JP5273621B2 - 光検出素子及び太陽電池素子 - Google Patents

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Description

本発明は、入射した光のエネルギに応じて電気伝導度が変化する電気伝導度変化体を備えた電子素子、及び、電気伝導度変化体に光を入射させ、電気伝導度変化体に入射させた光のエネルギに応じて電気伝導度変化体の電気伝導度を制御する電気伝導度制御方法に関する。
従来の太陽電池や光センサは、光に励起されたイオン原子から放出される電子を、そのすぐ近傍に設けたpn接合面等により構成される電場勾配に捉えさせることを動作の基本としている(非特許文献1参照)。
図3(a)は従来のシリコンpn接合太陽電池の構成を示す斜視図であり、図3(b)はその断面図である。従来のシリコンpn接合太陽電池は、p型シリコンを備えている。p型シリコンの周囲には、薄いn型層が拡散によって形成されている。p型シリコン及びn型層には、それぞれ電極が設けられている。
図4(a)は従来のシリコンpn接合太陽電池のpn接合部の断面図であり、図4(b)は上記従来のシリコンpn接合太陽電池の動作を説明するためのエネルギバンド図である。図4(a)を参照すると、光が入射することによって、内部電界のある接合部付近にキャリアが発生する。Ln、Lpは、電子と正孔の拡散距離を示しており、dは、接合深さを示しており、Wは、遷移領域幅を示している。図4(b)を参照すると、光生成された電子−正孔対は、遷移領域の内部電界により、左右に分離され、電極に起電力が発生する。
図5は、従来のシリコン太陽電池のスペクトル感度特性を示すグラフである。図5に示されるように、従来のシリコン太陽電池は、0.5μm〜1.0μmの波長の光で動作する。ここで、光の波長λとエネルギEとの関係は、近似的に
E(eV)=1.24/λ(μm)
と表され、例えば波長1.0μmの光のエネルギは1.24eVである。
浜川圭弘、桑野幸徳、著、「太陽エネルギー工学 アドバンストエレクトロニクスシリーズ 1−3、培風館、1994年、第21頁、図2.6、第23頁、図2.7 N. Ikeda et al., "Ferroelectricity from iron valence ordering in the charge-frustrated system LuFe2O4", Nature, Vol.436, No.7054, pp.1136-1138 (2005) N. Ikeda et al., "Charge Frustration and Dielectric Dispersion in LuFe2O4", Journal of the Physical Society of Japan, Vol.69, No.5, pp.1526-1532 (2000)
原子が電子を放出するためには、原子核が作るポテンシャル電位から電子を引き剥がす必要があるので、1eV程度の高いエネルギを有する光を原子に入射する必要がある。具体的に、例えばシリコン太陽電池では、シリコンの価電子帯から伝導帯へのバンドギャップは1.1eV程度である。このため、従来の構成では、例えば0.3eV程度のエネルギなどのエネルギの低い光に応答する光センサ、太陽電池を実現することが困難であった。
本発明の目的は、上記問題を解決するために、低いエネルギの光の入射に応じて内部の電子の状態が変化し、それによって電気伝導度を変化させることが可能な電子素子及び電気伝導度制御方法を提供することにある。
本発明に係る電子素子は、入射した光のエネルギに応じて電気伝導度が変化する電気伝導度変化体を備え、前記電気伝導度変化体は、RFeを含むことを特徴とする。
上記の特徴によれば、電気伝導度変化体に含まれるRFeでは、電子が相互の静電的相互作用により、規則的に配置する性質を有し、さらに規則配置した電子たちは電気分極を持ち、光と相互作用するため、低いエネルギの光で電子分布を変えることができる。この光入射により電子分布が変わるとき、RFeでは電子が動き回る。従って、RFeに電極を付けて電気伝導度を測定しておき、光をRFeに入射すると、電気伝導度が大きく変動する。その結果、低いエネルギの光に応じて電気伝導度が大きく変化する電子素子を提供することができる。
本発明に係る電子素子では、前記電気伝導度変化体は、0.3eV以上のエネルギを有する光の入射に応じて電気伝導度が変化することが好ましい。上記構成によれば、0.3eV以上のエネルギの低い光に応答する光センサ及び太陽電池を提供することができる。
本発明に係る電子素子では、前記電気伝導度変化体は、赤外光に応じて電気伝導度が変化することが好ましい。上記構成によれば、従来は検出困難であった赤外光に応答する光センサ及び太陽電池を提供することができる。
本発明に係る電気伝導度制御方法は、RFeを含む電気伝導度変化体に光を入射させ、前記電気伝導度変化体に入射させた光のエネルギに応じて前記電気伝導度変化体の電気伝導度を制御することを特徴とする。
この特徴によれば、電気伝導度変化体に含まれるRFeでは、電子が相互の静電的相互作用により規則的に配置する性質を有し、さらに規則配置した電子たちは電気分極を持ち、光と相互作用するため、低いエネルギの光で電子分布を変えることができる。この光入射により電子分布が変わるとき、RFeでは電子が動き回る。従って、RFeに電極を付けて電気伝導度を測定しておき、光をRFeに入射すると、電気伝導度が大きく変動する。その結果、低いエネルギの光に応じて電気伝導度が大きく変化する電気伝導度制御方法を提供することができる。
より具体的に説明すると、本発明による第1の電子素子である光検出素子は、外部から光が入射したときに、入射光のエネルギに応じて内部の電子の状態が変化することで電気伝導度が変化する電気伝導度変化体を備え、電気伝導度変化体は、その組成が(RMbO3−δ(MaO)(Rは、In,Sc,Y,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ti,Ca,Sr,Ce,Sn,Hfから選ばれる少なくとも1種類の元素、Ma、Mbは、Ti,Mn,Fe,Co,Cu,Ga,Zn,Al,Mg,Cdから重複を許して選ばれる少なくとも1種類の元素、nは1以上の整数、mは0以上の整数、δは0以上0.2以下の実数)で表され、層状三角格子構造を有する化合物からなるとともに、電気伝 導度変化体上に形成された第1電極と、電気伝導度変化体上に、第1電極に対して電気的 に離れて配置された第2電極とを備え、電気伝導度変化体に光が入射したときに生じる電 気伝導度の変化を、第1電極と第2電極との間で検出可能に構成されていることを特徴とする。また、本発明による第2の電子素子である太陽電池素子は、外部から光が入射した ときに、入射光のエネルギに応じて内部の電子の状態が変化することで電気伝導度が変化 する電気伝導度変化体を備え、電気伝導度変化体は、その組成が(RMbO 3−δ MaO) (Rは、In,Sc,Y,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ti,Ca ,Sr,Ce,Sn,Hfから選ばれる少なくとも1種類の元素、Ma、Mbは、Ti, Mn,Fe,Co,Cu,Ga,Zn,Al,Mg,Cdから重複を許して選ばれる少な くとも1種類の元素、nは1以上の整数、mは0以上の整数、δは0以上0.2以下の実 数)で表され、層状三角格子構造を有する化合物からなるとともに、電気伝導度変化体に 対して所定位置に設けられた、p型半導体及びn型半導体によるpn接合構造を備え、電 気伝導度変化体において電気伝導度の変化に伴って発生した電子をpn接合構造での接合 界面に導くことで入射光のエネルギを電力に変換することが可能に構成されていることを 特徴とする。
また、電気伝導度制御方法は、電気伝導度変化体に外部から光を入射させ、電気伝導度変化体への入射光のエネルギに応じた内部の電子の状態の変化によって電気伝導度変化体の電気伝導度の変化を制御するとともに、電気伝導度変化体は、その組成が(RMbO −δ(MaO)(Rは、In,Sc,Y,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ti,Ca,Sr,Ce,Sn,Hfから選ばれる少なくとも1種類の元素、Ma、Mbは、Ti,Mn,Fe,Co,Cu,Ga,Zn,Al,Mg,Cdから重複を許して選ばれる少なくとも1種類の元素、nは1以上の整数、mは0以上の整数、δは0以上0.2以下の実数)で表され、層状三角格子構造を有する化合物からなる構成とすることがで きる
上記構成によれば、RFeに関して上述したように、電気伝導度変化体の結晶構造において、Ma−OあるいはMb−Oで構成する三角格子層が2枚積み重なった構造が形成される。そして、このような積層構造において、その一方の層で三角格子を構成する、主に遷移金属で構成されるMaないしはMbイオンの電荷数と、他方の層で三角格子を構成する、主に遷移金属で構成されるMaないしはMbイオンの電荷数とが一致しないことで、上記化合物において特徴的な双極子状の電子配置、電子密度分布が形成される。
本発明による電子素子では、上記した電子密度の双極子配置による電荷秩序が入射光の外場によって乱される現象を利用して、その結晶での電気伝導度を変化させている。また、このような結晶中での電荷秩序の崩壊は、例えばシリコンのバンドギャップなどと比較して低いエネルギでも発生する。したがって、上記の構成によれば、低いエネルギの光の入射に応じて内部の電子の状態が変化し、それによって電気伝導度を変化させることが可能な電子素子、及び電気伝導度制御方法が実現される。このような動作原理による電子素子は、本願発明者によって初めて見出されたものである。
上記構成の電子素子及び電気伝導度制御方法において、層状三角格子構造を有する化合物は、RFe4−δであることが好ましい。これは、上記の組成式において、Ma=Mb=Fe、n=m=1とした場合に相当する。
この場合、電気伝導度変化体の結晶構造において、それぞれFe−Oで構成する三角格子層が2枚積み重なった構造が形成される。そして、その一方の層でのFeの電荷数と、他方の層でのFeの電荷数とが、一方でFe2+が多く、他方でFe3+が多くなることで一致しなくなり、それによって双極子状の電子配置が形成される。RFeを用いた電子素子では、このような電荷秩序が入射光の外場によって乱される現象を利用することで、上記したように、低いエネルギの光の入射に応じて内部の電子の状態が変化し、それによって電気伝導度が変化する電子素子が実現される。
ここで、電子素子の電気伝導度変化体は、0.3eV以上1.4eV以下のエネルギを有する光の入射に対して電気伝導度が変化する層状三角格子構造を有する化合物によって構成されていることが好ましい。これにより、従来よりも低いエネルギの光の入射に応じて電気伝導度を変化させることが可能な電子素子が実現される。また、このような低エネルギの入射光に対して電気伝導度が変化する素子は、上記した結晶構造を有する化合物を用いることで可能となる。
また、電気伝導度変化体は、2μm以上の波長を有する赤外光の入射に対して電気伝導度が変化する層状三角格子構造を有する化合物によって構成されていることが好ましい。このような構成によっても、上記構成と同様に、従来よりも低いエネルギの光の入射に応じて電気伝導度を変化させることが可能な電子素子が実現される。
また、電気伝導度変化体は、層状三角格子構造を有する化合物の単結晶、多結晶、またはその粉末の集合体からなることが好ましい。電気伝導度変化体の結晶については、これらの形態のいずれによっても、低いエネルギの光の入射に応じて電気伝導度が変化する上記の効果を得ることができる。
電子素子の具体的な構成については、電子素子は、電気伝導度変化体上に形成された第1電極と、電気伝導度変化体上に、第1電極に対して電気的に離れて配置された第2電極とを備え、電気伝導度変化体に光が入射したときに生じる電気伝導度の変化を、第1電極と第2電極との間で検出可能とされている構成を用いることができる。このような素子は、例えば、電気伝導度変化体に外部から入射した光を検出する光検出素子として用いることが可能である。
また、電子素子の他の構成としては、電子素子は、電気伝導度変化体に対して所定位置に設けられた、p型半導体及びn型半導体によるpn接合構造を備え、電気伝導度変化体において電気伝導度の変化に伴って発生した電子をpn接合構造での接合界面に導くことで入射光のエネルギを電力に変換することが可能とされている構成を用いることができる。このような素子は、例えば、電気伝導度変化体に外部から入射した光によって電力を生成する太陽電池として用いることが可能である。
また、上記のように太陽電池素子として構成された電子素子では、電気伝導度変化体は、pn接合構造での接合界面近傍に、p型半導体及びn型半導体とは別体として配置されていることが好ましい。あるいは、n型半導体は電気伝導度変化体によって構成され、電気伝導度変化体及びp型半導体によってpn接合構造が構成されていることが好ましい。
本発明に係る電子素子は、以上のように、電気伝導度変化体にRFeを含んでいるので、低いエネルギの光に応じて電気伝導度が大きく変化する電子素子を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る電気伝導度制御方法は、以上のように、RFeを含む電気伝導度変化体に光を入射させ、電気伝導度変化体に入射させた光のエネルギに応じて電気伝導度変化体の電気伝導度を制御するので、低いエネルギの光に応じて電気伝導度が大きく変化する電気伝導度制御方法を提供することができる。
さらに、本発明による電子素子及び電気伝導度制御方法によれば、電気伝導度変化体として、その組成が(RMbO3−δ(MaO)で表され、層状三角格子構造を有する化合物を用いることにより、低いエネルギの光の入射に応じて内部の電子の状態が変化し、それによって電気伝導度が変化する電子素子、及び電気伝導度制御方法が実現される。
図1は、実施の形態に係る電子素子の構成を説明するための図である。 図2は、上記電子素子から光源までの距離と、上記電子素子の電気伝導度変化量との関係を示すグラフである。 図3は、(a)従来のシリコンpn接合太陽電池の構成を示す斜視図、及び(b)その断面図である。 図4は、(a)従来のシリコンpn接合太陽電池のpn接合部の断面図、及び(b)その動作を説明するためのエネルギバンド図である。 図5は、従来のシリコン太陽電池のスペクトル感度特性を示すグラフである。 図6は、実施の形態に係るLuFe単結晶の電気伝導度が、光照射によって増加することを示すグラフである。 図7は、RFeの結晶構造を示す(a)結晶の立体図、(b)b軸方向から見た図、及び(c)c軸上方から見た図である。 図8は、RFeの結晶構造における、三角格子面が2枚積み重なった構造を示す図である。 図9は、交流誘電率を測定するための誘電率測定システムの構成を概略的に示す図である。 図10は、LuFeに対する交流誘電率の測定結果を示すグラフである。 図11は、誘電率変化の折れ曲がり温度Trの逆数と、測定周波数fとの相関を示すグラフである。 図12は、光検出素子の構成の一例を示す図である。 図13は、光検出素子の構成の他の例を示す図である。 図14は、図12に示した光検出素子における光照射による電気伝導度の変化を示すグラフである。 図15は、図13に示した光検出素子における光の吸収量の波長依存性を示すグラフである。 図16は、図13に示した光検出素子における光照射による電気伝導度の変化を示すグラフである。 図17は、電気伝導度変化体を用いた太陽電池素子について示す模式図である。 図18は、太陽電池素子の構成の一例を示す図である。 図19は、太陽電池素子の構成の他の例を示す図である。
符号の説明
1…電子素子、2…電気伝導度変化体、3…光、10、20…電気伝導度変化体、11、21…第1電極、12、22…第2電極、25…基板、30、40…電気伝導度変化体、31、41…n型半導体層、32、42…p型半導体層、45…基板、35、50…電気伝導度変化体(n型半導体層)、36、51…p型半導体層、55…基板。
以下、図面とともに本発明による電子素子、及び電気伝導度制御方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
本発明の一実施形態について図1及び図2に基づいて説明すると以下の通りである。図1は、実施の形態に係る電子素子1の構成を説明するための図である。電子素子1は、入射した光3のエネルギに応じて電気伝導度が変化する電気伝導度変化体2を備えている。電気伝導度変化体2は、RFeを含んでいる。
RFeは、1970年代後半に発見された物質であり、Rは、希土類イオンを示しており、RFe(R=Y、In、Sc、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)と記載される。この物質の基本的な情報は、「N.Kimizuka,E.Takayama−Muromachi & K.Siratori:Handbook on the Physics and Chemistry of Rare Earths Vol.13.(eds K.A.Gschneidner,Jr & L.Eyring Science,Amsterdam,1990)283.」という論文に記載されている。
RFeは、電子が相互の静電的相互作用により、規則的に配置する性質を有している。規則的に配置した電子たちは、電気分極を持ち、光と相互作用する。このため、低いエネルギの光で電子分布を変えることができる。このような光の入射により、電子分布が変わるとき、RFeでは、電子が動き回る。
このため、RFeを含む電気伝導度変化体2に電極を設けて、電気伝導度を測定しておき、光3を入射させると、電気伝導度変化体2の電気伝導度が大きく変化する。
電気伝導度が大きく変化する電気伝導度変化体2のすぐそばに、pn接合面等を配置し、電場勾配を設定しておけば、太陽電池と同じように、光入射によって電力を取り出すことができる。なお、これらのRFeの結晶構造、及びその電気伝導度変化体としての特性等については、具体的にはさらに後述する。
図2は、電子素子1から光源までの距離と、電子素子の電気伝導度変化量との関係を示すグラフである。横軸は電子素子1から光3の光源までの距離(光の照射距離)を表わしており、縦軸は光照射前と光照射後の電子素子1の交流電気伝導度変化量を表わしている。また、この測定において、電子素子1に外部から光を入射させる光源としては、白色光を供給する白熱灯を用いている。
RFeの一種であるLuFeの焼結体の交流電気伝導度を測定しながら、電灯からの白色光をLuFeの焼結体に当て、電気抵抗値が下がる様子を測定した。このグラフは、光の照射距離が離れると、入射光の強度が小さくなることで電気抵抗の変化量が小さくなり、また、その関係は距離の二乗に反比例することを示している。以上より、LuFeの焼結体に光を照射すると、電気伝導度が増大することが分かる。
PrSr0.2Ca1.8Mnという物質は、電子が相互作用によって規則配置し、さらに規則配置した電子たちが電気分極を有するRFeと同等の機能を有する可能性がある。PrSr0.2Ca1.8Mnという物質は、「Y.Tokunaga,Th.Lottermoser,Y.S.Lee,R.Kumai,M.Uchida,T.Arima,and Y.Tokura“Rotation of orbital stripes and the consequent charge polarized state in bilayer manganites”,Nature Material 5、937−941(01 Dec 2006)Letters」という論文に記載されている。
本実施の形態は、相互の静電的相互作用により、規則配置した電子集団が低いエネルギの光に応答する性質に基づいている。このため、下記の2点で効果が得られる。
(1)従来の光センサは、1eV程度のエネルギを持つ青に近い色の光で動作するため、赤外光等の検出は困難である。これに対して本実施の形態によれば、赤外光に応答する電子素子を容易に作成することができる。
(2)従来の太陽電池は、青い光(1eV程度のエネルギを有する)で動作するため、太陽光のエネルギを十分に電力に変換することができない。この弱点を克服するため、波長を短く変換する材料等が開発されつつある。本実施の形態によれば、赤外光に直接応答する太陽電池を作成することができるので、エネルギ利用効率を飛躍的に高めることができる。
本実施の形態では、電子の集団において、電子が、相互の静電的相互作用により規則的に配置させ、同時に、電子が、その規則配置に電気分極を持たせ、光と相互作用する性質を利用する。本実施の形態は、電子の配置が、0.3eVの低いエネルギの光で向きを変えるとき、電子が動く性質を利用する。
電子の動きを電気伝導度の変化、及び誘電率の変化として捉えることにより、赤外線センサを構成することができる。また、赤外光が入射し電子が動くとき、すぐそばにpn接合面等を配置させ電場勾配を設定しておけば、太陽電池と同じく、赤外光入射によって電力を取り出すことができる太陽電池を形成することができる。
図6は、実施の形態に係るLuFe単結晶の電気伝導率が、光照射によって増加することを示すグラフである。図6には、LuFe単結晶の電気伝導度を測定しながら、光の照射と消去とを繰り返した場合に電気伝導度が変化することが示されている。図6の縦軸は、LuFe単結晶の電気伝導度を対数によって表示している。横軸は、測定の時間を表す。初め、光は消去状態であり、光を照射するに伴って電気伝導度が上昇する。そして、光を消去すると電気伝導度が低下する。
また、図6のグラフには、100K(ケルビン)における測定結果を示すグラフC1、200Kにおける測定結果を示すグラフC2、300Kにおける測定結果を示すグラフC3、及び400Kにおける測定結果を示すグラフC4が示されている。これらのグラフC1〜C4からわかるように、LuFeでの光照射による電気伝導度の増大効果は低温ほど大きく、例えば100Kのデータでは光照射によって電気伝導度が10倍増加している。
これは、光照射による伝導度の増加が光照射による試料の加熱等の原因によるものではなく、その結晶構造での本質的な電子状態の変化に起因するものであることを示すものである。また、ここでは、電気伝導度変化体を構成するRFeの一例としてLuFeについて説明したが、Rとして他の元素を用いた場合でも、それらに共通する結晶構造及び特性により、同様な効果が得られることが期待できる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明による電子素子、及び電気伝導度制御方法についてさらに説明する。まず、本発明による電子素子において電気伝導度変化体として用いられる結晶、及びその特性について説明する。
上記実施形態では、電気伝導度変化体としてRFeを用いた場合について説明したが、本発明による電子素子及び電気伝導度制御方法では、一般には、電気伝導度変化体は、その組成が(RMbO3−δ(MaO)(Rは、In,Sc,Y,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ti,Ca,Sr,Ce,Sn,Hfから選ばれる少なくとも1種類の元素、Ma、Mbは、Ti,Mn,Fe,Co,Cu,Ga,Zn,Al,Mg,Cdから重複を許して選ばれる少なくとも1種類の元素、nは1以上の整数、mは0以上の整数、δは0以上0.2以下の実数)で表され、層状三角格子構造を有する化合物からなることが好ましい。このような電気伝導度変化体に対して外部から光を入射させると、入射光のエネルギに応じて内部の電子の状態が変化し、それによってその電気伝導度を変化させることができる。ここで、nは1以上3以下の整数であることが特に好ましい。また、mは0以上1以下の整数であることが特に好ましい。
また、電気伝導度変化体に用いられる層状三角格子構造を有する化合物としては、具体的にはRFe4−δを好適に用いることができる。これは、上記の組成式において、Ma=Mb=Fe、n=m=1とした場合に相当する。なお、以下においては、酸素欠損δについて、特に必要な場合を除いて記載を省略して、単に(RMbO(MaO)、あるいはRFeと表記する。
上記した化合物の結晶構造、及びその特性について、RFeを例として説明する(非特許文献2、3参照)。図7は、RFeの結晶構造を示す図であり、図7(a)は結晶の立体図、図7(b)は結晶をb軸方向から見た図、図7(c)は結晶をc軸上方から見た図を示している。
図7に示すようにRFeの結晶は、R、Fe、Oにより構成される三角格子層がc軸方向に層状に積み重なった積層構造を有している。R、及びFeに注目すると、Rには、上下2層のOが八面体型に配位しており(この層をU層と呼ぶ)、Feには、Fe層とほとんど同一平面上にあるO層と、その上下にある2層のOとが三方両錐型に配位している(この層をT層と呼ぶ)。これにより、この結晶は、全体としてはU層の間に2枚のT層が挟まれた構造となっている。ここで、2枚のT層をそれぞれT1層、T2層と呼ぶ。また、U層に挟まれた2枚のT層をW層と呼ぶ。
図7(b)に、上記したU層、T1層、T2層を六方晶のb軸方向から見た図を示す。U層は、Rとその上下のOの層(層530、540)を含む層である。T1層は、Rのc軸上方にあるFeと、Feとほぼ同一平面上にあるOの層(層520)と、そのc軸上下方向にあるOの層(層510、530)からなる。また、T2層は、T1層のc軸上方にあるFeと、Feとほぼ同一平面上にあるOの層(層510)と、そのc軸上下方向にあるOの層(層500、520)からなる。したがって、U層、T1層、T2層の上下の酸素は、隣接する層と共有される構造となっている。
また、図7(c)は、結晶をc軸上方から見た図を示している。上記の結晶構造においてc軸方向に積み上がる三角格子層には、A、B、Cの指標を付してある。これらの層は、c軸方向にA、B、Cの位相が回りながら積み上がるため、その構造をc軸方向から見ると図7(c)のようになる。
上記の結晶構造において、W層に存在する2枚のFe−Oの三角格子層は、三角形が持つ幾何学的特徴などにより、RFeに特徴的な物性の発現機構の主役を担っている。また、より一般的に(RMbO(MaO)について考えた場合、Ma−OあるいはMb−Oで構成する三角格子層が2枚積み重なった構造により、RFeと同様に特徴的な物性が発現する。
図8は、上記したRFeの結晶構造における、三角格子層が2枚積み重なった構造を、Feイオンについて示す図である。図8に示すように、このような三角格子層の積層構造では、その一方の層でのFeの電荷数と、他方の層でのFeの電荷数とが、一方(図中の下層)でFe2+が多く、他方(図中の上層)でFe3+が多くなることで一致しなくなる。
また、この構造では、平均電荷数Fe2.5+からみて、Fe2+は電子が過剰な負電荷としての役割を持ち、Fe3+は電子が欠損した正電荷としての役割を持つ。したがって、上記のようなFe2+及びFe3+の秩序配列構造と、その配置の偏りにより、双極子状の電子配置、電子密度分布が形成される。このようなW層での電荷秩序構造は、三角格子上に置かれたFe2+とFe3+とのクーロン相互作用によるものである。
RFe4−δを用いた電子素子では、このような電荷秩序が入射光の外場によって乱される現象を利用することで、低いエネルギの光の入射に応じて内部の電子の状態が変化し、それによって電気伝導度を変化させることが可能な電子素子が実現される。
また、より一般的な(RMbO3−δ(MaO)では、三角格子層の積層構造において、その一方の層で三角格子を構成する、主に遷移金属で構成されるMaないしはMbイオンの電荷数と、他方の層で三角格子を構成する、主に遷移金属で構成されるMaないしはMbイオンの電荷数とが一致しないことで、双極子状の電子配置が形成される。(RMbO3−δ(MaO)を用いた電子素子では、このような電荷秩序が入射光の外場によって乱される現象を利用することで、RFe4−δを用いた場合と同様に、低いエネルギの光の入射に応じて内部の電子の状態が変化し、それによって電気伝導度が変化する電子素子が実現される。
ここで、シリコンなどの半導体では、バンドギャップを越えて価電子帯の電子が伝導帯に励起されないとキャリアが生成されず、電気伝導度の変化は起こらない。また、シリコンを含めて、上記したような電子相関効果、及び双極子状の電子配置を持たない通常の物質では、そのバンドギャップは大きな値をとり、したがって、低エネルギの入射光に対してはキャリアの生成が起こらない。
一方、RFeのように電子相関効果によって電子が止まっている物質では、そもそも、伝導帯に存在する電子群も相関効果により止まった状態となる。このため、このような物質では、光励起によるキャリア生成において高いエネルギは必要とはならず、結晶中での電荷秩序の崩壊は、例えばシリコンのバンドギャップなどと比較して低いエネルギで発生し得る。
また、RFeのように双極子状の電子配置を持つ物質では、電子相関効果のみしか持たない物質に比べて、入射光の電子との衝突確率が高いと考えられる。したがって、このような物質を電気伝導度変化体に用いて電子素子を構成することにより、低エネルギの入射光に対して電気伝導度が変化するとともに、光吸収、及びそれによる伝導帯内で動きやすい電子の放出が高効率で起こる素子を実現することができる。
また、シリコンなどの半導体を用いた光検出素子や太陽電池素子などの電子素子では、従来技術について上述したようにp型半導体及びn型半導体によるpn接合を形成する必要がある。これに対して、電気伝導度変化体の結晶として(RMbO(MaO)を用いる構成では、n型半導体の役割を持つため、pn接合などの構造を必要とせず、この物質単体で同等の機能を実現することが可能である。このため、例えばSi原料の市場供給状況に依存しない電子素子を提供することができる。また、電気伝導度変化体の結晶としてRFeを用いた場合には、鉄を原料としているため、安定した素子生産が可能である。
上記の結晶において、電子相関によって形成された電子集団が、その配置を再形成するために必要なエネルギ(バンドギャップに相当)は、交流誘電率の測定結果から求めることができる。図9は、交流誘電率を測定するための誘電率測定システムの構成を概略的に示す図である。ここでは、試料100となるRFeなどの物質をペレット状に整形してコンデンサの形状とし、その上面、下面にそれぞれ電極101、102を形成する。また、誘電率測定器は、試料100に交流電圧を印加して流れる電流を測定する端子A、Bと、交流電圧を一定とするためのフィードバック用の電圧測定端子C、Dとを有している。この構成は、広く知られている標準的なインピーダンス測定における測定構成である。
図10は、試料100としてLuFeの結晶を用いて行われた測定における交流誘電率の測定結果を示すグラフであり、横軸は温度(K)を示し、縦軸は比誘電率ε’を示している。また、図10のグラフでは、1kHz、3kHz、10kHz、30kHz、100kHz、300kHz、及び1MHzの各周波数について、比誘電率の温度変化を示している。これらのグラフから、各周波数に対して誘電率変化の折れ曲がり温度Trを求める。例えば、周波数1kHzのデータでは、折れ曲がり温度はTr=175Kである。
図11は、誘電率変化の折れ曲がり温度Trの逆数と、測定周波数fとの相関を示すグラフであり、横軸は1000/Tr(K−1)を示し、縦軸は測定周波数f(Hz)を示している。このようなデータプロットに対し、データを最も良く近似するように、次式
f=fexp(−U/kT)
におけるパラメータUを決定する。ここで、kはボルツマン定数、fはフィッティングの際の定数である。
このようにして求められるパラメータUは温度のエネルギー単位を持つ量であるため、その値を11604でわることによってeV単位に換算することができる。また、この換算されたエネルギ値は、バンドギャップに相当し、電子相関によって形成された電子集団が、その配置を再形成するために必要な活性化エネルギを示している。図11に示した例では、酸素欠損δ=0.009の結晶に対して、活性化エネルギU=0.30eVが求められており、例えばシリコンのバンドギャップなどと比べて低いエネルギとなっていることがわかる。
また、例えばシリコンのバンドギャップは、電子が持つ準位間のエネルギ差で決まるものであるため、その値を調整することはできない。これに対して、上記のように結晶での電子相関効果、及び双極子状の電子配置を利用した電気伝導度変化体では、その組成等を調整することにより、このような活性化エネルギUの値をある程度調整することが可能である。例えば、図11の例では、酸素欠損をδ=0.03とした結晶について、U=0.44eVが求められている。
ここで、上記した電子素子において、(RMbO(MaO)(好ましくはRFe)を用いた電気伝導度変化体は、0.3eV以上1.4eV以下のエネルギを有する光の入射に対して電気伝導度が変化する化合物によって構成されていることが好ましい。これにより、従来よりも低いエネルギの光の入射に応じて電気伝導度を変化させることが可能な電子素子が実現される。また、このような低エネルギの入射光に対して電気伝導度が変化する素子は、上記した結晶構造及び特性を有する化合物を用いることで可能となったものである。
また、電気伝導度変化体は、2μm以上の波長を有する赤外光の入射に対して電気伝導度が変化する化合物によって構成されていることが好ましい。このような構成によっても、上記構成と同様に、従来よりも低いエネルギの光の入射に応じて電気伝導度を変化させることが可能な電子素子が実現される。
また、電気伝導度変化体は、層状三角格子構造を有する化合物の単結晶、多結晶、またはその粉末の集合体からなることが好ましい。電気伝導度変化体の結晶については、これらの形態のいずれによっても、低いエネルギの光の入射に応じて電気伝導度が変化する上記の効果を得ることができる。
次に、本発明による電子素子の具体例について説明する。なお、以下においては、電気伝導度変化体に用いる化合物をRFeとした場合について電子素子の構成等について説明するが、同様の構成は、電気伝導度変化体の化合物として(RMbO(MaO)を用いた場合にも適用可能である。
本発明による電子素子の第1の具体例として、電子素子は、電気伝導度変化体上に形成された第1電極と、電気伝導度変化体上に、第1電極に対して電気的に離れて配置された第2電極とを備え、電気伝導度変化体に光が入射したときに生じる電気伝導度の変化を、第1電極と第2電極との間で検出可能とされている構成を用いることができる。このような素子は、例えば、電気伝導度変化体に外部から入射した光を検出する光検出素子として用いることが可能である。
図12は、本発明による電子素子である光検出素子の構成の一例を示す図である。本構成例による光検出素子は、バルク体として形成されたRFeによる電気伝導度変化体10と、電気伝導度変化体10の上面上で図中の左側に形成された第1電極11と、電気伝導度変化体10の上面上で図中の右側に形成された第2電極12とを備えて構成されている。
本光検出素子は、このような構成により、電気伝導度変化体10に光が入射したときに生じる電気伝導度の変化を電極11、12の間で検出し、それによって電気伝導度変化体10への入射光を検出可能に構成されている。このような素子は、例えば従来のフォトダイオード、あるいはフォトトランジスタに相当する機能を有するものである。
図13は、本発明による電子素子である光検出素子の構成の他の例を示す図である。本構成例による光検出素子は、支持基板25と、基板25上に薄膜として形成されたRFeによる電気伝導度変化体20と、電気伝導度変化体20の上面上で図中の左側に形成された第1電極21と、電気伝導度変化体20の上面上で図中の右側に形成された第2電極22とを備えて構成されている。
本光検出素子は、このような構成により、電気伝導度変化体の薄膜20に光が入射したときに生じる電気伝導度の変化を電極21、22の間で検出し、それによって電気伝導度変化体20への入射光を検出可能に構成されている。
図14は、図12に示したRFeのバルク体を用いた光検出素子における光照射による電気伝導度の変化を示すグラフである。ここでは、電気伝導度変化体10について、電極11、12が対向配置されている図中の左右方向がc軸方向となるようにLuFeの単結晶を配置するとともに、その左右方向の長さをl1=2mm、幅をw1=1mm、厚さをt1=0.5mmに設定している。このような構成では、電極11、12間の電圧は、電気伝導度変化体10の結晶に対してc軸方向に印加される。
また、図14において、グラフA1は、白色光をそのままLuFeに照射した場合の電気伝導度の変化を示し、グラフA2は、赤外光をカットする光フィルタを挿入して測定を行った場合の電気伝導度の変化を示し、グラフA3は、可視光のみを透過する光フィルタを挿入して測定を行った場合の電気伝導度の変化を示している。グラフA1、A2の差からわかるように、この電子素子では、赤外領域の波長を有する低エネルギの入射光に対しても、電気伝導度が大きく変化している。また、グラフA1〜A3からわかるように、波長領域全体としても、広い波長領域にわたって電気伝導度が変化している。
図15は、図13に示したRFeの薄膜を用いた光検出素子における光の吸収量の波長依存性を示すグラフである。ここでは、電気伝導度変化体20として、LuFeの多結晶薄膜を用いるとともに、基板25の左右方向の長さをl2=8mm、幅をw2=5mm、LuFe薄膜の厚さを400nm〜1μmに設定している。
図15のグラフは、上記したLuFe薄膜による光吸収が、入射光の波長に対してどのように変化するかを測定した結果を示している。この測定結果では、波長1500nm以下の光からLuFe薄膜による吸収が始まり、波長800nm付近に特徴的な吸収があり、さらに短波長の光まで良く光が吸収されていることが示されている。
すなわち、この電気伝導度変化体では、典型的な光吸収物質であるSiよりも、広い波長範囲で光吸収が起こっていることがわかる。また、特徴的な吸収を示している波長800nmは、エネルギ1.4eV付近である。このことは、後述するように電子素子を太陽電池に適用した場合に、上記の電気伝導度変化体が、太陽電池に用いられる光電子放出体としても、優れた特性を有していることを示している。
図16は、図13に示したRFeの薄膜を用いた光検出素子における光照射による電気伝導度の変化を示すグラフである。このような薄膜試料においても、図14に示したバルク体試料の場合と同様に、電気伝導度が大きく変化していることがわかる。なお、電気伝導度変化体としてRFeの薄膜を用いる場合、薄膜の厚さについては、10nm以上の厚さとすることが好ましい。
本発明による電子素子の第2の具体例として、電子素子は、電気伝導度変化体に対して所定位置に設けられた、p型半導体及びn型半導体によるpn接合構造を備え、電気伝導度変化体において電気伝導度の変化に伴って発生した電子をpn接合構造での接合界面に導くことで入射光のエネルギを電力に変換することが可能とされている構成を用いることができる。このような素子は、例えば、電気伝導度変化体に外部から入射した光によって電力を生成する太陽電池素子として用いることが可能である。このような太陽電池によれば、上述したRFeの特性により、例えば1.4eV以下、あるいはさらに0.3eV以下などの低エネルギの光を用いても、光電子放出による電力生成が可能である。
また、上記のように太陽電池素子として構成された電子素子では、さらに具体的には、電気伝導度変化体が、pn接合構造での接合界面近傍に、p型半導体及びn型半導体とは別体として配置されている構成を用いることができる。あるいは、n型半導体が電気伝導度変化体によって構成され、電気伝導度変化体及びp型半導体によってpn接合構造が構成されている構成を用いることができる。
図17は、RFeによる電気伝導度変化体を用いた太陽電池素子について示す模式図である。図17(a)に示す太陽電池素子では、n型半導体層31と、p型半導体層32とによってpn接合構造が形成されるとともに、それらの半導体層31、32に挟まれた接合界面の位置に、半導体層31、32とは別体として、RFeによる電気伝導度変化体30が配置されている。この場合の電気伝導度変化体30としては、例えばRFeの粉末の集合体を用いることができる。図17(a)においては、RFeの粉末での電気分極の向きを矢印によって模式的に示している。
また、図17(b)に示す太陽電池素子では、n型半導体層35をRFeによる電気伝導度変化体によって構成するとともに、その電気伝導度変化体35と、p型半導体層36とによってpn接合構造を形成している。RFeの結晶は、上記したように光電子放出体として機能すると同時に、n型半導体としての特性を有している。
図18は、本発明による電子素子である太陽電池素子の構成の一例を示す図である。本構成例による太陽電池素子は、図17(a)に示した構成の具体例に相当するものであり、支持基板45と、基板45上に形成されたn型半導体薄膜41、及びp型半導体薄膜42と、半導体薄膜41、42によるpn接合界面近傍に配置された、RFeの微粒子群からなる電気伝導度変化体40とを備えて構成されている。
本太陽電池素子は、このような構成により、電気伝導度変化体の微粒子群40に光が入射したときに電気伝導度の変化に伴って放出される電子をpn接合界面の電場に導き、それによって入射光のエネルギを電力に変換することが可能に構成されている。
図19は、本発明による電子素子である太陽電池素子の構成の他の例を示す図である。本構成例による太陽電池素子は、図17(b)に示した構成の具体例に相当するものであり、支持基板55と、基板55上に形成され、n型半導体薄膜として機能するRFeによる電気伝導度変化体薄膜50と、電気伝導度変化体薄膜50上に形成されたp型半導体薄膜51とを備えて構成されている。
本太陽電池素子は、このような構成により、電気伝導度変化体の薄膜50に光が入射したときに電気伝導度の変化に伴って放出される電子をpn接合界面の電場に導き、それによって入射光のエネルギを電力に変換することが可能に構成されている。
本発明による電子素子、及び電気伝導度制御方法は、上記実施形態及び構成例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、光検出素子の構成については、図12、13はその例を示すものであり、例えば電気伝導度変化体の形状、電極の形状、配置など、具体的には様々な構成を用いて良い。また、太陽電池素子の構成についても、同様に様々な構成を用いて良い。また、本発明による電子素子は、上記した光検出素子、太陽電池素子以外にも、様々な素子に対して適用が可能である。
本発明は、入射した光のエネルギに応じて電気伝導度が変化する電気伝導度変化体を備えた電子素子、例えば、光センサ、太陽電池に適用することができ、また、電気伝導度変化体に光を入射させ、電気伝導度変化体に入射させた光のエネルギに応じて電気伝導度変化体の電気伝導度を制御する電気伝導度制御方法に適用することができる。

Claims (12)

  1. 外部から光が入射したときに、入射光のエネルギに応じて内部の電子の状態が変化することで電気伝導度が変化する電気伝導度変化体を備え、
    前記電気伝導度変化体は、その組成が(RMbO3−δ(MaO)(Rは、In,Sc,Y,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ti,Ca,Sr,Ce,Sn,Hfから選ばれる少なくとも1種類の元素、Ma、Mbは、Ti,Mn,Fe,Co,Cu,Ga,Zn,Al,Mg,Cdから重複を許して選ばれる少なくとも1種類の元素、nは1以上の整数、mは0以上の整数、δは0以上0.2以下の実数)で表され、層状三角格子構造を有する化合物からなるとともに、
    前記電気伝導度変化体上に形成された第1電極と、
    前記電気伝導度変化体上に、前記第1電極に対して電気的に離れて配置された第2電極とを備え、
    前記電気伝導度変化体に光が入射したときに生じる電気伝導度の変化を、前記第1電極と前記第2電極との間で検出可能に構成されていることを特徴とする光検出素子。
  2. 前記層状三角格子構造を有する化合物は、RFe 4−δ であることを特徴とする請 求項1記載の光検出素子。
  3. 前記電気伝導度変化体は、0.3eV以上1.4eV以下のエネルギを有する光の入射 に対して電気伝導度が変化する前記層状三角格子構造を有する化合物によって構成されて いることを特徴とする請求項1または2記載の光検出素子。
  4. 前記電気伝導度変化体は、2μm以上の波長を有する赤外光の入射に対して電気伝導度 が変化する前記層状三角格子構造を有する化合物によって構成されていることを特徴とす る請求項1〜3のいずれか一項記載の光検出素子。
  5. 前記電気伝導度変化体は、前記層状三角格子構造を有する化合物の単結晶、多結晶、ま たはその粉末の集合体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の光検 出素子。
  6. 外部から光が入射したときに、入射光のエネルギに応じて内部の電子の状態が変化することで電気伝導度が変化する電気伝導度変化体を備え、
    前記電気伝導度変化体は、その組成が(RMbO3−δ(MaO)(Rは、In,Sc,Y,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ti,Ca,Sr,Ce,Sn,Hfから選ばれる少なくとも1種類の元素、Ma、Mbは、Ti,Mn,Fe,Co,Cu,Ga,Zn,Al,Mg,Cdから重複を許して選ばれる少なくとも1種類の元素、nは1以上の整数、mは0以上の整数、δは0以上0.2以下の実数)で表され、層状三角格子構造を有する化合物からなるとともに、
    前記電気伝導度変化体に対して所定位置に設けられた、p型半導体及びn型半導体によるpn接合構造を備え、
    前記電気伝導度変化体において電気伝導度の変化に伴って発生した電子を前記pn接合構造での接合界面に導くことで入射光のエネルギを電力に変換することが可能に構成されていることを特徴とする太陽電池素子。
  7. 前記電気伝導度変化体は、前記pn接合構造での接合界面近傍に、前記p型半導体及び前記n型半導体とは別体として配置されていることを特徴とする請求項記載の太陽電池素子。
  8. 前記n型半導体は前記電気伝導度変化体によって構成され、前記電気伝導度変化体及び前記p型半導体によって前記pn接合構造が構成されていることを特徴とする請求項記載の太陽電池素子。
  9. 前記層状三角格子構造を有する化合物は、RFe4−δであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項記載の太陽電池素子。
  10. 前記電気伝導度変化体は、0.3eV以上1.4eV以下のエネルギを有する光の入射に対して電気伝導度が変化する前記層状三角格子構造を有する化合物によって構成されていることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項記載の太陽電池素子。
  11. 前記電気伝導度変化体は、2μm以上の波長を有する赤外光の入射に対して電気伝導度が変化する前記層状三角格子構造を有する化合物によって構成されていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項記載の太陽電池素子。
  12. 前記電気伝導度変化体は、前記層状三角格子構造を有する化合物の単結晶、多結晶、またはその粉末の集合体からなることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一項記載の 陽電池素子。
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