JP5531089B2 - Mimo受信信号を検出するための深さ優先探索による木探索方法 - Google Patents

Mimo受信信号を検出するための深さ優先探索による木探索方法 Download PDF

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Description

本発明は、マルチインプット・マルチアウトプット(MIMO)チャネルの受信信号を木探索に基づき検出するための深さ優先探索による木探索方法であって、探索木の葉ノードが、想定し得る送信ビットを表し、最も高い尤度で送信されたと思われるビットとそのビットの信頼度値の決定が含まれ、この信頼度値が、木探索の間に検出された葉ノードの状態情報に基づき決定され、木探索の探索空間が木探索の間に検出された葉ノードの状態情報に基づき限定される方法に関する。
移動無線での絶えず増大するデータ速度は、利用可能な帯域幅の使用方法の改善を求めている。従って、スペクトル効率の向上のために、送信アンテナと受信アンテナを複数備えたシステム(マルチインプット・マルチアウトプット(MIMO)システム)が益々使用されている。一般的に周知の通り、最適なMIMO受信器(APP(事後確率)検出器)の複雑さは、送信シンボル当りのビット数に対して指数関数的に増大する。木探索アルゴリズムは、複数アンテナシステムに関して、検出の複雑さを是認できる程度にほぼ最適な性能を達成するための非常に魅力的な手法である。
近年、そのようなアルゴリズムは、精力的に理論が研究されるとともに、当初は特定用途向け集積回路(ASIC/Application Specific Integrated Circuits)に基づくハードウェアに実装されると想定されている。今後更に研究される移動無線世代では、MIMO検出に加えて、反復検出アルゴリズム、干渉抑制、可変システムパラメータ、ネットワークMIMO及び新符号化法(例えば、CLDPC/Convolutional Low Density Parity Check Codes)が使用されよう。それらは、計算能力、電力消費量及び再構成可能形態に関して、木探索法を実装するためのアーキテクチャの要件を大幅に増大させる。しかし、開発済みの解決策は、そのような次世代の移動無線システムの増大する要件を満足させる解決策から大きく懸け離れている。
非特許文献1には、信頼度値(所謂、軟出力値)を計算するための拡張とそれをASICに適用する手法を有する幅優先探索に基づくMアルゴリズム又はK−Best木探索アルゴリズムの原理が記載されている。送信アンテナと受信アンテナをそれぞれ4台備えた16−QAM(直交振幅変調)システム(4x4MIMO)用の実装形態では、実際の代替システムの順番に処理される8つの木の面の各々に関して、ハードウェアコンポーネントが存在し、それらのコンポーネントが、パイプライン処理によって、軟出力値を計算するための拡張ユニットと共に並列処理が可能なように選択されている。そうすることによって、検出器が、106Mビット/秒までのデータ速度での受信が可能となっているが、複雑さが、計算ユニットの数に応じて著しく増大するとともに、大幅に単純化された軟出力値演算のために、精度の劣化が起こっている。
非特許文献2に記載されている通り、スフィア検出アルゴリズムによる深さ優先探索用のASIC実装ベースの最新の検出器も、ほぼ最適な検出品質(軟情報の正確な演算)で、漸く約10Mビット/秒のスループットを達成している。従って、移動無線で追求している100Mビット/秒を明らかに上回るデータ速度を達成するためには、そのような方法の更なる最適化の外に、複数の並列の検出器を採用することも必要である。
図1は、NT 台の送信アンテナとNR 台の受信アンテナを備えたMIMOシステムのシステムモデルを図示している。このシステムモデルは、複素数値として表されている。ベクトルは、太字で示された小さい記号で強調され、マトリックスは、太字で示された大きな記号で強調されている。ベクトル又はマトリックスの変換は、上添字のTで示されており、ベクトル又はマトリックスのエルミート変換(共役複素変換)は、上添字のHで示されている。
Figure 0005531089
は、複素数の集合を表す。実数演算は、
Figure 0005531089
で示され、複素演算は、
Figure 0005531089
で示されている。
Figure 0005531089
は、各引数のユークリッドノルムを表している。
図1には、伝送区間の主要な要素が図示されている。ここでの説明は、ベースバンド、即ち、離散的な状態に対して行われている。データは、ブロック単位で伝送され、送信器と受信器のインパルス応答フィルターは、この実施例では、別に考察しないが、チャネルモデルに統合することができる。送信側では、データビットが独立して同じ形で分布するベクトルuが、外部チャネル符号で符号化(114)されて、ベクトルc’から得られたフローが、ビットインターリーブ(116)されて、ブロックcに分割されている。それに対応するビットは、送信用に複素数のシンボル配置にマッピング(118)されている。
Figure 0005531089
は、(NT ×NR )の大きさの複素数のシステムマトリックスを表し、そのマトリックスは、伝送チャネルと、送信側及び受信側のフィルター(例えば、チャネル適合フィルター、RAKE/pre−RAKEフィルター、逆拡散器)とを含むことができ、検出用の受信器において既知である。データブロックc=(c(1),...,c(NT ))T は、場合によっては、伝送前に符号化され、インターリーブされた、それぞれLビットから成るNT 個のシンボルから構成される。変調としては、要素が
Figure 0005531089
から成るQ−QAMが行われ、m番目のビットベクトルcm のそれに対応するシンボルζm へのマッピングζm =map(cm )は、例えば、グレイラベリングによって行うことができる。Q=2L は、シンボルの次数を表し、Qの典型的な値は、4,16,64,256である。シンボルの同相又は直角位相成分は、xI とxQ で示されている。想定し得る送信シンボルの集合の中の送信信号
Figure 0005531089
は、システムマトリックスとの乗算によって、受信信号
Figure 0005531089
にマッピングされ、その受信信号は、雑音電力密度がN0 である複素数値の追加雑音
Figure 0005531089
を重畳されて、y=Hx+nとなる。
図2は、グレイラベリングによる64−QAMのシンボル配置によるシンボルとビット値の例を図示している。図3には、伝送によって歪められた、検出のベースとなる受信シンボル配置が16−QAMの例で図解されている。この受信したシンボルyに基づき、送信されたデータを推定する、詳しくは、図1に図示された検出器122と送信側の前処理部に対応する復号部128を用いて推定し、検出/復号プロセスも反復して行うことができる(126)。
その後、復号されたデータは、周知の手法で硬判定ブロック130を経由して、バイナリデータ受信器132に入力される。
本発明を実装することができる、ここで考察する検出器122の役割は、最も高い尤度で送信されたと思われるビットcと、それらのビットに関して、その対数による比率を一つのビットが「1」又は「0」であるか、或いは「+1」又は「−1」であるかに対応付た信頼度情報(L値)とを求めることである。それらは、受信したシンボル、チャネル推定、算出した雑音電力及び場合によっては入手可能な当初の情報から計算される。ベイズの定理、送信ビットの統計的な独立性、多次元ガウス雑音の密度関数及びMax−log近似によって、次の通り、検出プロセスを表すことができる。
Figure 0005531089
Max−log近似では、面固有の距離マトリックスとなり、H=QR,y’=QH yが成り立つ。検出するアンテナの各々(i=1... NT )に関して、複数の想定し得る送信シンボルが存在し、そのため、分析されるシステムマトリックスの三角形構造によって決まる、送信ベクトルの個々のビットに関する複数の仮定又は代替仮定の追求は、木構造の葉ノード(i=1)に基づく探索として解釈することができる。様々な木探索方法が図4に図解されている。
この場合、探索木は、複数の面iを有し、各面が、一つの推定する送信シンボルを表す。木の面(i=1... NR )の各々には、xi に関して、それぞれ選択されたシンボル配置に対応するQ個の可能性が存在する。そのような可能性は、それぞれ木ノードで表され、それに対応するシンボルと未だ推定されていない残りのシンボル(1,... ,i−1)の間で起こる干渉を用いて、木の面(i−1)の子ノードに誘導される。そのため、木の葉は、推定される完全な送信データブロックを表すこととなる。
システムマトリックスのQR分析を用いた送信シンボルxの推定は、例えば、拡張されたチャネルマトリックスでの線形的なゼロフォーシング(ZF、完全な干渉抑制)又は線形的な最小二乗平均誤差(MMSE、最小二乗誤差の基準)の使用に相当し、実数値の代替モデル、ソートされたQR分析(SQRD)又は格子縮小システムマトリックスに対しても同様に使用することができる。推定時に、送信点は、歪によって、I/Q面内の受信点の近傍内をシフトし(図3参照)、全てのアンテナに渡って、偏差が最も小さい歪んだ送信信号を探索する。それは、既に推定された送信シンボルの逆置換とそれに属する累積距離メトリックλi によるΛ(c,y,La (c))の計算を反復する形で行われる。想定し得るシンボルが多いために、計算の複雑さを制限するための特別な探索方法を使用する必要が有る。それは、探索木内の探索パスの制限によって行われる。この場合、木探索方法は、非特許文献3に記載されている通り、深さ優先探索、メトリック制御探索及び幅優先探索の3種類のアルゴリズムに大まかに分類することができる。
スフィア検出(SD)アルゴリズムの深さ優先探索(図4(b)参照)では、非特許文献4〜6に記載されている通り、探索空間を受信シンボルの周りの超球(スフィア)に出来る限り速く制限し、それによって実行する計算回数を少なくするように努めている。この場合、算出した葉ノードの距離メトリックλ1 によって適合されたスフィアの半径Rが、そのような制限のためのパラメータとして機能する。制限されていない探索空間の初期考察(R=∞による初期化)後、逐次干渉除去(SIC)解法による計算によって、所謂ババイ点に対して(図4(a)参照)、例えば、R:=λ1,Babai への探索空間の制限が行われる。次に、木の面が逆の順序で考察され、その時々の探索スフィア(λ1 ≦R)内の未だ拡張されていない木ノードに対して、それぞれ深さ優先探索が実行される。この場合、考察するノードの選択は、有利には、大抵は、非特許文献7に記載されている通り、常に次に見込みの有るノードを次のノードとして看做す所謂シュノール・オイヒナーの数え上げ法によって行われる。新しい葉ノードの決定による探索及び探索空間の調整は、そのスフィアの全てのノードが考察されるまで行われる。
深さ優先探索に対して、マトリックスに基づく探索では、非特許文献8と9に記載されている通り、基本的に、探索空間の制限による回り道をすることなく、直ちにメトリック計算回数を最小化している。この場合、全ての考察されているノードのメトリックλi をリストに列挙して、それらをソートし、メトリックが最も小さいノードに拡張している。拡張のために選択された第一の葉(i=1)は、ML/MAP解法に対応する。更に実行される探索は、それに属する代替仮定を提供する。
第三の種類の木探索方法は、例えば、非特許文献10と11に記載されている通り、MアルゴリズムやK−Bestアルゴリズムなどの所謂幅優先探索から構成される。この場合、木の各面i+1において、選択されたノードに対して、見込みの有る次のノード(面i)を計算して、次の面の計算のためのM又はK−Best解を選択する。基本的なフローは、M又はK=3に関して、図4(c)に図示されている。
MIMO受信信号を検出するための深さ優先探索による木探索方法の特別な変化形態は、例えば、非特許文献6に記載されている通りの所謂リスト・スフィア検出(LSD)アルゴリズムである。そのようなアルゴリズムの従来の処理フローが図5にデータフロー図で図示されている。このアルゴリズムは、工程502での初期化後に、次の通り実行される。
1.探索が未だ終了していない場合(判定540)、即ち、例えば、探索木が完全には探索されていないか、或いは最大クロック回数などの停止条件が満たされない場合、このアルゴリズムを続行するか、さもなければ下記6.の工程を実行する。
2.次の工程として、その時々の面内の子ノードを更に考察し、
2.1 木の面(又はアンテナ)を新たに考察する場合(判定503)、既に推定済みのシンボルの干渉を受信シンボルから除去して(工程504)、子ノードとの距離を計算しなければならない(工程505)。この場合、最も有望なノードの選択のために、例えば、全ての子ノードの計算とその尤度に基づくソート(工程506)とが必要である。
2.2 その時々の木の面(従って、既に推定済みの同じ親ノード)の子ノードを既に考察し、ソートしている場合、この工程では、更なる処理は不要であり、次に処理する親ノードを選択する(工程508)。
3.次に、場合によっては、探索空間を限定することができ、
3.1 面の木の葉に到達した場合(判定510)、場合によっては、探索スフィアを更に制限することができる。そのための手法は、探索スフィアに関して重要な信号候補の保存と、好適なスフィア半径の計算(工程514)と関連した、信号候補のソートによる探索スフィアの計算とである(工程512)。
3.2 その時々の面内で木の葉を考察しない場合(i≠1)、この変化形態では、探索スフィアを更に制限せずに、フローを判定用質問520に移行する。
4.次に考察する木の面を決定し、
4.1 面の木の葉に到達した場合、木の面iを1だけ上げる(工程530)。
4.2 その時々の面内で木の葉を考察しない場合(i≠1)、探索スフィア内に存在する、その時々の探索面の全てのノードが既に考察済みであれば、木の面を上げる(工程520で「はい」と判定)。そうでなければ、最も見込みの有る未だ考察されていないノードを選択して(工程522)、そのノードのために木の面を下げる(工程524)。
5.上記1.で木の探索を続行する。
6.木の探索を終了するために、検出された葉ノードから、信頼度情報を計算して、保存する(工程542)。
この深さ優先探索アルゴリズムやそれ以外の方法においても、信頼度情報の計算のためには、仮定と代替仮定及びそれらの距離メトリックの計算が重要である。その場合、使用する木探索方法に関して、個々のビットの仮定と代替仮定の両方に対して有望な葉ノードが見出されて、それらが信頼度情報の計算に使用することが可能であることを保証しなければならない。それと同時に、その探索は最小限の複雑さしか持ってはならない。そのためには、実行する演算回数とそのため考察する木ノードの数とが重要となる。従って、探索空間を有利に限定することが、計算の複雑さを低減するのに重要である。
探索空間を限定するが、それでも十分に有望な代替仮定を計算するためには、深さ優先探索では、代替仮定の明示的な探索方法の外に、基本的に二つの方法が知られている。
第一の方法では、探索空間の限定が、非特許文献6に記載されたリスト・スフィア検出(LSD)アルゴリズムの通り、仮定の距離メトリックから計算される半径(R=λHypothese )又は算出された最も有望な信号候補から計算される半径(R=λL-ter _Kandidat)によって行われる。この場合、木の葉は、その距離メトリックと共に信号候補リストに組み入れられる。リストに含まれる葉は、探索後に信頼度値の計算に用いられる。大きさLの限定されたリストの場合、常に最も有望な信号候補がリスト内に保存されていることを保証するために、新たに決定された葉は、リスト内に保存されている信号候補と共に距離メトリックの昇順にソートされ、距離メトリックが小さ方のL個の葉だけが残されてリストに保存される。そのような探索に続いて、信号候補リストから、信頼度情報を計算する。探索の進捗に応じて十分に有望な信号候補を計算することができる限り、リストの大きさによって制限される保存された信号候補の数が、この方法の品質に関して決定的に重要となる。小さ過ぎるリスト又は少数の有望な葉しか検出しない木探索方法は、信頼度情報の品質を低下させる。この場合、複雑さがリストの大きさに応じて増大することが不利であり、そのことは、必要なハードウェアユニットにも、リストの処理に必要な計算の複雑さにも関連する。リストの要素毎に、複数の保存要素が必要である。更に、探索の進捗につれて、新しい葉が検出される度に、リストをソートしなければらなず、それによって、ハードウェアの複雑さが劇的に増大する。更に、探索空間を決定するために、リストの最も悪い信号候補を利用する場合、探索の複雑さがリストの大きさに応じて増大し、探索の精度と探索の複雑さの独立した調整が不可能となる。
探索空間を限定するための第二の手法は、非特許文献12に記載されている通りのビット毎の半径を導入することである。この場合、常に想定し得るビット値(0/1)毎に最も有望な木の葉を見出すことを目指している。そのため、探索空間は、その時々の考察されているノードのビット値に依存し、次の通り、常に新しい仮定又は代替仮定を導き出すことができるノードに拡張される(即ち、当該のノードの子ノードを探す)。
Figure 0005531089
ここで、λGegenhyp.,cjは、ビットcj の最も有望な代替仮定の距離メトリックであり、ci は、その時々のノードのビット値であり、cj h は、ビットcj の仮定のビット値である。葉が見出される毎に、その葉によって表されるビットに対して、距離メトリックが保存される。一つのビットに対して、既に一つの距離メトリックが存在する場合、常に小さい方を残す。その結果、この木探索では、常に探索パスに対応するビットの中の少なくとも一つに対して、より小さい距離メトリックを導き出すことができるノードに拡張される。従って、探索半径は、ビット毎に異なる。それによって、探索時に常に最も有望な仮定と最も有望な代替仮定が見出されることが保証される。更に、そのために保存すべき中間状態の数が固定的に与えられる。
この方法は、確かに少ないメモリ容量しか必要とないが、探索フローを根本的に変えてしまう。しかし、ビット毎に最も有望な葉を見出すとともに、R(ci )>>λHypothese である半径により探索空間を拡張することによって、探索空間内に有る分析すべき木ノードの数も同時に劇的に増大する。同じことが、その時々の探索空間を決定する複雑さにも言える。そのような作用効果を軽減するために、多くの場合半径の制限、所謂クリッピングが導入されており、探索空間に対して最大値を設定している。そうすることによって、木探索方法が所定の探索空間内に最も有望な木の葉を見出すが、十分に大きな探索空間では、依然として比較的多くの数のノードを分析しなければらなず、そのため、この方法は、効率的な算出のためには限定的にしか採用することができない。
この専門分野での絶えざる試みの目標は、アルゴリズムの複雑さとそのため信号検出を目的とする木探索法のハードウェアへの適用形態の複雑さとを探索の精度を著しく悪化させること無く低減することである。
"Verfahren zur baumsuchbasierten Detektion von Empfangssignalen " "Verfahren und Anordnung zur Auswahl von Ebenen bei Baumsuchalgorithmen der Tiefensuche"
G. Nilsson, P. Nilsson: "Algorithm and Implementation of the K-Best Sphere Decoding for MIMO Detection", IEEE Journal on Selected Areas in Communications, Vol. 24, Nr. 3, P.491-503, March 2006 C. Studer, A. Burg, H. Boelcskei: "Soft-output sphere decoding: Algorithms and VLSI implementation", eingereicht fuer IEEE Journal on Selected Areas in Communications, April 2007 J. Anderson & S. Mohan in "Sequential Coding Algorithms: A Survery and Cost Analysis", IEEE Transactions on Communications, Vol. 32, Nr. 2, P.169-176, February 1984 R. Fano in "A heuristic discussion of probabilistic decoding", IEEE Transactions on Information Theory, Vol. 9, P.64-74, April 1963 M. Pohst in "On the computation of lattice vectors of minimal length, successive minima and reduced bases with applications", ACM SIGSAM Bulletin, Vol.15, P.37-44, 1981 B.M. Hochwald and S.ten Brink in "Achieving near-capacity on a multiple-antena channel", IEEE Transactions on Commuinications, Vol.51, P.389-399, March 2003 C.P. Schnorr and M. Euchner in "Lattice basis reduction: Improving practical lattice basisreduction and solving subset sum problems", Mathematical Programming, Vol.66, P.181-199, August 1997 F. Jelinek in "Fast Sequential Decoding Algorithm Using a Stack", IBM Journal of Research, Vol.13, P.675-685, 1969 J. Hagenauer and C. Kuhn in "The List-Sequential (LISS) Algorithm and its Application", IEEE Transactions on Communications, Vol.55, P.918-928, May 2007 J. Anderson and S. Mohan in "Sequential Coding Algorithms: A Survey and Cost Analysis", IEEE Transactions on Communications, Vol.32, Nr.2, P.169-176, February 1984 S. Haykin, M. Sellathurai, Y. de Jong and T. Willink in "Turbo-MIMO for wireless communications", IEEE Communications Magazine, Vol.42, P.48-53, October 2004 J. Jalden and B. Ottersten in "Parallel Implementation of a Soft Output Sphere Decoder", Asilomar Conference on Signals, Systems, and Computers, November 2005 E. Zimmermann and G. Fettweis in "Unbiased MMSE Tree Search Detection for Multiple Antenna Systems", International Symposium on Wireless Personal Multimedia Communications (WPMC'06), September 2006
本発明の課題は、考察すべき木ノードの数とそのため距離メトリックを算出するための計算及びハードウェアへの適用形態の複雑さとが同程度の、或いは改善された探索精度で低減されるように、木探索アルゴリズムを修正することである。この場合、本方法は、構造と適用形態が簡単で、探索方法の高い柔軟性と同時に高い性能を実現可能なものとする。
本課題に対する本発明による解決策は、請求項1に記載されている。有利な改善構成は、従属請求項に記載されており、以下において、本発明と関連して詳しく説明する。
本発明では、マルチインプット・マルチアウトプット(MIMO)チャネルの受信信号を木探索に基づき算出するための深さ優先探索による木探索方法において、複雑さが低減された方法を提示する。本方法は、木探索のための探索空間の限定が信頼度値を計算するための状態情報の処理と独立して行われることを特徴とする。この探索空間の限定は、木探索の間に検出される葉ノードの状態情報の中のn列のタペルによって行われ、これらのタプルの状態情報の最大値は、探索空間の半径として決定される。本発明による探索空間の限定の信頼度値の計算からの分離によって、ノード分析の規模及び複雑さ、検出した代替仮定の品質、探索空間を限定するコスト、信頼度情報を計算するコストなどの周知の木探索の問題点を大幅に軽減することができる。この場合、n列のタペルに保存されている状態情報は、探索木の葉ノードの距離メトリックとすることができる。
本発明では、木探索の間に、その時々の探索半径内に見出されて、n列のタペルの最も有望でない値よりも有望な状態情報を有する葉ノードは、n列のタペルに取り込まれて、n列のタペルの最も有望でない要素に取って代わることができる。そうすることによって、それらのタプルが常にそれまでに見出された、距離メトリックが小さい方のn個の木の葉を含むことが保証される。
本発明の有利な実施構成では、n列のタペルは、リスト要素1〜nのソートされたリストとして生成することができ、これらのリスト要素は、状態情報の値に応じて配列されている。リスト要素は、例えば、距離メトリックに応じて、サブセットの1番目の位置を最も小さい値とし、サブセットのn番目の位置を最も大きい値とする値の昇順に配列することができる。
本発明の有利な実施構成では、n列のタペルは、L>nである大きさのリストのサブセットとして実装することができ、大きさLのリストは、全体として、信頼度値を計算するための状態情報と共に信号候補リストを表すことができる。大きさLのリストは、少なくとも要素n+1までソートされており、新しい想定し得るタプルの要素は、ソートされたサブセットのn+1番目の位置に組み込まれる。
次に、探索空間を限定するために、大きさLのリストのn番目のリスト要素を使用することができ、大きさLのリスト内のn(1<n≦L)の位置は可変である。距離メトリックの昇順によりソートされた仮定と代替仮定から成るリストのn番目の位置における半径の場所によって、探索木の良い方のn個の葉が検出されることを保証している。それによって、代替仮定の品質が保証され、それに応じて、リストを小さく選定することができる。更に、それによって、ハードウェアの複雑さが制限され、リストのソートに必要な演算の回数と規模が最小化される。一つのタプルの変数との置換は、可変の割合で利用可能なリソースの使用とソートする数によって規定される保存要素のサブセットの大きさを変更することによって行うことができる。そうすることによって、木探索の実行時間の前又は間に、探索の複雑さと探索の精度を周囲条件に適合させることが可能となる。タプルを多くすると、より多くの有望な葉ノードが検出される。この場合、多数の所定の有望な葉ノードは、使用する探索方法に応じて、直接的又は間接的に、信頼度情報を計算するためのより有望な状態情報を算出する尤度を大きくし、そのため平均して探索の精度を改善することとなる。
有利な実施構成では、信頼度値の計算に使用される状態情報は、探索空間の限定に使用されるn列のタペルとは別に保存される。特に有利には、信頼度情報を計算するための状態情報を別個に保存することは、別個のリストにおいてビット毎に行われる。この場合、状態情報のビット毎の保存は、想定し得るビット値毎と全てのビットに対して別個に行うか、さもなければ代替の実施構成では、一つの送信シンボルに関して、その時々の仮定の全てのビットに対しては共通して行い、代替仮定の対応するビットに対しては別個に行うことができる。ビット毎の保存によって、木探索の進捗に応じて決まる全ての葉を尤度値の決定に組み入れることが可能となる。信頼度情報を計算するための状態情報を別個に処理することによって、探索の進捗に影響を及ぼすこと無く、その処理を最適に行うことができる。木探索の進捗中にリストの大きさを制限することで締め出されることによって、代替仮定の一部が捨て去られる従来のリストベースの方法と比べて、本発明ではビット毎に別個に距離メトリックを保存しているために、一つのビットに対して見出された小さい方の距離メトリックが代替仮定の計算にも使用可能であることを常に保証することができる。この場合、木探索のための、或いは探索後の値のクリッピングは、影響を受けない。検出した全ての葉ノードをビット毎の距離メトリックの保存時に組み入れることによって、木探索の進捗中における関連する状態情報の損失が防止されるとともに、探索の精度を向上することができる。
従って、タプルによる探索及び限定された信号候補リストからの信頼度情報の計算と比較して、探索空間を限定するためのタプルの目的通りの削減が可能となり、それは、検出の性能が同じ場合に可能である。そのため、必要なメモリ容量とリストのソートに必要な演算が低減される。ビット毎の半径の使用などにより、コストの嵩む探索空間の限定が不要となる。本方法は、ビット毎の距離メトリックの使用によって、与えられたリストから信頼度情報を並行して計算することを可能としている。従って、それ以外のリストベースの方法などでの最も有望な代替仮定による探索が不要となる。
本発明による方法の有利な実施構成は、周知のリストベースの方法又はビット半径による方法と異なり、信頼度値の計算、仮定と代替仮定及びその距離メトリックの選択のために状態情報を別個に処理する時に、例えば、MMSE方式に基づく探索時に必要となる補正関数を組み入れた形で構成される。本方法は、補正関数を組み入れることによって、補正関数により異なる仮定と代替仮定を算出するために、信頼度情報を計算するための距離が木探索に関して重要な距離と異なるシステムにも採用することができる。補正関数を用いた信頼度情報の最適な計算によって、n列のタペルによる木探索フローは影響を受けない。
即ち、例えば、MMSE法の場合、バイアスだけ異なる仮定/代替仮定を算出することができ、更に、MMSE法によって、探索空間を有利に限定することができる。その結果、決定された仮定と代替仮定の精度が上昇し、それは、探索の精度を向上させる。従って、本方法は、ビット半径法(ビット半径用に一つと、信頼度情報用に一つの二つのリスト)とそれ以外の木探索法(幅優先探索、深さ優先探索)とも組み合わせることができる。更に、同じく、信頼度情報の精度に悪影響を及ぼすこと無く、探索空間の計算を一層最適化することができる。木探索後の信頼度情報の計算は、既に適合されたビット毎の状態情報から、個々の要素の引き算によって、更なる補正処理無しに行うことができる。保存されているビット毎のメトリックが、(例えば、MMSE法で必要なような)既に信頼度情報の計算のための補正項を含む場合、より正確な仮定と代替仮定を算出することができるとともに、より効率的な探索アルゴリズムに本方法を採用することが可能となる。それによって、本方法は、明らかに効率(分析された木ノードに関する探索精度)に関して、全ての周知の方法より優れている。更に、ビット毎の保存によって、従来のリストベースの方法と異なり、信頼度情報の並行した計算が可能となっている。
木探索と独立して、信頼度情報を計算するための状態情報を別個に処理することによって、方法の二つの構成部分の最適化が互いに独立して可能となる。即ち、探索空間の限定に使用される状態情報の計算は、信頼度値の計算に使用される状態情報の算出とは別の方法により行うことができる。例えば、木探索に関してはMMSE法を使用し、状態情報の算出にはZF(ゼロフォーシング)法を使用することができる。
本方法の別の有利な実施形態では、信頼度値を計算するための状態情報を別個に処理する際に、木ノードの構造に関する情報、例えば、マッピング情報を取り入れることができる。信頼度情報を計算するための状態情報又は探索空間を限定するためのタプルに関して有望であると考えられる木ノードを選択するために、例えば、ビットマッピングなどの木ノードの構造に関する情報を取り入れることによって、有望なデータの計算、選択及び保存のための演算は、想定し得る考察すべき木ノードのサブセットに対してのみ実行すればよいこととなる。
本発明では、信頼度情報を計算するための状態情報の処理は、探索空間の決定及び木探索と並行して行うことができる。その結果、木探索のスループットが向上する。
本発明による方法の使用は、木探索方法の適用形態の複雑さを大幅に簡略化すると同時に、柔軟性を向上させることとなる。その結果、ハードウェアに適用した際の電力効率及び面積効率が、従来の適用形態と比べて大幅に上昇する。リストの大きさの低減によって、そのために必要なメモリ容量の外に、管理に必要な演算の回数と規模も軽減されると同時に、ビット毎の半径の複雑さが軽減される。更に、探索半径の柔軟な決定によって、探索の精度とそれに対応して生じる探索の負荷も周囲環境の要件に適合させることが可能となる。
本発明による方法の更なる利点及び特徴は、添付図面と関連して与えられた実施例の詳細な説明により明らかとなる。
検出/復号プロセスを反復するMIMOシステムのシステムモデル図 グレイラベリングによるビット値の64QAMのシンボル配置図 システムマトリックスによって歪められた想定し得る送信シンボル図 4x4のMIMOシステムに関する木探索の実施例図 従来のスフィア検出アルゴリズムのデータフロー図 ソートしたリストのサブセットによって探索空間を決定するためのタプルの原理図 24ビットの例で状態情報をビット毎に保存し、ビット値毎及びビット毎に距離メトリックを別個に保存する原理図 24ビットの例で状態情報をビット毎に保存し、仮定及び代替仮定のビット毎に距離メトリックを保存する変化形態の図 リスト・スフィア検出の標準的な実装形態の変化形態図 本発明による信頼度情報を計算するための状態データを別個に最適に処理するリスト・スフィア検出アルゴリズムの実施例図 MMSE検出法とQ−QAMの場合の位置決定に対するバイアスの影響とその影響の補正図 本発明の深さ優先探索による木探索方法の適用形態と従来の適用形態の性能比較図 L値を計算するための最適な状態情報をビット毎に保存するアルゴリズムの性能に対する影響図 本発明の深さ優先探索による木探索方法の適用形態と従来の適用形態の複雑さの比較図 L値を計算するための最適な状態情報をビット毎に保存するアルゴリズムの複雑さに対する影響図 リストベースの反復法に対する図1の受信構成の変化形態図
ここで、本発明により探索空間の決定を信頼度情報の計算から分離することとその木探索方法に対する作用効果とを実施例に基づき詳しく説明する。
本発明による探索空間の決定を信頼度情報の計算から分離することによって、探索空間の決定と信頼度情報の計算の両方を最適に実行するとともに、木探索の複雑さを全体として大幅に低減することが可能である。
既に冒頭で詳しく説明した通り、式1により状態情報を計算するためには、送信信号を検出するための木探索時に、仮定の外に、一連の有望な代替仮定を検出しなければらならない。
本発明では、信頼度情報を計算するために算出されたデータではなく、n個の有望な木の葉ci のタプル
Figure 0005531089
だけで木探索用の探索空間を限定することによって、十分に正確な木探索を保証している。この場合、タプルの大きさnは、状態情報(例えば、距離メトリック)の品質とそのため木探索の複雑さとに関して決定的に重要である。そのようなタプルにより、信頼度情報の計算から分離した形で探索空間を限定することによって、それらのタプルの要素は、基本的に信頼度情報の計算に使用される状態情報と独立したものとなる。それは、特に、ノードの選択と状態情報の形式に関しても言える。この場合、探索空間の決定は、本発明の目的に適うこととして、n列のタペルの最大距離メトリック
Figure 0005531089
ここで、要素ci は、検出された有望な木の葉である、
によって行われる。そのために、探索の進捗に応じて、常に距離メトリックが小さい方のn個の葉が一時的に保存されて、新しい葉が、既に保存されている葉と比較される。その結果、木探索は、距離メトリックが小さい方のn個の葉を検出することとなる。
特に、一方の探索空間を決定するための状態情報の計算方法と他方の信頼度情報の計算方法が互いに異なる場合、必ずしもタプルのデータの品質と規模が、信頼度情報を計算するための状態情報の品質と直接関連しなくなる。しかし、タプルによって決まる複雑さと有望なノードへの木探索の集中とによって、タプルの大きさと探索の複雑さに応じて、信頼度情報を計算するための有望な状態情報が見出される尤度が上昇し、それによって、データの品質が高い相関を有し、そのため木探索の結果に関する十分な品質の良さを表すこととなる。
信頼度情報の計算は、周知の方法と異なり、如何なる場合でも木探索時において、特に探索空間の限定に使用される距離メトリックではなく、距離メトリックから算出された、信頼度情報を計算するために最適化することが可能なメトリックに基づき行われる。従って、本発明では、信頼度情報(L値)の計算は、次の通り変更される。
Figure 0005531089
ここで、f(・)は、用いられる最適化関数であり、σ2 とcは、別途図11と関連して説明するバイアス低減式MMSE検出法に必要な、その関数の別の代表例の要素である。この場合、最適化関数は、信号候補リストに、或いはビット半径により保存された距離メトリックの集合である分析される葉のサブセットだけでなく、木探索の範囲内で見出された全ての葉に適用されるので、それに応じて、信頼度情報の精度が向上することとなる。特に、それによって見出された、cl =+1又はcl =−1に関するメトリックが最大となる信号候補ci は、最小の距離メトリックによって検出される仮定又は代替仮定と一致しない。
信頼度情報の計算から分離した形でn列のタペルによる探索空間の決定を適用した有利な実施構成が、図6に図示されている。この場合、n列のタペルとして、以下において、リストと称する保存要素の集合(6−1,6−2,...,6−L)をソートしたサブセット(大きさL>n)を使用する。RTupel は、n列のタペルの最後の要素を表し、RTupel までのリストの要素は、その距離メトリックに応じてソートされており、それは、図面では矢印で表されており、RTupel は、距離メトリックが最大であるタプル要素を示している。木探索用の探索空間の決定は、n列のタペルの構成部分であるリスト要素だけに基づき行われる。リストの残りの要素は、見出された代替仮定を保存する役割を果たし、リストは、それ全体としてL値の計算に使用される。新しい要素(見出された木の葉)は、その距離メトリック(λ1 )に関して、リストの位置6−(n+1)に組み入れられる。そのため、そのような要素をn番目の要素までソートされたリストに組み入れることによって、リストの最初のn個の要素(6−1,...,6−n)が、前述したn列のタペルに相当することとなる。新しい葉が組み入れられた後でのn番目のリスト要素の位置の変化、即ち、リスト6−1,...,6−Lにおけるリスト要素6−nの位置の変化とその要素までのリストのソートとによって、タプルの大きさ(1≦n≦L)を変化させることができる。それによって、タプルの大きさとそのため探索の複雑さ又は精度を可変に決定することが可能となり、その結果、木探索を周囲条件に適合させることが可能となる。nが大きくなると、探索される木ノードの数とそのため木探索方法の複雑さとが増大するが、算出される信頼度情報の精度も向上する。そのため、木探索毎に、精度を柔軟に適合させることができる。タプルの最大距離メトリックによる探索空間の決定は、n番目のリスト要素の距離メトリックが探索半径と等しい探索の実行によって行うことができる(
Figure 0005531089
)。前述した通り、n番目の要素から開始して、例えば、n個の要素の比較を順番に実行することによって、新しい木の葉を組み入れた場合、(n番目とn+1番目の要素の間の)1回目の比較後に直ちに探索空間を決定することができる。更なる比較は、何れも確かにリストをソートする役割を果たすが、探索空間を決定する要素に影響を及ぼさない。それによって、探索空間の迅速な決定とそのため短い処理時間の外に、別途図10と関連して詳しく説明する通り、リストをソートする演算(n−1回の比較)の並列化も可能となり、その結果、そのような演算が探索アルゴリズムの処理時間に何ら影響を及ぼさなくなる。
信頼度情報の計算から分離した形でn列のタペルによる探索空間の決定を適用した別の有利な実施構成では、全ての木探索方法において、使用する探索方法と独立して採用することができるメトリックのビット毎の保存によって、式4に基づきL値計算のために最適化されたメトリックf(Λ(c,y,La (c)),σ2 ,c)を別個に保存することが行われる。この場合、各ビット値(0/1)に関する状態情報は、別個に一時的に保存することができる。図7には、64−QAMと4台の送信アンテナに関して考えられるビット毎の距離メトリックの保存が図示されている。代替の実施構成では、仮定ch とそれから得られる代替仮定cj ≠ch j のビット値に関する状態情報も、即ち、図8に図示されている通り、全てのビット(0...24)に関する仮定の距離メトリック及びそれに対応するビット値と代替仮定の距離メトリックを一時的に保存することができる。新しく算出された距離メトリックは、保存されているものと比較され、常により有望なものが残され、そうすることによって、木探索後に、探索の進捗に応じて見出される有望な方のメトリックが、それぞれ信頼度情報の計算のために使用することが可能となる。そのため、周知の方法で信号候補リストの限定又は不利な最適化によって発生するような、探索の進捗に応じた有望なメトリックの損失が防止される。ビット毎の保存と組み合わせて最適化を直ちに取り入れることによって、メトリックの実現可能な最良の品質の外に、本方法の小さい複雑さも保証される。この場合、必要なメモリ容量数は、少なく、システム毎に、木探索方法と独立して、事前に設定され、探索空間を限定するためのリストの大きさを所与のハードウェア及び/又はアルゴリズムの要件に適合させることが可能である。
更に、メトリックの処理と保存のための全ての演算は、木探索と並行して実行することができ、その結果、木探索の処理時間が、それらの工程によって妨害されなくなる。信頼度情報の計算は、個々のビットの仮定と代替仮定のメトリックによって直接行われ、そのため、木探索後の複雑さが最小限となることを示唆している。
図5で示したリスト・スフィア検出アルゴリズムのデータフロー図の変化形態が図9に図示されている。それは、標準的なデータフローを有し、この前に既に提出した同出願人の特許文献1に詳しく記載されている。初期化(工程902)後に、標準的な木探索アルゴリズムが、次の通り実行される。
1.探索が未だ終了していない場合(判定940)、即ち、例えば、探索木が完全には探索されていないか、或いは最大クロック回数などの停止条件が満たされない場合、このアルゴリズムを続行するか、さもなければ下記6.の工程を実行する。
2.次の工程として、その時々の面内の子ノードを更に考察する。この場合、同出願人が既に前に提出した特許文献2に詳しく記載されている通り、初期化又は別の面及び次ノードの決定に基づき、常に次に考察すべき親ノードが分かる。その結果得られる干渉とそれ以外の既に推定されたシンボルの干渉が、受信シンボルから除去されて(工程904)、子ノードとの距離が計算される(工程905)。この場合、最も有望なノードの選択のために、例えば、全ての子ノードの計算とその尤度に基づくソート(工程906)が必要である。
3.次の工程として、探索空間を限定することができるか否かを調査し(工程914)、その調査は、その時々に考察されている木の面と独立して、探索スフィアと関連する信号候補の保存及びソート(工程912)に基づき行われる。ソートの基準は、例えば、信号候補の信頼度である。
4.次に、その次に考察すべき面を計算することができる(工程924)。
5.上記1.で木の探索を続行する。
6.探索を終了する(工程940)、即ち、例えば、探索木が完全に探索されたか、或いは最大クロック回数などの停止条件が満たされた場合、検出された葉ノードから、信頼度情報を計算して、保存する(工程942)。
既存のモジュールでは、周知の探索空間限定法又はL値計算法の幾つかの欠点が露呈している。即ち、探索空間の決定とL値の計算が、アルゴリズム内で順番に行われている。特に、ビット毎の半径を使用する場合、一連の比較を順番に実行しなければらならないので、そのような場合には、そのことは大きな欠点となる。そこでは、先ず、決定された葉が新しい仮定を表すか否かを調べて、そうでない場合、一つ以上の新しい代替仮定が与えられるか否かを調べなければならず、最後に、負担がかかる形で、ビット半径によって、探索空間を決定しなければらならない。信号候補リストを使用する場合、既に検討したハードウェアの複雑さの外に、必要なソートも問題となる。それは、確かに或る程度アルゴリズムと並行して実行することができるが、必要な多くの演算回数によって決まる制限要因となる。L値計算(工程942)は、木探索後にのみ実行することができる。そのような方法の一部では、アルゴリズムの複雑さが非常に大きく、それに伴って処理時間も長くなることの外に、L値の計算が、既に詳しく説明した通り、保存されたデータによってのみ可能である。
本発明によるL値計算のための探索空間の限定と信号候補の処理を分離して組み入れたリスト・スフィア検出による木探索アルゴリズムの有利な変化形態が図10に図示されている。この場合、図9と同じ、或いは同様の機能を有するモジュールは、100だけ増大した同様の符号で表されており、それに対応するデータフローを繰り返していない。次に考察すべき要素の選択(工程1024,1032)後に、距離メトリックの計算によって、木の面の一つのノードとその次に考察すべきノードの考察だけが行われている。それに続くソート(図9の工程912)が省略されており、場合によっては行われる半径リストへの組み入れが、葉の仮定である一つの葉ノードの探索空間を決めるタプルへの組み入れとして軽減されている。探索空間の限定のために、図6と関連して説明した通り、n列のタペルが使用されている。そうすることによって、探索空間の決定(工程1014)が、n番目のリスト要素と新しいノードとの1回目の比較後に早くも行うことが可能となる。更に、別の組み入れプロセスは、それによって探索空間が更に変化することがないので、木探索と並行して行うことができる(工程1050)。その結果、探索空間の決定(工程1014)に関する処理時間が最小限にまで低下する。更に、探索空間の決定が、葉の仮定だけに基づき行われ、それによって、品質と探索の複雑さが同じ場合、大きさを半減したタプルだけが必要となる。この場合、信頼度情報の算出のために最適化された、その時々の葉及びその代替仮定のメトリックの計算は、そのような計算が探索の進捗に影響を及ぼさないので、同じく探索アルゴリズムと並行して行うことができる。更に、マッピング特性に基づく相応の選択によって、代替仮定の計算が、有望な代替仮定に対してのみとなるので安価に行うことができる。L値を計算するための信号候補リストに関して、検出手法に適合した形で式4による信号候補又は状態情報を保存することを提案する。この場合、仮定と代替仮定の両方に関して、有望な(代替)仮定とそのメトリックの選択に対する探索方法の不利な作用効果、例えば、図11と関連して別途説明する通り、MMSE検出法のバイアスの作用効果を排除することができる。そのような計算に続いて、その結果得られたメトリックに応じた前述したビット毎の保存が行われる。従って、信頼度値の計算のためのメトリックが、次の通り得られ、
Figure 0005531089
そのため、計算を安価な減算によって行うことができ、木探索後の処理時間が最小化される。
本発明により探索空間の決定を信頼度情報の計算から分離することによって、木探索時に、仮定又は代替仮定とそれに関するL値の計算時と異なる探索基準を使用することができる。例えば、検出のために、即ち、木探索のためにMMSE法を使用する場合、探索結果とその結果得られる信頼度情報は、ずれ、所謂バイアスを持っているので、期待される程正確ではない。それは、二乗平均誤差を最小化するノイズ抑制によって発生する。木探索の場合、MMSE検出法は、例えば、非特許文献13に記載されている通り、QR分析の前にチャネルマトリックスを拡張することによって行うことができ、それによってユークリッド距離にバイアス
Figure 0005531089
が、次の通り、
Figure 0005531089
含まれることとなる。バイアスは、有利には、探索時に探索空間を限定する一方、信頼度情報の計算時に、正確な検出のためには補正しなければならない誤差を生じさせてしまう。それは、信頼度情報の計算に関して異なるメトリックを発生させるとともに、異なる仮定と代替仮定を生じさせる可能性も有る。図11(1)は、メトリックに対するバイアスの影響とそれによって発生する距離の低下を図解している。シンボル配置点が原点から遠く離れる程、バイアスによる距離の低下が大きくなる。そのため、信頼度情報の計算のために、バイアスを低減した項
Figure 0005531089
を保存しなければらならない。従って、そのような計算のための距離メトリックからバイアスを除去することの外に、信頼度情報のために、仮定とそのため代替仮定の変更も必要となる。図11(2)に図示されている通り、そのようなシンボル配置点と判定領域への影響を組み入れることによって、前述したMMSE検出法での幾何学的な考察が、
Figure 0005531089
で圧縮されたシステムに移行することができる。そのようなシステムへの不利な圧縮によって、計算時に更なるコストが発生する。それによって、図11(3)に図示されている通り、バイアスの影響を探索の引数を代表するものの位置に移行する方がより有利である。それを実現するために、計算又はノード決定のための補正項を使用する。従って、木の面の仮定又は代替仮定を決定するために、次の通り、探索の引数の修正した位置を使用するとともに、
Figure 0005531089
位置の決定のために、本来の格子を使用する。前述したMMSE検出法に関して、バイアスを低減した信号をL値計算に反映させたことから得られる補正項が次の通りとなる。
Figure 0005531089
この場合、σ2 は、正確に言うとノイズ分散であり、補正項(1−σ2 -1は、バイアスの低減によって生じる期待される程正確ではない圧縮に対応する。それによって、有望な葉ノードの選択を調整することができる。言い換えると、MMSE検出法の期待値は、ゼロフォーシングをベースとする検出法の期待値と一致するバイアス低減検出法の期待値と異なる。この補正項は、それを解消してしまうが、有望な要素の選択に関してのみ有効である。この補正項は、木探索の前に決定することができる。信頼度情報を計算するための仮定又は代替仮定とその距離メトリックの決定が本来の探索及び探索空間の限定と独立しているので、この方法は、基本的に探索の進捗に対して影響を及ぼさない。しかし、このような信頼度情報の算出の改善によって、探索の精度が向上する。
計算の複雑さの決定とそのため達成可能なスループットの予想のための良い尺度は、木探索のノード拡張回数である。
図12には、性能(BER:ビットエラーレイト)が図示され、図14には、従来の適用形態と比較した、前述した8列のタプル(n=8)による探索空間の決定とバイアスを低減したメトリックのビット毎の保存による拡張スフィア・検出アルゴリズムの複雑さ(平均ノード拡張回数)が図示されている。この場合、従来の方法が明らかに多くのノード拡張を必要とし、そのため同程度のものではないので、このビット毎の半径による方法は、別個に最適化されたビット毎のメトリック処理と(3.5倍までの)半径のクリッピングだけを拡張することで、バイアスを低減した損失の無いMMSE検出法を実現している。T=4の検出器/復号器反復法による検出時には、本発明に基づくn列のタペルによる探索空間の決定を分離した検出法によって、考察するノードの数を2倍にしただけで、従来のLSD(R=λHypothese でのリスト・スフィア検出器)と比べた性能を大幅に向上することができる。
図16は、リストベースの反復法のために図1の受信構成を変更した形態を図示している。複雑さを低減した反復式検出/復号部の追加部分は、残りの木探索を飛ばして進むために、(検出器1622での)1回目の検出の間に算出された結果を再利用する部分を有する。1回目の検出の間に算出された信号候補リスト1650は、その次の反復(1642でのL値計算)のための主構成部分として使用することができる。この基本的な考えは、事前の知識無しに、状態情報が小さい、即ち、例えば、見出された信号候補の距離メトリックλ1 又は最適化されたメトリックf(c)が小さい葉ノードの大きな集合を見出すことである。そのような反復のために使用可能な事前情報は、それによって、木探索の有望でないパスの距離メトリックが増大するので、主に一連の有望なノードを変えてしまう。1回目の検出による信号候補リストが十分に大きい場合、新しいMAP(maximum a posteriori)の葉又はその近傍のリスト内の有望な代替仮定などの少なくとも一つの葉が含まれる。そのため、新しい木探索が不要となる。
図9による従来のLSD法で得られる全てのビットに対する信号候補リスト、そのリストの要素をソートして保存するための演算、必要なハードウェアユニット、信頼度情報の計算、リストの最小値探索などの複雑さのために、このLSD法の探索の複雑さ(処理工程の数、使用するハードウェアユニット、電力消費量など)が、全体として本発明による適用形態よりも大幅に大きくなっている。
同程度の性能において、ビット毎の半径による方法と比べて、本発明による適用形態では、複雑さを大幅に低減することができる。考察すべきノード毎の適用形態の複雑さは、ほぼ同程度であるので、この場合でも、本発明による適用形態の方が明らかに安価であり、更に、処理時間が大幅に短くなっている。
更に、図13と図15には、最適な分離されたビット毎の処理の性能を図解するために、そのようなビット毎の処理が無い場合と検出器/復号器の反復が無い場合に対する16列のタペルによる木探索の性能と複雑さが図示されている。考察する木ノードの数は、(探索空間を限定するために葉の仮定を使用したことでタペルの大きさを半減した)8列のタペル及びビット毎の保存の場合とほぼ同程度となっており、そのため、見易くするために図13と15のグラフでは省略されているビット毎の半径による方法よりも良くなっている。しかし、ビット毎の保存によって、既に検討した通り、本発明による適用形態の複雑さの方が、16列のタペルにより探索する信号候補リストに基づく方法よりも大幅に小さくなっている。更に、性能に明らかな違いが生じている。最適化された処理とそのため有望な状態情報の損失の防止だけで、同じ複雑さにおいて、同程度の探索アルゴリズムと比べて、性能が約0.3〜0.5dB 向上している。そのため、探索空間の決定と信頼度情報の計算用の状態情報を別個に最適に処理することは、効率的な木探索の前提条件である。本発明のn列のタペルと信号候補リストの好適な大きさ(例えば、16/64)のタペルによる探索で検出する適用形態によって、複雑さを大幅に低減した形でほぼ最適な検出品質が可能となる。相応の補正関数による性能の向上の外に、探索の複雑さを大幅に低減することができる。それは、特に、信頼度計算用の情報の精度向上と、その情報と独立して探索空間を限定可能なこととによって実現されている。そうすることによって、探索の複雑さを大幅に低減するとともに、更に、周囲条件に柔軟に適合することが可能となっている。
本発明による方法を適用するために、同期転送アーキテクチャ(STA)を使用することができる。計算ユニット毎のプロセスの実行によって、それに応じてアルゴリズムのコンポーネントを一つ以上のSTAモジュールに統合することができる。そして、モジュールの制御を個別に、或いは一つのVLIWによって行うことができる。それによって、木探索方法のためにも、STAの利点、高い性能、少ない電力消費量、簡単な拡張性及び高い柔軟性を活用することができる。
本発明は、デジタル伝送方法としてのOFDM(直交周波数分割多重)方式と組み合わせて使用することができる。その場合、システムマトリックスHは、一つ又は複数のサブキャリヤ用の周波数帯域内に伝送チャネルを有する。本発明は、ダイレクト・シーケンスCDMA(DS−CDMA)、マルチキャリヤCDMA(MC−CDMA)、空間分割多元接続(SDMA)などのそれ以外の多元接続方式と組み合わせて使用することもできる。
本発明は、マルチユーザ伝送(MUT:Multi−User Transmission)方式でも、受信データを共同して検出する一つ又は複数の受信器に適用することができる。その場合、システムマトリックスHは、当該のユーザに跨がる伝送チャネルを有する。一つ又は複数の受信器において、複数のアンテナを使用することができる。
前記の説明から、ここで提案した探索空間の決定を信頼度情報の計算から分離した木探索方法では、探索半径の決定が簡単になり、必要な保存要素が少なくなり、探索空間の決定のために使用するタペルをソートする負担が軽くなるなどのために、性能が同じ場合に、周知の方法と比べてアルゴリズムの複雑さが大幅に低減され、それによって、検出のために使用する木探索の複雑さを低減した効率的なハードウェア適用形態が可能となり、それによって、本方法を実際の移動システムに採用することが可能となっていることが明らかになった。

Claims (15)

  1. マルチインプット・マルチアウトプット(MIMO)チャネルの受信信号を木探索に基づき検出するための深さ優先探索による木探索方法であって、探索木の葉ノードが、想定し得る送信ビットを表し、最も高い尤度で送信されたと思われるビットとそのビットの信頼度値の決定が含まれ、この信頼度値が、木探索の間に検出された葉ノードの状態情報に基づき決定され、木探索の探索空間が、木探索の間に検出された葉ノードの状態情報に基づき限定される方法において、
    この木探索のために探索空間を限定することが、信頼度値を計算するための状態情報の処理と独立して行われることと、
    この探索空間を限定することが、木探索の間に検出された葉ノードの状態情報の中のn列のタペルによって行われることと、
    これらのタペルにおける状態情報の最大値が、探索空間の半径として決定されることと、
    を特徴とする方法。
  2. 木探索の間に、その時々の探索半径内に見出された、n列のタペルの最も有望でない値よりも有望な状態情報を有する葉ノードが、n列のタペルに取り込まれて、その最も有望でない要素に取って代わることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 当該のn列のタペルが、リスト要素1〜nから成るソートされたリストとして生成され、それらのリスト要素が、状態情報の値に応じて配列されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 当該のn列のタペルが、L>nである大きさLのリストのサブセットとして実装され、このリストが、信頼度値を計算するための状態情報をL個有することと、
    この大きさLのリストが、少なくとも要素n+1までソートされていることと、
    を特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 当該の状態情報が、探索木の葉ノードの距離メトリックであることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
  6. 探索空間を限定するために、大きさLのリストのn番目のリスト要素が使用され、大きさLのリスト内のnの位置が可変であり、ここで、1<n≦L であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
  7. 当該の信頼度値を計算するために使用される状態情報が、探索空間を限定するために使用されるn列のタペルとは別に保存されることと、
    それらの状態情報が、木探索の探索フローに対して影響を及ぼさないことと、
    を特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法。
  8. 当該の信頼度情報を計算するための状態情報を別個に保存することが、ビット毎に保存することによって行われることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 当該の状態情報をビット毎に保存することが、想定し得るビット値毎と全てのビットに対して別個に行われることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 当該の状態情報をビット毎に保存することが、一つの送信シンボルに関して、その時々の仮定の全てのビットに対しては共通して行われ、それに対応する代替仮定のビットに対しては別個に行われることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  11. 信頼度情報を計算するための状態情報を別個する処理する際に、補正関数を組み入れることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載の方法。
  12. 木探索のために、MMSE(最小二乗平均誤差)検出法が使用され、木の面の仮定及び代替仮定の計算のために、受信信号の補正した位置が使用され、MMSE検出法の補正関数として、補正項(1−σ2 -1が使用され、ここで、σ2 がノイズ分散であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 当該の信頼度値を計算するための状態情報を別個に処理する際に、木ノードの構造に関する情報組み入れることを特徴とする請求項1から12までのいずれか一つに記載の方法。
  14. 当該の木ノードの構造に関する情報がマッピング情報であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 信頼度情報を計算するための状態情報の処理が、探索空間の決定及び木探索と並行して行われることを特徴とする請求項1から1までのいずれか一つに記載の方法。
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