以上に述べたように、消費者といった当事者は認証手続きを行うために書類である各用紙をめくって捺印欄といった認証欄を探し、その用紙での記載内容を確認してから用紙ごとに行うのが建前である。そして、従来の消費者向けの複数枚で構成される契約申込書の問題点は、認証欄が帳票の上から目視できず、複数枚から構成される立体性のために消費者といった当事者には帳票の構成自体がわかりづらい。その結果、重要な書面への認証手続きであるにもかかわらず、消費者といった当事者は、認証欄を探すのに困惑して気を取られ、上用紙より下に存在する書面の内容を十分に理解しないままに、代理店、販売店といった事業者側の誘導に基づいて捺印、サインといった認証手続きを行うことが多い。消費者向けの複数枚で構成される帳票の認証欄がどこに存在するのかわかり図らいということが発端となり、消費者といった当事者が自律的に書面を理解してから認証手続きを行うという手順を困難としている。このことが不適切な勧誘など消費者問題の温床となり契約成立後の法的トラブルの原因の一つとなる。
そして上記で述べた実開昭52-116320号や実開平04-115685号といった技術もこのトラブルを解決できない。それは、これらの技術が名称欄と認証欄が固有の関係を確保するための構造をもたないためである。署名捺印という慣習に加え、名称欄から離れた捺印は捨印とみなされ認証手続きを行ったとはみなされない。さらに複数の当事者が存在し、当事者が同姓であった場合、認証手続きが捺印の場合、誰の捺印なのかもわからなくなってしまう。こうした理由で、従来の技術は名称欄と認証欄の固有の関係を確保しながら帳票の上で両者を引き離して設置することはできなかった。上記で述べた実開昭52-116320号や実開平04-115685号といった技術を用いて、上用紙より下に位置する用紙の捺印欄を表出させても、名称欄と認証欄の固有の関係を確保する構造を持たないため、これらの技術は名称欄と認証欄が存在する消費者向けの複数枚からなる帳票の認証手続きについて容易にすることには貢献できない。
これらの問題に対して、名称欄と認証欄の固有の関係を確保することを前提に、消費者といった当事者からの課題と帳票を準備する事業者からの課題が存在する。
消費者といった当事者からの課題は次の4点である。
第1に、当事者が認証手続きをとるべき認証欄がどこにあるのかをすぐ理解できることである。
第2に、認証手続きをする書面がどのような名称であり性格であるかをすぐに理解できることである。
第3に、認証すべき書面である用紙を容易に探し出せることである。
第4に、消費者向けの複数枚で構成される帳票が、帳票とは異なる用途の部分を含んでいる場合、その異なる用途の部分を容易に理解できることである。
これらにより、消費者といった当事者は、事業者側の誘導を得なくて、自発的に書面を十分に理解した上で認証手続きを行う手順が可能となる。
帳票を準備する事業者側からの課題は、次の7点である。
第1に、消費者といった当事者が消費者向けの複数枚で構成される帳票を一般的な使用をした場合に、認証欄または認証欄明示領域が上用紙の上部から確認できるにもかかわらず、従来の複数枚で構成される帳票と同様に認証手続きをするときに用紙を開くことである。第1の理由は、上用紙にある書面と上用紙より下に位置する書面は、内容的に異なる部分があるので、消費者といった当事者には必ず書面をあけて読んでほしいという考えのためである。第2の理由は、個人一般の顧客がクレジットのような金銭的な義務を負う契約の場合、認証欄のある書面である用紙を、開かないまま認証手続きが可能であると、契約についてトラブルが生じると、その書面についてトラブルについての事業者側の正当な理由となる内容を含んでいても、消費者といった当事者から「内容を確認しなくても認証できる帳票となっているから、内容を確認していない。」と抗弁され、法的な責任は生じなくても解決までに多大な手間と時間を要することになるためである。
第2に書類である各用紙の裏面には約款や規約といった文章に満たされることが多く、消費者といった当事者にも十分に目視できる文字の大きさを確保するためにも用紙に切込を入れる場合には最小の面積で切込むようにすることで裏面の面積を最大限確保する必要がある。実際に割賦販売法では割賦購入あっせんについての契約帳票については約款について文字の大きさを8ポイント以上とするよう規定されている。
第3に申込書や契約書といった消費者向けの複数枚で構成される帳票は申込や契約といった行為の後で、書類である各用紙単位に分離され、書類の性質上、帳票を準備する事業者は契約期間といった一定期間、法的な対抗要件の確保の目的で保管する必要がある。このため用紙のサイズはA4などのJIS企画と同一または最小限の差異となるよう容易に保管できるよう配慮しなければならない。
第4に消費者向けの複数枚で構成される帳票の用紙に切込を入れることは、コストアップの要因となり、帳票を準備する事業者にとっての負担となるので、切込を入れないでも目的を達成できるかを考慮しなければならない。
第5に消費者向けの複数枚で構成される帳票の中でも口座依頼書のように銀行印を捺印するという認証手続きをしなければならない書面も含まれることがある。この場合は、帳票を準備する事業者は消費者といった当事者に対抗できるように、印鑑といった認証が汚れたり擦れたりしないような構造を確保することが必要である。
第6に、消費者といった当事者が書面を作成し、認証手続きを終了したときに、認証手続きを行った事実の確認を容易に行う必要がある。
第7に消費者向けの複数枚で構成される帳票は、既に印刷をされたものも多く、帳票を準備する事業者にとって、大幅な版下データの変更に多大なコストや時間といった負担がかかることがある。この場合、既存の版下の変更が最小限度になるよう考慮する必要がある。
本発明は、このような従来の消費者向けの複数枚で構成される帳票の問題点を解決しようとするものである。名称欄と認証欄の固有の関係を確保することを前提に、消費者といった当事者にとって、認証欄の位置、書面の名称や性格がわかり易く、その書面と成る用紙を容易に探すことが可能となることにより、当事者が書面の内容を十分理解した上で認証手続きを行い、結果として法的トラブルを防止・抑制することを目的に発明されたものである。また帳票を準備する事業者にとって、消費者といった当事者が従来通り開いて書面を確認し、文字のサイズが指定された書面での書面の大きさの確保を配慮され、用紙への切込といった点でコスト的に配慮され、各書面を保管する上でのサイズについて配慮され、認証の汚れや擦れがないように配慮され、既存の帳票からの以降手続きやコストが最小になるよう考慮された発明である。
そして、本発明は上記目的を達成するために、上用紙に名称欄を備え、上用紙の上部から認証欄および認証欄に対する名称者明示領域が俯瞰できることを特徴とする消費者向けの複数枚で構成される帳票であり、これを第1の課題解決手段とする。
上用紙に名称欄を備え、上用紙の上部から俯瞰した時に、名称欄とその名称欄に固有の各用紙に存在する認証欄が一体となっていることを特徴とする消費者向けの複数枚で構成される帳票であり、これを第2の課題解決手段とする。
上用紙に名称欄を備え、上用紙の上部から認証欄明示領域および認証欄明示領域に対する名称者明示領域が俯瞰できることを特徴とする消費者向けの複数枚で構成される帳票であり、これを第3の課題解決手段とする。
上用紙に名称欄を備え、上用紙の上部から俯瞰した時に、名称欄とその名称欄に固有の各用紙に存在する認証欄明示領域が一体となっていることを特徴とする消費者向けの複数枚で構成される帳票であり、これを第4の課題解決手段とする。
第3または第4の課題解決手段と併せて、認証欄明示領域が存在する用紙に認証欄明示領域に隣接して認証欄が存在する消費者向けの複数枚で構成される帳票であり、これを第5の課題解決手段とする。
第1または第5の課題解決手段と併せて、上用紙より下に位置する名称欄および認証欄が存在する用紙に、認証欄と隣接して関係明示手法が存在する消費者向けの複数枚で構成される帳票であり、これを第6の課題解決手段とする。
また、第3の課題解決手段と併せて、認証欄明示領域が存在する用紙に、名称欄に包含され又は隣接して認証欄が存在し、認証欄明示領域と認証欄が接続線により結ばれている消費者向けの複数枚で構成される帳票であり、これを第7の課題解決手段とする。
第2または第5の課題解決手段と併せて、上用紙より下に位置する用紙で認証欄が存在し、認証欄が名称欄に包含され又は隣接している消費者向けの複数枚で構成される帳票である。これを第8の課題解決手段とする。
第1または第2の課題解決手段と併せて、上用紙より下に位置する用紙に存在する認証欄が表出している場合、その認証欄の一部しか表出しない消費者向けの複数枚で構成される帳票である。これを第9の課題解決手段とする。
第9の課題解決手段と併せて、認証欄の表出する用紙が上に位置する用紙に比べ延出し、延出している長さが8mm未満であり、上用紙に表出する認証欄を除く全ての表出する認証欄がその延出している部分に存在し、複数の延出する用紙が存在する場合にその延出する方向が一方向である消費者向けの複数枚で構成される帳票であり、これを第10の課題解決手段とする。
第10の課題解決手段と併せて、延出している辺に隣接している辺において、全ての用紙が接着されている消費者向けの複数枚で構成される帳票である。これを第11の課題解決手段とする。
第1、第2、第3または第4の課題解決手段と併せて、上用紙の上部から書類名明示領域を俯瞰できることを特徴とする消費者向けの複数枚で構成される帳票である。これを第12の課題解決手段とする。
第12の課題解決手段と併せて、上用紙の上部から俯瞰した時に、名称者明示領域と書類名明示領域がそれぞれ縦横方向又は横縦方向に並び、形成されるマトリックスに認証欄又は認証欄明示領域が示されることを特徴とする消費者向けの複数枚で構成される帳票である。これを第13の課題解決手段とする。
第13の課題解決手段と併せて、上用紙より下に位置する認証欄を表出するため、上用紙に鍵状の切込が存在し、その切込の両辺に名称者明示領域と書類名明示領域が存在する消費者向けの複数枚で構成される帳票である。これを第14の課題解決手段とする。
第9の課題解決手段と併せて、表出する認識欄の一部を上方向に位置する用紙が覆うとき、表出する部分と覆われる部分の境界に認識線が存在する消費者向けの複数枚で構成される帳票である。これを第15の課題解決手段とする。
第10の課題解決手段と併せて、上用紙より下に位置する用紙が延出している方向と直角の方向で、上用紙より上に位置する用紙が上用紙より順次短くなっている消費者向けの複数枚で構成される帳票である。これを第16の解決手段とする。
第1、第2、第3または第4の課題解決手段と併せて、上用紙より下に位置する認証欄を表出するため上用紙より下に位置する認証欄の存在する用紙が順次延出し、上用紙より上に位置する用紙が1枚以上存在し、上用紙より下に位置する用紙が延出している方向と直角の方向で、上用紙より上に位置する用紙が上用紙より順次短くなっている消費者向けの複数枚で構成される帳票である。これを第17の解決手段とする。
上用紙とは、複写用紙においてはワンライティングによる記載内容の記入を行う用紙をいい、また複写用紙以外において実際に記入を行う用紙のうち一番上にある用紙をいう。
消費者とは、個人一般の消費者に加え、リース契約や入会申込といった各種契約に申込や応募をする法人および団体を含む。
名称欄とは、消費者といった当事者を記入や印字により表示する欄をいう。
認証手続きとは、消費者といった当事者が捺印、サイン、電磁的手法により文書の成立・記載が正当な手続きでなされたことを証明する行為をいう。
認証欄とは、消費者といった当事者が認証手続きを行う欄をいう。
認証欄明示領域とは、上用紙の上部から認識可能な2枚目以降の用紙に存在する領域であり、上用紙の上部から認識できない位置に認証欄が存在することを明示し、隣接または接続線によりその認証欄の場所を特定する領域のことをいう。
接続線とは、認識欄明示領域と認証欄が離れた位置関係の場合にそれらを繋げる線分をいう。
名称者明示領域とは、認証欄に対して認証手続きを行う名称欄記載の当事者を明示する領域いう。名称欄がこの役割を果たす場合、名称欄を名称者明示領域と読み替えることができる。
書類名明示領域とは、認証欄に対して認証手続きを行う用紙の書類名を明示するための領域をいう。
認識線とは、上用紙の上部から認証欄の一部しか認識できない場合に、その認証欄の認識できる領域と認識できない領域の境界に引かれた線分であり、その認証欄の内部または接する外部に存在する。
複数枚で構成される帳票とは、上用紙に1当事者以上のための名称欄を備え、上用紙より下に位置する1枚以上の用紙に、上用紙と同一の当事者を指し示すための名称欄およびその当事者の認証欄を備えることを最低水準の要件とする帳票をいう。
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図6のように上用紙に名称欄が存在する。そして上用紙より下の認証欄が表出し、その認証欄が上用紙に存在する名称者明示領域によって認証手続きを行う当事者の属性が明示されている。この結果、名称欄に記載される各当事者は自分がどの認証欄に認証手続きを行うのかが容易に理解できる。また、認証手続き終了後に、認証手続きを行った事実を容易に確認できる。
上記第2の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図23のように上用紙に名称欄が存在する。そして上用紙より下の認証欄が表出し、上用紙の上部から俯瞰した場合に、名称欄と認証欄が一体としてみなすことができる。この結果、名称欄に記載される各当事者は自分がどの認証欄に認証手続きを行うのかが容易に理解できる。また、認証手続き終了後に、認証手続きを行った事実を容易に確認できる。
上記第3の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図34のように上用紙に名称欄が存在する。そして上用紙より下の「捺印欄」と表示された認証欄明示領域が表出し、その認証欄明示領域が上用紙に存在する名称者明示領域によって認証手続きを行う当事者の属性が明示されている。この結果、名称欄に記載される各当事者は自分がどこに認証手続きを行うのかが容易に推測できる。
上記第4の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図63のように上用紙に名称欄が存在する。上用紙より下の「捺印欄」と表示された認証欄明示領域が表出し、上用紙の上部から俯瞰した場合に、名称欄と認証欄明示領域が一体としてみなすことができる。この結果、名称欄に記載される各当事者は自分がどこに認証手続きを行うのかが容易に推測できる。
上記第5の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図32のように上用紙の下に位置する用紙に認証欄明示領域と認証欄が隣接して存在する。第3および第4の課題解決手段による作用で述べたように、認証手続きを行う当事者は「捺印欄」と表示された認証欄明示領域により、そこを捲れば認証欄があるであろうという推定のもとに用紙を捲り、そこに隣接した認証欄を確実に見出すことができる。さらにこの認証欄は表出していないため、認証手続きをした後、上に位置する用紙がかぶさるので、認証を汚れや擦れから保護する機能がある。
上記第6の課題解決手段による作用は次の通りである。図4のように上用紙より下に位置する用紙に認証欄と隣接して「申込者捺印欄」と「連帯保証人捺印欄」と表記された関係明示手法が存在する。図32においても、上用紙より下に位置する用紙に認証欄と隣接して「申込者捺印欄」と「連帯保証人捺印欄」と表記された関係明示手法が存在する。この関係明示手法により、それぞれに隣接する認証欄は捨印などではなく、申込者の認証欄であり、連帯保証人の認証欄であることは誰の目から見ても明らかである。この関係明示手法の存在により、名称欄と認証欄の位置が離れていたとしても、名称欄と認証欄の固有の関係が確保される。
上記第7の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図37のように上用紙の下に位置する用紙に名称欄に包含された認証欄と認証欄明示領域が存在する。第3および第4の課題解決手段による作用で述べたように、認証手続きを行う当事者は「捺印欄」と表示された認証欄明示領域により、そこを捲れば認証欄があるであろうという推定のもとに用紙を捲り、そこに隣接した認証欄を確実に見出すことができる。そして認証欄明示領域と認証欄が接続線によりつながっているため、当事者は一目瞭然で自分が認証手続きを行う人称欄を見つけることができる。この場合、認証欄は名称欄に包含されているので、名称欄と認証欄の固有の関係が確保されることは自明である。また、この手法を使えば、従来の形で消費者向けの複数舞で構成される帳票が存在する場合、認証欄の位置を変更する必要がないので、帳票を準備する事業者は既存の版下を最小限度の変更で、多大なコストや時間を費やすことを避けて、本発明を用いることができる。
上記第8の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図62のように上用紙の下に位置する用紙に名称欄と認証欄が隣接して存在する。名称欄と認証欄が隣接していれば、その認証欄が名称欄記載の当事者が認証手続きを行う認証欄であるということは自明であり、名称欄と認証欄の固有の関係が確保できる。
上記第9の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図20のように認証欄の一部しか表出しないことにより、認証欄の存在する用紙端とそれより上方向にある用紙の端の長さを短くすることができる。これにより、切込を避け、また使用する用紙の量を制限することができ、作成コストの負担を抑えることができる。また、用紙サイズを容易に保管できるようA4などのJIS企画と同一または最小限となるようにできる。
上記第10の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図39のように認証欄が表出している部分が8mm未満であると、捺印といった認証手続きを上用紙の上部から行えなくなり、認証欄の存在する用紙を開かなければ捺印といった認証手続きが行えなくなる。日本においてはまだ印鑑社会であり、金融機関では印鑑により取引を行うのが一般的である。そしてこの課題解決手段においては、当事者に認証欄の存在する用紙を開かせて捺印といった認証手続きをとらせることができる。
上記第11の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図39において、第10の課題解決手段をとったとしても、帳票の各用紙の接着を認証欄の存在する辺の反対側に位置する辺94で行った場合、当事者は用紙を少し捲るだけで捺印といった認証手続きを認証欄に行える。これでは、用紙を開いたとしても、十分に書面を読むような構造になっているとはいえず、内容を確認しなくても捺印といった認証手続きを取れてしまう。しかしながら、帳票の各用紙の接着を認証欄の存在する辺に隣接する辺である92または93で行った場合、当事者は用紙をきちんと捲らなければ捺印といった認証手続きが行えなくなる。このように第10の課題解決手段にこの解決手段を加えることで、当事者に対して従来の帳票と同様に認証手続きをするときに用紙を開かせることができる。
上記第12の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図6において、書類名明示領域があることにより、当事者は認証手続きを行う帳票がどのような名称で性格の書面であるか容易に理解できる。
上記第13の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図6において、名称者明示領域と書類名明示領域がマトリックスを形成し、認証欄がその交差上に存在するため、当事者は名称者明示領域に従って自分の認証欄を探し、その認証欄がどの書面に属しているのかを書類名明示領域で容易に理解できる。そして、その認証欄の用紙の切れ目を捲れば、認証すべき書面である用紙を容易に探し出すことができる。さらに、図9においてはより理解しやすいマトリックスを示している。
上記第14の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図7の示す名称者明示領域となる「申込者捺印欄」および書類名明示領域である「同意書」と表示された領域といった太線および太い破線間の斜線で示すとおり、上用紙に名称欄の名称者が認証手続きを取る指示を記載する領域および認証欄の存在する用紙の書類名を示してある領域を上用紙に配置し立体的に処理することで、認証欄の存在する用紙に同様の領域を設けて、その上部を空白とした場合に比べ、その裏面に約款や規約といった文章が存在する領域をより多く確保することができる。
上記第15の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、図43のように、上用紙の上部から認証欄の一部しか認識できない場合に、その認証欄の認識できる領域と認識できない領域の境界に引かれた線分をまたいで認証欄手続きを行うことにより、認証手続きが終了して帳票の全ての用紙を再び重ね合わせた場合でも、認証手続きを行った事実の確認を容易にすることができる。
上記第16の課題解決手段は次の通りである。すなわち、図65のように、第10の課題解決手段において、上用紙より上に位置する用紙が存在し、上用紙より下に位置する用紙が左側に延出しているのに対して、上用紙より上に位置する用紙は、順次下方向に上用紙より短くなっている。これにより、消費者といった当事者が、上用紙以下の帳票と上用紙より上に位置する帳票以外の用紙との用途の違いを容易に理解できる。
上記第17の課題可決手段は次の通りである。すなわち、図69のように、第10の解決手段手段の場合であっても、上用紙より下に位置する認証欄を表出するため上用紙より下に位置する認証欄の存在する用紙が順次延出する場合、上用紙より下に位置する用紙が延出している方向と直角の方向で、上用紙より短くなることにより、消費者といった当事者が、上用紙以下の帳票と上用紙より上に位置する帳票以外の用紙との用途の違いを容易に理解できる。
上記のように、本発明においては、名称欄と認証欄の固有の関係を確保することを前提に、消費者向けの複数枚で構成される帳票に認証手続きをする消費者といった当事者が認証手続きをするべき認証欄がどこにあるのかをすぐ理解でき、認証手続きをする書面がどのような名称でどこにあるのかをすぐ理解でき、認証すべき書面である用紙を容易に探し出すことができ、消費者向けの複数枚で構成される帳票が帳票とは異なる用途の部分を含んでいる場合、その異なる用途の部分を容易に理解できる。これらにより、消費者といった当事者は、自発的に書面を理解し認証手続きを行う手順が可能となる。この結果として、事業者側からの誘導による認証手続きをさせずに、消費者といった当事者を不適切な勧誘などの販売行為から保護し、契約成立後の法的なトラブルを回避する効果を得られる。
第2に、消費者といった当事者が複数舞で構成される帳票を一般的な使用をした場合は、認証欄または認証欄明示領域が上用紙の上部から確認できるにもかかわらず、従来の複数舞で構成される帳票と同様に認証手続きをするときに用紙を開いて行うことができる。これにより、事業者側からも消費者といった当事者から「内容を確認しなくても認証できる帳票となっているから、内容を確認していない。」といった理不尽な抗弁を避けることが可能となる。
第3に、裏面の約款や規約といった文章に対する面積を確保する点について、名称者明示領域、書類名明示領域といった領域を認証欄のある用紙に設け上部に空間を作った場合に比べ、本発明においては上用紙にこれらの領域を設ける立体的な構造のため、用紙に切込を入れる場合には最小の面積で切り込むこととなり、その結果、裏面の面積は最大限確保されるという効果を得られる。
第4に、用紙のサイズは例えば上用紙がA4の場合、上用紙より下に位置する認証欄のある用紙を上用紙より延出させなければならない場合でも、認証欄の一部しか表出させないことにより、A4といったJIS企画と最小限の差異となり、その結果、容易に保管できる効果が得られる。
第5に、認証欄の一部しか表出しないことにより、認証欄の存在する用紙端とそれより上方向にある用紙の端の長さを短くすることができ、これにより切込を避け、また使用する用紙の量を制限することができ、作成コストの負担を抑えることができる。
第6に、認証欄明示領域をもちいて、認証欄明示領域に隣接して認証欄を設けることで、認証欄は表出しないため、認証手続きをした後、上に位置する用紙がかぶさるので、認証を汚れや擦れから保護することができる。
第7に、上用紙の上部から認証欄を俯瞰できることで、消費者といった当事者が書面を作成し、認証手続きを終了したときに、認証手続きを行った事実の確認を容易に行うことができる。
第8に、消費者向けの複数舞で構成される帳票について、既に従来の形で版下データ後存在する場合、認証欄明示領域と接続線により認証欄の位置を変更することなく最小限度の帳票変更を行えるために、帳票を準備する事業者は大幅な版下データの変更を避け、多大なコストや時間を費やすことなく本発明を利用することができる。
以下、本発明を実施するための第1の最良の形態を図1ないし図7に基づいて詳細に説明する。
本実施例およびその他の実施例においては、帳票を説明するために、便宜上、特定の帳票を想定する。この便宜上、想定された特定の帳票は、原則として、名称欄を備える上用紙と上用紙より下に位置する上用紙と同一の当事者を指し示すための名称欄およびその当事者の認証欄を備える用紙A、B、Cで構成される帳票を例に説明する。また、この便宜上、想定された特定の帳票は、契約申込書を具体的な例として用いて、説明する。そして、上用紙はお申込の内容という書面とする。上用紙より下に位置する上用紙と同一の当事者を指し示すための名称欄およびその当事者の認証欄を備える用紙のうち1番上に設置する用紙は同意書という書面とする。上用紙より下に位置する上用紙と同一の当事者を指し示すための名称欄およびその当事者の認証欄を備える用紙のうち2番目に設置する用紙は契約書という書面する。上用紙より下に位置する上用紙と同一の当事者を指し示すための名称欄およびその当事者の認証欄を備える用紙のうちのうち3番目に設置する用紙は口座依頼書という書面とする。しかしながら、契約申込書、お申込の内容、同意書、契約書、口座依頼書といった名称はあくまで本発明を具体的な説明をするための一事例にすぎず、本発明の範囲を拘束するものではない。実際に、契約申込書の替わりに入会申込書、加入依頼書、振替決済口座設定申込書といった名称の帳票でもよい。また、お申込の内容、同意書、契約書、口座依頼書という順序は、契約書、同意書、口座依頼書、お申込の内容といった順番など、自由に入れ替えをしても問題はなく、お申込の内容、同意書、契約書、口座依頼書といった名称の替わりに確認書、物件受領書といった名称の書面でもよい。また、用紙の枚数は上用紙および上用紙より下に位置する用紙が1枚以上であればよい。
お申込の内容には、便宜上、申込者、連帯保証人、口座名義人という3名の当事者についての名称欄を備えている。同意書および契約書には、便宜上、お申込の内容で備えた3名の名称欄のうち、申込者および連帯保証人の名称欄とそれぞれに対応する認証欄を備える。口座依頼書には、便宜上、お申込の内容で設置した3名の名称欄のうち、申込者および口座名義人の名称欄と口座名義人に対応する認証欄を備える。しかしながら、これらについても、あくまで本発明を具体的な説明をするための一事例にすぎず、本発明の範囲を拘束するものではない。当事者の人数は1名以上であればよい。また当事者の名称は契約者、依頼者、お支払人といった名称でもよい。
本実施例において、図1で示す100は消費者向けの複数枚で構成される帳票となる契約申込書である。1は、お申し込みの内容を記載する上用紙である。2は、同意書を記載する上用紙に存在する名称欄に固有の認証欄を備える上用紙より下に位置する用紙である。3は、契約書を記載する上用紙に存在する名称欄に固有の認証欄を備える上用紙より下に位置する用紙である。4は、口座依頼書を記載する上用紙に存在する名称欄に固有の認証欄を備える上用紙より下に位置する用紙である。図1が示すように契約申込書100はお申込みの内容1、同意書2、契約書3および口座依頼書4から構成される。
図2で示すお申込みの内容1には、名称欄5となる申込者欄50、連帯保証人欄51、口座名義人欄52が存在する。名称者明示領域7となる「申込者捺印欄」と表示された領域70、「連帯保証人捺印欄」と表示された領域71、「口座名義人捺印欄」と表示された領域72が、水平の切込線90aに沿って存在する。書類名明示領域8となる「同意書」と表示された領域80、「契約書」と表示された領域81が垂直の切込線91a沿って存在する。切込線90aと切込線91aは交錯して鍵状に切り取られた状態を形成し、同意書2から口座依頼書4に存在する認証欄が表出するようになっている。
図3で示す同意書2には、お申込みの内容1より複写により記載される名称欄5となる申込者欄50b、連帯保証人欄51bが存在している。関係明示手法7Aとなる「申込者捺印欄」と表示された領域70b、「連帯保証人捺印欄」と表示された領域71bが存在する。70bは認証欄となる申込者捺印欄60の上部に接し、71bは認証欄となる連帯保証人捺印欄61の上部に接して存在する。60、61は、水平の切込線90bに沿って存在し、90bは垂直の切込線91bと交錯して鍵状に切り取られた上体を形成し、契約書3と口座依頼書4に存在する認証欄が表出するようになっている。
図4で示す契約書3には、お申込みの内容1より複写により記載される名称欄5となる申込者欄50c、連帯保証人欄51cが存在している。関係明示手法7Aとなる「申込者捺印欄」と表示された領域70c、「連帯保証人捺印欄」と表示された領域71cが存在する。70cは認証欄となる申込者捺印欄60cの上部に接し、71cは認証欄となる連帯保証人捺印欄61cの上部に接して存在する。60c、61cは、水平の切込線90cに沿って存在し、90cは垂直の切込線91cと交錯して鍵状に切込を形成し、口座依頼書4に存在する認証欄が表出するようになっている。
図5で示す口座依頼書4には、お申込みの内容1より複写により記載される名称欄5となる申込者欄50d、口座名義人欄52dが存在している。関係明示手法となる「口座名義人捺印欄」と表示された領域72dが認証欄となる口座名義人捺印欄62dの上部に接して存在する。口座名義人捺印欄62dの右に接して書類名明示領域となる「口座依頼書」と表示された領域82が存在する。
お申込みの内容1から口座依頼書4を図1に従って帳合し上部より俯瞰した平面図が図6である。左下に認証欄が行列状に配置され、上部にお申込みの内容1に存在する名称者明示領域となる「申込者捺印欄」と表示された領域70、「連帯保証人捺印欄」と表示された領域71、「口座名義人捺印欄」と表示された領域72が行方向に認証手続きを行う当事者の属性を示し、右に上部にお申込みの内容1に存在する書類名明示領域である「同意書」と表示された領域80、「契約書」と表示された領域81および口座依頼書4に存在する書類名明示領域である「口座依頼書」と表示された領域82が書類である用紙の属性を示す。これにより、名称欄5となる申込者欄50、連帯保証人欄51、口座名義人欄52に自分の名義を記載する各当事者はこの行列状の認証欄と示された属性により、自分がどの書類である用紙に認証手続きをするのかを容易に理解することができる。
各当事者が認証手続きをするべき認証欄の切込線にある一番下の用紙を捲ることで容易に認証手続きをするべき書類である用紙を検索することができる。例えば、口座名義人捺印欄62dの上部にある切込線の破線部分90cの一番下の用紙を捲れば、口座依頼書4を検索することができる。これにより、消費者といった当事者は事業者からの誘導などによらずに自分から契約の内容を理解し認証手続きを行うことができる。
お申込みの内容1といった裏面には約款といった文章を印刷することが多いが、本発明においてはお申込みの内容1に名称者明示領域7および書類名明示領域8に設置しているため認証欄6のある用紙に設置する場合に比べ、図7に示す斜線の部分の面積について切込が少ない。このため約款などの文章をより広い領域で表示することができるようになっている。
同意書2から口座依頼書4については、名称欄5と認証欄6が離れた位置関係で存在する。これらの用紙は契約成立後に権利義務に関する書類となるものなので、両者の固有の関係を確保しないと書類として成立しなくなる。本発明においては、関係明示手法7Aにより名称欄5と認証欄6の固有の関係を確保されている。例えば、同意書2の場合、名称欄5となる申込者欄50b、連帯保証人欄51bに対して認証欄となる申込者捺印欄60、連帯保証人捺印欄61が存在するが、各認証欄に接して関係明示手法となる「申込者捺印欄」と表示された領域70bが60に接して存在し、「連帯保証人捺印欄」と表示された領域71bが61に接して存在するので、それぞれの名称欄と認証欄は固有な関係であることを確認できる。
口座名義人の認証欄は口座依頼書4のみに存在する。左から名称欄の順番で申込者、連帯保証人、口座名義人とした場合、現在2段の認証欄が3段構成となり、深い切込が必要となる。深い切込を避けるために口座名義人の認証欄62dを左端に設置し、書類名明示領域8もお申込みの内容1に設置せず、認証欄62dの右に書類名明示領域である「口座依頼書」と表示された領域82が存在している。
次に、図8ないし図60に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当たって、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図8ないし図13に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記最良の第1の形態とは、全ての書類名明示領域8をお申込みの内容1に設置している点で異なっている。
本発明を実施するための第2の形態においては、最良の第1の形態の場合の図1では口座依頼書4に位置していた書類名明示領域82が、図8で示す消費者向けの複数枚で構成される帳票200となる契約申込書では、お申込の内容1に位置している。
図9で示す200のお申込の内容1には、書類名明示領域である「口座依頼書」と表示された領域82が「同意書」と表示された領域80、「契約書」と表示された領域81とともに垂直の切込線91a沿って存在する。また、名称者明示領域7となる「申込者捺印欄」と表示された領域70、「連帯保証人捺印欄」と表示された領域71、「口座名義人捺印欄」と表示された領域72が名称欄の順に、水平の切込線90aに沿って左から並ぶ。
図10で示す200の同意書2には、1上の書類明瞭明示領域80と名称者明示領域70、71の交差する点にそれぞれ認証欄60、61を設けている。同様に図11では契約書3の認証欄6について60c、61cを、図12では口座依頼書4について62dを、1上の書類明瞭明示領域8と名称者明示領域7の交差する点に設けている。
1から4を図8に従って帳合し上部より俯瞰した平面図が図13である。図13を最良の第1の形態の同様の平面図である図6と比較すると、図13では認証欄が完全な行列状態に配置されており、申込者、連帯保証人、口座名義人といった当事者には自分が認証を行う認証欄がより理解をしやすく、それに従い書面の確認がより容易に行える。
図14ないし図19に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第2の形態とは、全ての書類名明示領域を各書類名の指し示す用紙自体に設置しているで異なっている。
本発明を実施する第3の形態においては、図14で示す消費者向けの複数枚で構成される帳票300では、お申込みの内容1には書類名明示領域が存在せず、同意書2の切込線90bに接して「同意書」と表示された書類名明示領域80、契約書3の切込線90cに接しに「契約書」と表示された書類名明示領域81、口座依頼書4の切込線90dに接し「口座依頼書」と表示された書類名明示領域82が存在し、各認証欄とともに表出する。これにより、前記本発明を実施するための第2の形態と同様に、申込者、連帯保証人、口座名義人といった当事者は自分が認証を行う認証欄が理解しやすく、それに従い書面の確認が容易に行えるという効果が得られる。
図15で示す300のお申込の内容1、図16で示す同意書2及び図17で示す契約書3は第2の形態の場合の図9で示すお申込の内容1、図10で示す同意書2及び図11で示す契約書3と比較して、垂直の切込線91a、91b、91cが不要となり、加工が単純なためにコスト節約ができる。
図20、図43ないし図46および図58に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための第3の形態とは、同意書2から口座依頼書4に至るまで表出する長さを認証欄が認識できる範囲で短くした点にある。
図58で示す消費者向けの複数枚で構成される帳票500となる契約申込書は、同意書2に存在する認証欄60、61について、お申込の内容1の水平の切込線90aが上部を横切っているために認証欄全てを500上から認識できないことを表している。同様に契約書3に存在する認証欄60c、61cは90bのために、口座依頼書4に存在する認証欄62dは90cのために500の上から認識できない。これは、本発明を実施する第3の形態の図14で示す300に比較し、認証欄が表出している用紙の上に位置する用紙の端からその用紙の端までの長さ21、31、41が短いためである。
図20で示す500の平面図において、お申込の内容1の水平の切込線90aから同意書2の底辺までの距離21、2の水平の切込線90bから契約書3の底辺までの距離31、3の水平の切込線90cから口座依頼書4の底辺までの距離41は、図19における21、31、41に比べ,短くなっている。これにより前記本発明を実施するための第3の形態と同じ構成をとりながらも書類である各用紙の伸長が抑制される。また、用紙サイズを容易に保管できるようA4などのJIS企画と同一または最小限となるようにできる。
また、認証欄が認識できる範囲を短くしているため、認証手続き後に、認証欄に行った認証が表出しているかは認証手続きを行っている時に理解しにくい。そこで、認証手続きを行っている時にも認証が表出するかを確認できるように認識線を設けることができる。図20では認識線68が認証欄の認識できる領域と認識できない領域の境界に引かれている。認識線の役割は、図43ないし図45で示している。図43は同意書2に認証欄が存在し、その上にお申込みの内容1が覆い、認証欄の一部が認識できないことを表現している。そして、お申込みの内容1の水平の切込線90aの直下に認識線68を認証手続きの邪魔にならない程度の長さで設置する。同意書2に認証手続きをする際、図44に示すように認識線をまたいで認証手続きを行う。その結果として、図45に示すように、お申込みの内容1を同意書2に重ねても認証の一部が表出し、認証手続きが終了しているか容易に確認することができる。これにより、認証手続き終了後に認証手続き漏れがないか確認が可能となる。
認識線は、本発明において、消費者向けの複数枚から構成される帳票を俯瞰したときに、認証欄の一部のみしか認識できない場合に常に適用が可能である。
図23、図29、図30、図59および図62に示す本発明を実施するための第5の形態において、前記本発明を実施するための第4の形態までとは、名称欄が名称者明示領域の目的を兼ねて、名称者明示領域が存在しない点で異なる。
図59で示す消費者向けの複数枚で構成される帳票600となる契約申込書は、お申込の内容1の名称欄である50、51、52が名称者明示領域の目的を兼ねていて、600を俯瞰した時に、同意書2、契約書3、口座依頼書4に存在する認証欄がそれぞれに対応する名称欄と一体化している。
図23で示す600の平面図において、名称欄である申込者欄50に認証欄60、60cが一体化し、名称欄である連帯保証人欄51に認証欄61、61cが一体化し、名称欄である口座名義人欄52に認証欄62dが一体化している。
図62で示す図23の同意書2において、名称欄50bと認証欄60は一体化している。また同様に名称欄51bと認証欄61も一体化している。名称欄と認証欄が一体となっていることは契約書3および口座依頼書4でも同様である。これにより、本発明を実施するための第5の形態において、名称欄と認証欄の固有の関係を確保されていることは自明である。
また名称欄を名称者名領域とみなすことで、名称者明示領域である名称欄と書類名明示領域により形成されるマトリックスに認証欄が示される形となり、消費者といった当事者は容易に自分が認証する認証欄とその書類の名称や特性を理解できる。
図29は図23と比べ、各名称欄の「申込者」といった記載項目を上部に寄せ名称を記名する枠に隣接しているため、認証欄が名称欄の一部のように認識されやすい。図30は図29に比べ、認証欄であることを明記した「捺印」というスペースを設け、認証欄があることをよりわかりやすくしている。さらに、同意書2から口座依頼書4に至るまで表出する長さを認証欄が認識できる範囲で短くしており、これにより本発明を実施するための第4の形態を適用できることを示している。
本発明を実施する第5の形態は名称欄と認証欄が隣接することで、署名・認証の一体性を大切にする人や法人にも受け入れられるという効果がある。
図39ないし図42、図47ないし図53および図60に示す本発明を実施する第6の形態において、前記本発明を実施するための第5の形態とは、同意書2より下の用紙に捺印といった認証手続きをする場合、消費者向けの複数枚で構成する帳票の上用紙の上から、表出した認証欄に対して直接捺印といった認証手続きが行えない点で異なる。
本発明を実施する第6の形態において、認証手続きは捺印とする。
本発明を実施する第6の形態において、消費者といった当事者が消費者向けの複数枚で構成される帳票を一般的な使用をした場合に、従来と同様に認証手続きをするときに用紙を開くことが主要な解決すべき課題である。
図47は従来の消費者向けの複数枚で構成される帳票である。図47において同意書2以下の用紙に捺印する場合、用紙を大きく捲って捺印する。帳票の上部92が接着されている場合、上部92より上に向かって、認証欄の存在する用紙より上部にある用紙を捲る。そして、認証欄に認証手続きをする場合、少なくともその認証欄の上部を通る水平線にあわせて捲ることが必要である。図48は図47の同意書2である。この同意書2の申込者の認証欄60に捺印するためには、申込者は少なくともお申込の内容1を96の水平線まで持ち上げないと捺印できない。
本発明を実施する第6の形態においては、目的とする機能の達成するべき基準は、従来の消費者向けの複数枚で構成される帳票において捺印するのに必要な図48の水平線96に準じる程度に、認証欄の存在する用紙より上部にある用紙を十分に捲ることを確保することである。
図60で示す消費者向けの複数枚で構成される帳票700である契約申込書は、前記本発明を実施するための第5の形態と同様にお申込の内容1に存在する名称欄が名称者明示領域の目的を兼ねて、名称者明示領域が存在しない。また、700を俯瞰した時に名称欄50が認証欄60、60cと、名称欄51が認証欄61、61cと、名称欄52が62dにと一体化している。同意書2に存在する認証欄60、61について、お申込の内容1の垂直の切込線91aが上部を横切っているために認証欄を700上から俯瞰した時に、8mm未満しか認識できない。同様に契約書3に存在する認証欄60c、61cは91bのために、口座依頼書4に存在する認証欄62dは91cのために700の上から8mm未満しか認識できない。また、認証欄が存在する一辺に隣接する辺92において、1、2、3、4は接着され複数枚で構成される帳票となっている。
図39で示す700の平面図において、同意書2に存在する認証欄60、61はお申込みの内容1により覆われており、お申込の内容1の左端91aから同意書2の左端91bまでの長さが8mm未満である。現在市販の印鑑は、訂正用印鑑として販売しているものを除いて、楕円のものでも短軸で8mmのものが最小である。このために700の上から認証欄60、61に捺印することはできない。同様に契約書3に存在する認証欄60c、61cおよび口座依頼書4に存在する認証欄62dも8mm未満しか表出していないため、700の上から捺印することはできない。また、図39において、同意書2に存在する認証欄60、61に接するお申込みの内容1の辺91aに隣接する帳票の上部の辺92でお申込の内容1から口座依頼書4までを接着することにより、本帳票は上へ向けて用紙をめくることになる。
図49は右利きの人が700の契約申込書を利用しているところである。左手でお申込の内容1を持って大きく持ち上げて同意書2を開き、右手に持った印鑑でお申込者認証欄60に捺印する。この場合、一般的に長さ60mmの印鑑及び右手を同意書2の上に置かなければ捺印できないため、お申込の内容1を大きく開いて図48で示す従来の消費者向けの複数枚で構成される帳票の場合の水平線96と同様、図49の水平線96まで持ち上げることになる。
図50は左利きの人が700の契約申込書を利用しているところである。右手でお申込の内容1を持って大きく持ち上げて同意書2を開き、左手に持った印鑑でお申込者認証欄60に捺印する。この場合も長さ60mmの印鑑を60上に置くスペースが必要である。また、右手の場合と異なり、2の上に右手を置く必要がないので右下の角から左上に向けて大きく向けることも可能であるが、用紙半分を持ち上げるため重量が重くかつ持ち上げた部分が不安定となるので一般的ではない。このため、右の場合と同様に、お申込の内容1を大きく開いて図50の水平線96まで持ち上げることになる。
以上により、本発明を実施する第6の形態においては、右利きの人の場合も左利きの人の場合も、同意書2以下の用紙を十分に捲ることを確保しながら、認証欄の位置を上用紙の上部から確認することが可能である。
700において、帳票の上部92以外に帳票の下部93においてもお申込みの内容1の辺91aに隣接するため、お申込の内容1から口座依頼書4までの接着は93で行っても同様の効果が得られる。また、認証欄60、61、60c、61c、62dの位置は図39においては左側に存在するが、右側に存在しても、接着の位置を帳票の上部92もしくは帳票の下部93で行えば、同様の効果が得られる。
図51においては700において左側に存在した認証欄が下部に存在し、左側で接着されている。この場合、例えば同意書2の捺印欄60に捺印する場合、右利きの人が捺印する場合は、右手をおくためにお申込の内容1を大きく開く必要がある。また図52におけるように左利きの人が捺印するためには用紙を捲る右腕の位置が捺印する左腕の位置の左側にくるため、不自然な姿勢になるのでお申込の内容1を完全に左側に開かないとならない。これは認証欄が上部に存在し、左側で接着されている場合も同様である。また、認証欄の位置が上部又は下部にあり、右側で接着される場合も、左右を逆に考えればお申込の内容1を大きく開く必要があることを理解できる。認証欄が帳票の上部又は下部に存在する場合で、接着の位置が帳票の左部又は右部である場合も同様の効果が得られるということである。
図53で示すように、図39に書類名明示領域7を設けることができる。これにより、消費者といった当事者は認証手続きをより十分に理解できるようになる。
本発明を実施する第6の形態は、本発明を実施する第4の形態にも適用できる。図61は図20の形態に本発明を実施する第6の形態を適用したものである。21、22、23の長さは8mm未満であり、認証欄が存在する一辺に隣接する辺91において、1、2、3、4は接着され複数枚で構成される帳票となっている。これにより、本発明を実施する第6の形態の効果が生じる。
図15および図31ないし図35、図54および図63ないし図64に示す本発明を実施する第7の形態において、前記本発明を実施するための第6の形態までとは、お申込みの内容1の上から俯瞰した場合に、認証欄に代わって認証欄明示領域を認識できる点で異なっている。
図15および図31ないし図33は、図58で示す本発明を実施する第4の形態である500である契約申込書の認証欄の表出した部分を全て認証欄明示領域に置き換えて示したものである。お申込の内容1は図15で表し、500のお申込の内容1と等しい。図31ないし図33は表出する部分に「捺印欄」と表示したものを認証欄明示領域とし、その上部に認証欄が隣接している。同意書2は図31で示し、認証欄明示領域63bが認証欄60と接し、認証欄明示領域64bが認証欄61と接している。契約書3は図32であらわし、認証欄明示領域63cが認証欄60cと接し、認証欄明示領域64cが認証欄61cと接している。口座依頼書4は図33で表し、認証欄明示領域65dが認証欄62dと接している。そして、お申込の内容1から口座依頼書4までを帳合し、上部から俯瞰したものが図34であり、認証欄は表出していないが、認証欄明示領域により、認証欄の存在することが容易に理解できるため、帳票に認証手続きをする消費者といった当事者は、自分が認証するべき書類である用紙を容易に理解することが可能であり、また認証欄は上部の用紙に覆われているため認証が擦れてしまうことがないという効果を得られる。
図35は、認証欄明示領域を塗りつぶしたもので、契約申込書を提示する事業者や消費者といった当事者が認証欄明示領域に認証欄が隣接していることを理解している状況であれば、図34の場合と全く同様の効果があり、さらに認証欄明示領域の上にはより認証されにくいという効果もある。このように認証欄明示領域は文字以外の塗りつぶしや☆といった記号でも表示することが出来る。
図54は本発明を実施する第4の形態のうち、特に認証が擦れると使うことができなくなってしまう口座依頼書4上にある口座名義人の認証欄の部分にのみ認証欄明示領域65dを適用した場合である。このように認証欄明示領域は認証欄の部分のうち、一部にのみ適用することも可能である。
また図63は本発明を実施する第6の形態における図39で、口座依頼書4上に存在する口座名義人の認証欄を認証欄明示領域に置き換えた契約申込書である。図63の65dが認証欄明示領域であり、名称欄52と一体となっている。
図64は図63の口座依頼書4である。口座依頼書4においては、認証欄明示領域65dが認証欄62dに隣接し、容易に認証欄の位置を理解できることを示している。また、認証欄62dは名称欄52dに隣接し一体となっているので、名称欄と認証欄の固有の関係を確保していることは自明である。
さらに、図70は本発明を実施する第6の形態のおける図39で表出する全ての認証欄を認証欄明示領域に置き換えたものであり、図63の場合と同様に、名称欄と認証欄の固有の関係を確保することが可能である。
また図70の場合、塗りつぶし隣認証欄に文字・記号が存在しないため、認証欄が表出している用紙の上に位置する用紙の端からその用紙の端までの長さである51、52、53の長さを制約する要素が存在しない。このため、51、61、71の長さを任意に短くすることが可能であり、用紙のサイズにおいてA4やその他JISの規定するサイズとの差を最小にすることが実現可能である。
このように、本発明を実施する第7の形態は本発明を実施する第6の形態に適用することも可能である。
以上は本発明を実施する第4の形態および本発明を実施する第6の形態をもとに本発明を実施する第7の形態を述べたが、本発明を実施する第7の形態は本発明を実施するための第1の最良の形態ないし本発明を実施するための第6の形態の全てについて、認証欄の表出する部分の全部または一部について適用できる。
図15、図34および図36ないし図38および図55ないし図56に示す本発明を実施する第8の形態において、前記本発明を実施するための第7の形態とは、認証欄明示領域が認証欄に隣接せず、線分によって認証欄の位置を指し示しているという点で異なっている。
消費者向けの複数枚で構成される帳票は、既に広く市場に出回っており、新しく設計することは少ない。また、帳票の内容も法律文章を含む複雑なものが多く、新しい形への修正は非常に困難である。そこで、従来からある消費者向けの複数枚で構成される帳票を最小の修正で本発明が解決しようとする課題を克服する必要があり、本発明を実施する第8の形態はその解決手段となる。
図36ないし図38で表される同意書2から口座依頼書4は従来からある消費者向けの複数枚で構成される帳票を最小の水準で修正されたものである。図55は従来の消費者向けの複数枚で構成される帳票の同意書2であり、これを修正したものが、図36である。比較をすると、図36は下方向に認証欄明示領域の分が長くなり、認証欄明示領域63b、64bおよび書類名明示領域80、接続線66b、67bが加わっているだけである。このように本形態を用いれば、従来の消費者向けの複数枚で構成される帳票から本発明へと切り替えることができる。
お申込の内容1は図15で表し、本発明の第7の形態に等しい。図36ないし図38は本発明を実施する第8の形態の図31から図35と比較して、認証欄の位置が異なっている。いずれの認証欄も名称欄に内包される形態であり、従来の消費者向けの複数枚で構成される帳票として一般的なものである。同意書2は図36で表し、認証欄明示領域63bが認証欄60を線分により指し示し、認証欄明示領域64bが認証欄61を線分により指し示している。契約書3は図37で表し、認証欄明示領域63cが認証欄60cを線分により指し示し、認証欄明示領域64cが認証欄61cを線分により指し示している。口座依頼書4は図38で表し、認証欄明示領域65dが認証欄62dを線分により指し示している。そして、お申込の内容1から口座依頼書4までを帳合し、上部から俯瞰したものは図34であり、その効果は本発明を実施する第4の形態および本発明を実施する第7の形態と同等の効果が得られることを表している。
本発明を実施する第8の形態は、本発明を実施する第7の形態と併存して利用することが可能である。図56は申込者の認証欄60は申込者の名称欄50bに包含され、認証欄明示領域63bから接続線66bで明示されている。それに対して、連帯保証人の認証欄61は認証欄明示領域64bに隣接している。このように、両者は併存して用いることも可能である。
本発明を実施する第8の形態は単独で、または本発明を実施する第7の形態と併存して、本発明を実施するための第1の最良の形態ないし本発明を実施するための第6の形態の全てについて適用できる。
図25ないし図26に示す本発明を実施するための第9の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態とは、同意書2が鍵状の切込のある状態でない点で異なる。図25の契約申込書110は図1の契約申込書100の変形であり、その相違点は同意書2の形態にある。契約申込書100の2は図3で示されるように左下に水平の切込線90bと垂直の切込線91bによって鍵状に切込が存在する。これに対し、契約申込書110の同意書2は図26で示すように、水平の切込線90bが右端に至るまで延びており、図3に比べ垂直方向に短い長方形となっている。これは図3から理解できるように、図3の場合、水平の切込線90bより下に認証欄が存在しないため、右下に下方向に伸びている領域に特別に記載する要件がなく、また裏面の約款などの文章がこの面積がなくても収まる場合はこの領域が存在しなくても問題はなく、それを割愛したのが図26である。図26に従えば、切込といった加工は不要となり、コスト面で節約をすることができる。
本発明を実施するための第9の形態は、本発明を実施するための第1の最良の形態のほか、本発明を実施するための第2の形態に対して適用が可能である。
図24に示す本発明を実施するための第10の形態において、前記本発明を実施するための第9の形態までとは、認証欄の存在しない用紙が認証欄の存在する用紙と混在する点で異なる。
消費者向けの複数枚で構成される帳票には、当事者の契約書といった認証手続きを必要とする書類となる用紙以外にもインプット原票といった事業者側の事務処理に利用される用紙や販売店控えといった事業者側の控えのための用紙が存在し、これらには認証欄は存在しない。例えば、図24に示す消費者向けの複数枚で構成される帳票400である契約申込書において、お申込みの内容1と同意書2の間に認証欄が存在しない用紙1aが存在する場合、1aはお申込みの内容1と同様の大きさかつ形態であれば1aより下に位置する用紙の認証欄、認証欄明示領域、書類名明示領域を1aがない場合と同様に認識できる。以下、同意書2と契約書3の間に2aが存在する場合も同様である。これにより、本発明では認証欄が存在しない用紙が認証欄の存在する用紙の間に入り込んだときでも、上部に存在する認証欄を備えた用紙と同様の大きさかつ形態であれば本発明の効果を得えることができる。
本発明を実施するための第10の形態は、本発明の全ての形態と併存が可能である。
図65ないし図68に示す本発明を実施するための第11の形態において、前記本発明を実施するための第10の形態までとは、上用紙より上に位置する用紙が存在し、上用紙より下に位置する用紙が延出している方向と直角の方向で、上用紙より短くなっているという点で本発明を実施するための第10の形態と異なる。
契約申込書といった消費者向けの複数枚で構成される帳票では、上用紙より上部に契約内容を説明することを目的とした書面を付加することが多い。この書面は上用紙より下の用紙と異なり、記載項目はなく、あったとしても上用紙と複写関係になることはない。また上用紙以下が契約申込書といった帳票であるのに対し、上用紙より上に位置する用紙は説明書といったように用途が異なる。
また、従来の契約申込書では、お申込の内容とその上に位置するお申込者用制度の説明書が一体化していることが多い。これは、図68で示すように、契約申込書を俯瞰したときにA4となっている場合、この一体化した上用紙1はA3の2つ折となっている。
図65は、図53に示す契約申込書の上用紙より上に、上用紙より1枚上に位置する用紙であるお申込者用制度の説明書11と11よりさらに一枚上に位置する用紙である連帯保証人用制度の説明書12を付加し、帳票上部の辺92で接着している。上用紙より下に位置する用紙である2、3、4は左側に延出しているのに対し、上用紙より上に位置する用紙である11、12は、それに直角の方向である上側に向かって上用紙より短くなっている。
これにより、上用紙より上に位置する説明書といった用紙と上用紙以下の帳票との用途の違いが明確になり、契約申込書といった消費者向けの複数枚で構成される帳票の特性を消費者といった当事者はより容易に理解できるようになる。
また、お申込の内容とその上に位置するお申込者用制度の説明書が一体化しているときも、図67で示すように、二つ折りの上部となるお申込者用制度の説明書が二つ折りの下部となるお申込の内容より短くして組み込むことも可能である。この場合、図66で示すように連帯保証人用制度の説明書12をさらに短くすることで、従来のA3とほとんど体裁を変更することなく、本発明を実施するための第11の形態を用いることが可能である。
図69は、図34に対して本発明を実施するための第11の形態を適用したものである。上用紙以下の契約申込書を形成する1、2、3、4及び上用紙より上に位置する用紙11、12が帳票左部の辺91で接着している。
また、図71は本発明を実施する第7の形態における図70に対して、本発明における第11の形態を適用したものである。認証欄でなく、認証欄明示領域が適用となるものであっても本発明における第11の形態は適用が可能であることを示している。
このように、本発明を実施するための第11の形態は、上用紙より下に位置する認証欄を表出するため上用紙より下に位置する認証欄の存在する用紙が順次延出する本発明の全ての形態と併存が可能である。
図27および図57に示す本発明を実施するための第12の形態において、前記本発明を実施するための第11の形態までとは、お申し込みの内容1に認証欄が存在するという点で異なる。
リース契約書の一部には、リース会社と契約者がその場で契約を取り交わす種類の契約書が存在する。この場合、お申し込みの内容1の契約者側の書類にも捺印といった認証手続きを行う必要がある。図27は本発明を実施するための第2の形態における帳合後の俯瞰図である図13について、お申込の内容1上に認証欄を設けたものである。お申し込みの内容1に認証欄60a、61aを設ける場合に、お申し込みの内容1にある名称者明示領域70、71と水平の切込線90aの間に認証欄60a、61aを設けることによって、60a、61aおよび同意書2に存在する認証欄60、61という認証欄が一体化し行列状に認識でき、認証欄の存在する用紙の書類名明示領域80および80aにより認証手続きを行う書類である用紙を容易に理解するという効果が得られる。
また本発明を実施する第6の形態においては、書類名明示領域が存在しない場合がある。この場合でも図39に本発明を実施するための第12の形態を適用した平面図である図57のようにお申込の内容1に認証欄が名称者明示領域と一体化し、消費者といった当事者が帳票の理解を促進する効果がある。
このように本発明を実施するための第12の形態は、本発明の全ての形態と併存が可能である。
図46に示す本発明を実施するための第13の形態において、前記本発明を実施するための第12の形態とは、消費者といった当事者が1名のみであり、名称者明示領域が「捺印欄」といった認証手続き欄を意味する表示でもよい点が異なる。
図46は消費者といった当事者が申込者1名のみの場合の契約申込書である。名称者が1名の場合、名称欄は申込者の名称欄50しか存在しない。これに対応する名称者明示領域に表現されるのは必然的に唯一の名称者となるため、この場合は名称者明示領域70に対して、「捺印欄」といった認証手続きを意味する表現で十分である。これにより、認証欄60、60c、60dは名称欄50に表示された申込者が認証することが明らかである。
名称者明示領域が名称欄と同一である本発明を実施するための第5の形態と本発明を実施するための第6の形態におていは、名称者明示欄がそのものとして存在しないため、適用はできない。このため、本発明を実施するための第13の形態は、名称者欄が名称者明示欄を併用しているものを除く本発明の全ての形態と併存が可能である。
図21ないし図22に示す本発明を実施するための第14の形態において、前記本発明を実施するための第13の形態までとは、認証欄の設置位置を変えていることである。本発明を実施するための第1の最良の形態において、図6では認証欄を左下に位置したが、これは右上、右下、左下といったいずれに位置してもよい。右上の例として、図21を示す。また角でなくても下部、右部、左部、上部に位置してもよい。下部の例を図22で示す。
本発明を実施するための第14の形態は、名称者欄が名称者明示欄を併用しているものを除く本発明の全ての形態と併存が可能である。
図28に示す本発明を実施するための第15の形態において、前記本発明を実施するための第14の形態までとは、帳票の構成枚数および書類名において異なる。図28は入塾申込書であり、申込書と確認書の2枚で構成される。また同様に、本発明はリース契約申込書、リース契約書、クレジット契約申込書、カード入会申込書、口座設定申込書、保険契約申込書、入会申込書などの幅広い申込書や契約書など消費者向けの複数枚で構成される帳票に適用できる。このように業種や性質の異なる場合でも、消費者向けの複数枚で構成される帳票の構成枚数が2枚以上であれば書類名を問わず、本発明の効果を得られる。