JP5272911B2 - 2−シアノアクリレート系組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、2−シアノアクリレート系組成物、特にポリフェニレンサルファイド等の耐熱性プラスチックや金属等を接着した際の接着耐熱性が良好な2−シアノアクリレート系組成物に関するものであり、当該組成物は特に瞬間接着剤として有用である。
2−シアノアクリレートを主成分とするシアノアクリレート系接着剤は、その高いアニオン重合性により、被着体表面や空気中の水分等のアニオン種によって短時間で重合硬化し各種材料を接着させるため、瞬間接着剤として電子・電気・自動車等の各種産業界、レジャー分野及び一般家庭で広く用いられている。
しかしながら、シアノアクリレート系接着剤は一般に接着耐熱性が80℃程度と高くないことから、100℃以上の高温を要求されている分野ではエポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤等のシアノアクリレート系接着剤より耐熱性があるとされている接着剤が用いられてきた。
上記課題を解決する方法として、特許文献1には、無水フタル酸をはじめとする酸や酸無水物等を密着性向上剤として添加する方法が開示されている。また、特許文献2には、硫黄含有化合物等を熱劣化防止剤として添加する方法等が開示されている。
さらに、特許文献3には、熱架橋が可能な2−シアノアクリレートを用いる方法や、特許文献4には、α,β−不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルをはじめとする反応性モノマーを併用する方法が開示されており、これらの方法では硬化物を熱架橋させることによって構造的に耐熱性を保持することができる。
特表昭57−501529号公報 特開平6−108014号公報 特公昭54−3483号公報 特開昭53−110635号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるような添加剤を配合しただけでは、120℃程度までは耐熱性が改善するものの、2−シアノアクリレートのガラス転移点以上となる150℃までは構造的に耐熱性を保持することができない。また、特許文献2に開示されるような密着性向上剤は金属に対しては有効であるが、耐熱性プラスチックに対してはその効果が期待できない。
さらに、特許文献3及び4に開示されるような熱架橋が可能な2−シアノアクリレートは製造が難しく、また2−シアノアクリレートに配合した場合、組成物の貯蔵安定性が悪くなるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、瞬間接着性を維持しつつ、耐熱性プラスチックや金属等に対して150℃以上の耐熱性を発現し、かつ、貯蔵安定性に優れる2−シアノアクリレート系組成物を提供することである。
本発明者らは、2−シアノアクリレート系組成物の耐熱性を改善する方法を鋭意検討したところ、特定のヒドロキシル価を有する多官能(メタ)アクリレートを含む多官能(メタ)アクリレートを、2−シアノアクリレートに特定量含有させることにより、硬化性、耐熱性及び貯蔵安定性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る2−シアノアクリレート系組成物は、(A)2−シアノアクリレート及び(B)ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む多官能(メタ)アクリレートを含有する2−シアノアクリレート系組成物であって、前記多官能(メタ)アクリレートのヒドロキシル価が1〜150mgKOH/gであり、前記多官能(メタ)アクリレートの含有量が、(A)と(B)の合計量に対して40〜60質量%であり、かつ、前記ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートが、(B)成分の合計量に対して3〜70質量%であることを特徴としている。
上記ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートが、ペンタエリスリトールトリアクリレート及び/又はジペンタエリスリトールペンタアクリレートであることが好ましい。
上記(A)成分が、エチル−2−シアノアクリレートであることが好ましい。
上記2−シアノアクリレート系組成物は、さらに、過酸化物を含有することが好ましい。
本発明におけるヒドロキシル価(以下「OH価」ともいう。)は、試料1g中のヒドロキシル基と当量の水酸化カリウムのミリグラム数で表さる。具体的な測定方法は、後述する。
本発明の2−シアノアクリレート系組成物は、以上のように、2−シアノアクリレート及び特定の多官能(メタ)アクリレートを特定量含有している。そのため、瞬間接着性を維持しつつ、耐熱性プラスチックや金属等を接着した際に、150℃以上の耐熱性を発現し、かつ、貯蔵安定性にも優れるという効果を奏する。これは、多官能(メタ)アクリレートがラジカル重合を起こす際に、先に室温でアニオン重合したポリシアノアクリレート中の水素を多官能(メタ)アクリレートのヒドロキシル基ラジカルが引き抜くことによって、シアノアクリレートと多官能(メタ)アクリレートが架橋構造を取るためと推定される。
本発明の2−シアノアクリレート系組成物の主成分である2−シアノアクリレート[以下「(A)成分」ともいう。]は、従来から公知のものを使用することができる。具体的には、メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、イソプロピル−2−シアノアクリレート、ブチル−2−シアノアクリレート、イソブチル−2−シアノアクリレート、アミル−2−シアノアクリレート、ヘキシル−2−シアノアクリレート、シクロヘキシル−2−シアノアクリレート、オクチル−2−シアノアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノアクリレート等のアルキル及びシクロアルキル−2−シアノアクリレート、アリル−2−シアノアクリレート、メタリル−2−シアノアクリレート、シクロヘキセニル−2−シアノアクリレート等のアルケニル及びシクロアルケニル−2−シアノアクリレート、プロパンギル−2−シアノアクリレート等のアルキニル−2−シアノアクリレート、フェニル−2−シアノアクリレート、ベンジル−2−シアノアクリレート、トルイル−2−シアノアクリレート等のアリール−2−シアノアクリレート、ヘテロ原子を含有するメトキシエチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシプロピル−2−シアノアクリレート、テトラヒドロフルフリル−2−シアノアクリレート、ケイ素を含有するトリメチルシリルメチル−2−シアノアクリレート、トリメチルシリルエチル−2−シアノアクリレート、トリメチルシリルプロピル−2−シアノアクリレート、ジメチルビニルシリルメチル−2−シアノアクリレート、塩素原子を含有する2−クロロエチル−2−シアノアクリレート、3−クロロプロピル−2−シアノアクリレート、2−クロロブチル−2−シアノアクリレート、フッ素原子を含有する2,2,2−トリフルオロエチル−2−シアノアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル−2−シアノアクリレート等が挙げられる。これらの2−シアノアクリレートは単独で又は2種以上を混合使用することもできる。これらの中でも、性能的、コスト的な理由からエチル−2−シアノアクリレートが最も好ましい。
次に、本発明に用いられる多官能(メタ)アクリレート[以下「(B)成分」ともいう。]は、耐熱性を向上させる役割を担うものであり、ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートとその他の多官能(メタ)アクリレートを含有するものである。ヒドロキシル基を有する2官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ヒドロキシル基を有する3官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ヒドロキシル基を有する4官能の(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。ヒドロキシル基を有する5官能の(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの他にも(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有し、かつ、ヒドロキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレートを用いることができる。これらの化合物は、単独で又は2つ以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも耐熱性の観点から、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物が好ましい。特に好ましくは、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートである。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの一方又は両方を含む意味に用いる。
上記多官能(メタ)アクリレートのヒドロキシル価は、1〜150mgKOH/gであることが必要であり、5〜140mgKOH/gであることがより好ましく、30〜120mgKOH/gであることが特に好ましい。ヒドロキシル価が1mgKOH/g未満では、充分な耐熱性が得られない。一方、ヒドロキシル価が150mgKOH/gを超える場合には、2−シアノアクリレート系組成物の貯蔵安定性が著しく悪くなる。
上記(B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計量に対して40〜60質量%であることが必要であり、好ましくは45〜55質量%である。(B)成分が40質量%未満であると良好な耐熱性が発現しない。一方、60質量%を超えると室温での初期強度が低下し、また接着速度や組成物の貯蔵安定性が著しく悪くなる。
また、ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート以外の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2つ以上を組み合わせて用いることができる。
上記ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートは、(B)成分の合計量に対して3〜70質量%であることが必要であり、5〜60質量%であることがより好ましい。3質量%未満の場合は、耐熱性が不十分であり、70質量%を超える場合は組成物の貯蔵安定性が著しく悪くなる。


また、(B)成分の硬化を促進する目的で、さらに過酸化物を配合することもできる。過酸化物としては、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。これらは、単独で又は2つ以上を組み合わせて用いることができる。
過酸化物の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0〜3質量部が好ましく、0.3〜2質量部であることがより好ましい。過酸化物の含有量は、熱硬化性の観点から、前記範囲が好ましい。
さらに、本発明の2−シアノアクリレート系組成物には、貯蔵安定性を向上させる目的で、アニオン重合禁止剤や、ラジカル重合禁止剤を添加することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、単官能(メタ)アクリレート、クラウンエーテル類、シラクラウンエーテル類、ポリアルキレンオキサイド類、カリックスアレン類、シクロデキストリン類、ピロガロール系環状化合物等の硬化促進剤、増粘剤、可塑剤、充填剤、エラストマー、チクソ性付与剤、密着性付与剤、架橋剤、紫外線吸収剤、染料、香料又は有機溶剤等を添加してもよい。
単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルペンチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、トルイル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、トリフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、2−トリフルオロメチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、ジパーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキサデシルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2つ以上を組み合わせて用いることができる。好ましい添加量は、2−シアノアクリレート系組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部の範囲である。
アニオン重合防止剤としては、例えば、二酸化硫黄、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、プロパンサルトン、三フッ化ホウ素錯体等が挙げられる。これらは、単独で又は2つ以上を組み合わせて用いることができる。好ましい添加量は、2−シアノアクリレート100質量部に対して、1質量ppm〜1質量部の範囲である。
ラジカル重合防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等が挙げられる。これらは、単独で又は2つ以上を組み合わせて用いることができる。好ましい添加量は、2−シアノアクリレート100質量部に対して、1質量ppm〜1質量部の範囲である。
増粘剤としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートとアクリル酸エステルとの共重合体、メチルメタクリレートとその他のメタクリル酸エステルとの共重合体及びセルロース誘導体等が挙げられる。これらは、単独で又は2つ以上を組み合わせて用いることができる。好ましい添加量は、2−シアノアクリレート系組成物100質量部に対して、0.1〜20質量部の範囲である。
可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;ポリエリレングリコール、ポリプロピレングリコールあるいはこれらの水酸基を変換したポリエーテル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油、重量平均分子量(Mw)1000〜7000のTg−10℃以下のポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で又は2つ以上を組み合わせて用いることができる。好ましい添加量は、2−シアノアクリレート系組成物100質量部に対して、0.1〜30質量部の範囲である。
充填剤としては、無機フィラーを使用することができる。例えば、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸及びカーボンブラック等の補強性充填材;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華及びシラスバルーン等充填材;石綿、ガラス繊維及びフィラメント等繊維状充填材が挙げられる。これらは、単独で又は2つ以上を組み合わせて用いることができる。好ましい添加量は、2−シアノアクリレート系組成物100質量部に対して、0.1〜30質量部の範囲である。
エラストマーとしては、アクリルゴム、ポリエステルウレタン、エチレン−酢酸ビニル、フッ素ゴム、イソプレン−アクリロニトリルポリマー、クロロスルフィン化ポリエチレン及びポリ酢酸ビニルのホモポリマー等が挙げられる。これらは、単独で又は2つ以上を組み合わせて用いることができる。好ましい添加量は、2−シアノアクリレート系組成物100質量部に対して、0.1〜20質量部の範囲である。
チクソ性付与剤としては、疎水性シリカ等が挙げられる。好ましい添加量は、2−シアノアクリレート系組成物100質量部に対して、0.1〜20質量部の範囲である。
以下、実施例及び比較例により、さらに詳しく本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。評価方法は、次の通りである。
(1)ヒドロキシル価
JIS K 1557−1に準じて定量した。
(2)引張せん断接着強さ
各実施例及び比較例で得られた2−シアノアクリレート系組成物を用いて、ポリフェニレンサルファイド(東ソー社製 商品名「サスティールPPS」 GS40%)をJIS K 6861に準じた方法で接着した。室温下で1週間養生後、引張りせん断接着強さを測定し、常態強度とした。引張速度:10mm/分
(3)耐熱性
上記接着養生後の試料を、150℃で96時間及び480時間加熱後、室温に戻してから引張せん断接着強さを測定した。
(4)接着速度(セットタイム)
硬質塩化ビニル(PVC)を試験片としてJIS K 6861に準じて測定した。
(5)貯蔵安定性
各組成物2gを2mlのポリエチレン容器に入れて密栓し、40℃下でゲル状物が発生するまでの日数を測定した。
実施例1〜9、比較例1〜7
表1に示す多官能(メタ)アクリレートを瞬間接着剤:商品名「アロンアルフア#201」(成分;エチル−2−シアノアクリレート 東亞合成社製)に表1の量を配合し、さらに過酸化物として「パーブチルZ」(日本油脂社製)を上記配合物100質量部に対して0.5質量部配合した2−シアノアクリレート系組成物を調製し、前述の評価を行った。
Figure 0005272911
表1から明らかなように、本発明の2−シアノアクリレート系組成物は、実用的な瞬間接着性を維持しつつ、耐熱性に優れ、貯蔵安定性も良好である。一方、多官能(メタ)アクリレートの配合量が本発明の範囲より少ない場合は耐熱性が不十分であり(比較例1、2)、多い場合は常態強度が低く、また瞬間接着性及び貯蔵安定性が悪くなる(比較例3、4)。また、多官能(メタ)アクリレートのヒドロキシル価が150mgKOH/gを超える場合は、貯蔵安定性が著しく低下し(比較例5)、ヒドロキシル価が無い場合は耐熱性が不十分である(比較例6、7)。
本発明により得られる2−シアノアクリレート系組成物は、従来の瞬間接着剤と同様に電気・電子材料用途、自動車関連用途、建材用途等で使用することができる。特に、耐熱性に優れていることから、自動車の電線シール材、電子部品シール材、電子部品コーティング剤、電子部品用ポッティング剤等、150℃以上の耐熱性が要求される部位に使用することができる。

Claims (4)

  1. (A)2−シアノアクリレート及び(B)ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含む多官能(メタ)アクリレートを含有する2−シアノアクリレート系組成物であって、前記多官能(メタ)アクリレートのヒドロキシル価が1〜150mgKOH/gであり、前記多官能(メタ)アクリレートの含有量が、(A)と(B)の合計量に対して40〜60質量%であり、かつ、前記ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートが、(B)成分の合計量に対して3〜70質量%であることを特徴とする2−シアノアクリレート系組成物。
  2. 上記ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートが、ペンタエリスリトールトリアクリレート及び/又はジペンタエリスリトールペンタアクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の2−シアノアクリレート系組成物。
  3. 上記(A)成分が、エチル−2−シアノアクリレートである請求項1又は2に記載の2−シアノアクリレート系組成物。
  4. さらに、過酸化物を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の2−シアノアクリレート系組成物。
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