JP5265399B2 - Mimo(多入力多出力)システムの繰り返し信号検出方法 - Google Patents

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本発明は無線通信技術分野、特にMIMO(多入力多出力)システムの通信技術に関し、詳しくは、MIMO(多入力多出力)システムの繰り返し信号検出方法に関する。
データ速度の増加と限られた無線資源との矛盾は、日々に厳しくなっていき、将来、無線フェージングチャネルにおいて無線通信を行うボトルネックとなる可能性がある。
MIMO(多入力多出力)チャネルはSISO(単入力単出力)チャネルよりも容量が大きいため、この十年来、MIMOチャネルを利用する無線通信は大いに注目されている(G.J.Foschini, “Layered space‐time architecture for wireless communication in fading environments when using multiple antennas”, Bell Labs. Tech.J., vol. 2, pp.41‐59, 1996; J.G.Proakis and D.G.Manolakis, “Digital Signal Processing: Principles, Algorithms, and Applications 2:ed”, Macmillan Publishing Company, 1992)。MIMOシステムは複本の送信アンテナと複本の受信アンテナを介してデータ送信を行う無線通信システムで、高いデータレート、大きいスループット及びより広い通信距離を提供することができる。MIMOチャネルは周波数スペクトルが何ら費用のないもとで大きいデータ転送速度及び信頼性を提供することができるので、膨大な潜在能力を持っている。MIMOは既に第4世代(4G)の通信のホット技術となり、ほとんどの新しい無線規格(例えばHSDPA、802.11n、802.16e、802.10等)における肝心な一部となる。MIMOシステムにおいて、ブラスト(BLAST)構造は、最高の多重ゲインを取得可能なため大いに注目されている。
従来のブラスト(BLAST)の検出方法には、ゼロフォーシング(ZF)検出、最小平均二乗誤差(MMSE)検出、シリアル干渉キャンセル(SIC)検出、最尤(ML)検出及び最大事後確率(MAP)検出などが含まれている。ここで、最大事後確率(MAP)検出と最尤(ML)検出は最適な検出アルゴリズムである。発信元が事前確率等の事前情報を送信する条件において、この二種類の検出方法は共に最適な性能を得られる。
しかし、この二種類の検出方法の複雑度はいずれも送信アンテナ数と指数次元乗になり、リアルタイム性の高い無線通信に対して要求を満たすことができない。例えば、最大事後確率MAP検出方法について、符号ベクトルツリー図に欲張りなサーチアルゴリズムを用いて、ツリー構造における全てのあり得る経路を残し、その複雑度は送信アンテナ数の指数次元乗になる。
例えば、送信アンテナ数は4で、QPSK変調(符号の送信数は4)を採用すると、4番目の層の送信アンテナにノードを4つ有し、3番目の層の送信アンテナにノードを4×4=16有し、2番目の層の送信アンテナにノードを16×4=64有し、1番目の層の送信アンテナにノードを64×4=256有する。経路をすべて4=256本サーチして、全てのあり得る256本の経路のベクトル事後確率:P(sj|y)を算出する必要がある。jはそれぞれ区間[1、256]内の自然数を取る。そして、当該256個のベクトル事後確率より最大値を選び、対応なベクトルは送信符号ベクトルの推定値(硬判定)である。
一方、送信アンテナ数は4で、16QAM変調(符号の送信数は16)を採用すると、4番目の層の送信アンテナにノードを16有し、3番目の層の送信アンテナにノードを16×16=256有し、2番目の層の送信アンテナにノードを256×16=4096有し、1番目の層の送信アンテナにノードを4096×4=65536有する。16QAM変調は経路を65536本サーチして、全てのあり得る65536本の経路のベクトル事後確率:P(sj|y)を算出する必要がある。jはそれぞれ区間[1、65536]内の自然数を取る。そして、当該65536個のベクトル事後確率より最大値を選び、対応なベクトルは送信符号ベクトルの推定値(硬判定)である。
このような演算は複雑度が高いので、通信システムに許忍されないため、実際の通信システムにおいて通常、次の最適のアルゴリズムが用いられる。
次の最適の検出方法(例えば、ZF検出、MMSE検出、SIC検出等の方法)は、MLアルゴリズムよりも複雑度が低いが、これらの性能も明らかにML検出よりも劣っている。
次の最適の検出方法において、シリアル干渉キャンセル(SIC)は判定フィードバック技術で、FoschiniはV‐BLASTシステムにおいて該技術を採用している(G.J.Foschini, “Layered space‐time architecture for wireless communication in fading environments when using multiple antennas”, Bell Labs. Tech.J., vol. 2, pp.41‐59, 1996)。データストリームはN個の関連のないサブストリームに分離され、各サブストリームはN本の送信アンテナのうちの1本により送信され、毎回繰り返しにおいて、受信機は1つのサブストリーム(アンテナ)を検出して、受信信号から干渉を引いて検出の複雑度を簡素化する。
検出中に以下のようなアンテナ順位O=(a1,・・・,aN)に従い、各要素aはそれぞれアンテナ番号を表しているとする。1番目の検出層にて、ZF又はMMSE等の検出方法のようなサブストリームの検出方法を介して、1番目のサブストリーム(アンテナ)a1及びそれに対応する符号
Figure 0005265399
を検出する。受信信号r(1)=rから
Figure 0005265399
ここで、
Figure 0005265399
は、チャネル行列H(1)のa1番目列である。システムモデル(1)は(N−1)×MのMIMOと簡素化される:r(2)=H(2)(2)+n
ここで、新しいチャネル行列H(2)はH(1)からa1番目列を引いて得られるものである。x(2)はN−1項を備える列ベクトルである。
同様に、受信機の検出装置は線形複雑度で本毎にアンテナを削除できる。実際に、SICアルゴリズムは特殊な場合のツリー検索アルゴリズムで、当該アルゴリズムツリーは、送信アンテナの数に従って指数で生長する。SIC検出アルゴリズムは層毎にノード(符号)
Figure 0005265399
を一つだけ残し、ツリー検索から見れば、ノード(符号)序列
Figure 0005265399
を生き残り経路と言う。ここで、1≦k≦N。
SICの性能は、1)アンテナの削除順位; 及び2)層(アンテナ)毎の検出方法の性能、によることを説明する必要がある。SICは信号干渉対雑音比(SINR)しか考慮していないので、特にチャネル状態情報(CSI)が理想的ではない場合、SICにより誤差伝送をもたらす。誤差伝送のため、非最適な順位又はサブストリーム検出方法が性能を劣化させる。
SICのアンテナの削除順位は検出性能に深く影響しているので、性能を向上するように、例えば、H‐norm順位(アンテナによるチャネルゲイン順位)、DiagR順位(チャネル行列HのQR因数分解の対角因数による順位)、Hinv順位(アンテナのSINRによる順位)等のような複数の異なる順位方法が提出されている(Yongmei Dai, Sumei Sun, and Zhongding Lei. “A Comparative Study of QRD‐M Detection and Sphere Decoding for MIMO‐OFDM Systems”, Personal, Indoor and Mobile Radio Communications, 2005. PIMRC 2005. IEEE 16th International Symposium on, 2005)。これらの全ての順位はチャネル行列Hの影響しか考慮していないし、受信信号の情報及びコンスタレーション形状のできる限りの情報を利用していない。しかし、コンスタレーションの形状も順位の的確性に影響する。
例えば、BPSKは16QAM又は8PSKに対してより優れた検出性能を有している。簡単に言えば、コンスタレーションポイントに対して大きい最小ユークリッド距離(minimum Euclidean distance)を有する受信信号よりも、小さい最小ユークリッド距離を有する受信信号は、よりコンスタレーション信頼性が高い。信頼性を決定するこれらの要素は全て、統一に受信信号の最大事後確率(A Postoriori Probability、APP)へ反映することができる。
Seethalerは、dynamic‐nulling‐and‐canceling(DNC)という順位方法を提供している(D.Seethaler, Artes,H. and Hlawatsch,F. “Dynamic nulling‐and‐cancelling with near‐ML performance for MIMO communication systems”, Acoustics, Speech, and Signal Processing, 2004. Proceedings. Volume 4 (2004): Page(s): iv‐777‐iv‐780; D.Seethaler, H.Artes, and F.Hlawatsch. “Dynamic Nulling‐and‐Canceling for Efficient Near‐ML Decoding of MIMO Systems”, Signal Processing, IEEE Transactions on. 54.12 (2006): 4741‐4752)。該方法は、SINRを考慮するだけでなく、受信信号の影響を考慮して、事後確率を最大化している。
Figure 0005265399
ここで、
Figure 0005265399
はアンテナaのMMSEポスト均等化(post‐equalization)信号対雑音比(SNR)で、Iは瞬時的な信頼度因数(IFR)で、無偏ユークリッド検出の関数であり、該関数は受信信号rの信頼性の情報を利用した(J.M.Cioffi, et al. “MMSE decision‐feedback equalizers and coding. I. Equalization results”, Communications, IEEE Transactions on. 43.10 (1995): 2582‐2594)。
MIMO検出に用いられたDNC技術は、検出層ごとの事後確率を最大化することによりSIC過程における誤差伝送を低下する。DNCにより誤差伝送が大きく低下されたので、例えば4QAMの8×8 MIMOのような大きい多入力多出力MIMOに対して、優れた検出性能を取得した。
しかし、変調レベル(modulation level)の増大に従って、コンスタレーションの最小ユークリッド距離も小さくなってくるが、最小ユークリッド距離が小さくなることに従って、IFRの影響もすぐになくなるので、DNC方法の性能はコンスタレーションの形状に制限される。当該方法は、4QAMのような簡単な変調コンスタレーションだけにおいて、優れた性能を持っている。ある場合においては、却って他の方法より劣っている性能を得られる。
現在、MIMO検出について、検出性能と演算複雑度とをどのようにバランスとるかは相変わらず大きいチャレンジである。
本発明は、MIMO検出の性能を保つと共に演算複雑度を低下するようなMIMO(多入力多出力)システムの繰り返し信号検出方法を提供することを主な目的とする。
前記目的を実現するために、本発明の実施形態のMIMO(多入力多出力)システムの繰り返し信号検出方法において、最大事後確率(MAP)アルゴリズムに基づいて演算される演算パラメーターを用いてk番目の検出層で複数のアンテナ候補の中から最も受信信号の信頼性が高いアンテナをサーチし、前記サーチされたアンテナに対して、最大事後確率を有する経路からS本の経路を生残り経路として記憶し、ここで、S≧1で、k=1の場合前記演算パラメーターは初期化された演算パラメーターで、k>1の場合前記演算パラメーターはk−1番目の検出層の検出結果に応じて更新された演算パラメーターである演算ステップと、
演算結果に応じて演算パラメーターを更新し、最も受信信号の信頼性が高いアンテナをアンテナ候補から削除するアンテナ削除ステップと、
k=k+1として、再帰アルゴリズムで前記演算ステップとアンテナ削除ステップを全てのアンテナ候補が削除されるまで繰り返す繰り返しステップと、を含み、
最終層の検出層において最大事後確率を有する1本の生残り経路を最終の検出結果とする。
本発明の検出方法は、低演算複雑度と最尤検出に近似した性能を備えている。
本発明の実施形態のMAPに基づきMIMO検出を実現する方法フローチャートである。 本発明の複素数と実数のMAP‐DOMアルゴリズムのSER性能を示す模式図である。 MIMOシステムの大きさとSNR閾値の関係を示す模式図である。 本発明によるS=2におけるMAP‐DOMアルゴリズム及び非動的順位の性能比較模式図である。 本発明によるS=4におけるMAP‐DOMアルゴリズム及び非動的順位の性能比較模式図である。
本発明の目的、技術案及びメリットをさらに明瞭するために、以下に添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。ここで、本発明の模式的な実施形態及びその説明は本発明を解釈するもので、本発明への限定ではない。
従来のMIMO検出方法における性能と演算複雑度との矛盾を解決するために、本発明は最大事後確率の動的順位に基づく新しいSIC検出方法を提供し、動的順位のアルゴリズムを導入することにより性能の劣化を防ぎ、再帰アルゴリズムを介して演算複雑度を低下させる。本発明はさらに複本の生残り経路の動的順位により検出の機能をさらに高めている。そのため、本発明の検出方法は、低演算複雑度と最尤検出に近似した性能を備えている。
まず、記載の便利のために、後に出ている主な符号を説明する。
Nは送信アンテナ数;
Mは受信アンテナ数;
Sは生残り経路;
HはM×Nのチャネル行列で、ここで、hiは行列Hのi番目列で、i番目の送信アンテナに対応する;
rがM×1のMIMO受信信号ベクトル;
xはN×1のMIMO送信信号ベクトル;
nはM×1の雑音ベクトル;
kはアンテナkのコンスタレーションポイントの集合を表し、1≦k≦N;
Figure 0005265399
は、O=(a1,・・・,ak)の順位に従ってk本のアンテナ(a1乃至ak)の受信信号が削除されたSIC検出結果である;
(f1,・・・,fn)=SCG[n]Fは、集合Fからn個の最大値を並べて選択することを示す。ここで、fi∈F、f1≧f2≧・・・≧Fにおける任意の他方の値;
(f1,・・・,fn)=SCL[n]Fは、集合Fからn個の最小値を並べて選択することを示す。ここで、fi∈F、f1≦f2≦・・・≦Fにおける任意の他方の値;
(・)kはベクトル(・)のk番目の項;
(・)i,jは行列(・)のi番目行j番目列の要素;
(・)Tは行列又はベクトルの転置;
Figure 0005265399
は行列又はベクトルのエルミート共役転置(hermitian transposition);
Figure 0005265399
は、構造した一つの新しいベクトルの集合である。Aが空であると、
Figure 0005265399
(1)本発明の検出方法の基本原理
本発明をより明確に理解するために、以下に本発明の最大事後確率による新しい検出方法の基本原理を説明する。
本発明は、送信アンテナの数がNで、受信アンテナの数がMである線形MIMOシステムのようなMIMOシステムモデルに対するものである。送信信号のベクトルxはx=(x1,・・・,NTで、受信信号のベクトルrはr=(r1,・・・,MTで、(・)Tはベクトルの転置を表し、M≧Nで、rとxは以下の関係がある:
Figure 0005265399
ここで、xはゼロ平均を有し、共分散行列
Figure 0005265399
で、Iは単位行列である。nはM×1の複素数ガウスホワイト雑音(AWGN)ベクトルでゼロ平均、円形対称複素数ガウス分布を有し、n=(n1,・・・,MT、共分散
Figure 0005265399
(σ2は雑音電力)、且つnとxは相関していない。HはM×Nのチャネル行列で、hiは行列Hのi番目列で、i番目の送信アンテナに対応する。
線形MIMOシステム(1)について、検出する目標は最大事後確率(APP)を有するベクトルをサーチすることである:
Figure 0005265399
ここで、Ckは第k本のアンテナのコンスタレーションポイントの集合で、1≦k≦N;
集合
Figure 0005265399
は、全てのあり得る送信符号の集合を含む。
直接な経路とは、指数となる演算複雑度により、
Figure 0005265399
を羅列的に探索するものである。実践において、リアルタイムなシステムに用いられてはいけない。特に、MIMOが非常に大きい場合、例えば、4×4のMIMO設定と16QAMの場合、送信する符号の数は
Figure 0005265399
である。
本発明のMAPアルゴリズムに基づく基本思想の一つとして、集合
Figure 0005265399
の大きさをSまで減少し、ここで、S≧1で、このS個のベルトルを生残り経路と言う。
例えば、O=(a1,・・・,aN)が検出の順位で、且つ
Figure 0005265399
がS個の生残り経路の集合で、P(x|r)が事後確率であるとすると、これらの生残り経路は以下の関係がある:
P(x(N,1)|r)≧P(x(N,2)|r)≧・・・≧P(others|r);
それに応じて、MAPの公式(2)は、
Figure 0005265399
即ち、S個の生残り経路の集合から最大事後確率(APP)を有するベクトルをサーチし、その演算の複雑度は生残り経路と正比例する。
しかし、S本の生残り経路をサーチするのは依然として、指数の演算複雑度を有する。
シリアル干渉キャンセル(SIC)技術は再帰思想を提供して、近似線形演算複雑度により近似MAP検出性能を得る。伝統的なSIC検出方法について、k番目の層の一本の新しい生残り経路
Figure 0005265399
は、k−1番目の層の古い生残り経路
Figure 0005265399
がさらに拡大されて得られるものである。ここで
Figure 0005265399
同様に、k番目の層のS本の新しい生残り経路の集合X(k)={x(k,1),・・・,x(k,S)}は、k−1番目の層のS本の古い生残り経路の集合X(k-1)={x(k-1,1),・・・,x(k-1,S)}を以下のアルゴリズムで再帰にサーチして得られる。
Figure 0005265399
ここで、SCG[S]は集合
Figure 0005265399
から順にS個の最大の値を選択するのを表示する。
k番目の層について、S本の生残り経路をサーチする演算複雑度と可能な経路数
Figure 0005265399
と正比例する。このような方式により複本の経路検出は複雑度を大いに低下し、性能がわずかに低下するのに比べて指数演算を避けた。
SICの誤差伝送によりひどい検出性能の劣化が生じられる。このような影響を解消するために、まず最も信頼性の高いアンテナを削除する。これはアンテナに対して動的順位をつけることを必要とする。
k番目の層において、順位
Figure 0005265399
を介してk−1本のアンテナが削除されるとすると、まだN−k+1本のアンテナが残されている。このN−k+1本の削除されないアンテナ(アンテナ候補)は、集合
Figure 0005265399
により表示できる。最も信頼性の高いアンテナは最大のAPPを必ず有する:
Figure 0005265399
ここで、
Figure 0005265399
は、最大のAPPを有する送信ベクトルである。こうして、k番目の層について、更新された順位O(k)
Figure 0005265399
で、まだ指数の演算複雑度を有する。
同様に、前記に記載のように、本発明においてk−1番目の層のS本の生残り経路はX(k-1)={x(k-1,1),・・・,x(k-1,S)}であるとし、次の最適の方法として
Figure 0005265399
が挙げられる。こういう場合、最も信頼性の高いアンテナは以下の標準で定義できる:
Figure 0005265399
ここで、
Figure 0005265399
は、アンテナakの次の最適の硬判決(hard‐decision)結果である。
Figure 0005265399
をサーチする複雑度が生残り経路の数、コンスタレーションの大きさ|C|と比例するので、動的順位の総の複雑度はS×|C|×|A(k)|と正比例する。特にS=1であると、複雑度は|C|×|A(k)|=|C|×(N−k+1)と比例するまで低下する。実践において、動的順位(DLO)について、s=1であると、当該アルゴリズムもより優れた性能に達することができる。
高い信号対雑音比(SNR)と大きいSについて、次の最適の最も信頼性の高いアンテナが最適な最も信頼性の高いアンテナに等しいことは高い確率を有する。
簡単に言えば、動的順位と生残り経路検出を結合して第k層の検出作業は:
Figure 0005265399
と再帰する。
最後に、X(N)における1番目本の生残り経路x(N,1)を最終決定した検出結果はxfinalとされる。
なお、MAPの1本又は複本の経路検出に関する上記の記載において、符号を簡素化するために、生残り経路の数は一つの固定値である。実際に、異なる検出層について、性能と複雑度との関係をバランスとるように、生残り経路の数は異なる値Skと設定できる。経験によってスタティックにS1≧S2・・・≧SNと設定される。もう一つの方式としては所定の基準或は範囲に基づいて、動的にSkの値を調整する。
なお、公式(6)において、討論を簡素化するように集合
Figure 0005265399
をサーチするとする。ここで、X(k-1)はS本の生残り経路の集合である。S=1であると、優れた性能に達することができ、低複雑度を有することもできる。
本発明のMAPに基づく検出アルゴリズムは1本又は複本の生残り経路に基づく近似である。高い信号対雑音比(SNR)の環境及び結構大きいS値に従い、複本の経路方法の性能はMAP検出に近似している。
(2)ガウス分布近似によるAPPの演算
動的順位とS本の生残り経路検出において、共にベクトルxのAPPを演算する必要がある。Bayes規則(Bayes rule)を再帰的に使う:
Figure 0005265399
ここで、xkはベクトルxの要素で、
Figure 0005265399
は(x1,・・・,xk)が削除された受信信号である。ベクトルxのAPPを演算することは本発明における肝心なステップである。以下にてまずどのようにスカラー符号xkのAPPを演算するかについて説明する。
システムモデル(1)について、
Figure 0005265399
を受信信号rのゼロフォーシング(ZF)検出結果とする。Hがフルコラムランク行列(full column rank matrix)で、P(xk|r)の事後確率はP(xk|yzf)と等しい。事後確率P(xk|yzf)に対してBayes規則を使う:
Figure 0005265399
ここで、スカラーxkはアンテナkの送信符号で、Cはコンスタレーションポイントの集合である。
以下に分布f(r|xk)及びf(r|xk)に基づいたいくつかの結果をサーチする。
f(yZF|xk)が期待値μk=xk・kと共分散
Figure 0005265399
を有するガウス確率密度関数(PDF)であることを容易に証明できる(D.Seethaler, Artes,H, and Hlawatsch,F. “Dynamic nulling‐and‐cancelling with near‐ML performance for MIMO communication systems”, Acoustics, Speech, and Signal Processing, 2004. Proceedings. Volume 4 (2004): Page(s): iv‐777‐iv‐780)。ここで、ekは1つの単位ベクトルで、k番目の要素は1である。σ2Iは雑音ベクトルnの相関係数行列である。
Wはウィーナイコライザー(Wiener estimator)を表し、
Figure 0005265399
を有する。Ckに対して逆行列補助定理(matrix inversion lemma)により求めると、
Figure 0005265399
と得られる。
f(yZF|xk)に代入して、拡散をすると、
Figure 0005265399
と得られる。
公式(8)において、φ(xk|r)=|yMMSE,k/Wk,k−xk|は、送信アンテナkの無偏ユークリッド距離である。このような検出方法は無偏MMSE検出という(J.G.Proakis and D.G.Manolakis, “Digital Signal Processing: Principles, Algorithms, and Applications 2:ed”, Macmillan Publishing Company, 1992)。通常、無偏MMSE検出のミス確率は伝統的なMMSE検出よりもわずかに小さい。常数変調(constant modulation)について、無偏MMSE検出は通常のMMSE検出に相当する。
無偏ユークリッド距離の左側の因数
Figure 0005265399
はMMSEポスト均等化信号対雑音比(MMSE post‐equalization SNR)という。アンテナkの無偏MMSE検出の信号干渉/雑音比(SINR)を明らかにした。各アンテナ単位に電力を送信するため、MMSE検出の平均分散誤差(MSE)は
Figure 0005265399
で、且つ
Figure 0005265399
である。そのため、本発明において以下の公式を定義してr条件における符号xkのメトリックとする:
Figure 0005265399
便利のために、以下に
Figure 0005265399
にて次メトリックを表す。これらは同一の意味があることを示す。
これにより、受信機が送信符号xkに関する事前情報(priori information)がないと、log‐maxを有するスカラーxkのAPPは近似的に、
Figure 0005265399
と等しい。
ここで、
Figure 0005265399
は、アンテナkへの無偏MMSE検出の最小無偏ユークリッド距離を有するコンスタレーションポイントである。
スカラーxkの事後確率APPは以下により確定される: 1)チャネル統計SINRkであり、これは長期的なチャネル信頼性を記載した。及び 2)瞬時的な信頼度因数(IRF)であり、
Figure 0005265399
これは目前時刻の瞬時的な符号の信頼性を記載した。瞬時的な信頼度因数の値は大きいほど、より信頼できる。
(3)本発明の動的順位のアルゴリズム
上記に検討したように、SICの誤差伝送の影響を避けるように、最も信頼性の高いアンテナは初めに削除される。
(k-1)={x(k-1,1),・・・,x(k-1,S)}がk−1番目の層の所定の順位
Figure 0005265399
によるS本の生残り経路の集合で、且つ
Figure 0005265399
であるとすると、アルゴリズム(6)によって最も信頼性の高いアンテナをサーチできる。
Figure 0005265399
ここで、
Figure 0005265399
最も信頼性の高いアンテナをサーチする複雑度を更に簡素化するために、ここで例えばS=1の特殊場合のみを考慮すると、
Figure 0005265399
受信機には送信ベクトルxに関する事前情報(priori information)がないとすると、以下のように最大事後確率を有するアルゴリズムによって最も信頼性が高いアンテナをサーチする:
Figure 0005265399
公式(8)を上式に代入すると、
Figure 0005265399
と得られる。
Figure 0005265399
はベクトルx(k-1,1)が削除された受信信号で、
Figure 0005265399
はアンテナakの瞬時的な信頼度因数(IRF)で、
Figure 0005265399
の無偏MMSE検出の最適点(最小無偏ユークリッド距離を有するコンスタレーション点)で、
Figure 0005265399
は次の最適点(第2の最小ユークリッド距離を有する)である。
最も信頼性の高いアンテナを探索する前記演算複雑度は線形で、且つコンスタレーションの大きさ
Figure 0005265399
及び削除されるアンテナ数と正比例する。
(4)本発明の生残り経路(1本又は複本の生残り経路)データ検出アルゴリズム
所定の順位
Figure 0005265399
によりk−1本のアンテナが削除され、且つS本の生残り経路を取得したとすると、受信機に送信符号の事前情報がないと、k番目の層のS本の生残り経路は以下の式で演算されて得られる:
Figure 0005265399
Figure 0005265399
のZF検出結果として、ここで、
Figure 0005265399
番目の要素である。yZF
Figure 0005265399
の線形関数で、且つ期待値E{yZF}=0及び分散
Figure 0005265399
を有するため、
Figure 0005265399
とyZFとの間のジャコビ行列式(Jacobi determinant)で、確率密度関数
Figure 0005265399
である。
これにより、確率密度関数とメトリックとの間の再帰関係を得られる。
Figure 0005265399
そのため、
Figure 0005265399
前記検討に基づき
Figure 0005265399
生残り経路は最小のメトリックの和を有する。k番目の層の生残り経路のメトリックの和は、スカラーxkのメトリックにk−1番目の層の生残り経路の相応メトリックの和を加算して得られる。S本の生残り経路を探索する複雑度は
Figure 0005265399
と比例になる。
前記より分かるように、最大事後確率(APP)を有する経路を生残り経路(survivor‐paths)として選択するたびに、論証に基づき、等効果の選択方法は、毎回最小メトリックを有する経路を選択して生残り経路とする。
(5)再帰演算
k番目の層について、MMSE検出結果
Figure 0005265399
(ここで、H(k)はk−1列が削除されたチャネル行列Hである)を演算するために、行列乗法と逆行列を演算する必要がある。
行列D(k)
Figure 0005265399
を表し、直接各層のD(k)を求めると、D(k)を更新する総の複雑度はO(N4)に近似し、本発明の検出アルゴリズムにおける最大演算量の部分である。
そのため、D(k)を演算するためのより簡単なアルゴリズムを必要とする。D(k)はD(k-1)から以下のような再帰アルゴリズムにより演算されて得られる(D.Seethaler, Artes,H, and Hlawatsch,F. “Dynamic nulling‐and‐cancelling with near‐ML performance for MIMO communication systems”, Acoustics, Speech, and Signal Processing, 2004. Proceedings. Volume 4 (2004): Page(s): iv‐777 ‐ iv‐780):
Figure 0005265399
ここで、D11、12、21、22、1、2及びδは行列D(k-1)における要素である。
Figure 0005265399
ここで、δは行列D(k-1)のak番目行とak番目列の要素に対応している。
Figure 0005265399
はチャネル行列H(k-1)のアンテナ/列のサブスクリプトである。
再帰式は
Figure 0005265399
により初期化される。D(k)を更新する複雑度はO(N3)まで低下する。
同様に、本発明はMMSE検出を演算するのに対して再帰アルゴリズムも用いる。
Figure 0005265399
は更新する前のベクトルを表し、
Figure 0005265399
はアンテナ指標である。y(k)とy(k+1)との間の関係は:
Figure 0005265399
Figure 0005265399
ここで、
Figure 0005265399
且つ
Figure 0005265399
Figure 0005265399
ここで、γは行列C(k-1)のak番目行とak番目列の要素に対応している。
Figure 0005265399
はベクトルy(k)のak番目の要素に対応している。
また、公式(13)において、S本の生残り経路を演算するのは、ただO(N2)の複雑度で
Figure 0005265399
を一度演算するだけでよい。公式(14)には一行と一列が削除される以外に、他の数学操作が必要ではない。MMSE更新の総の演算複雑度はただO(N4)からただO(N2)まで低下する。
前記原理及びアルゴリズムに基づき、以下に本発明のMIMO検出のアルゴリズムのフローを詳細に記載する。下記のフローにおいて、X(k)、Y(k)、L(k)、O(k)はそれぞれ生残り経路、MMSE結果、メトリックとアンテナ順位の集合を示す。図1は本発明の実施形態におけるMAPに基づきMIMO検出を実現する方法フローチャートである。図1に示すように、当該実施形態のMIMO検出方法は以下のステップを含む。
ステップS100において、パラメート行列(行列乘法Cと逆行列D)、MMSE検出結果、生残り経路のメトリック、生残り経路、アンテナ順位等を初期化する。
Figure 0005265399
ここで、y(1,1)はMMSE検出結果を表し、L(0,1)はy(1,1)に対応するメトリックで、x(0,1)は生残り経路である。
そして、繰り返し信号変数kは1からNとして、MAPに基づく動的順位のSIC検出を行う。具体的には、
ステップS200、最も信頼性の高いアンテナを探索する。当該ステップは、以下を含む。
ステップS201、行列D対角要素に基づき1本ごとにアンテナ候補{1,・・・,N}\O(k)のSINRを演算する:
Figure 0005265399
ここで、diag(D(k))は選択方陣D(k)の対角要素を示す。
ステップS202、MMSE検出結果に基づき1本ごとにアンテナの瞬時的な信頼度因数Iを演算する。
ステップS203、公式(10)により1本ごとにアンテナの信頼度を演算し、最適な信頼度のあるアンテナak(最も信頼性が高いアンテナ)を選択するとともに、演算された信頼度に基づきアンテナ順位
Figure 0005265399
を更新する。
ステップS300、公式(11)によりk番目の層のアンテナakに対応するメトリックを演算し、最小メトリックに対応するS個の経路を生残り経路として選択し、具体的には以下を含む。
1)繰り返し信号変数iは1からSとして、コンスタレーション点のそれぞれが具備可能なメトリックを演算する。
Figure 0005265399
2)
Figure 0005265399
よりS個の最小値をk番目の層のメトリックL(k)として選出し、当該S個の最小値に対応するS本の経路を生残り経路とするとともに、相応するコンスタレーションポイント及びMMSE検出結果を記録する。
ステップS400、記録されたコンスタレーションポイントを有する生残り経路X(k)を更新し、アンテナakをアンテナ候補の中から削除する。
ステップS500、パラメーター行列とMMSE検出結果を更新する。当該ステップにおいて公式(13)、(12)、(14)の再帰アルゴリズムでy(k)、D(k)、C(k)を更新する。
N番目の層のアンテナの検出済みかを判断し、N番目の層を検出済みであると、動的順位で1番目の生残り経路X(N)を、最後の検出結果として選択する。これによりMIMOシステムの検出が完成する。
通常、MIMO検出は複素数の領域で(システムモデル(1)における全ての要素は共に複素数である)行われる。MIMO検出の性能は削除順位に深く影響されたため、理論上では、順位が精密であるほど、検出性能が高い。
複素数と実数の間の換算関係により、いずれの複素数方程式も等効果実数方程式で表される。同様に、複素数のMIMOシステムも以下に示す実数MIMOシステムと同じく表される。そのため、本発明の実施形態は検出の性能を向上するように、複素数システムモデルをさらに実数システムモデルと拡大した。
複素数モデルにおいて、公式(1)における全てのx、r、n及びH等は共に複素数である。これは等効果の実数モデルだと拡大可能である:
Figure 0005265399
ここで、
Figure 0005265399
は変数の実数部分(実部)と虚数部分(虚部)を表す。
実部と虚部の非相関性のため、QAM変調について、いつも複素数符号を2個の非相関の実数サブ符号と分けられる。例えば、1つの16QAM符号はいつも2個の4PAM符号と分けられる。
本発明の検出アルゴリズム(本発明における複本の生残り経路への検出アルゴリズムはMAP動的順位に基づく複本路径検出(MAP‐DOM)アルゴリズムと言ってもいい)について、実数符号により検出性能を向上することは効果的である。より精密な動的順位から検出性能を向上することができる。直接、これも演算の複雑度をもたらすが、実数符号コンスタレーションの大きさが複素数符号コンスタレーションより大いに小さいため、複素数符号コンスタレーションが64QAMのように大きい場合、実数アルゴリズムの複雑度は依然として複素数アルゴリズムの複雑度より低い。
圧倒的に多数のMIMO検出方法は複雑で、例えば逆行列、QR分解、順位(Sort)等のような複数の演算操作を含む。これらの操作の複雑度は具体的なアルゴリズムに深く影響されているため、MIMO検出の複雑度を確実に分析するには非常に難しい。
便利のために、以下にいくつか細部の相違を見落すことによりMAP‐DOMアルゴリズムの複雑度を近似的に推定する。以下の仮定を利用する。
1)MIMOには同一数のTXアンテナとRXアンテナが配置され、且つM=N;データストリーム毎に16QAMのような同一変調方法を有する;層毎にS本の生残り経路のような同一数の生残り経路を有する。
2)演算単位は複素数の乘算又は除算の複雑度を有し、加算又は減算が疎かにされる;実数操作の複雑度は複素数操作の複雑度の1/4であるとする。
3)行列乘算又は逆行列の複雑度はN3であるとする。
4)S値がとても小さい時に、順位(sort)の複雑度(線形複雑度)は疎かにされる。
総のMAP‐DOMアルゴリズムの複雑度には、Cinitで表す初期演算とCiterで表す繰り返し信号演算の二つの部分を含む。
1)初期演算Cinit
複素数システムについて、Cinitは1×行列乘算、1×逆行列、及び2×行列とベクトル乘算(y(1,1)=D(1)(H(1)r))を含む。総の複雑度はCinit→2N3+2N2である。
実数MAP‐DOMアルゴリズムは複素数アルゴリズムと同一の複雑度を有する。
2)Citer
MAP‐DOMアルゴリズムの繰り返し信号数はN(実数アルゴリズムは2N)、複雑度は1からNまで加算する(実数アルゴリズムは1から2Nまで)ものである。
概ねに、毎回繰り返しの複雑度は以下のようである(nは繰り返し変数):
動的層順位:|C|・nに近似
複本の路径の検出:|C|・Sに近似
パラメーター行列とベクトルの更新:2n2+S・nに近似
そのため、総の複雑度は以下のように推定される:複素数システムCiterには約2/3N3+1/2(S+|C|)・N2で、実数システムCiterには約4/3N3+1/2(S+√|C|)・N2である。
Figure 0005265399
要するに、表1に示すように、MAP‐DOMアルゴリズムの複雑度は以下の要素に決められる。
1)送信アンテナ数はNであり、複雑度はO(N3)に近似;
2)生残り経路数Sとコンスタレーションの大きさ|C|、送信アンテナ数Nが一定であると、MAP‐DOMアルゴリズムの複雑度はSと|C|の和と正比例する;
3)実数アルゴリズムにより各コンスタレーションのポイント数を√|C|に低下させたため、複素数アルゴリズムは実数アルゴリズムよりもコンスタレーション大きさ|C|に敏感である;
4)|C|が4QAMのように小さいと、複素数アルゴリズムは実数アルゴリズムよりも複雑度が低い。しかし、変調レベル(Level)の増加に従って、実数アルゴリズムは複素数アルゴリズムよりも低複雑度を有するようになる。MIMOの目標の一つは、限りのある帯域により高速のデータ送信を実現することである。そのため、技術発展の傾向はMIMOシステムにおいて例えば16QAM又は64QAMのようなハイレベル変調を利用することである。その時、実数アルゴリズムはより高い検出性能及びより低演算複雑度を有するため複素数アルゴリズムよりも優れている。
複素数システムと実数システムについて、MAP‐DOMアルゴリズムの総の複雑度は接近している。生残り経路が少ないと、更新ステップにて実数システムの複雑度は複素数システムの複雑度よりも高いが、生残り経路の増加及びコンスタレーションの増大に従って、当該二種類の演算も共に近似した漸近線複雑度を有する。
実数アルゴリズムの各アンテナは√|C|のコンスタレーションポイントを有するため、複素数アルゴリズムは実数アルゴリズムよりもコンスタレーション大きさに敏感である。コンスタレーションポイントの増加に従って、複素数アルゴリズムの複雑度は実数アルゴリズムの複雑度を越えることとなる。
以下にコンピュータにて異なるMIMO設定の性能を模擬展示する。
1)符号エラー率(SER)性能推定
複素数システムと実数システムとに対してSER性能推定を行う。ここで、16QAMを有する8×8MIMOシステムの検出結果のみを提供しているが、他方の異なるMIMO配置についても、近似した結果を得られることは既に確認された。図2は複素数と実数のMAP‐DOMアルゴリズムのSER性能を示す模式図である。ここで、DOM‐Cは複素数MAP‐DOMアルゴリズムを表し、その後の数字2と4は生残り経路数である。DOM‐Rは実数MAP‐DOMアルゴリズムを表し、その後の数字2と4は生残り経路数である。当該図はN=M=8、16QAMのMIMOシステムに対応し、以下の結論が得られる。
異なるMIMO設定は、大きい範囲内にDOM‐CとDOM‐RがともにMLに近似した性能を得られる。S=4であると、ML検出に対して、SER=10-4であると、DOM‐Rの性能は0.5dBまでは低下しなく、DOM‐Cの性能も2dB以内しか低下しない。
DOM‐Rの性能はDOM‐Cの性能よりも優れている。このメリットはより精密な動的順位によるものである。Mが小さいと、DOM‐Rの性能はDOM‐Cよりも2Mだけ高く、又は性能は同じ程度である。
圧倒的に多数のMIMO設定について、Sを4とするだけで十分で、更に大きいSは性能をわずかに向上するしかできない。
2)生残り経路の数の影響
図3はMIMOの大きさとSNR閾値の関係を示す模式図である。当該図における曲線に対応するSERは10-4であり、N=M、16QAMである。アナログ結果により、異なるMIMO設定について、生残り経路の数の増加に従って、DOM‐RとDOM‐CとはML検出に快速に接近する性能を有する。
MIMO設定が大きければ大きいほど、SNR閾値が低くなる。アンテナ数の増加に従って、アンテナ毎のチャネル容量は増加して極限に達する。
図3により検出性能と演算複雑度とのバランスをとるように、どのように生残り経路の数を設定するか分かるようになる。実践において、16QAMの変調について、S=4のDOM‐RとS=6のDOM‐CはML検出に相当する性能を得られる。性能劣化は1dBより小さい。
3)動的順位の役割
動的順位の役割を例示するために、図4aと図4bはそれぞれS=2とS=4の場合のMAP‐DOM(DOM‐R及びDOM‐C)と非動的順位の複数路径アルゴリズム(NDOM‐R及NDOM‐C)の性能を比較した。図4a及び図4bより分かるように、(DOM‐R及びDOM‐C)の性能は(NDOM‐R及びNDOM‐C)の性能よりも少なくとも5dB程度優れている。この有益な効果は動的順位によるもので、優れた動的順位の方法は誤差伝送を顕著に低下させられるからである。
非動的順位について、NDOM‐RはNDOM‐Cよりわずかに優れている。なぜなら、NDOM‐Rは更に精密な順位によって更なるゲインが得られないからである。
要するに、本発明はML検出性能に近似した新しいMIMO検出方法を提供し、当該方法は最高に近い性能を有するだけでなく、低演算複雑度を有する。当該方法はMAP規格に基づき、動的順位と複数の路径検出により性能を向上した。動的順位により誤差伝送が低下され、複数の路径検出により検出の確実性が向上される。実数拡散による本発明の検出方法は、より確実なアンテナ順位方法を提供し、システムの性能をさらに向上させる。
複数の経路検出アルゴリズムによって理論分析が難しくなるため、本発明はコンピュータにてMAP‐DOMの性能をアナログして推定し、異なるMIMO設定、異なる動的順位及び異なる数の生残り経路の場合の性能比較により、MAP‐DOMがML検出に近似した性能(性能下降が0.5dBより小さい)を有するとともに、低演算複雑度を有することが説明された。
MAP‐DOM MIMO検出の複雑度は再帰アルゴリズムにより大いに低下し、異なるMIMO設定についてよりよい測量可能性を有し、生残り経路の数を変更することにより複雑度と性能とのバランスを容易に調整することができる。SDと異なり、異なるSNRとチャネル状況について、MAP‐DOMは固定の複雑度を有する。
前記実施の形態に基づき、本発明の目的、技術方案及び有益な効果について詳細に説明した。前記記載は本発明の実施の形態だけで、本発明の特許請求の範囲を限定したものではなく、本発明の精神及び原則以内の何らの補正、同効差し替え、改良等はいずれも、本発明の特許請求の範囲に含まれている。

Claims (9)

  1. MIMO(多入力多出力)システムの繰り返し信号検出方法において、
    最大事後確率(MAP)アルゴリズムに基づいて演算される演算パラメーターを用いてk番目の検出層で複数のアンテナ候補の中から最も受信信号の信頼性が高いアンテナをサーチし、前記サーチされたアンテナに対して、最大事後確率を有する経路からS本の経路を生残り経路として記憶し、ここで、S≧1で、k=1の場合前記演算パラメーターは初期化された演算パラメーターで、k>1の場合前記演算パラメーターはk-1番目の検出層の検出結果に応じて更新された演算パラメーターである演算ステップと、
    演算結果に応じて演算パラメーターを更新し、最も受信信号の信頼性が高いアンテナをアンテナ候補から削除するアンテナ削除ステップと、
    k=k+1として、再帰アルゴリズムで前記演算ステップとアンテナ削除ステップを全てのアンテナ候補が削除されるまで繰り返す繰り返しステップと、を含み、
    最終層の検出層において最大事後確率を有する1本の生残り経路を最終の検出結果とし、
    前記演算パラメーターは、行列積、逆行列、最小平均二乗誤差(MMSE)検出結果、生残り経路のメトリック、生残り経路及びアンテナ順位を含み、
    前記演算ステップは、
    逆行列対角要素に基づき各アンテナ候補毎に信号対干渉・雑音比SINRを演算し、
    最小平均二乗誤差(MMSE)検出結果に基づき各アンテナ候補の瞬時的な信頼度因数を演算し、
    前記干渉・雑音に対する信号の比率SINR及び瞬時的な信頼度因数に基づきアンテナの信頼度を演算し、最も受信信号の信頼性が高いアンテナを選択し、
    前記選択されたアンテナに対応する、最も小さいメトリックを有するS本の経路を生残り経路として記憶することを含むことを特徴とする繰り返し信号検出方法。
  2. 請求項に記載の繰り返し信号検出方法において、
    初期化された行列積、逆行列、最小平均二乗誤差(MMSE)検出結果、生残り経路のメトリック、生残り経路及びアンテナ順位はそれぞれ次のように表し、
    Figure 0005265399

    ここで、Y(1)、L(0)、X(0)、O(0)はそれぞれ最小平均二乗誤差MMSE検出結果、生残り経路のメトリック、生残り経路及びアンテナ順位の集合を表し、Hはチャネル行列で、σ2は雑音電力で、Iは単位行列で、y(1,1)は最小平均二乗誤差MMSE検出結果で、rは受信信号ベクトルで、L(0,1)はy(1,1)に対応するメトリックで、x(0,1)は生残り経路で、
    下式により各アンテナ候補の干渉雑音に対する信号の比率SINRを演算し、
    Figure 0005265399

    下式によりアンテナの信頼度を演算し、
    Figure 0005265399

    ここで、Iakは瞬時的な信頼度因数で、A(k)はアンテナ候補の集合で、
    下式により生残り経路を選択し、
    Figure 0005265399

    ここで、
    Figure 0005265399

    は、選択されたアンテナ候補における全てのコンスタレーションポイントに対するメトリックから、S個の最小値を並べて選択することを表していることを特徴とする。
  3. 請求項に記載の繰り返し信号検出方法において、
    生残り経路を選択するステップは、
    繰り返し変数iを1からSとして、下式により全てのコンスタレーションポイントに対するメトリックを演算し、
    Figure 0005265399

    ここで、iは生残り経路、jはi番目の生残り経路に対応するコンスタレーションポイント、L(k-1,i)はk−1番目の層におけるi番目の生残り経路のメトリック、
    Figure 0005265399

    はk番目の層における生残り経路xjのメトリックで、
    Figure 0005265399

    からS個の最小値をk番目の層のメトリックL(k)として抽出し、L(k)に対応するS個の経路を生残り経路として選択することを特徴とする。
  4. 請求項に記載の繰り返し信号検出方法において、
    演算結果に応じて演算パラメーターを更新するとは、演算されたアンテナ候補の信頼度に応じてアンテナ順位を更新することを含み、
    下式により生残り経路を更新し、
    Figure 0005265399

    下式により行列掛け算、逆行列、最小平均二乗誤差MMSE検出結果を更新することを特徴とする
    Figure 0005265399

    Figure 0005265399

    Figure 0005265399
  5. 請求項1に記載の繰り返し信号検出方法において、異なる検出層における生残り経路の数が同一であることを特徴とする。
  6. 請求項1に記載の繰り返し信号検出方法において、異なる検出層における生残り経路の数が異なり、この数は半固定的、或いは動的に調整され決定されることを特徴とする。
  7. 請求項に記載の繰り返し信号検出方法において、半固定的に設定された異なる検出層における生残り経路Skの数がS1≧S2≧・・・≧SNを満足することを特徴とする。
  8. 請求項1に記載の繰り返し信号検出方法において、前記MIMO(多入力多出力)システムは複素信号を用いるシステムであることを特徴とする。
  9. 請求項1に記載の繰り返し信号検出方法において、前記MIMO(多入力多出力)システムは複素信号を次のように変換して得られた実数信号システムで、
    Figure 0005265399

    ここで、
    Figure 0005265399

    とはそれぞれ変数の実数部と虚数部とを表していることを特徴とする。
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