JP5267263B2 - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クランクシャフトに対して同期回転する駆動側回転部材と、この駆動側回転部材に対して同軸状に配置され、カムシャフトとともに回転する従動側回転部材との相対回転位相を可変制御可能に構成され、駆動側回転部材と従動側回転部材との相対回転位相を、ロック位相において拘束する回転位相拘束機構と、相対回転位相が、ロック位相に近づく相対回転を許容し、離間する相対回転を規制する回転位相規制機構とを備え、前記回転位相規制機構が、駆動側回転部材と従動側回転部材との一方の回転部材から他方の回転部材に設けられた溝内へ突入して相対回転を規制する規制体を備えた弁開閉時期制御装置に関する。
この種の弁開閉時期制御装置は、エンジンの通常運転時には、クランクシャフトと同期回転される駆動側回転部材(外部ロータ)と、カムシャフトに繋がる従動側回転部材(内部ロータ)との相対回転位相を変更して、エンジンの適切な運転状態を確保する。
弁開閉時期制御装置に備えられる回転位相拘束機構(以降、適宜、ロック機構とも呼ぶ)は、駆動側回転部材と従動側回転部材との相対回転を拘束、許容するために設けられているものであり、相対回転位相変更時にはロック解除状態に維持され、例えば、エンジン始動時といった所定の相対回転位相を確保したい時点で、ロックがかかるロック状態とされる。
即ち、エンジン始動時等にはロック機構はロック姿勢を、通常運転状態ではロック解除姿勢を取る。このようにして、始動時には適正な始動状態が確保される。
ロック機構には所謂ロック体が備えられており、このロック体が一方の回転部材側から他方の回転部材側へ突入して、ロック体が両者間にわたって介在することで相対回転が拘束されるロック姿勢とされる。一方、ロック体が一方の回転部材側へ引退することで、両者間の相対回転が許容されるロック解除姿勢となる。
上述のロック機構とほぼ同様な構成を有しながら、この機構に備えられる規制体(ロック機構におけるロック体に相当する)の突入側の回転部材に形成される周方向に伸びる溝幅等との関係で、駆動側回転部材と従動側回転部材との相対回転位相が、前記ロック位相に近づく相対回転を許容しながら、離間する相対回転を規制するものがある。
これは回転位相規制機構と呼ばれており、最遅角位相から、最遅角位相と最進角位相との間の中間位相域に前記ロック位相が設定されている場合、例えば、最遅角位相とロック位相との間に設定される規制位相において、遅角側への相対回転を規制し、進角側への相対回転を許容する。この機構による規制がかかると、当該規制位相以上に、相対回転が遅角側へ変わることはない。
この種の回転位相規制機構を設ける目的は、例えば、エンジンの始動時に、相対回転位相を最遅角位相からロック位相に変化させてロックをかける始動ロック動作を迅速に行なうためである(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1記載の発明は、本件特許出願人によるものであるが、最遅角位相から中間進角であるロック位相に回転位相を設定するに、複数の回転位相規制機構を備えて、相互に異なる相対回転位相において所定第一方向の相対回転規制を付与可能に構成されるとともに、少なくとも一の前記回転位相規制機構を成す溝に、規制体が係合して前記所定第一方向の相対回転を規制する段部を備え、当該段付回転位相規制機構が、複数の相対回転位相で前記所定第一方向の相対回転規制を付与可能に構成され、実施の形態では1/4位相毎の進角棚上げ技術を開示している。
特開2004−257313号公報
上記文献においては、カム軸に作用する変動トルクにより、始動前位相(例えば最遅角)から、中間位相であるロック位相まで相対回転させる際に、途中に遅角方向への相対回転を規制する段部を設置することで、相対回転の初期値を所定量棚上げさせ、ロック位相までの到達時間の短縮化を図っている。
しかしながら、低温時などの場合には、相対回転位相の調節に使用される流体圧室内の残留油を排出する際の抵抗が増し、カムシャフトの変動トルクによる相対回転幅が減少して段部を降りにくくなり、ロック位相までの到達時間が長くなる。
ロック位相までの到達時間を短くするには、段部の幅を小さくするとともに段数を増やし、小刻みに降りることができるようにする方法が考えられる。しかし、段部を多くするには溝深さを深くする必要があり、深い溝に突入するためロック体が長大化し、長大化したロック体を収容するために外部ロータの大径化につながる虞がある。また、長大化したロック体は遠心力の影響を受けやすく、誤作動を誘起する虞がある。
本発明の目的は、装置の大径化を抑制しつつ、ロック位相までの到達時間を短くし、始動ロックを迅速且つ確実な弁開閉時期制御装置を提供することである。
上記課題を解決するために講じた第1の技術的手段は、クランクシャフトに対して同期回転する駆動側回転部材と、前記駆動側回転部材に対して相対回転可能に組みつけられ、カムシャフトとともに回転する従動側回転部材と、前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との相対回転位相を、ロック位相において拘束する回転位相拘束機構と、前記相対回転位相が、前記ロック位相に近づく相対回転を許容し、離間する相対回転を規制する回転位相規制機構と、前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との一方の回転部材から、他方の回転部材に設けられた溝内へ突入して相対回転を規制する規制体と、を備え、前記回転位相規制機構は第一回転位相規制機構、第二回転位相規制機構の一対からなり、前記第一回転位相規制機構と前記第二回転位相規制機構とで異なる相対回転位相において所定第一方向の相対回転規制を付与可能に構成されるとともに、少なくとも一の前記回転位相規制機構を成す溝に、前記規制体が係合して前記所定第一方向の相対回転を規制する段部を備え、前記段部を有する前記回転位相規制機構が、複数の相対回転位相で前記所定第一方向の相対回転規制を付与可能に構成され、前記第一回転位相規制機構の前記段部、前記第二回転位相規制機構の前記段部、前記第一回転位相規制機構の前記段部より深部側の溝部位の記載順に、異なった相対回転位相で相対回転規制が交互にかかり、
前記第一回転位相規制機構および前記第二回転位相規制機構の少なくとも一方の前記回転位相規制機構に、少なくとも二つの前記規制体が配設され、前記規制体の少なくとも一つに前記段部と係合する欠部を設けたことである。
また、第2の技術的手段は、第1の技術的手段において、前記回転位相拘束機構は一対の前記回転位相規制機構で構成されていることである。
また、第3の技術的手段は、第1の技術的手段または第2の技術的手段において、前記他方の回転部材の径方向に前記溝が形成され、前記規制体が前記径方向に移動して、前記溝内に突入することである。
第4の技術的手段は、第1の技術的手段乃至第3の技術的手段のいずれか一つの技術手段において、前記第一回転位相規制機構と前記第二回転位相規制機構とで異なる相対回転位相において、前記所定第一方向の相対回転規制を段階的に規制するに、異なる前記回転位相規制機構により相対回転規制が順次かかることである。
第5の技術的手段は、第1の技術的手段乃至第4の技術的手段のいずれか一つの技術手段において、前記第一回転位相規制機構と前記第二回転位相規制機構とで異なる相対回転位相において、同一方向の前記規制を段階的にかける前記回転位相規制機構に関し、カムシャフトの回転に伴い前記異なった相対回転位相での規制が段階的にかかることである。
本発明によれば、回転位相規制機構に、少なくとも二つの規制体が配設され、規制体の少なくとも一つに相対回転を規制する段部と係合する欠部を設けたので、段部の段数を増やすことなく規制体が小刻みに降りることができ、弁開閉時期制御装置の装置の大径化を抑制しつつ、ロック位相までの到達時間を短くすることができる。
また、回転位相拘束機構は一対の前記回転位相規制機構で構成されているので、拘束と規制とのふたつの機能を簡易な構成において得ることができる。
また、他方の回転部材の径方向に溝が形成され、規制体が径方向に移動して、溝内に突入することにより、回転部材の回転に伴って発生する遠心力の影響を、弾性部材が圧縮力として、均等に受けることが可能となり、機構を安定したものとでき、同時に、規制をかける際の係合状態を確実なものとできる。
また、第一回転位相規制機構と第二回転位相規制機構とで異なる相対回転位相において、所定第一方向の相対回転規制を段階的に規制するに、異なる回転位相規制機構により相対回転規制が順次かかることより、所定第一方向の相対回転を順次、相対位相がロック位相に近接するように規制していく際に、異なる回転位相規制機構で、交互に規制がかかるようにすることができる。
また、異なった相対回転位相で、同一方向の規制を段階的にかける回転位相規制機構に関し、カムシャフトの回転に伴い異なった相対回転位相での規制が段階的にかかることにより、回転位相規制機構の構造として、位相差を大きくとることが可能となり、段部を備えた溝の加工を容易にすることができる。
弁開閉時期制御装置の概略構成を示す側断面図 ロック状態にある弁開閉時期制御機構の立断面図 ロック解除状態にある弁開閉時期制御機構の立断面図 回転位相規制機構により段階的な規制の説明図 図4以降の規制を示す図 図5以降の規制・拘束状態を示す図 移動体の断面図 移動体の斜視図 オイルコントロールバルブの作動構成を示す図 エンジン始動時における弁開閉時期制御装置の制御状態を示すタイミングチャート
本発明の実施の形態について、図1〜図7及び図12に基づいて説明する。
〔基本構成〕
弁開閉時期制御装置は、図1に示すように、自動車用エンジンのクランクシャフト(不図示)に対して同期回転する駆動側回転部材としての外部ロータ2と、外部ロータ2に対して同軸状に配置され、カムシャフト(不図示)に対して一体回転する従動側回転部材としての内部ロータ1とを備えて構成されている。
内部ロータ1は、エンジンのシリンダヘッドに支持されたカムシャフト3の先端部に一体的に組付けられている。
外部ロータ2は、内部ロータ1に対して所定の相対回転位相の範囲内で相対回転可能に外装され、フロントプレート22、リアプレート23及び外部ロータ2の外周に一体的に設けたタイミングスプロケット20を備えている。
タイミングスプロケット20と、図示していないエンジンのクランクシャフトに取り付けられたギアとの間には、タイミングチェーンやタイミングベルト等の動力伝達部材24が架設されている。
そして、エンジンのクランクシャフトが回転すると、動力伝達部材24を介してタイミングスプロケット20に回転動力が伝達されるので、タイミングスプロケット20を備えた外部ロータ2が図2に示す回転方向Sに沿って回転し、ひいては、内部ロータ1が回転方向Sに沿って回転してカムシャフト3が回転し、カムシャフト3に設けられたカムがエンジンの吸気弁又は排気弁を押し下げて開弁させる。
図2は、図1のA−A断面の概略を一部に使用した機能説明図である。
〔回転位相調整機構〕
図2に示すように、外部ロータ2には、径内方向に突出するシューとして機能する複数の突部4が回転方向に沿って互いに離間して並設されている。そして、外部ロータ2の隣接する突部4の夫々の間には、外部ロータ2と内部ロータ1で画定される流体圧室40が形成されている。
内部ロータ1の外周部の、各流体圧室40に対面する個所にはベーン溝41が形成されており、このベーン溝41には、流体圧室40を相対回転方向(図2において矢印S1、S2方向)において進角室43と遅角室42とに仕切るベーン5が放射方向に摺動可能に挿入されている。
このベーン5は、図1に示すように、その内径側に備えられるスプリング51により、流体圧室内壁面w側に付勢されている。
また、上記進角室43は内部ロータ1に形成された進角通路11に連通し、遅角室42は内部ロータ1に形成された遅角通路10に連通し、進角通路11及び遅角通路10は、後述する油圧回路7に接続されている。
〔回転位相拘束機構〕
内部ロータ1と外部ロータ2との間には、相対回転位相が最進角位相と最遅角位相との間に設定された所定のロック位相(図2、図3に示す位相)にあるときに、内部ロータ1と外部ロータ2との相対回転を拘束可能に構成されている。この回転位相拘束機構R1は、回転位相拘束規制機構Rを一対備えて構成され、特定の回転方向及びその回転とは逆の方向とで、回転規制をかけることが可能に構成され、一対の回転位相拘束規制機構R間で逆方向の回転規制をかける状態でロック機能を発揮する。
図4乃至図8に示すように、回転位相拘束規制機構Rには、機構内を摺動移動する二つの移動体Ra1、Ra2と、この移動体Ra1、Ra2が侵入係合する溝Rb等を備えて構成されるが、ロック機能を発揮する場合は、移動体Ra1、Ra2がロック体となり、溝Rbがロック溝となる。規制機能を発揮する場合は、移動体Ra1、Ra2が規制体となり、溝Rbが規制溝となる。
以下、図2、図3に示すように、回転位相拘束機構R1は、一対の回転位相拘束規制機構Rを所定部に備えて成立する。図示するように、外部ロータ2に設けられた遅角用ロック部6A及び進角用ロック部6Bと、内部ロータ1の外周部の一部に一対の凹状の溝Rbとを備えて構成される。
図2、図3、図7、図8に示すように、回転位相拘束規制機構Rには、外部ロータ2に径方向において摺動自在に設けられた移動体Ra1、Ra2と、移動体Ra1、Ra2を径内方向に付勢する機械的付勢手段として二つのスプリングsとを備えて構成されている。このスプリングsは移動体Ra1、Ra2の凹部Raaに嵌められて、外部ロータ2側から移動体Ra1、Ra2を内径側へ付勢する。
図2、図3、図7、図8に示す例にあっては、移動体Ra1、Ra2はプレート形状を有するプレート型とされているが、ピン形状を有するピン型とされていてもよく、さらに、その他の形状を採用することができる。
回転位相拘束機構R1が働く、ロック位相においては、図2、図6(i)に示すように、遅角用ロック部6A及び進角用ロック部6Bの両ロック部の移動体Ra1、Ra2を、両溝RbA、RbB内に突入させることで、内部ロータ1と外部ロータ2との相対回転位相を、最進角位相と最遅角位相との間に設定された所定のロック位相に拘束する所謂ロック状態となる。
この状態で回転位相拘束規制機構Rが取る姿勢をロック姿勢と呼ぶ。尚、上記ロック位相は、弁の開閉時期がエンジンの円滑な始動性が得られるような位相に設定されている。
〔回転位相規制機構〕
以上が、回転位相拘束機構R1の構成であるが、この機構を一対として構成する回転位相拘束規制機構Rのそれぞれが、一方において、本願にいう回転位相規制機構R2として働く。
回転位相拘束機構R1が、前記ロック位相での相対回転をほぼ完全に阻止するものであるのに対して、この回転位相規制機構R2は、相対回転に関して、相対回転位相が、前記ロック位相に向かう所定一方向において、多段に働き、ロック位相から離間する側(例えば、遅角側)への相対回転の復帰を規制し、ロック位相に向かう相対回転(進角回転)は許容する。
本願の弁開閉時期制御装置は、これまで説明してきたように、遅角用ロック部6Aと進角用ロック部6Bとを備え、回転位相拘束機構R1としての働きは、上記したように各ロック部6A、6Bに対応して設けられている溝Rbの回転方向で異なった端面に移動体Ra1、Ra2が当接して、拘束機能を発揮するが、規制機能の発揮に関しては、遅角用ロック部6Aについて、そのロック機能を踏襲したものとされ、進角用ロック部6Bに関しては、図4、図5、図6に示すように、溝Rbの進角側溝側面Rba(この側面は本来ロック用には機能しない)の位置が、本願独特の位置に設定されている。さらに、両溝Rbの進角側溝側面Rbaに段部Rcが設けられ、その周方向位置(回転位相の規制として働く位相)に特徴がある。また、図7、図8に示すように、移動体Ra1の溝Rbへの突入部先端には、その板厚の略半分の欠部Ra1aが形成されている。欠部Ra1aは段部Rcと係合することにより、規制機能を小刻みに機能させることに寄与する。
以下、さらに詳細に説明する。
図4等に示すように、各溝Rbの遅角側に所定の段部Rcが設けられている。これら段部Rcは、それぞれ移動体Ra1、Ra2が、突入して係合されるとともに、移動体Ra1の欠部Ra1aが係合されるように構成されており、この突入・係合状態で、それぞれの回転位相で、相対回転に関して、遅角側への相対回転を規制し、進角側への相対回転を許容することとなる。
即ち、これら段部側壁Rca及び溝側壁Rbaにおける移動体Ra1、Ra2に対する回転規制方向は同一とされている。
そして、後にも動作の項で説明するように、この規制は、図4、図5、図6に示されるように、(b)進角用溝RbBに設けられた段部Rcに欠部Ra1aがかかり、(c)遅角用溝RbAに設けられた段部Rcに欠部Ra1aがかかり、(d)進角用溝RbBに設けられた段部Rcに移動体Ra2がかかり、(e)遅角用溝RbAに設けられた段部Rcに移動体Ra2がかかり、(f)進角用溝RbB深部に欠部Ra1aがかかり、(g)遅角用溝RbA深部に欠部Ra1aがかかり、(h)進角用溝RbB深部に移動体Ra2がかかり、(i)遅角用溝RbA深部に移動体Ra2がかかるように、その位相が設定されている。
具体的には、前記規制は、図10の相対回転位相に示すように、8段の遅角方向への相対回転を規制するように働く。結果、クランク軸回転に伴って順次段階的に移動体Ra1、Ra2の係合が起こり、本願にいう棚上げを実現することができる。
〔油圧系統〕
移動体Ra1、Ra2の溝Rb内への突入は、溝Rb内に油圧回路7を介して供給される油がドレインされた状態で、スプリングsによる付勢力により起こされる。
一方、移動体Ra1、Ra2の溝Rbからの引退は、溝Rbに油圧回路7を介してオイルが供給された状態で発生する。この状態で回転位相拘束規制機構Rが取る姿勢をロック解除姿勢と呼ぶ。
ロック油の給排出が回転位相拘束規制機構Rの動作を支配する。但し、ロックがかかるためには、上述の外部ロータ2と内部ロータ1との相対位置がロック位相になっている必要があることは当然である。
〔作動油の給排出構成〕
図1、図2、図3に示す様に、油圧回路7は、基本的に、上記進角通路11及び上記遅角通路10を介して進角室43及び遅角室42の一方若しくは両方に対する作動油としてのオイルの給排出を実行し、ベーン5の流体圧室40での相対位置を変更して外部ロータ2と内部ロータ1との相対回転位相を最進角位相(進角室43の容積が最大となるときの相対回転位相)と最遅角位相(遅角室42の容積が最大となるときの相対回転位相)との間で調整する。
さらに、油圧回路7は、この相対回転位相設定を実行する際に必要となる回転位相拘束規制機構Rに関する、ロック、ロック解除動作をも実行する。
詳しくは、図1、2、3に示すように、油圧回路7は、エンジンの駆動力もしくは電動により駆動し、作動油又は後述のロック油となるオイルをオイルコントロールバルブOCV側に供給するポンプ70と、電子制御ユニットECUによる給電量制御によりスプールの位置を変化させて複数のポートにおけるオイルの給排出を実行するソレノイド式のオイルコントロールバルブOCVと、オイルを貯留するオイルパン75とを備えて構成されている。
上記進角通路11及び上記遅角通路10が、上記オイルコントロールバルブOCVの所定のポートに接続されている。
上記溝Rbは内部ロータ1に形成されたロック油通路63に連通し、ロック油通路63は上記油圧回路7のオイルコントロールバルブOCVにおける所定のポートに接続されている。
即ち、油圧回路7は、ロック油通路63を介して、溝Rbにロック油としてのオイルの給排出を実行するように構成され、オイルコントロールバルブOCVから溝Rbにロック油が供給されると、図3に示すように、移動体Ra1、Ra2が外部ロータ2側に引退して、外部ロータ2と内部ロータ1との相対回転のロック状態が解除される。
〔制御弁の動作制御〕
図9に示すように、油圧回路7のオイルコントロールバルブOCVは、電子制御ユニットECUからの給電量に比例してスプール位置を位置W1から位置W4まで変化させ、進角室43、遅角室42、及び、溝Rbに作動油又はロック油となるオイルの供給、ドレイン、停止等を切り替えるように構成されている。
即ち、オイルコントロールバルブOCVのスプール位置を位置W1とすることで、進角室43及び遅角室42の作動油と共に溝Rbのロック油をオイルパン75側にドレインするドレイン操作を実行することができる。
オイルコントロールバルブOCVのスプール位置を位置W2とすることで、溝Rbにロック油が供給されて外部ロータ2と内部ロータ1との相対回転のロック状態を解除し、更に、遅角室42の作動油をドレインしつつ、進角室43に作動油を供給して、外部ロータ2と内部ロータ1との相対回転位相を進角方向S2に移動する進角移行操作を実行することができる。
オイルコントロールバルブOCVのスプール位置を位置W3とすることで、外部ロータ2と内部ロータ1との相対回転のロック状態を解除しつつ、進角室43及び遅角室42に対する作動油の供給を停止して、外部ロータ2と内部ロータ1との相対回転位相をその時点での位相に保持する保持操作を実行することができる。
オイルコントロールバルブOCVのスプール位置を位置W4とすることで、外部ロータ2と内部ロータ1との相対回転のロック状態を解除し、更に、進角室43の作動油をドレインしつつ、遅角室42に作動油を供給して、外部ロータ2と内部ロータ1との相対回転位相を遅角方向S1に移動する遅角移行操作を実行することができる。
尚、オイルコントロールバルブOCVの作動構成は、上記のものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
〔動作制御〕
エンジンに設けられている電子制御ユニットECUは、所定のプログラム等を格納したメモリ、CPU、入力出力インターフェース等が内蔵されている。
電子制御ユニットECUには、図1に示すように、カムシャフトの位相を検知するカム角センサ90a、クランクシャフトの位相を検知するクランク角センサ90b、エンジンオイルの温度を検知する油温センサ90c、クランクシャフトの回転数(エンジン回転数)を検知する回転数センサ90d、IGキースイッチ(IG/SWと略称する)90eや、その他の、車速センサ、エンジンの冷却水温センサ、又は、スロット開度センサ等の各種センサの検知信号が入力される。
また、電子制御ユニットECUは、カム角センサ90aで検知したカムシャフトの位相と、クランク角センサ90bで検知したクランクシャフトの位相とから、カムシャフトとクランクシャフトの相対回転位相、即ち、弁開閉時期制御装置における内部ロータ1と外部ロータ2との相対回転位相を求めることができる。
電子制御ユニットECUは、上記のようなエンジンオイルの温度、クランクシャフトの回転数、車速、スロット開度等のエンジンの動作状態に基づいて、油圧回路7のオイルコントロールバルブOCVへの給電量を調整して、内部ロータ1と外部ロータ2との相対回転位相をその動作状態に適した位相に制御するように構成されている。
〔動作〕
次に、エンジン始動時における弁開閉時期制御装置の始動ロック制御について、図2、図3、図4、図5、図6に基づいて説明する。
始動ロック動作
電子制御ユニットECUは、IG/SW90eから入力信号が入力されると、クランクシャフトをクランキング(クランクシャフトをスタータで強制回転させることを意味する)して、エンジンを始動するのであるが、そのエンジン始動時には、オイルコントロールバルブOCVのスプール位置を位置W1として、進角室43及び遅角室42の作動油、及び、溝Rbのロック油をドレインしている。
この始動時において、相対回転位相は、図10に示すように、最遅角位相としている。この状態で、図4(a)に示すように、移動体Ra1、Ra2はロック解除姿勢を取っており、スプリングsにより内部ロータ1側に付勢されている。
そして、進角室43及び遅角室42の作動油がドレインされている状態で、クランクシャフトをクランキングすると、カムシャフトにおいて弁を開閉駆動させるために発生する周期的な変動トルクにより、流体圧室40内においてベーン5が往復移動し、内部ロータ1と外部ロータ2との相対回転位相が前述のロック位相側に周期的に変動する。
即ち、移動体Ra1、Ra2を内部ロータ1側に付勢しながら、相対回転位相が進角側に向かって増加しながら周期的に変動する。
この段階において、図4(b)、図10に示すように、最初の周期的変動で、最初に進角用ロック部6Bの移動体Ra1の欠部Ra1aが、進角用溝RbBに設けられた段部Rcに嵌り込み、この部位で遅角側の位相回転規制を受ける。
引き続くクランク軸の回転では、この規制位相から変動を開始し、図4(c)に示すように、引き続く周期変動で、遅角用ロック部6Aの移動体Ra1の欠部Ra1aが、遅角用溝RbAに設けられた段部Rcに嵌り込み、この部位で同じく遅角側の位相回転規制を受ける。
さらに、図5(d)に示すように、周期変動に伴って、進角用ロック部6Bの移動体Ra2が、進角用溝RbBに設けられた段部Rcへ嵌り込み、回転位相規制をする。
さらに、同様に、図5(e)に示すように、周期変動に伴って、遅角用ロック部6Aの移動体Ra2が、遅角用溝RbAに設けられた段部Rcへ嵌り込み、回転位相規制をする。
さらに、同様に、図5(f)に示すように、周期変動に伴って、進角用ロック部6Bの移動体Ra1の欠部Ra1aが、進角用溝RbB自体へ嵌り込み、回転位相規制をする。
さらに、同様に、図6(g)に示すように、周期変動に伴って、遅角用ロック部6Aの移動体Ra1の欠部Ra1aが、遅角用溝RbA自体へ嵌り込み、回転位相規制をする。
さらに、同様に、図6(h)に示すように、周期変動に伴って、進角用ロック部6Bの移動体Ra2が、進角用溝RbB自体へ嵌り込み、回転位相規制をする。
さらに、同様に、図6(i)に示すように、周期変動に伴って、遅角用ロック部6Aの移動体Ra2が、遅角用溝RbA自体へ嵌り込み、回転位相規制をする。こうして、ロック位相への移行が完了する。
この状態で、移動体Ra1、Ra2が、それぞれ対応する溝Rb内に突入し、上記相対回転位相がロック位相に良好に拘束されるロック状態とされる。
このようにして、エンジン始動時に、上記のような相対回転位相のロック位相へのロックを迅速に行うことで、良好なエンジンの始動性を得ることができる。
上記のようにして、ロック状態において始動をかけた後、相対回転位相制御を、エンジンの動作状態に従って実行できる。
なお、これまで遅角用ロック部6Aと進角用ロック部6Bとのそれぞれに二つの移動体Ra1、Ra2を備えた場合について説明してきたが、移動体の数は二つに限定されるものではなく、三つでもそれ以上でもよい。
1・・・駆動側回転部材(外部ロータ)
2・・・従動側回転部材(内部ロータ)
3・・・カムシャフト
4・・・突部
5・・・ベーン
6・・・ロック部
6A・・・遅角用ロック部
6B・・・進角用ロック部
7・・・油圧回路
10・・・遅角通路
11・・・進角通路
R・・・回転位相拘束規制機構
R1・・・回転位相拘束機構
R2・・・回転位相規制機構
Ra1、Ra2・・・規制体(移動体)
Ra1a・・・欠部
Rb・・・溝(ロック溝)
Rc・・・段部

Claims (5)

  1. クランクシャフトに対して同期回転する駆動側回転部材と、
    前記駆動側回転部材に対して相対回転可能に組みつけられ、カムシャフトとともに回転する従動側回転部材と、
    前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との相対回転位相を、ロック位相において拘束する回転位相拘束機構と、
    前記相対回転位相が、前記ロック位相に近づく相対回転を許容し、離間する相対回転を規制する回転位相規制機構と、
    前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材との一方の回転部材から、他方の回転部材に設けられた溝内へ突入して相対回転を規制する規制体と、を備え、
    前記回転位相規制機構は第一回転位相規制機構、第二回転位相規制機構の一対からなり、前記第一回転位相規制機構と前記第二回転位相規制機構とで異なる相対回転位相において所定第一方向の相対回転規制を付与可能に構成されるとともに、
    少なくとも一の前記回転位相規制機構を成す溝に、前記規制体が係合して前記所定第一方向の相対回転を規制する段部を備え、前記段部を有する前記回転位相規制機構が、複数の相対回転位相で前記所定第一方向の相対回転規制を付与可能に構成され、
    前記第一回転位相規制機構の前記段部、前記第二回転位相規制機構の前記段部、前記第一回転位相規制機構の前記段部より深部側の溝部位の記載順に、異なった相対回転位相で相対回転規制が交互にかかり、
    前記第一回転位相規制機構および前記第二回転位相規制機構の少なくとも一方の前記回転位相規制機構に、少なくとも二つの前記規制体が配設され、
    前記規制体の少なくとも一つに前記段部と係合する欠部を設けたことを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記回転位相拘束機構は一対の前記回転位相規制機構で構成されていることを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記他方の回転部材の径方向に前記溝が形成され、前記規制体が前記径方向に移動して、前記溝内に突入することを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、
    前記第一回転位相規制機構と前記第二回転位相規制機構とで異なる相対回転位相において、前記所定第一方向の相対回転規制を段階的に規制するに、異なる前記回転位相規制機構により相対回転規制が順次かかることを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、
    前記第一回転位相規制機構と前記第二回転位相規制機構とで異なる相対回転位相において、同一方向の前記規制を段階的にかける前記回転位相規制機構に関し、カムシャフトの回転に伴い前記異なった相対回転位相での規制が段階的にかかることを特徴とする弁開閉時期制御装置。
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