JP5270203B2 - 高周波加熱装置の加熱コイル駆動機構 - Google Patents
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Description
その際、加熱コイルは上下方向及び水平方向にそれぞれ往復駆動されて面運動を行い、ワークから加熱コイルまでの距離が適宜調整され、ワークの周面は略均一に加熱される。
このような高周波加熱装置の加熱コイルの駆動装置が特許文献1に開示されている。
特許文献1には、加熱コイルを鉛直方向と水平方向に各々往復移動させる駆動機構が開示されている。
加熱コイルは、ボールネジの回転駆動量に応じた距離を移動するが、その移動量(移動距離)は微小である。よってボールネジの雌ねじは、雄ねじに対して微小な範囲で往復回動する。
これにより、ボールネジの雄ねじの特定の部位には頻繁にボールが接触し、それ以外の部位には全くボールが接触しないという事態が生じる。このボールネジの雄ねじの特定の部位は、ボールが頻繁に接触するので潤滑油が切れ易くなる。潤滑油が切れた部位にボールが接触すると、その部位が削れ、削りカスが散乱して駆動装置の動作不良を引き起こす要因になると考えられる。
そこで本発明は、ボールネジが良好な状態で使用されると共に、ボールネジの寿命を延ばすことができる高周波加熱装置の加熱コイル駆動機構を提供することを目的としている。
これにより、雌ねじと雄ねじの間に介在するボールが、ボールネジの特定の部位に偏って接触することを防止でき、雄ねじの表面の潤滑油が切れにくくなる。引いては、雄ねじと雌ねじの摩耗を低減することができる。すなわち、ボールは、雄ねじ上の潤滑油を絶えず纏うことができ、潤滑油が切れて雄ねじと雌ねじの摺動面が削れることを防止することができる。従って、ボールネジの寿命が延びる。
リンク機構としては、構造的に簡易なてこを採用するのが好ましい。
また、加熱コイルが異なる二方向に移動可能である。よって、加熱コイルは面運動が可能である。すなわち、加熱コイルが面運動できるようにボールネジが設けられる。
具体的には、2本のボールネジの軸心を直交するX軸方向とY軸方向に向け、加熱コイルを各ボールネジの雌ねじ側にリンク機構を介して接続する。そして各ボールネジを駆動すると、雄ねじに沿って雌ねじが移動する。その結果、X−Yテーブルと同様に加熱コイルがX軸方向とY軸方向に移動する。これにより、加熱コイルの面運動が可能になる。ここで、2本のボールネジの雌ねじの移動距離は、加熱コイルのX軸方向又はY軸方向への移動距離よりも大きい。これにより、X軸方向及びY軸方向に加熱コイルを移動させる各ボールネジの寿命が延びる。
加熱コイル2は中空導体を屈曲又は湾曲させることによって形成された環状コイルであり、図示しない電源(高周波発振器)とトランスを介して高周波電流が供給され、ワーク20を高周波加熱する。ワーク20は、例えばカムシャフトであり、カムシャフトのカム部(加熱部)の外側に加熱コイル2が配置される。そして、ワーク20は、符号20aで示す軸を中心に図示しない駆動モータによって回転駆動され、その回転に追従するように加熱コイル2を公転移動させ、ワーク周囲を均一に加熱する。
第2駆動装置21は、第1駆動装置3と同様にボールネジの雄ねじ22,ボールネジのナット23(雌ねじ),モータ27(サーボモータ)等で構成されている。雄ねじ22は、モータ27によって回転駆動可能に軸受25,26で支持される。
すなわち加熱コイル2が90度の位置から180度の位置へ移動する際には、加熱コイル2の水平方向の移動は右方から左方へ切り換わり、上下方向には引き続き下方へ移動し、加熱コイル2は図3に示す位置に達する。
その際、加熱コイル2は180度の位置から引き続き左方へ移動するが、第2駆動装置21のモータ27の回転方向が逆転して上下方向の移動は下方から上方へ切り換わる。すなわち、モータ27の回転方向が逆転するとナット23の移動方向が上方から下方に切り換わり、リンク部材30がピン33を中心に反時計回りに回動し、連結部材16(長孔18)がリンク部材30のピン31によって上方へ押圧され、加熱コイル2は180度の位置から270度の位置へと上昇する。
これを図3及び図4を参照しながら説明する。
距離Dは、加熱コイル2の公転の直径に相当する。すなわち、加熱コイル2の公転の直径は、ワーク20との関係で一義的に決まり、ここでは距離Dである。
よって、リンク部材12の長さや、距離Aと距離Bの割合を適宜調整し、ナット5の移動量を雄ねじ4の1ピッチ以上となるように確保すれば、雄ねじ4上の油膜切れが生じず局部的な摩耗を抑制することができる。
すなわち、加熱コイル駆動機構1によって、加熱コイル2がワーク20を誘導加熱するのに必要な動作を行うと共に、ナット5,23が雄ねじ4,22上を1ピッチ以上の距離を往復移動する。
ここで、加熱コイル2の移動量は、ワーク20の形状及び大きさに応じて設定されるべきものであるが、ナット5,23の移動量が、雄ねじ4,22の1ピッチ以上確保されていれば、加熱コイル2の移動量がナット5,23の移動量より小さくなっても差し支えない。
2 加熱コイル
3 第1駆動装置
4 ボールネジの雄ねじ
5 ボールネジのナット
6 連結部
7 モータ
10 長孔
11 ピン(力点)
12 リンク部材(リンク機構)
13 孔
14 ピン(支点)
15 ピン(作用点)
16 連結部材
17 連結部材の上下方向の長孔
18 連結部材の水平方向の長孔
20 ワーク
21 第2駆動装置
22 ボールネジの雄ねじ
23 ボールネジのナット
24 連結部
27 モータ
28 長孔
29 ピン(力点)
30 リンク部材(リンク機構)
31 ピン(作用点)
32 孔
33 ピン(支点)
Claims (2)
- ボールネジの雄ねじ側を回転させることによって雌ねじ側に設けられた高周波加熱装置の加熱コイルを往復移動させる高周波加熱装置の加熱コイル駆動機構において、雌ねじと加熱コイルとがリンク機構を介して接続されており、前記リンク機構は、雌ねじと加熱コイルの間の部位に支点があるてこで構成されており、前記加熱コイルには連結部材が固定されており、前記連結部材は前記ボールネジの雄ねじの軸心と直交する長孔を有し、前記リンク機構は、ピンを介して前記連結部材の長孔と係合しており、前記ボールネジとリンク機構の組み合わせが二組あり、前記2つのボールネジの雄ねじの軸心は直交しており、高周波加熱装置の稼働時に、各ボールネジの雄ねじと雌ねじの間にあるボールが潤滑油切れを起こさない距離だけ雌ねじが往復移動することを特徴とする高周波加熱装置の加熱コイル駆動機構。
- 加熱コイルの移動量よりも前記雌ねじの移動量の方が大きくなるように前記リンク機構が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波加熱装置の加熱コイル駆動機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008073155A JP5270203B2 (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 高周波加熱装置の加熱コイル駆動機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008073155A JP5270203B2 (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 高周波加熱装置の加熱コイル駆動機構 |
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Family Applications (1)
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