JP5281358B2 - 高分子、経上皮吸収促進剤、及び医薬用製剤 - Google Patents

高分子、経上皮吸収促進剤、及び医薬用製剤 Download PDF

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Description

本発明は、高分子、経上皮吸収促進剤、及び医薬用製剤に関し、特に物質の経上皮吸収を促進する技術に関する。
薬物を小腸、大腸、直腸、鼻腔、口腔、膣、皮膚などの部位を経由して投与する場合、薬物が単純拡散あるいはトランスポーター等の輸送系を介して吸収されることが報告されているが、あらゆる薬物が簡単に吸収されるわけではない。むしろ、これらの部位を経由した吸収は、薬物自身の溶解度、分子量、融点、親水性及び疎水性のバランスなどの性質等に影響されやすいため、必要十分な量の薬物が体内に吸収されるケースの方が少ない。
この原因の一つとして、消化管や鼻腔などの粘膜における上皮細胞や皮膚における角質細胞による薬物吸収という障壁が挙げられる。実際、この障壁のために、皮膚から吸収される薬物は、分子量が500以下、融点が200℃以下などのものに限られるという報告がある(非特許文献1)。また、経口で吸収されやすい多くの薬物は、「Lipinski’s Rule of 5」に記載されるように、分子量が500以下、油/水分配係数が−0.4〜5.6であるなどの報告がある(非特許文献2)。
しかしながら、近年のタンパク工学や遺伝子工学等の発展により、必ずしも低分子量の薬物ばかりではなく、高分子量の薬物の有用性も数多く見出されている。また、低分子量の薬物であっても、必要な薬物量を必要な時間、必要な部位へ送達することで、より効果を高め且つ副作用を低減する薬物送達技術の開発が求められている(非特許文献3)。
T.K. Goshら著, Transdermal and Topical Drug Delivery Systems, Interpharm Press, Inc., Illinois, USA, 1997年 C.A.Lipinski ら, Advanced Drug Delivery Reviews, 23巻, 3−25頁, 1997年 橋田充著、ドラッグデリバリーシステム、化学同人、1995年
かかる状況下、薬物を目的部位に必要な薬物量を送達するためには、薬物の吸収の障壁を克服する必要があり、そのための手段として注目されているのが吸収促進剤である。従来、吸収促進剤として界面活性剤、脂肪酸、アルコールなどが開示されているが、これらの吸収促進剤を用いても、必要十分な量の薬物吸収が得られなかったり、薬物は吸収されるものの、吸収部位にて刺激が現れたりといった問題点がある。後者の場合、吸収促進剤が経上皮で吸収されると、吸収促進剤自身の刺激により副作用を生じることがある。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく、新規な吸収促進剤について鋭意検討した結果、生体成分由来のアミノ酸からなる膜透過ペプチドに着目した。二木は、膜透過ペプチドとして、ヒト免疫不全ウイルス1型のTatタンパク質由来の塩基性ペプチドに注目し検討を重ねた結果、オリゴアルギニンペプチドが、細胞表面の硫酸化多糖との複合タンパク質であるプロテオグリカンと相互作用して細胞表面に濃縮され、マクロピノサイトーシスという特殊なエンドサイトーシスを介して積極的に細胞内へ取り込まれることを見出した(S.Futaki, et.al., Current Protein and Peptide Science, 4巻、87−96頁、2003年、S.Futaki, Advanced Drug Delivery Reviews, 57巻、547−558頁、2005年、二木史朗、ファルマシア、44巻、4号、321−325頁、2008年)。またRothbardらは、アルギニンペプチドと免疫抑制剤であるシクロスポリンとのコンジュゲートを合成し、シクロスポリンの経皮吸収性の向上を試みたところ、皮膚の炎症反応が抑制されたことを報告している(J.B.Rothbard, et.al., Nat. Med., 6巻、1253−1257頁、2000年)。更に北浦らは、インクレチンホルモン活性をもつペプチド(GLP−1、エキセンディンなど)に一以上のグアニジウム基を有するペプチドを直接結合し、経上皮吸収を向上したと報告している(特表2008−517055号公報)。
しかしながら、これらの技術では、膜透過ペプチドと薬物とが化学的及び/または物理化学的に結合されている。このため、薬物のみならず膜透過ペプチドも吸収される結果、前述の刺激などの副作用が懸念される。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、薬物の吸収を向上でき且つ薬物投与時において生体に与える刺激を低減できる高分子、経上皮吸収促進剤、及び医薬用製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、側鎖に膜透過ペプチドが化学的に結合した高分子と目的薬物との混合物を、経上皮で投与した場合、膜透過ペプチドが、上皮細胞のプロテオグリカンと相互作用するものの、高分子自身はその高分子量ゆえに吸収されにくく、目的薬物の吸収のみが促進されることを企図している。具体的に、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 膜透過ペプチドを側鎖に有する高分子。
(2) 前記膜透過ペプチドを構成するアミノ酸の少なくとも1つが塩基性アミノ酸である(1)記載の高分子。
(3) 共有結合による架橋構造又は非共有結合的相互作用による架橋構造を有する(1)又は(2)記載の高分子。
(4) (1)から(3)いずれか記載の高分子からなる経上皮吸収促進剤。
(5) (4)記載の経上皮吸収促進剤と、薬物と、を含有する医薬用製剤。
本発明によれば、膜透過ペプチドを側鎖に有する高分子を用いることで、経上皮の薬物吸収の向上と、生体に与える刺激の軽減とを同時に達成できる。
以下、本発明の実施形態の一例について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<高分子>
本発明に係る高分子は、幹高分子の側鎖に膜透過ペプチドを有する、いわゆるグラフト型構造をとる。かかる高分子は、皮膚や鼻腔内粘膜等に投与された際に与える刺激が少なく、併存する薬物の吸収効率を向上できる。
膜透過ペプチドによる薬物の吸収促進機構は、用いる膜透過ペプチドの種類によっても異なるが、一般的には、膜透過ペプチドが、細胞のマクロピノサイトーシスを誘発して細胞内に取り込まれることで、薬物の膜透過を促進していると推測されている。したがって、従来は、共有結合や非共有結合的相互作用を介して膜透過ペプチドを薬物に結合することで、薬物の膜透過性を改善する研究が進められてきた。しかし、この手法では、薬物のみならず膜透過ペプチドも細胞内に取り込まれるため、膜透過ペプチドによる生体への刺激性が懸念される。
本発明では、膜透過ペプチドを基剤である幹高分子に結合したことで、共存する薬物の吸収を選択的に改善することを可能としている。つまり、幹高分子に結合された膜透過ペプチドにより、マクロピノサイトーシスが誘発される。このとき、細胞は、膜透過ペプチドが結合した高分子を取り込もうとするが、巨大分子である当該高分子を取り込むことが困難である。この取り込み阻害は、共有結合又は非共有結合的相互作用により高分子を架橋することで、さらに強固なものになり、安全性の更なる向上が期待できる。
一方、細胞は、高分子の取り込みには失敗するものの、共存する薬物を偶発的に細胞内に取り込む。また、膜透過ペプチドが結合した高分子が存在する限り、細胞は当該高分子のマクロピノサイトーシスによる取り込みに何度も挑戦するため、偶発的に取り込まれる薬物の吸収性は飛躍的に向上する。UFOキャッチャー(登録商標;クレーンゲームの1種)において、取り上げたいぬいぐるみが機器の底部に透明な紐で固定されていることを想定すると、この理論は理解しやすい。つまり、ぬいぐるみを持ち上げることは、紐で固定されているため不可能であるが、その過程で、遊技者の意図しない、ぬいぐるみの近くに存在する飴が取れ得る。しかも、遊技者は、ぬいぐるみが透明な紐で固定されている事実に気づかないため、何度も繰り返してぬいぐるみを取ろうとする。その結果、偶発的に獲得される飴の数が選択的に増え続ける。この例において、飴は薬物に相当するが、薬物は膜透過ペプチドが結合した高分子の近傍に存在すればよく、両者の間に何らかの相互作用が存在することは十分条件ではあるが、必要条件ではない。なお、本明細書で述べる機構は、いずれも推測であって、本発明を限定するものではない。
[側鎖(膜透過ペプチド)]
本明細書において「膜透過ペプチド」とは、所望の薬物と併存した状態で上皮又は動物細胞に投与した際、その薬物単独での投与時に比べ、薬物の透過性を向上(例えば、透過速度の増加)できる任意のペプチドを指す。従って、膜透過ペプチドは、吸収を促進すべき薬物の種類に応じて適宜選択されてよい。
膜透過ペプチドの好ましい具体例としては、7以上12以下のアルギニンがペプチド結合したアルギニンオリゴマー、及びGRKKRRQRRRPPQなるアミノ酸配列を有するペプチド(通称Tat)といった塩基性ペプチド、RQIKIWFQNRRMKWKKなるアミノ酸配列を有するペプチド(通称ペネトラチン)等の両親媒性の塩基性ペプチド、GWTLNSAGYLLGKINLKALAALAKKILなるアミノ酸配列を有するペプチド(通称トランスポータン)等の疎水性の塩基性ペプチドが挙げられる。
膜透過ペプチドは、複数のアミノ酸から構成されるが、鼻腔内粘膜等の上皮からの薬物の吸収性を向上させるためには、そのアミノ酸のうち少なくとも1つは、塩基性アミノ酸であることが好ましい。塩基性アミノ酸は、L体又はD体のいずれであってもよく、用いる薬物に応じて適宜選択されてよい。
塩基性アミノ酸は、アルギニン、オルニチン、リジン、ヒドロキシリジン又はヒスチジンであることが好ましく、これらからなる群より選ばれることが好ましい。鼻腔内粘膜等の上皮からの薬物の吸収性を向上させるためには、塩基性アミノ酸の少なくとも1つは、グアニジノ基含有アミノ酸であることが好ましく、アルギニンが更に好ましい。アルギニンは、L体又はD体のいずれであってもよく、用いる薬物に応じて適宜選択されてよい。膜透過ペプチドは、塩基性アミノ酸の他に、酸性アミノ酸、両性アミノ酸等の他のアミノ酸を有してもよい。
膜透過ペプチドを構成する全アミノ酸における塩基性アミノ酸の割合(モル比)は、特に限定されないが、50%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上、最も好ましくは100%である。これにより、膜透過ペプチド当たりの薬物吸収効率の促進の程度が増加するため、高分子を合成する際の膜透過ペプチドの必要量の低減が期待でき、合成コストを削減できる。
膜透過ペプチドを構成するアミノ酸の数は、特に限定されないが、薬物吸収効率を充分に向上できる点で、アミノ酸の数は、2以上であることが好ましく、より好ましくは4以上であることが好ましい。
以上の膜透過ペプチドは、天然素材から単離してもよいし、人工的に合成してもよい。調製の具体的手順は常法に従えばよい。
[幹高分子]
本発明に係る高分子の幹高分子は、特に限定されないが、皮膚や粘膜との親和性に優れることから親水性高分子であることが好ましい。ここで、親水性高分子とは、水溶性高分子か、または水中で膨潤する高分子を意味する。ここでいう水溶性高分子とは、常圧下、飽和濃度以下の濃度で高分子を水中に添加したとき、添加した全量が溶解し、均一な溶液を与える高分子をいう。高分子の溶解に必要な時間や温度は特に限定されない。
親水性高分子としては、例えば、ペクチン、グアーガム、アガロース、マンナン、グルコマンナン、ポリデキストロース、アルギン酸、リグニン、キチン、キトサン、カラギーナン、ペクチン、クインスシード(マルメロ)、キサンタンガム、プルラン、セルロース、ヘミセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、カルボキシルデンプン、カチオンデンプン、デキストリンの多糖類又は多糖類の変性物;アルブミン、カゼイン、ゼラチン等の水溶性タンパク質;ポリアクリル酸及びそのエステルやアミド、ポリメタクリル酸及びそのエステルやアミド、ポリビニルアミン及びそのアミド(ポリN−ビニルアセトアミドなど)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のビニル系親水性高分子;水溶性ポリウレタン等が挙げられる。なお、ビニル系親水性高分子は、1種のモノマー単位からなるホモポリマーでもよいし、2種以上のモノマー単位からなるコポリマーでもよい。また、コポリマーは、ランダム、ブロック、グラフト、いずれのタイプであってもよい。
中でも、アクリル酸、N−ビニルアセトアミド、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、あるいはそれらの誘導体からなる群より選ばれるモノマー単位の1種以上からなるビニル系親水性高分子は、外用剤等で従来汎用されており、安全性に優れる点で好ましい。
幹高分子は、カルボキシル基を有するモノマー単位を含むことが好ましい。カルボキシル基を有するモノマー単位としては、多糖類又は多糖類の変性物の場合には、例えば、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース等がカルボキシメチル化されたモノマー単位;水溶性タンパク質の場合には、例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸等;ビニル系親水性高分子の場合には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、p−カルボキシルスチレン等が挙げられる。中でも、膜透過ペプチドのアミノ基との反応性が良好であることから、アクリル酸が好ましい。
幹高分子中のカルボキシル基を有するモノマー単位の存在モル比は、過剰の場合には、膜透過ペプチドのアミノ基との反応が困難であり、過小の場合には、膜透過ペプチドの存在量が不充分のために薬物吸収促進効果が不充分になりやすいことから、幹高分子の全モノマー単位に対するカルボキシル基を有するモノマー単位の割合は、0.001〜0.7であることが好ましく、0.01〜0.6であることが更に好ましく、0.01〜0.5であることが最も好ましい。
幹高分子のカルボキシル基と膜透過ペプチドのアミノ基とを反応させることで、幹高分子の側鎖として、アミド結合を介して膜透過ペプチドを最も簡単に導入できる。ただし、膜透過ペプチドの固定法は、本法に限るものではなく、一般的に知られている化学反応を用いて、膜透過ペプチドを固定化できる。
幹高分子の重量平均分子量は、大きいと、高分子自身が上皮を透過しにくくなり安全性の向上を期待できることから、500以上であることが好ましく、モノマーの繰り返し数は10個以上が好ましい。
なお、本発明において重量平均分子量とは、水系溶媒を用いてGPC分析を行った場合の、ポリエチレングリコール(PEG)又はポリエチレンオキシド(PEO)換算又はプルランの重量平均分子量をいう。
[製造方法]
本発明の高分子は、幹高分子を構成する高分子に膜透過ペプチドを、常法に従って重合させればよい。用いる脱離基や具体的な合成手順は、用いる高分子及び膜透過ペプチドに応じて、適宜選択すればよい。
<経上皮吸収促進剤>
以上の高分子からなる経上皮吸収促進剤は、鼻腔内粘膜等の上皮に投与された際に与える刺激が少なく、併存する薬物の吸収効率を向上できることが確認されている。また、高分子の幹高分子として親水性のビニル系高分子を採用すれば、高分子は、親水性ゆえに、含水系においても好適に使用できることから、汎用性にも優れる。従って、薬物を含有する種々の剤型、例えば、液状又はゲル状等で鼻腔に適用されるものであってよい。なお、本明細書で「上皮」とは、身体の、自由に開いた表面のすべてを覆う細胞の外層を指し、皮膚及び粘膜を包含する。粘膜は、鼻粘膜、口腔粘膜、膣粘膜、直腸粘膜、眼粘膜等を指し、胃や腸などの消化管粘膜も含む。
(架橋)
本発明において、上記の高分子は、それ単独であってもよいが、共有結合あるいは非共有結合的相互作用による架橋構造を有していてもよい。架橋体は、上記の高分子よりも大きい分子量を有するため、上皮を格段に透過しにくく、安全性を大幅に向上できる。
架橋する方法としては、共有結合又は非共有結合的相互作用が挙げられる。共有結合としては、エチレンジアミンを、高分子中のカルボキシル基と化学結合させる方法が一般的であるが、これに限定されるものではなく、高分子の架橋で用いられるすべての方法が適用可能である。また、2価以上の金属又は非金属の原子(例えば、アルミニウム、ケイ素、カドミウム、ホウ素、チタン、亜鉛、マグネシウム及びスズからなる群から選ばれる)を用いて高分子を架橋することもできる。その他、金属イオンを用いた架橋以外の静電的相互作用、水素結合、疎水結合、π−スタッキング相互作用、ファンデルワールス引力による相互作用などが、非共有結合的相互作用として用いることができる。以上の共有結合又は非共有結合的相互作用は、いずれか1つを用いてもよいし、複数を組み合わせてもよい。
<医薬用製剤>
本発明の医薬用製剤は、上記の経上皮吸収促進剤と、薬物とを含有する。
[薬物]
本発明の医薬用製剤は、薬物の優れた経上皮吸収促進作用を有する。従って、本発明の医薬用製剤に含まれる薬物は、全身性薬物又は局所用薬物のいずれであってもよく、特に限定されない。また、薬物は、その治療目的に応じて任意に選択でき、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用される薬物としては、例えば、インスリン及びインスリン分泌促進剤(例えば、エキセンディン−4、GLP−1)などのペプチド・タンパク性医薬品、ステロイドホルモン、非ステロイド系鎮痛抗炎症剤、精神安定剤、抗高血圧薬、虚血性心疾患治療薬、抗ヒスタミン薬、抗喘息薬、抗パーキンソン薬、脳循環改善薬、制吐剤、抗うつ薬、抗不整脈薬、抗凝固薬、抗痛風薬、抗真菌薬、抗痴呆薬、シェーングレン症候群治療薬、麻薬性鎮痛薬、ベータ遮断薬、β1作動薬、β2作動薬、副交感神経作動薬、抗腫瘍薬、利尿薬、抗血栓薬、ヒスタミンH1レセプター拮抗薬、ヒスタミンH2レセプター拮抗薬、抗アレルギー薬、禁煙補助薬、ビタミンが挙げられる。なお、本発明は薬物の経上皮吸収促進に関するものであり、例えば消化管からの吸収性に優れるものは本発明の適用の範囲外であり得る。
薬物の具体的な配合量は、治療目的や剤型に応じて適宜設定されてよい。
(任意成分)
薬物及び経上皮吸収促進剤に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で任意成分を適宜配合できる。このような任意成分としては、例えば、架橋剤、薬物溶解剤、乳化剤、保湿剤、清涼化剤、無機粉体、酸化防止剤、防腐剤、色素、pH調節剤、架橋コントロール剤が挙げられる。
<実施例1>
[高分子の合成]
本発明の一例に係る高分子の合成手順の概要は以下の反応式に示す通りである。詳細な手順を以下に説明する。
Figure 0005281358
(プロトン化)
Nビニルアセトアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体である「adHERO GE167」(昭和電工社製)10gを、イオン交換水1Lに溶解し、その溶液にイオン交換樹脂「アンバーリスト15DRY」(オルガノ社製)を10g加えて撹拌した。2時間撹拌した後に、イオン交換樹脂を濾別し、濾液を凍結乾燥することで、プロトン化されたNビニルアセトアミド−アクリル酸共重合体(GE167−H)を8.6g得た。このGE167−Hについて、常法に従って中和滴定を行った結果、上記反応式におけるa:b=93:7であることが確認された。
(離脱基の導入)
1.0gのGE167−Hを、33mLのN’,N’ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、更に0.983gのジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を添加した。この溶液を氷冷下10分間撹拌し、無水コハク酸0.548gを加えた。60℃で19時間に亘り撹拌を続け、反応を行った。反応の後、エタノール33mLを加えた後、アセトニトリル1Lに再沈殿を行って、減圧乾燥することで、スクシイミドエステル化されたGE167−OSuを0.740g得た。
(膜透過ペプチドの導入)
36mgのGE167−OSuを、1.15mLのDMFに溶解した。これに、オクタDアルギニン(NH−rrrrrrrr、林化成社製)のDMF溶液(1mg/10μL)350μLを混合し、40℃で24時間に亘り震蕩し、反応を行った。反応の後、特級エタノール2mLを添加し、500mLのアセトニトリルへ再沈殿を行い、濾過により濾物を回収した。この濾物を、セルロース透析チューブ(シームレスセルロースチューブ,和光純薬社製)に入れ、チューブの両口を縛った後、イオン交換水を用いて2日間に亘り透析を行った。その後、チューブの内容物を凍結乾燥して、オリゴアルギニンが導入された高分子(GE167−r8)を36.8mg得た。
この高分子(GE167−r8)について、400MHzにて、重溶媒として重水「DEUTRIUM OXIDE」(シグマ−アルドリッチジャパン社製)を用いてH−NMR測定を行った。得られたH−NMRスペクトルを図1に示す。図1において、化学シフト3.8ppm付近に見られるピークは、Nビニルアセトアミド単位中のメチン基プロトンに由来するとともに、3.2ppm付近に見られるピークは、アルギニンのδ位のメチレン基プロトンに由来する。この結果を前述の中和滴定の結果と併せることで、l:m:n=93:5.26:1.74であることが分かった(つまり、前述した側鎖Bの側鎖Aに対する存在モル比は、1.74/5.26=0.33)。
Figure 0005281358
<実施例2>
膜透過ペプチドを導入する際、オクタLアルギニン(NH−RRRRRRRR,林化成社製)を用いた点を除き、実施例1と同様の手順で高分子(GE167−R8)を合成した。
この高分子(GE167−R8)について、400MHzにて、重溶媒として重水「DEUTRIUM OXIDE」(シグマ−アルドリッチジャパン社製)を用いてH−NMR測定を行った。得られたH−NMRスペクトルを図2に示す。図2において、化学シフト3.8ppm付近に見られるピークは、Nビニルアセトアミド単位中のメチン基プロトンに由来するとともに、3.2ppm付近に見られるピークは、アルギニンのδ位のメチレン基プロトンに由来する。この結果を前述の中和滴定の結果と併せることで、l:m:n=93:5.78:1.22であることが分かった(つまり、前述した側鎖Bの側鎖Aに対する存在モル比は、1.22/5.78=0.21)。
<評価1>
まず、エーテルでの麻酔下、マウスの尾部から血液を採取し、血糖値を測定した。続いて、マウスの鼻腔内に、ヒト組換えインスリン(25IU/mL)及び実施例1で合成した高分子(0.1w/v%)のPBS溶液を、インスリンの投与量が10IU/kg、高分子の投与量が0.4mg/kgになるように同時に投与した。エーテルによる麻酔を継続しつつ、投与から10、30、60、90、及び120分経過した後、マウス尾部から血液を採取し、血糖値を測定した。この結果を図3に示す。なお、図3における対照はインスリン及び高分子のいずれも含有しないPBS溶液を投与した場合、比較例1はインスリンのみを実施例1と等量含有するPBS溶液を投与した場合に対応する。
図3に示されるように、実施例1の高分子をインスリンと同時に投与した場合には、比較例1のインスリンのみの投与に比べ、血糖値が優位に低下していた。これにより、本発明の高分子によれば、インスリンの経上皮吸収効率を向上できることが確認された。
<評価2>
まず、エーテルでの麻酔下、マウスの尾部から血液を採取し、血糖値を測定した。続いて、マウスの鼻腔内に、エキセンディン−4(50μg/mL)と、実施例1又は実施例2で合成した高分子(0.1w/v%)のPBS溶液を、エキセンディン−4の投与量が20μg/kg、高分子の投与量が0.4mg/kgになるように同時に投与した。エーテルによる麻酔を継続しつつ、投与から10、30、60、90、及び120分経過した後、マウス尾部から血液を採取し、血糖値を測定した。この結果を図4に示す。なお、図4における対照はエキセンディン−4及び高分子のいずれも含有しないPBS溶液を投与した場合、比較例2はエキセンディン−4のみを実施例1及び実施例2と等量含有するPBS溶液を投与した場合に対応する。
図4に示されるように、実施例1又は実施例2で合成した高分子をエキセンディン−4と同時に投与した場合には、比較例2のエキセンディン−4のみの投与に比べ、血糖値が優位に低下していた。これにより、本発明の高分子によれば、エキセンディン−4の経上皮吸収効率を向上できることが確認された。また、エキセンディン−4に関しては、実施例1で合成した高分子が、実施例2で合成した高分子よりも、更に経上皮吸収効率を向上できることも確認された。
<評価3>
〔経鼻投与〕
ラット(Wistar系,b.w.228〜295g)をウレタン(1.25g/kg,i.p.)麻酔し、大腿動脈に採血用カニューレを留置した。気管カニューレを挿入し、食道を小さく切開した後、食道カニューレを口腔側に向かって挿入し固定した。更に、鼻腔から口腔内への薬物移行を避けるため、鼻口蓋管を接着後、鼻腔内に塩酸ツロブテロールのPBS溶液(30mg/mL)と、実施例1又は実施例2で合成した高分子(0.1w/v%)のPBS溶液を、塩酸ツロブテロールの投与量が0.3mg/body、高分子の投与量が0.1mg/bodyになるように投与した。その後、動脈カニューレを介して約0.5mLの経時的採血を行った。血液サンプルを遠心分離した後、血漿を分離し、LC−MS/MSによりツロブテロールの定量を行った。比較例3は塩酸ツロブテロールのみを実施例1及び実施例2と等量含有するPBS溶液を投与した場合に対応する。
〔静脈内投与〕
ラット(Wistar系,b.w.233〜270g)をウレタン(1.25g/kg,i.p.)麻酔し、大腿動脈に採血用カニューレを留置した。塩酸ツロブテロールのPBS溶液(0.6mg/mL)を、塩酸ツロブテロールの投与量が0.3mg/bodyになるように静脈内投与し、その後、動脈カニューレを介して約0.5mLの経時的採血を行った。血液サンプルを遠心分離した後、血漿を分離し、LC−MS/MSによりツロブテロールの定量を行った。
〔BA比較評価〕
経時的ツロブテロール濃度からモーメント解析によりAUC0〜∞を算定し、静脈内投与のAUC値に対する各経鼻投与AUC値から、下記の式に基づいてBA(bioavailability,生物学的利用率(%))を算定した。
BA=(AUC経鼻投与/経鼻投与量)/(AUC静脈内投与/静脈内投与量)×100
以上の結果を表1に示す。
Figure 0005281358
表1に示されるように、実施例1又は実施例2で合成した高分子を投与した場合には、比較例1のように高分子を投与しない場合に比べ、塩酸ツロブテロールBA値が顕著に高かった。これにより、本発明の高分子によれば、塩酸ツロブテロールの経上皮吸収効率を向上できることが確認された。また、塩酸ツロブテロールに関しては、実施例2で合成した高分子が、実施例1で合成した高分子よりも、更に経上皮吸収効率を向上できることも確認された。
本発明の一実施例に係る高分子のH−NMRスペクトルである。 本発明の別の実施例に係る高分子のH−NMRスペクトルである。 図1に示す高分子による薬物経鼻吸収効率の変化に伴う薬理効果(血糖値)の変化を示すグラフである。 図1及び図2に示す高分子による薬物経鼻吸収効率の変化に伴う薬理効果(血糖値)の変化を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 細胞膜透過ペプチドを側鎖に有し、幹高分子の重量平均分子量が500以上である高分子からなる経上皮吸収促進剤
  2. 前記細胞膜透過ペプチドを構成するアミノ酸の少なくとも1つが塩基性アミノ酸である請求項1記載の経上皮吸収促進剤
  3. 前記細胞膜透過ペプチドが、7以上12以下のアルギニンがペプチド結合したアルギニンオリゴマー、GRKKRRQRRRPPQなるアミノ酸配列を有するペプチド(通称Tat)、RQIKIWFQNRRMKWKKなるアミノ酸配列を有するペプチド(通称ペネトラチン)、又はGWTLNSAGYLLGKINLKALAALAKKILなるアミノ酸配列を有するペプチド(通称トランスポータン)である請求項1記載の経上皮吸収促進剤。
  4. 前記高分子が、共有結合による架橋構造又は非共有結合的相互作用による架橋構造を有する請求項1から3いずれか記載の経上皮吸収促進剤
  5. 請求項1から4いずれか記載の経上皮吸収促進剤と、薬物と、を含有する医薬用製剤。
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