上記(1)の積み重ね方式は、正負の極板およびセパレータの位置精度を確保するのが難しく、位置がずれると正負の電極間で短絡するおそれがある。短絡を防ぐために精密に位置決め行うものとすると、それがタクトタイム(極板群1個当りの生産速度。)を遅くする原因となり、極板群ひいては電池の生産性が低下するという問題がある。
また、上記(2)の巻回方式は、極板群の巻回数が多いと極板群と電池ケースの角部との間がデットスペースとなり、電気容量が少なくなるという問題がある。
上記(3)のジグザグスタック方式は、上記(1)の積み重ね方式に比べ正負の極板及びセパレータの位置精度を高めることができ、タクトタイムも短縮することができ、上記(2)の巻回方式に比べデッドスペースを低減し電気容量を増大させることができるという利点がある。
しかし、従来のジグザグスタック方式は、特許文献1に記載のものにあっては、連続状のセパレータを一対のローラで挟み、この一対のローラを水平方向に往復移動させることによりセパレータをジグザグ折りし、一対のローラが一往復する都度正負の極板を交互にセパレータ上に乗せるものであるから、タクトタイムが遅く、生産性を高めることが難しい。また、セパレータをローラの曲面でジグザグ折りしようというものであるから、セパレータを正確にジグザグ折するのが難しく、従ってセパレータひいては極板群の形状がいびつになりやすく、電池としての性能が低下するという問題がある。また、セパレータをジグザグ折りする際にセパレータが蛇行し、正確にジグザグ折りすることができない場合がある。
特許文献2に記載のものにあっては、一定間隔で夫々保持された硬い正極板と負極板とで連続状のセパレータをジグザク状に挟みこんで極板群を形成しようというものであるから、セパレータに大きなテンション(負荷)が作用してセパレータが破断しやすくなり、また、極板が薄く柔らかい場合は製造が困難であるという問題がある。
特許文献3に記載のものにあっては、鋸歯状の雌型に連続状のセパレータを乗せ、雌型の各溝に向かって一つの溝に合致する形を有した雄型を順に挿入することによってジグザグ状のセパレータを形成し、次にセパレータの各谷溝に正極板と負極板を交互に挿入し、最後にセパレータを正負の極板ごと押圧して扁平にすることにより極板群を製造しようというものであるから、タクトタイムが長く、生産性を高めることが難しい。
特許文献4に記載のものにあっては、連続状のセパレータを連続状の正極板と負極板とで挟んだものを鋸歯状の雌雄型でジグザグ状にプレスし、このジグザグ状の重畳体をプレスすることにより極板群を製造しようというものであるから、極板群のジグザグ折りが細かくなり、電気容量が小さくなるという問題がある。また、正極板同士、負極板同士が接触する箇所が生じるので、正極板と負極板に発電に関与しない無駄な部分が生じるという問題もある。
従って、本発明は、比較的薄くて柔らかい極板を使用した電気容量の大きい極板群を短いタクトタイムで正確に精度良く製造することができる方法及び装置を提供することを目的とする。また、角形電池に適した極板群を短いタクトタイムで正確に精度良く製造することができる方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
すなわち、請求項1に係る発明は、正負の極板(4,5)間にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板(5)を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造方法において、複数本のガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を鉛直方向にジグザグ状に配列し、このガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の一方の列と他方の列との間に上記セパレータの連続体(3)を挿入し、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を列同士間で水平方向に交差させることにより上記連続体(3)をジグザグ折りしつつ、この連続体(3)の各谷溝(3a)内に上記正極板(4)と上記負極板(5)を交互に挿入し、上記連続体(3)の各谷溝(3a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去し、上記連続体(3)の各谷溝(3a)の底に折り目(34)を形成し、しかる後に、上記連続体(3)をジグザグ方向に押圧し扁平にすることを特徴とする角形電池用極板群(2)の製造方法である。
また、請求項2に係る発明は、正負の極板(4,5)間にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造方法において、複数本のガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)を鉛直方向にジグザグ状に配列し、このガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)の一方の列と他方の列との間に、上記負極板の連続体(24)を二条のセパレータの連続体(3,3)で挟んだ重畳体(23)を挿入し、上記ガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)を列同士間で水平方向に交差させることにより上記重畳体(23)をジグザグ折りしつつ、この重畳体(23)の各谷溝(23a)内に上記正極板(4)を挿入し、上記重畳体(23)の各谷溝(23a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)を抜去し、上記重畳体(23)の各谷溝(23a)の底に折り目(34)を形成し、しかる後に、上記重畳体(23)をジグザグ方向に押圧し扁平にすることを特徴とする角形電池用極板群(22)の製造方法である。
請求項3に記載されるように、請求項1又は請求項2に記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記連続体(3)又は重畳体(23)のジグザグ折り時から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の抜去時まで、上記連続体(3)又は重畳体(23)の側縁(3c,23b,24b)を上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の先端方向に押えるようにしてもよい。
請求項4に記載されるように、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ジグザグ状の連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去した後に、上記連続体(3)又は重畳体(23)のジグザグ方向における間隔を狭めるようにしてもよい。
請求項5に記載されるように、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入された上記正極板(4)と上記負極板(5)の双方又は上記正極板(4)を上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の長さ方向で押圧してもよい。
請求項6に記載されるように、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去した後、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)を扁平に押圧する前に、上記正極板(4)と上記負極板(5)を各谷溝(3a,23a)内に更に押し込むようにしてもよい。
請求項7に記載されるように、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を回転自在なローラとしてもよい。
請求項8に記載されるように、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を半円筒形としてもよい。
請求項9に記載されるように、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を列同士間で交差させる際に、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の表面から上記連続体(3)又は上記重畳体(23)に向けて空気を吐出するようにしてもよい。
請求項10に記載されるように、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の接する表面に摩擦低減材層を形成しておくようにしてもよい。
また、請求項11に係る発明は、正負の極板(4,5)間にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板(5)を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造装置において、鉛直方向にジグザグ状に配列された複数本のガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を有し、このガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の一方の列と他方の列との間に上記セパレータの連続体(3)が挿入されると、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)が列同士間で水平方向に交差して上記連続体(3)をジグザグ折りするジグザグ折り手段と、上記連続体(3)がジグザグ折りされる際に、この連続体(3)の各谷溝(3a)内に上記正極板(4)と上記負極板(5)を交互に挿入する極板挿入手段(13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14e)と、上記連続体(3)の各谷溝(3a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去するガイド棒抜去手段と、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の抜去後に上記連続体(3)の各谷溝(3a)の底に折り目(34)を形成する折り目形成手段(36,37)と、上記折り目(34)が形成された連続体(3)をジグザグ方向に押圧し扁平にするプレス手段(18)とを備えたことを特徴とする角形電池用極板群の製造装置である。
また、請求項12に係る発明は、正負の極板間(4,5)にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板(5)を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造装置において、鉛直方向にジグザグ状に配列された複数本のガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)を有し、このガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)の一方の列と他方の列との間に、セパレータの二条の連続体(3,3)で上記負極板の連続体(24)を挟んだ重畳体(23)が挿入されると、上記ガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)が列同士間で水平方向に交差して上記重畳体(23)をジグザグ折りするジグザグ折り手段と、上記重畳体(23)がジグザグ折りされる際に、この重畳体(23)の各谷溝(23a)内に上記正極板(4)を挿入する極板挿入手段(13a,13b,13c,14b,14c)と、上記重畳体(23)の各谷溝(23a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)を抜去するガイド棒抜去手段と、上記ガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)の抜去後に上記重畳体(23)の各谷溝(23a)の底に折り目(34)を形成する折り目形成手段(36,37)と、上記折り目(34)が形成された重畳体(23)をジグザグ方向に押圧し扁平にするプレス手段(18)とを備えたことを特徴とする角形電池用極板群の製造装置である。
請求項13に記載されるように、請求項11又は請求項12に記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記連続体(3)又は重畳体(23)のジグザグ折り時から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の抜去時まで、上記連続体(3)又は重畳体(23)の側縁(3c,23b,24b)を上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の先端方向に押える側縁押圧手段(35,38)が更に設けられたものとすることができる。
請求項14に記載されるように、請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ジグザグ状の連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内からガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去した後に、上記連続体(3)又は重畳体(23)のジグザグ方向における間隔を狭めるピッチ変更手段(25)を備えたものとしてもよい。
請求項15に記載されるように、請求項11乃至請求項14のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入された上記正極板(4)と上記負極板(5)の双方又は上記正極板(4)を上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の長さ方向で押圧するストッパ(16,17)を備えたものとすることができる。
請求項16に記載されるように、請求項11乃至請求項15のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去した後、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)を扁平に押圧する前に、上記正極板(4)と上記負極板(5)を各谷溝(3a,23a)内に更に押し込む押し部材(11,15)を備えたものとすることができる。
請求項17に記載されるように、請求項11乃至請求項16のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を回転自在なローラとすることができる。
請求項18に記載されるように、請求項11乃至請求項17のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を半円筒形としてもよい。
請求項19に記載されるように、請求項11乃至請求項18のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を列同士間で交差させる際に、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の表面から上記連続体(3)又は上記重畳体(23)に向けて空気を吐出するノズル(10)が上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)に設けられたものとすることができる。
請求項20に記載されるように、請求項11乃至請求項19のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の接する表面に摩擦低減材層が形成されたものとすることができる。
請求項21に記載されるように、請求項11乃至請求項20のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記極板挿入手段が上記各極板(4,5)を上記連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入する極板搬送トレー(13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14e)を有し、上記折り目形成手段(36,37)が、各極板搬送トレー(13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14e)の先端に形成された凸部(36)と、上記連続体(3)又は重畳体(23)を各凸部(36)と共に挟んで折り目を形成する受け部(37)とを具備したものとすることができる。
請求項1に係る発明によれば、正負の極板(4,5)間にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板(5)を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造方法において、複数本のガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を鉛直方向にジグザグ状に配列し、このガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の一方の列と他方の列との間に上記セパレータの連続体(3)を挿入し、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を列同士間で水平方向に交差させることにより上記連続体(3)をジグザグ折りしつつ、この連続体(3)の各谷溝(3a)内に上記正極板(4)と上記負極板(5)を交互に挿入し、上記連続体(3)の各谷溝(3a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去し、上記連続体(3)の各谷溝(3a)の底に折り目(34)を形成し、しかる後に、上記連続体(3)をジグザグ方向に押圧し扁平にすることを特徴とする角形電池用極板群(2)の製造方法であるから、一つの極板群(2)に必要な個数の谷溝(3a)をセパレータの連続体(3)に同時に形成することができ、従ってタクトタイムを大幅に短縮することができる。
また、セパレータはガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)を列同士間で交差させることによりジグザグ折りするので、それだけ深い谷溝(3a)が形成され、従って正極板(4)と負極板(5)を大きくして電気容量の大きい極板群(2)とすることができる。
また、正極板(4)と負極板(5)が薄く柔らかいものであっても、セパレータの谷溝(3a)内に円滑に挿入することができる。
また、ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)を列同士間で交差させることにより連続体(3)をジグザグ折りしつつ、各谷溝(3a)内に正極板(4)と負極板(5)を交互に挿入するので、連続体(3)のジグザグ折りと正負の極板(4,5)の挿入とを同時に行うことができ、従ってタクトタイムをさらに短縮することができる。
また、セパレータの連続体(3)における各谷溝(3a)の底に折り目(34)を形成した後に、連続体(3)をジグザグ方向に押圧し扁平にするので、連続体(3)を蛇行しないように正確にジグザグ折りすることができ、しかも、正極板(4)と負極板(5)を正確に対向させ、性能の良い極板群(2)を製造することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、正負の極板(4,5)間にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造方法において、複数本のガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)を鉛直方向にジグザグ状に配列し、このガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)の一方の列と他方の列との間に、上記負極板の連続体(24)を二条のセパレータの連続体(3,3)で挟んだ重畳体(23)を挿入し、上記ガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)を列同士間で水平方向に交差させることにより上記重畳体(23)をジグザグ折りしつつ、この重畳体(23)の各谷溝(23a)内に上記正極板(4)を挿入し、上記重畳体(23)の各谷溝(23a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)を抜去し、上記重畳体(23)の各谷溝(23a)の底に折り目(34)を形成し、しかる後に、上記重畳体(23)をジグザグ方向に押圧し扁平にすることを特徴とする角形電池用極板群(22)の製造方法であるから、一つの極板群(22)に必要な個数の谷溝(23a)を重畳体(23)に同時に形成することができ、従ってタクトタイムを大幅に短縮することができる。
また、請求項1に係る発明におけるよりも少ない本数のガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,6f)によって、請求項1に係る発明と同じ層数の極板群を形成することができ、あるいは、請求項1に係る発明におけると同じ本数のガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)を用いることにより、請求項1に係る発明に比し倍の層数の極板群を形成することができる。
また、重畳体(23)はガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,6f)を列同士間で交差させることによりジグザグ折りするので、それだけ深い谷溝(23a)が形成され、従って正極板(4)を大きくして電気容量の大きい極板群(22)とすることができる。
また、ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,6f)を列同士間で交差させることにより重畳体(23)をジグザグ折りしつつ、各谷溝(23a)内に正極板(4)を挿入するので、重畳体(23)のジグザグ折りと正極板(4)の挿入とを同時に行うことができ、従ってタクトタイムをさらに短縮することができる。また、上述したと同様に、請求項1に係る発明に比べ、少ない本数のガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,6f)でより多数の層を有した極板群を形成することができ、あるいは、請求項1に係る発明と同数のガイド棒を用いることにより倍の層数の極板群(22)を形成することができる。
また、重畳体(23)における各谷溝(23a)の底に折り目(34)を形成した後に、重畳体(23)をジグザグ方向に押圧し扁平にするので、重畳体(23)を蛇行しないように正確にジグザグ折りすることができ、しかも、正極板(4)と負極板(24)を正確に対向させ、性能の良い極板群(22)を製造することができる。
請求項3に記載されるように、請求項1又は請求項2に記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記連続体(3)又は重畳体(23)のジグザグ折り時から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の抜去時まで、上記連続体(3)又は重畳体(23)の側縁(3c,23b,24b)を上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の先端方向に押えるようにした場合は、連続体(3)又は重畳体(23)のジグザグ折り時における蛇行を防止することができ、また、ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去する際にジグザグ状の連続体(3)又は重畳体(23)が崩れないようにすることができ、従って極板群(2,22)を正確に精度良く製造することができる。
請求項4に記載されるように、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ジグザグ状の連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去した後に、上記連続体(3)又は重畳体(23)のジグザグ方向における間隔を狭めるようにした場合は、各谷溝(3a,23a)の開口を大きくして正負の極板(4,5)を挿入しやすくし、挿入後にガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の各列内での間隔を狭めることによりジグザグ状の連続体(3)又は重畳体(23)を扁平にしやすくすることができる。
請求項5に記載されるように、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入された上記正極板(4)と上記負極板(5)の双方又は上記正極板(4)を上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の長さ方向で押圧した場合は、連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入された正極板(4)又は負極板(5)をガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の長さ方向で正確に位置決めすることができる。
請求項6に記載されるように、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去した後、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)を扁平に押圧する前に、上記正極板(4)と上記負極板(5)を各谷溝(3a,23a)内に更に押し込むようにした場合は、連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内におけるガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)の存在した位置へと正極板(4)と負極板(5)が移動するので、正極板(4)と負極板(5)との対向する面積が増え、それだけ電気容量が増大し、電池としての性能が向上する。また、セパレータがより効率的に使用されることになる。
請求項7に記載されるように、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を回転自在なローラとした場合は、連続体(3)又は重畳体(23)をジグザグ折りする際に連続体(3)又は重畳体(23)にかかる張力を緩和し、連続体(3)又は重畳体(23)の破断を防止することができる。
請求項8に記載されるように、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を半円筒形とした場合は、ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j)の軽量化を図ることができる。
請求項9に記載されるように、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を列同士間で交差させる際に、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の表面から上記連続体(3)又は上記重畳体(23)に向けて空気を吐出するようにした場合は、連続体(3)又は重畳体(23)をジグザグ折りする際に連続体(3)又は重畳体(23)とガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)との間の摩擦を軽減して連続体(3)又は重畳体(23)にかかる張力をさらに緩和し、ジグザグ折りに必要な時間を短縮することができ、また、連続体(3)又は重畳体(23)の破断をより適正に防止することができる。
請求項10に記載されるように、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造方法において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の接する表面に摩擦低減材層を形成しておくものとした場合は、連続体(3)又は重畳体(23)をジグザグ折りする際に連続体(3)又は重畳体(23)とガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)との間の摩擦を軽減して連続体(3)又は重畳体(23)にかかる張力をさらに緩和し、ジグザグ折りに必要な時間を短縮することができ、また、連続体(3)又は重畳体(23)の破断をより適正に防止することができる。
請求項11に係る発明によれば、正負の極板(4,5)間にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板(5)を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造装置において、鉛直方向にジグザグ状に配列された複数本のガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を有し、このガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の一方の列と他方の列との間に上記セパレータの連続体(3)が挿入されると、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)が列同士間で水平方向に交差して上記連続体(3)をジグザグ折りするジグザグ折り手段と、上記連続体(3)がジグザグ折りされる際に、この連続体(3)の各谷溝(3a)内に上記正極板(4)と上記負極板(5)を交互に挿入する極板挿入手段(13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14e)と、上記連続体(3)の各谷溝(3a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去するガイド棒抜去手段と、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の抜去後に上記連続体(3)の各谷溝(3a)の底に折り目(34)を形成する折り目形成手段(36,37)と、上記折り目(34)が形成された連続体(3)をジグザグ方向に押圧し扁平にするプレス手段(18)とを備えたことを特徴とするものであるから、一つの極板群(2)に必要な個数の谷溝(3a)をセパレータの連続体(3)に同時に形成することができ、従ってタクトタイムを大幅に短縮することができる。また、セパレータはガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を列同士間で交差させることによりジグザグ折りするので、それだけ深い谷溝(3a)が形成され、従って正極板(4)と負極板(5)を大きくして電気容量の大きい極板群(2)とすることができる。また、正極板(4)と負極板(5)が薄く柔らかいものであっても、セパレータの谷溝(3a)内に円滑に挿入することができる。
また、ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を列同士間で交差させることにより連続体(3)をジグザグ折りしつつ、極板挿入手段により各谷溝(3a)内に正極板(4)と負極板(5)を交互に挿入するので、連続体(3)のジグザグ折りと正負の極板(4,5)の挿入とを同時に行うことができ、従ってタクトタイムをさらに短縮することができる。
また、セパレータの連続体(3)における各谷溝(3a)の底に折り目(34)を形成した後に、連続体(3)をジグザグ方向に押圧し扁平にするので、連続体(3)を蛇行しないように正確にジグザグ折りすることができ、しかも、正極板(4)と負極板(5)を正確に対向させ、極板群(2)を精度良く製造することができる。
また、請求項12に係る発明によれば、正負の極板間(4,5)にセパレータが介在するように、正極板(4)と負極板(5)を交互に重ね合わせる角形電池用極板群の製造装置において、鉛直方向にジグザグ状に配列された複数本のガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)を有し、このガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)の一方の列と他方の列との間に、セパレータの二条の連続体(3,3)で上記負極板の連続体(24)を挟んだ重畳体(23)が挿入されると、上記ガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)が列同士間で水平方向に交差して上記重畳体(23)をジグザグ折りするジグザグ折り手段と、上記重畳体(23)がジグザグ折りされる際に、この重畳体(23)の各谷溝(23a)内に上記正極板(4)を挿入する極板挿入手段(13a,13b,13c,14b,14c)と、上記重畳体(23)の各谷溝(23a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)を抜去するガイド棒抜去手段と、上記ガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)の抜去後に上記重畳体(23)の各谷溝(23a)の底に折り目(34)を形成する折り目形成手段(36,37)と、上記折り目(34)が形成された重畳体(23)をジグザグ方向に押圧し扁平にするプレス手段(18)とを備えたことを特徴とするものであるから、一つの極板群(22)に必要な個数の谷溝(23a)を重畳体(23)に同時に形成することができ、従ってタクトタイムを大幅に短縮することができる。
また、請求項11に係る発明におけるよりも少ない本数のガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)によって、請求項11に係る発明と同じ層数の極板群を形成することができ、あるいは、請求項11に係る発明におけると同じ本数のガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を用いることにより、請求項11に係る発明に比し倍の層数の極板群を形成することができる。
また、重畳体(23)はガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)を列同士間で交差させることによりジグザグ折りするので、それだけ深い谷溝(23a)が形成され、従って正極板(4)及び負極板(24)の面積を大きくして電気容量の大きい電極群(22)とすることができる。
また、ガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)を列同士間で交差させることにより重畳体(23)をジグザグ折りしつつ、極板挿入手段(13a,13b,13c,14b,14c)により各谷溝(23a)内に上記正極板(4)を挿入するので、重畳体(23)のジグザグ折りと正極板(4)の挿入とを同時に行うことができ、従ってタクトタイムをさらに短縮することができる。また、上述したと同様に、請求項11に係る発明に比べ、少ない本数のガイド棒(6a,6b,6c,7a,7b,7c,7d)でより多数の層を有した極板群を形成することができ、あるいは、請求項11に係る発明と同数のガイド棒を用いることにより倍の層数の極板群を形成することができる。
また、重畳体(23)における各谷溝(23a)の底に折り目(34)を形成した後に、重畳体(23)をジグザグ方向に押圧し扁平にするので、重畳体(23)を蛇行しないように正確にジグザグ折りすることができ、しかも、正極板(4)と負極板(24)を正確に対向させ、極板群(22)を精度良く製造することができる。
請求項13に記載されるように、請求項11又は請求項12に記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記連続体(3)又は重畳体(23)のジグザグ折り時から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の抜去時まで、上記連続体(3)又は重畳体(23)の側縁(3c,23b,24b)を上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の先端方向に押える側縁押圧手段(35,38)が更に設けられたものとすれば、ジグザグ折り時における連続体(3)又は重畳体(23)の蛇行を防止することができ、また、ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去する際にジグザグ状の連続体(3)又は重畳体(23)が崩れないようにすることができ、従って極板群(2,22)を正確に精度良く製造することができる。
請求項14に記載されるように、請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ジグザグ状の連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内からガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去した後に、上記連続体(3)又は重畳体(23)のジグザグ方向における間隔を狭めるピッチ変更手段(25)を備えたものとした場合は、ジグザグ状の連続体(3)又は重畳体(23)を扁平化しやすくなる。
請求項15に記載されるように、請求項11乃至請求項14のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入された上記正極板(4)と上記負極板(5)の双方又は上記正極板(4)を上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の長さ方向で押圧するストッパ(16,17)を備えたものとする場合は、連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入された正極板(4)又は負極板(5)をガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の長さ方向で正確に位置決めすることができる。
請求項16に記載されるように、請求項11乃至請求項15のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内から上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を抜去した後、上記連続体(3)又は上記重畳体(23)を扁平に押圧する前に、上記正極板(4)と上記負極板(5)を各谷溝(3a,23a)内に更に押し込む押し部材(11,15)を備えたものとする場合は、連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内におけるガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の存在した位置へと正極板(4)と負極板(5)が移動するので、正極板(4)と負極板(5)との対向する面積が増え、それだけ電気容量が増大し、電池としての性能が向上する。また、セパレータがより効率的に使用されることになる。
請求項17に記載されるように、請求項11乃至請求項16のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を回転自在なローラとする場合は、連続体(3)又は重畳体(23)をジグザグ折りする際に連続体(3)又は重畳体(23)にかかる張力を緩和し、連続体(3)又は重畳体(23)の破断を防止することができる。
請求項18に記載されるように、請求項11乃至請求項17のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を半円筒形とする場合は、ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の軽量化を図ることができる。
請求項19に記載されるように、請求項11乃至請求項18のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)を列同士間で交差させる際に、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の表面から上記連続体(3)又は上記重畳体(23)に向けて空気を吐出するノズル(10)が上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)に設けられたものとする場合は、連続体(3)又は重畳体(23)をジグザグ折りする際に連続体(3)又は重畳体(23)とガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)との間の摩擦を軽減して連続体(3)又は重畳体(23)にかかる張力をさらに緩和し、ジグザグ折りに必要な時間を短縮することができ、また、連続体(3)又は重畳体(23)の破断をより適正に防止することができる。
請求項20に記載されるように、請求項11乃至請求項19のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記ガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)の上記連続体(3)又は上記重畳体(23)の接する表面に摩擦低減材層が形成されたものとする場合は、連続体(3)又は重畳体(23)をジグザグ折りする際に連続体(3)又は重畳体(23)とガイド棒(6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7f)との間の摩擦を軽減して連続体(3)又は重畳体(23)にかかる張力をさらに緩和し、ジグザグ折りに必要な時間を短縮することができ、また、連続体(3)又は重畳体(23)の破断をより適正に防止することができる。
請求項21に記載されるように、請求項11乃至請求項20のいずれかに記載の角形電池用極板群の製造装置において、上記極板挿入手段が上記各極板(4,5)を上記連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内に挿入する極板搬送トレー(13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14e)を有し、上記折り目形成手段(36,37)が、各極板搬送トレー(13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14e)の先端に形成された凸部(36)と、上記連続体(3)又は重畳体(23)を各凸部(36)と共に挟んで折り目を形成する受け部(37)とを具備したものとした場合は、連続体(3)又は重畳体(23)の各谷溝(3a,23a)内への極板(4,5)の挿入と、折り目(34)の形成を同時に行うことができ、また、折り目(34)を各谷溝(3a)の溝底に正確に形成することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<実施の形態1>
図1において、符号1はリチウムイオン二次電池の角形ケースを示し、符号2はこの角形ケース1内に収納された極板群を示す。角形ケース1の所定箇所には、図示しない正極端子と負極端子が設けられている。また、角形ケース1内には、有機溶媒にリチウム塩を配合してなる電解液が充填されている。
極板群2は、図2に示すように、セパレータのジグザグ折りされた連続体3と、この連続体3の各谷溝3a内に交互に挿入された正極板4と負極板5とを具備する積層体として構成される。正極板4と負極板5は、各々の間にセパレータが介在するように交互に重ね合わせられ、セパレータと共に扁平に畳まれた状態になっている。正極板4と負極板5にはセパレータから互いに反対側に突出するリード部4a,5aが設けられ、各極のリード部4a,5aは夫々束ねられて上記図示しない正極端子と負極端子にそれぞれ接続される。
正極板4は、アルミニウム箔等のシート状金属箔の両面にリチウム遷移金属複合酸化物等の正極活物質を塗布することにより形成される。負極板5は、銅箔等のシート状金属箔の両面に炭素材料等の負極活物質を塗布することにより形成される。セパレータの連続体3は、ポリオレフィン系樹脂等の合成樹脂からなる微細な孔が形成された多孔膜により作られる。
次に、上記極板群の製造装置について、図3乃至図9に基づいて説明する。
図3に示すように、この極板群2の製造装置は、その図示しない基台上に定盤12を備える。定盤12は、図5B及び図5Cに示すように、ジグザグ折りされるセパレータの連続体3の下方に設置される。また、定盤12の一辺の近傍には、図4B及び図4Cに示すように、セパレータの連続体3の始端を把持するクランプ12aが定盤12に干渉しないように設けられる。定盤12の上方には、図4Cに示すように、セパレータの連続体3を巻き取ったロール3bが設けられる。ロール3bは連続体3の繰り出し方向になるべく負荷がかからないようにし、ジグザグ折りする箇所のセパレータの連続体3に生じる張力を低減するように設けられる。また、セパレータの連続体3の走行路上には、ロール3bから繰り出されたセパレータの連続体3を所定箇所において切断するためのカッター33が設けられる。
図3に示すように、この極板群2の製造装置は、鉛直方向にジグザグ状に配列された複数本のガイド棒6a,6b,6c,6d、6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fを有し、このガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの一方の列と他方の列との間にセパレータの連続体3が挿入されると、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fが列同士間で水平方向に交差してセパレータの連続体3をジグザグ折りするジグザグ折り手段と、セパレータの連続体3がジグザグ折りされる際に、このセパレータの連続体3の各谷溝3a(図2参照)内に正極板4と負極板5を交互に挿入する極板挿入手段と、セパレータの連続体3の各谷溝3a内からガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fを抜去するガイド棒抜去手段と、セパレータの連続体3のジグザグ折り時からガイド棒棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの抜去時まで、セパレータの連続体3の側縁3c,3cをガイド棒ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの先端方向に押える側縁押圧手段と、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの抜去後にセパレータの連続体3の各谷溝3aの底に折り目34(図7C参照)を形成する折り目形成手段と、折り目34が形成されたセパレータの連続体3をジグザグ方向に押圧し扁平にするプレス手段とを具備する。
ジグザグ折り手段のガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fは、セパレータの一条の連続体3に対して供給される正負の極板4,5の枚数と同じ数の本数か又はそれ以上の本数用意される。そして、上記定盤12の上側に鉛直方向に二列で各々水平に配列され、かつ列間でジグザクになるよう配列される。図4A、図4B及び図4Cに示すように、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fはその列ごとに用意された縦フレーム8,9に夫々片持ち状に支持される。
各ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fはセパレータの連続体3を円滑にジグザグ折りすることができるように、回転自在なローラとして構成される。もちろん、各ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fはセパレータの連続体3を円滑に案内することができるならば、円筒形でなくとも半円筒形であってもよいし、回転しない丸棒であってもよい。
各ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fには、セパレータの連続体3をジグザグ折りする際にこのセパレータの連続体3に向けて空気を吐出する多数の微小なノズル10が必要に応じて形成される。ノズル10は円形、溝形等所望の形状及び配列で形成される。ノズル10からの空気の吐出により、セパレータの連続体3とガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fとの間の摩擦が軽減され、セパレータの連続体3のジグザグ折りが更に円滑化される。
また、各ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの表面には、必要に応じて摩擦低減材層(図示せず)が形成される。摩擦低減材層は、フッ素樹脂等を塗工することにより形成される。これにより、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fとセパレータの連続体3との間の摩擦が低減し、セパレータの連続体3のジグザグ折りが円滑化される。
ジグザグ折り手段は、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの一方の列と他方の列との間にセパレータの連続体3が挿入されると、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fを列同士間で交差させてセパレータの連続体3をジグザグ折りするための駆動部を備える。この駆動部は、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fを列ごと支持した上記縦フレーム8,9とこの製造装置の図示しない基台との間に介装されるボールネジとボールネジを回転させるモータ等により構成される。ボールネジ、モータ等を用いた駆動部は通常の送り手段であるから図示しない。
側縁押圧手段は、図3、図4A、図4B、図5A、図5B、図6Aおよび図6Bに示すように、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの交差によりセパレータの連続体3をジグザグ折りする時からガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fをジグザグ状のセパレータの連続体3の谷溝3a内から抜去する時まで、セパレータの連続体3の側縁3c,3cをガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの先端方向に押える板状の押圧部材35,35を備える。
押圧部材35,35は、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの各列ごとに設けられ、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fが列同士間で交差する際に各列と一体で移動するように、押圧部材35,35と一体の保持部35a,35aを介して上記縦フレーム8,9にそれぞれ連結される。また、各押圧部材35,35の保持部35a,35aは、図5Aおよび図6Aに示すように、縦フレーム8,9に対しガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの軸方向に相対的にスライド可能に連結されると同時に、この製造装置の基台に対しても、図6Aおよび図6Bに示すように、実線位置と二点鎖線位置との間をスライド可能に支持される。各保持部35a,35aと基台との間には図示しない弾性体であるバネが介装され、このバネにより各保持部35a,35a及び押圧部材35,35は実線位置へと常時付勢される。
各押圧部材35,35は、図5A及び図6Aに示すように、ジグザグ折りされるセパレータの連続体3の側縁3cに接触する先端縁35b,35bを有する。上記図示しないバネの付勢により、図5Aに示すように、各押圧部材35,35は実線位置に在ってその各先端縁35b,35bがセパレータの連続体3の各側縁3c,3cに僅かに接触可能である。図6A及び図6Cに示すように、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fがセパレータの連続体3の谷溝3aから離脱すると、各押圧部材35,35の保持部35a,35aは縦フレーム8,9に押され上記バネの付勢力に抗して二点鎖線位置へと後退し、各押圧部材35,35の先端縁35b,35bがセパレータの連続体3の各側縁3c,3cから離れる。
このように、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの交差によりセパレータの連続体3がジグザグ折りされる時からガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fがジグザグ状のセパレータの連続体3から抜き取られる時まで、押圧部材35,35によってセパレータの連続体3の側縁3c,3cがガイド棒棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの交差によりセパレータの連続体3がジグザグ折りされる時からガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの先端方向に押えられることから、ジグザグ折り時におけるセパレータの連続体3の蛇行が防止され、また、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fを抜去する際にジグザグ状のセパレータの連続体3の山が崩れないように支えられる。
なお、図3に示すように、押圧部材35,35の先端縁35b,35bには、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fが列同士間で交差する際にガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの先端に干渉しないように切欠35cが形成される。しかし、この干渉が生じないようにガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの先端を短くするか、あるいはセパレータの連続体3のジグザグ折り時にガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fをそれらの先端が谷溝3a内に引っ込むように制御するような場合は、このような切欠35cは不要である。
極板挿入手段は、上記ジグザグ折り手段のガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fによりジグザグ折りされたセパレータの連続体3の各谷溝3a内に正極板4と負極板5を交互に挿入するための極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eを有する。図3及び図4Cに示すように、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eは一つの極板群2に必要な正負の極板4,5の枚数と同数個用意され、それぞれ上記各ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7b,7c,7d,7eの後方に水平に配置される。
図4Cに示すように、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eは、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7b,7c,7d,7eに対応して設けられ、列ごとに各々の後端が支持フレーム28,28に連結される。
各支持フレーム28,28は各極板4,5の搬送方向に伸縮可能なピストン・シリンダ装置29,29のピストンロッド29aに夫々連結され、各ピストン・シリンダ装置29,29は各極板4,5の搬送方向に往復移動可能な往復台30,30に設置される。
往復台30は、この製造装置の図示しない基台上に回転可能に設置された送りネジであるボールネジ31に螺合するナット32に連結される。ボールネジ31は図示しないモータによって回転するようになっている。
ボールネジ31,31が回転すると、極板4,5が夫々乗せられた極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eは各列でまとまって、図5Cに示すように、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fによりジグザグ折りされるセパレータの連続体3の各谷溝3a内に移動する。
極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eはガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fによるセパレータの連続体3のジグザグ折りの後に移動させるようにしてもよいが、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fが列同士間で交差しセパレータの連続体3をジグザグ折りすると同時に極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eをセパレータの連続体3側に移動させるのが望ましい。これにより、セパレータの連続体3をジグザグ折りしつつ、正負の各極板4,5をセパレータの各谷溝3a内に挿入することが可能になり、タクトタイムが短縮される。
図8Cに示すように、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eは、後にピストン・シリンダ装置29,29の縮動作によってセパレータの連続体3の谷溝3aから後方に離脱するようになっている。この極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの後退時に極板4,5をセパレータの連続体3の谷溝3a内に残留させるため、図3、図4A、図4B及び図4Cに示すように、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eを列ごとに左右両側から挟むように押し部材11,11,15,15が配置される。
押し部材11,11,15,15は、具体的には各極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの左右両側から突出した極板4,5の後縁に当接する縦棒として構成され、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの各列の左右に配置される。
この押し部材11,11,15,15が各極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの左右両側から突出した極板4,5の後方に配置されることから、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eがセパレータの連続体3の谷溝3aから後方に離脱する際、正負の極板4,5はセパレータ側の各谷溝3a内に留まることになる。
押し部材11,11,15,15は、図4Cに示すように、上記往復台30に取り付けられる。これにより、ボールネジ31の回転により往復台30が移動すると、押し部材11,11,15,15は、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eと共に往復移動可能である。そして、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eがセパレータの連続体3の谷溝3a内へと前進した後に各ピストン・シリンダ装置29,29が縮動作すると、図8、図8B及び図8Cに示すように、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eが谷溝3a外へと後退し、押し部材11,11,15,15は前進した位置に留まる。これにより、極板4,5はセパレータの連続体3の谷溝3a内に押し止められる。
図3、図5A及び図5Bに示すように、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの長さ方向の両側にはセパレータの連続体3の各谷溝3a内に挿入された正極板4と負極板5をガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの長さ方向で押圧するストッパ16,17が必要に応じて設けられる。各ストッパ16,17は図示しないピストン・シリンダ装置によりガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの長さ方向で往復移動可能であり、一方のストッパ16は一方の列の極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13eによりセパレータの各谷溝3a内に挿入されてセパレータの連続体3の側縁3cから突出したすべての正極板4の側縁に当接し、他方のストッパ17は他方の列の極板搬送トレー14b,14c,14d,14eによりセパレータ連続体3の各谷溝3a内に挿入されてセパレータの連続体3の反対側の側縁3cから突出したすべての負極板5の側縁に当接するようになっている。このストッパ16,17により、セパレータの連続体3の各谷溝3a内に挿入された正極板4と負極板5はガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの長さ方向で正確に位置決めされることになる。
上記ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fはガイド棒抜去手段により、図6A、図6B及び図6Cに示すように、セパレータの連続体3の各谷溝3a内から抜去可能である。ガイド棒抜去手段は、図示しないが例えばピストン・シリンダ装置により構成される。このピストン・シリンダ装置がガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの縦フレーム8,9とこの製造装置の図示しない基台との間に介装され、このピストン・シリンダ装置の伸縮動作に伴い、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fが図6A、図6B及び図6Cに示すように、セパレータの連続体3の各谷溝3a外へ離脱したり、あるいは図3及び図4A、図4B及び図4Cに示す元の位置に復帰したりする。
このガイド棒抜去手段の図示しない各ピストン・シリンダ装置は、上述したガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fを列同士間で交差させてセパレータの連続体3をジグザグ折りするための各駆動部を各縦フレーム8,9と共に保持して伸縮動するようになっている。
上記極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eは、上述したようにボールネジ31等を介して上記図示しない基台に連結される。ジグザグ折りされたセパレータの連続体3の各谷溝3a内からガイド棒抜去手段によってガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fが抜去された後、ボールネジ31が更に回転することにより、図7A及び図7Cに示すように極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eが更に前進し、正極板4と負極板5を各谷溝3a内に更に深く押し込む。
また、この極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの更なる前進に伴い、図7Cに示すように、折り目形成手段によってセパレータの連続体3の各谷溝3aの底に折り目34が形成される。
図3及び図7Cに示すように、折り目形成手段は、上記各極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの先端に形成された凸部36と、セパレータの連続体3を各凸部36と共に挟んで谷溝3aの底に折り目34を形成する受け部37とを具備する。
凸部36は各極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの先端にブレード状に形成される。凸部36は各極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eを薄く形成するか又は各先端を尖らせることによって形成してもよいし、別体のブレードを各極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの先端に取り付けることによって形成するようにしてもよい。また、各極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの先端や凸部36はセパレータの連続体3に接する部分を尖らせるほか、セパレータの連続体3が切断されることのないようセパレータの連続体3に当たる箇所に曲面に形成してもよい。
受け部37は、各極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの先端の凸部36と、セパレータの連続体3を間に挟んで対峙するように、押し部材11,11,15,15に取り付けられる。図3及び図7Cに示すように、受け部37は押し部材11,11,15,15の対同士間に梁状に掛け渡され、上記凸部36が当接する箇所にはゴム等のクッション性に富んだ弾性片37aが取り付けられる。
図7A、図7B及び図7Cに示すように、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eが更に前進し、正極板4と負極板5を各谷溝3a内に更に深く押し込むと、各極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの先端の凸部36と受け部37とでセパレータの連続体3が挟み込まれ、セパレータの連続体3の各谷溝3aの底に折り目34が形成される。
なお、受け部37は押し部材11,11,15,15に取り付けることなく、押し部材11,11,15,15とは独立して動作するようにし、折り目34を形成する時にのみ凸部36を受け止める位置に進出させるようにしてもよい。
図4C、図9A、図9B及び図9Cに示すように、プレス手段は上記定盤12上で鉛直方向に昇降可能なプッシャー18として構成される。プッシャー18は上記折り目34が形成されたセパレータの連続体3をジグザグ方向で押圧し扁平にする。これにより、セパレータの連続体3は正極板4と負極板5を挟んだ状態で図2に示した極板群2の厚さまで扁平にされる。
上記極板群2は上記構成の製造装置により次のような手順で製造される。
(1) 図3、図4A、図4B及び図4Cに示すように、ジグザグ状に配列されたガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの一方の列と他方の列との間にセパレータの連続体3が挿入され、このセパレータの連続体3の先端がクランプ12aにより把持される。セパレータの連続体3はこのセパレータの連続体3を巻き取ったロール3bから繰り出され、小さい張力でガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの列間に鉛直方向に張られる。
(2) 図4A及び図4C中、矢印で示す水平方向にガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの列が移動し、図5A、図5B及び図5Cに示すように、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fが列同士間で交差する。これにより、セパレータの連続体3がジグザグ折りされ、一つの極板群2に必要な個数の谷溝3aがセパレータの連続体3に同時に形成されることとなり、極板群2の製造に必要なタクトタイムが大幅に短縮される。また、セパレータはガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fを列同士間で交差させることによりジグザグ折りされるので、それだけ深い谷溝3aが形成され、大きい正極板4と負極板5の挿入が可能になり、電気容量の大きい極板群2の製造が可能になる。
各ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fは回転自在なローラであることから、セパレータの連続体3はその張力が緩和され、円滑にジグザグ折りされる。
また、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fを列同士間で交差させる際に、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの表面からセパレータの連続体3に向けてノズル10から空気が吐出される。これにより、セパレータの連続体3がジグザグ折りされる際にセパレータの連続体3とガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fとの間の摩擦が軽減され、セパレータの連続体3にかかる張力がさらに緩和される。その結果、セパレータの連続体3のジグザグ折りに必要な時間が短縮され、また、セパレータの連続体3の破断が防止される。
(3) 図4A及び図4C中、矢印で示す水平方向にガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの列が移動すると同時に、ボールネジ31がそれぞれ一方向に回転し、各往復台30上の極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eと、押し部材11,11,15,15とが、それぞれ左右のグループごとに一体で矢印方向に移動する。
このとき、一方の列の極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13eには予め正極板4がそれぞれ乗せられており、他方の列の極板搬送トレー14b,14c,14d,14eには予め負極板5がそれぞれ乗せられている。これにより、図5A、図5B及び図5Cに示すように、セパレータの連続体3がジグザグ折りされながら、セパレータの連続体3の各谷溝3a内に正極板4と負極板5が交互に挿入される。
このように、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fを列同士間で交差させることによりセパレータの連続体3をジグザグ折りしつつ、各谷溝3a内に正極板4と負極板5を交互に挿入することで、セパレータの連続体3のジグザグ折りと正負の極板4,5の挿入とを同時に行うことができ、タクトタイムをさらに短縮することができる。
(4) また、図4A、図4B及び図5Aに示すように、セパレータの連続体3のジグザグ折り時には、側縁押圧手段の各押圧部材35,35の先端縁35b,35bが、図示しないバネの付勢力によってセパレータの連続体3の両側縁3c,3cにそれぞれ接しうるように進出する。これにより、ジグザグ折り時におけるセパレータの連続体3の蛇行が防止され、セパレータの連続体3はジグザグ状に折られる。
(5) ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの交差方向への移動が停止し、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの各先端がガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fに接近すると、ボールネジ31,31の回転が停止し、往復台30,30と共に極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの全体が停止する。
(6) 図5A、図5B及び図5Cに示すように、押し部材11,11,15,15も極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14e上の極板4,5の後縁にそれぞれ接触した状態で極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eと共にセパレータの連続体3側へと前進して停止する。
(7) 図5A、図5B及び図5Cに示すように、極板4,5を乗せた極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eがセパレータの連続体3の谷溝3a内に侵入すると、各ストッパ16,17がガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの長さ方向に進出する。そして、一方のストッパ16が一方の列の極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13eによりセパレータの連続体3の各谷溝3a内に挿入されてこの連続体3の側縁3cから突出したすべての正極板4の側縁に当接する。また、他方のストッパ17が他方の列の極板搬送トレー14b,14c,14d,14eによりセパレータの連続体3の各谷溝3a内に挿入されてこの連続体3の反対側の側縁3cから突出したすべての負極板5の側縁に当接する。これにより、セパレータの連続体3の各谷溝3a内に挿入された正極板4と負極板5が、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの長さ方向で正確に位置決めされる。
(8) 図示しないピストン・シリンダ装置が作動し、図6A及び図6Bに示すように、縦フレーム8,9をセパレータの連続体3から離反する方向に移動させる。これにより、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fがそれらの長さ方向に移動し、セパレータの連続体3の谷溝3aの外へと離脱する。その結果、図6Cに示すように、セパレータの連続体3の谷溝3a内は空洞になる。
このガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fがジグザグ状のセパレータの連続体3から抜き取られる際、各押圧部材35,35によってセパレータの連続体3の側縁3c,3cがガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの先端方向に押えられることから、セパレータの連続体3のジグザグになった山は崩れないように綺麗に保持される。
(9) ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fを往復移動させるピストン・シリンダ装置は、各縦フレーム8,9が各押圧部材35,35の保持部35a,35aの後端に当接する位置から更に後方へと、図示しないバネの付勢力に抗して各縦フレーム8,9を移動させる。これにより、各押圧部材35,35の先端縁35b,35bは、図6A及び図6B中、実線で示す位置から二点鎖線で示す位置まで移動しセパレータの連続体3の各側縁3c,3cから離れる。
(10) 図7Cに示すように、ボールネジ31,31がそれぞれ一方向に更に回転し、各往復台30,30上の極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eと、押し部材11,11,15,15とを前進させる。
これにより、図7Cに示すように、セパレータの連続体3が極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの凸部36と受け部37とによって挟み込まれ、セパレータの連続体3の各谷溝3aの底に折り目34が形成される。
また、図7A、図7B及び図7Cに示すように、押し部材11,11,15,15が極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,13j上の極板4,5の後縁にそれぞれ接触した状態で正極板4と負極板5を各谷溝3a内に更に深く押し込む。これにより、セパレータの連続体3を介して正極板4と負極板5との対向する面積が増え、それだけ電気容量が増大し、電池としての性能が向上する。また、セパレータがより効率的に使用されることになる。
(11) 図8Cに示すように、ピストン・シリンダ装置29,29の縮動作によって、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eがセパレータの連続体3の谷溝3aから一斉に離脱する。
その際、図8A、図8B及び図8Cに示すように、押し部材11,11,15,15は、前進位置に止まって極板4,5の後縁に当接した状態を維持する。このため、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの後退時に極板4,5は極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14e上からセパレータの連続体3の谷溝3a内に押し出されることとなり、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eは空状態で後退し、極板4,5はセパレータの谷溝3a内に残留する。
(12) 図9A、図9B及び図9Cに示すように、プッシャー18がセパレータの連続体3をジグザグ方向で定盤12に向かって強く押圧する。
上述したように、セパレータの連続体3の各谷溝3aには折り目34が形成されているので、セパレータの連続体3は型崩れすることなく正確に扁平に畳まれることとなり、この畳まれたセパレータの連続体3と正負の極板4,5とが交互に重なった扁平な積層体が形成される。
(13) ジグザグ折りされたセパレータの連続体3の先端がクランプ12aから解放され、図4Cに示すカッター33によってこのジグザグ状の連続体3の後端がロール3b側の連続体3から切断されることにより、図2に示す極板群2が完成する。この極板群2が図1に示すように電池のケース1内に収納されて電池とされる。
<実施の形態2>
図10に示すように、この実施の形態2に係る極板群22は、ジグザグ折りされた連続状の重畳体23と、この重畳体23の各谷溝23a内に挿入された正極板4とを具備する扁平な積層体として構成される。重畳体23は二条のセパレータの連続体3,3で負極板の連続体24を挟んでなる積層体である。このため、重畳体23の各谷溝23a内に挿入された正極板4はセパレータを介して負極板の連続体24と対峙することになる。正極板4と負極板の連続体24とには互いに逆向きにセパレータの連続体3,3から突出するリード部4a,24aが設けられ、各極のリード部4a,24aはそれぞれ束ねられて電池ケース1(図1参照)の図示しない正極端子と負極端子にそれぞれ接続される。
図11に示すように、この極板群22を製造する装置は実施の形態1におけるものと同様にジグザグ状に配列された複数本のガイド棒6a,6b,6c,7a,7b,7c,7dその他を有する構成であるが、このガイド棒6a,6b,6c,7a,7b,7c,7dの一方の列と他方の列との間には、上記連続状の重畳体23が挿入されるようになっている。また、すべての極板搬送トレー13a,13b,13c,14b,14cは正極板4のみを重畳体23の谷溝23a内に搬送するようになっている。これらの点を除き、実施の形態1と同様な構造の装置により同様な手順で極板群22が製造される。
この実施の形態2では、重畳体23に正極板4のみを挿入する谷溝23aを形成すればよいので、実施の形態1の極板群2と同様な性能の極板群22を製造するとすれば、重畳体23のジグザグ回数は実施の形態1の場合に比べ半数で足り、したがってガイド棒6a,6b,6c,7a,7b,7c,7dや極板搬送トレー13a,13b,13c,14b,14c,14d,14eの個数も略半数に減らし、ひいてはタクトタイムをさらに短縮することができる。
この実施の形態2でも実施の形態1におけると同様な側縁押圧手段として押圧部材35,35が設けられ、各々の先端縁35b、35bが重畳体23の一方の側縁23bと他方の負極板の連続体24の側縁24bとにそれぞれ接しうるように設けられる。
また、実施の形態1におけると同様な折り目形成手段として、凸部36が各極板搬送トレー13a,13b,13c,14b,14c,14d,14eの先端に設けられ、凸部36に対向する受け部37が押し部材11,11,15,15に取り付けられる。
その他、図10及び図11において実施の形態1の場合と同じ部分については同一符号を用いて示すこととし重複した説明を省略する。
<実施の形態3>
この実施の形態3では、実施の形態1で示した角形電池用極板群の製造装置における極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの各支持フレーム28,28に、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eの鉛直方向での間隔を各列内で狭めるピッチ変更手段が設けられる。
このピッチ変更手段は、具体的には、図12に示すようなリンク機構25として構成される。
このリンク機構は、同じ長さのリンク25a,25aをX字形に枢着したものを多数垂直方向にピン結合してなる平行運動機構である。X字形に結合したリンク25a,25aの対における各枢着点に極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13eを各々水平に保持する軸26が通され、この軸26の一端が垂直方向に伸びるガイド部材28のガイド溝28aに挿入される。各極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13eを水平に保持しやすくするために、必要に応じてこのリンク機構を複数列で配置することも可能である。
図示しないが、反対側の列の極板搬送トレー14b,14c,14d,14eに対しても同様なリンク機構およびガイド部材が設けられる。
これにより、図6Cに示したようにガイド棒抜去手段によってガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fをセパレータの連続体3の谷溝3aから抜き去った後に、リンク機構が垂直方向に縮むと、極板搬送トレー13a,13b,13c,13d,13e,14b,14c,14d,14eは各列内において互いに一定の間隔を保ちつつ垂直方向に降下し、垂直方向での間隔が狭まることになる。この結果、セパレータの連続体3のジグザグ方向における間隔が狭まり、図7Cに示した折り目34をセパレータの連続体3の谷溝3aに形成する工程において折り目34をセパレータの連続体3に付けやすくなり、また、図9Cに示したプレス工程においてセパレータの連続体3を正確に垂直方向に折り畳むことができるようになる。
<実施の形態4>
この実施の形態4では、実施の形態1で示した角形電池用極板群の製造装置における側縁押圧手段が、図13A、図13B及び図13Cに示すように、セパレータの連続体3の両側縁3c,3cをリング状の押圧部材38によって案内するように構成される。
すなわち、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fのすべて又は一部にリング状の押圧部材38が回転自在かつスライド自在に被せられ、各々保持部39,39の先端に形成されたブラケット39aに回動自在に保持される。各保持部39,39は実施の形態1の場合と同様に縦フレーム8,9に連結され、製造装置の図示しない基台に図示しないバネを介して連結される。
このような構成の側縁押圧手段の作用について説明すると、図13Aに示すように、ジグザグ状に配列されたガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの一方の列と他方の列との間にセパレータの連続体3が挿入されると、図示しないピストン・シリンダ装置の作動によって保持部39,39がセパレータの連続体3の側縁3c,3cに向かって前進し、リングである各押圧部材38の端面がセパレータの連続体3の両側縁3c,3cにそれぞれ接する。
次に、図13Bに示すように、ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fが列同士間で交差し、セパレータの連続体3がジグザグ折りされ、一つの極板群2に必要な個数の谷溝3aがセパレータの連続体3に同時に形成される。
このセパレータの連続体3のジグザグ折り時に、セパレータの連続体3の両側縁3c,3cが押圧部材38によって案内される結果、セパレータの連続体3の蛇行が防止され、セパレータの連続体3は正確に垂直方向にジグザグ状に折られる。
その後、図示しないピストン・シリンダ装置の作動によって、図13Cに示すように、縦フレーム8,9がセパレータの連続体3から離反する方向に移動し、同時にガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fがそれらの長さ方向に移動してセパレータの連続体3の谷溝3a外へと離脱する。
このガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fがジグザグ状のセパレータの連続体3から抜き取られる際、押圧部材38によってセパレータの連続体3の側縁3c,3cがガイド棒棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fの先端方向に押えられることから、セパレータの連続体3のジグザグ状の山は崩れないように綺麗に保持される。
ガイド棒6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b,7c,7d,7e,7fがセパレータの連続体3の谷溝3a外へと離脱した後、縦フレーム8,9が更に移動すると、図13C中、実線で示すように各縦フレーム8,9が各保持部39,39に当接し、図示しないバネの付勢力に抗して二点鎖線で示す位置まで各押圧部材38を各保持部39,39ごと移動させる。この結果、各押圧部材38の端面がセパレータの連続体3の各側縁3c,3cから離れる。
この後、実施の形態1の場合と同様に、図7A、図7B及び図7C〜図9A、図9B及び図9Cの如く処理され、極板群2が形成される。
その他、図13A、図13B及び図13Cにおいて実施の形態1の場合と同じ部分については同一符号を用いて示すこととし重複した説明を省略する。
なお、本発明は上記実施の形態1〜4に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。例えば、上記実施の形態1〜4ではリチウムイオン2次電池として説明したが、本発明はリチウムイオン電池以外の電池や、1次電池等にも適用可能である。また、上記実施の形態1〜4ではガイド棒を列同士間で交差させる際に双方の列を移動させるものとしたが、一方の列のガイド棒を停止させて他方の列のガイド棒を移動させるようにしても同様なジグザグ折りを行うことができる。そのように構成すれば、ガイド棒の列を移動させる駆動部を少なくすることができ、コストダウンが可能になる。また、ガイド棒や極板搬送トレー等の個数は増減自在であり、上記実施の形態1〜4に限定されるものではない。