JP5266358B2 - 持針器 - Google Patents

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Description

本発明は、円弧状の針を使用して組織を縫合する手術に用いられる持針器に関するものであり、特に内視鏡下手術に適した持針器に関するものである。
外科的な手術で組織を縫合する際、一般的には図12(a)に例示される持針器100が使用される。この持針器100は、一端に把持部102が設けられると共に他端にハンドル部103が設けられた一対のシャフト101を、鋏のごとく軸105周りに回動可能に枢着したものであり、ハンドル部103の開閉操作によって一対の把持部102が開閉する。これにより、一対の把持部102の互いに対面する把持面104間で、針を挟持することができる。このような持針器100で円弧状の針を把持して組織を縫合する際は、図12(b)に示すように、針97の一端を組織98に突き刺した状態から、図12(c)に示すように、シャフトの軸方向Sを縫合対象の組織98に対して傾けることにより、針97の向きを変えて組織98を貫通させる。
ところで、内視鏡下手術では、ダイレータやトロッカーにより誘導されたカニューラ内に、細長い柄付きの器具や内視鏡を挿入して手術を行う。例えば、図14に例示するように、一般的な内視鏡下手術用の把持鉗子110は、細長いシャフト111の先端に一対の顎部112が設けられており、基端側のハンドル113を操作することにより、一対の顎部112を開閉させることができる。このような内視鏡下手術用の器具は、細長い筒状のカニューラ95内に挿入された状態で使用されるが故に、必然的にその動きが制限される。具体的には、把持鉗子110における顎部112の動きに例示される器具固有の動きを除けば、器具に許容される動きは、シャフト111の軸心まわりの回転運動(図示、R方向)、及び、シャフト111の軸方向に沿った直線運動(前進・後退運動、図示Z方向)に、ほぼ制限される。
そのため、把持鉗子のような内視鏡下手術用の器具で針を把持して内視鏡下で組織の縫合を行う場合、図12(b)及び図12(c)を用いて説明した持針器100の使用方法とは異なり、シャフトを軸方向に傾けることはできない。そのため、内視鏡下手術用の従来の器具では、組織の縫合を行うことができない場合があった。例えば、腰椎内視鏡手術においては、付随的に硬膜損傷が生じることが少なくない。硬膜は繊維方向に裂けるように損傷するため、図14に示すように、カニューラ95の軸方向(シャフト111の軸方向)に交差する方向(図示、矢印X)に、硬膜損傷99が発生する。
このような方向に発生した傷を、円弧状の針で縫合するためには、図13(a)に示すように、先端が組織98の内部に向かうように針97を傾け、針97の端部を組織に突き刺した後、図13(b)に示すように、針97を周方向に回動させ、針97の先端を組織98の表面より外側に出す必要がある。なお、図13(b)では、針97が円弧の中心点Cまわりに周方向に回動する様子を図示しているが、実際の縫合手術では、針を周方向に回動させるに当たり、正確に円弧の中心点まわりに回動させることまでは要請されない。本明細書では、針が回動する前と後とで、円弧の中心点が多少ずれている場合を含めて、「円弧状の針が周方向に回動する」と表現している。
しかしながら、従来の把持鉗子では、図13(a)のように、先端が組織98の内部に向かうように針97を把持したとしても、細長いカニューラに挿通された状態では、把持鉗子のシャフトの軸方向S1を傾けることができないため、針97を周方向に回動させることができない。そのため、現状では、上述のように針97を周方向に回動させなくては縫合できない方向に傷が発生した場合、内視鏡下手術を中止して体表を大きく切開し、直視または顕微鏡下で縫合を行っている。
ここで、円弧状の針を傾けることを意図した持針器として、図15に示すように、一対の持針片121を鋏状に組み付けた持針器であって、それぞれの持針片121の先端に、垂直な把持面124を有する把持部125が回転自在に取り付けられたものが提案されている(特許文献1参照)。この持針器は、一対の把持部122がそれぞれ、自身の軸心125まわりに回転することによって針97を傾けるものである。そのため、円弧状の針97を周方向に回転させることはできない。なお、図15(a)及び図15(b)は一対の把持部122を軸心125まわりに回転させる前の図であり、図15(c)及び図15(d)は一対の把持部122を軸心125まわりに回転させた後の図である。
加えて、内視鏡下手術用の器具は、小径のカニューラに挿入するために小型でなければならないところ、特許文献1の持針器は、それぞれ軸125周りに回転自在な一対の把持部122を先端に備えるという複雑な構成であるため、小型化が困難である。
そこで、本発明は上記の実情に鑑み、簡易な構成で、本体を軸方向に傾けることなく、把持した円弧状の針を周方向に回動させることが可能な持針器の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる持針器は、「円弧状の針を把持する持針器であって、先端に第一把持体が設けられた第一シャフトと、先端に第二把持体が設けられており、前記第一シャフトに対して相対的に軸方向にスライドする第二シャフトとを具備し、前記第一把持体及び前記第二把持体は、それぞれ少なくとも対向する側で、連続的に湾曲した凸形状を有すると共に、前記第一シャフトに対する前記第二シャフトの相対的なスライドにより当接するものであり、前記第一把持体及び前記第二把持体が当接した状態から、更に前記第二シャフトが前記第一シャフトに対して相対的にスライドするのに伴い、前記第一シャフト及び前記第二シャフトが離隔しつつ前記第一把持体及び前記第二把持体の当接が維持される当接維持構造を備える」ものである。
第二シャフトが「第一シャフトに対して相対的に軸方向にスライドする」態様としては、動かない第一シャフトに対して第二シャフトがスライドする態様、動かない第二シャフトに対して第一シャフトがスライドする態様、或いは、第一シャフト及び第二シャフトが共に相反する方向にスライドする態様とすることができる。なお、「第一シャフト」及び「第二シャフト」は共に長棒状の部材であり、断面形状は特に限定されるものではない。
第一把持体及び第二把持体は、「少なくとも対向する側で」連続的に湾曲した凸形状を有しているものであれば良く、全周にわたって連続的に湾曲した凸形状を有するものとすることもできる。ここで、「連続的に湾曲した凸形状」とは、凹状となる部分を介することなく全体的に凸状に湾曲している形状を指し、断面形状として、円、円弧、楕円、楕円弧、紡錘形状、双曲線形状を例示することができる。
上記構成の持針器では、第一把持体及び第二把持体が持針器の軸方向に離隔している状態から、両者が近付く方向に、第二シャフトを第一シャフトに対して相対的にスライドさせて行くと、第一把持体及び第二把持体が当接する。この状態から、第一シャフトに対する第二シャフトの相対的なスライドを更に進めて行くと、当接維持構造によって、第一シャフト及び第二シャフトは離隔しつつ第一把持体及び第二把持体が当接する状態が維持される。
ここで、第一把持体及び第二把持体は、それぞれ対向する側で連続的に湾曲した凸形状を有しているため、第二シャフトの相対的なスライドに伴い、連続的に湾曲した凸形状に当接点が移動して行く。そして、当接点の移動に伴い、当接点における接線の傾きが徐々に変化する。
従って、第一把持体と第二把持体とで円弧状の針を挟持すれば、針は第一把持体と第二把持体の当接点で挟持される。針を挟持している当接点は、第二シャフトの相対的なスライドに伴って移動し、その点における接線の傾きが徐々に変化するため、円弧状の針は周方向に回動することとなる。
従って、上記構成の持針器により、次のように組織の縫合を行うことができる。まず、第一シャフト及び第二シャフトが離隔しつつ第一把持体及び第二把持体が当接している状態で、第一把持体及び第二把持体とで円弧状の針を挟持する。この状態で、第一シャフト及び第二シャフトを、組織に穿刺されて組織表面に対して交差する方向に延びているカニューラ内に挿入すると、第一把持体及び第二把持体の当接点(針を挟持している点)における接線は、組織表面に対して大きく傾いている。そのため、針の先端は組織の内部に向かい、組織に針の先端を突き刺すことができる。そして、第二シャフトの相対的なスライドにより、第一シャフト及び第二シャフトを接近させていくと、第一把持体及び第二把持体の当接点における接線が組織表面となす角度は、徐々に小さくなる。これにより、針を周方向に回動させて組織を貫通させ、針先を組織の外側に出すことができる。その後、針先を他の器具で保持した上で、第二シャフトを第一シャフトに対して更に相対的にスライドさせれば、第一把持体及び第二把持体は第一シャフト及び第二シャフトの軸方向に離隔するため、挟持されていた針が開放される。
上記のように、本発明の持針器によれば、第一シャフト及び第二シャフトを軸方向に傾けることなく、円弧状の針を周方向に回動させることができるため、従来は内視鏡下手術で行うことができなかった縫合手術が可能となる。加えて、第一シャフト及び第二シャフトの相対的なスライドを、同一方向に進行させる単一の操作により、針の周方向への回動と針の開放とを、一連の動作として行うことができ、操作が容易である。
また、本発明の持針器は、回転する部材などを備えておらず、構成が簡易である。そのため、持針器を小型化することが可能であり、この点でも、小径のカニューラに挿通して使用される、内視鏡下手術用の持針器として適している。
本発明にかかる持針器は、上記構成において、「前記当接維持構造は、前記第一シャフト及び前記第二シャフトの少なくとも一方が、前記第一把持体及び前記第二把持体が当接した状態から、更に前記第二シャフトが前記第一シャフトに対して相対的にスライドするのに伴い、前記第一把持体及び前記第二把持体の当接を維持しながら互いに離隔する方向にたわみ得る弾性を有する材料で形成されている構造である」ものとすることができる。
本構成は、第一シャフト及び第二シャフトの少なくとも一方が弾性変形することによって、第二シャフトの相対的なスライドに伴い、第一シャフト及び記第二シャフトが離隔しつつ第一把持体及び第二把持体の当接が維持される構成である。具体的には、第一把持体及び第二把持体が当接した状態から、第一シャフトに対する第二シャフトの相対的なスライドを更に進めていくと、第一シャフト及び第二シャフトの少なくとも一方は互いに離隔する方向にたわみ、その弾性によって第一把持体及び第二把持体が互いに圧接される。これにより、上記のように、連続的に湾曲した凸形状に沿って当接点が移動することに伴って、当接点における接線の傾きが徐々に変化し、円弧状の針を周方向に回動させることができる。
本発明にかかる持針器は、上記構成に替えて、「前記当接維持構造は、前記第一シャフトと前記第二シャフトとの間にはクリアランスが設けられていると共に、前記第一シャフトと前記第二シャフトとは互いに接近する方向に付勢部材によって付勢されており、前記付勢部材が、前記第一把持体及び前記第二把持体が当接した状態から、更に前記第二シャフトが前記第一シャフトに対して相対的にスライドするのに伴い、前記第一シャフト及び前記第二シャフトが離隔するのを許容しつつ前記第一把持体及び前記第二把持体の当接を維持させ得る付勢力を備えている構造である」ものとすることができる。
第一シャフトと第二シャフトとを互いに接近する方向に付勢する「付勢部材」としては、コイルばねやゴムを使用することができる。
本構成によれば、剛性が高い部材で第一シャフト及び第二シャフトを形成しても、第一把持体及び第二把持体で挟持した針を周方向に回動させる動作を、上記と同様に行うことができる。
具体的には、第一シャフトに対して第二シャフトを相対的にスライドさせることにより、それぞれ対向する面で連続的に湾曲した凸形状を有する第一把持体及び第二把持体が当接すると、両シャフトに対して互いに離隔させる方向に力が作用する。本構成では、第一シャフトと第二シャフトとの間にはクリアランスが設けられているため、第一シャフトと第二シャフトとは離隔することが可能であるが、一方で、両シャフトは付勢部材によって互いに接近する方向に付勢されている。そのため、第一把持体及び第二把持体は互いに圧接され、第二シャフトの相対的なスライドに伴い、当接が維持された状態で当接点が移動して行く。これにより、上記と同様に、連続的に湾曲した凸形状に沿って当接点が移動することに伴って、当接点における接線の傾きが徐々に変化し、円弧状の針を周方向に回動させることができる。
本発明にかかる持針器は、上記構成に加え、「前記第一把持体及び前記第二把持体の一方の表面は平滑であり、他方の表面には微細な凹凸が形成されている」ものとすることができる。
第一把持体及び第二把持体の一方の表面に「微細な凹凸」が形成された態様としては、微小なドットが表面に多数突設された態様、表面にごく細く浅い溝が多数設けられた態様、化学的に腐食させることにより表面が粗くされた態様を例示することができる。
本発明の持針器は、把持した対象物が動かないように保持することが求められる一般的な把持鉗子などとは異なり、針をしっかりと把持しつつ、第一把持体と第二把持体との当接点の移動に伴い、針を滑らせるように周方向に回動させる必要がある。そのため、第一把持体と第二把持体の一方の表面を平滑にして滑りやすくすると共に、他方の表面に微細な凹凸による滑り止めを形成することにより、針を滑らせる作用と、針をしっかりグリップする作用との調和を図ることができる。
以上のように、本発明の効果として、簡易な構成で、本体を軸方向に傾けることなく、把持した円弧状の針を周方向に回動させることが可能な持針器を、提供することができる。
図1は、本発明の第一実施形態の持針器の正面図である。 図2(a)は、図1の持針器において第一シャフト及び第二シャフトが軸方向に離隔した状態の部分正面図であり、図2(b)は図2(a)の状態の部分側面図である。 図3(a),図3(b)及び図3(c)は、図1の持針器の先端側の動きを説明する部分正面図である。 図4(a),図4(b)及び図4(c)は、図3(a),図3(b)及び図3(c)に対応させて、図1の持針器に把持された円弧状の針の動きを説明する部分正面図である。 図5(a)〜図5(h)は、第一把持体及び第二把持体の他の形態を示す部分正面図である。 図6は、第一実施形態の持針器の操作ハンドルの他の形態を示す部分正面図である。 図7は、本発明の第二実施形態の持針器の部分正面図である。 図8は、第二実施形態の持針器の操作ハンドルを示す縦断面図である。 図9は、第二実施形態の変形例の持針器の部分正面図である。 図10は、本発明の第三実施形態の持針器の部分的な斜視図である。 図11は、本発明の第四実施形態の持針器の部分正面図である。 図12(a)は従来の持針器の正面図であり、図12(b)及び図12(c)は図12(a)の持針器の使用方法を説明する図である。 図13(a)及び図13(b)は、本発明の持針器に対して要請される針の動きを説明する図である。 図14は、従来の内視鏡下手術用器具の説明図である。 図15(a)〜図15(d)は、特許文献1の持針器における針の把持を説明する図である。
以下、本発明の第一実施形態である持針器1について、図1〜図4を用いて説明する。
持針器1は、図1に示すように、先端に第一把持体21が設けられた第一シャフト11と、先端に第二把持体22が設けられており、第一シャフト11に対して軸方向にスライドする第二シャフト12とを具備し、第一把持体21及び第二把持体22は、それぞれ少なくとも対向する側で、連続的に湾曲した凸形状を有すると共に、第一シャフト11に対する第二シャフト12のスライドにより当接するものであり、第一把持体21及び第二把持体22が当接した状態から、更に第二シャフト12が第一シャフト11に対して相対的にスライドするのに伴い、第一シャフト11及び第二シャフト12が離隔しつつ第一把持体21及び第二把持体22の当接が維持される当接維持構造を備えている。
第一実施形態では、上記の当接維持構造は、第一シャフト11及び第二シャフト12の少なくとも一方が、第一把持体21及び第二把持体22が当接した状態から、更に第二シャフト12が第一シャフト11に対してスライドするのに伴い、第一把持体21及び第二把持体22の当接を維持しながら互いに離隔する方向にたわみ得る弾性を有する材料で形成されていることにより実現されている。
また、本実施形態では、第一シャフト11及び第二シャフト12は、並設された中実部材であると共に、それぞれ先端側が基端側より細く形成されている。ここで、第一シャフト11の「基端」は、第一把持体21が設けられている側とは反対側の端部を指し、第二シャフト12の「基端」は、第二把持体22が設けられている側とは反対側の端部を指している。
より詳細には、第一シャフト11及び第二シャフト12は角棒状で対向面が平行であり、基端側で対向面が摺接する。ここで、第一シャフト11において第二シャフト12と摺接する面を第一摺接面、第二シャフト12において第一シャフト11と摺接する面を第二摺接面とすると、第一摺接面及び第二摺接面には、第一シャフト11に対する第二シャフト12のスライド運動を案内する構造を設けることができる。
具体的には、第一摺接面及び第二摺接面の一方に軸方向に沿って突条(図示しない)を設けると共に、他方に軸方向に沿って溝(図示しない)を設け、突条が溝内に摺動自在に嵌め込まれる構成とすることができる。これにより、第一シャフト11に対する第二シャフト12のスライドが、突条及び溝の延びる方向にガイドされるため、スライド運動が安定する。なお、第一シャフト11及び第二シャフト12の先端側は、互いに離隔する方向にたわむため、スライド運動を案内する構造は設けられない。
更に、第一把持体21は第一シャフト11の先端から第一シャフト11に対して直角をなす方向に延びていると共に、第二把持体22は第二シャフト12の先端から第一把持体21と同方向、すなわち、第二シャフト12に対して直角をなす方向に延びている。従って、第一把持体21の軸心21pと第二把持体22の軸心22pとは平行である(図2(b)参照)。
また、本実施形態では、第一把持体21の横断面(第一把持体21の軸心21pに直交する断面)は、1/4円を少し扁平にした形状であり、第一シャフト11における先端側、及び、第二把持体22と対向する側とは反対の側が平面になっている。すなわち、第一把持体21は、第二把持体22に対向する面が連続的に湾曲した凸形状となっている。加えて、第一把持体21は、第一摺接面及び第二摺接面を延長した仮想平面E(以下、「仮想摺接面E」と称する)を超えて、第二シャフト12側に突出している(図2(a)参照)。なお、第一摺接面と第二摺接面は当接する面であるため、何れを延長した面も仮想摺接面Eと考えることができる。
一方、第二把持体22の横断面(第二把持体22の軸心22pに直交する断面)は、円形である。すなわち、第二把持体22は、全周にわたり連続的に湾曲した凸形状となっている。なお、本実施形態では、第二把持体22は仮想摺接面Eを超えない形状としているが、図5(a)に示すように、仮想摺接面Eを超えて第一シャフト11側に突出している形状の第二把持体40とすることもできる。
持針器1は、更に、第二シャフト12を第一シャフト11に対してスライドさせる操作を行うための操作ハンドル30を具備している。具体的には、操作ハンドル30は、第一ハンドル31と第二ハンドル32からなる。第一ハンドル31は、第一シャフト11の基端から先端側に少し寄った位置に固着されており、第二シャフト12を横切る方向に延びていると共に、使用者(医師)の指を通す第一指孔31hを備えている。一方、第二ハンドル32は、第一シャフト11の基端に35軸によって回動可能に軸支されていると共に、第二シャフト12の基端に軸36によって回動可能に軸支されている。また、第二ハンドル32は、第一ハンドル31と鋭角をなす方向に延びると共に、使用者の指を通す第二指孔32hを備えている。
このような構成により、第二ハンドル32を第一ハンドル31に近付けるように操作すると、第二ハンドル32が軸35まわりに回動することにより、軸36によって第二ハンドルを軸支している第二シャフト12が、先端に向かう方向に押される。これにより、第二シャフト12が、第一ハンドル31に対して軸方向に沿って先端側にスライドする。なお、第二シャフト12には、第二シャフト12が先端側に向かってスライドした際、第一ハンドル31に当接してその動きを制限する突状のストッパ38と、第二シャフト12が基端側に向かってスライドした際、第一ハンドル31に当接してその動きを制限する突状のストッパ39が設けられている。
そして、第一ハンドル31がストッパ39に当接している状態、すなわち、第二シャフト12が第一シャフト11に対して最も基端側に位置している状態で、第二把持体22は第一把持体21より基端側に離隔している。
次に、持針器1の動作及び使用方法を説明する。まず、操作ハンドル30の操作により、第二シャフト12を先端側にスライドさせると、第二把持体22は第一把持体21と離隔した状態から(図2(a),(b)参照)、次第に第一把持体21に近付き、当接する(図3(a)参照)。これは、第一把持体21が仮想摺接面Eを超えて第二把持体22側に突出しているからである。
この状態から、第二シャフト12を更に先端側にスライドさせると、第二シャフト12は弾性変形し、第二把持体22を第一把持体21に圧接させつつ、たわんで行く。これに伴い、第一把持体21と第二把持体22との当接点Pは先端に向かって移動し、当接点Pにおける接線Lの傾きは変化する(図3(b)参照)。そして、ストッパ38と第一ハンドル31との当接により、それ以上のスライドが制限されるところまで第二シャフト12が先端側にスライドした状態では、当接点Pにおける接線Lが延びる方向は、第二シャフト12の軸方向に対して平行な方向に最も近付く(図3(c)参照)。
従って、第一把持体21及び第二把持体22が離隔している図2(a),(b)の状態から、図3(a)に示す当接状態となる際に、円弧状の針97を第一把持体21と第二把持体22とで挟持させれば、針97は図4(a)に示すように、針先が持針器1の基端側に向いた状態で保持される。なお、針97は、円弧が基端側に向かって開く向きで第一把持体21及び第二把持体22に挟持させる。また、針97の一端には、縫合糸96が接着されている。
針97が第一把持体21及び第二把持体22で挟持された状態で、第二シャフト12を先端側にスライドさせれば、当接点Pは第一把持体21の凸形状に沿って移動し、当接点Pが図3(b)の位置まで移動した際には、針97は図4(b)に示すように、針先が持針器1の先端側に向かって傾いた状態で把持される。更に、第二シャフト12を先端側へスライドさせることにより、第二シャフト12が更にたわんで第一シャフト11から大きく離隔し、当接点Pが図3(c)の位置まで移動する。このとき、図4(c)に示すように、針97は大きく傾けられた状態となる。この状態で、縫合対象の組織に穿刺されているカニューラ内に持針器1の先端側を挿入すれば、針97の先端は組織の内部側に向かうため、針97の先端を組織に突き刺すことができる。
次に、操作ハンドル30の操作により、第二シャフト12を基端側にスライドさせて行くと、第一把持体21と第二把持体22との当接点Pは、上記とは逆方向に基端側に向かって移動する。これに伴い、当接点Pにおける接線Lの傾きが変化し、針97は周方向に回動する。すなわち、針97の姿勢は、先端が徐々に持ち上がるように、図4(c)の状態から図4(b)の状態を経て図4(a)の状態へと変化する。これにより、組織が針97で貫通されて針97の先端が組織表面より上方に出るため、その部分を持針器1とは別個の器具(把持鉗子など)で把持する。
更に、第二シャフト12を基端側にスライドさせれば、図2(a),(b)に示すように、第二把持体22は第一把持体21から離隔した状態となるため、持針器1がこれまで把持していた針97が開放される。その後、針97の先端を把持している別個の器具をカニューラから引き出すことにより、針97及び縫合糸96がカニューラの外に引き出される。
上記の動作により、傷の片側で縫合糸が組織を貫通するため、同様の動作によって傷の他方の側に縫合糸を貫通させる。その後、針97をカニューラから引き出し、縫合糸でノットを作り、ノットプッシャーでノットを縫合箇所まで移動させれば、縫合糸による傷の締結が完了する。
以上のように、本実施形態の持針器1によれば、第二シャフト12を第一シャフト11に対してスライドさせる操作で、第一把持体21及び第二把持体22により針97を挟持及び開放できることに加え、第一把持体21及び第二把持体22に挟持された円弧状の針97を周方向に回動させることができる。これにより、従来、内視鏡下手術では縫合できなかった部位の損傷を、縫合することが可能となる。
その際、第一把持体21及び第二把持体22で針97を挟持した上で、第一シャフト11に対する第二シャフト12のスライドを、一方向に進行させるという単一の操作により、針97の周方向への回動と針の開放とを、一連の動作として行うことができる。そのため、本実施形態の持針器1は、操作が非常に容易である。
また、第一把持体21及び第二把持体22は、それぞれ第一シャフト11及び第二シャフト12の軸方向と直角をなす方向に延びているため、針97を周方向に回動させる際に、第一シャフト11及び第二シャフト12と針97とが干渉することがない。
更に、本実施形態では、第一シャフト11及び第二シャフト12は並設されてスライドする構造であるため、双方の径を同程度にすることが可能である。これにより、第一シャフト11及び第二シャフト12は、ある程度の太さを確保することができる。加えて、第一シャフト11及び第二シャフト12は共に中実部材である。従って、第一シャフト11及び第二シャフト12の強度を高いものとすることができる。
加えて、第一シャフト11及び第二シャフト12は、それぞれ先端側が基端側より細く形成されている。換言すれば、第一把持体21及び第二把持体22の当接に伴って、互いに離隔する方向にたわむべき部分が細く形成され、たわむ必要のない基端側が太く形成されている。これにより、シャフト全体を同一の材料で形成した場合であっても、基端側で剛性を高いものとしつつ、先端側をたわみやすくすることができる。
また、持針器1は極めて簡易な構成であるため、小型化が容易であり、小径のカニューラ内に挿入可能な持針器1とすることができる。
更に、本実施形態では、第二把持体22の横断面が円形であるため、円弧状の針97の周方向の回動を、スムーズに案内することができる。なお、図5(b)に示すように、基端側で平面となった半円形を横断面形状とする第二把持体41であっても、第二把持体22と同様に、上記の案内作用を得ることができる。
一方、第一把持体21の横断面の形状は1/4円に近い形状であり、先端側が平面である。そのため、持針器1に把持された針97を、縫合対象の組織に十分に近付けることができる。また、第一把持体21は、第二把持体22と対向する側とは反対の側が平面である。そのため、狭小な空間内で作業を行わなければならない内視鏡下手術において、カニューラ内に余剰の空間を確保しやすい利点がある。
なお、第一把持体は、図5(c)に示すように、正確に1/4円の横断面形状を有する第一把持体42とすることもできる。また、第一把持体及び第二把持体としては、上記に示した形状の他、図5(d)〜図5(h)に例示する横断面形状を有するものとすることができる。ここで、図5(d)は、図5(c)に示した1/4円の横断面形状を有する第一把持体42と、同じく1/4円の横断面形状を有する第二把持体43とを組み合わせた例であり、第二把持体43は基端側及び第一把持体42と対向する側とは反対の側が平面となっている。
また、図5(e)は、横断面の外周形状が第二把持体側で約1/3円弧の第一把持体44を、横断面形状が円形の第二把持体22と組み合わせた例であり、図5(f)は、横断面形状が共に円形の第一把持体45及び第二把持体22を組み合わせた例であり、図5(g)は横断面形状が共に楕円形の第一把持体46及び第二把持体47を組み合わせた例であり、図5(h)は横断面形状が共に紡錘形の第一把持体48及び第二把持体49を組み合わせた例である。
図5(e)〜図5(h)に示した第一把持体44,45,46,48は、何れも第二把持体に対向する面が、持針器の基端側から第二把持体に向かって徐々に膨出し、最も膨出した点Qを越えて、更に持針器の先端側に向かって第二把持体から遠ざかるように湾曲している形状である。第一把持体をこのような形状とした場合は、第二把持体が第一把持体と当接しつつ移動し、点Qを越えて先端側に位置した状態では(図5(e)において一点鎖線で例示)、第一把持体及び第二把持体による針の挟持が安定するという利点がある。すなわち、第二把持体を第一把持体に圧接させる当接維持構造によって、第二シャフトに対しては、常に第一シャフトに接近させる向きに力が作用している。そのため、当接点が点Qより基端側にある場合は、操作ハンドルを握り続けて第二シャフトの第一シャフトに対する位置を保持していないと、当接点が基端側に移動してしまいやすい。これに対し、当接点が点Qを越えて先端側にある場合は、点Q近傍の膨出部分が障壁となって、当接点が基端側に移動しにくい。そのため、操作ハンドルを握り続けなくても、第一把持体及び第二把持体の当接により安定して針を挟持することができる。
加えて、当接点が点Qを越えて先端側に位置する場合は、挟持した針の針先が、組織の内側に向かってより大きく傾くため、針を組織に突き刺しやすいという利点もある。
更に、上記では操作ハンドルとして、第一ハンドル31が第一シャフト11に対して固着されており、第二ハンドル32が第一シャフト11の端部に回動可能に軸支されていると共に、第二シャフト12の端部にも回動可能に軸支されている構成の操作ハンドル30を例示したが、これに限定されない。例えば、持針器1の操作ハンドルとして、図6に示す操作ハンドル50を採用することができる。ここで、操作ハンドル50では、第一ハンドル53が第一シャフト11と一体であり、第二ハンドル54が第一シャフト11の端部に、軸59によって回動可能に軸支されている点は、上記の操作ハンドル30と近似した構成である。操作ハンドル30との主な相違点は、第二ハンドル54の先端の突起56が、第二ハンドル54の回動に伴い、第二シャフト12の対向面に設けられた溝57内を移動して溝57の内壁を押すことによって、第二シャフト12が先端側または基端側にスライドする点である。
次に、第二実施形態の持針器について説明する。第一実施形態の持針器1と相違する点は、第一シャフト及び第二シャフトがスライドする構造である。すなわち、持針器1では第一シャフト11及び第二シャフト12が並設されており、第二シャフト12のスライドに伴い両者が基端側で摺接する。これに対し、第二実施形態では第一シャフト及び第二シャフトの一方が部分的に筒状となっており、その筒状の部分を他方のシャフトが挿通し、筒の内部で軸方向に沿って移動する。ここでは、第一シャフトが筒状の部分を有する場合を例示する。
具体的に説明すると、図7に示すように、第二実施形態の持針器2の第一シャフト61は、基端側の筒状部611と、筒状部611の外周面に固着された長棒状の軸部612とからなる。そして、筒状部611に、第二シャフト62が挿通されている。軸部612の先端には第一把持体212が設けられており、第二シャフト62の先端には第二把持体222が設けられている。ここで、第一把持体212及び第二把持体222は、それぞれ第一実施形態の第一把持体21及び第二把持体22と同様の構成、または図5(a)〜図5(h)で例示した構成とすることができ、詳細な説明は省略する。
第二シャフト62を第一シャフト61に対してスライドさせる操作を行う操作ハンドルとしては、例えば、図8に示す操作ハンドル60を採用可能である。操作ハンドル60は、筒状部611に固着された第一ハンドル63と、第二シャフト62の基端側に固着された第二ハンドル64を備えており、第二ハンドル64を第一ハンドル63から離すように引っ張ることにより、第二シャフト62は基端側にスライドする。反対に、第二ハンドル64を第一ハンドル63に向けて押すように操作することにより、第二シャフト62は先端側にスライドする。なお、第一ハンドル及び第二ハンドルは、図示したように、指孔に指を通して操作するタイプであっても、上述の操作ハンドル50のように、手の平でハンドルを握るように操作するものであっても良い。
第二実施形態の持針器2によれば、操作ハンドル60を操作して第二シャフト62を第一シャフト61に対してスライドさせることにより、第一実施形態の持針器1と同様に、第一把持体212及び第二把持体222で挟持した円弧状の針を周方向に回動させ、且つ、同一方向に第二シャフト62をスライドさせる一連の動作で、針を開放することができる。
なお、第二実施形態の変形例として、図9に示すように、第一シャフトが筒状部611のみからなり、筒状部611の先端に第一把持体212が設けられている構成を例示することができる。ここで、筒状部611の側周面の先端側には、軸方向に沿って細長いスリット65が形成されている。一方、第二シャフト622は、先端側でクランク状に屈曲している。このような構成により、第二シャフト622の基端側を筒状部611に挿通する共に、第二シャフト622の先端側をスリット65を介して筒状部611の外に位置させることができる。これにより、第二シャフト622の先端に設けられている第二把持体222は、筒状部611の外で、筒状部611の軸方向に沿ってスライドする。
このように筒状部611に第一把持体212が直接的に設けられている構成では、筒状部611の外周面に固着された軸部612に第一把持体212が設けられている場合と比べて、太い(大径の)部材で第一把持体212を支持することができる。ここで、第一シャフト及び第二シャフトは、双方が弾性変形しやすい材料で形成されていても上述の動作を行うことが可能であるが、一方の剛性が高く他方が弾性変形しやすい方が、針の挟持及び周方向の回動が安定する。本変形例では、第一シャフト及び第二シャフトを、剛性の高い筒状部611と、これに挿通されるために筒状部611より小径で弾性変形しやすい第二シャフト622との組み合わせとすることが可能であり、針を挟持して周方向に回動させる動作を、より安定的に行うことができる。
次に、第三実施形態の持針器について説明する。第一実施形態及び第二実施形態との相違は、第一シャフト及び第二シャフトの一方が端部に環状部を備える点である。また、第三実施形態では、他方のシャフトの端部が、環状部を備えるシャフトに向かって突出しており、その部分が把持体を構成する。ここでは、第二シャフトが環状部を備える場合を例示する。
具体的に説明すると、図10に示すように、第三実施形態の持針器3では、第一シャフト71の端部が第二シャフト側に向かって連続的に湾曲した凸形状に膨出しており、その部分が第一把持体213となっている。一方、第二シャフト72は端部に環状部722を備えており、環状部722の一部であって、且つ、第二シャフト72の先端となる部分が第二把持体223となっている。図10では、第二把持体223が円柱状の場合を例示しており、第二把持体223は全周にわたり連続的に湾曲した凸形状である。
このような構成の持針器3によれば、第二シャフト72を第一シャフト71に対してスライドさせることにより、第一実施形態及び第二実施形態の持針器1,2と同様に、第一把持体213及び第二把持体223で挟持した円弧状の針97を周方向に回動させ、一連の動作で針97を開放することができる。
加えて、持針器3は環状部722を備えるため、針97を周方向に回動させる際に、環状部722の開口内に針97の一部を位置させながら、針97の姿勢を変えることが可能である。従って、持針器3では、針97を周方向に回動させる際に、第一シャフト71及び第二シャフト72と針97とが干渉することがない。そして、持針器3では、第一把持体及び第二把持体がそれぞれ第一シャフト及び第二シャフトの軸方向に対して直角をなす方向に突出している持針器1,2と比べると、第一把持体及び第二把持体の占めるスペースが小さいため、小径のカニューラ内に余剰の空間をより多く確保できる利点がある。
次に、第四実施形態の持針器について説明する。第一実施形態〜第三実施形態の持針器1,2,3との相違は、当接維持構造である。すなわち、第四実施形態における当接維持構造は、第一シャフトと第二シャフトとの間に設けられたクリアランスと、第一シャフト及び第二シャフトを互いに接近する方向に付勢する付勢部材によって実現されている。
具体的に説明すると、第四実施形態の持針器4は、図11に示すように、先端に第一把持体214が設けられた第一シャフト81と、先端に第二把持体224が設けられており、第一シャフト81に対して軸方向にスライドする第二シャフト82とを具備し、第一把持体214及び第二把持体224は、それぞれ少なくとも対向する側で、連続的に湾曲した凸形状を有すると共に、第一シャフト81に対する第二シャフト82のスライドにより当接するものであり、第一シャフト81と第二シャフト82との間にはクリアランスが設けられていると共に、第一シャフト81と第二シャフト82とは互いに接近する方向に付勢部材85によって付勢されており、付勢部材85は、第一把持体214及び第二把持体224が当接した状態から、更に第二シャフト82が第一シャフト81に対してスライドするのに伴い、第一シャフト81及び第二シャフト82が離隔するのを許容しつつ第一把持体214及び第二把持体224の当接を維持させ得る付勢力を備えるものである。
なお、第四実施形態の第一把持体及び第二把持体は、第一実施形態と同様の構成、図5(a)〜図5(h)で例示した構成、あるいは、第三実施形態と同様の構成とすることができ、詳細な説明は省略する。
持針器4は、次のように動作する。第二シャフト82を第一シャフト81に対してスライドさせることにより、第一把持体214及び第二把持体224が当接すると、第一シャフト81及び第二シャフト82に対して互いに離隔させる方向の力が作用する。第一シャフト81と第二シャフト82との間にはクリアランスが設けられているため、両シャフトは離隔することが可能である一方、両シャフトは付勢部材85によって互いに接近する方向に付勢されている。これにより、第一把持体81及び第二把持体82は互いに圧接され、第二シャフト82のスライドに伴い、第一把持体214と第二把持体224との当接が維持された状態で、当接点が移動して行く。
従って、第一実施形態〜第三実施形態の持針器1,2,3と同様に、第一把持体214と第二把持体224との当接点で針を挟持することにより、第二シャフト82のスライドによる当接点の移動に伴って、円弧状の針を周方向に回動させることができると共に、一連の動作で針を開放することができる。そして、第四実施形態の持針器4では、第一シャフト81及び第二シャフト82を、共に剛性の高い材料で形成することが可能であるため、持針器4全体の強度を高めることができる。
なお、第一実施形態〜第四実施形態の持針器1,2,3,4の何れにおいても、第一把持体及び第二把持体の一方の表面を平滑とし、他方の表面に微細な凹凸を形成することができる。例えば、円弧状の針に内接する第二把持体の表面を平滑なものとし、円弧状の針に外接する第一把持体の表面に微細な凹凸を形成することができる。
このような構成とすることにより、針は平滑な面と微細な凹凸を有する面とで挟持されることになる。これにより、周方向に回動させる針を、平滑な面との当接によって滑りやすくすると共に、微細な凹凸による滑り止めの作用により、周方向に回動しつつ姿勢を変える針をしっかりとグリップすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、第一実施形態及び第二実施形態では、第一把持体及び第二把持体が、それぞれ第一シャフト及び第二シャフトに対して直角をなす方向に延びている場合を例示した。これに限定されず、第一把持体及び第二把持体が、それぞれ第一シャフト及び第二シャフトの軸方向に対して交差する方向、例えば、第一シャフト及び第二シャフトと鈍角をなす方向に延びている構成とすることができる。
また、第一実施形態〜第四実施形態では、第二シャフトが第一シャフトに対してスライドする場合を例示したが、これに限定されず、第一シャフト及び第二シャフトは相対的にスライドするものであれば良い。
更に、第一シャフト及び第二シャフトは、直棒状である場合に限定されず、互いに捻り合わされつつ軸方向に延び、且つ、軸方向に相対的にスライドするものであっても良い。
1,2,3,4 持針器
11,61,71,81 第一シャフト
12,62,72,82 第二シャフト
21,212,213,214 第一把持体
22,222,223,224 第二把持体
特開2007−54249号公報

Claims (4)

  1. 円弧状の針を把持する持針器であって、
    先端に第一把持体が設けられた第一シャフトと、
    先端に第二把持体が設けられており、前記第一シャフトに対して相対的に軸方向にスライドする第二シャフトとを具備し、
    前記第一把持体及び前記第二把持体は、それぞれ少なくとも対向する側で、連続的に湾曲した凸形状を有すると共に、前記第一シャフトに対する前記第二シャフトの相対的なスライドにより当接するものであり、
    前記第一把持体及び前記第二把持体が当接した状態から、更に前記第二シャフトが前記第一シャフトに対して相対的にスライドするのに伴い、前記第一シャフト及び前記第二シャフトが離隔しつつ前記第一把持体及び前記第二把持体の当接が維持される当接維持構造を備える
    ことを特徴とする持針器。
  2. 前記当接維持構造は、
    前記第一シャフト及び前記第二シャフトの少なくとも一方が、前記第一把持体及び前記第二把持体が当接した状態から、更に前記第二シャフトが前記第一シャフトに対して相対的にスライドするのに伴い、前記第一把持体及び前記第二把持体の当接を維持しながら互いに離隔する方向にたわみ得る弾性を有する材料で形成されている構造である
    ことを特徴とする請求項1に記載の持針器。
  3. 前記当接維持構造は、
    前記第一シャフトと前記第二シャフトとの間にはクリアランスが設けられていると共に、前記第一シャフトと前記第二シャフトとは互いに接近する方向に付勢部材によって付勢されており、前記付勢部材が、前記第一把持体及び前記第二把持体が当接した状態から、更に前記第二シャフトが前記第一シャフトに対して相対的にスライドするのに伴い、前記第一シャフト及び前記第二シャフトが離隔するのを許容しつつ前記第一把持体及び前記第二把持体の当接を維持させ得る付勢力を備えている構造である
    ことを特徴とする請求項1に記載の持針器。
  4. 前記第一把持体及び前記第二把持体の一方の表面は平滑であり、他方の表面には微細な凹凸が形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の持針器。
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