液セパレータ103で分離された濾液の蒸気を含むガスは、ペーパー酢酸回収部106において冷却され、濾液の蒸気がミスト状になってガスと一緒に循環ブロワー107を介してミストセパレータ108へ供給される。ミストセパレータ108は、ミスト状の濾液を捕捉してガスから濾液を除去する。濾液が除去されたガスは、循環ブロワー107を介して加圧式多室型回転濾過機10側へ戻されて循環使用される。
また、ミストセパレータ108の下流側には封液循環ポンプ109及び封液循環クーラー110がこの順序で接続され、ミストセパレータ108で捕捉された濾液が封液循環ポンプ109を介して封液循環クーラー110を循環して冷却される。この封液循環クーラー110は循環ブロワー107と接続され、ミストセパレータ108で捕捉される濾液は封液循環ポンプ109を介して循環ブロワー107、ミストセパレータ108及び封液循環クーラー110の間で循環し、ガスヒータ111に向かうガスから濾液のミストをより確実に除去している。
また、ミストセパレータ108の下流側にはガスヒータ111が接続され、ガスヒータ111が循環ブロワー107を介してミストセパレータ108からのガスを加圧式多室型回転濾過機10での濾過処理で要求される温度まで加熱する。ガスヒータ111で所定の温度まで加熱されたガスは、ガス供給源102からのガスと合流してハウジング17内に供給される。
次いで、図2〜図8を参照しながら本発明の加圧式多室型回転濾過機の運転方法の一実施形態について説明する。
まず、濾過システムが稼働し加圧式多室型回転濾過機10のハウジング17内に窒素ガス等の所定のガスを供給する。この際、窒素ガスを例えば酢酸溶媒の沸点より低く結晶成分であるテレフタル酸の不純物が析出し難い温度、例えば95〜109℃まで加熱してガス供給源102からハウジング17内へ供給し、ハウジング17内の窒素ガスが外気圧より高い圧力、例えば第二種圧力容器の適用を受けない圧力0.05〜0.19MPaGまで加圧し、加圧式多室型回転濾過機10をスラリーSの濾過に適した運転条件に設定する。
上述のようにしてハウジング17内の窒素ガスが運転条件に適した温度、圧力に設定された後、図2の(a)、(b)に示すようにハウジング17内の加圧ガスの温度(例えば95〜109℃)と同程度まで温度を下げたスラリーSがスラリーポンプ101を介してバット16内へ供給され、回転ドラム11が例えば1〜6rpmの回転速度で回転する。回転ドラム11のうち、スラリーS内に浸漬された濾過室11Aではハウジング17内の窒素ガスの圧力と濾過物が堆積する濾材で被覆された濾過室11A内の圧力差に基づいてスラリーSが濾過される。
本実施形態では加熱、加圧ガス環境下で濾過するため、濾過室11Aにおいて反応副生成物や金属触媒等の不純物の析出を抑えることができ、ケーキ層Cでの不純物の微結晶の生成が少なくなり、目詰まりの発生が従来より改善されるため、濾過を円滑に進めることができる。しかも、スラリーSの温度が高いため、酢酸溶媒の粘度も低く濾過面を円滑に透過することができる。スラリーSが通過する間、濾過室11Aでは濾過が円滑に進み、結晶成分が濾過面に徐々に堆積してケーキ層(図示せず)として形成されると共に、濾液が図2の(a)、(b)で黒く塗り潰して示してあるように濾過室11Aから第1の連通管11B及び第1の流路を11Cを通って濾液セパレータ103へ排出される。
濾過セパレータ103内の濾液は、濾液ポンプ104を介して酢酸回収部105へ給送され、ここで酢酸溶媒として回収される。また、濾液セパレータ103内の濾液からの蒸気は、循環ブロワー107を介してベーパー酢酸回収部106を通り、ここで蒸気が冷却されてミスト状になった後、ミストセパレータ108内で濾液として捕捉される。ミストセパレータ108で捕捉された濾液は、封液循環ポンプ109を介して封液循環クーラー110で更に冷却されて回収され、濾液は循環ブロワー107へ戻り、窒素ガスはミストセパレータ108を経由してガスヒータ111へ給送され、ここで所定の温度(95〜109℃)まで加熱された後、ガス供給源102から供給される窒素ガスと合流し、ハウジング17内へ供給される。
回転ドラム11が回転して図3の(a)、(b)に示すようにケーキ層Cが形成された濾過室11AがスラリーSから出てハウジング17の加圧ガス環境に曝される。これにより、加圧ガスが濾過面のケーキ層Cを透過するが、加圧ガスはケーキ層Cに残存する濾液を伴って濾過室11A内に達し、ケーキ層Cから濾液を脱液してケーキ層Cを乾燥させると共に、図3の(a)、(b)で黒く塗り潰して示してあるように加圧ガスに随伴するケーキ層Cの濾液と濾過室11A内に残存する濾液を一緒になって第1の連結管11B、第1の流路11Cを経由して濾液セパレータ103へ排出される。濾液セパレータ103では、上述のように加圧ガスから濾液が分離されて酢酸回収部105において酢酸溶媒として回収される。また、加圧ガスは、循環ブロワー107を介してペーパ酢酸回収部106、ミストセパレータ108を経由してガスヒータ111へ給送され、ガス供給源102からのガスと合流する。ミストセパレータ108を経由した濾液は封液循環ポンプ109を介して封液循環クーラー110において回収される。
引き続き回転ドラム11が回転し、図4の(a)、(b)に示すようにケーキ層Cが形成された濾過室11Aが洗浄スプレー19に達するまでケーキ層Cに残存する濾液が加圧ガスによって脱液されてケーキ層Cが徐々に乾燥する。この間に濾過室11A内の濾液は第1の連通管11B、第1の流路11Cを介して濾過セパレータ103へ排出されるが、これらの流路は細く流動抵抗が大きく、濾過セパレータ103へ十分に排出することができない。そこで、濾過室11Aが洗浄スプレー19に達する前に、第2の切換バルブ18Bが働いてその濾過室11Aに対応する第2の流路11E、第2の連通管11Dへ加圧ガスがハウジング17内の圧力(または0.01〜0.05MPaG)で図4の(a)、(b)に矢印とハンチングで塗り潰して示してあるようにスポット的にブロー(以下、「スポットブロー」と称す。)して供給され、少なくとも第1の連通管11B、第1の流路11Cに残存する濾液を完全に濾過セパレータ103へ押し出して空にする。濾液を完全に排出すると第2の切換バルブ18Bが第2の流路11Eを閉じて加圧ガスの導入を止める。このように残存する濾液を加圧ガスのスポットブローにより強制的に排出することで濾過効率が向上し、回転ドラム11の回転速度を速くすることができ、濾過処理能力が高くなる。
その後、濾液が完全に排出された濾過室11Aが洗浄スプレー19に達し、ケーキ層Cが洗浄水によって洗浄される。図5の(a)、(b)に矢印と黒く塗り潰して示してあるように洗浄水は加圧ガスの作用と相俟ってケーキ層Cを浸透し、濾過室11A、第1の連通管11B及び第1の流路11Cを経由して濾液セパレータ103へ排出される。ケーキ層Cの洗浄が終了すると、図6の(a)、(b)に矢印と薄く塗り潰して示してあるように再び加圧ガスの作用によってケーキ層Cに残存する洗浄水が洗浄濾液として脱液され、ケーキ層Cが乾燥する。この場合にも洗浄濾液の排出が十分でなく、少なくとも第1の連通管11B、第1の流路11C内に洗浄濾液が残る。そこで、濾過室11Aからケーキ層Cを剥離する前に、第2の切換バルブ18Bが働いてその濾過室11Aに対応する第2の流路11E、第2の連通管11Dへ加圧ガスを図7の(a)、(b)に矢印とハンチングで塗り潰して示してあるようにスポットブローにより供給し、少なくとも第1の連通管11B、第1の流路11Cに残存する洗浄濾液を完全に濾過セパレータ103へ押し出して空にする。洗浄濾液を完全に排出すると第2の切換バルブ18Bが第2の流路11Eを閉じる。この処理で濾液の回収速度が向上する。
回転ドラム11が回転してケーキ層Cがケーキ排出管20に達すると、第1のバルブ18Aが第1の流路11Cを加圧ガス側に切り換えて第1の流路11C、第1の連結管11B及び濾過室11Aへ加圧ガスを導入する。この加圧ガスは、濾過室11Aからハウジング17内へ噴出し、図8の(a)、(b)に示すように濾過面からケーキ層Cを剥離してケーキ排出管20へケーキC'を排出する。ケーキC'は、ロータリバルブ21を含むケーキレットダウンシステム112を介してハウジング17内の加圧環境から大気圧環境下のスクリューコンベア113へ供給される。ケーキC'は、スクリューコンベア113でを粉砕された後、粉末状の結晶成分としてドライヤー114へ供給される。ドライヤー114で乾燥されたは結晶成分は、ドライヤー114から所定の格納庫へ搬送されて格納される。
以上説明したように本実施形態によれば、加圧式多室型回転濾過機10を用いてスラリーSを95〜109℃の温度下で且つ0.05〜0.19MpaGの低加圧下で濾過するため、濾過室11Aにおいて結晶成分の副生成物や金属触媒等の不純物が析出して濾過面で目詰まりすることが少なく、しかも酢酸溶媒の粘度が低く円滑に濾過することができると共に不純物の混入を格段に抑制した純度の高い結晶成分を回収することができる。
従って、本実施形態の加圧式多室型回転濾過機10は、真空式単室型回転濾過機と比較してスラリーSの粘度が低くなるため、濾過能力が例えば20%程度向上する。また、加圧式多室型回転濾過機10は、真空式単室型回転濾過機と比較して濾過室11Aの容積が小さいため、加圧ガスの使用量を例えば40%程度に減らすことができる。また、加圧式多室型回転濾過機10は、真空式単室型回転濾過機と比較して目詰まりが起こり難いため、メンテナンス回数も減らすことができ、延いては加圧式多室型回転濾過機10の稼働効率を高めることができる。
また、酢酸溶媒の温度が比較的低いため、通常この種の濾過機に用いられるステンレス等の鋼材で加圧式多室型回転濾過機10を作製し、比較的低価格で濾過システムを構築することができる。また、高圧ガスを用いて濾過室11A、第1の連結管11B及び第1の流路11C内に残る濾液、洗浄濾液を強制的に排出するようにしたため、濾過効率を高めることができる。
図9は、本発明の加圧式多室型回転濾過機が適用された他の濾過システムを示すブロック図である。
図1に示す濾過システムは加圧ガスを循環使用するシステムであるが、本実施形態の濾過システムは加圧ガスを循環使用しないシステムである。
本実施形態の濾過システムは、図9に示すように、加圧式多室型回転濾過機10は上記実施形態と同様に構成されているが、付帯設備200が加圧ガスを循環使用しないように構成されている。そこで、本実施形態では付帯設備200について説明し、上記実施形態と同一の構成を備えた加圧式多室型回転濾過機10の説明を省略する。この付帯設備200は、同図に示すように、スラリーポンプ201、ガス供給源202、濾液セパレータ203、濾液ポンプ204、酢酸回収部205、ケーキレットダウンシステム207、スクリューコンベア208及びドライヤー209を備えて構成されている。この濾過システムでは加圧用ガスを循環使用しないため、図1に示す濾過システムとは異なり、循環ガス中から濾液のミストを除去する機器やガスヒータが不要となる。その他は、図1に示す濾過システムに準じて構成されている。
本実施形態でも加圧式多室型回転濾過機10は、加圧ガスが循環するシステムと同一であるため濾過工程は上記実施形態と同一である。しかし、本実施形態ではガス供給源202から供給されるガスとしてオフガスが使用され、加圧式多室型回転濾過機10においてオフガスが使用されると、濾液セパレータ203及びベーパー酢酸回収部205を経由する間に濾液とその蒸気は回収され、オフガスのみが排出される。そのため、ベーパー酢酸回収部205の下流側にはミストセパレータやガスヒータが不要になるため、その分だけ上記実施形態の付帯設備100と比較して設備コストを削減することができる。
また、加圧式多室型回転濾過機10で回収された結晶成分は、ケーキレットダウンシステム207において大気圧に戻された状態でケーキがスクリューコンベア208に供給され、ドライヤー209において乾燥され、結晶成分の格納庫へ給送される。
尚、本実施形態ではテレフタル酸を結晶成分として含む酢酸溶媒をスラリーの一例として説明したが、本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、化学反応で生成した反応生成物を結晶成分を含む反応溶媒からなるスラリーから結晶成分を濾過する場合に広く適用することができる。
本発明は、一般化学工業の分野で結晶成分を回収するために広く適用することができる。
10 加圧式多室型回転濾過機
11 回転ドラム
11A 濾過室
11B 第1の連通管
11C 第1の流路
11D 第2の連通管
11E 第2の流路
12 センター軸
13A、13B 回転軸
17 ハウジング
18A 第1の切換バルブ
18B 第2の切換バルブ

Claims (10)

  1. 外周面に沿って所定の幅で軸方向に細長形状に区画形成された複数の濾過室を有する回転ドラムと、上記回転ドラムの両側面の中心を貫通するセンター軸と、上記センター軸の両端部にそれぞれ設けられた左右一対の回転軸と、上記各回転軸を介して上記回転ドラムを回転させる駆動機構と、上記回転ドラムの下方に配置され且つ結晶成分を含む反応溶媒をスラリーとして受ける容器と、上記回転ドラムと上記容器を収納し密閉空間を形成するハウジングと、を備え、上記複数の濾過室の一部を上記容器内のスラリーに浸漬し、上記複数の濾過室を介して上記スラリーを濾過して上記結晶成分を回収する加圧式多室型回転濾過機であって、
    上記濾過室の内側の面の長手方向に沿って濾液を排出するために設けられた複数の孔と上記濾過室に対応して上記一方の回転軸にその軸方向に沿って濾液を排出するために形成された第1の流路を接続する第1の連通管と、
    上記濾過室の内側の面の上記他方の回転軸寄りの端部に設けられた孔と上記濾過室に対応して上記他方の回転軸にその軸方向に沿って上記第1の連通管に残存する濾液を排除するために形成された第2の流路とを接続する第2の連通管と、
    上記複数の濾過室それぞれからの濾過に合わせて複数の第1の流路を開閉のために同時に切り換える第1の切換バルブと、
    上記複数の濾過室それぞれからの濾過に合わせて複数の第2の流路を開閉のために同時に切り換える第2の切換バルブと、を備えた
    ことを特徴とする加圧式多室型回転濾過機。
  2. 上記第2の流路及び上記第2の連通管は、少なくとも上記第1の連通管及び上記第1の流路に残る濾液を押し出すためのガスを供給するガス供給手段として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の加圧式多室型回転濾過機。
  3. 上記第1の流路及び第1の連通管は、上記第2の連通管及び上記第2の流路を介して上記ケーキ層を剥離するためのガスを供給するガス供給手段として構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加圧式多室型回転濾過機。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の加圧式多室型回転濾過機を運転する方法であって、
    所定のガスを結晶成分を含む反応溶媒の常圧沸点より低く上記結晶成分の不純物が析出し難い所定の温度まで加熱して上記加圧式多室型回転濾過機のハウジング内へ供給し、上記ハウジング内の上記ガスを上記所定の温度に調節すると共に上記ハウジング内の圧力を大気圧より高い所定の圧力に調節する第1の工程と、
    上記所定の温度に調節した上記結晶成分を含む反応溶媒をスラリーとして上記加圧式多室型回転濾過機の容器内へ供給する第2の工程と、
    上記ハウジング内の上記ガスの圧力との差圧に基づいて上記スラリーを上記加圧式多室型回転濾過機の複数の濾過室で濾過して上記複数の濾過室の濾過面に上記結晶成分をケーキ層として堆積させる第3の工程と、
    上記各濾過室内に上記ガスを供給して上記ケーキ層を剥離させて上記結晶成分を回収する第4の工程と、を備えた
    ことを特徴とする加圧式多室型回転濾過機の運転方法。
  5. 上記第3の工程は、
    上記加圧式多室型回転濾過機の第2の流路及び第2の連通管を介して上記濾過室内へ上記ガスを供給し、少なくとも上記第1の連通管及び第1の流路に残存する濾液を上記ガスの圧力で排出する工程と、
    上記ケーキ層に洗浄水を噴射して上記ケーキ層を洗浄する工程と、
    上記第2の流路及び上記第2の連通管を介して上記濾過室内へ上記ガスを供給し、少なくとも上記第1の連通管及び第1の流路に残存する洗浄濾液を排出する工程と、を備えた
    ことを特徴とする請求項4に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法。
  6. 上記第4の工程では、上記第1の流路及び上記第1の連通管を介して上記ガスを上記濾過室内へ供給し、上記濾過室から上記ケーキ層を剥離することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法。
  7. 上記ハウジングに供給される上記ガスを循環使用することを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法。
  8. 上記ハウジングに供給される上記ガスを外部へ放出することを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法。
  9. 上記スラリーの温度を、95〜109℃に調節することを特徴とする請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法。
  10. 上記ハウジング内の上記ガスの圧力を、0.05〜0.19MpaGに調節することを特徴とする請求項4〜請求項9のいずれか1項に記載の加圧式多室型回転濾過機の運転方法。
JP2013513457A 2012-09-27 2012-09-27 加圧式多室型回転濾過機及びその運転方法 Active JP5282182B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2012/074972 WO2014049791A1 (ja) 2012-09-27 2012-09-27 加圧式多室型回転濾過機及びその運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5282182B1 true JP5282182B1 (ja) 2013-09-04
JPWO2014049791A1 JPWO2014049791A1 (ja) 2016-08-22

Family

ID=49273987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013513457A Active JP5282182B1 (ja) 2012-09-27 2012-09-27 加圧式多室型回転濾過機及びその運転方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5282182B1 (ja)
WO (1) WO2014049791A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102506343B1 (ko) * 2014-07-25 2023-03-03 이네오스 유에스 케미컬즈 컴퍼니 감소된 압력 변동들을 갖는 회전식 압력 여과기 장치
US20220106201A1 (en) * 2020-10-07 2022-04-07 Kenneth Blanchard Rotary screening device with bearings

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH038404A (ja) * 1989-03-08 1991-01-16 Iijima Seimitsu Kogyo Kk 遠心式自浄フィルタ付液体浄化装置
JPH078718A (ja) * 1993-06-29 1995-01-13 Mitsubishi Chem Corp 濾過脱水機
JPH1057722A (ja) * 1996-08-20 1998-03-03 Tsukishima Kikai Co Ltd 固液分離方法およびこれを用いた回転円筒型真空濾過機

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH038404A (ja) * 1989-03-08 1991-01-16 Iijima Seimitsu Kogyo Kk 遠心式自浄フィルタ付液体浄化装置
JPH078718A (ja) * 1993-06-29 1995-01-13 Mitsubishi Chem Corp 濾過脱水機
JPH1057722A (ja) * 1996-08-20 1998-03-03 Tsukishima Kikai Co Ltd 固液分離方法およびこれを用いた回転円筒型真空濾過機

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014049791A1 (ja) 2014-04-03
JPWO2014049791A1 (ja) 2016-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4243912B2 (ja) スラリーからの結晶回収方法
US7807060B2 (en) Filter with resuspension of solids
TWI600461B (zh) 用於芳族羧酸的過濾機
KR102506343B1 (ko) 감소된 압력 변동들을 갖는 회전식 압력 여과기 장치
KR100332032B1 (ko) 진공회전건조기
US9486722B2 (en) Solid-liquid separation with a no-dry rotary pressure filter
CN101903072B (zh) 结晶浆料的过滤方法
US10857490B2 (en) Separation process having improved capacity
JPWO2014049793A1 (ja) 加圧式単室型回転濾過機の運転方法
SE525450C2 (sv) Förfarande och anordning för rengöring av filter
JP5282182B1 (ja) 加圧式多室型回転濾過機及びその運転方法
KR20170044641A (ko) 디캔터형 원심분리기 및 디캔터형 원심분리기의 운전방법
RU2650188C1 (ru) Обменник для растворителя и способ улучшения обменной эффективности растворителя стк
WO2010119484A1 (ja) 晶析スラリーからの結晶の回収方法
JP4691447B2 (ja) 減容化ゲル状ポリスチレン樹脂の濾過装置
JP5670394B2 (ja) 未晒パルプの洗浄装置
CN106187751A (zh) 用于处理对苯二甲酸的方法和装置
CN1233521A (zh) 从悬浮液中回收结晶物的方法和装置
JP2007021453A (ja) 回転式濾過機に用いられる残留濾液回収装置及び残留濾液回収方法
KR101065034B1 (ko) 회전필터장치
JP2000051622A (ja) ろ過・乾燥装置
CN106422479A (zh) 旋转式过滤器
JP2021062323A (ja) ドラム型固液分離装置の洗浄方法
JP3696595B2 (ja) 遠心分離方法および遠心分離機
JP6277092B2 (ja) 洗浄方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130527

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5282182

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250