JP5266573B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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前記制御部は、前記サブフレーム期間を、前記画素マトリクスに映像信号を書き込む期間と、前記光源を点灯させる表示期間とに分割し、前記表示期間において前記データ線に映像信号とは異なる補正電圧を印加することを特徴とするものである。
コンピュータに、
1画面分の映像信号を表示するフレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割して前記表示パネルでの表示を行う機能と、前記サブフレーム期間を、前記画素マトリクスに映像信号を書き込む期間と、前記光源を点灯させる表示期間とに分割し、前記表示期間において前記データ線に映像信号とは異なる補正電圧を印加する機能とを実行させる構成として構築する。
1画面分の映像信号を表示するフレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割して前記表示パネルでの表示を行い、さらに、前記サブフレーム期間を、前記画素マトリクスに映像信号を書き込む期間と、前記光源を点灯させる表示期間とに分割し、前記表示期間において前記データ線に映像信号とは異なる補正電圧を印加する構成として構築する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の液晶表示装置の第1の実施形態に用いられる表示装置本体のTFT基板の構成を示す回路図である。
サブフレーム期間Tsf_rにおいて、ゲートドライバ回路14は、ゲート線G1〜G8に、順次画素TFT11がON状態となるパルスを出力する。データドライバ回路15はゲートドライバ回路14の出力に同期して赤(R)の映像信号をデータ線D1〜D10に出力する。
この動作により、ゲート線G1〜G8に沿った画素行毎に映像信号が順次書き込まれていく。G8に接続された最後の画素行に映像信号が書き込まれてから、ある一定の時間後の制御信号LED_Rがハイレベルとなる期間に、赤(R)の光源を点灯させ、これにより赤(R)の画像が表示される。
映像信号が書き込まれている期間には、対向電極に液晶に大きな電界がかかる電圧VCOMを印加すると共に、映像信号のVCOMに対する極性をサブフレーム単位で変化させてAC駆動を行う。すなわち、図2に示すように、対向電極電圧VCOMが正極性のときは映像信号となるデータ線信号D1〜D10を負極性に、対向電極電圧VCOMが負極性のときは映像信号となるデータ線信号D1〜D10を正極性にする。
なお、図2でのデータ線信号や対向電極電圧での点線は、各信号の極性を明らかにするために示した基準電圧レベルであり、これは以下に示す各タイミングチャートについても同様である。
また、サブフレーム期間中で映像信号を書き込んでいる期間を書き込み期間、書き込みが終了してから次のサブフレームまでの期間を表示期間とすると、この表示期間中にデータ線にある振幅を有する交番信号である補正信号を入力するようにする。この表示期間中は対向電極の電圧VCOMは一定の値とする。
図2においては、補正信号を矩形波信号であらわしているが、正弦波、三角波、台形状の波形でも差し支えない。ただし、その周波数はその液晶表示装置に用いられている液晶材料の応答速度の逆数で示される周波数と同等か、それよりも高いことを必要としている。ここでいう液晶材料の応答速度とは、液晶表示装置の透過率が10%から90%まで変化する時間と、90%から10%まで変化する時間との合計のことを指す。
同様にサブフレーム期間Tsf_bでは青(B)の画像が表示される。
これら一連の動作により、この液晶表示装置の観察者は赤(R)、緑(G)、青(B)の画像を時間的混色作用によりカラー画像として認識することができる。
各サブフレーム期間に各画素に与える前記映像信号の前記共通電極に対する極性は、サブフレーム期間ごとに変化すると共に1つのサブフレーム期間中では同一である。
図2の例では、表示期間中の対向電極の電位VCOMを一定にして映像信号のVCOMに対する極性をサブフレーム単位で変化させてAC駆動を行う例を示したが、図3に示すように表示期間中のVCOMの電位をサブフレーム単位で変化させるAC駆動方法を用いることもできる。なお、図3では、データ線信号の極性が基準電圧とそれより正の範囲にある場合を示している。
本実施形態では、表示期間において、データ線にある一定以上の周波数を有する交番信号である補正信号を入力するようにしている。一方、画素TFTのソース−ドレイン間電圧、ソース−ゲート間電圧は、画素電圧、データ線の電圧、ゲート電圧の関数である。つまり、データ線に上述の補正信号を入力することで、表示期間において画素TFTのソース−ドレイン間電圧、ソース−ゲート間電圧を映像信号に無関係に任意に設定することが可能になるのである。そのため、補正信号の電圧を調整することで、画素TFTのソース−ドレイン間電圧、ソースゲート間電圧を、画素TFTのリーク電流が均一化する電位に設定することが可能となり、フリッカを大幅に低減することができるようになる。また、補正信号をある一定以上の周波数を有する交番信号としている理由は以下の通りである。データ線と画素電極との間には、寄生容量が存在する。この寄生容量を介して、補正信号を入力したタイミングで画素電極の電圧が僅かに変動する可能性がある。ここでもし、補正電圧の周波数が液晶の応答時間の逆数で規定される周波数よりも小さい場合、この電圧変動により液晶分子が応答してしまい、画素TFTのリーク電流によるフリッカを無くしても、フリッカを低減できなくなる可能性が出てくる。しかしながら、本発明のように、補正信号を液晶分子が応答するよりも早い周波数とすることで、補正信号の電圧変化に伴う画素電極の電圧変動のスピードに液晶分子が追随できなくなり、フリッカが生じることが無くなる。上記の理由により本発明では応答速度の速い液晶材料を用いた場合でも、液晶表示装置のフリッカを大幅に低減することが可能となる。
この駆動方法における補正電圧の振幅は、液晶表示装置のフリッカを観測しながら振幅を可変させることで最適値を見出すことができる。
本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置を用いてカラー表示を行うには、表示装置本体23を駆動する制御回路22、赤(R)、緑(G)、青(B)の光源を独立に点灯制御可能なバックライト24、および映像信号31を発生させる信号源21が必要となる。
制御回路22は、信号源21からの映像信号31および同期信号32を用いて表示装置本体23を駆動するために必要となる映像信号33及び制御信号34を生成する映像信号入力手段221、表示装置本体23の表示期間にデータ線に補正電圧信号35を印加する補正電圧印加手段222、および、表示装置本体23の動作に同期してバックライト24を制御するBL制御信号35を出力する光源点灯制御手段223を備えている。
バックライト24は、制御回路22の光源点灯制御手段223からのBL制御信号36により、赤(R)、緑(G)、青(B)の光源を独立に点灯できる機能を有しており、そのような光源の一例としてLEDを用いることが可能である。
また、図示していないが制御回路22、表示装置本体23、バックライト24に電圧を供給する電源も必要となる。
液晶表示装置の動作が開始されると、ステップS101で制御回路22は、信号源21からの映像信号31および同期信号32を入力する。そうしてステップS102で、サブフレーム工程の1つに入り、この入力信号に応じたカラー表示を行う各色の内の1色に対応する映像信号を作成する。
このようにして作成した入力信号に応じた各色の内の1色に対応する映像信号33を、ステップS103で映像信号入力手段221を用いてデータ線を介して画素に書き込む(書き込み工程)。この書き込みが終了した後、ステップS104で所定の待ち時間を取り、ステップS105で光源点灯制御手段223を用いて対応する色の光源を点灯させる(表示工程)。
このステップS105の表示工程の動作と併行して、ステップS106で補正電圧印加手段222がデータ線を介して画素に映像信号とは異なる補正電圧信号を印加する(補正電圧印加工程)。このステップS102からステップS106までの一連の動作は1サブフレーム工程に当たる。
このサブフレーム工程が終了すると、ステップS107で全色についてサブフレーム工程が終了したかどうかを判定し、全色について終了していない場合は、ステップS102に戻って次の色のサブフレーム工程を実行する。目標とする全色についてサブフレーム工程が終了すると、ステップS101に戻って次の入力信号を入力する。
ここで示したステップS101からステップS107までの一連の動作は1フレーム工程に当たる。この1フレーム工程によって1フレーム分のカラー画像が表示される。
そうして、このフレーム工程を繰り返して映像を表示する。
図6は、本発明の第2の実施形態の駆動方法を示すタイミングチャートである。
液晶表示装置の構成は図1で示したものと同じである。
この駆動方法が、図2に示した駆動方法と異なる点は、対向電極電位VCOMの変化のさせ方である。
図2に示した第1の実施形態の方法では、映像信号を液晶表示装置に書き込んでいる期間に、液晶に大きな電界がかかる電圧を対向電極に印加するようにしていたが、図6に示す第2の実施形態の駆動方法では、映像信号の書き込みが終了した後、光源を点灯するまでの短い間に、対向電極に液晶に大きな電界がかかるような電圧を印加している。書き込みが終了した後の表示期間でデータ線にある一定以上の周波数を有する補正信号を印加する点は、図2で示した駆動方法と同じである。
この第2の実施形態の駆動方法では、液晶表示装置の各画素に映像信号が書き込まれる時間の違いによる面内の輝度むらを、映像信号が全画素に書き込まれた後に対向電極の電位を、表示状態において液晶に印加される最大電圧よりも大きな電界が液晶にかかるような電圧にすることで、全ての画素の液晶分子の応答時間をそろえることによって解消している。
第1の実施形態の図2に示した駆動方法では、液晶表示装置に映像信号を書き込んでいる際に、対向電極に表示状態と異なる電圧を印加している。そのため、映像信号の書き込み時に画素に書き込まれた電圧と表示状態での画素の電圧との間で違いが生じる。これは、対向電極の電位が変化することで、画素電極と蓄積容量電極、及びその他の寄生容量との間で電荷の再配分が起こり、画素電圧が変動するためである。
ここで問題となるのは、寄生容量や蓄積容量がTFT基板の製作プロセスの過程である程度のばらつきを生じていて、それが液晶表示装置の内面でばらつくと表示むらを発生させるからである。
図4に示した方法では、映像信号書き込み時と表示時とで対向電極の電位が同じであるため、容量にばらつきが発生していても表示むらを発生させることはない。しかし、この方法では映像信号の書き込み後に対向電極の電圧を変化させる期間を設けなければならないため、BLの光源を点灯できる期間が短くなり、その分、輝度の低下が生まれるという欠点も有している。
この駆動方法における補正電圧の振幅は、液晶表示装置のフリッカを観測しながら振幅を可変させることで最適値を見出すことができる。
図7は、本発明の第3の実施形態の駆動方法を示すタイミングチャートである。
表示装置本体の構成は図1で示したものと同じである。
この第3の実施形態の駆動方法が、図2に示した第1の実施の形態の駆動方法と異なる点は、対向電極電位VCOMをまったく変化させないことである。図2に示した第1の実施の形態の駆動方法では、映像信号を液晶表示装置に書き込んでいる期間に、液晶に大きな電界がかかる電圧を対向電極に印加させていたが、図7に示す第3の実施形態の駆動方法では、対向電極電位VCOMを映像信号を書き込む期間、表示期間共にまったく変化させない。書き込みが終了した後の表示期間でデータ線にある一定以上の周波数を有する補正信号を印加する点は、図2で示した駆動方法と同じである。
この第3の実施形態の駆動方法では、次のような効果が得られる。図2に示した第1の実施の形態の駆動方法では、液晶表示装置に映像信号を書き込んでいる際に、対向電極に表示状態と異なる電圧を印加している。そのため、映像信号の書き込み時に画素に書き込まれた電圧と表示状態での画素の電圧との間で違いが生じる。これは、対向電極の電位が変化することで、画素電極と蓄積容量電極、及びその他の寄生容量との間で電荷の再配分が起こり、画素電圧が変動するためである。
ここで問題となるのは、寄生容量や蓄積容量がTFT基板の製作プロセスの過程である程度のばらつきを生じていて、それが液晶表示装置の内面でばらつくと表示むらを発生させることである。
図7に示した第3の実施形態の駆動方法では、映像信号書き込み時と表示時とで対向電極の電位が同じであるため、容量にばらつきが発生していても表示むらを発生させることはない。しかし、この駆動方法では、液晶表示装置の各画素に映像信号が書き込まれる時間の違いによる面内の輝度むらが生じないほど応答速度の速い液晶材料を用いる必要がある。その応答速度は、少なくとも1ms以下であることが求められる。
この駆動方法における補正電圧の振幅は、液晶表示装置のフリッカを観測しながら振幅を可変させることで最適値を見出すことができる。
図8は、本発明の第4の実施形態の駆動方法を示すタイミングチャートである。
液晶表示装置の構成は図1で示したものと同じである。
この第4の実施形態の駆動方法が、図2に示した第1の実施の形態の駆動方法と異なる点は、液晶表示装置の全画素に対して映像信号の書き込みが終了した後の表示期間において、データ線に印加する補正信号の中心電圧を映像信号の対向電極に対する極性に応じて変化させている点である。すなわち、図8に示すようにデータ線信号が正極性のときは補正信号の中心電圧を負側に、データ線信号が負極性のときは補正信号の中心電圧(オフセット)を正側に振っている。
第1の実施形態の図2に示した駆動方法では、映像信号の対向電極に対する極性にかかわらずデータ線に同じ補正信号を印加していた。しかしこの方法では、映像信号の対向電極に対する極性の違いによって画素電圧変動の差を完全に補正できない場合がある。すでに説明したとおり、画素電圧の変動は画素TFTのリーク電流の大きさがソース−ドレイン間電圧、ソース−ゲート間電圧に依存するために生じる。この依存性が大きいと、図2に示した第1の実施形態の駆動方法では画素電圧変動の差を均一化することはできない。そのためフリッカを充分に低減できなくなる。
本第4の実施形態では、補正信号を映像信号の対向電極に対する極性に応じて変化させているため、画素電圧の差をより均一化することが可能になり、フリッカを充分に低減させることができる。補正電圧の変化の方法としては、振幅を変える方法、振幅の中心値であるオフセットを変える方法、周波数を変える方法などがある。
図9は、本発明の第5の実施形態である表示装置本体の一画素のレイアウトを示したものであり、図10は図7中のA−A´で示した部分の断面構造を示したものである。
本発明の液晶表示装置では、データ線18と画素電極44との間に、絶縁膜で分離された導電膜からなるシールド電極45が設けられている。すなわち、シールド電極45は、データ線18と画素電極44とに対して電気的に絶縁されている。このシールド電極45は、Al、Crなどの金属、有機導電膜、透明電極など導電性を有する膜であれば良い。図10では、TFT基板46と、各画素に共通の対向電極(共通電極)41が設けられた対向基板40とが対向配置され、その間に液晶43を充填した構成である。ここでTFT基板46と対向基板40の表面には各々液晶分子を配向させる配向膜42が配置されている。
また、図示していないが、導電膜は他の導電層に電気的に接続され、外部から電圧を印加できる構成になっている。
図11は、本第5の実施形態の液晶表示装置の駆動方法を示したタイミングチャートである。図中、記号VSHDで示された電圧波形は、上記シールド電極に印加させる電圧を示したもので、この例では一定の定電圧が印加されている。その他の信号の駆動方法は図2に示した第1の実施形態のそれと同じである。
フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置では、液晶の応答速度が速いほど光の利用効率が向上して輝度が上がる。そのため、他の方式の液晶表示装置に比べて応答速度の速い液晶材料が用いられる。
一方、液晶表示装置の全画素に対向電極に対する極性が等しい電圧を印加する駆動方法では、画素TFTのリーク電流に起因するフリッカの発生が大きな問題になることはすでに述べたとおりで、それに対する対策についても上述した。しかしながら、液晶材料の応答速度が極めて速くなると、次のような問題が新たに生まれる。それは、データ線と画素電極との容量結合による画素電圧の微小な電位変動にも液晶が応答してしまい、フリッカの原因になるという問題である。
このメカニズムによるフリッカは、映像信号の書き込み周波数、補正信号の周波数を充分高めることで対処することができるが、実際には、周波数を高め速度を速めると、映像信号の書き込みが不十分になったり、周波数の高い映像信号、補正信号を生成するために消費電力が増大するといった問題が生じる。
本第5の実施形態では、データ線と画素電極との間にシールド電極を配置することで、データ線と画素電極との間の結合容量を小さくして、画素電圧の変動を大幅に低減させることが可能になり、フリッカを大幅に低減させることができる。
図9に示した例では、シールド電極45をデータ線18と画素電極44との間に配置したが、ゲート線17と画素電極44との間に配置しても良い。この場合、ゲート線17の電位変動による画素電圧の変動も低減することができる。
また、このようなシールド電極を配置した構成の液晶表示装置と、上述した第1乃至第4の実施形態のいずれかの駆動方法と組み合わせても良い。
図12は、本発明の第6の実施形態の駆動方法を示すタイミングチャートである。
液晶表示装置の構成には、図7で示したデータ線と画素電極の間にシールド電極を配置した第5の実施形態と同じものを用いる。
図12に示した第6の実施形態の駆動方法が、図11に示した第5の実施形態の駆動方法と異なる点は、シールド電極に印加する電圧をサブフレームごとに変化させていることである。シールド電圧の印加方法以外は、第1乃至第4の実施形態で示した駆動方法のいずれかと同じであっても良い。
本第6の実施形態によると、次のような効果が得られる。
シールド電極と画素電極とは容量結合を持つ。そのため、シールド電極の電位を変動させると、画素電極の電位を変動させることが可能になる。したがって、データ線に印加する補正信号や、データ線と画素電極との間にシールド電極を配置しただけでは解消できないフリッカが生じた場合でも、サブフレーム単位でシールド電極の電位を変化させることで画素電位の変動量を制御し、フリッカを低減することが可能になる。
このシールド電位の最適値は、液晶表示装置のフリッカを観測しながら電位を可変して見出すことが可能になる。
図13は、本発明の第7の実施形態の駆動方法を示すタイミングチャートである。
液晶表示装置の構成には、図9で示したデータ線と画素電極の間にシールド電極を配置した第5の実施形態と同じものを用いる。
図13に示した第7の実施形態の駆動方法が、図12に示した第6の実施形態の駆動方法と異なる点は、シールド電極に印加する電圧をサブフレームごとに変化させ、さらに、液晶表示装置に映像信号を書き込んでいる期間とそれ以外の期間とで、シールド電極に印加する電圧を変化させていることである。
シールド電圧の印加方法以外は、第1乃至第4の実施形態で示した駆動方法のいずれかと同じであっても良い。
本第7の実施形態によると、次のような効果が得られる。
シールド電極と画素電極とは容量結合を持つ。そのため、シールド電極の電位を変動させると、画素電極の電位を変動させることが可能になる。したがって、データ線に印加する補正信号や、データ線と画素電極との間にシールド電極を配置しただけでは解消できないフリッカが生じた場合でも、サブフレーム単位及び書込み期間と表示期間とでシールド電極の電位を変化させることで画素電位の変動量をより詳細に制御することができ、結果としてフリッカを低減することが可能になる。
このシールド電位の最適値は、液晶表示装置のフリッカを観測しながら電位を可変して見出すことが可能になる。
図14は、本発明の液晶表示装置の第8の実施形態の駆動方法を示したタイミングチャートである。
この駆動方法では1フレーム期間Tfを4つのサブフレーム期間Tsf_r、Tsf_g1、Tsf_b、Tsf_g2に分割している。各フレーム期間での動作は図2に示した第1の実施形態の動作とほぼ同様である。Tsf_r、Tsf_bはそれぞれ赤(R)の画像と青(B)の画像を表示させ、Tsf_g1とTsf_g2は共に緑(G)の画像を表示する。
一方、光源にLEDを用いた場合、LEDに流す電流を大きくしていくと発光効率が低下するという問題がある。そのためGのLEDの数を他の色よりも多くするか、GのLEDをR、Bに比べて大きな電流で駆動する必要があった。しかしながら、1フレームにGを2回表示させると、1回当りに必要となる輝度を小さくすることができ、電流も小さくすることが出来る。その結果、発光効率を低下させずに動作させることが可能になるため、同じ電力でバックライトを駆動しても明るい画像を得ることができる。
同様の理由で、1フレームを5つのサブフレームに分割してG、Rを2回表示させる駆動方法でも画面をより明るくすることが可能になる。
また、この駆動方法では、図7に示した第5の実施形態のデータ線と画素電極の間にシールド電極を配置した液晶表示装置の構成を用いることができ、各サブフレーム期間での駆動方法は他の実施形態の駆動方法のいずれであっても差し支えない。
図15は、上述した本発明の液晶表示装置の各実施の形態を用いた液晶プロジェクタの構成例を示したものである。
この液晶プロジェクタは、光源用ランプ51、色分離ミラー52、複数のミラー53、2つのカラーホイール54、55、G用液晶表示装置56、R、B用液晶表示装置57、合成プリズム58、投射レンズ59で構成される。
色分離ミラー52は、緑の波長域の光のみを透過し、それ以外の波長域の光を反射する機能を有するものであるが、必ずしも1枚のミラーで構成される必要は無く、複数の色分離ミラーとミラー、あるいは色フィルターとミラーで構成しても良い。
G用カラーホイール54のGフィルタ64は、緑以外の波長域の光を透過するものを用いても良い。
合成プリズム58は、複数のプリズムを組み合わせた構造で、2面から入射された光を合成し別の面から出力する機能を有している。この合成プリズム58の代わりに同等の機能を有する光学系を用いても良い。
光源用ランプ51から出射された白色光が、色分離ミラー52により緑の領域の光と、それ以外の波長域の光に分離される。緑の領域のG光は、G用カラーホイール54及び途中ミラー53等を介してG用液晶表示装置56に照射され、その透過光が合成プリズム58に入射される。
緑の領域以外の光は、途中ミラー53等を介してR、B用カラーホイール55に入射され、その透過光がR、B用液晶表示装置57に照射される。R、B用液晶表示装置57の透過光は合成プリズム58に入射され、G用液晶表示装置56の透過光と合成されて、投射レンズ59を通してスクリーンに拡大投射される。
まず、R、B用液晶表示装置57の動作について図18に沿って説明する。R、B用液晶表示装置57では、1フレーム期間を2つのサブフレーム期間Tsf_r、Tsf_bに分割している。
サブフレーム期間Tsf_rでは、ゲートドライバ回路がゲート線G1〜G8に順次画素TFTがON状態となるパルスを出力する。データドライバ回路はゲートドライバ回路の出力に同期してRの映像信号をデータ線に出力する。この動作により、ゲート線に沿った画素行毎に映像信号が順次書き込まれていく。最後の画素行であるG8に接続された画素行に映像信号が書き込まれてからある一定の時間後に、制御信号LMP_Rがハイレベルとなる期間に、カラーホイール55のRフィルタ62が、ミラー53とR、B用液晶表示装置57とを結ぶ光路に来るように回転を制御することで、赤の波長域の光が液晶表示装置57に照射される。この透過光であるR画像が合成プリズム58、投射レンズ59を通してスクリーンに投射される。
このBの画像も、合成プリズム58、投射レンズ59を通してスクリーンに投射される。
ある規則の一例として、入力信号の精度を、本来液晶表示装置56で表現できる精度の2倍にして、液晶表示装置56の最小分解能以下の輝度を表示させる場合には、どちらか一方のサブフレーム期間のみ表示させない様にすることで表現できるようにする駆動方法が考えられる。
R、Bの画像を投射するタイミングとGの画像を投射するタイミングは、まったく同じでも良く、ずれていても問題は無い。R、B用液晶表示装置、G用液晶表示装置の対向電極電位VCOM、シールド電極電位VSHDは、共にある一定の電位としているが、液晶表示装置の断面構造と合わせて上述した第7乃至第11の実施形態で示してきた何れの方法を用いても良い。
本第9の実施形態によって、液晶プロジェクタ装置の小型化、低コスト化が実現できる。その理由は、3つの液晶表示装置が必要であったところを2つの液晶表示装置でプロジェクタを構成することが可能となるためである。
図20は、図15で示した液晶プロジェクタ装置のG用液晶表示装置の別の駆動方法を示したタイミングチャートである。ここで示した駆動方法では、G用液晶表示装置は、1フレーム期間に1回だけGの画像の表示を行う。また、緑(G)の波長域の光が1フレーム期間常に液晶表示装置に照射されている。そのため、図15で示した液晶プロジェクタの構成の中で、G用カラーホイールを設ける必要がない。
本第10の実施形態の液晶プロジェクタでは、3つの液晶表示装置が必要であったところを2つの液晶プロジェクタで構成できるため、および、G用カラーホイールが必要ないため、装置を小型、低コストで実現することができる。
図21は、本発明の第11の実施形態であって、本発明の液晶表示装置を用いて構成された3次元画像を表示させる3次元ディスプレイのブロック図を示している。
このディスプレイは、左右に独立して点灯期間を制御できるバックライト75、表示装置本体72、レンズアレイ71、左右の光源73、74及び図示しない液晶表示装置、バックライトを駆動する制御回路、電源で構成される。
バックライト(照明装置)75は、左右に配置された2つの光源73、光源74のどちらを点灯させるかによって、出て来る光の投射角度が異なる。
液晶表示装置の構成および構造として、上述した本発明の第1乃至第5の実施形態のうちの何れを用いても差し支えない。また、用いる液晶材料は高速に動作可能な材料を用いる。
本液晶表示装置では、このフレーム期間Tfを2つのサブフレーム期間Trs、Tlsに分割する。Trsでは右目に到達する画像を表示させるサブフレーム期間であり、Tlsは左目に到達する画像を表示させるサブフレーム期間である。
各サブフレームはさらに3つの期間に分割される。
サブフレームTrsはTrs_r、Trs_g、Trs_bに分割され、サブフレームTlsはTls_r、Tls_g、Tls_bに分割される。
個々の期間Trs_r、Trs_g、Trs_b、Tls_r、Tls_g、Tls_bでの動作は第1乃至第8の実施の形態で示した何れか1つの方法で動作させれば良く、これにより3次元画像を表示させることが出来る。
図中、R_LED_Rは右の光源による赤の波長域の光を発光する光源の点灯期間を示しており、同様にR_LED_G、R_LED_Bはそれぞれ右の光源による緑、青の波長域の光を発光する光源の点灯期間を、L_LED_R、L_LED_G、L_LED_Bはそれぞれ左の光源による赤、緑、青の波長域の光を発光する光源の点灯期間を示している。
図26は、図21で示した3次元表示ディスプレイに用いられる別の液晶表示装置の構成を示したものである。この液晶表示装置は図27に示すように、各画素をR、G、B3つの副画素に分割している。そのため、バックライトの左右の光源は白色の光を発光する光源を用いる。
右の光源の点灯期間はR_BLのハイレベルの期間で表され、右目用の画像の書き込みが終了してある一定の時間後に点灯が開始される。同様に左の光源の点灯期間はL_BLのハイレベルで表されている。
液晶表示装置の構成および構造として、上述した本発明の第1乃至第5の実施形態のうちの何れを用いても差し支えない。また、補正電圧、対向電極電位VCOM、シールド電極VSHD、映像信号電位は構造に合わせ、さきに述べた第1から第8の実施形態で示した何れの方法で動作させても良い。また液晶材料は応答速度が速い材料を用いる。
本発明の実施形態では、明るく、フリッカの少ないカラーの3次元画像を表示させることが可能となる。その理由は、本発明の実施形態で用いる液晶表示装置では右目用の画像と左目用の画像を表示させるために画素を分割する必要が無い。そのため、同じ表示面積の液晶表示装置を作製した場合、光を透過させる開口率を大きくすることが可能となり、明るい画像を得ることが出来る。また、フリッカが少なくなる理由は、さきに第1から第8の実施形態の各々について述べたと同様である。
図29は、本発明の第13の実施形態である表示装置本体の一画素のレイアウトを示したものであり、図30は図29中のB−B´で示した部分の断面構造を示したものである。
本発明の液晶表示装置は、縦横に配置されたデータ線208とゲート線207の交点近傍に、少なくともスイッチング素子と画素電極204とを有する画素がマトリクス状に配置された画素マトリクスが配置された第1の基板306と、第1の基板と液晶層303を挟んで対向配置される第2の基板300とで構成される。第1の基板306及び第2の基板300と液晶層303との間には、液晶分子を配向させる配向膜302がそれぞれ配置されている。
本発明の液晶表示装置の構造例を示すために、第1の基板の作製プロセスについて、その途中過程のレイアウトを示した図31を用い説明する。
まず、ガラスや石英、プラスチックなどの透明基板上にSiO2やSiNなどの絶縁膜を成膜して、その上にTFTとなる半導体層200を成膜、パターニングする。この半導体層は必要に応じてアニール、不純物ドープ、水素化、活性化などの処理が、個々に最適なプロセスステップの中でなされる。半導体層の上部には、SiO2などによる薄い絶縁膜を挟んでゲート金属層が成膜され、パターニングされる。このパターニングにより画素TFT201、蓄積容量202、蓄積容量線206、ゲート線207が形成される。ゲート線207に用いる金属は、プロセスの最高温度により使用できる材料が異なるが、WSi、Mo、Cr、Alなどを用いることができる。その後、SiO2などの絶縁膜を成膜し、必要箇所にデータ線金属と半導体層、ゲート金属との電気的な接続をとるコンタクトホール209が形成される。図31は、コンタクトホール形成後のレイアウト例を示したものである。
その後、データ線208を構成する金属層が成膜、パターニングされる。この金属層にはAlなどの低抵抗金属を用いるのが望ましい。データ線208の上にはSiO2、SiNなどの無機絶縁膜や、アクリル樹脂などの有機絶縁膜を単層または複数層成膜される。その後、画素電極204及び共通電極212となる透明導電膜が成膜、パターニングされる。図32は、透明導電膜のレイアウトを示したものである。この透明導電膜は図29に示されたコンタクトホール210、及び211を介して、半導体層及びゲート金属層に電気的に接続される。この例では、画素電極204がコンタクトホール210を介して半導体層に、共通電極212がコンタクトホール211を介してゲート金属で形成された蓄積容量線206に電気的に接続された例を示している。もちろんこれら接続は、複数のコンタクトホールを介して異なる金属層を仲介して行われても問題ない。また上記例として上げた絶縁膜の材料、金属膜の材料は本発明の本質とは関係が無く、別の材料を用いても良い。
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、実施形態1から4で示した何れの方法であっても良い。
フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置では、液晶の応答速度が速いほど光の利用効率が向上して輝度が上がる。そのため、他の方式の液晶表示装置に比べて応答速度の速い液晶材料が用いられる。
この効果が得られる理由は、実施形態1から4で説明した理由と同じである。
さらに本第13の実施形態では、視野角特性を広げるという効果が得られる。
この効果が得られる理由は、液晶分子が第1の基板表面に平行な面で変形し、液晶層の厚さ方向に対して変形しないためである。そのため、観察者が液晶表示装置をその基板の法線から傾いた方向から観察した場合でも、液晶分子のダイレクターの見かけ上の角度が変わることが無い。よって、観察する角度に応じてコントラストが大幅に変化することが無いからである。
これにより、高速に応答する液晶材料を用いてもフリッカを少なくて、表示輝度を明るくするという命題をコンピュータによって解決することができる。
そのため、サブフレームごとに生じていた画素電極の電位変動に伴う輝度変化を均一化させることが可能となり、フリッカを大幅に低減することが可能となる。
17 ゲート線
18 データ線
22 制御部
23 表示装置本体
24 光源(バックライト)
41 対向電極(共通電極)
43 液晶
44 画素電極
45 シールド電極(シールド電極層)
221 映像信号入力手段
222 補正電圧印加手段
223 光源点灯制御手段
Claims (9)
- 縦横に配置されたデータ線とゲート線の交点近傍に、少なくともスイッチング素子と画素電極とを有する画素がマトリクス状に配置された第1の基板と、前記第1の基板と液晶層を挟んで対向配置される第2の基板とを含む表示パネルと、
前記表示パネルに光を照射する光源と、
1画面分の映像信号を表示するフレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割して前記表示パネルでの表示を行う制御部とを有し、
前記第2の基板には、前記第1の基板の各画素電極と液晶層を挟んで対向配置される対向電極が配置されており、
前記制御部は、前記サブフレーム期間を、前記画素マトリクスに映像信号を書き込む期間と、前記光源を点灯させる表示期間とに分割し、前記表示期間において前記データ線に映像信号とは異なる補正信号を印加し、
前記サブフレーム期間毎に、全ての前記画素に書き込まれる前記映像信号の前記対向電極に対する極性が等しく、
前記補正信号は、前記液晶層に充填される液晶材料の応答速度の逆数で示される周波数と同等か、それよりも高い周波数を有する交番信号であり、
前記制御部は、映像信号の前記対向電極に対する極性毎に異なる前記補正信号を印加することを特徴とする液晶表示装置。 - 縦横に配置されたデータ線とゲート線の交点近傍に、少なくともスイッチング素子と画素電極とを有する画素がマトリクス状に配置された第1の基板と、前記第1の基板と液晶層を挟んで対向配置される第2の基板とを含む表示パネルと、
前記表示パネルに光を照射する光源と、
1画面分の映像信号を表示するフレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割して前記表示パネルでの表示を行う制御部とを有し、
前記第1の基板において、前記各画素には共通電極が配置されており、
前記制御部は、前記サブフレーム期間を、前記画素マトリクスに映像信号を書き込む期間と、前記光源を点灯させる表示期間とに分割し、前記表示期間において前記データ線に映像信号とは異なる補正信号を印加し、
前記サブフレーム期間毎に、全ての前記画素に書き込まれる前記映像信号の前記共通電極に対する極性が等しく、
前記補正信号は、前記液晶層に充填される液晶材料の応答速度の逆数で示される周波数と同等か、それよりも高い周波数を有する交番信号であり、
前記制御部は、映像信号の前記共通電極に対する極性毎に異なる前記補正信号を印加することを特徴とする液晶表示装置。 - 前記画素電極と前記データ線との間に、絶縁膜で分離された導電層が配置され、
前記制御部は、前記導電層への電圧制御を行う請求項1又は2に記載の液晶表示装置。 - 前記制御部は、前記サブフレーム期間毎に前記導電層に印加される電圧波形を異ならせる請求項3記載の液晶表示装置。
- 前記画素電極と前記データ線との間に、絶縁膜で分離された導電層が配置され、
前記制御部は、映像信号の前記対向電極に対する極性毎に異なる電圧を前記導電層に印加する請求項1に記載の液晶表示装置。 - 前記制御部は、前記サブフレーム期間毎に異なる色の前記光源を点灯させ、前記光源の色に応じたカラー画像の表示制御を行う請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記制御部による制御の下で前記表示パネルに2つの異なる方向に指向性の高い光を照射する照明装置を含む請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
- 前記照明装置は、前記2つの異なる方向に照射した光の一方を第一の観察位置に前記画素を透過して照射し、もう一方の方向に照射した光を第二の観察位置に前記画素を透過して照射し、
前記制御部は、前記2つの異なる方向に照射される光を連続する2つのサブフレーム期間毎に交互に照射する指令を前記照明装置に出力することで、前記照射される光の方向に応じて、第一の観察位置用の画像、或いは第二の観察位置用の画像を表示する請求項7に記載の液晶表示装置。 - 前記照明装置は、前記2つの異なる方向に照射した光の一方を観察者の右目に、前記画素を透過して照射し、もう一方の方向に照射した光を、前記観察者の左目に前記画素を透過して照射し、
前記制御部は、前記2つの異なる方向に照射される光を連続する2つのサブフレーム期間毎に交互に照射する指令を前記照明装置に出力することで、前記照射される光の方向に応じて、右目用の画像、あるいは左目用の画像を表示する請求項7に記載の液晶表示装置。
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