JP5273989B2 - 消化管潰瘍の予防又は治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は消化管潰瘍の予防又は治療剤に関する。
近年、胃や十二指腸などの上部消化管のみならず、小腸や大腸などの下部消化管における潰瘍患者が増加している。上部消化管における潰瘍として、Helicobacter pylori、H. heilmanii、結核菌、サイトメガロウィルス、ヘルペスウイルスなどの感染に起因する潰瘍、アスピリンを含む非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs:Non steroidal anti-inflammatory drugs)や副腎皮質ホルモン剤、糖尿病薬など各種薬剤に起因する潰瘍、バストリン産生腫瘍が引き起こすZollinger-Ellison症候群などによる過酸性に起因する潰瘍、クローン病、サルコイドーシス、血管虚血などの疾患、放射線照射や化学療法による随伴性の潰瘍が知られている。下部消化管における潰瘍には、NSAIDsによる潰瘍性病変、クローン病、慢性出血性小腸潰瘍症、腸結核、ベーチェット病、単純性潰瘍、非特異性多発性小腸潰瘍症(chronic nonspecific multiple ulcers of the small intestine :CNSU)による潰瘍が知られている。
これらの潰瘍のうち、H. pylori(ピロリ菌)による上部消化管の潰瘍はピロリ菌の除菌療法が確立されたことにより、ほぼその改善又は予防が図られている。薬剤に起因する潰瘍はその薬剤の投与を中止することによりその改善が望まれるが、例えばNSAIDsは慢性疼痛に対する基本的薬剤として使用されているため、その投与を中止することができない。このため、上部消化管の潰瘍に対しては、より胃粘膜傷害の少ない薬剤への変更、Hブロッカーやプロトンポンプ阻害薬などの酸分泌抑制薬、制酸薬、粘膜被覆薬の併用や増量が行われているのが現状である。しかしながら、これらの薬剤の併用や増量は副作用の発生が懸念され、十分な潰瘍治療効果が得られていない。
NSAIDsによる潰瘍を除き、小腸の潰瘍の発生機序は十分に解明されていない。NSAIDsによる潰瘍は、上部消化管潰瘍では、胃粘膜におけるシクロオキシゲナーゼ−1(COX−1)を阻害し、胃粘膜の重要な防御因子であるプロスタグランディンの産生を抑制して、胃粘膜血流を低下させることにより生じると考えられているが、小腸潰瘍では、NSAIDsの作用で小腸粘膜の透過性が亢進し、腸内細菌が粘膜内に侵入して炎症性サイトカインの発現が誘導される結果、潰瘍などの小腸粘膜傷害が形成されるものと推定されている。従って、上部消化管潰瘍の場合と同様な薬剤投与が小腸潰瘍に適用しうるとは断言できない。さらに、大腸潰瘍についてはその発生機序はもちろんのこと、種々の薬剤投与が試みられているが、上記上部消化管潰瘍に対する薬剤投与による治療効果も明らかにされているとは言えないのが現状である。
また、副作用の軽減化などの観点から、食品(乳も含め)に由来する潰瘍予防剤や潰瘍治療剤が着目されている。このような治療剤として、例えば、特開2003−102427号公報には食肉を乳酸菌で発酵させた組成物を、特開平5−65295号公報にはホエイ又はその加工品に由来するペプチドを、特開平4−210647号公報にはホエイ中に含まれるκ−カゼイングリコマクロペプチドを、特許第3481931号公報にはα−ラクトアルブミンを、特開平10−130164号公報にはラクトフェリンをそれぞれ有効成分とする潰瘍予防又は治療剤が開示されている。しかしながら、これらの潰瘍予防剤や治療剤はいずれも胃又は十二指腸の上部消化管潰瘍を対象とするものである。
特表2002−503641号公報にはカゼイン由来のペプチドがピロリ菌に対する抗菌作用を示し、胃潰瘍の治療剤として用いられることが示唆されている。しかしながら、この治療剤もピロリ菌の殺菌・除菌により上部消化管潰瘍を治癒するにすぎず、小腸や大腸の下部消化管潰瘍の予防や治療に対して有効かどうかは全くの未知数である。
一方、食品に由来するものとして、チーズ酵素分解物(EMC:Enzyme Modified Cheese)及びEMCから見いだされたペプチドがアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有し、抗高血圧剤として使用しうることが、国際公開公報WO04/47543号やWO05/61529号に開示されている。しかしながら、これまでにEMC及びEMCに由来するペプチドが消化管潰瘍、特に下部消化管において潰瘍予防・治療効果を発揮するという報告は知られていない。
また、これまでのところ、胃潰瘍や小腸の潰瘍など、化学療法や放射線療法により誘導される粘膜炎を含む胃腸疾患の治療に寄与貢献するペプチドとして、特表2007−526248号に開示された胃腸増殖因子(Gastro Intestinal Proliferative Factor:GIPF)であるポリペプチド及びポリヌクレオチドが知られているにすぎない。
特開2003−102427号公報 特開平5−65295号公報 特開平4−210647号公報 特許第3481931号公報 特開平10−130164号公報 特表2002−503641号公報 国際公開公報WO04/47543号 国際公開公報WO05/61529号 特表2007−526248号公報
本発明は上記の技術背景に基づいてなされたものであって、本発明者らはEMCの新たな作用効果を見いだすべく鋭意努力したところ、ECMが消化管潰瘍、特に下部消化管潰瘍に対しても優れた予防治療作用を示すことを見いだし、本願発明を完成するに至った。
本発明に係る小腸潰瘍の予防又は治療剤は、チーズをBacillus stearothermophilus由来のプロテアーゼ、Aspergillus oryzae由来のプロテアーゼおよびAspergillus niger由来のプロテアーゼの1種若しくは2種以上で処理したチーズのプロテアーゼ処理物を有効成分としている。


本発明によると、新たな消化管潰瘍予防剤又は治療剤が提供される。この予防又は治療剤は上部消化管潰瘍のみならず、これまで知られていた抗潰瘍剤では十分な治療効果が得られなかった小腸潰瘍等の下部消化管潰瘍に対しても十分な予防・治療効果が発揮される。
本発明の消化管潰瘍予防又は治療剤(以下「潰瘍治療剤」と称する。)は、チーズ酵素分解物を有効成分とする。チーズ酵素分解物(EMC)は、グリーンチーズや熟成後あるいは熟成途中のナチュラルチーズ、プロセスチーズにリパーゼや酸性及び中性プロテアーゼなどの微生物、動物由来の各種酵素を添加して熟成を促進させたものである。EMCの原料となるチーズは、前記のとおり、グリーンチーズをはじめとする種々のチーズが用いられ、ナチュラルチーズやプロセスチーズのいずれでもよい。また、チーズの原料も特に限定されるものでなく、牛の乳はもちろんのこと、羊、山羊などの各種哺乳動物の乳はもちろんのこと、ヒトの乳を原料としたものであってもよい。また、その製造方法も限定されず、生乳や粉乳を原料として得られたチーズであって、未熟成のチーズはもちろんのこと、乳酸菌やカビなどの各種微生物によって発酵又は熟成させたものなど種々のチーズを利用できる。
チーズを処理する酵素として、リパーゼやプロテアーゼなどチーズ中の脂肪やタンパク質を分解する酵素が用いられるがその種類は問われない。リパーゼとして、胃液に存在するトリアシルグリセロールリパーゼのみならず、人又は哺乳動物の体液やその組織、昆虫、植物、細菌などから分離された各種のリパーゼが使用される。プロテアーゼとして、消化管内に分泌されるペプシンやトリプシン、キモトリプシンなど、人又は哺乳動物の体液やその組織、昆虫、植物、細菌などから分離された各種のプロテアーゼが使用される。また、リパーゼ単独で処理するよりもプロテアーゼ単独で処理するのが好ましく、また、リパーゼとプロテアーゼの双方により処理してもよい。
プロテアーゼにはアミノ酸配列の切断部位の違いからエンド型とエキソ型がある。エンド型はタンパク質の途中から切断し、エキソ型はC末端又はN末端から1つずつアミノ酸を切断する。プロテアーゼの種類により至適pHや温度、タンパク質分解能、アミノ酸の切断部位が異なる。このことから、プロテアーゼで処理する場合には、エンド型、エキソ型、タンパク質分解能、至適pHや至適温度等の異なるプロテアーゼを2種以上、好ましくは3種以上組み合わせるのが好ましい。
本発明において用いられるプロテアーゼとして、Bacillus stearothermophilus由来のプロテアーゼ、例えばプロテアーゼSアマノG(天野エンザイム株式会社)、Aspergillus oryzae由来のプロテアーゼ、例えばウマミザイムG(同社)、Aspergillus niger由来のプロテアーゼ、例えばニューラーゼA(同社)などが例示され、これらのうち1つあるいは複数を用いるのが好ましく、とりわけ、前述の3種のプロテアーゼを併用するのが望ましい。もっとも、本発明ではこれらのプロテアーゼに限定されるものではない。
酵素処理の条件も、酵素が失活しない限り特に制限を受けない。分解を促進する観点では用いる酵素の至適条件が好ましいが、適宜、処理するチーズや用いる酵素、目標とするEMCの作用効果に応じて、反応時のpHや反応温度、酵素や基質(チーズ)の濃度、反応時間が調整される。また、2種以上の酵素を用いて処理する場合、一度にすべての酵素で処理してもよいし、各酵素で順次処理することもできる。
プロテアーゼ処理は乳酸菌発酵を伴うことができる。乳酸菌としては、ラクトコッカス属乳酸菌を好ましく用いることができる。ラクトコッカス属乳酸菌に属する細菌種の具体例としては、ラクトコッカス・ガルビエ(Lactococcus garvieae)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホルディニア(Lactococcus lactis subsp. hordniae)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス・バイオバラエティー・ジアセチラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis)、ラクトコッカス・ピシウム(Lactococcus piscium)、ラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantarum)、ラクトコッカス・ラフィノラクティス(Lactococcus raffinolactis)などが挙げられるが、これらの例に限定されない。とりわけ、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactisの3種類の菌を用いるのがより好ましい。乳酸発酵により、酵素処理工程におけるpHを酸性側に維持することが可能となる。また、乳酸発酵に代えて、クエン酸、グルコン酸、塩酸、酢酸、乳酸、リン酸等、医薬品や食品に通常用いられる有機酸、無機酸を用いてpHを調整してもかまわない。pHを酸性側に維持する場合は、pH3.5〜6.0、好ましくはpH4.0〜5.6にするのがよい。
得られたEMCはEMC単独で用いることもできるが、多くの場合実質的に無毒である担体と共に各種の組成物として提供される。ここで、実質的に無毒とはヒト又は動物が摂取しても好ましくない作用が発揮されず、EMCの作用を低減するおそれの少ないことを意味し、製剤学的又は衛生上許容される各種の担体が用いられる。このような担体として、例えば、コーンスターチなどの各種デンプン、ラクトース、結晶セルロース、デキストロース、マンニトール、スクロース、ソルビトール、ゼラチン、アラビアゴム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一カルシウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの賦形剤、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、スクロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどの結合剤、安息香酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リン酸、塩酸などの適当な有機酸・無機酸又はそのアルカリ金属(例えばナトリウム又はカリウム)塩などのpH調整剤、着香剤、矯臭剤、着色剤、崩壊剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などが例示される。そしてEMCはこれらの担体とともに、常法に従い、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、注射剤、液剤、軟膏剤、坐剤、貼付剤など経口または非経口的に投与される医薬組成物として提供される。さらに適当量のビタミン、ミネラル、糖類、アミノ酸、ペプチド類など他の成分を添加してもよい。
本発明の潰瘍治療剤は、医薬品のみならず飲食品の形態でも利用することができる。例えば、特定保健用食品等の特別用途食品や栄養機能食品として摂取することにより胃潰瘍や十二指腸潰瘍の上部消化管潰瘍、小腸潰瘍の下部消化管潰瘍の予防又は治療が期待される。また、飲食品とする場合、液状、ペースト状、固形状、粉末状等その形態は問われず、さらに各種食品(牛乳、加工乳、乳飲料、清涼飲料、発酵乳、ヨーグルト、チーズ、パン、ビスケット、クラッカー、ピッツァクラスト、アイスクリーム、キャンディ、調製粉乳、流動食、病者用食品、幼児用粉乳等食品、授乳婦要粉乳等食品、栄養食品、冷凍食品、加工食品その他の市販食品等)に添加し、これを摂取してもよい。
本発明の飲食品は、EMCに水やタンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸や無機酸、有機塩基や無機塩基、果汁、フレーバー類、増粘剤等を混合して製造される。タンパク質としては、例えば全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン、ホエイ粉、ホエイタンパク質、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質分離物、α−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼイン、β−ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン、ラクトフェリン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動植物性タンパク質及びこれらの分解物が挙げられる。糖質としては、例えば、スクロースやマルトースなどの糖類、加工澱粉(デキストリンのほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維などが挙げられる。脂質としては、例えば、ラード、魚油等、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の動物性油脂やパーム油、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂などが挙げられる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸などが挙げられる。ミネラル類としては、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレン、乳清ミネラルなどが挙げられる。有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などが、無機酸としては、例えば、塩酸やリン酸が挙げられる。増粘剤としては、例えば、寒天やゼラチン、カラギナン、グアーガム、キサンタンガム等が挙げられる。さらに、バター、乳清ミネラル、クリーム、ホエイ、非タンパク態窒素、シアル酸、リン脂質、乳糖等の各種乳由来成分などやカゼインホスホペプチド等のペプチド、アルギニンやリジンなどのアミノ酸が含まれていてもよい。本発明の飲食品の製造において、これらの成分は合成品であっても天然物由来品のいずれでもよく、またはこれらを多く含む食品を原材料として用いてもよい。これらの成分は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の潰瘍治療剤は、潰瘍を有するヒト又は動物あるいは潰瘍の発生が予測されるヒト又は動物に対して投与され、有効量のEMCを含む。その投与量は概ね1日あたりEMCとして0.01mg/kg〜2000mg/kg、好ましくは1mg/kg〜1000mg/kg、より好ましくは10mg/kg〜500mg/kgが目安である。この投与量は、投与されるヒト又は動物の年齢、体重、症状や対象となる部位、摂取する食品の種類や量に応じて適宜変更される。
投与または摂取対象とされる潰瘍部位は特に限定されず、胃や十二指腸の上部消化管潰瘍はもちろんのこと、小腸や大腸の下部消化管潰瘍も対象とされる。特に、本発明の潰瘍治療剤は下部消化管、特に小腸潰瘍に対する効果が期待される。
次に本発明の消化管潰瘍治療剤について、下記実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限られないのは言うまでもない。
複数の酵素の組み合わせによって得られたEMCについて、潰瘍治癒効果を調べた。
〔EMCの調製〕
まず、チーズを乳酸菌スターター及び3種類のプロテアーゼで処理して、EMCの調製を行った。
(スターター培養液の調製)
20gのスキムミルク粉末(生化学用、和光純薬工業)を200mlの蒸留水に溶解、滅菌して、10w/v%の脱脂粉乳培地を調製した。ここに約0.1gのMM 100Culture(MM100:Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactisの3種類の菌を含む、Dairy Connection Inc (Wisconsin, USA))を接種し、37℃で16時間培養した。
(EMCの調製)
ミートチョッパーにて粉砕したデンマークスキムチーズ(熟成期間6ヶ月)に蒸留水を50w/v%となるように添加し、さらに上記の方法で調製したスターター培養液(最終濃度0.15〜0.3wt%)、塩化ナトリウム及びプロテアーゼSアマノGを添加した。このものを発酵温度34℃で2日間撹拌し、加水分解した(発酵開始時のpHは5.5であった。)。次に、クエン酸水溶液でpHを4.1に調整し、ニューラーゼA及びウマミザイムGを添加した。さらに、34℃で5日間、撹拌して分解した。分解終了後、水酸化ナトリウム水溶液にてpHを5.0に調整し、110℃にて10分間加熱して酵素を失活させ、凍結乾燥してEMC約60gを得た。EMCの調製に用いた配合表を表1に示す。なお、表中の%はw/w%である。また、用いられた酵素の性質等を表2に示す。
Figure 0005273989
Figure 0005273989
〔アスピリン胃傷害に対するEMCの効果〕
(動物実験)
ラット(SD系、雄性、7週齢)を計16匹使用して試験を行った。試験前日夕方より、動物を絶食し、その間は自由飲水とした。試験当日に体重により群分けを行い、1群4匹として、対照群(Control)、EMC-250群、EMC-500群及びEMC-1000群の計4群を作成した。対照群には注射用水で調製した1%アラビアゴム溶液を5mL/kg、EMC-250群にはEMCを250mg/kg、EMC-500群にはEMCを500mg/kg及びEMC-1000群にはEMCを1000mg/kgを被検物質として経口投与した。EMCは上記EMCの調製法に従って作製したものを用いた。被検物質投与30分後に、胃損傷惹起薬剤としてアスピリン(アセチルサリチル酸・200mg/kg)を経口投与した。経口投与に供したEMC及びアスピリンは、いずれも注射用水で調製した1%アラビアゴム溶液で懸濁し、前記投与条件において、被検物質、アスピリンのいずれも投与容量が5mL/kgとなるように濃度を設定した。アスピリン投与から4時間後に二酸化炭素吸入により動物を致死させ、胃部を摘出した。胃は大湾部に沿って切開し、軽く水洗いした後に胃内部の損傷を計測した。
(測定方法)
今回の試験においては、胃粘膜層の傷害であるびらんを胃損傷とした。胃損傷の評価は、切開した胃内部の胃損傷の長さを測定し、総計したものをlesion indexとし、これを評価の指標とした。
(結果)
結果を図1に示す。対照群と比較して、EMC-500群及びEMC-1000群は、胃損傷が有意(p<0.01、Student's t-test)に減少した。一方、EMC-250群では、有意な差は見られなかった。よって、EMCは用量依存的に胃損傷の軽減に効果があることが認められた。
〔アスピリン胃傷害に対するEMCの効果:未分解チーズとEMCの比較〕
アスピリン胃傷害モデルにおいて、チーズの酵素分解の有無による治療効果の差を検証した。
(動物実験)
ラット(SD系、雄性、8週齢)を計12匹使用して試験を行った。試験前日夕方より、動物を絶食し、その間は自由飲水とした。試験当日に体重により群分けを行い、1群4匹として、対照群(Control)、EMC群及びチーズ(cheese)群の計3群を作成した。対照群には注射用水で調製した1%アラビアゴム溶液を5mL/kg、EMC群にはEMCを1000mg/kg、及びチーズ群には未分解のデンマークスキムチーズを1000mg/kgを被検物質として経口投与した。EMCは実施例1に記載のEMCの調製に従って作製したものを用いた。また、未分解のデンマークスキムチーズは、実施例1に記載のEMC調製法において使用したデンマークスキムチーズ自体を、表1に示すEMC中への配合量に合わせて濃度調整したものを用いた。被検物質投与30分後に、胃損傷惹起薬剤としてアスピリン(アセチルサリチル酸・200mg/kg)を経口投与した。経口投与に供したEMC、未分解のスキムチーズ及びアスピリンは、いずれも注射用水で調製した1%アラビアゴム溶液で懸濁し、前記投与条件において、被検物質、アスピリンのいずれも投与容量が5mL/kgとなるように濃度を設定した。アスピリン投与から4時間後に二酸化炭素吸入により動物を致死させ、胃部を摘出した。胃は大湾部に沿って切開し、軽く水洗いした後に胃内部の損傷を計測した。
(測定方法)
今回の試験においては、胃粘膜層の障害であるびらんを胃損傷とした。胃損傷の評価は、切開した胃内部の損傷の長さを測定し、総計したものをlesion indexとし、これを評価の指標とした。
(結果)
結果を図2に示す。対照群と比較して、EMC群は有意(p<0.05、Student's t-test)に胃損傷が減少していたが、チーズ群では有意な差は認められなかった。このことから、未分解のチーズは、チーズをプロテアーゼで分解することで作製したEMCと異なり、胃損傷の軽減に対して効果がないことが明らかとなった。
〔インドメタシン誘起小腸傷害に対するEMCの効果〕
(動物実験)
SD系ラット(雄性、体重250〜300g)を計15匹使用して試験を行った。投与開始日当日に体重により群分けし、1群5匹として、対照群、EMC0.1群及びEMC0.5群の計3群を作成した。非絶食状態において、対照群には注射用水で調製した1%アラビアゴム溶液を5mL/kg、EMC0.1群にはEMCを0.1g/kg及びEMC0.5群にはEMCを0.5g/kgを被検物質として経口投与した。EMCは実施例1に記載のEMCの調製に従って作製したものを用いた。被検物質(1%アラビアゴム溶液またはEMC)投与30分後にインドメタシン10mg/kgを経口投与した。インドメタシン投与6時間後に、再度同じ被検物質を同量経口投与した。経口投与に供したEMC及びインドメタシンは、いずれも注射用水で調製した1%アラビアゴム溶液で懸濁し、前記投与条件において、EMC投与容量が5mL/kg、インドメタシンの投与容量が2mL/kgとなるように濃度を設定した。インドメタシンの経口投与24時間後に二酸化炭素により殺処分後、開腹し小腸と取り出し、切り開き洗浄後、実体顕微鏡にて胃幽門部より盲腸までに発生した傷害について評価した。
(測定方法)
小腸傷害の評価方法は、潰瘍の発生個数及び潰瘍面積によって行った。潰瘍面積は、個々の潰瘍の長径と短径を測定し、長径と短径の積を算出して、これらの合計を潰瘍面積とした。測定後、対照群との比較を行った。
(結果)
結果を図3及び4に示す。その結果、潰瘍発生個数は、EMC0.1群及びEMC0.5群はいずれも対照群と比較して有意(*:p<0.05、**:p<0.01、ANOVA Bonferroni)に減少した。また、潰瘍面積は、EMC0.1群、EMC0.5群はいずれも対照群を比較して有意(**:p<0.01、ANOVA Bonferroni)に減少した。このことから、EMCの経口摂取はインドメタシン誘起小腸傷害の軽減に効果があることが判った。
〔EMCのインドメタシン誘起小腸縦走潰瘍等に対する治療効果〕
クローン病の病態モデルとされる、インドメタシンに誘起される小腸縦走潰瘍等に対するEMCの効果を検討した。
(動物実験)
SD系ラット(雄性、9週齢)を計12匹使用して試験を行った。投与開始日当日に体重により群分けを行い、1群6匹として、対照群(Cont群)、EMC群(EMC群)の計2群を作製した。非絶食状態において、対照群には注射用水で調製した1%アラビアゴム溶液を5mL/kg、EMC群にはEMCを1g/kgを被検物質として経口投与した。EMCは実施例1に記載のEMCの調製に従って作製したものを用いた。被検物質(1%アラビアゴム溶液またはEMC)投与30分後にインドメタシン40mg/kgを経口投与した。インドメタシン投与12時間後に、再度同じ被検物質を同量経口投与した。経口投与に供したEMC及びインドメタシンは、いずれも注射用水で調製した1%アラビアゴム溶液で懸濁しており、前記投与条件において、EMC投与容量が5mL/kg、インドメタシンの投与容量が6mL/kgとなるように濃度を設定した。インドメタシン経口投与24時間後に、頸椎脱臼により殺処分を行った。その後、開腹して胃から盲腸まで摘出し、胃、小腸、盲腸を腸間膜の反対側に沿って切り開き、流水にて腸内容物を洗浄後、実体顕微鏡で小腸のびらん、潰瘍及び縦走潰瘍を観察して評価した。
(評価方法)
小腸のびらん、潰瘍(粘膜筋板に達する傷害)及び縦走潰瘍(長軸方向に1cm以上の潰瘍を縦走潰瘍とした)の評価は、びらん、潰瘍、縦走潰瘍の各発生個数、合計発生個数及びそれぞれの面積によって行った。この評価方法は、徳元の方法(Katashi Tokumoto、Mechanism for the Occurrence of Experimental Indomethacin-Induced Longitudinal Ulcers in Rat Small Intestine: Special Reference to the Relationship between the Shape of Ulcers and Microvascular Architecture.、Med. J. Kagoshima Univ.、55(2)、pp.33−41(2003))を参考にした。面積は個々のびらん、潰瘍または縦走潰瘍の長径と短径を測定し、長径と短径の積を算出して、これらの合計を面積とした。
(結果)
インドメタシン投与後24時間における各群(Cont群、EMC群)の小腸のびらん、潰瘍及び縦走潰瘍の発生個数及び潰瘍及び縦走潰瘍の合計発生個数を図5及び6に示す。インドメタシン投与24時間後は、EMC1g/kg投与群(EMC群)は対照群(Cont群)と比較して、びらん個数は有意(p<0.05、Unpaired t-test)に減少し、潰瘍個数は減少傾向(p=0.053、Unpaired t-test)であった。潰瘍及び縦走潰瘍の合計発生個数は有意(p<0.05、Unpaired t-test)に減少していた。また、図7に示すように、傷害面積は、びらん及び潰瘍において、減少傾向を(p=0.073(びらん)、p=0.091(潰瘍)、Unpaired t-test)示した。
これらの結果から、EMCは小腸潰瘍のみならず、クローン病の病態モデルである小腸の縦走潰瘍の発生を抑制し、潰瘍の予防効果を有することが確認された。
Aspirin胃傷害に対するEMCの効果を示す図である。各群におけるlesion indexの平均値±標準誤差(n=4)を表す。**はStudent's t-testにより有意差(p<0.01)があったことを示す。 Aspirin胃傷害に対するEMC及び未分解のチーズ(cheese)の効果を示す図である。各群におけるlesion indexの平均値±標準誤差(n=4)を表す。*はStudent's t-testにより有意差(p<0.05)があったことを示す。 インドメタシン誘起小腸傷害に対するEMCの効果を示す図である。各群における小腸傷害(潰瘍)の個数の平均値±標準誤差(n=5)を表す。*はANOVA Bonferroni検定により、p<0.05で、**はp<0.01でそれぞれ有意差があったことを示す。 インドメタシン誘起小腸傷害に対するEMCの効果を示す図である。各群における小腸傷害(潰瘍)の面積の平均値±標準誤差(n=5)を表す。**はANOVA Bonferroni検定により、p<0.01で有意差があったことを示す。 インドメタシン誘起小腸傷害に対するEMCの効果を示す図である。各群における小腸傷害(びらん、潰瘍、縦走潰瘍)の個数の平均値±標準誤差(n=6)を表す。*はUnpaired t-testにより有意差(p<0.05)があったことを示す。 インドメタシン誘起小腸傷害に対するEMCの効果を示す図である。各群における潰瘍及び縦走潰瘍の合計発生個数の平均値±標準誤差(n=6)を表す。*はUnpaired t-testにより有意差(p<0.05)があったことを示す。 インドメタシン誘起小腸傷害に対するEMCの効果を示す図である。各群における小腸傷害(びらん、潰瘍、縦走潰瘍)の面積の平均値±標準誤差(n=6)を表す。

Claims (3)

  1. チーズをBacillus stearothermophilus由来のプロテアーゼ、Aspergillus oryzae由来のプロテアーゼおよびAspergillus niger由来のプロテアーゼの1種若しくは2種以上で処理したチーズのプロテアーゼ処理物を有効成分とする小腸潰瘍の予防又は治療剤。
  2. 前記プロテアーゼ処理は乳酸菌発酵を伴ったプロテアーゼ処理である請求項1に記載の小腸潰瘍の予防又は治療剤。
  3. 前記乳酸菌がLactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremorisおよびLactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactisである請求項2に記載の小腸潰瘍の予防又は治療剤。
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