JP5281279B2 - 多極界磁モータに用いられる界磁マグネット及びその製造方法 - Google Patents

多極界磁モータに用いられる界磁マグネット及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5281279B2
JP5281279B2 JP2007332450A JP2007332450A JP5281279B2 JP 5281279 B2 JP5281279 B2 JP 5281279B2 JP 2007332450 A JP2007332450 A JP 2007332450A JP 2007332450 A JP2007332450 A JP 2007332450A JP 5281279 B2 JP5281279 B2 JP 5281279B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
field
motor
portions
motor case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007332450A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009027908A (ja
Inventor
信之 根本
照現 甲斐
淳一 結束
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mabuchi Motor Co Ltd
Original Assignee
Mabuchi Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mabuchi Motor Co Ltd filed Critical Mabuchi Motor Co Ltd
Priority to JP2007332450A priority Critical patent/JP5281279B2/ja
Publication of JP2009027908A publication Critical patent/JP2009027908A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5281279B2 publication Critical patent/JP5281279B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、エアコンアクチュエータ用とか電動格納ミラー用等に用いることのできる多極界磁モータに用いる界磁マグネット及びその製造方法に関し、特に、そのマグネット材料を射出成形する際のゲートを配置したマグネット構成に関する。
モータ界磁マグネットをプラスチックコンパウンド材料から成形するために、その材料は樹脂注入用のゲートから注入される。図11は、ゲートを、円環状マグネットの180°の対向位置に2点設けた従来例を示す図である(特許文献1参照)。180°の対向位置に2点設けることにより、樹脂マグネットの着磁分布を均一にし、回転ムラ、電気雑音を減少させることができる。
また、図12は、図11とは異なるゲートを設けた別の従来例を示す図である(特許文献2参照)。例示のマグネットは、円周方向に90°の位相差で4極のNS極が着磁されている。成形時のプラスチック注入用のゲートは、磁束密度が極大である位置から磁束分布の中立位置(N極とS極の中間点)へずらして配置されている。これに伴い、成形状態が悪く安定した配向が困難なウエルドラインも、磁束密度が極大の点から磁束分布の中立位置(N極とS極の中間点)へずらして配置される。これによって、成形状態が悪い位置であるゲート及びウエルドラインがいずれも磁束密度の極大点(N、S極)からずれているので、各磁極でのマグネット配向を均等化することができ、所定の磁束密度で安定した多極着磁を施すことができる。
一方、上述したような円形状のマグネットとは異なり、四角形状のマグネットを用いる四角形状外形のモータが知られている(特許文献3,4,5参照)。外周面が円形(ラウンド形状)を有している通常の小型モータは、装置内に取り付けた際には、ラウンド形状のために装置内に無駄なスペースが生じる傾向がある。モータ外形を四角形状にすることにより、モータの取付面に対する回り止め、さらにはスペース効率を高めることが可能になる。しかし、四角形状マグネットはその厚さが周方向に均一でないために、四角形状マグネット特有のマグネット材射出成形問題を有することになる。
図13は、特許文献5に記載の四角形状モータの断面図である。図13において、モータケースは、断面が4角形に形成されて、その内側に、N,S交互に磁化された4極の界磁マグネットが備えられている。この界磁マグネットは、磁極の中心が、モータケース各辺のコーナーに位置するように磁化させている。図示のモータのマグネットは、内側に円周面を有し、外側をモータフレームに密接させた形状を有する。
このようなマグネットを成形するためには、射出成形機のノズルから、成形材料の流路であるスプルー、そこから分岐したランナー、さらにはそこから分岐したサブランナーなどを介して、ゲートから樹脂注入される。成形後に、これらスプルー、ランナー、サブランナー内で固化した樹脂材料は、コスト低減のため捨てることなく再生して使用するのが一般的である。これら再生材の割合が多くなり、歩留まりが悪いと再生材混入率が上がり、その結果繰り返し再生を行うと、ランナーの強度低下とマグネット特性劣化が発生する。これは、量産時のランナー折れ、モータ性能の低下等の不具合に繋がる。
特開昭62−149109号公報 特開昭63−190538号公報 特開平7−59322号公報 実開昭64−12455号公報 特開2007−6688号公報
本発明は、モータ自体の回り止めとかスペース効率の観点から採用した多角形状外形の小型モータにおいて、マグネットの磁束が有効に機能してモータ性能を向上させつつ、樹脂の流路であるランナーを小型化して、再生材使用比率を低減することを目的としている。これによって、本発明は、生産効率が高く、安価で、耐久力、性能、及び信頼性が優れている多角形状外形の多極界磁モータを提供する。
本発明の多極界磁モータに用いられる界磁マグネット及びその製造方法は、多極の界磁マグネットをモータのモータケースの内周面に取着して用いる。このモータケースはその側面を、複数の平坦な側面部とこの側面部間の角部に位置する同数のコーナー部とを連続的に結合して形成する。界磁マグネットは、内周が回転子外径よりもわずかに大きな内径の円周面で、外周が複数の平坦な側面部とこの側面部間の角部に位置する同数のコーナー部とを連続的に結合した形状からなる。また、界磁マグネットは、モータケース側面部に対応する位置で薄肉にする一方、モータケースコーナー部に対応する位置で厚肉にし、かつ、複数のモータケースコーナー部の内の複数のコーナー部に、マグネット材を射出成形するための複数のゲートを設けて、複数のウエルドラインのそれぞれを薄肉部分に形成する。
また、界磁マグネットは4極であり、この4極の界磁マグネットを四角形状外形の小型モータの金属製モータケースの内周面に取着して用いる。モータケースはその側面を、4辺の平坦な側面部とこの側面部間の角部に位置する同数のコーナー部とを連続的に結合して全体的には四角形状に形成する。界磁マグネットは、回転子外径よりもわずかに大きな内径の円周面と四角形状の外形を有し、かつ、この四角形状の外形は、4辺の平坦な側面部とこの側面部間の角部に位置する同数のコーナー部とを連続的に結合した形状からなる。また、界磁マグネットは、モータケース側面部に対応する位置で薄肉にする一方、モータケースコーナー部に対応する位置で厚肉にし、かつ、この厚肉にした4つのモータケースコーナー部の内の2つのコーナー部の厚肉部分から、非対称にマグネット材を射出成形するための2つのゲートを設けて、2つのウエルドラインのそれぞれを薄肉部分に形成する。
2つのゲートは、厚肉にした4つのモータケースコーナー部の内の隣接する2つのコーナー部の厚肉部分に設ける。或いは、2つのゲートは、厚肉にした4つのモータケースコーナー部の内の相対する2つのコーナー部の厚肉部分に設け、かつ、マグネット材を射出成形する量或いは時間を2つのゲート間で異ならせる。
マグネット材は、プラスチックコンパウンドであり、このマグネット材が、最終的に2本のランナーから製品金型に射出されて成形される。ゲートが配置されているマグネットの厚肉部において、マグネットとモータケースの間に接着剤を塗布することにより、マグネットのゲート残りを接着固定する。2つのウエルドラインが、2つのゲートから略等距離の位置にある2つのマグネット側面部の薄肉部において対向配置される。モータシャフト中心を中心とした2つの前記ゲートのなす角度は、おおよそ90°である。
本発明によれば、ランナーを小型化出来るため再生材使用比率を、例えば図6(参考例1)との比較で、図4に示す例では、85%から70%に、また、図5(A)に示す例では80%に低減することが出来る。ゲートの位置をマグネットの厚肉部に配置することで、ゲート残りが発生しても、接着固定が出来、モータロック等の不具合が発生しない。本発明は、このようにして成形されたマグネットを、モータに使用することで、生産効率が高く、安価で、耐久力・性能・信頼性が優れている四角形状外形のモータを提供することが出来る。
以下、例示に基づき本発明を説明する。図1は、本発明を具体化する四角形状外形の小型モータの構成を示す一部縦断面図である。図2は、図1に示したモータのケース蓋を取り除いた状態で、整流子側から見た側面図である。4極界磁のマグネット、及び6極の回転子磁極を有する小型モータについて、以下説明するが、本発明は、4極の界磁極及び3極以上の回転子磁極を有する小型モータに対して適用可能である。
図示したように、金属材料により有底中空筒状にプレス加工されたモータケースの内周面にマグネットが取り付けられている。略一定板厚の金属製モータケースの四角形状側面が、マグネットの磁路となるヨークを形成している。このモータケースの開口部はケース蓋が嵌着されている。回転子のシャフトは、ケース蓋の中央部と、モータケースの底部中央にそれぞれ設けられた軸受によって支持されている。シャフト上に構成される回転子は、磁極コアと該磁極コア上に巻いた巻線とからなる回転子磁極構成を備えている。整流子は、シャフト上に固定されており、その端部には火花消去用のバリスタを備えている。この整流子に接触するブラシ(一対)は、ブラシアームを介してケース蓋に支持されると共に、ブラシアームに接続された外部端子を介して外部より電源が供給される。
また、図3(A)及び(B)は、モータケース及びマグネットそれぞれ単独の側面図である。マグネット外形形状は、モータケース内周面形状に略等しくして、その内側に圧入により取着される。マグネットの磁極は径方向に着磁される4極であり、かつ周方向にSとNが交互になっている。ここで例示するマグネットは、マグネット材により一体に全体的にはリング形状に形成されている。このリング形状マグネットは、その内径を回転子外径よりもわずかに大きくする一方、その外形は、側面部で薄肉にする一方、コーナー部で厚肉にした偏肉形状となっている。このようなマグネットは磁性材料を偏肉リング形状に一体成形し、モータケースに固定した後、磁界発生装置を用いてモータケース外部より4極のマグネットに着磁することができる。
図示したように、ヨークを形成するモータケース側面は、4極の界磁極と同数の4辺の平坦な側面部と、この4辺の側面部間の角部に位置する同数の4個のコーナー部とを連続的に結合した形状になっている。コーナー部(角面部)は、詳細は後述するように、その内面側でマグネットを支持して固定する部分であり、湾曲形状からなっている。このように、側面部を平坦に形成したことにより、モータ自体の取付けに際して回り止めとして機能するだけでなく、モータ外周面の無駄なスペースが減少して、スペース効率が向上する。
図示したように、各マグネットの周方向中心(各磁極の頂点)と、それに対応する各ヨークコーナー部の周方向中心は一致している。また、ヨークの対向するコーナー部同士、側面部同士の中心がモータシャフト中心と一致し、マグネットのコーナー部外径中心、内径中心がモータ中心と一致している。このように、モータシャフト中心(それ故に、軸受中心)に、各部中心を一致させることによりモータ組立が容易となる。マグネットは、コーナー部でのみヨークに密接する一方、側面部ではわずかの隙間を設けた形状、或いは少なくとも押し付け力が作用しない形状としたために、マグネットはヨークに対して、圧入により固定することが可能となる。リングマグネットを、ヨークコーナー部に面圧入することにより側面部の両端が引っ張られることで、側面部の剛性が上げられ、回転時のモータケース振動を押さえることができる。
各マグネットは、コーナー部が、モータ回転軸を中心とした円弧に沿って湾曲しているときに、マグネットは一定の径方向の厚みとなる。但し、マグネットは、その厚みを完全に一定にする必要は必ずしも無い。それ故、コーナー部は、モータ回転軸中心の円弧面以外の湾曲面にもすることができる。各マグネットは、コーナー部に対応する位置を超えて、それぞれ隣接する磁極に近づくほどに、径方向厚みは、平坦なヨーク側面部に対応するために小さくなる。このように、マグネットが自ずと偏肉形状になることで、マグネットの磁束は側面部で、マグネットの周方向中心から周方向に離れる程になめらかに減少して、コギングトルク低減を図ることができる。同時に、マグネットの周方向中心では十分な磁界を発生させる厚みを確保するだけでなく、マグネットをヨークに対して隙間なく押しつけることで、磁界を強くしてモータの性能アップを図ることができる。
図4は、マグネットの射出成形の一例を説明する図である。図示のマグネットは、4極の磁極が一体に成形される。4個のマグネットは、それぞれコーナー部を有し、かつ、各コーナー部の間には平坦面を有している。このようなマグネット成形のためのゲートは、一体形成の4極の磁極(の中心)に対して2つのゲートが非対称に設けられる。図示の例において、2つのゲートが、マグネット中心に対して非対称の2個のコーナー部、即ち隣接する2個のコーナー部頂部に位置している。ゲートの位置は隣接するマグネット厚肉部の位置、もしくはその近傍に配置される。これによって、ウエルドライン(金型内で溶融樹脂の流れが合流して融着した部分に発生する細い線)は、2個のゲートの中央(等距離)に位置するマグネットの最薄部もしくは近傍において、2個が対向して形成される。但し、ゲート位置は、必ずしもコーナー部頂部である必要は無く、周方向にはマグネットの厚肉部の範囲内に設ければ十分であり、また、ウエルドラインは、周方向にはマグネットの厚肉部の範囲内を避けることができれば十分である。ゲートをコーナー部頂部に設けた場合、モータシャフト中心を中心とした2つのゲートのなす角度はおおよそ90°となる。マグネットの材料として、樹脂の中に磁性材である例えばフェライトやネオジウムを混ぜたプラスチックコンパウンドが、射出成形機のノズルからスプルー及び2本のランナーを介して、製品キャビ(金型)に射出され製品となる。
射出成形機のノズルからは、スプルーと、その先端から分岐した一端及びゲートに相対するようにモータ中心方向に略90°(80°〜100°が望ましい)折り曲げた他端を有する2本のランナーを介して、ゲートから樹脂注入される。ゲートの位置が図示したように90°間隔で配置されているので、樹脂流路となるスプルー及びランナーを小型化することができ、再生材使用比率が低く、材料の再生を繰り返してもマグネット及びランナーの強度が大きく低下しない。加えてマグネットの性能も低下し難い。またマグネット材料の使用を減らすことができるので、コストも同時に低減出来る。また、ゲートが配置されているマグネットの厚肉部において、マグネットと前記モータケースの間に接着剤を塗布する。ゲートの位置が、マグネットの厚肉部に配置されているので、マグネットのゲート残りを接着固定出来るため、モータロックが発生しない。このようなマグネットを、モータに使用することで、生産効率が高く、安価で、耐久力・性能・信頼性が優れている4極界磁小型モータを提供することが出来る。
図5は、マグネットの射出成形の別の例を説明する図である。図5において、それぞれコーナー部を有し、かつ、各コーナー部の間には平坦面を有している一体形成の4極磁極のマグネットに対して、マグネット成形のための2つのゲート位置は対称的に、即ち、4個のコーナー部頂部の内の相対する2個のコーナー部頂部に設けられるものの、2つのランナー或いはゲート径を非対称にしている。これによって、マグネット材を射出成形する量或いは時間を2つのゲート間で異ならせている。
図5(A)は、2つのランナーの径及びゲート径を、一方を大きくし(大径ゲート)かつ他方を小さく(小径ゲート)している。2つのゲートからの樹脂注入量が異なる結果として、2つのウエルドラインはそれぞれ、小径ゲート位置に隣接する2つの平坦面側に、即ち、マグネットの最薄部もしくは近傍に形成することが可能となる。図示のようにゲートの位置を配置すれば、ランナを小型化出来るため再生材混入率(再生材投入量/成形する材料全体量(%))を、80%に低減することが出来た。また、ゲート残りが発生しても、マグネットの最厚部に位置するため接着固定ができるので、モータロック等の不具合が発生しない。マグネットの磁束密度が最大になる部分(最厚部)にウエルドラインが無いため、マグネット磁束の低下が起きない。
図5(B)は、相対する2個のコーナー部頂部に設けられる2つのゲートの内の一方を、スプルーから直接に注入する位置に設け、かつ、他方のゲートを、そこからランナーを引き回すことにより注入する位置に設ける。これによって、他方のゲートからの樹脂注入が時間的に遅れる結果として、2つのウエルドラインはそれぞれ、ランナーにより引き回した側のゲート位置に隣接する2つの平坦面側に形成することが可能となる。
図5(C)及び(D)は、相対する2個のコーナー部頂部に設けられる2つのゲートまでのランナー長さを非対称にした例を示している。(C)はスプルーから2つのランナーへの分岐位置を、両ゲートの中央ではなく、一方のゲート側に近づけて設ける。(D)は分岐位置を両ゲートの中央に設けるものの、引き回すランナーの長さを異にしている。これによって、2つのゲートからの樹脂注入が時間的に異なる結果として、2つのウエルドラインはそれぞれ、時間的に遅れる側のゲート位置に隣接する2つの平坦面側に形成することが可能となる。
(比較例1)
図6は、4つのゲートを、4つのマグネットコーナー部のそれぞれの頂部に設けた例を示している。(A)及び(B)は、互いに異なる方向から見たマグネットを示す図であり、(C)及び(D)は、互いに異なる方向から見た樹脂流路(スプルー、ランナー、サブランナー)を示す図である。なお、図中に示した凹部は、マグネットをモータケース内に圧入した後に流す接着剤が、回転子側に流れないように形成したものである。マグネットコーナー部の頂部から樹脂注入することによって、ウエルドラインは、マグネットの最薄部に位置することになり、マグネット磁束に対する影響は小さくなる。しかし、スプルーから分岐した2本のランナー、さらにはそれぞれのランナーから分岐した全部で4本のサブランナーを必要とする。このように、製品重量に対するランナー重量の比率が高いため、再生材混入率(再生材投入量/成形する材料全体量(%))は85%にもなってしまう。
(比較例2)
図7は、再生材の使用量を低減するため、考えられるゲート方式の1つである。4つのマグネット頂部の内の対向する2つの頂部に、2つのゲートを対向して設けた例である。しかし、この場合は、マグネットの磁束密度が最大値になる部分がウエルドラインとなるため、その部分で成形状態が悪く、最もマグネットの磁束を有効活用したい部分で磁束密度が下がるので、モータ磁束の低下、回転変動、トルク変動が発生する。
(比較例3)
図8は、マグネットの薄肉部に対向して2つのゲートを配置した例を示す。この場合、ウエルドラインを、マグネットの磁束密度が最小値になる部分に持ってくることができ、かつ、ランナーに使用するマグネット材料を比較的に低減出来るため、再生材混入率を72%に抑える事が出来た。しかし、マグネットがランナーと連結されていた部分には、生産上ゲート残りが必ず発生する。
図9は、ゲート残りを説明する図であり、モータ断面図(A)と、図中に円で示した薄肉部を拡大して示す図(B)である。このように、マグネットの薄肉部にゲートを設けると、ゲート残りが発生することになる。このゲート残りが、マグネットの回転子側内部に入り込み、モータが停止するという不具合があるため、別工程で取り除くか、或いは接着剤で止める等の対策を行う必要がある。しかし、工程上取り除くためには、追加の工数が発生し、また、接着剤で止めるためには、接着したい箇所がマグネットの薄肉部であるためスペースが狭くマグネット内径に接着剤が流れるおそれがある。但し、図4に示したように、ゲート残りが、マグネット頂部の厚肉部に形成されるときは、マグネットをモータケース内に圧入した後に用いる接着剤で止めることが可能となる。
図10は、再生材混入比率に20%程度の差がある場合(混入比率50%と70%)のマグネットMgの特性を示すグラフである。グラフ横軸は、再生回数を示し、縦軸は、保持力iHc、bHc、及び曲げ強度を示している。再生回数の増加につれて、いずれの特性も、再生材混入率が20%高い方が、大きく低下することが分かる。
このように、再生材混入率を下げることにより、再生を繰り返しても、材料の特性が下がり難くなる。保持力低下抑制によって、モータの性能が向上し、また、材料強度低下抑制によって、マグネット成形時にランナーが頻繁に折れ、生産効率が下がることを防止出来る。これによって、マグネット製品単体の強度が上がり、外部からの衝撃等に強くなる。
本発明を具体化する四角形状外形の小型モータの構成を示す一部縦断面図である。 図1に示したモータのケース蓋を取り除いた状態で、整流子側から見た側面図である。 モータケース及びマグネットそれぞれ単独の側面図である。 マグネットの射出成形の一例を説明する図である。 マグネットの射出成形の別の例を説明する図である。 ゲートを4つのマグネットコーナー部のそれぞれの頂部に設けた例を示す図である(比較例1)。 再生材の使用量を低減するため、考えられるゲート方式を示す図である(比較例2)。 マグネットの薄肉部にゲートを配置した例を示す図である(比較例3)。 ゲート残りを説明する図である。 再生材混入比率に20%程度の差がある場合のマグネットMgの特性を示すグラフである。 ゲートを円環状マグネットの180°の対向位置に2点設けた従来例を示す図である。 図11とは異なるゲートを設けた別の従来例を示す図である。 特許文献5に記載の四角形状モータの断面図である。

Claims (10)

  1. モータのモータケースの内周面に取着されて用いられる多極の界磁マグネットにおいて、
    前記モータケースはその側面を、複数の平坦な側面部とこの側面部間の角部に位置する同数のコーナー部とを連続的に結合して形成し、
    前記界磁マグネットは、内周が回転子外径よりもわずかに大きな内径の円周面で、外周が複数の平坦な側面部とこの側面部間の角部に位置する同数の複数のマグネットコーナー部とを連続的に結合した形状からなり、
    前記界磁マグネットは、モータケース側面部に対応する複数の位置のそれぞれで薄肉にする一方、モータケースコーナー部に対応する複数の位置のそれぞれで厚肉にし、かつ、この厚肉にした複数の位置のそれぞれに各磁極の中心を位置させ、
    前記界磁マグネットは、前記複数のマグネットコーナー部の内の2つのマグネットコーナー部において、マグネット材を射出成形するためのゲート位置に対応してそれぞれ形成された2つのゲート残りを、マグネット中心に対して互いに非対称に形成し、かつ、2つのウエルドラインのそれぞれを薄肉部分に形成したことから成る多極界磁モータに用いられる界磁マグネット。
  2. 前記2つのゲート残りは、前記複数のマグネットコーナー部の内の隣接する2つのマグネットコーナー部に設けた請求項1に記載の多極界磁モータに用いられる界磁マグネット。
  3. 前記マグネット材が、プラスチックコンパウンドである請求項1に記載の多極界磁モータに用いられる界磁マグネット。
  4. 前記マグネットコーナー部において、前記マグネットと前記モータケースの間に接着剤を塗布して前記マグネットと前記モータケースを接着固定することにより、前記マグネットコーナー部に形成されたゲート残りが前記モータケースに接着固定される請求項1に記載の多極界磁モータに用いられる界磁マグネット。
  5. 前記2つのウエルドラインが、前記2つのゲート残りから略等距離の位置にある2つのマグネット側面部の薄肉部において対向配置される請求項2に記載の多極界磁モータに用いられる界磁マグネット。
  6. マグネット中心を中心とした前記2つのゲート残りのなす角度がおおよそ90°である請求項2に記載の多極界磁モータに用いられる界磁マグネット。
  7. 互いに非対称に形成した前記2つのゲート残りは、マグネット中心を中心にして相対する2つマグネットコーナー部分に、互いに異なる大きさで設けた請求項1に記載の多極界磁モータに用いられる界磁マグネット。
  8. モータのモータケースの内周面に取着されて用いられる多極の界磁マグネットの製造方法において、
    前記モータケースはその側面を、複数の平坦な側面部とこの側面部間の角部に位置する同数のコーナー部とを連続的に結合して形成し、
    前記界磁マグネットは、内周が回転子外径よりもわずかに大きな内径の円周面で、外周が複数の平坦な側面部とこの側面部間の角部に位置する同数の複数のマグネットコーナー部とを連続的に結合した形状にし、
    前記界磁マグネットは、モータケース側面部に対応する複数の位置のそれぞれで薄肉にする一方、モータケースコーナー部に対応する複数の位置のそれぞれで厚肉にし、かつ、この厚肉にした複数の位置のそれぞれに各磁極の中心を位置させ、
    前記複数のマグネットコーナー部の内の2つのマグネットコーナー部にそれぞれゲートを設けて、この2つのゲートを介してマグネット中心に対して互いに非対称にマグネット材を射出成形し、かつ、2つのウエルドラインのそれぞれを薄肉部分に形成したことから成る多極界磁モータに用いられる界磁マグネットの製造方法。
  9. 前記2つのゲートは、前記複数のマグネットコーナー部の内の隣接する2つのマグネットコーナー部に設けた請求項8に記載の多極界磁モータに用いられる界磁マグネットの製造方法
  10. 前記2つのゲートは、前記複数のマグネットコーナー部の内のマグネット中心を中心として相対する2つのマグネットコーナー部に設け、かつ、マグネット材を射出成形する量或いは時間を2つのゲート間で異ならせた請求項8に記載の多極界磁モータに用いられる界磁マグネットの製造方法
JP2007332450A 2007-06-19 2007-12-25 多極界磁モータに用いられる界磁マグネット及びその製造方法 Active JP5281279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007332450A JP5281279B2 (ja) 2007-06-19 2007-12-25 多極界磁モータに用いられる界磁マグネット及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007160866 2007-06-19
JP2007160866 2007-06-19
JP2007332450A JP5281279B2 (ja) 2007-06-19 2007-12-25 多極界磁モータに用いられる界磁マグネット及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009027908A JP2009027908A (ja) 2009-02-05
JP5281279B2 true JP5281279B2 (ja) 2013-09-04

Family

ID=40399166

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007332450A Active JP5281279B2 (ja) 2007-06-19 2007-12-25 多極界磁モータに用いられる界磁マグネット及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5281279B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5340809B2 (ja) * 2009-05-25 2013-11-13 ミネベア株式会社 モータ用マグネット、およびモータ
JP2012005222A (ja) * 2010-06-16 2012-01-05 Shicoh Engineering Co Ltd コアレスモータ、コアレス振動モータ及びモバイル端末装置
JP5900836B2 (ja) * 2011-12-07 2016-04-06 ダイキン工業株式会社 ローターの製造方法
JP7327947B2 (ja) * 2019-02-25 2023-08-16 ニデックプレシジョン株式会社 モータ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6251965U (ja) * 1985-09-19 1987-03-31
JP3107118B2 (ja) * 1992-10-30 2000-11-06 東京パーツ工業株式会社 小型直流モータ
JP3292804B2 (ja) * 1996-01-10 2002-06-17 株式会社三協精機製作所 ロータ及びロータの製造方法
JP3545643B2 (ja) * 1999-05-25 2004-07-21 三菱電機株式会社 マグネットロータの製造方法
JP2007037293A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Minebea-Matsushita Motor Corp マグネットシート、それを用いたモータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009027908A (ja) 2009-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4955284B2 (ja) 多角形状外形の小型モータ
US7732962B2 (en) Small DC motor
KR101128590B1 (ko) 듀얼 로터 모터
US20080030095A1 (en) Small-sized motor having ring-shaped field magnet
US9362791B2 (en) Motor
JP5038025B2 (ja) 4角形状外形の小型モータ
JP2005185075A (ja) アキシャルギャップ型電動機
JP2007006688A (ja) 小型dcモータ
JP5025167B2 (ja) 電動機
JP5281279B2 (ja) 多極界磁モータに用いられる界磁マグネット及びその製造方法
JP2009005486A (ja) Pm型ステッピングモータ
JP2005245146A (ja) 同期電動機及び密閉型圧縮機及びファンモータ
JP2011151933A (ja) 回転電機の固定子の製造方法および回転電機の固定子
US20060125345A1 (en) Direct current motor
JP2006121870A (ja) モータ装置
JP2011166868A (ja) 永久磁石型回転電機
JP5277743B2 (ja) 回転電機
JP2007202363A (ja) 回転電機
JP2010081776A (ja) 同期電動機の回転子及び同期電動機の回転子の製造方法
JP2019187132A (ja) モータ及びブラシレスワイパーモータ
JPH08126265A (ja) 回転電機
JP2011072054A (ja) モータ
JP4680875B2 (ja) ステータコアの製造方法
KR102574791B1 (ko) 오버행 자로 단축 구조를 갖는 회전자 및 그를 포함하는 영구자석 전동기
JP2005295789A (ja) インナーロータ型モータ用のステータユニット、インナーロータ型モータ用のステータユニットの製造方法及びそのステータユニットを備えるインナーロータ型モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130521

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5281279

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250