JP5268661B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器に関する。
従来の両ロッド型の緩衝器にあっては、たとえば、シリンダと、シリンダ内に挿通されるロッドと、ロッドの中間に設けられるとともにシリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンとを備えて構成されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、この両ロッド型の緩衝器は、ロッドの一端側がシリンダ外に形成されるサブ油室内に挿通されており、このサブ油室を別途形成の容室へ連通し、ロッドがサブ油室に出入りする際にサブ油室で過不足となるロッド体積分の作動油を容室で吸収するようになっている。
そして、この両ロッド型の緩衝器にあっては、サブ油室と容室とを連通する通路の途中に可変減衰弁を設けており、当該可変減衰弁の調整によって圧側の発生減衰力を変更することが可能なようになっている。
特開2004−293659号公報(図1)
ここで、近年、特に、車両における乗り心地や操縦安定性に影響を与えるピストン速度が低速で作動する際の減衰特性(ピストン速度に対する緩衝器が発生する減衰力の性質)に対する要求が高まっており、緩衝器には、ピストン速度が低速領域を超える領域における減衰特性はそのままに、ピストン速度が低速領域で作動する際の減衰特性の調整を行えるようにとの要望がある。
しかしながら、従来の両ロッド型の緩衝器にあっては、圧縮作動時にロッドをシリンダ内の圧力室とは別個独立のサブ油室に進入させ、過剰となる作動油がサブ油室から容室へ移動する際に、可変減衰弁で抵抗を与えるようになっており、ロッド断面積にサブ油室内の圧力を乗じた減衰力をピストン部に設けた減衰弁による減衰力に付加するようになっていることから、ピストン速度が低速領域における減衰特性のみを変更することができず、可変減衰弁を調整すると、ピストン速度の全領域に亘って減衰特性が変更されてしまう。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ピストン速度が低速領域における減衰特性のみを調節可能な緩衝器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の課題解決手段における緩衝器は、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、ロッドの中間部に設けられるとともにシリンダ内に摺動自在に挿入されて二つの圧力室を隔成するピストンと、ピストンに形成されて二つの圧力室を連通する一対のポートと、各ポートをそれぞれ開閉する一対のリーフバルブとを備えた両ロッド型緩衝器において、シリンダの一端にバルブハウジングを設け、バルブハウジングに一方の圧力室と他方の圧力室を連通するとともに一方の圧力室から他方の圧力室へ向かう流れのみを許容する一方通路と、他方の圧力室と一方の圧力室を連通するとともに他方の圧力室から一方の圧力室へ向かう流れのみを許容する他方通路と、一方通路の途中に設けた可変オリフィスと、他方通路の途中に設けた可変オリフィスとを設け、可変オリフィスを一方通路および他方通路の途中に設けた環状の弁座と、弁座に離着座させる弁体と、弁体を附勢して弁座に着座させるバネと、バネのバネ力を調節するバネ受とで構成すると共にバネ受けを弁体に対して遠近させることで開度を調節させ、ピストン速度がある速度領域以下のときリーフバルブを開かせずに可変オリフィスで減衰力を発生させ、ピストン速度が上記の速度領域を超えたときリーフバルブを開いてリーフバルブによる減衰力を発生させることを特徴とする。
本発明の緩衝器によれば、ピストンに形成されて二つの圧力室を連通する一対のポートと、各ポートをそれぞれ開閉する一対のリーフバルブとを備え、バルブハウジングに一方の圧力室と他方の圧力室を連通するとともに一方の圧力室から他方の圧力室へ向かう流れのみを許容する一方通路と、他方の圧力室と一方の圧力室を連通するとともに他方の圧力室から一方の圧力室へ向かう流れのみを許容する他方通路と、一方通路の途中に設けた可変オリフィスと、他方通路の途中に設けた可変オリフィスとを設け、ピストン速度がある速度領域以下のときリーフバルブを開かせずに可変オリフィスで減衰力を発生させ、ピストン速度が上記の速度領域を超えたときリーフバルブを開いてリーフバルブによる減衰力を発生させるので、ピストン速度がある速度領域にあるときの減衰特性のみを伸縮の両側で独立して調節可能となる。
さらに、可変オリフィスを一方通路および他方通路の途中に設けた環状の弁座と、弁座に離着座させる弁体と、弁体を附勢して弁座に着座させるバネと、バネのバネ力を調節するバネ受とで構成すると共にバネ受けを弁体に対して遠近させることで開度を調節させているから、弁体を押付けるイニシャル荷重を変更することができ、開弁圧および圧力室の圧力に対する弁開度を調節することができる。
また、一方の圧力室から他方の圧力室への液体の移動がリザーバを経由せずに行なわれるので、異音が発生したりやキャビテーションを誘起したりする虞もなく、リザーバ内の液体が緩衝器の伸縮動作に関与しないので、緩衝器の減衰力発生の応答性が低下することもない。
一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態における緩衝器の拡大AA断面図である。 一実施の形態における緩衝器の可変オリフィスの拡大図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1から図3に示すように、一実施の形態における緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるロッド2と、ロッド2の中間部に設けられるとともにシリンダ1内に摺動自在に挿入されて二つの圧力室R1,R2を隔成するピストン3と、一方の圧力室R1と他方の圧力室R2を連通するとともに一方の圧力室R1から他方の圧力室R2へ向かう流れのみを許容する一方通路4と、他方の圧力室R2と一方の圧力室R1を連通するとともに他方の圧力室R2から一方の圧力室R1へ向かう流れのみを許容する他方通路5と、一方通路4の途中に設けた可変オリフィス6と、他方通路5の途中に設けた可変オリフィス7とを備えて両ロッド型の緩衝器として構成されている。
なお、図1にあっては、図が複雑となるため、可変オリフィス6,7の記載を省略しており、可変オリフィス6,7は、図2に示すように、後述するバルブハウジング9に設けた弁孔9b,9c内に収容されて設けられている。
以下、各部材について詳細に説明すると、シリンダ1は、筒状とされ、上端にはロッド2の他端2bが挿通される環状のヘッド部材8が嵌合され、シリンダ1の上端が閉塞されている。また、シリンダ1の下端にはロッド2の一端2aが挿通される環状のボトム部材10が嵌合されて、当該ボトム部材10によってシリンダ1の下端が閉塞されている。
このように、シリンダ1は、上端と下端がそれぞれヘッド部材8とボトム部材10によって閉塞され、シリンダ1内に摺動自在に挿入されたピストン3によって、シリンダ1内には二つの圧力室R1,R2が区画され、これら圧力室R1,R2内には作動油等の液体が充填されている。
また、ピストン3は、環状とされてシリンダ1内に移動自在に挿通されたロッド2の中間に取付けられ、上記圧力室R1と圧力室R2とを連通する一対のポート3a,3bを有している。

このピストン3の図1中上方には、ポート3aを開閉するリーフバルブ11aが積層されてロッド2の中間部に取付けられ、ピストン3の図1中下方には、ポート3bを開閉するリーフバルブ11bが積層されてロッド2の中間部に取付けられている。
さらに、ロッド2における図1中下端となる一端2aは、シリンダ1の図1中下端を閉塞する環状のボトム部材10の内側に固定される筒状のベアリング10aに挿通されてシリンダ1外へ突出させてあり、図1中上端となる他端2bはシリンダ1の図1中上端を閉塞する環状のヘッド部材8の内側に固定される筒状のベアリング8aに挿通されシリンダ1外へ突出させてある。
また、シリンダ1の外方には、このシリンダ1を覆って、シリンダ1との間に環状隙間Pを形成するアウターチューブ12が設けられている。このアウターチューブ12の図1中内周には、ヘッド部材8が固定されるとともに、当該アウターチューブ12の下端内周には、筒状のバルブハウジング9が溶接されている。
詳しくは、バルブハウジング9は、筒状であって中間が小径に設定されて厚肉の小径部9aを備えており、上端をアウターチューブ12の内周に嵌合してアウターチューブ12に溶接によって固定される。なお、アウターチューブ12とバルブハウジング9の連結に際しては溶接以外の方法によってもよい。
そして、ボトム部材10は、バルブハウジング9の上端内周に嵌合されており、アウターチューブ12にバルブハウジング9を固定すると、バルブハウジング9の小径部9aの上端とヘッド部材8によって、シリンダ1とシリンダ1の下端に嵌合されるボトム部材10が挟持され、アウターチューブ12に対して軸方向に位置決められて固定される。
そして、アウターチューブ12とヘッド部材8との間にはシールリング13が介装されるとともに、ヘッド部材8の上方には、シール部材14が積層され、当該シール部材14でロッド2の他端2bとヘッド部材8との間がシールされ、アウターチューブ12およびシリンダ1の上端が封止されている。なお、シール部材14およびヘッド部材8はアウターチューブ12の上端内周に螺合されるナット32によって固定される。
また、ボトム部材10の外周とバルブハウジング9の上端内周との間にはシールリング15が介装されるとともに、ボトム部材10とロッド2の一端2aとの間をシールするシール部材16がバルブハウジング9の小径部9aの上端とボトム部材10との間に介装されており、シリンダ1の下端が封止されている。
また、シール部材14には、ヘッド部材8に設けた通孔8bを通じて圧力室R1内の圧力がロッド2の他端2bの外周へ押付けるように作用し、同様に、シール部材16にも、ボトム部材10に設けた通孔10bを通じて圧力室R2内の圧力がロッド2の一端2aの外周へ押付けるように作用している。
また、ヘッド部材8のシリンダ1に嵌合する嵌合部8cから外周へかけて切欠8dが形成されており、この切欠8dを介して圧力室R1がシリンダ1とアウターチューブ12との間に形成される環状隙間Pへ連通されている。そして、この実施の形態の場合、上記環状隙間Pは一方の圧力室R1の一部として機能している。
つづいて、バルブハウジング9は、上述したように筒状であって、図1中上端がアウターチューブ12に連結され、小径部9aの内周には、筒状のリザーバ内筒19が螺着されている。
リザーバ内筒19の下端外周にはフランジ19aが設けられており、フランジ19aは、バルブハウジング9の下端内周に嵌合しており、リザーバ内筒19とバルブハウジング9の小径部9aの下方との間には環状隙間が形成されて、この環状隙間でリザーバRが形成されている。なお、リザーバ内筒19とバルブハウジング9の小径部9aの内周にはシールリング20が介装されており、リザーバ内筒19のフランジ19aの外周とバルブハウジング9の下端内周との間にシールリング21が介装され、リザーバRが密閉されている。
このようにバルブハウジング9の小径部9aより下方は、リザーバRを形成するリザーバ外筒として機能しており、リザーバ外筒はこのようにバルブハウジング9に一体化されてもよいし、別体としてバルブハウジング9に取付けるようにしてもよく、このようにバルブハウジング9にリザーバ外筒を連結する概念には、バルブハウジング9に別体のリザーバ外筒を取付ける他、リザーバ外筒をバルブハウジング9に一体化することも包含する。
また、リザーバ内筒19についても同様であり、リザーバ内筒19を別体としてバルブハウジング9に連結するだけでなく、バルブハウジング9に一体化してもよく、バルブハウジング9にリザーバ内筒を連結する概念には、バルブハウジング9に別体のリザーバ外筒を取付ける他、リザーバ外筒19をバルブハウジング9に一体化することも包含する。
そして、バルブハウジング9の内周とリザーバ内筒19との間には、環状のフリーピストン22が摺動自在に嵌合されており、このフリーピストン22でリザーバR内を液体が充填される液室Lと気体が充填される気室Gとに区画している。
また、ロッド2の図1中下端となる一端2aは、上記リザーバ内筒19内に挿通されており、ロッド2のストローク範囲の全体をリザーバ外内筒19でカバーしている。
なお、ロッド2が進退するリザーバ内筒19内は、大気開放されており、ロッド2にリザーバ内筒19内の圧力で推力を与えずに済むようになっているが、ロッド2の保護の観点からリザーバ内筒19内を密閉状態にしてもよい。
また、バルブハウジング9の図1中下端外周には、螺子部9eが形成されており、この螺子部9eに図示しないブラケットを螺着して、緩衝器Dを車両の車軸あるいは車体へ連結することができるようになっており、ロッド2の図1中上端となる他端2bを、図示しない車両の車体あるいは車軸へ連結することが可能とされている。
戻って、図1および図2に示すように、バルブハウジング9の小径部9aの肉厚には弁孔9b,9cが側方から設けられている。一方の弁孔9bは、先端が小径とされて、中間に段部でなる環状の弁座6aを備え、その小径な先端がバルブハウジング9に設けた連通孔9fを介してシリンダ1とアウターチューブ12との間の環状隙間Pへ連通されるとともに、弁座6aより開口側がバルブハウジング9に設けた連通孔9gとボトム部材10の外周に設けた環状溝10cおよび通孔10bを介して他方の圧力室R2へ連通されている。なお、連通孔9gは、弁孔9bを貫いて小径部9aの図1中下端へ通じ、弁孔9bより図1中下方内周にはオリフィス23aを備えたプラグ23が螺着されており、弁孔9bはオリフィス23aを介してリザーバRの液室Lへ連通されている。
すなわち、この実施の形態の場合、一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とを連通する一方通路4は、一方の弁孔9b、連通孔9f,9g、環状溝10cおよび通孔10bによって形成されている。
また、他方の弁孔9cは、上記一方の弁孔9bと同様に先端が小径とされて、中間に段部でなる環状の弁座7aを備え、その小径な先端がバルブハウジング9に設けた連通孔9hおよびボトム部材10の外周に設けた環状溝10cおよび通孔10bを介して他方の圧力室R2へ連通されるとともに、弁座7aより開口側がバルブハウジング9に設けた連通孔9iを介してシリンダ1とアウターチューブ12との間の環状隙間Pへ連通されている。なお、連通孔9iは、弁孔9cを貫いて小径部9aの図1中下端へ通じ、弁孔9cより図1中下方内周にはオリフィス24aを備えたプラグ24が螺着されており、弁孔9cはオリフィス24aを介してリザーバRの液室Lへ連通されている。
すなわち、この実施の形態の場合、一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とを連通する他方通路5は、一方の弁孔9c、連通孔9f,9g、環状溝10cおよび通孔10bによって形成されている。
また、この緩衝器Dにあっては、リザーバRが上述のように各圧力室R1,R2にオリフィス23a,24aを介して連通され、温度変化による各圧力室R1,R2内の液体の体積変化について、リザーバR内の気体の体積変化で吸収して体積補償するようになっている。なお、リザーバRは、各圧力室R1,R2のいずれか一つへ連通されていれば、上記体積補償を行うことができるので、そのようにしてもよく、また、リザーバRの圧力室R1,R2への連通に際し、一方通路4および他方通路5の一部を利用せずに、これらに独立する通路を別途設けるようにしてもよい。
つづいて、一方通路4の途中となる上記した一方の弁孔9b内には、図2および図3に示すように、可変オリフィス6が設けられ、他方通路5の途中となる上記した他方の弁孔9c内にも可変オリフィス7が設けられている。
なお、可変オリフィス6,7はともに同じ構成とされており、可変オリフィス6(7)は、一方通路4(他方通路5)の一部を成す弁孔9b(9c)の途中に設けた環状の弁座6a(7a)と、弁孔9b(9c)内に収容されてこれに離着座する弁体6b(7b)と、弁体6b(7b)を附勢して弁座6a(7a)に着座に着座させるバネ6c(7c)と、弁孔9b(9c)の端部内周に螺着されバネ6c(7c)のバネ力を調節するバネ受6d(7d)とを備えて構成されており、連通孔9f(9h)を通じて弁体6b(7b)の先端に作用する圧力室R1(R2)の圧力によって弁体6b(7b)を弁座6a(7a)から後退させる方向の力がバネのバネ力を上回ると開弁して、弁体6b(7b)と弁座6a(7a)との間に環状隙間を形成して通過する液体の流れに抵抗を与えるようになっている。
また、この可変オリフィス6(7)は、圧力室R1(R2)の圧力によって開弁すると連通孔9f(9h)と連通孔9g(9i)とが連通されて各圧力室R1,R2が連通されるが、圧力室R2(R1)の圧力では作動せずに閉弁状態を維持するので、逆止弁としても機能し、一方通路4(他方通路5)を一方通行の通路としている。なお、この実施の形態の場合、上記構成によって可変オリフィス6(7)を逆止弁としても機能させることができる利点があるが、別途逆止弁のみを一方通路4(他方通路5)に設けるようにしてもよい。
なお、上述のように、この緩衝器Dにあっては、弁孔9b,9cを貫く連通孔9g,9iを利用して、リザーバRが各圧力室R1,R2に通じるようにしているので、弁孔9b,9c内に収容される弁体6b,7bの開閉を問わず、弁体6b,7bで連通孔9g,9iを遮断してしまうことが無いように、弁体6b,7bの先端外周のそれぞれに環状溝25,26を設けて、リザーバRと各圧力室R1,R2との連通が常時確保されている。
戻って、この実施の形態にあっては、弁体6b(7b)の外周に弁孔9b(9c)の内周に摺接する摩擦体となるシールリング6e(7e)が装着されており、このシールリング6e(7e)と弁孔9b(9c)との間に生じる摩擦力によって、弁体6b(7b)の圧力変化に対する開動作に遅れをもたせて、緩衝器Dの伸縮方向の切換わり直後の圧力室R1(R2)の圧力を速やかに上昇させることができるとともに、開弁圧付近で弁体6b(7b)の動きが振動的になることが防止される。この実施の形態では、摩擦体を弁体6b(7b)の外周に装着しているが、弁孔9b(9c)の内周に装着するようにしてもよい。
また、この場合、シールリング6e(7e)は、摩擦体としても機能する一方、弁体6b(7b)と弁孔9b(9c)の間をシールするシールとしても機能するので、別途、シール部材を設ける必要が無い。
さらに、この可変オリフィス6(7)にあっては、バネ受け6d(7d)を送り螺子の要領で弁体6b(7b)に対して遠近させることで、弁体6b(7b)を押付けるイニシャル荷重を変更することができ、開弁圧および圧力室R1(R2)の圧力に対する弁開度を調節することができるようになっている。このバネ受け6d(7d)は、バルブハウジング9の側方から開口する弁孔9b(9c)に螺着されているので、上記調節を行う際のバネ受け6d(7d)の操作を緩衝器Dの側方から行うことができ、緩衝器Dを車両の車体と車軸との間に取付けた状態で行うことができる利点がある。
またさらに、バネ6c(7c)は、線材同士が密着する最圧縮状態となると、それ以上の弁体6b(7b)の弁座6a(7b)からの後退を規制するようになっており、可変オリフィス6(7)の開弁度合が大きくなりすぎて、オリフィスとして機能を充分に果すことができなくなってしまうことが無いようになっている。加えて、バネ6c(7c)で弁体6b(7b)の弁座6a(7b)からの後退を規制することができるので、弁体6b(7b)の弁座6a(7b)からの後退を規制する手立てを別途に設ける必要が無く、製造コスト面で有利となる。
なお、この実施の形態の場合、バルブハウジング9の弁孔9b,9cの開口端周りにそれぞれソケット27,28が取付けられており、ソケット27,28でバネ受け6d,7dを保護しているが、これを省略してもよい。
つづいて、上述のように構成された緩衝器Dの動作について説明する。まず、ピストン3がシリンダ1に対して図1中上方向に移動して伸長作動する際、ピストン速度がある速度、すなわち低速であると、圧力室R1と圧力室R2の差圧が小さく、ピストン3に積層されてポート3bを閉塞しているリーフバルブ11bを開くことができず、圧縮される一方の圧力室R1内の液体は一方通路4を介して容積が拡大される他方の圧力室R2へ移動する。
そして、圧力室R1から圧力室R2へ移動する液体は、一方通路4の途中に設けた可変オリフィス6を通過するので、可変オリフィス6で生じる圧力損失に見合って圧力室R1内が増圧され、緩衝器Dは、ピストン2の図1中上方への移動を抑制する減衰力を発生する。なお、一方の圧力室R1から他方の圧力室R2への液体の移動がリザーバRを経由して行なわれると、一方の圧力室R1から流出する液体をリザーバRの気室Gの圧縮によって補償してしまって、すぐに他方の圧力室R2へ容積拡大分に見合った液体を供給できない場合があり、他方の圧力室R2でバキューム現象が発生し、異音が発生したりや液体中に気泡を生じてキャビテーションを誘起したりする虞があるが、この緩衝器Dでは、一方の圧力室R1から他方の圧力室R2への液体の移動は、リザーバRを介することなく行われるので、上記のような不都合が発生することが無い。
また、リザーバRを経由すると、リザーバR内の液体も緩衝器Dの伸縮動作に関与するので、動作に関与する液体量が多くなり、緩衝器Dの減衰力発生の応答性が低下する原因となるが、このような不都合の発生も阻止される。
つづいて、ピストン3がシリンダ1に対して図1中上方向に移動して伸長作動し、ピストン速度が低速領域を超えると、圧力室R1と圧力室R2の差圧が大きくなって、ピストン3に積層されてポート3bを閉塞しているリーフバルブ11bを開き、圧縮される圧力室R1内の液体はポート3bを介して圧力室R2へ移動するようになる。このようにピストン速度が速くなって、ポート3bが開放される場合、可変オリフィス6における流路抵抗よりポート3bにおける流路抵抗の方が小さく、液体は通過しがたい可変オリフィス6に優先してポート3bを通過することになり、ピストン速度が高速となる場合の減衰力はリーフバルブ11bによるものが支配的になる。
同様に、ピストン3がシリンダ1に対して図1中下方向に移動して圧縮作動する際には、ピストン速度が低速であると、ポート3aが開放されず、緩衝器Dは、可変オリフィス7によって減衰力を発生し、ピストン速度が高速となると、ポート3aが開放されて、リーフバルブ11bによって減衰力を発生するようになる。
すなわち、この緩衝器Dにあっては、一方の圧力室R1と他方の圧力室R2とを連通する一方通路4と、他方の圧力室R2と一方の圧力室R1とを連通する他方通路5と、一方通路4および他方通路5の途中のそれぞれに可変オリフィス6,7を設けており、ピストン速度が低速領域にあるときのみ可変オリフィス6,7が機能するので、ピストン速度が低速領域にあるときの減衰特性のみを伸縮の両側で独立して調節可能となるのである。なお、本実施の形態においては、緩衝器Dの減衰特性を説明するため、便宜上、ピストン速度に、可変オリフィス6,7のみが機能する領域である低速と、リーフバルブ11a,11bが開弁してリーフバルブ11a,11bで減衰力を発生する領域である高速とでなる区分を設けているが、これらの区分の境の速度はそれぞれ任意に設定することができる。
また、この実施の形態の場合、弁体6b(7b)の外周に弁孔9b(9c)の内周に摺接する摩擦体となるシールリング6e(7e)が装着されており、弁体6b(7b)の圧力変化に対する開動作に遅れをもたせてあるので、緩衝器Dの伸縮方向の切換わり直後の圧力室R1(R2)の圧力を速やかに上昇させることができる。
また、この緩衝器Dによれば、リザーバRが環状とされてロッド2がリザーバR内に進入することが無く、ロッド2にリザーバR内の圧力が作用しないので、リザーバR内の圧力の設定に制限を受けることがなく、リザーバR内の圧力を自由に設定することができ、緩衝器Dの発生減衰力や応答性の設定の自由度が飛躍的に高まり、リザーバR内の圧力を車両における乗り心地にとって最適となるように設定することができ、車両における乗り心地を飛躍的に向上させることができる。
さらに、リザーバR内の圧力を圧力室R1,R2を介してロッド2の外周をシールするシール部材14,16へ作用させることができ、リザーバR内の圧力の設定によってロッド2とシール部材14,16との間の摩擦力をチューニングすることができ、特に、ロッド2とシール部材14,16との間の摩擦力を大きくするようにしておくことによって、緩衝器Dの発生する減衰力に摩擦力を重畳させて、ピストン3がシリンダ1に対して移動する際のピストン速度が低い場合における減衰力を高めて、車体のローリング、ピッチング、スクワット等の挙動をしっかりと抑制することができるようになる。
また、さらに、リザーバRが、筒状とされてロッド2の挿通を許容するバルブハウジング9に連結されてロッド2の一端2aが挿通されるリザーバ内筒19とリザーバ外筒との間の隙間で形成されるので、圧力室R1,R2と可変オリフィス6,7とリザーバRとが順に軸方向に配置される格好となって、一方通路4と他方通路5が緩衝器Dの軸方向に延びる配置となるため、緩衝器Dの外径が無用に大型化せず、緩衝器Dの車両への搭載性を悪化させることが無い。
さらに、この実施の形態の場合、ロッド2の一端2aがリザーバ外筒となるバルブハウジング9によってカバーされるので、ロッド2の外周の滑らかな摺動面を飛石や泥等から保護することができる。
加えて、この実施の形態の場合、シリンダ1の外方にアウターチューブ12を設けているので、アウターチューブ12を強度部材とすることでシリンダ1に横力や軸力が直接的に作用することを回避できるとともに、シリンダ1とアウターチューブ12との間で一方通路4を形成することができる。
なお、上述したところでは、緩衝器Dを、シリンダ1を車軸側に設置するいわゆる正立型としているが、ヘッド部材とボトム部材の取付を天地逆とすれば、ロッド2の他端2bを車軸側に取付ける、いわゆる倒立型とすることも可能である。なお、倒立型にする場合には、リザーバR内には、気液分離用のフリーピストンを設けずともよい。
さらに、可変オリフィス6,7は、上記した構成を採用することで、上述したように、チョーク通路長の調整を簡単なものとすることができ、調整を微細に行うことができる利点があるが、上記した構成に限らず、他の構成の可変オリフィスを採用してもよい。
また、アウターチューブ12、バルブハウジング9、ヘッド部材8、ボトム部材10、リザーバ内筒19の連結は、上記実施の形態では、螺子締結によっているが、これに限定されるものではない。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の緩衝器は、車両の制振用途に利用することができる。
1 シリンダ
2 ロッド
2a ロッドの一端
2b ロッドの他端
3 ピストン
3a,3b ポート
4 一方通路
5 他方通路
6,7 可変オリフィス
6a,7a 弁座
6b,7b 弁体
6c,7c バネ
6d,7d バネ受け
6e(7e) シールリング
25,26 摩擦体たるシールリング
8 ヘッド部材
8a ヘッド部材におけるベアリング
8b ヘッド部材における通孔
8c ヘッド部材における嵌合部
8d ヘッド部材における切欠
9 バルブハウジング
9a バルブハウジングにおける小径部
9b,9c バルブハウジングにおける弁孔
9f,9g,9h,9i 連通孔
9e バルブハウジングにおける螺子部
10 ボトム部材
10a ボトム部材におけるベアリング
10b ボトム部材における通孔
10c ボトム部材における環状溝
11a,11b リーフバルブ
12 アウターチューブ
13,15,20,21 シールリング
14,16 シール部材
19 リザーバ内筒
19a リザーバ内筒におけるフランジ
22 フリーピストン
23,24 プラグ
23a.24a オリフィス
25,26 環状溝
ソケット27,28
32 ナット
D 緩衝器
G 気室
L 液室
P 環状隙間
R リザーバ
R1 一方の圧力室
R2 他方の圧力室

Claims (6)

  1. シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、ロッドの中間部に設けられるとともにシリンダ内に摺動自在に挿入されて二つの圧力室を隔成するピストンと、ピストンに形成されて二つの圧力室を連通する一対のポートと、各ポートをそれぞれ開閉する一対のリーフバルブとを備えた両ロッド型緩衝器において、シリンダの一端にバルブハウジングを設け、バルブハウジングに一方の圧力室と他方の圧力室を連通するとともに一方の圧力室から他方の圧力室へ向かう流れのみを許容する一方通路と、他方の圧力室と一方の圧力室を連通するとともに他方の圧力室から一方の圧力室へ向かう流れのみを許容する他方通路と、一方通路の途中に設けた可変オリフィスと、他方通路の途中に設けた可変オリフィスとを設け、可変オリフィスを一方通路および他方通路の途中に設けた環状の弁座と、弁座に離着座させる弁体と、弁体を附勢して弁座に着座させるバネと、バネのバネ力を調節するバネ受とで構成すると共にバネ受けを弁体に対して遠近させることで開度を調節させ、ピストン速度がある速度領域以下のときリーフバルブを開かせずに可変オリフィスで減衰力を発生させ、ピストン速度が上記の速度領域を超えたときリーフバルブを開いてリーフバルブによる減衰力を発生させることを特徴とする緩衝器。
  2. バネがコイルバネであって、コイルバネの最圧縮で弁体の後退を規制することを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. バルブハウジングは側方から開口して可変オリフィスの弁体を収容するとともにバネ受けが螺着される弁孔を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の緩衝器。
  4. 弁体の外周あるいは弁孔の内周に、弁孔に対する弁体の移動に摩擦を生じさせる摩擦体を装着したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の緩衝器。
  5. バルブハウジングが筒状とされてロッドの挿通を許容するとともに、バルブハウジングに連結されるリザーバ外筒と同じくバルブハウジングに連結されてロッドの一端が挿通されるリザーバ内筒との間に形成される環状隙間で上記各圧力室の一つあるいは双方にオリフィスを介して連通されるリザーバを形成したことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の緩衝器。
  6. シリンダを覆うアウターチューブを設け、シリンダとアウターチューブとの間の隙間を一方の圧力室、一方通路および他方通路へ連通してなる請求項1、2、3、4又は5に記載の緩衝器。
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