JP5267138B2 - 電磁クラッチ - Google Patents

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Description

本発明は、電磁クラッチに関するものである。
例えば、特開2006−300298号公報(特許文献1)に記載の電磁クラッチは、車両の駆動力を伝達する駆動力伝達装置のパイロットクラッチとして採用されたものであり、磁路を構成して相互に軸方向に相対移動可能に設けられる側壁とアーマチャとの間に、複数のクラッチ板を設けていた。このクラッチ板には、相対回転する二つの部材の一方に回転規制されたクラッチ板と、二つの部材の他方に回転規制されたクラッチ板とがあり、両クラッチ板との間に摩擦力を発生させることによって、二つの部材の間で回転力を伝達させていた。
特開2006−300298号公報
このような複数のクラッチ板を用いる構成は、電磁クラッチの伝達トルクを確保するために必要ではあるが、クラッチ板自体のコストが嵩むと共に、製造時にクラッチ板を組み付けるための作業も必要となり、高コスト化を招来する。また、各クラッチ板を介して磁路が往復するために磁気抵抗が大きくなり、電磁コイルに流すべき電流がその分大きくなる。またさらに、電磁クラッチ部分の軸方向長さが長くなると共に、クラッチ板間に潤滑油が介在する湿式クラッチの場合には、電磁クラッチの非動作時(電磁石への非通電時)における所謂引き摺りトルクが大きくなりがちである。従って、例えば従来の電磁クラッチを車両の駆動力を伝達する駆動力伝達装置のパイロットクラッチとして採用した場合には、意図しない駆動力がトルク下流側に伝達され、燃費や走行性能に悪影響を及ぼすおそれもある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低コスト化、省スペース化、及び湿式クラッチとして構成した場合の引き摺りトルクの低減を図ることができる電磁クラッチを提供することを目的とする。
(請求項1)本手段に係る電磁クラッチは、軸回りに相対回転可能に設けられた二つの部材の間で回転力を伝達する電磁クラッチであって、前記二つの部材の一方に回転規制されて設けられ、磁路を構成する磁性体と前記磁性体により径方向に挟んで配置され前記磁性体より磁気抵抗の高い領域である高磁気抵抗部とを備える側壁と、前記側壁の一側に配置されて通電により磁束を発生させる電磁石と、前記二つの部材の他方に回転規制されて設けられ、前記側壁の他側にて前記側壁に対して前記軸方向に相対移動可能かつ前記側壁に対して前記軸回りに相対回転可能に配置されるアーマチャと、前記側壁と前記アーマチャとの間に非接着の状態で介在し、前記電磁石への通電時に前記アーマチャが前記側壁に向かって吸引されることによって前記側壁と前記アーマチャとの間に摩擦力を発生させ、前記摩擦力によって前記側壁と前記アーマチャとの間で回転力を伝達させる摩擦材と、を備え、前記アーマチャの前記側壁に対向する面には、凹所が形成され、前記摩擦材は、前記凹所に嵌合されることにより前記凹所に保持され、前記電磁クラッチは、前記摩擦材が前記凹所から離脱することを防止する離脱防止構造をさらに備え、前記離脱防止構造は、前記アーマチャが前記側壁から最も離れた位置における前記側壁と前記凹所の開口部との隙間を前記摩擦材の厚み未満とするように、前記アーマチャの前記側壁に対する前記軸方向への移動を規制する構造である。
なお、ここで開口部とは、前記アーマチャの前記側壁との対向面側における前記凹所の周辺部をいう。
(請求項2)好ましくは、前記アーマチャの前記凹所の底面は、凹凸状または粗面に形成され、前記離脱防止構造は、前記凹所の底面の前記凹凸状または粗面に前記摩擦材が係着する構造である。
(請求項3)好ましくは、前記摩擦材と前記側壁との摩擦係数は、前記摩擦材と前記凹所の底面との摩擦係数より大きく設定されている。
(請求項4)本手段に係る電磁クラッチは、軸回りに相対回転可能に設けられた二つの部材の間で回転力を伝達する電磁クラッチであって、前記二つの部材の一方に回転規制されて設けられ、磁路を構成する磁性体と前記磁性体により径方向に挟んで配置され前記磁性体より磁気抵抗の高い領域である高磁気抵抗部とを備える側壁と、前記側壁の一側に配置されて通電により磁束を発生させる電磁石と、前記二つの部材の他方に回転規制されて設けられ、前記側壁の他側にて前記側壁に対して前記軸方向に相対移動可能かつ前記側壁に対して前記軸回りに相対回転可能に配置されるアーマチャと、前記側壁と前記アーマチャとの間に非接着の状態で介在し、前記電磁石への通電時に前記アーマチャが前記側壁に向かって吸引されることによって前記側壁と前記アーマチャとの間に摩擦力を発生させ、前記摩擦力によって前記側壁と前記アーマチャとの間で回転力を伝達させる摩擦材と、を備え、前記アーマチャの前記側壁に対向する面には、凹所が形成され、前記摩擦材は、前記凹所に嵌合されることにより前記凹所に保持され、前記電磁クラッチは、前記摩擦材が前記凹所から離脱することを防止する離脱防止構造をさらに備え、前記アーマチャの前記凹所の底面は、凹凸状または粗面に形成され、前記離脱防止構造は、前記凹所の底面の前記凹凸状または粗面に前記摩擦材が係着する構造である。
(請求項5)好ましくは、前記摩擦材と前記側壁との摩擦係数は、前記摩擦材と前記凹所の底面との摩擦係数より大きく設定されている。
(請求項6)本手段に係る電磁クラッチは、軸回りに相対回転可能に設けられた二つの部材の間で回転力を伝達する電磁クラッチであって、前記二つの部材の一方に回転規制されて設けられ、磁路を構成する磁性体と前記磁性体により径方向に挟んで配置され前記磁性体より磁気抵抗の高い領域である高磁気抵抗部とを備える側壁と、前記側壁の一側に配置されて通電により磁束を発生させる電磁石と、前記二つの部材の他方に回転規制されて設けられ、前記側壁の他側にて前記側壁に対して前記軸方向に相対移動可能かつ前記側壁に対して前記軸回りに相対回転可能に配置されるアーマチャと、前記側壁と前記アーマチャとの間に非接着の状態で介在し、前記電磁石への通電時に前記アーマチャが前記側壁に向かって吸引されることによって前記側壁と前記アーマチャとの間に摩擦力を発生させ、前記摩擦力によって前記側壁と前記アーマチャとの間で回転力を伝達させる摩擦材と、を備え、前記アーマチャの前記側壁に対向する面には、凹所が形成され、前記摩擦材は、前記凹所に嵌合されることにより前記凹所に保持され、前記摩擦材と前記側壁との摩擦係数は、前記摩擦材と前記凹所の底面との摩擦係数より大きく設定されている。
(請求項7)好ましくは、前記アーマチャの前記凹所の底面は、凹凸状または粗面に形成され、前記側壁の前記他側は、前記凹所の底面に比べて平面状に形成される。
(請求項8)本手段に係る電磁クラッチは、軸回りに相対回転可能に設けられた二つの部材の間で回転力を伝達する電磁クラッチであって、前記二つの部材の一方に回転規制されて設けられ、磁路を構成する磁性体と前記磁性体により径方向に挟んで配置され前記磁性体より磁気抵抗の高い領域である高磁気抵抗部とを備える側壁と、前記側壁の一側に配置されて通電により磁束を発生させる電磁石と、前記二つの部材の他方に回転規制されて設けられ、前記側壁の他側にて前記側壁に対して前記軸方向に相対移動可能かつ前記側壁に対して前記軸回りに相対回転可能に配置されるアーマチャと、前記側壁と前記アーマチャとの間に非接着の状態で介在し、前記電磁石への通電時に前記アーマチャが前記側壁に向かって吸引されることによって前記側壁と前記アーマチャとの間に摩擦力を発生させ、前記摩擦力によって前記側壁と前記アーマチャとの間で回転力を伝達させる摩擦材と、を備え、前記アーマチャの前記側壁に対向する面には、凹所が形成され、前記摩擦材は、前記凹所に嵌合されることにより前記凹所に保持され、前記摩擦材の周縁は、凹凸状に形成され、前記アーマチャの前記凹所の壁面は、前記摩擦材の凹凸状に対して周方向に係合するように凹凸状に形成されている。
(請求項9)好ましくは、前記磁性体は、前記側壁の前記一側に開口する凹所を形成し、前記高磁気抵抗部は、前記磁性体の前記凹所に鋳込み形成され、前記側壁の前記他側に対して露出しないように設けられる。
(請求項10)好ましくは、前記高磁気抵抗部は、前記側壁の前記他側に露出するように設けられ、前記摩擦材は、前記側壁の前記他側に位置する前記磁性体に対して摺動するように設けられる。
(請求項1、4,6,8共通)本手段によれば、側壁とアーマチャとのそれぞれが、相対回転可能な二つの部材のそれぞれに回転規制して設けられている。そして、摩擦材は、側壁とアーマチャとの間に介在するように、側壁およびアーマチャに対して非接着で設けられている。そして、摩擦材を介して、側壁とアーマチャとの間で回転力が伝達されている。
つまり、側壁およびアーマチャが、従来のクラッチ板として機能している。従って、側壁を相対回転する二つの部材の一方に固定した場合には、アーマチャを二つの部材の他方に対して軸方向に移動可能に設けることで足りる。従って、側壁とアーマチャとの間に配置していた複数のクラッチ板が不要となるため、低コスト化及び省スペース化を図ることができる。
また、側壁およびアーマチャは、磁路を構成するために必要な部材であって、従来のクラッチ板のように磁路の磁束密度を低下する部材ではない。そのため、磁気抵抗の増大を抑制することができ、電磁コイルの通電電流を小さくすることができ、消費電力を減らすことができる。
またさらに、電磁クラッチの非動作時における上記二つの部材の相対回転時にクラッチ板同士が摺動することがないので、引き摺りトルクを低減することができる。
また、摩擦材を介して、側壁とアーマチャとの間で回転力を伝達している。この摩擦材は、側壁との間で摩擦力を発生させることができ、且つ、アーマチャとの間で摩擦力を発生させることができるものであればよい。従って、従来のクラッチ板のように相対回転する二つの部材の何れか一方に回転規制される必要もない。そのため、摩擦材の剛性が比較的低いものでもよい。従って、摩擦材として、薄肉のものを適用できる。その結果、摩擦材による磁路の磁束密度への影響が小さい。さらに、摩擦材は、側壁およびアーマチャに対して非接着に設けられている。非接着であっても、摩擦材は、側壁およびアーマチャとの間で摩擦力を発生しさえすればよい。このように、摩擦材を非接着に設けることで、製造が非常に容易になり且つ安価にできる。
さらに、摩擦材をアーマチャに安定して固定することができる。
(請求項1、4)本手段によれば、離脱防止構造により、摩擦材が側壁およびアーマチャに対して非接着であっても、凹所から離脱することを確実に防止できる。これにより、摩擦材による電磁クラッチとしての機能を確実に発揮できる。
(請求項1)本手段によれば、さらに、アーマチャが側壁から最も離れた位置においても、摩擦材の少なくとも一部が凹所に入り込んでいる状態となる。従って、確実に摩擦材が凹所から離脱することを防止できる。
ここで、離脱防止構造のより具体的な構造としては、以下のようにすることができる。
前記離脱防止構造は、前記二つの部材に固定されるスナップリングにより前記アーマチャの前記側壁に対する前記軸方向への移動を規制する構造としてもよい。
また、前記二つの部材の回転差が小さくなるにつれて前記側壁の他側から前記軸方向に遠ざかるように移動するカム部材を備える場合には、前記離脱防止構造は、前記カム部材が前記側壁に最も近接する位置に位置する場合に前記アーマチャの前記側壁に対する前記軸方向への移動を規制する構造としてもよい。
これらの構造によれば、確実に且つ容易に離脱防止構造を構成することができる。
(請求項2、4)本発明によれば、摩擦材が凹所から離脱することを確実に防止できる。
(請求項3、5、6)本発明によれば、摩擦材が、側壁とアーマチャの凹所の底面に対して接触している状態であって、両者に回転差がある場合において、実質的に、摩擦材をアーマチャの凹所に固定しているようにできる。相対回転する際に、アーマチャの凹所に摩擦材を固定することで、摩擦材を安定して凹所に嵌合した状態を維持できる。
(請求項7)本発明によれば、摩擦材とアーマチャの凹所の底面との摩擦係数が、摩擦材と側壁との摩擦係数よりも確実に高くなり、摩擦材と側壁との間でのみ摩擦摺動が発生するので、伝達される回転力がより安定する。
(請求項8)本発明によれば、確実に、摩擦材をアーマチャに対して回転規制することができる。従って、摩擦材をアーマチャに実質的に固定的に設けることができるようになる。
(請求項9)本発明によれば、例えば、磁性体として鉄を使用し、高磁気抵抗部としてステンレスや銅を使用する場合、ステンレスや銅は、鉄に比べて摩耗しやすい。そのため、ステンレスや銅からなる高磁気抵抗部が、側壁の他側に露出する状態として摩擦材と擦れると、高磁気抵抗部が磁性体よりも早く摩耗する。そのため、耐久性に問題が生じるおそれがある。そこで、本発明のように、高磁気抵抗部を磁性体の凹所に鋳込み、高磁気抵抗部が側壁の他側に露出しないようにすることで、側壁の他側の表面は全て磁性体により形成できる。これにより、摩耗に対して強くなる。つまり、耐久性を良好にすることができる。
(請求項10)本発明によれば、磁性体より磁気抵抗の高い領域に使用するステンレスや銅が、磁性体としての鉄より摩耗しやすいとしても、磁気抵抗の高い領域の周囲に位置する磁性体が摩擦材と摺動することで、磁気抵抗の高い領域の摩耗を抑制できる。

第一実施形態の駆動力伝達装置1の軸方向断面図である。 第二実施形態の駆動力伝達装置2の軸方向断面図である。 第三実施形態の駆動力伝達装置3の軸方向断面図である。 第四実施形態の駆動力伝達装置4の軸方向断面図である。 第五実施形態におけるアーマチャ500を示す図であって、(a)はアーマチャ500の軸方向から見た図であり、(b)は(a)のA−A断面図であり、(c)は(a)のB−B断面図である。 第五実施形態における摩擦材600の軸方向から見た図である。
以下、本発明の電磁クラッチを具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態においては、本発明の電磁クラッチを駆動力伝達装置に適用した場合について説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態の駆動力伝達装置1について、図1を参照して説明する。図1は、第一実施形態の駆動力伝達装置1の軸方向断面図である。
駆動力伝達装置は、例えば、4輪駆動車において車両の走行状態に応じて駆動力が伝達される補助駆動輪側への駆動力伝達系に適用される。より詳細には、4輪駆動車において、駆動力伝達装置1は、エンジンの駆動力が伝達されるプロペラシャフトと、リアディファレンシャルとの間に連結されている。駆動力伝達装置1は、プロペラシャフトから伝達される駆動力を、伝達割合を可変にしながら、リアディファレンシャルに伝達している。
この駆動力伝達装置1は、いわゆる電子制御カップリングからなる。この駆動力伝達装置1は、図1に示すように、ホールカバー20と、アウタケース30と、インナシャフト40と、メインクラッチ50と、パイロットクラッチ機構60(本発明の「電磁クラッチ」に相当)と、カム機構70とを備えている。
ホールカバー20は、略円筒形状からなり、車体に固定されている。
アウタケース30は、ホールカバー20の内周側に、ホールカバー20に対して回転可能に支持されている。このアウタケース30は、フロントハウジング31と、リヤハウジング32とにより形成されている。フロントハウジング31は、非磁性材料であるアルミニウム合金からなり、有底筒状に形成されている。このフロントハウジング31の円筒部の外周面が、ホールカバー20の内周面に軸受を介して回転可能に支持されている。さらに、フロントハウジング31の底部が、プロペラシャフト(図示せず)の車両後端側に連結されている。つまり、フロントハウジング31の有底筒状の開口側が車両後側を向くように配置されている。そして、フロントハウジング31の内周面には、スプラインが形成されている。
リヤハウジング32は、軸方向の中央に貫通孔が形成された環状からなる。リヤハウジング32の軸方向断面形状は、車両後方に開口するコの字型形状に形成されている。このリヤハウジング32は、内周円筒部321と、外周円筒部322と、内周円筒部321の前端側と外周円筒部322の前端側とを連結する円盤状の側壁323(本発明の「側壁」に相当)とから構成される。つまり、リヤハウジング32は、内周円筒部321と外周円筒部322と側壁323とにより囲まれる部分に、車両後方に開口する環状凹部324を形成している。つまり、側壁323の軸方向の一側(図1の右側、以下、「右側」と称する)に環状凹部324が形成されている。
そして、外周円筒部322の外周面が、フロントハウジング31の後端開口部の内周側に嵌合螺着されており、フロントハウジング31の後端開口部を覆蓋している。従って、リヤハウジング32は、フロントハウジング31と一体的に結合されている。
さらに、リヤハウジング32の側壁323は、磁路を構成する磁性体323a、323bと、磁性体323a、323bにより径方向に挟んで配置され磁性体323a、323bより磁気抵抗の高い領域である高磁気抵抗部323cとを備える。内周側の磁性体323aは、内周円筒部321の車両前端縁から径方向外方に延びるように、円環状に形成されている部分である。外周側の磁性体323bは、外周円筒部322の車両前端縁から径方向内方に延びるように、円環状に形成されている部分である。そして、内周円筒部321、外周円筒部322、磁性体323a、323bは、磁性材料である鉄により形成されている。
高磁気抵抗部323cは、円環状に形成され、内周側の磁性体323aの外周面および外周側の磁性体323bの内周面に接着されている。そして、高磁気抵抗部323cは、側壁323の軸方向の他側(図1の左側、以下、「左側」と称する)に露出している。詳細には、高磁気抵抗部323cにおける側壁323の左側端面は、磁性体323a、323bにおける側壁323の左側端面と同一平面上に位置するように形成されている。この高磁気抵抗部323cは、非磁性材料であるステンレス鋼により環状に形成されている。
インナシャフト40は、軸方向中央の外周側にスプラインが形成された軸状からなる。このインナシャフト40は、リヤハウジング32の中央の貫通孔を液密的に貫通して、アウタケース30内に同軸的に挿入されている。そして、インナシャフト40は、フロントハウジング31及びリヤハウジング32に対して軸方向位置を規制された状態で、フロントハウジング31及びリヤハウジング32に軸受を介して回転可能に支持されている。さらに、インナシャフト40の車両後端側(図1の右側)は、ディファレンシャルギヤに連結されているドライブピニオンシャフト(図示せず)の前端側に一体的に連結固定されている。なお、アウタケース30とインナシャフト40とにより液密的に区画される空間内には、所定の充填率で潤滑油が充填されている。
メインクラッチ50は、湿式多板式の摩擦クラッチである。このメインクラッチ50は、鉄製の多数のクラッチ板(インナクラッチ板51およびアウタクラッチ板52)を備える。そして、このメインクラッチ50は、フロントハウジング31の内周側であって、インナシャフト40の外周側に配置されている。
メインクラッチ50を構成する各インナクラッチ板51は、内周側にスプラインが形成された円盤形状からなる。そして、各インナクラッチ板51の内周側のスプラインが、インナシャフト40の外周側のスプラインに嵌合している。つまり、各インナクラッチ板51は、インナシャフト40に対して、軸方向へ移動可能であり、且つ、回転方向に規制されている。
また、メインクラッチ50を構成する各アウタクラッチ板52は、外周側にスプラインが形成された円盤形状からなる。そして、各アウタクラッチ板52の外周側のスプラインが、フロントハウジング31の内周側のスプラインに嵌合している。つまり、各アウタクラッチ板52は、フロントハウジング31に対して、軸方向へ移動可能であり、且つ、回転方向に規制されている。さらに、各アウタクラッチ板52は、各インナクラッチ板51の間に配置されている。つまり、各インナクラッチ板51と各アウタクラッチ板52とが、相互に当接して摩擦係合するとともに、相互に離間して自由状態となる。
パイロットクラッチ機構60は、ヨーク61と、電磁石62と、アーマチャ63と、摩擦材64とにより構成されている。ヨーク61は、中央に孔を有する円環状からなり、ホールカバー20の後端側に固定されている。さらに、ヨーク61の一部が、リヤハウジング32により形成される環状凹部324に収容されている。このヨーク61の内周側が、リヤハウジング32の内周円筒部321の外周面に軸受を介して回転可能に支持されている。電磁石62は、電磁コイルが巻回された円環状からなり、ヨーク61の前側面に固定されている。そして、電磁石62は、環状凹部324に配置されている。つまり、電磁石62は、リヤハウジング32の側壁323の右側に配置されている。この電磁石62は、通電により磁束を発生させる。
アーマチャ63は、磁性材料である鉄からなり、内周側にスプラインが形成された厚肉の円盤形状からなる。アーマチャ63の一方端面には、環状凹溝63a(本発明の「凹所」に相当)が形成されている。この環状凹溝63aの深さは、例えば、数mm〜十数mm程度である。さらに、環状凹溝63aの溝底面は、凹凸状または粗面に形成されている。一方、比較として、側壁323の左面は、環状凹溝63aの溝底面に比べて平面状に、即ち低い面粗度で形成されている。
さらに、この環状凹溝63aの径方向内方の壁面の直径は、側壁323の高磁気抵抗部323cの内径よりも僅かに小さく設定されている。また、環状凹溝63aの径方向外方の壁面の直径は、側壁323の高磁気抵抗部323cの外径よりも僅かに大きく設定されている。
このアーマチャ63は、メインクラッチ50の車両後側であって、リヤハウジング32の側壁323の車両前側に配置されている。このとき、アーマチャ63の環状凹溝63aがリヤハウジング32の側壁323の左面に対向するように、アーマチャ63が配置されている。このとき、環状凹溝63aは、軸方向において、高磁気抵抗部323cのうち側壁323の左側面に対向している。さらに、環状凹溝63aの一部は、軸方向において、磁性体323a、323bに対向している。
そして、アーマチャ63の内周側のスプラインは、後述するカム機構70の支持カム部材71の外周側のスプラインに嵌合している。つまり、アーマチャ63は、支持カム部材71に対して、軸方向へ移動可能であり、且つ、回転方向に規制されている。また、後述するが、支持カム部材71は、リヤハウジング32に対して相対回転可能となるように、リヤハウジング32の側壁323の左端面に支持されている。従って、アーマチャ63は、リヤハウジング32に対して軸回りに相対回転可能で、且つ、軸方向に相対移動可能に配置されている。より具体的には、電磁石62への通電時に、アーマチャ63は、側壁323に向かって吸引されるように動作する。
摩擦材64は、中央に孔を有する円盤状に形成されている。摩擦材64は、ペーパー系湿式摩擦材からなる。このペーパー系湿式摩擦材64は、例えば、木材パルプあるいはアラミド繊維等の繊維基材と、カシューダスト等の摩擦調整剤や炭酸カルシウムあるいはケイソウ土等の体質充填剤等の充填剤とを抄造して抄紙体を得る。そして、その抄紙体に熱硬化性樹脂からなる樹脂結合剤を含浸し、次いで熱成形により加熱硬化して形成したものが挙げられる。
詳細な形状としては、摩擦材64の内径は、アーマチャ63の環状凹溝63aの径方向外方の壁面の直径と同等、もしくは、当該壁面の直径より僅かに大きく設定されている。さらに、摩擦材64の内径は、側壁323の高磁気抵抗部323cの内径よりも僅かに小さく設定されている。また、摩擦材64の外径は、アーマチャ63の環状凹溝63aの径方向外方の壁面の直径と同等、もしくは、当該壁面の直径より僅かに小さく設定されている。さらに、摩擦材64の外径は、側壁323の高磁気抵抗部323cの外径よりも僅かに大きく設定されている。そして、摩擦材64の厚みは、アーマチャ63の環状凹溝63aの深さよりも大きく設定されている。
そして、摩擦材64は、リヤハウジング32の側壁323の左面とアーマチャ63の右面との間に非接着の状態で介在している。詳細には、摩擦材64は、アーマチャ63の環状凹溝63aに非接着で嵌合されることにより、環状凹溝63aに保持されている。特に、環状凹溝63aの溝底面の凹凸状または粗面に、摩擦材64が係着している。つまり、摩擦材64は、環状凹溝63aの溝底面に引っ掛かるように当接する状態となる。このとき、摩擦材64の径方向中心部は、軸方向において、高磁気抵抗部323cのうち側壁323の左側面に対向している。さらに、摩擦材64の外周側端部及び内周側端部は、軸方向において、磁性体323a、323bに対向している。
そして、アーマチャ63は、上述したように電磁石62への通電時に側壁323に向かって吸引される。つまり、アーマチャ63が側壁323に向かって吸引されることによって、摩擦材64は、側壁323の磁性体323a、323bの一部および高磁気抵抗部323cとアーマチャ63の環状凹溝63aの溝底面との間に摩擦力を発生させる。この摩擦力によって、摩擦材64は、側壁323とアーマチャ63との間で回転力を伝達する。
ここで、摩擦材64と側壁323の左面との摩擦係数は、摩擦材64とアーマチャ63の環状凹溝63aの溝底面との摩擦係数より大きく設定されている。このような摩擦係数の関係とするために、上述したように、環状凹溝63aの溝底面を凹凸状または粗面に形成し、側壁323の左面を環状凹溝63aの溝底面に比べて平面状に形成している。従って、側壁323とアーマチャ63とが相対回転する際に、摩擦材64は、アーマチャ63の環状凹溝63aと一体的に位置し、側壁323に対して摺動する関係となる。
カム機構70は、支持カム部材71と、移動カム部材72と、カムフォロアー73とから構成されている。支持カム部材71は、外周側にスプラインが形成された円盤形状からなる。この支持カム部材71の車両前側の面には、カム溝(図示せず)が形成されている。そして、支持カム部材71は、インナシャフト40の外周面に回転可能に設けられており、リヤハウジング32の側壁323の左面に回転可能に支承されている。さらに、支持カム部材71の外周側のスプラインは、アーマチャ63の内周側のスプラインに嵌合している。つまり、支持カム部材71は、アーマチャ63を軸方向へ移動可能に支持し、且つ、回転方向に規制している。
移動カム部材72は、内周側にスプラインが形成された円盤形状からなる。この移動カム部材72は、カム形成部72aと、クラッチ付勢部72bと、アーマチャ規制突起72c(本発明の「離脱防止構造」を構成する)とから構成される。
カム形成部72aは、中央に潤滑油が流通する孔を有する円盤形状からなり、車両後側の面にカム溝(図示せず)が形成されている。そして、このカム溝が支持カム部材71のカム溝に対向するように、カム形成部72aは、支持カム部材71の車両前側に位置している。
クラッチ付勢部72bは、カム形成部72aは、内周側にスプラインが形成された円盤形状からなる。クラッチ付勢部72bの外径は、フロントハウジング31の内周面にスプラインが形成される部位の最内径よりも小さくされている。このクラッチ付勢部72bの車両後面の径方向内方が、カム形成部72aの車両前面の径方向外方に一体的に結合されている。つまり、クラッチ付勢部72bは、カム形成部72aに対して、車両前側にずれて位置している。このクラッチ付勢部72bのスプラインは、インナシャフト40の外周面のスプラインに嵌合している。つまり、クラッチ付勢部72bは、インナシャフト40に対して、軸方向へ移動可能であり、且つ、回転方向に規制されている。そして、クラッチ付勢部72bの車両前側の面が、メインクラッチ50を構成するインナクラッチ板51の車両後側に対向し、インナクラッチ板51に対して車両前側に向かって付勢可能な状態となる。
アーマチャ規制突起72cは、クラッチ付勢部72bの車両後面のうち径方向外方縁から、メインクラッチ50とは反対側、即ち車両後側に向かって突出するように形成されている。このアーマチャ規制突起72cは、アーマチャ63の車両前側への軸方向移動を規制する役割を有している。具体的には、アーマチャ規制突起72cは、電磁石62に通電されていない状態において、アーマチャ63が側壁323の左面から車両前側へ最も離れた場合の側壁323とアーマチャ63の環状凹溝63aの開口部との隙間を摩擦材64の厚み未満とするように、アーマチャ63の位置を規制している。
カムフォロアー73は、ボール状からなり、支持カム部材71と移動カム部材72の互いに対向するカム溝に介在している。つまり、カムフォロアー73及びそれぞれのカム溝の作用により、支持カム部材71と移動カム部材72に相対回転が生じた際には、支持カム部材71と移動カム部材72とが軸方向に離間する方向へ移動する。支持カム部材71に対する移動カム部材72の軸方向離間量は、支持カム部材71と移動カム部材72との相対回転速度が大きいほど、大きくなる。ここで、支持カム部材71は軸方向においてリヤハウジング32に対して位置決めされている。そのため、両カム部材71、72に相対回転が生じた際には、移動カム部材72が、支持カム部材72およびリヤハウジング32に対して車両前方へ移動する。
次に、上述した構成からなる駆動力伝達装置1の動作について説明する。以下、パイロットクラッチ機構60を構成する電磁石62の電磁コイルへ電流を供給する場合と、電流を供給しない場合について説明する。
まず、電磁石62の電磁コイルへ電流を供給する場合について説明する。アウタケース30(フロントハウジング31およびリヤハウジング32)は、プロペラシャフトに連結されているのでプロペラシャフトと共に回転する。そして、パイロットクラッチ機構60には、電磁石62の電磁コイルへ電流が供給されると、電磁石62を基点としてヨーク61、リヤハウジング32の側壁323の磁性体323a、323b、アーマチャ63を循環するループ状の循環磁路が形成される。ここで、リヤハウジング32の高磁気抵抗部323cは、当該磁束の短絡を防止している。
このように、循環磁路が形成されることで、アーマチャ63が電磁石62側、すなわち側壁323に向かって吸引される。その結果、アーマチャ63は、摩擦材64を押圧して、摩擦材64が、アーマチャ63の環状凹溝63aおよび側壁323の左面との間で摩擦力を発生させる。そうすると、アウタケース30のリヤハウジング32の回転トルクが、摩擦材64およびアーマチャ63を介して、アーマチャ63に回転規制されている支持カム部材71へ伝達されて、支持カム部材71が回転する。
支持カム部材71が回転すると、支持カム部材71と移動カム部材とが相対回転するため、カムフォロアー73およびそれぞれのカム溝の作用により、支持カム部材71に対して移動カム部材72が車両前側へ移動する。そして、移動カム部材72はメインクラッチ50側へ移動するので、移動カム部材72のクラッチ付勢部72bがメインクラッチ50を車両前側へ押圧することになる。
その結果、インナクラッチ板51とアウタクラッチ板52とが相互に当接して摩擦係合状態となる。そうすると、アウタクラッチ板52に回転規制されているアウタケース30のフロントハウジング31の回転トルクが、メインクラッチ50を介して、インナクラッチ板51に回転規制されているインナシャフト40に伝達されて、インナシャフト40が回転する。そして、インナシャフト40の回転は、インナシャフト40に連結されているドライブピニオンシャフトに伝達される。
ここで、電磁石62の電磁コイルへ供給する電流量を制御することで、メインクラッチ50の各クラッチ板の摩擦係合力を制御できる。つまり、電磁石62の電磁コイルへ供給する電流量を制御することで、プロペラシャフトの回転トルクのうちドライブピニオンシャフトに伝達される回転トルクを制御できる。
次に、電磁石62の電磁コイルへ電流を供給しない場合について説明する。この場合には、パイロットクラッチ機構60に循環磁路が形成されない。従って、アーマチャ63は側壁323に吸引されない。つまり、摩擦材64とアーマチャ63の環状凹溝63a、および、摩擦材64と側壁323との間で摩擦力を発生させない。つまり、アーマチャ63に回転規制されている支持カム部材71とアウタケース30とは、相対的に回転する状態となる。
そして、インナシャフト40が回転していない状態であれば、支持カム部材71と移動カム部材72とに相対回転は生じないため、移動カム部材72は、軸方向において支持カム部材71に最も近接する位置に存在する。そのため、移動カム部材72のクラッチ付勢部72bは、メインクラッチ板50を押圧しない。その結果、インナクラッチ板51とアウタクラッチ板52とは非係合状態となるので、両者は相対的に回転する状態となる。従って、アウタクラッチ板52に回転規制されているアウタケース30と、インナクラッチ板51に回転規制されているインナシャフト40とが、相対的に回転する状態となる。つまり、プロペラシャフトの回転トルクは、ドライブピニオンシャフトに伝達されない。
ここで、電磁石62の電磁コイルへ電流を供給しない場合、移動カム部材72は、支持カム部材71に最も近接する位置に存在することになる。また、アーマチャ63は、電磁石62に吸引されないため、アーマチャ63は、側壁323の左面から車両前側へ離れる方向に移動し得る。このとき、アーマチャ63は、移動カム部材72のアーマチャ規制突起72cに当接する位置までしか、車両前側へ移動できない。
そして、この状態において、アーマチャ63の環状凹溝63aの開口部と側壁323の左面との隙間は、摩擦材64の厚み未満となるように設定されている。従って、摩擦材64がアーマチャ63の環状凹溝63aから離脱することを、防止している。
以上説明した構成からなる駆動力伝達装置によれば、パイロットクラッチ機構60において、従来のように多数のクラッチ板を備える構成としていない。この場合であっても、アウタケース30からインナシャフト40へ、所望の回転力を確実に伝達することができる。また、パイロットクラッチ機構60において多数のクラッチ板を用いていないため、低コスト化および省スペース化を図ることができる。
また、側壁323およびアーマチャ63は、磁路の磁束密度を低下する部材ではない。そのため、磁気抵抗の増大を抑制することができ、電磁コイルの通電電流を小さくすることができ、消費電力を減らすことができる。さらに、パイロットクラッチ機構60の非動作時におけるアウタケース30と支持カム部材71の相対回転時に従来のようにクラッチ板同士が摺動することがないので、引き摺りトルクを低減することができる。
また、摩擦材64は、側壁323との間、および、アーマチャ63との間で摩擦力を発生させることができるものであればよい。従って、従来のクラッチ板のように相対回転するアウタケース30や支持カム部材71などに回転規制される必要もない。そのため、摩擦材64の剛性が比較的低いものでもよい。従って、摩擦材64として、薄肉のものを適用できる。その結果、摩擦材64による磁路の磁束密度への影響が小さくできる。さらに、摩擦材64は、側壁323およびアーマチャ63に対して非接着に設けられている。摩擦材64を非接着に設けることで、製造が非常に容易になり且つ安価にできると共に、接着剤と潤滑材とが反応して互いに悪影響を及ぼす懸念もない。
また、摩擦材64は、側壁323の高磁気抵抗部323cに対して摺動する。従って、摩擦材64が高磁気抵抗部323cと摺動することで、高磁気抵抗部323cが摩耗する。一般に、高磁気抵抗部323cに用いるステンレス鋼は、磁性体323a、323bに用いる鉄よりも、摩耗しやすい材料である。そこで、本実施形態においては、摩擦材64は、高磁気抵抗部323cのみではなく、磁性体323a、323bに対して摺動するようにしている。これにより、ステンレス鋼が鉄よりも摩耗しやすいとしても、摩擦材64の一部が磁性体323a、323bと摺動することで、高磁気抵抗部323cの摩耗を抑制できる。
<第一実施形態の変形態様>
上記第一実施形態において、摩擦材64は、ペーパー系湿式摩擦材からなるとした。この他に、摩擦材64は、鉄などの金属製の薄肉の座金に、上述したペーパー系湿式摩擦材を貼着する構成としてもよい。この場合、摩擦材64を構成する座金が、アーマチャ63の環状凹溝63a側に位置するようにし、摩擦材64を構成するペーパー系湿式摩擦材が、側壁323側に位置するようにする。
<第二実施形態>
第二実施形態の駆動力伝達装置2について、図2を参照して説明する。図2は、第二実施形態の駆動力伝達装置2の軸方向断面図である。第二実施形態における駆動力伝達装置2は、第一実施形態の駆動力伝達装置1に対して、移動カム部材172がアーマチャ規制突起72cを有しない構成とした点と、スナップリング100を追加した点が相違する。他の構成は、実質的に同一であるため、図2において、第一実施形態の駆動力伝達装置1と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
第二実施形態の移動カム部材172は、カム形成部72aとクラッチ付勢部72bとから構成される。すなわち、この移動カム部材172は、第一実施形態のアーマチャ規制突起72cを有しない。
スナップリング100は、フロントハウジング31の内周面のうち、メインクラッチ50が配置される部位とアーマチャ63が配置される部位との間に固定されている。このスナップリング100の車両後側の端面は、第一実施形態における、移動カム部材72が車両後側に位置する状態におけるアーマチャ規制突起72cの車両後側の端部の位置と同一である。つまり、スナップリング100は、第一実施形態のアーマチャ規制突起72cと同一の機能を有する。すなわち、電磁石62の電磁コイルへ電流を供給しない場合、アーマチャ63は、スナップリング100に当接する位置までしか、車両前側へ移動できない。
本実施形態においても、実質的に、第一実施形態と同一の効果を奏する。
<第三実施形態>
第三実施形態の駆動力伝達装置3について、図3を参照して説明する。図3は、第三実施形態の駆動力伝達装置3の軸方向断面図である。第三実施形態における駆動力伝達装置3は、第一実施形態の駆動力伝達装置1に対して、側壁200のみ相違する。他の構成は、実質的に同一であるため、図3において、第一実施形態の駆動力伝達装置1と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
側壁200は、磁路を構成する磁性体201と、高磁気抵抗部202とから構成される。磁性体201は、側壁200の図3の右側に開口する凹所201aが形成されている。この凹所201aは、第一実施形態の磁性体323aと磁性体323bとの間に対応する位置に位置している。つまり、磁性体201は、側壁200の図3の左側において、全面に亘って存在している。換言すると、側壁200の図3の左面は、全て、磁性体201により形成されている。この磁性体201は、鉄により形成されている。
そして、高磁気抵抗部202は、磁性体201より磁気抵抗の高い領域となるように、磁性体201の凹所201aに鋳込み形成されている。つまり、高磁気抵抗部202は、磁性体201により径方向に挟んで配置された状態で、且つ、側壁200の図3の左側には露出しないように設けられている。この高磁気抵抗部202は、例えば、銅またはステンレス鋼により鋳込み形成されている。
この場合、高磁気抵抗部202は、側壁200の図3の左側に露出していないため、摩擦材64と摺動しない。従って、高磁気抵抗部202として使用される銅またはステンレス鋼が、磁性体201に使用される鉄に比べて摩耗しやすいとしても、高磁気抵抗部202が摩擦材64と摺動しない以上、摩耗の問題が生じることはない。
<第四実施形態>
第四実施形態の駆動力伝達装置4について、図4を参照して説明する。図4は、第四実施形態の駆動力伝達装置4の軸方向断面図である。第四実施形態における駆動力伝達装置4は、第一実施形態の駆動力伝達装置1に対して、アーマチャ300と摩擦材400のみ相違する。他の構成は、実質的に同一であるため、図4において、第一実施形態の駆動力伝達装置1と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
アーマチャ300は、第一実施形態のアーマチャ63に対して、環状凹溝301の形状のみ相違する。以下、相違点のみについて説明する。環状凹溝301の径方向内方の壁面の直径は、側壁323の高磁気抵抗部323cの内径とほぼ同一に設定されている。また、環状凹溝63aの径方向外方の面の直径は、側壁323の高磁気抵抗部323cの外径とほぼ同一に設定されている。
摩擦材400の内径は、アーマチャ300の環状凹溝301の径方向外方の壁面の直径と同等、もしくは、当該壁面の直径より僅かに大きく設定されている。さらに、摩擦材400の内径は、側壁323の高磁気抵抗部323cの内径と同一、もしくは、当該内径より大きく設定されている。また、摩擦材400の外径は、アーマチャ300の環状凹溝301の径方向外方の壁面と同等、もしくは、当該壁面の直径より僅かに小さく設定されている。さらに、摩擦材400の外径は、側壁323の高磁気抵抗部323cの外径と同一、もしくは、当該外径よりも僅かに小さく設定されている。この場合、アーマチャ300が側壁323に吸引された場合に、摩擦材400は、高磁気抵抗部323cに対して接触して摺動するが、磁性体323a、323bとは接触しない。
ここで、電磁石62へ通電した時の循環磁路は、電磁石62を基点としてヨーク61、リヤハウジング32の側壁323の磁性体323a、323b、アーマチャ63を循環するループ状の循環磁路が形成される。そして、高磁気抵抗部323cおよび摩擦材400は、循環磁路を形成しない。
本実施形態によれば、摩擦材400が、磁性体323a、323bに接触しない大きさとなることから、摩擦材400が、磁性体323a、323bとアーマチャ300とをつなぐ循環磁路への影響が小さくなる。これにより、循環磁路の磁束密度を高くすることができる。
<第五実施形態>
第五実施形態の駆動力伝達装置について図5および図6を参照して説明する。図5は、第五実施形態におけるアーマチャ500を示す図であって、(a)はアーマチャ500の軸方向から見た図であり、(b)は(a)のA−A断面図であり、(c)は(a)のB−B断面図である。ただし、図5において、内周側のスプラインは図示していない。図6は、第五実施形態における摩擦材600の軸方向から見た図である。ここで、第五実施形態の駆動力伝達装置は、第一実施形態の駆動力伝達装置1に対して、アーマチャ500および摩擦材600のみ相違する。他の構成は、実質的に同一であるため説明を省略する。
アーマチャ500は、第一実施形態のアーマチャ63に対して、環状凹溝501の形状のみ相違する。環状凹溝501の径方向外方の壁面は、周方向に凹凸状に形成されている。環状凹溝501の径方向内方の壁面は、円形状に形成されている。摩擦材600の外周縁は、環状凹溝501の径方向外方の壁面の凹凸状に対して周方向に係合するような凹凸状に形成されている。そして、摩擦材600は、環状凹溝501に、それぞれの凹凸状が対応するように嵌合される。
これにより、摩擦材600をアーマチャ500に対して回転規制することができる。従って、摩擦材600をアーマチャに実質的に固定的に設けることができる。
1、2、3、4:駆動力伝達装置
20:ホールカバー
30:アウタケース、 31:フロントハウジング、 32:リヤハウジング
321:内周円筒部、 322:外周円筒部
323、200:側壁、 324:環状凹部
323a、323b、201:磁性体、 323c、202:高磁気抵抗部
40:インナシャフト
50:メインクラッチ、 51:インナクラッチ板、52:アウタクラッチ板
60:パイロットクラッチ機構
61:ヨーク、 62:電磁石、 63、300、500:アーマチャ
63a、301、501:環状凹溝、 64、400、600:摩擦材
70:カム機構
71:支持カム部材、 72、172:移動カム部材、 73:カムフォロアー
72a:カム形成部、 72b:クラッチ付勢部、 72c:アーマチャ規制突起
100:スナップリング
201a:凹所

Claims (10)

  1. 軸回りに相対回転可能に設けられた二つの部材の間で回転力を伝達する電磁クラッチであって、
    前記二つの部材の一方に回転規制されて設けられ、磁路を構成する磁性体と前記磁性体により径方向に挟んで配置され前記磁性体より磁気抵抗の高い領域である高磁気抵抗部とを備える側壁と、
    前記側壁の一側に配置されて通電により磁束を発生させる電磁石と、
    前記二つの部材の他方に回転規制されて設けられ、前記側壁の他側にて前記側壁に対して前記軸方向に相対移動可能かつ前記側壁に対して前記軸回りに相対回転可能に配置されるアーマチャと、
    前記側壁と前記アーマチャとの間に非接着の状態で介在し、前記電磁石への通電時に前記アーマチャが前記側壁に向かって吸引されることによって前記側壁と前記アーマチャとの間に摩擦力を発生させ、前記摩擦力によって前記側壁と前記アーマチャとの間で回転力を伝達させる摩擦材と、
    を備え
    前記アーマチャの前記側壁に対向する面には、凹所が形成され、
    前記摩擦材は、前記凹所に嵌合されることにより前記凹所に保持され、
    前記電磁クラッチは、前記摩擦材が前記凹所から離脱することを防止する離脱防止構造をさらに備え、
    前記離脱防止構造は、前記アーマチャが前記側壁から最も離れた位置における前記側壁と前記凹所の開口部との隙間を前記摩擦材の厚み未満とするように、前記アーマチャの前記側壁に対する前記軸方向への移動を規制する構造であることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 請求項1において、
    前記アーマチャの前記凹所の底面は、凹凸状または粗面に形成され、
    前記離脱防止構造は、前記凹所の底面の前記凹凸状または粗面に前記摩擦材が係着する構造であることを特徴とする電磁クラッチ。
  3. 請求項1または2において、
    前記摩擦材と前記側壁との摩擦係数は、前記摩擦材と前記凹所の底面との摩擦係数より大きく設定されていることを特徴とする電磁クラッチ。
  4. 軸回りに相対回転可能に設けられた二つの部材の間で回転力を伝達する電磁クラッチであって、
    前記二つの部材の一方に回転規制されて設けられ、磁路を構成する磁性体と前記磁性体により径方向に挟んで配置され前記磁性体より磁気抵抗の高い領域である高磁気抵抗部とを備える側壁と、
    前記側壁の一側に配置されて通電により磁束を発生させる電磁石と、
    前記二つの部材の他方に回転規制されて設けられ、前記側壁の他側にて前記側壁に対して前記軸方向に相対移動可能かつ前記側壁に対して前記軸回りに相対回転可能に配置されるアーマチャと、
    前記側壁と前記アーマチャとの間に非接着の状態で介在し、前記電磁石への通電時に前記アーマチャが前記側壁に向かって吸引されることによって前記側壁と前記アーマチャとの間に摩擦力を発生させ、前記摩擦力によって前記側壁と前記アーマチャとの間で回転力を伝達させる摩擦材と、
    を備え
    前記アーマチャの前記側壁に対向する面には、凹所が形成され、
    前記摩擦材は、前記凹所に嵌合されることにより前記凹所に保持され、
    前記電磁クラッチは、前記摩擦材が前記凹所から離脱することを防止する離脱防止構造をさらに備え、
    前記アーマチャの前記凹所の底面は、凹凸状または粗面に形成され、
    前記離脱防止構造は、前記凹所の底面の前記凹凸状または粗面に前記摩擦材が係着する構造であることを特徴とする電磁クラッチ。
  5. 請求項4において、
    前記摩擦材と前記側壁との摩擦係数は、前記摩擦材と前記凹所の底面との摩擦係数より大きく設定されていることを特徴とする電磁クラッチ。
  6. 軸回りに相対回転可能に設けられた二つの部材の間で回転力を伝達する電磁クラッチであって、
    前記二つの部材の一方に回転規制されて設けられ、磁路を構成する磁性体と前記磁性体により径方向に挟んで配置され前記磁性体より磁気抵抗の高い領域である高磁気抵抗部とを備える側壁と、
    前記側壁の一側に配置されて通電により磁束を発生させる電磁石と、
    前記二つの部材の他方に回転規制されて設けられ、前記側壁の他側にて前記側壁に対して前記軸方向に相対移動可能かつ前記側壁に対して前記軸回りに相対回転可能に配置されるアーマチャと、
    前記側壁と前記アーマチャとの間に非接着の状態で介在し、前記電磁石への通電時に前記アーマチャが前記側壁に向かって吸引されることによって前記側壁と前記アーマチャとの間に摩擦力を発生させ、前記摩擦力によって前記側壁と前記アーマチャとの間で回転力を伝達させる摩擦材と、
    を備え
    前記アーマチャの前記側壁に対向する面には、凹所が形成され、
    前記摩擦材は、前記凹所に嵌合されることにより前記凹所に保持され、
    前記摩擦材と前記側壁との摩擦係数は、前記摩擦材と前記凹所の底面との摩擦係数より大きく設定されていることを特徴とする電磁クラッチ。
  7. 請求項3,5,6の何れか一項において、
    前記アーマチャの前記凹所の底面は、凹凸状または粗面に形成され、
    前記側壁の前記他側は、前記凹所の底面に比べて平面状に形成されることを特徴とする電磁クラッチ。
  8. 軸回りに相対回転可能に設けられた二つの部材の間で回転力を伝達する電磁クラッチであって、
    前記二つの部材の一方に回転規制されて設けられ、磁路を構成する磁性体と前記磁性体により径方向に挟んで配置され前記磁性体より磁気抵抗の高い領域である高磁気抵抗部とを備える側壁と、
    前記側壁の一側に配置されて通電により磁束を発生させる電磁石と、
    前記二つの部材の他方に回転規制されて設けられ、前記側壁の他側にて前記側壁に対して前記軸方向に相対移動可能かつ前記側壁に対して前記軸回りに相対回転可能に配置されるアーマチャと、
    前記側壁と前記アーマチャとの間に非接着の状態で介在し、前記電磁石への通電時に前記アーマチャが前記側壁に向かって吸引されることによって前記側壁と前記アーマチャとの間に摩擦力を発生させ、前記摩擦力によって前記側壁と前記アーマチャとの間で回転力を伝達させる摩擦材と、
    を備え
    前記アーマチャの前記側壁に対向する面には、凹所が形成され、
    前記摩擦材は、前記凹所に嵌合されることにより前記凹所に保持され、
    前記摩擦材の周縁は、凹凸状に形成され、
    前記アーマチャの前記凹所の壁面は、前記摩擦材の凹凸状に対して周方向に係合するように凹凸状に形成されていることを特徴とする電磁クラッチ。
  9. 請求項1〜8の何れか一項において、
    前記磁性体は、前記側壁の前記一側に開口する凹所を形成し、
    前記高磁気抵抗部は、前記磁性体の前記凹所に鋳込み形成され、前記側壁の前記他側に対して露出しないように設けられることを特徴とする電磁クラッチ。
  10. 請求項1〜8の何れか一項において、
    前記高磁気抵抗部は、前記側壁の前記他側に露出するように設けられ、
    前記摩擦材は、前記側壁の前記他側に位置する前記磁性体に対して摺動するように設けられることを特徴とする電磁クラッチ。
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