JP5281383B2 - 車両の扉ロック装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のトランクロック等に好適な車両の扉ロック装置に関する。
自動車のトランクルームを閉鎖するトランクリッドは、通常、車体に固定されたストライカと、トランクリッドに回動可能に設けられたクローとが係合することによりロックされる。
近年、トランクリッドを電動によってロック解除できるようにした自動車が増えているが、電動ロック解除装置が故障したり、バッテリーの蓄電量が不足するとトランクルームを開けることができなくなるため、手動のロック解除装置も併用するのが一般的である。
例えば、特許文献1には、手動操作可能なロック解除装置を有する電動オープナー機構付きロック装置を備えた車両が記載されている。
この電動でロック解除操作するロッキングプレートに、手動操作のためのハンドルをワイヤで連結してあるため、電動でロッキングプレートを回動させると、ワイヤがロッキングプレートで押されて座屈してしまう。また、手動でのトランクロック解除に用いるワイヤは、切換操作によって他の装置(シェルリッド等)の開閉にも兼用することが多いが、電動でロッキングプレートを回動させた時、ワイヤが押されると他の装置が影響を受ける心配がある。
そこで、電動で回動させるレバーとは別に、手動で回動させるオープンレバーを設けることが考えられるが、このように複数のレバーを異なる位置に設置すると部品数が多くなると共に、広い設置スペースが必要となって装置全体が大型化する。
特開2002−220958号公報
本発明が解決しようとする課題は、手動でも電動でもロック解除することができ、部品数が少なくて済み、コンパクトでスペースをとらない車両の扉ロック装置を提供することにある。
本発明の車両の扉ロック装置は、車体及び扉のいずれか一方に固定されたストライカと、他方にそれぞれ独立して回動可能に設けられたクロー、ディテントレバー及びオープンレバーと、扉ロック解除用の電動モータとを備え、前記ディテントレバー及びオープンレバーは回転中心軸を共有し、前記ディテントレバーは、前記クローと係合して、該クローがストライカ解放方向へ回動するのを規制する規制位置と、前記クローから離脱する離脱位置との間を回動すると共に、規制位置に向けて付勢されてなり、前記ディテントレバーにサブディテントレバーを連動するよう取り付け、手動による前記オープンレバーの付勢力に抗した回動操作、又は、前記電動モータの出力軸に接続されたウォームと噛み合うウォームホイールで前記サブディテントレバーを押圧することにより、前記ディテントレバーを離脱位置に回動させ、前記オープンレバーに可撓片を一体に形成し、前記オープンレバーが手動で回動された時、該可撓片が変形して前記オープンレバーを復帰させるべく付勢力を加える。
の時、前記クロー、ディテントレバー及びオープンレバーをケースに収納し、該ケースに前記可撓片を変形させる押圧面を形成することがある。
発明によれば、電動でロック解除操作するためのディテントレバーと、手動でロック解除操作するためのオープンレバーとが回転中心軸を共有しているので、これらレバーを取り付けるための回転中心軸が一つで済み、設置スペースも狭まって、装置が小型化する。
また、オープンレバーを付勢するためのバネ及びこのバネの設置スペースが不要となるので、部品数がさらに少なくて済み、いっそうコンパクトとなる。
図1〜図13は、本発明の参考例を示す。
本実施例の車両の扉ロック装置は、トランクリッドより成る扉を車体に閉状態でロックする装置であり、図1に示すように、車体に固定されたストライカ1と、トランクリッドに設置された扉側装置2とを備える。
なお、以下の説明において、上方とはトランクリッドの基部方向、下方とはトランクリッドの先端方向を示す。
ストライカ1は、図2に示すように、衝撃に耐えられる強靭な板体を折り曲げて形成され、先端部に窓孔1aが形成されている。そして、ストライカ1は、先端部の窓孔1aが開口部から突出するようトランクルームに固着されている。
扉側装置2は、図1及び図3に示すように、トランクリッドの内面に固定されるケース3と、ケース3内に収納されたクロー4、ディテントレバー5、オープンレバー6及び電動モータ7とを備える。
ケース3は、図4及び図5に示すように、正面が開口した箱状のケース本体8と、ケース本体8の開口面の上下部をそれぞれ塞ぐ上部蓋9及び下部蓋10とから成り、下部蓋10を固定することにより扉側装置2がトランクリッドに取り付けられる。
また、ケース3の下端中央部には、トランクリッドを閉じた時にストライカ1が進入する切欠11を形成してある。
クロー4は、図7〜図9に示すように、ケース本体8の内面において、切欠11を挟んだ一側に回動可能に装着され、回動に伴ってストライカ1と係脱する。
クロー4の一側面には、切欠11の奥部を横切ってストライカ衝突部12が形成されると共に、ストライカ衝突部12の上方に係止突起13が設けられ、ストライカ衝突部12からやや間隔をあけて下方に規制片14が突設されている。
そして、クロー4は、クロー付勢バネ15(図6参照)によって規制片14が切欠11から一側へ退避する方向(図7の反時計回り)へ付勢されている。
ケース本体8の内面において、切欠11を挟んだ他側には、ディテントレバー5及びオープンレバー6が回転中心軸16を共有して回動可能に取り付けてある。
ディテントレバー5とオープンレバー6は、オープンレバー6がケース本体8の内面寄りに、ディテントレバー5がトランクリッド寄りになるよう互いに重合され、ディテントレバー5はクロー4の側方に対向して設置される。
また、ディテントレバー5とオープンレバー6の間には、サブディテントレバー17が同じく回転中心軸16を共有して回動可能に取り付けてある。
サブディテントレバー17はディテントレバー5よりも長く、ディテントレバー5との重合面に設けた突起18をディテントレバー5の中央部に形成した孔19に嵌合してある(図9参照)。そして、サブディテントレバー17とディテントレバー5とは連動して、ディテントレバー5の先端部がクロー4と係合する規制位置と、クロー4から離脱する離脱位置との間を回動する。
また、サブディテントレバー17の側縁(クロー4と逆側の側縁)には、ケース本体8の内面に向けて屈曲した当接片20が形成されている(図11)。
さらに、サブディテントレバー17及びディテントレバー5はディテントレバー付勢バネ21(図6参照)によって、規制位置へ向けて付勢されている。
オープンレバー6は、オープンレバー付勢バネ22によってクロー4に接近する方向(図7の時計回り)へ付勢され、オープンレバー6のクロー4と逆側の側面には、サブディテントレバー17の当接片20が臨んでいる。
また、オープンレバー6の先端部にはケーブル31(図13参照)が連結され、ケーブル31を手動で引っ張ることにより、オープンレバー6を付勢力に抗して回動させることができる。この時、オープンレバー6の側面が当接片20に当接して、サブディテントレバー17及びディテントレバー5を押圧する。
図7及び図10に示すように、クロー4の上方にはウォームホイール23が設置され、ウォームホイール23は電動モータ7の出力軸に連結されたウォーム24と噛み合っている。従って、電動モータ7を駆動すると、ウォーム24と噛み合ったウォームホイール23が図7の時計回りに回転する。
なお、ウォームホイール23の時計回りの回転は、ケース3に設けた第1のストッパ突起27(図6参照)によって停止する。
また、ウォームホイール23の同軸上には、電動モータ7が駆動した時に回転したウームホイール23を元の位置に復帰させる戻しバネ26が内蔵されている。ウォーム24の歯のねじれ角は、噛み合っているウォームホイール23が戻りやすい角度に設定してあるため、戻しバネ26でウォームホイール23を逆転させることができる。
戻しバネ26により逆転したウォームホイール23は、初期位置に戻るとケース3に設けた第2のストッパ突起27’(図6)に当たって停止する。
ウォームホイール23の表面には押圧片25が設けられ、常態において、押圧片25がサブディテントレバー17の先端部の一側に非作動状態で臨んでいる。
このトランクロック装置は次のように作動する。
トランクリッドが開いた状態では、図12の(ハ)に示すように、クロー付勢バネ15に付勢されているクロー4の規制片14が切欠11の一側へ退避し、ストライカ衝突部12が切欠11の奥部を横切っている。クロー4の係止突起13は、サブディテントレバー17及びディテントレバー5を他側へ向けて押し退けている。
また、この時、ウォームホイール23の押圧片25はサブディテントレバー17の先端部から離れた位置にある。
トランクリッドを閉じると、ストライカ1がケース3の切欠11に進入し、ストライカ1の先端面がクロー4のストライカ衝突部12に衝突する。すると、その衝撃でクロー4が図12の(イ)に示すように時計回りに回転し、クロー4の規制片14がストライカ1の窓孔1aに係合する。
また、クロー4の回転によって、係止突起13が上方へ移動するため、ディテントレバー5及びサブディテントレバー17がディテントレバー付勢バネ21に引っ張られて規制位置へ回動し、ディテントレバー5の先端が係止突起13の基部に突き当たって、クロー4が元の位置に復帰するのを妨げる。
この結果、ストライカ1は切欠11から脱出できなくなり、トランクリッドが閉状態でロックされる。
この時、サブディテントレバー17の先端部は、押圧片25に近接した位置まで移動する。
電動モータ7を駆動すると、図12の(ロ)に示すように、ウォーム24に噛み合ったウォームホイール23が時計回りに回転し、押圧片25がサブディテントレバー17の先端部を押圧して、サブディテントレバー17が反時計回りに回動する。なお、電動モータ7は、ウォームホイール23がストッパ突起27に当たった時に停止する。
すると、サブディテントレバー17と連動するディテントレバー5が離脱位置へ回動してクロー4を解放し、クロー4がクロー付勢バネ15の力で元の位置に復帰し、規制片14が切欠11から退避する。
この結果、規制片14がストライカ1の窓孔1aから抜けて、ストライカ1とクロー4との係合が外れ、トランクリッドはロック解除される。
一方、ウォームホイール23は電動モータ7の作動が止まると、戻しバネ26の力で図12の(ハ)に示す元の位置に復帰し、押圧片25の後退に伴って、サブディテントレバー17及びディテントレバー5はディテントレバー付勢バネ21の力で、クロー4の係止突起13に当接するまで時計回りに回転する。
図13の(イ)に示すトランクの閉扉状態から、手動でオープンレバー6に連結されたケーブル31を引っ張ると、図13の(ロ)に示すように、オープンレバー6が時計回りに回動する。
オープンレバー6の側面はサブディテントレバー17の当接片20に当たっているので、オープンレバー6の回動に伴って、サブディテントレバー17及びこれに連動するディテントレバー5も時計回りに回動する。
この結果、ディテントレバー5が離脱位置へ移動してクロー4を解放するので、クロー4が元の位置へ復帰し、ストライカ1との係合が解除される。
また、ケーブル31による引っ張りを停止すると、図13の(ハ)に示すように、オープンレバー6はオープンレバー付勢バネ22の力で反時計回りに回動し、サブディテントレバー17及びディテントレバー5もクロー4の係止突起13にぶつかるまで反時計回りに回動する。
図14及び図15は、本発明の実施例を示す。
図14に示すように、オープンレバー6の基端部の外周面に、扁平な環状の可撓片28が一体に突設されている。可撓片28の素材は、合成樹脂、或いは、薄い金属片とする。
図15に示すように、ケース本体8の内部において、常態でオープンレバー6の可撓片28が位置する箇所には、可撓片28の形状よりも大きい収納空間29が形成される。
また、収納空間29の一側に連続して、収納空間29から遠ざかるに従って、回転中心軸16からの距離が次第に短くなるよう傾斜した押圧面30が形成されている。押圧面30の中間部において、回転中心軸16から押圧面30までの距離は、回転中心軸16から可撓片28の先端までの距離よりも小さくなっている。
トランクの閉扉状態でオープンレバー6が作動されず、図15の(イ)に示すように、可撓片28が収納空間29に収納されている場合には、可撓片28が何ら作用を受けず変形していない。
図15の(ロ)に示すように、手動でオープンレバー6を反時計回りに回動させると、実施例1と同様にサブディテントレバー17がオープンレバー6に押されて反時計回りに回動し、ディテントレバー5が離脱位置へ移動してクロー4が解放され、トランクロックが解除される。この時、オープンレバー6の可撓片28が押圧面30に沿って移動し、傾斜した押圧面30で押し潰されて変形する。
オープンレバー6に加わった引っ張り力が消えると、図15の(ハ)に示すように、可撓片28が元の形状に復元しようとする力が付勢力となって、オープンレバー6は時計回りに回動し、元の位置に戻る。また、これに伴って、サブディテントレバー17及びディテントレバー5も時計回りに回動する。
その他の構成は、参考例と同様なので、同一部分に共通する符号を付して詳細な説明を省略する。
参考例を示す車両の扉ロック装置の斜視図である。 ストライカを示し、(イ)は側面図、(ロ)は背面図である。 参考例に係る扉側装置の分解斜視図である。 参考例に係る扉側装置の正面図である。 参考例に係る扉側装置の背面図である。 参考例に係るケース本体、クロー付勢バネ及びディテントレバー付勢バネの正面図である。 参考例に係る扉側装置の上部蓋及び下部蓋を除いた正面図である。 参考例に係る扉側装置の上部蓋及び下部蓋を除いた斜視図である。 参考例に係る扉側装置においてクロー、オープンレバー及びディテントレバーの取付構造を示す分解斜視図である。 参考例に係る扉側装置においてウォームホイール及び戻しバネの取付構造を示す分解斜視図である。 サブディテントレバーの斜視図である。 参考例において電動によるトランクロック解除の動きを示す図である。 参考例において手動によるトランクロック解除の動きを示す図である。 実施例に係るオープンレバーの正面図である。 実施例において手動によるトランクロック解除の動きを示す図である。
1 ストライカ
1a 窓孔
2 扉側装置
3 ケース
4 クロー
5 ディテントレバー
6 オープンレバー
7 電動モータ
8 ケース本体
9 上部蓋
10 下部蓋
11 切欠
12 ストライカ衝突部
13 係止突起
14 規制片
15 クロー付勢バネ
16 回転中心軸
17 サブディテントレバー
18 突起
19 孔
20 当接片
21 ディテントレバー付勢バネ
22 オープンレバー付勢バネ
23 ウォームホイール
24 ウォーム
25 押圧片
26 戻しバネ
27 第1のストッパ突起
27’ 第2のストッパ突起
28 可撓片
29 収納空間
30 押圧面
31 ケーブル

Claims (2)

  1. 車体及び扉のいずれか一方に固定されたストライカと、他方にそれぞれ独立して回動可能に設けられたクロー、ディテントレバー及びオープンレバーと、扉ロック解除用の電動モータとを備え、前記ディテントレバー及びオープンレバーは回転中心軸を共有し、前記ディテントレバーは、前記クローと係合して、該クローがストライカ解放方向へ回動するのを規制する規制位置と、前記クローから離脱する離脱位置との間を回動すると共に、規制位置に向けて付勢されてなる車両の扉ロック装置において、前記ディテントレバーにサブディテントレバーを連動するよう取り付け、手動による前記オープンレバーの付勢力に抗した回動操作、又は、前記電動モータの出力軸に接続されたウォームと噛み合うウォームホイールで前記サブディテントレバーを押圧することにより、前記ディテントレバーを離脱位置に回動させ、前記オープンレバーに可撓片を一体に形成し、前記オープンレバーが手動で回動された時、該可撓片が変形して前記オープンレバーを復帰させるべく付勢力を加えることを特徴とした車両の扉ロック装置。
  2. 前記クロー、ディテントレバー及びオープンレバーをケースに収納し、該ケースに前記可撓片を変形させる押圧面を形成してある請求項1に記載された車両の扉ロック装置。
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