JP5268079B2 - 蓄熱装置及び蓄熱装置を備えた給湯器 - Google Patents
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Description
本発明は、蓄熱装置及び蓄熱装置を備えた給湯器に関する。より詳しくは、高い断熱性能を有し、低コスト・省エネルギーを実現すると共に、限られたスペースにも設置可能な小型の蓄熱装置及び蓄熱装置を備えた給湯器に関する。
従来、給湯器等に用いられる蓄熱装置としては、貯湯槽の下方から水を供給し、貯湯槽の内側面に固定されたヒーターによってその水を加熱した後、貯湯槽の上方から温水を排出する仕組みのものが知られている(特許文献1及び2)。
上記のように貯湯槽の内部にヒーターが収納されている構造においては、ヒーターが故障した場合に、修理又は取り換え等の処置を行うことが困難である。よって、このような構造の蓄熱装置は、コストや環境への配慮といった点から課題を有するものである。
また、上記のような仕組みの蓄熱装置においては、貯湯槽の内壁に複数の開口部を設ける必要があるが、高い気密性及び断熱性が求められる蓄熱装置においては、貯湯槽の内側と外側とを繋ぐ連絡部を増やすことはそれだけリスクを伴うと言える。特に貯湯槽の底面に設けられた給水口近傍の気密性が低下すると、蓄熱装置の断熱性低下にとどまらず、水漏れ等の甚大な問題を生じる恐れがある。
一方で、貯湯槽の壁面における外部との連絡部を可能な限り取り除き、更に断熱性を高めるために、貯湯槽の周囲に真空断熱層を2層重ねた蓄熱装置が開示されている(特許文献3)。
このような構造においては、多数の連絡部に起因する気密性及び断熱性の低下の懸念はある程度軽減されるが、依然として貯湯槽の底面からの水漏れの可能性が残っている。更に、真空引きされた断熱層においては、断熱層を形成する槽やパッキン部の経年劣化に伴い、いかにしてもその断熱性が低下することを免れないが、その回復修復が困難である点に保守上の問題点がある。
また、当然に理解されることであるが、通常の蓄熱装置においては、貯湯槽内の水温は、貯湯槽の上方へ行くほど高く、下方へ行くほど低い状態となる。このように貯湯槽内に温度分布が生じる以上、所定温度の湯を所定量確保するには、かなり大型の貯湯槽が必要となり、コストや設置スペースの面からも好ましくない。また、このような温度分布の生じる通常の蓄熱装置においては、貯湯槽内で熱移動が起こることから、所定温度まで水を加熱しその温度を維持するのに、余分なエネルギーを要することは言うまでもない。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、断熱効果が高く、コンパクトで、コストのみならず保守や環境負荷の面においても優れた蓄熱装置及び蓄熱装置を備えた給湯器を提供することにある。
上記課題を達成するため、本発明によれば、以下の蓄熱装置及び蓄熱装置を備えた給湯器が提供される。
[1] 外周全体を断熱部に包囲された貯湯槽を備えた蓄熱装置であって、前記断熱部は、少なくとも二層の真空断熱空間からなり、前記真空断熱空間には、断熱部材が封入されており、前記貯湯槽内に水を供給する給水手段と、前記貯湯槽内に供給された前記水を加熱し所定温度の温水とする加熱手段と、前記貯湯槽内から前記温水を排出する排水手段と、を備え、前記貯湯槽の上面に、前記貯湯槽の内部と外部とを繋ぐ唯一の開口部として、フロート弁を有する上面開口部が形成され、前記給水手段、前記加熱手段、及び前記排水手段は、前記上面開口部を介して前記貯湯槽へと出入りする蓄熱装置。
[2] 第1の槽である前記貯湯槽の外側に第2の槽を設けることで、前記第1の槽と前記第2の槽の間に第1の真空断熱空間を形成し、前記第2の槽の更に外側に第3の槽を設けることで、前記第2の槽と前記第3の槽の間に第2の真空断熱空間を形成し、前記第1の真空断熱空間及び前記第2の真空断熱空間に、前記第1の槽及び前記第2の槽をそれぞれ覆うように前記断熱部材を封入した前記[1]に記載の蓄熱装置。
[3] 前記断熱部材は、二枚合わせの反射材の内側に断熱材を挟み込み密封することで得られる断熱パネルである前記[1]又は[2]に記載の蓄熱装置。
[4] 前記第1の槽、前記第2の槽、及び前記第3の槽は、鏡面仕上げの施された金属からなる前記[2]又は[3]に記載の蓄熱装置。
[5] 前記上面開口部の上方に、内側に筒状の空間を有するスライド支持台と、前記スライド支持台の内側を、Oリングを介して上下方向に動作可能なスライド部材と、を備え、前記給水手段、前記加熱手段、及び前記排水手段のそれぞれは、少なくともその一部が前記スライド部材の内部に収納されており、前記スライド部材の上下方向の動作と、前記上面開口部の前記フロート弁の開閉とが同期することによって、前記給水手段、前記加熱手段、及び前記排水手段の前記貯湯槽への出入りが可能な前記[1]〜[4]のいずれかに記載の蓄熱装置。
[6] 前記給水手段は、その下方先端近傍に水供給口を備えた管状の部材であり、前記貯湯槽内の底面近くに前記水を供給可能な前記[1]〜[5]のいずれかに記載の蓄熱装置。
[7] 前記加熱手段は、前記貯湯槽内において、その全体又は一部の動作を制御可能な可動式の加熱手段である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の蓄熱装置。
[8] 前記貯湯槽内の前記温水を攪拌可能な攪拌手段を備えた前記[1]〜[7]のいずれかに記載の蓄熱装置。
[9] 前記攪拌手段は、前記貯湯槽内において、その全体又は一部の動作を制御可能な可動式撹拌手段である前記[8]に記載の蓄熱装置。
[10] 前記貯湯槽内の前記温水の温度を測定する温度測定手段と、前記貯湯槽内の所定の高さ位置における前記温水の存在を検知する水検知手段と、前記貯湯槽内に空気を送り込むエアー投入手段のうちの少なくとも一つを、少なくともその一部が前記スライド部材の内部に収納された状態で備えた、前記[5]〜[9]のいずれかに記載の蓄熱装置。
[11] 前記貯湯槽が、縦方向に長い略直方体形状である前記[1]〜[10]のいずれかに記載の蓄熱装置。
[12] 前記[1]〜[11]のいずれかに記載の蓄熱装置を備えた給湯器。
[13] 浴槽内の残り湯を濾過し前記蓄熱装置へと導くことによって前記残り湯の循環利用を可能とする濾過装置を備える、前記[12]に記載の給湯器。
[14] 前記濾過装置はセラミック膜フィルターを備える、前記[13]に記載の給湯器。
本発明の蓄熱装置及び蓄熱装置を備えた給湯器によれば、長時間に渡って貯湯槽内の水温を維持することができるため、例えば割安な深夜電力を利用して、深夜以外の時間帯に使用する温水をまかなう等、低コスト及び省資源的な運用が可能である。このことによって、ランニングコストの低減はもちろんのこと、CO2発生等の環境負荷の低減を実現することができる。
また、本発明の蓄熱装置及び蓄熱装置を備えた給湯器は、従来のものと比較して相当な小型化を実現しており、一般家庭の台所や浴室等における狭小な水周りスペースにも容易に設置可能であると共に、導入時の初期費用も低く抑えられることから、その利用可能性は大なるものと考えられる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
図1は本発明の蓄熱装置の一実施形態の一部を、側面方向から見た模式的断面図である。図1に示すとおり、本発明の蓄熱装置1においては、貯湯槽として、第1の槽11が設けられ、その外側に第2の槽12が、更にその外側に第3の槽13が設けられている。また、第1の槽11と第2の槽12の間には第1の真空断熱空間21が、第2の槽12と第3の槽13の間には第2の真空断熱空間22が形成されており、第1の真空断熱空間21及び第2の真空断熱空間22には、それぞれ断熱部材20が封入されている。図面の便宜上、図1においては、第2の真空断熱空間22内の断熱部材20は省略されている。本発明の蓄熱装置1は、二層の真空断熱空間21,22を重ねることによって、従来の蓄熱装置よりも断熱性能を向上させると共に、万一、貯湯槽11が損傷した場合でも、外部への水洩れが防止される構造となっている。
第1〜第3の各槽11,12,13を形成する素材は、輻射熱を低減させることによって蓄熱装置1の断熱性能向上に寄与するものである限り特に限定されるものではないが、断熱効果及び耐久性の観点から、鏡面仕上げを施した金属素材であることが好ましく、特にステンレス素材を用いることが好ましい。また、図1では、2層の真空断熱空間21,22を形成するべく第1〜第3までの三つの槽11,12,13を重ねているが、蓄熱装置1の断熱性能をより高めるには、真空断熱空間を更に増やすため更に槽を重ねることも可能である。
第1の真空断熱空間21及び第2の真空断熱空間22に封入される断熱部材20は、槽と槽の間の狭い隙間に封入することが可能である限り特に限定されるものではなく、ウレタンフォーム、グラスウール、シリカ繊維といった素材からなる不織布である断熱材20aを好適に利用することができる。また、これらの断熱材20aと共に、例えばアルミニウムシートからなる反射材20bを併用すると、より高い断熱効果を得ることができる。例えば、断熱部材20として、二枚合わせの反射材20bの内側に上記の断熱材20aを挟み込み密封することで得られる断熱パネルや、密封時に真空引きを行うことで得られる真空断熱パネルを用いると、同じ厚みの単体の断熱材20aを用いた場合よりも高い断熱効果を発揮すると同時に、狭い隙間であっても、各槽を覆うように断熱部材20を封入することが容易となるため好ましい。
真空断熱空間に断熱部材を封入しない従来の蓄熱装置においては、真空引きされた断熱空間は、槽やパッキン部の経年劣化に伴う気密性及び断熱性の低下を免れず、またそれに対する補修も困難である。本発明の蓄熱装置1のように、真空断熱空間21,22に断熱部材20を封入した構造とすると、万一、真空断熱空間21,22の気密性が破られても、断熱部材20によって、真空断熱空間21,22における対流現象や輻射現象を好適に防止することができる。
第1〜第3の槽11,12,13は、互いに独立した部材であるが、図1に示す通り、それらの上面は、複数の板状部材15及び通しボルト16によって互いに連結されている。これら複数の板状部材15は、各真空断熱空間21,22を密閉する役割をも果たしている。板状部材15としては、例えばステンレス板や樹脂板等を組み合わせて用いることができる。また、各々の板状部材15と板状部材15の間には必要に応じて、薄型の断熱材やパッキンを挟むことが好ましい。各真空断熱空間21,22は、断熱部材20が封入された後、上記の通り密閉され、更にその後、一部の板状部材15に設けられた空気抜き用パイプ(図示せず)を通じて真空引きされ、これらの空気抜き用パイプをかしめることによって最終的に真空密閉される。
また、第1〜第3の槽11,12,13の上面中央部には、上面開口部14が形成されている。本発明の蓄熱装置1において、上面開口部14は、貯湯槽11の内部と外部とを繋ぐ唯一の連絡口であり、片持ち支持のフロート弁19によって、貯湯槽11の気密性を維持できる構造となっている。本発明の蓄熱装置1は、このような構造とすることによって、貯湯槽11の内部から外部への放熱を防止し、貯湯槽の内壁に複数の開口部の設けられた従来の蓄熱装置よりも優れた断熱性能を有することができる。
本発明の蓄熱装置1では、図1に示す通り、上面開口部14の上方に、内側に筒状の空間を有するスライド支持台9と、スライド支持台9の内側を、Oリング10を介して上下方向に動作可能なスライド部材8が備えられている。なお、スライド部材8が下降すると、フロート弁19が貯湯槽11内へ向かって、即ち下方向へ向かって開放し、スライド部材8が上昇すると、フロート弁19が元の位置に戻り、上面開口部14が閉じる仕組みとなっている。
本発明の蓄熱装置1は、少なくとも、貯湯槽11内に水を供給する給水手段30と、貯湯槽11内に供給された水を加熱し所定温度の温水2とする加熱手段32と、貯湯槽11内から温水2を排出する排水手段31とを備える。給水手段30、加熱手段32、及び排水手段31のそれぞれは、少なくともその一部がスライド部材8の内部に収納されていることが好ましい。即ち、スライド部材8の上下方向の動作と、上面開口部14の前記フロート弁10の開閉とが同期することによって、給水手段30、加熱手段32、及び排水手段31の貯湯槽11への出入りが可能となっている。このような構造とすることによって、各手段30,31,32を、必要時以外は完全に貯湯槽11の外へ出しておくことが可能である。このような構造は、蓄熱装置1の断熱性能の向上に寄与するものである。
給水手段30は、その下方先端近傍に水供給口を備えた管状の部材であることが好ましい。このような構造とすることによって、給水手段30は、貯湯槽11内の底面近くに水を供給することが可能となる。貯湯槽11より温水2を排出する手段として、水供給時の水圧でもって温水を押し出し排出するという方法があるが、その際、上記のような構造であれば、温水2と水とが混ざり合うことで温水の温度低下を招くことが好適に防止される。なお、供給された水を効率良く加熱するため、加熱手段32のヒーター部分は、水供給口の近傍に位置するよう構成されることが好ましい。なお、その他の排水方法としては、例えば貯湯槽11内に水の代わりに空気を送り込むことで、空気圧によって温水2を排出する方法等が挙げられる。
加熱手段32としては公知のパイプヒーターを用いることができる。また加熱手段32は、貯湯槽11内において、その全体又は一部の動作を制御可能な可動式加熱手段であることが好ましい。加熱手段32は、使用時には貯湯槽11の上面開口部14を通って貯湯槽11内へとスライドしてくるため、その上下方向の動きのみによっても、貯湯槽11内の温水2を攪拌する効果を有するものであるが、更に貯湯槽11内における横方向や斜め方向への動作を制御することによって、貯湯槽11内の温水2を加熱すると同時に攪拌することが可能となる。このような攪拌作用は、貯湯槽11内の水温を一定に保つのに効果的である。貯湯槽11内の水温を一定に維持することで、貯湯槽11内での無駄な対流や熱移動を防止することができるため、結果として蓄熱装置1の断熱性能を高めることに繋がる。また、貯湯槽11内がすべて所定の温度の温水で満たされることから、貯湯槽11のサイズが小さくとも必要量の温水を確保することができ、蓄熱装置1全体の小型化に寄与する。
また、本発明の蓄熱装置1は、貯湯槽11内の温水2を攪拌可能な攪拌手段33を別途備えてもよい。攪拌手段33は、貯湯槽11内の温水2の攪拌に適した形状であれば、傘状、プロペラ状、格子状等の所望の形状とすることができる。その素材としては、水温への影響が少なく加工が容易であることから、例えばシリコンを用いることが好ましいが、特に限定されるものではない。加熱手段32及び攪拌手段33は、例えば図1に示すように、加熱手段32の上方に攪拌手段33が取り付けられることによって、一体的な加熱攪拌手段を形成していてもよい。
攪拌手段33は、更なる攪拌効果を得るために、加熱手段32と同様、貯湯槽11内において、その全体又は一部の動作を制御可能な可動式撹拌手段とすることが好ましい。ここで、加熱手段32及び/又は攪拌手段33を可動式にすることには、貯湯槽11内を均一な水温に保つための攪拌効果を高めるだけでなく、上面開口部14の開口面積を小さくした場合にも対応できるというメリットがある。蓄熱装置1の断熱性能を高めるには、上面開口部14、即ち、貯湯槽11の内側と外側とを繋ぐ連絡部の面積が小さい方がよいことは言うまでもない。よって、加熱手段32及び/又は攪拌手段33を、例えば棒状や平板状等コンパクトに畳まれた状態で狭小な上面開口部14を通過させた後、貯湯槽11内にて立体的に広げ、貯湯槽11外へと引き上げる際には再び閉じた状態に戻すことが可能なよう設計すれば、更なる高断熱性能を有する蓄熱装置1を得ることができる。また、同様の効果を得る方法として、加熱手段32及び/又は攪拌手段33そのものが、上下方向を軸として貯湯槽11内を回転するよう設計することも可能である。このような場合において上面開口部14の形状は、小円状、小楕円状、スリット状等の所望の形状とすることができる。
図2は、本発明の蓄熱装置のスライド部材の一実施形態を、上面方向から見た模式的断面図である。図2に示すように、本発明の蓄熱装置1は、上記の給水手段30、加熱手段32、及び排水手段31以外にも、必要に応じて、管類やセンサー類といった各種手段を備えることが好ましい。具体的には、貯湯槽11内の温水2の温度を測定する温度測定手段34と、貯湯槽11内の所定の高さ位置における温水2の存在を検知する水検知手段35と、貯湯槽11内に空気を送り込むエアー投入手段36のうちの少なくとも一つを備えることが好ましい。温度測定手段34及び水検知手段35より得られる情報は、貯湯槽11内に、所定の温度の温水2を所定の量維持するためにフィードバック利用される。また、エアー投入手段36は、貯湯槽11内より温水2を排出する際に用いられる。具体的には、エアー投入手段36によって貯湯槽11内に空気を送り込むと、その空気圧によって貯湯槽11内より温水2を排出することが可能となる。
また、ここで温度測定手段34、水検知手段35、エアー投入手段36は、図2に示す通り、給水手段30、加熱手段32、及び排水手段31と同様、少なくともその一部がスライド部材8の内部に収納された状態で設けられていることが好ましい。
図3は、本発明の蓄熱装置を備えた給湯器の一実施形態を、側面方向から見た模式的断面図である。図1及び図3に示す通り、本発明の蓄熱装置1は、縦方向に長い略直方体形状であることが好ましい。従来の蓄熱装置は、円筒形状の大型の貯湯槽の上下に配管が連結されたものが多く、設置空間を広く取る必要があると共に、設置に際しては大掛かりな工事が必要であった。本発明の蓄熱装置1のように、スリムな略直方体形状を有する上方開放型の蓄熱装置1であれば、一般家庭の台所や浴室等の狭小な水周りスペースにおいても、複雑な工事等を要することなく設置が可能である。
図3に示す通り、本発明の給湯器51は、蓄熱装置1と共に、浴槽内の残り湯42を濾過し蓄熱装置1へと導くことによって残り湯42の循環利用を可能とする濾過装置41を備えていることが好ましい。濾過装置41は、入浴後の残り湯42を再利用可能なレベルまで濾過することが可能であれば特に限定されるものではなく、従来公知のものを利用することができる。具体的には、例えば特許第3822543号に開示されているような、セラミック膜フィルターを備えた濾過装置41を用いることが好ましい。セラミック膜フィルターは、ゴミや細菌、皮脂、ウイルスまで精密濾過することが可能であるため、残り湯42の濾過手段として好適である。
また、本発明の給湯器51は、図3に示す通り、貯湯槽11より排出された温水2に水道水を混合するための混合栓37を備えていることが好ましい。貯湯槽11内において任意の温度に維持された温水2は、使用時には適温に調整される必要がある。その調整方法としては、貯湯槽11内に直接水道水を投入して温水2の温度を貯湯槽11内にて調整する方法や、貯湯槽11より排出された温水2に後から水道水を混合し、適温とする方法等が挙げられる。温水2に後から水道水を混合する方法としては、貯湯槽11より排出された温水2を、蛇口にて水道水と混合し所望の温度に調整する方法のほか、貯湯槽11より排出された温水2を、蓄熱装置1に連結して取り付けられた混合栓37から供給される水道水と予め混合した後に蛇口へと供給する方法が挙げられる。図3に示されるような、混合栓37を有する給湯器51は、蛇口のタイプを問わず、また蛇口にて温度調整を行う手間を省くため好ましい。
更に、本発明の給湯器51においては、図3に示す通り、蓄熱装置1の第3の槽13の外側が断熱材38で覆われていることが好ましい。断熱材38の素材は特に限定されないが、安価な発泡スチロール等が好適に用いられる。このような構造とすることによって、蓄熱装置1が外気温から影響を受けることを好適に防止することができる。
本発明の蓄熱装置及び蓄熱装置を備えた給湯器は、従来のものと比べて、初期投資及びランニングコストの抑えられた低環境負荷且つ省スペースの給湯システムとして、家庭用及び業務用を問わず好適に利用することが出来る。
1:蓄熱装置、2:温水、3:水供給口、8:スライド部材、9:スライド支持台、10:Oリング、11:第1の槽(貯湯槽)、12:第2の槽、13:第3の槽、14:上面開口部、15:板状部材、16、通しボルト、19:フロート弁、20:断熱部材、20a:断熱材、20b:反射材、21:第1の真空断熱空間、22:第2の真空断熱空間、30:給水手段、31:排水手段、32:加熱手段、33:攪拌手段、34:温度測定手段、35:水検知手段、36:エアー投入手段、37:混合栓、38:断熱材、41:濾過装置、42:残り湯、51:給湯器。
Claims (14)
- 外周全体を断熱部に包囲された貯湯槽を備えた蓄熱装置であって、前記断熱部は、少なくとも二層の真空断熱空間からなり、前記真空断熱空間には、断熱部材が封入されており、前記貯湯槽内に水を供給する給水手段と、前記貯湯槽内に供給された前記水を加熱し所定温度の温水とする加熱手段と、前記貯湯槽内から前記温水を排出する排水手段と、を備え、前記貯湯槽の上面に、前記貯湯槽の内部と外部とを繋ぐ唯一の開口部として、フロート弁を有する上面開口部が形成され、前記給水手段、前記加熱手段、及び前記排水手段は、前記上面開口部を介して前記貯湯槽へと出入りする蓄熱装置。
- 第1の槽である前記貯湯槽の外側に第2の槽を設けることで、前記第1の槽と前記第2の槽の間に第1の真空断熱空間を形成し、前記第2の槽の更に外側に第3の槽を設けることで、前記第2の槽と前記第3の槽の間に第2の真空断熱空間を形成し、前記第1の真空断熱空間及び前記第2の真空断熱空間に、前記第1の槽及び前記第2の槽をそれぞれ覆うように前記断熱部材を封入した請求項1に記載の蓄熱装置。
- 前記断熱部材は、二枚合わせの反射材の内側に断熱材を挟み込み密封することで得られる断熱パネルである請求項1又は2に記載の蓄熱装置。
- 前記第1の槽、前記第2の槽、及び前記第3の槽は、鏡面仕上げの施された金属からなる請求項2又は3に記載の蓄熱装置。
- 前記上面開口部の上方に、内側に筒状の空間を有するスライド支持台と、前記スライド支持台の内側を、Oリングを介して上下方向に動作可能なスライド部材と、を備え、前記給水手段、前記加熱手段、及び前記排水手段のそれぞれは、少なくともその一部が前記スライド部材の内部に収納されており、前記スライド部材の上下方向の動作と、前記上面開口部の前記フロート弁の開閉とが同期することによって、前記給水手段、前記加熱手段、及び前記排水手段の前記貯湯槽への出入りが可能な請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄熱装置。
- 前記給水手段は、その下方先端近傍に水供給口を備えた管状の部材であり、前記貯湯槽内の底面近くに前記水を供給可能な請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓄熱装置。
- 前記加熱手段は、前記貯湯槽内において、その全体又は一部の動作を制御可能な可動式の加熱手段である請求項1〜6のいずれか一項に記載の蓄熱装置。
- 前記貯湯槽内の前記温水を攪拌可能な攪拌手段を備えた請求項1〜7のいずれか一項に記載の蓄熱装置。
- 前記攪拌手段は、前記貯湯槽内において、その全体又は一部の動作を制御可能な可動式撹拌手段である請求項8に記載の蓄熱装置。
- 前記貯湯槽内の前記温水の温度を測定する温度測定手段と、前記貯湯槽内の所定の高さ位置における前記温水の存在を検知する水検知手段と、前記貯湯槽内に空気を送り込むエアー投入手段のうちの少なくとも一つを、少なくともその一部が前記スライド部材の内部に収納された状態で備えた、請求項5〜9のいずれか一項に記載の蓄熱装置。
- 前記貯湯槽が、縦方向に長い略直方体形状である請求項1〜10のいずれか一項に記載の蓄熱装置。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の蓄熱装置を備えた給湯器。
- 浴槽内の残り湯を濾過し前記蓄熱装置へと導くことによって前記残り湯の循環利用を可能とする濾過装置を備える、請求項12に記載の給湯器。
- 前記濾過装置はセラミック膜フィルターを備える、請求項13に記載の給湯器。
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