JP5263785B2 - 無線通信システム、制御方法および制御装置 - Google Patents

無線通信システム、制御方法および制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数の無線基地局の間で同期信号を共通に利用する無線通信システム、その無線通信システムにおける制御方法、およびその無線通信システムを構成する制御装置に関する。
従来から、無線通信の分野では、より無線信号の利用効率を向上させつつ、通信速度を高める取組みがなされている。たとえば、セル方式の無線通信システムにおける、このような取組みの一つとして、隣接するセル間での送受信タイミングの同期化が知られている。より具体的には、あるセルにおける無線基地局とそのセルに含まれる端末装置との間の送受信タイミングを、隣接するセルにおける無線基地局とその隣接するセルに含まれる端末装置との間の送受信タイミングと一致させることで、隣接するセルの無線基地局と端末装置との間の干渉、および、端末装置間の干渉を抑制することができる。
このようなセル間での送受信タイミングの同期化を実現する一形態として、時刻情報を含む衛星からの信号を利用する構成が考えられる。現時点において、このような時刻情報を含む衛星からの信号の典型例としては、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号が知られている。すなわち、GPS衛星からのGPS信号を受信するためのGPS受信機を各無線基地局に設けて、各無線基地局が共通のGPS信号に基づいて、送受信タイミングを同期化するものである。
しかしながら、精度の高い同期信号を生成するGPSモジュールは、比較的高価であるため、コストをより低減するために、複数の無線基地局が1つのGPS受信機を共用する形態が考えられている。たとえば、特開2000−232688号公報(特許文献1)には、各基地ユニットが、GPS受信機に結合されたパケット・データ通信システムが開示されている。このパケット・データ通信システムにおいては、GPS受信機がGPS衛星からGPS信号を受信し、このGPS信号が共通の時間的基準として機能する。
特開2000−232688号公報
ところで、GPS受信機がGPS衛星からのGPS信号を常に受信できるとは限らない。すなわち、GPS衛星の運用休止、地球に自転によるGPS衛星からのGPS信号が届かない地域の発生、および、GPS受信機の故障などの理由から、GPS信号を共通の時間的基準として使用することができない場合がある。
特開2000−232688号公報(特許文献1)に開示される、模式的なパケット・データ通信システムであれば、GPS信号を共通の時間的基準として使用できなくとも、何らかの基準信号を採用すればよいとも考えられる。しかしながら、実際の無線通信システムでは、すべての無線基地局が単一のGPS受信機を利用するのではなく、複数のGPS受信機が用意されている。そのため、あるGPS受信機に接続される無線基地局と、当該GPS受信機とは異なるGPS受信機に接続された無線基地局とが隣接する部分が生じ得る。
そのため、何らかの理由で一方のGPS受信機がGPS信号を受信できない場合には、これらの無線基地局の周辺では、送受信タイミングのずれによって、干渉量が増大し得る。その結果、これらの無線基地局が提供するセル内では、通話や通信ができなくなるおそれがある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の無線基地局の間で、時刻情報を含む衛星からの信号に基づいて生成される同期信号を共通に利用する無線通信システムであって、当該時刻情報を含む衛星からの信号が受信できない場合であっても、通話や通信のサービスの劣化を最小限に抑えることのできる無線通信システムを提供することである。また、さらなる目的は、上述のような無線通信システムにおける制御方法、およびその無線通信システムを構成する制御装置を提供することである。
この発明のある局面に従えば、端末装置による通話/通信を提供する無線通信システムを提供する。本無線通信システムは、各々が時刻情報を含む衛星からの信号に基づいて同期信号を生成する複数の同期信号生成手段と、各々が複数の同期信号生成手段の1つと接続され、端末装置との間の送受信タイミングを同期信号に従って調整する複数の無線基地局と、複数の無線基地局の配置位置に係る情報を管理する管理手段と、複数の無線基地局の送信電力を制御する少なくとも1つの制御手段とを含む。制御手段は、複数の同期信号生成手段のいずれかにおいて生成される同期信号の精度が所定レベルを下回っているか否かを判断する手段と、同期信号の精度が所定レベルを下回っている場合に、管理手段を参照することで、当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成手段に接続されている対象の無線基地局に隣接して配置されている他の無線基地局のうち、当該同期信号生成手段とは異なる同期信号生成手段に接続されている無線基地局が存在するか否かを判断する手段と、当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成手段とは異なる同期信号生成手段に接続されている無線基地局が隣接して配置されている場合に、当該対象の無線基地局に対して送信電力の低減を指示する手段とを含む。
好ましくは、制御手段は、複数の同期信号生成手段のいずれかにおいて生成される同期信号の精度が、所定レベルを下回った後、所定レベルに回復したか否かを判断する手段と、同期信号の精度が所定レベルに回復した場合に、当該同期信号の精度が所定レベルに回復した同期信号生成手段に接続されている無線基地局のうち、送信電力の低減を指示していた無線基地局に対して、送信電力の回復を指示する手段とをさらに含む。
好ましくは、制御手段は、同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成手段とは異なる同期信号生成手段に接続されている無線基地局が隣接して配置されていない場合に、対象の無線基地局の送信電力を維持する手段をさらに含む。
好ましくは、管理手段は、各無線基地局と、当該無線基地局に隣接する他の無線基地局とを対応付けて規定した第1の情報と、各同期信号生成手段と、当該同期信号生成手段に接続されている無線基地局とを対応付けて規定した第2の情報とを含む。制御手段は、管理手段の第1の情報を参照して、対象の無線基地局に隣接する他の無線基地局を特定し、管理手段の第2の情報を参照して、取得した対象の無線基地局に隣接する他の無線基地局が接続されている同期信号生成手段を特定する。
好ましくは、制御手段は、対象の無線基地局における送信電力の到達可能範囲が、当該対象の無線基地局とは異なる同期信号生成手段に接続されている隣接の無線基地局における送信電力の到達可能範囲と重複しないように、当該対象の無線基地局の送信電力を低減する。
好ましくは、制御手段は、同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成手段とは異なる同期信号生成手段に接続されている無線基地局が隣接して配置されている場合に、当該隣接して配置されている無線基地局に対して既に送信電力の低減が指示されているか否かを判断する手段と、当該隣接して配置されている無線基地局に対して既に送信電力の低減が指示されている場合に、対象の無線基地局の送信電力を維持する手段とをさらに含む。
この発明の別の局面に従えば、端末装置による通話/通信を提供する無線通信システムにおける制御方法を提供する。本制御方法は、複数の同期信号生成部の各々が、時刻情報を含む衛星からの信号に基づいて同期信号を生成するステップと、複数の無線基地局の各々が、接続された複数の同期信号生成部の1つからの同期信号に従って、端末装置との間の送受信タイミングを同期信号に従って調整するステップと、制御部が、複数の同期信号生成部のいずれかにおいて生成される同期信号の精度が所定レベルを下回っているか否かを判断するステップと、同期信号の精度が所定レベルを下回っている場合に、制御部が、無線通信システムに含まれる無線基地局の配置位置に係る情報を管理する管理部を参照することで、当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成部に接続されている対象の無線基地局に隣接して配置されている他の無線基地局のうち、当該同期信号生成部とは異なる同期信号生成部に接続されている無線基地局が存在するか否かを判断するステップと、当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成部とは異なる同期信号生成部に接続されている無線基地局が隣接して配置されている場合に、制御部が、当該対象の無線基地局に対して送信電力の低減を指示するステップとを含む。
この発明のさらに別の局面に従えば、端末装置による通話/通信を提供するための無線通信システムを構成する制御装置を提供する。ここで、制御装置は、複数の無線基地局と接続されており、複数の無線基地局の各々は、時刻情報を含む衛星からの信号に基づいて同期信号を生成する少なくとも1つの同期信号生成手段のうち1つと接続されており、端末装置との間の送受信タイミングを同期信号に従って調整するように構成されている。本制御装置は、少なくとも1つの同期信号生成手段のいずれかにおいて生成される同期信号の精度が所定レベルを下回っているか否かを判断する手段と、同期信号の精度が所定レベルを下回っている場合に、複数の無線基地局の配置位置に係る情報を管理する管理手段を参照することで、当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成手段に接続されている対象の無線基地局に隣接して配置されている他の無線基地局のうち、当該同期信号生成手段とは異なる同期信号生成手段に接続されている無線基地局が存在するか否かを判断する手段と、当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成手段とは異なる同期信号生成手段に接続されている無線基地局が隣接して配置されている場合に、当該対象の無線基地局に対して送信電力の低減を指示する手段とを含む。
本発明によれば、複数の無線基地局の間で、時刻情報を含む衛星からの信号に基づいて生成される同期信号を共通に利用する無線通信システムであって、当該時刻情報を含む衛星からの信号が受信できない場合であっても、通話や通信のサービスの劣化を最小限に抑えることができる。
本発明の実施の形態1に従う無線通信システムの概略構成図である。 送受信タイミングのずれによる干渉の発生を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に従う無線通信システムのセル配置の一例を示す図である。 図3に示す無線通信システムにおいて同期信号の精度が所定レベルを下回った場合のセル配置の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に従う無線基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。 図5に示す制御部の処理構造の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に従うサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図7に示すドメインリストの内容の一例を示す図である。 図7に示すネイバーリストの内容の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に従うマスター制御部のハードウェア構成の一例を示す図である。 図10に示すCPUによって提供される処理構造の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に従う無線通信システムにおける各部の処理を示すシーケンス図である。 本発明の実施の形態1に従う制御装置における動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に従う無線通信システムの概略構成図である。 本発明の実施の形態2に従う無線通信システムのセル配置の一例を示す図である。 図15に示す無線通信システムにおいてドメインの同期信号の精度が所定レベルを下回った場合のセル範囲を説明するための図である。 本発明の実施の形態2に従う制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図17に示す送信電力管理リストの内容の一例を示す図である。 図18に示す送信電力管理リストの内容の更新例を示す図である。 図17に示すCPUによって提供される処理構造の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2に従う制御装置における動作を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
<システム構成>
図1は、本発明の実施の形態1に従う無線通信システム1の概略構成図である。本実施の形態に従う無線通信システム1は、典型的には、TDMA(Time Division Multiple Access)方式やCDMA(Code Division Multiple Access)方式などの携帯電話システム、PHS(Personal Handy-phone System)システム、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式などの高速データ通信システムなどに向けられる。すなわち、無線通信システム1は、端末装置による通話および/または通信を提供する。
図1を参照して、無線通信システム1は、複数のドメイン100A,100Bを含む(以下、「ドメイン100」とも総称する。)。ドメイン100は、共通の同期信号に従って、送受信タイミングを制御する無線基地局の集合である。より具体的には、ドメイン100の各々は、複数の無線基地局2と、制御装置3と、サーバ装置6とを含む。
なお、図1に示す無線基地局の各々については、属するドメインと当該ドメイン内での識別情報とを組合せた、“2A_1”,“2A_2”,・・・といった参照符号を付している。
図1には図示していないが、それぞれの無線基地局2は交換機に接続されており、受信した端末装置からの音声/データを交換機へ転送し、あるいは、交換機から受信した音声/データを指定された端末装置へ転送する。
制御装置3は、対応するドメイン内の無線基地局2を一括して制御する。より具体的には、制御装置3は、同期信号生成部4と、マスター制御部5とを含む。
このとき、無線基地局2の各々は、複数の制御装置3のうち1つと接続され、当該接続先の制御装置3に含まれる同期信号生成部4からの同期信号に従って、端末装置との間の無線信号の送信および受信タイミングを制御する。これにより、少なくとも、同一のドメイン100に属する無線基地局2が提供するセル内では、無線信号の送信および受信タイミングのずれによる干渉(混信)を低減できる。なお、「セル」とは、実質的には、対応する無線基地局2からの送信電力の到達可能範囲に相当する。
同期信号生成部4は、時刻情報を含む衛星からの信号に基づいて同期信号を生成する。典型的には、同期信号生成部4は、時刻情報を含む衛星からの信号としてGPS信号を利用する。より具体的には、同期信号生成部4は、GPSモジュールを含み、アンテナ4aを介して受信したGPS衛星12からのGPS信号を受信する。そして、同期信号生成部4は、受信したGPS信号の内容(時刻情報)に基づいて、タイミング信号である同期信号を生成する。各ドメイン100において、それぞれの無線基地局2は、信号ライン8を介して、制御装置3の同期信号生成部4と通信可能に接続されている。同期信号生成部4は、この信号ライン8を介して、それぞれの無線基地局2へ同期信号を提供する。信号ライン8は、それぞれの無線基地局2における同期信号の伝搬に有意な遅延時間を生じなければ、どのような形式のものを採用してもよい。たとえば、ドメイン100がビル内などの比較的狭い通信エリア(いわゆる、マイクロセルやピコセル)を提供するものであれば、メタルケーブルを採用してもよい。あるいは、ドメイン100が比較的広い通信エリアを提供するものであれば、光ケーブルなどを採用してもよい。なお、同期信号の様式や同期の手順としては、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)1588に規定された同期のための標準プロトコルを採用してもよい。
マスター制御部5は、対応するドメイン内の無線基地局2に対して、干渉を抑制するための制御を統括して実行する。より具体的には、マスター制御部5は、データライン10を介して、サーバ装置6へアクセス可能に接続されている。サーバ装置6は、複数の無線基地局2の配置位置に係る情報を管理する管理手段に相当する。より具体的には、サーバ装置6は、後述するように、ドメインリスト(各無線基地局2が属するドメイン情報)およびネイバーリスト(隣接局情報)を保持している。なお、データライン10は、どのような形式のものを採用してもよいが、典型的には、イーサネット(登録商標)などのデータ通信方式を採用することができる。
そして、マスター制御部5は、対応する同期信号生成部4において生成される同期信号の精度が所定レベルを下回ると、サーバ装置6から必要な情報を取得して、対応するドメイン内の無線基地局2に対して、後述するような干渉を抑制するための指令を与える。すなわち、マスター制御部5は、無線基地局2の送信電力を制御する制御手段に相当する。
同期信号生成部4は、同期信号に加えて、受信状態に応じた同期信号の生成精度を示す情報を出力する。同期信号の生成精度とは、典型的には、本来の同期タイミングからのずれ量、すなわちタイミング差の度合いを意味する。
なお、図1には、ドメイン毎にサーバ装置6を配置した構成を例示するが、複数のドメイン間で共通のサーバ装置6を利用するような形態を採用してもよい。あるいは、ドメイン毎にサーバ装置6を配置する場合には、ドメイン毎の制御装置3内にサーバ装置6を統合して、1つの主体として設けてもよい。
<干渉およびその抑制方法>
次に、図2〜図4を参照して、同期信号生成部4(図1)がGPS信号を正常に受信できない場合に生じる干渉およびその抑制方法について説明する。
図2は、送受信タイミングのずれによる干渉の発生を説明するための図である。図3は、本発明の実施の形態1に従う無線通信システム1のセル配置の一例を示す図である。図4は、図3に示す無線通信システム1において同期信号の精度が所定レベルを下回った場合のセル配置の一例を示す図である。
まず、図2(a)を参照して、2つのドメインの境界付近にあるセルについて考える。すなわち、ある制御装置3内の同期信号生成部4からの同期信号に従って動作する無線基地局2が提供するセル範囲(「ドメイン100A」と表す)と、別の制御装置3内の同期信号生成部4からの同期信号に従って動作する無線基地局2が提供するセル範囲(「ドメイン100B」と表す)とが隣接しているとする。
ドメイン100Aに属する同期信号生成部4とドメイン100Bに属する同期信号生成部4とが同一のGPS信号を受信している場合には、ドメイン100Aおよび100Bの間で実質的に同一の(互いのタイミングが一致した)同期信号が生成されるので、ドメイン100Aおよび100Bに属するすべての無線基地局2の間で送受信タイミングが同期化される。そのため、たとえば、ドメイン100Aのセル内に位置する端末装置30_1と、ドメイン100Bのセル内に位置する端末装置30_2とは、同じタイミング(図2(a)に示す時刻T1)で無線信号を送信または受信することになる。そのため、端末装置30_1と端末装置30_2との間の干渉(混信)を低減できる。
これに対して、たとえば、ドメイン100Aに属する同期信号生成部4がGPS信号を受信できなくなると、ドメイン100Aで利用される同期信号とドメイン100Bで利用される同期信号との間にずれが生じ得る。そのため、ドメイン100Aのセル内に位置する端末装置30_1と、ドメイン100Bのセル内に位置する端末装置30_2とが異なるタイミングで無線信号を送信または受信することになる。この結果、端末装置30_1と端末装置30_2との間で干渉(混信)が生じ得る。より具体的には、たとえば、端末装置30_1の受信期間に端末装置30_2が送信した無線信号を受信してしまい、この端末装置30_2からの無線信号が端末装置30_1にとっての妨害電波となる。
そこで、本実施の形態に従う無線通信システム1においては、このように送受信タイミングの同期がとれない場合には、制御装置3のマスター制御部5が、それぞれの無線基地局2に対して干渉の発生を抑制するようにセル範囲を調整する。
たとえば、図3に示す無線通信システム1を一例として説明する。図3に示す無線通信システム1では、ドメイン100Aに14個の無線基地局2A_1〜2A_14が属しており、ドメイン100Bに1個の無線基地局2Bが属しているとする。ここで、ドメイン100Aの同期信号生成部4がGPS信号を正常に受信できなくなったとする。
このとき、共通のドメイン100Aに属する無線基地局のみに隣接する無線基地局については、ドメイン100Bの送受信タイミングの影響を受けない。たとえば、無線基地局2A_2についてみれば、4つの無線基地局2A_1,2A_3,2A_4,2A_5と隣接しており、これらの隣接する無線基地局はいずれもドメイン100Aに属する。そのため、たとえ、ドメイン100Aで利用される同期信号がドメイン100Bで利用される同期信号に対してずれたとしても、これらの無線基地局2A_1〜2A_5の間で干渉を生じることはない。
これに対して、無線基地局2A_1についてみれば、ドメイン100Aに属する2つの無線基地局2A_2および2A_4に加えて、ドメイン100Bに属する無線基地局2Bと隣接している。そのため、ドメイン100Aで利用される同期信号がドメイン100Bで利用される同期信号に対してずれた場合には、無線基地局2A_1と無線基地局2Bとの間で干渉を生じ得る。
本実施の形態に従う無線通信システム1においては、このような状況になると、マスター制御部5が干渉の発生を抑制すべき無線基地局2を特定し、これらの特定した無線基地局2に対して、送信電力を低減もしくはカットするための命令を与えることで、対象の無線基地局2のセル範囲を縮小する。すなわち、図4に示すように、ドメイン100Aに属する無線基地局2のうち、ドメイン100Bに属する無線基地局2Bと隣接する、無線基地局2A_1,2A_4,2A_7は、自局のセル範囲を無線基地局Bのセル範囲と重複しない範囲まで狭める。
言い換えれば、マスター制御部5は、無線基地局2のうち、当該無線基地局2に接続されている同期信号生成部4とは異なる同期信号生成部4に接続されている無線基地局2に隣接配置されているものについては、その送信電力を、隣接する無線基地局2の送信電力の到達可能範囲(ハッチング部分)とは重複しなくなるまで低減する。
これにより、異なるドメイン間に位置する端末装置への干渉を低減させることができる。このような処理によって、GPS信号を正常に受信できない場合であっても、すなわち、同期信号生成部4によって生成される同期信号の精度が保証されない場合であっても、通話や通信のサービスが停止されるエリアを可能な限り小さくできる。
<無線基地局の構成>
次に、図5および図6を参照して、本実施の形態に従う無線基地局2の構成について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1に従う無線基地局2のハードウェア構成の一例を示す図である。図6は、図5に示す制御部20の処理構造の一例を示す図である。
図5を参照して、本実施の形態に従う無線基地局2は、制御部20と、符号/復号回路24と、アップコンバータ25と、送信アンテナ26と、ダウンコンバータ27と、受信アンテナ28と、同期信号インターフェイス(以下、「同期信号I/F」と称する。)29と、交換機インターフェイス(以下、「交換機I/F」と称する。)31とを含む。
無線基地局2は、同期信号生成部4(図1)から受信した同期信号に従って、端末装置との間の送信および受信タイミングを制御する。また、無線基地局2は、図示しない交換機との間で、音声/データを遣り取りしたり、セル内の端末装置についての位置情報の登録処理などを行なったりする。
制御部20は、上述したような無線基地局2における主な処理を実行する処理主体であり、CPU(Central Processing Unit)21と、RAM(Random Access Memory)22と、PROM(Programmable Read Only Memory)23とを含む。演算装置であるCPU21は、PROM23などに予め格納されたプログラムコードをRAM22に展開した上で、当該プログラムコードに従って各種の処理を実行する。RAM22は、CPU21で実行されるプログラムコードに加えて、プログラムコードの実行に必要な各種ワークデータを記憶する。PROM23には、予めCPU21で実行されるプログラムコードや各種定数が記憶されている。
制御部20は、符号/復号回路24に接続されており、符号/復号回路24に対して送受信タイミングや送信電力を指示する。
符号/復号回路24は、いわゆるOSI(Open Systems Interconnection)モデルにおける物理層の機能を担当する。より具体的には、符号/復号回路24は、制御部20から送信すべきデータ列を受信すると、所定の符号化処理および変調処理を実行し、その生成信号をアップコンバータ25へ出力する。アップコンバータ25は、符号/復号回路24から受信した信号を端末装置へ送信する無線信号に周波数変換(アップコンバート)し、接続されている送信アンテナ26へ与える。
一方、端末装置から受信した無線信号は、受信アンテナ28を介してダウンコンバータ27へ入力される。ダウンコンバータ27は、受信した無線信号を周波数変換(ダウンコンバート)し、その生成信号を符号/復号回路24へ与える。符号/復号回路24は、ダウンコンバータ27からの信号に対して復号化処理を実行し、その復号データを制御部20へ出力する。
符号/復号回路24は、制御部20から指示された送受信タイミングに従って、無線信号の送信(アップコンバータ25への信号出力)および無線信号の受信(ダウンコンバータ27からの信号取込)を調整する。さらに、符号/復号回路24は、制御部20から指示された送信電力に従って、送信アンテナ26から伝搬する無線信号の電力(アップコンバータ25へ与える信号の強度)を調整する。
同期信号I/F29は、制御部20と接続され、同期信号生成部4から送信される同期信号を受信し、その受信した内容を制御部20へ与える。交換機I/F31は、制御部20と接続され、図示しない交換機との音声/データなどの遣り取りを仲介する。
なお、無線基地局2の実装形態としては、図5に示すハードウェアに限定されることはない。むしろ、無線基地局2の規模(セル範囲や同時接続最大数など)に応じて、適切なハードウェア構成が選択される。
図6を参照して、制御部20は、その処理構造として、同期信号モジュール202と、制御モジュール206と、ネットワークモジュール208と、データリンクモジュール210とを含む。
同期信号モジュール202は、同期信号I/F29(図5)を介して受信される同期信号生成部4(図1)からの同期信号に基づいて、制御モジュール206に内部指令を与える。
制御モジュール206は、同期信号モジュール202からの内部指令に基づいて、送受信タイミングを符号/復号回路24(図5)へ与える。すなわち、同期信号モジュール202および制御モジュール206は、端末装置との間の送受信タイミングを同期信号に従って調整する。
また、制御モジュール206は、後述するマスター制御部5からの指令に従って、送信電力を調整する。すなわち、接続先の同期信号生成部4において生成される同期信号の精度が所定レベルを下回っている場合には、マスター制御部5から指令が送信され、制御モジュール206は、自局のセル範囲を縮小するように、送信電力を低減もしくはカット(送信強度の変更)する。
ネットワークモジュール208は、いわゆるOSIモデルにおけるネットワーク層の機能を担当する。すなわち、ネットワークモジュール208は、交換機と端末装置との間で遣り取りされる音声/データのルーティングなどを行なう。
データリンクモジュール210は、いわゆるOSIモデルにおけるデータリンク層の機能を担当する。すなわち、データリンクモジュール210は、無線基地局2(図1)と端末装置との間の信号の受け渡しを制御する。
<サーバ装置の構成>
次に、図7〜図9を参照して、本実施の形態に従うサーバ装置6の構成について説明する。
図7は、本発明の実施の形態1に従うサーバ装置6のハードウェア構成の一例を示す図である。図8は、図7に示すドメインリストの内容の一例を示す図である。図9は、図7に示すネイバーリストの内容の一例を示す図である。
図7を参照して、本実施の形態に従うサーバ装置6は、CPU60と、RAM62と、データ通信インターフェイス(以下、「データ通信I/F」と称す。)64と、データ格納部66とを含む。これらの各部は、内部バス68を介して、互いにデータ通信可能に構成されている。
演算装置であるCPU60は、予め格納されたプログラムコードをRAM62に展開した上で、当該プログラムコードに従って各種の処理を実行する。RAM62は、CPU60で実行されるプログラムコードに加えて、プログラムコードの実行に必要な各種ワークデータを記憶する。
データ通信I/F64は、それぞれの無線基地局2からのアクセスを仲介する。
データ格納部66は、典型的にはハードディスク装置などであり、ドメインリスト662およびネイバーリスト664を格納する。CPU60は、データ通信I/F64を介して、いずれかの無線基地局2からのデータアクセスを受けると、データ格納部66内のドメインリスト662およびネイバーリスト664を参照して、必要なデータを応答する。
ドメインリスト662は、各同期信号生成部4と、当該同期信号生成部4に接続されている無線基地局2とを対応付けて規定した情報である。すなわち、ドメインリスト662は、各ドメインに属する無線基地局2を特定するための情報を含んでいる。図8に示すように、典型的には、ドメインリスト662は、「ドメイン」と、当該ドメインに対応付けられた「基地局ID」とからなるテーブルである。この「ドメイン」の欄には、「ドメイン100A」や「ドメイン100B」といった、各ドメインを特定するための識別情報が記述される。また、「基地局ID」の欄には、「BS−A1」や「BS−A2」といった対応するドメインに属する無線基地局を特定するための識別情報が記述される。
ネイバーリスト664は、各無線基地局2と、当該無線基地局2に隣接する他の無線基地局2とを対応付けて規定した情報である。すなわち、ネイバーリスト664は、各無線基地局2について、当該無線基地局2に隣接する他の無線基地局2を特定するための情報を含んでいる。図9に示すように、典型的には、ネイバーリスト664は、対象の無線基地局2を示す識別情報である「基地局ID」と、当該無線基地局2に隣接して配置された無線基地局2を示す識別情報である「隣接基地局ID」とからなるテーブルである。この「基地局ID」の欄には、「BS−A4」といった無線基地局2を示す識別情報が記述される。また、「隣接基地局ID」の欄には、「BS−A1」や「BS−A2」といった対応する無線基地局2に隣接して配置された無線基地局を特定するための識別情報が記述される。なお、図8に示すネイバーリスト664の内容は、上述の図3および図4に対応付けている。
なお、ドメインリスト662およびネイバーリスト664は、無線通信システム1において無線基地局2に対する追加/変更/削除などが生じると、その都度更新されるものとする。
<同期信号生成部>
本実施の形態に従う同期信号生成部4は、GPS衛星12から受信したGPS信号に基づいて同期信号を生成するとともに、GPS信号の受信が途切れた場合であっても、所定期間の間は、GPS信号に基づく同期信号と同程度の精度をもつ同期信号の生成が可能であるとする。このような機能は、ホールドオーバ機能と称される。たとえば、同期信号生成部4は、24時間程度の間であれば、GPS信号を受信できなくとも、同期信号を継続して生成できる。
なお、このようなホールドオーバ機能を有するGPSモジュールは、比較的高価であるが、本実施の形態に従う無線通信システム1のように、複数の無線基地局2で1つの同期信号生成部4を共有(シェア)する形態であれば、システム全体のコストを抑制しつつ、このようなホールドオーバ機能を有する精度および信頼性の高いGPSモジュールを採用することができる。
しかしながら、このホールドオーバ機能を有していたとしても、所定期間を超えてGPS信号を受信できなければ、同期信号生成部4は、他のドメインの同期信号生成部4と同じタイミングを有する同期信号を生成することができなくなる。
本実施の形態に従う同期信号生成部4は、自身が生成したタイミングを示す情報に加えて、同期信号生成部4における受信状態に応じた、当該同期信号の生成精度を示す情報(GPS正常受信中、ホールドオーバ内、ホールドオーバ外)を同期信号に含めて出力する。この同期信号を受信したマスター制御部5は、同期信号生成部4において生成される同期信号の精度を知ることができる。
なお、GPS信号を正常に受信できている場合であっても、何らかの原因で同期信号の生成精度が低下するおそれもある。そのため、同期信号生成部4において生成される同期信号におけるジッタ量のばらつき(分散)などに基づいて、マスター制御部5が同期信号の生成精度を評価してもよい。この場合には、同期信号の生成精度を示す情報として、同期信号の精度が所定レベルを下回っていることを示す情報、および/または、同期信号の精度の値を付加してもよい。
<マスター制御部>
次に、図10および図11を参照して、本実施の形態に従うマスター制御部5の構成について説明する。
図10は、本発明の実施の形態1に従うマスター制御部5のハードウェア構成の一例を示す図である。図11は、図10に示すCPU50によって提供される処理構造の一例を示す図である。
図10を参照して、本実施の形態に従うマスター制御部5は、CPU50と、RAM52と、PROM(Programmable Read Only Memory)54、同期信号インターフェイス(以下、「同期信号I/F」と称す。)56と、データ通信インターフェイス(以下、「データ通信I/F」と称す。)57とを含む。これらの各部は、内部バス58を介して、互いにデータ通信可能に構成されている。
演算装置であるCPU50は、PROM54などに予め格納されたプログラムコードをRAM52に展開した上で、当該プログラムコードに従って各種の処理を実行する。RAM52は、CPU50で実行されるプログラムコードに加えて、プログラムコードの実行に必要な各種ワークデータを記憶する。
同期信号I/F56は、同期信号生成部4(図1)から送信される同期信号を受信し、その受信した内容をCPU50へ与える。また、同期信号I/F56は、信号ライン8を介して、対応するドメインに属するそれぞれの無線基地局2と接続されており(図1)、後述する処理によってCPU50が生成した命令を対象の無線基地局2へ送出する。
データ通信I/F57は、データライン10と接続されており、サーバ装置6(図1)へのアクセスを仲介する。
図11を参照して、CPU50は、制御構造として、同期信号モジュール502と、精度評価モジュール504と、隣接基地局特定モジュール506と、指令生成モジュール508と、データ通信モジュール510とを提供する。
同期信号モジュール502は、同期信号I/F56(図10)を介して受信される同期信号生成部4(図1)からの同期信号を精度評価モジュール504へ与える。
精度評価モジュール504は、接続先の同期信号生成部4において生成される同期信号の精度が所定レベルを維持しているか否かを判断する。すなわち、精度評価モジュール504は、対応する同期信号生成部4において生成される同期信号の精度が所定レベルを下回っているか否かを判断するための機能を提供する。精度評価モジュール504は、同期信号の精度が所定レベルを下回っていると判断すると、その評価結果を隣接基地局特定モジュール506へ与える。
また、精度評価モジュール504は、対応する同期信号生成部4において生成される同期信号の精度が、所定レベルを下回った後、所定レベルに回復したか否かも判断する。すなわち、精度評価モジュール504は、対応する同期信号生成部4がホールドオーバ外の状態において、GPS信号の受信が再開されたか否かを判断する。精度評価モジュール504は、同期信号の精度が所定レベルに回復したと判断すると、その評価結果についても隣接基地局特定モジュール506へ与える。
隣接基地局特定モジュール506は、データ通信モジュール510に対して内部指令を与えてサーバ装置6(図1)を参照することで、対応するドメインに属する無線基地局2のうち、他のドメインに属する無線基地局2と隣接しているものを特定する。すなわち、隣接基地局特定モジュール506は、対応する同期信号生成部4において生成される同期信号の精度が所定レベルを下回っている場合に、管理手段であるサーバ装置6を参照することで、対応する同期信号生成部4に接続されている対象の無線基地局2に隣接して配置されている他の無線基地局2のうち、当該同期信号生成部4とは異なる同期信号生成部4に接続されている無線基地局2が接続されているか否かを判断する。
さらに、隣接基地局特定モジュール506は、対応するドメインに属する無線基地局2のうち、他のドメインに属する無線基地局2と隣接しているものが存在する場合には、当該無線基地局2を特定する情報を指令生成モジュール508へ与える。
指令生成モジュール508は、隣接基地局特定モジュール506の情報に基づいて、対象の無線基地局2のセル範囲を狭くするための、送信電力の低減もしくはカット(送信強度の変更)を指示する指令を生成する。そして、指令生成モジュール508は、同期信号モジュール502に内部指令を与えて、生成した指令を対象の無線基地局2へ送信する。
このように、隣接基地局特定モジュール506は、同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成部4とは異なる同期信号生成部4に接続されている無線基地局2が隣接して配置されている場合に、当該対象の無線基地局2に対して送信電力の低減を指示する。
さらに、指令生成モジュール508は、精度評価モジュール504から、同期信号の精度が所定レベルに回復したことを通知されると、送信電力を低減もしくはカットしている無線基地局2に対して、送信電力の回復を指示する指令を生成する。そして、指令生成モジュール508は、同期信号モジュール502に内部指令を与えて、生成した指令を対象の無線基地局2へ送信する。すなわち、指令生成モジュール508は、同期信号の精度が所定レベルに回復した場合に、当該同期信号の精度が所定レベルに回復した同期信号生成部4に接続されている無線基地局2のうち、送信電力の低減を指示していた無線基地局2に対して、送信電力の回復を指示する。
なお、信号ライン8に流れる情報がブロードキャストメッセージであれば、すなわち、特定の無線基地局2だけにデータを送信する通信方式ではない場合には、同期信号モジュール502は、指令生成モジュール508からの指令に送信すべき無線基地局の識別情報などを付加して送信する。そして、それぞれの無線基地局2は、自局の識別番号が付加された指令のみを選択的に受信するようにしてもよい。
<処理手順>
次に、図12および図13を参照して、本実施の形態に従う処理手順について説明する。
図12は、本発明の実施の形態1に従う無線通信システム1における各部の処理を示すシーケンス図である。図13は、本発明の実施の形態1に従う制御装置3における動作を示すフローチャートである。
(1.全体シーケンス)
図12を参照して、何らかの原因によって、同期信号生成部4の同期信号の生成精度が低下したとする(シーケンスSQ2)。そして、マスター制御部5は、この同期信号の生成精度の低下を検出する(シーケンスSQ4)。すると、マスター制御部5は、対応するドメインに属する無線基地局のうち、他のドメインに属する無線基地局と隣接しているものを特定するために、サーバ装置6に必要な情報を問い合わせる(シーケンスSQ6)。
サーバ装置6から必要な情報の応答があると(シーケンスSQ8)、マスター制御部5は、送信電力を低減もしくはカットしてセル範囲を狭くすべき対象の無線基地局を特定する(シーケンスSQ10)。続いて、マスター制御部5は、対象の無線基地局に対して、送信電力を調整するための指令を対象の無線基地局へ送信する(シーケンスSQ12)。なお、図12に示す例においては、対応のドメインに属する無線基地局1,2,・・・,Nのうち、無線基地局2および無線基地局Nが送信電力抑制の対象であったとする。すなわち、無線基地局1,2,・・・,Nのうち、無線基地局2および無線基地局Nの送信電力が、通常の送信電力の大きさに比較してより小さな値となっている。
その後、同期信号生成部4の同期信号の生成精度が回復したとする(シーケンスSQ22)。マスター制御部5は、この同期信号の生成精度の回復を検出する(シーケンスSQ24)と、先に送信電力の低減もしくはカット(送信強度の変更)の指令を与えている無線基地局に対して、送信電力の回復を指示する指令を送信する(シーケンスSQ26)。これにより、無線通信システム1は、通常の通信エリアを提供できる。
(2.動作フロー)
次に、制御装置3における動作フローについて説明する。
図13を参照して、制御装置3のマスター制御部5のCPU50(図10)は、制御装置3の同期信号生成部4(図1)が同期信号を生成したか否かを判断する(ステップS100)。同期信号が生成されていなければ(ステップS100においてNO)、ステップS100の処理が繰返される。
一方、同期信号が生成されていれば(ステップS100においてYES)、マスター制御部5のCPU50は、生成された同期信号に含まれる同期信号の生成精度を示す情報を取得する(ステップS102)。そして、マスター制御部5のCPU50は、同期信号生成部4がGPS正常受信中であるかを判断する(ステップS104)。すなわち、マスター制御部5のCPU50は、対応する同期信号生成部4において生成される同期信号の精度が所定レベルを下回っているか否かを判断する。
同期信号生成部4がGPS正常受信中であれば(ステップS104においてYES)、マスター制御部5のCPU50は、前回の演算周期において、同期信号生成部4がホールドオーバ外であったか否かを判断する(ステップS106)。すなわち、マスター制御部5のCPU50は、対応する同期信号生成部4において生成される同期信号の精度が、所定レベルを下回った後、所定レベルに回復したか否かを判断する。言い換えれば、マスター制御部5のCPU50は、同期信号生成部4がホールドオーバ外の状態において、GPS信号の受信が再開されたか否かを判断する。
前回の演算周期において、同期信号生成部4がホールドオーバ外であった場合(ステップS106においてYES)には、処理はステップS130へ進む。一方、前回の演算周期において、同期信号生成部4がホールドオーバ外でなかった場合(ステップS106においてNO)には、以後の処理はスキップされ、ステップS100以下の処理が繰返される。
これに対して、同期信号生成部4がGPS正常受信中でなければ(ステップS104においてNO)、マスター制御部5のCPU50は、同期信号生成部4がホールドオーバ内であるかを判断する(ステップS108)。同期信号生成部4がホールドオーバ内であれば(ステップS108においてYES)、以後の処理はスキップされ、ステップS100以下の処理が繰返される。
また、同期信号生成部4がホールドオーバ内でなければ(ステップS108においてNO)、すなわち、同期信号生成部4がホールドオーバ外であれば、マスター制御部5のCPU50は、以下に示す送信電力の調整処理を実行する。
まず、マスター制御部5のCPU50は、サーバ装置6に対して、自ドメインに属する無線基地局を問い合わせる(ステップS110)。より具体的には、マスター制御部5のCPU50が自ドメインの識別情報をサーバ装置6へ送信すると、サーバ装置6のCPU60は、データ格納部66に格納されているドメインリスト662を参照し、問い合わせを受けた識別情報に対応するドメインに属する隣接基地局の識別情報を応答する。すなわち、マスター制御部5は、サーバ装置6のドメインリスト662を参照して、自ドメインに属する無線基地局を特定する。
続いて、マスター制御部5のCPU50は、ステップS110において特定した無線基地局のうち、1番目の無線基地局を対象に設定する(ステップS112)。そして、マスター制御部5のCPU50は、サーバ装置6に対して、対象の無線基地局に隣接して配置された他の無線基地局を問い合わせる(ステップS114)。より具体的には、マスター制御部5のCPU50が対象の無線基地局の識別情報をサーバ装置6へ送信すると、サーバ装置6のCPU60は、データ格納部66に格納されているネイバーリスト664を参照し、問い合わせを受けた識別情報に対応する隣接基地局の識別情報を応答する。すなわち、マスター制御部5は、サーバ装置6のネイバーリスト664を参照して、対象の無線基地局に隣接する他の無線基地局を特定する。
続いて、マスター制御部5のCPU50は、ステップS114において取得した対象の無線基地局に隣接する無線基地局として、他のドメインに属する無線基地局が含まれているか否かを判断する(ステップS116)。
より具体的には、マスター制御部5のCPU50は、サーバ装置6から応答のあった対象の無線基地局に隣接する無線基地局のすべてが、ステップS110において取得した自ドメインに属する無線基地局の一覧に含まれているか否かを判断する。対象の無線基地局に隣接する無線基地局の一部でも、自ドメインに属する無線基地局の一覧に含まれていなければ、対象の無線基地局が他のドメインに属する無線基地局と隣接していると判断される。すなわち、マスター制御部5は、サーバ装置6のドメインリスト662を参照して、取得した対象の無線基地局に隣接する他の無線基地局が接続されている同期信号生成手段を特定する。
対象の無線基地局に隣接する無線基地局として、他のドメインに属する無線基地局が含まれている場合(ステップS116においてYES)には、マスター制御部5のCPU50は、送信電力を調整するための指令を生成し、生成した指令を対象の無線基地局へ送信する(ステップS118)。そして、処理はステップS120へ進む。
対象の無線基地局に隣接する無線基地局として、他のドメインに属する無線基地局が含まれていない場合(ステップS116においてNO)には、ステップS118はスキップされて、処理はステップS120へ進む。すなわち、マスター制御部5は、同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成部4とは異なる同期信号生成部4に接続されている無線基地局2が隣接して配置されていない場合に、対象の無線基地局2の送信電力を維持する。
その後、マスター制御部5のCPU50は、ステップS110において特定したすべての無線基地局を対象に設定したか否かを判断する(ステップS120)。ステップS110において特定した無線基地局のうち、対象に設定していない無線基地局が存在する場合(ステップS120においてNO)には、マスター制御部5のCPU50は、未設定の無線基地局のうちから、別の無線基地局を対象に設定する(ステップS122)。そして、ステップS114以下の処理が繰返される。
以上のステップS108〜S122に示すように、マスター制御部5は、同期信号の精度が所定レベルを下回っている場合に、サーバ装置6を参照することで、当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成部4に接続されている対象の無線基地局2に隣接して配置されている他の無線基地局2のうち、当該同期信号生成部4とは異なる同期信号生成部4に接続されている無線基地局2が存在するか否かを判断する。そして、マスター制御部5は、同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成部4とは異なる同期信号生成部4に接続されている無線基地局2が隣接して配置されている場合に、当該対象の無線基地局2に対して送信電力の低減を指示する。
なお、マスター制御部5のCPU50は、他のドメインに属する無線基地局の送信電力の到達可能範囲とは重複しないように、対象の無線基地局の送信電力を低減させる。そのため、対象の無線基地局とは異なるドメインに属する隣接する無線基地局との距離および当該隣接する無線基地局の送信電力を基準にして、低減後の送信電力を動的に決定してもよい。あるいは、予め隣接する無線基地局との間で干渉を生じない距離(送信電力)を定めておき、送信電力をこの定めておいた値(たとえば、通常の送信電力の1/2)まで低減するようにしてもよい。またあるいは、当該隣接する無線基地局との間で全く干渉が生じないように、送信電力をゼロ(出力停止)にしてもよい。
これに対して、ステップS110において特定した無線基地局のすべてを対象の無線基地局に設定済である場合(ステップS120においてYES)には、送信電力の調整処理は終了し、ステップS100以下の処理が繰返される。
また、ステップS130において、マスター制御部5のCPU50は、既に送信電力を調整中である無線基地局が存在するか否かを判断する(ステップS130)。そして、既に送信電力を調整中である無線基地局が存在する場合(ステップS130においてYES)には、マスター制御部5のCPU50は、既に送信電力を調整中である無線基地局に対して、送信電力の回復を指示する指令を送信する(ステップS132)。すなわち、マスター制御部5のCPU50は、同期信号の生成精度の回復に伴って、無線通信システム1に通常の通信エリアを提供させる。
すなわち、マスター制御部5は、同期信号の精度が所定レベルに回復した場合に、当該同期信号の精度が所定レベルに回復した同期信号生成部4に接続されている無線基地局2のうち、送信電力の低減を指示していた無線基地局2に対して、送信電力の回復を指示する。
既に送信電力を調整中である無線基地局が存在しない場合(ステップS130においてNO)、または、ステップS132の実行後、送信電力の回復処理は終了し、ステップS100以下の処理が繰返される。
<作用効果>
本実施の形態に従う無線通信システムでは、複数の無線基地局が同期信号を生成する同期信号生成部を共有するため、システム全体のコストを抑制しつつ、より精度および信頼性の高いGPSモジュールを採用することができる。
さらに、本実施の形態に従う無線通信システムでは、何らかの理由で同期信号生成部が時刻情報を含む衛星からの信号(GPS信号)を受信できなくなり、その生成する同期信号の精度が維持できなくなった場合であっても、送信電力を調整して、他の同期信号生成部に接続されている無線基地局に対する干渉を抑制することができる。その結果、同期信号の精度が保証されない場合であっても、通話や通信のサービスを可能な限り継続させることができる。
[実施の形態2]
上述の実施の形態1においては、ドメイン単位に配置されたマスター制御部5(制御装置3)が、対応するドメインに属する無線基地局2の送信電力を調整する構成について例示した。これに対して、実施の形態2においては、単一のマスター制御部が複数のドメインを管理する構成について例示する。
図14は、本発明の実施の形態2に従う無線通信システム1Aの概略構成図である。本実施の形態に従う無線通信システム1Aについても、上述の無線通信システム1と同様に、典型的には、TDMA方式やCDMA方式などの携帯電話システム、PHSシステム、OFDMA方式などの高速データ通信システムなどに向けられる。
図14を参照して、無線通信システム1Aは、複数のドメイン100A,100Bと、制御装置3Aとを含む。ドメイン100Aおよび100Bの各々は、複数の無線基地局2と、同期信号生成部4とを含む。無線基地局2および同期信号生成部4については、上述の実施の形態1において説明した無線基地局2および同期信号生成部4とそれぞれ同様であるので、詳細な説明は繰返さない。なお、図14に示す無線基地局の各々については、属するドメインと当該ドメイン内での識別情報とを組合せた、“2A_1”,“2A_2”,・・・といった参照符号を付している。
制御装置3Aは、マスター制御部5Aと、サーバ部6Aとを含む。マスター制御部5Aは、ドメイン100Aおよび100Bを統括的に制御する。より具体的には、マスター制御部5Aは、ドメイン100Aおよび100Bに配置されたそれぞれの同期信号生成部4と接続され、それぞれの同期信号生成部4からの同期信号の生成精度を評価するとともに、いずれかの同期信号の生成精度が低下した場合には、特定の無線基地局2の送信電力を調整して、ドメイン100Aに属する無線基地局2とドメイン100Bに属する無線基地局2との間の干渉(混信)を低減する。
サーバ部6Aは、基本的には、上述の実施の形態1に従う無線通信システム1を構成するサーバ装置6と同様である。但し、本実施の形態に従うサーバ部6Aは、後述するように、送信電力管理リストをさらに保持する。
本実施の形態に従う無線通信システム1Aのその他の構成および機能については、上述の実施の形態1に従う無線通信システム1と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
<干渉抑制の処理概要>
次に、図15および図16を参照して、本実施の形態に従う無線通信システム1Aにおける干渉の抑制処理について説明する。
図15は、本発明の実施の形態2に従う無線通信システム1Aのセル配置の一例を示す図である。図16は、図15に示す無線通信システム1Aにおいてドメイン100Aの同期信号の精度が所定レベルを下回った場合のセル範囲を説明するための図である。
図15を参照して、本実施の形態に従う無線通信システム1Aにおいては、複数の無線基地局が蜂の巣状に配置されているものとする。これらの無線基地局のうち、ドメイン100Aに属する4つの無線基地局2A_1,2A_4,2A_7,2A_10は、ドメイン100Bに属する無線基地局と隣接している。逆に言えば、ドメイン100Bに属する4つの無線基地局2B_3,2B_6,2B_9,2B_12は、ドメイン100Aに属する無線基地局と隣接している。
ここで、一例として、ドメイン100Aの同期信号生成部4に比較して、ドメイン100Bの同期信号生成部4には、より信頼性の高いGPSモジュールを搭載しているとする。すなわち、ドメイン100Bの同期信号生成部4は、ドメイン100Aの同期信号生成部4に比較して、ホールドオーバ機能をより長い期間維持できるものとする。このような構成を採用した場合には、ドメイン100Aおよび100Bの同期信号生成部4のいずれもがGPS信号を受信できなくなったとしても、それぞれによって生成される同期信号の精度が低下する時期は異なったものとなる。以下、このような状況での動作について説明する。
まず、ドメイン100Aの同期信号生成部4において生成される同期信号の生成精度が、所定レベルを下回ったとする。このとき、ドメイン100Bの同期信号生成部4において生成される同期信号の精度は、所定レベルを維持しているものとする。すると、図16に示すように、ドメイン100Aに属する無線基地局のうち、ドメイン100Bに属する無線基地局と隣接配置されている、4つの無線基地局2A_1,2A_4,2A_7,2A_10に対して、送信電力の低減もしくはカット(送信強度の変更)が指示される。すなわち、ドメイン100Aに属する4つの無線基地局2A_1,2A_4,2A_7,2A_10のセル範囲は、ドメイン100Bに属する他の無線基地局のセル範囲と重複しないように変更される。
その後、ドメイン100Bの同期信号生成部4において生成される同期信号の生成精度が所定レベルを下回ったとする。この場合において、ドメイン100Aとドメイン100Bとの境界付近に位置する無線基地局のうち、ドメイン100Aに属する4つの無線基地局2A_1,2A_4,2A_7,2A_10については、既にその送信電力が低減もしくはカットされている。そのため、これらの無線基地局と隣接配置されている、ドメイン100Bに属する4つの無線基地局2B_3,2B_6,2B_9,2B_12については、ドメイン100Aに属する無線基地局との間で干渉を生じることはない。すなわち、ドメイン100Bに属する4つの無線基地局2B_3,2B_6,2B_9,2B_12については、その送信電力を低減もしくはカットする必要はない。
そこで、本実施の形態に従う無線通信システム1Aにおいては、対応の同期信号生成部4における同期信号の生成精度が所定レベルを下回った場合であっても、隣接する他のドメインに属する他の無線基地局2が既に送信電力を低減させていれば、対象の無線基地局2の送信電力を維持する。このような処理を採用することで、サービス提供範囲を可能な限り維持することができる。
<制御装置の構成>
次に、図17〜図20を参照して、本実施の形態に従う制御装置3Aの構成について説明する。
図17は、本発明の実施の形態2に従う制御装置3Aのハードウェア構成の一例を示す図である。図18は、図17に示す送信電力管理リスト666の内容の一例を示す図である。図19は、図18に示す送信電力管理リスト666の内容の更新例を示す図である。図20は、図17に示すCPU32によって提供される処理構造の一例を示す図である。
図17を参照して、本実施の形態に従う制御装置3Aは、CPU32と、RAM34と、PROM(Programmable Read Only Memory)36と、データ通信インターフェイス(以下、「データ通信I/F」と称す。)38と、同期信号インターフェイス(以下、「同期信号I/F」と称する。)40と、データ格納部42とを含む。これらの各部は、内部バス44を介して、互いにデータ通信可能に構成されている。
演算装置であるCPU32は、PROM36などに予め格納されたプログラムコードをRAM34に展開した上で、当該プログラムコードに従って各種の処理を実行する。すなわち、CPU32は、マスター制御部5A(図14)として機能する。RAM34は、CPU32で実行されるプログラムコードに加えて、プログラムコードの実行に必要な各種ワークデータを記憶する。PROM36には、予めCPU32で実行されるプログラムコードや各種定数が記憶されている。
データ通信I/F38は、データライン10を介して、ドメイン100Aおよび100Bに属するそれぞれの無線基地局2と接続されており(図14)、後述する処理によってCPU32が生成した命令を対象の無線基地局2へ送出する。同期信号I/F40は、同期信号生成部4(図14)から送信される同期信号を受信し、その受信した内容をCPU32へ与える。
データ格納部42は、サーバ部6A(図14)として機能し、ドメインリスト662、ネイバーリスト664および送信電力管理リスト666を格納する。典型的には、データ格納部42は、ハードディスク装置で構成される。CPU32は、内部バス44を介して、データ格納部42の必要なデータにアクセスする。
ドメインリスト662およびネイバーリスト664については、上述の実施の形態1と同様(図8および図9参照)であるので、詳細な説明は繰返さない。
送信電力管理リスト666は、各ドメインに属する各無線基地局2における現在の送信電力の状態を示す情報を含んでいる。より具体的には、図18に示すように、送信電力管理リスト666は、「ドメイン」と、当該ドメインに対応付けられた「基地局ID」と、当該「基地局ID」に対応付けられた「送信電力」とからなるテーブルである。この「ドメイン」の欄には、「ドメインA」や「ドメインB」といった、各ドメインを特定するための識別情報が記述される。また、「基地局ID」の欄には、「BS−A1」や「BS−A2」といった対応するドメインに属する無線基地局2を特定するための識別情報が記述される。また、「送信電力」の欄には、典型的には、送信電力の基準値に対する現在の送信電力の大きさを示す比率が記述される。すなわち、対応する無線基地局2が基準値に相当する送信電力で送受信を行なっている場合には、「送信電力」の欄には「1」が記述される。これに対して、対応する無線基地局2が基準値の1/4倍(すなわち、セル半径が標準のセル半径の1/2)に相当する送信電力で送受信を行なっている場合には、「1/4」が記述される。なお、図19には、図16に示す状態に対応する、送信電力管理リスト666の一例が示されている。
このように、送信電力管理リスト666は、後述する干渉の抑制制御に従って、その内容が随時更新される。
図20を参照して、CPU32は、マスター制御部5A(図14)に相当する制御構造として、同期信号モジュール322と、精度評価モジュール324と、隣接基地局特定モジュール326と、指令生成モジュール328と、データ通信モジュール330と、送信電力管理モジュール332とを提供する。
図20に示す、同期信号モジュール322、精度評価モジュール324、隣接基地局特定モジュール326、指令生成モジュール328、およびデータ通信モジュール330については、上述の同期信号モジュール502、精度評価モジュール504、隣接基地局特定モジュール506、指令生成モジュール508、およびデータ通信モジュール510(いずれも図11)とそれぞれ同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
但し、指令生成モジュール328は、同期信号の精度が所定レベルを下回った場合において、対象の無線基地局2に隣接する無線基地局2の属するドメイン、および、対象の無線基地局2に隣接する無線基地局2の現在の送信電力に基づいて、当該対象の無線基地局2に対して、干渉を抑制するための制御を行なうか否かを判断する。すなわち、指令生成モジュール328は、対象の無線基地局2に隣接する無線基地局2が異なるドメインに属しており、かつ、当該隣接する無線基地局2が送信電力を低減していない場合に限って、対象の無線基地局2に対して、そのセル範囲を狭くするための、送信電力の低減もしくはカット(送信強度の変更)を指示する指令を生成する。
言い換えれば、指令生成モジュール328は、同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成部4とは異なる同期信号生成部4に接続されている無線基地局2が隣接して配置されている場合に、当該隣接して配置されている無線基地局2に対して既に送信電力の低減が指示されているか否かを判断する。さらに、指令生成モジュール328は、当該隣接して配置されている無線基地局2に対して既に送信電力の低減が指示されている場合に、対象の無線基地局2の送信電力を維持する。
送信電力管理モジュール332は、指令生成モジュール328によって生成される指令に基づいて、管理対象のドメインに属するそれぞれの無線基地局2における送信電力の値を管理する。すなわち、送信電力管理モジュール332は、生成される指令に基づいて、送信電力管理リスト666(図17〜図19)の値を随時更新する。
また、送信電力管理モジュール332は、指令生成モジュール328からの要求に応答して、対象の無線基地局2における現在の送信電力の状態(値)を応答する。
<処理手順>
次に、本実施の形態に従う制御装置3Aにおける処理手順について説明する。
図21は、本発明の実施の形態2に従う制御装置3Aにおける動作を示すフローチャートである。
図21を参照して、制御装置3AのCPU32(図10)は、接続されている複数のドメインのうち1つを、対象のドメインとして選択する(ステップS200)。続いて、制御装置3AのCPU32は、対象のドメインに属する同期信号生成部4(図14)が同期信号を生成したか否かを判断する(ステップS202)。同期信号が生成されていなければ(ステップS202においてNO)、処理はステップS250へ進む。
一方、同期信号が生成されていれば(ステップS202においてYES)、制御装置3AのCPU32は、生成された同期信号に含まれる同期信号の生成精度を示す情報を取得する(ステップS204)。そして、制御装置3AのCPU32は、同期信号生成部4がGPS正常受信中であるかを判断する(ステップS206)。すなわち、制御装置3AのCPU32は、対応する同期信号生成部4において生成される同期信号の精度が所定レベルを下回っているか否かを判断する。
同期信号生成部4がGPS正常受信中であれば(ステップS206においてYES)、制御装置3AのCPU32は、前回の演算周期において、同期信号生成部4がホールドオーバ外であったか否かを判断する(ステップS208)。すなわち、制御装置3AのCPU32は、対応する同期信号生成部4において生成される同期信号の精度が、所定レベルを下回った後、所定レベルに回復したか否かを判断する。言い換えれば、制御装置3AのCPU32は、同期信号生成部4がホールドオーバ外の状態において、GPS信号の受信が再開されたか否かを判断する。
前回の演算周期において、同期信号生成部4がホールドオーバ外であった場合(ステップS208においてYES)には、処理はステップS240へ進む。一方、前回の演算周期において、同期信号生成部4がホールドオーバ外でなかった場合(ステップS208においてNO)には、以後の処理はスキップされ、処理はステップS250へ進む。
これに対して、同期信号生成部4がGPS正常受信中でなければ(ステップS206においてNO)、制御装置3AのCPU32は、同期信号生成部4がホールドオーバ内であるかを判断する(ステップS210)。同期信号生成部4がホールドオーバ内であれば(ステップS210においてYES)、以後の処理はスキップされ、処理はステップS250へ進む。
また、同期信号生成部4がホールドオーバ内でなければ(ステップS210においてNO)、すなわち、同期信号生成部4がホールドオーバ外であれば、制御装置3AのCPU32は、以下に示す送信電力の調整処理を実行する。
まず、制御装置3AのCPU32は、データ格納部42に格納されているドメインリスト662を参照して、対象のドメインに属する無線基地局を特定する(ステップS212)。
続いて、制御装置3AのCPU32は、ステップS212において特定した無線基地局のうち、1番目の無線基地局を対象に設定する(ステップS214)。そして、制御装置3AのCPU32は、データ格納部42に格納されているネイバーリスト664を参照し、対象の無線基地局に隣接して配置された他の無線基地局を特定する(ステップS216)。
続いて、制御装置3AのCPU32は、ステップS216において取得した対象の無線基地局に隣接する無線基地局として、他のドメインに属する無線基地局が含まれているか否かを判断する(ステップS218)。より具体的には、制御装置3AのCPU32は、対象の無線基地局に隣接する無線基地局のすべてが、ステップS212において取得した自ドメインに属する無線基地局の一覧に含まれているか否かを判断する。対象の無線基地局に隣接する無線基地局の一部でも、自ドメインに属する無線基地局の一覧に含まれていなければ、対象の無線基地局が他のドメインに属する無線基地局と隣接していると判断される。
対象の無線基地局に隣接する無線基地局として、他のドメインに属する無線基地局が含まれていない場合(ステップS218においてNO)には、以後の処理はスキップされ、処理はステップS250へ進む。すなわち、制御装置3AのCPU32は、他のドメインに属する無線基地局と隣接していない無線基地局については、その送信電力を維持する。
これに対して、対象の無線基地局に隣接する無線基地局として、他のドメインに属する無線基地局が含まれている場合(ステップS218においてYES)には、制御装置3AのCPU32は、当該隣接する無線基地局における現在の送信電力を取得する(ステップS220)。より具体的には、制御装置3AのCPU32は、データ格納部42に格納されている送信電力管理リスト666を参照し、対象の無線基地局に隣接する他の無線基地局における送信電力の値を取得する。そして、制御装置3AのCPU32は、対象の無線基地局に隣接する、他のドメインに属するすべての無線基地局の送信電力が低減中であるか否かを判断する(ステップS222)。
対象の無線基地局に隣接する、他のドメインに属するすべての無線基地局の送信電力が低減中である場合(ステップS222においてYES)には、以後の処理はスキップされ、処理はステップS230へ進む。すなわち、制御装置3AのCPU32は、対象の無線基地局と隣接する他のドメインに属する無線基地局がいずれも送信電力を低減していれば、干渉を生じることはないので、その送信電力を維持する。
これに対して、対象の無線基地局に隣接する、他のドメインに属するすべての無線基地局の送信電力が低減中ではない場合(ステップS222においてNO)には、制御装置3AのCPU32は、送信電力を調整するための指令を生成し、生成した指令を対象の無線基地局へ送信する(ステップS224)。続いて、制御装置3AのCPU32は、送信電力を調整するための指令に基づいて、データ格納部42に格納されている送信電力管理リスト666のうち、対応する無線基地局2の値を更新する(ステップS226)。そして、処理はステップS230へ進む。
その後、制御装置3AのCPU32は、ステップS212において特定したすべての無線基地局を対象に設定したか否かを判断する(ステップS230)。ステップS212において特定した無線基地局のうち、対象に設定していない無線基地局が存在する場合(ステップS230においてNO)には、制御装置3AのCPU32は、未設定の無線基地局のうちから、別の無線基地局を対象に設定する(ステップS232)。そして、ステップS216以下の処理が繰返される。
以上のステップS214〜S216に示すように、制御装置3AのCPU32は、同期信号の精度が所定レベルを下回っている場合に、自ドメインに属する無線基地局のうち、他のドメインに属する無線基地局と隣接している無線基地局について、当該他のドメインの属する無線基地局に対して干渉を与えないように、送信電力が調整される。
なお、制御装置3AのCPU32は、他のドメインに属する無線基地局の送信電力の到達可能範囲とは重複しないように、対象の無線基地局の送信電力を低減させる。そのため、対象の無線基地局とは異なるドメインに属する隣接する無線基地局との距離および当該隣接する無線基地局の送信電力を基準にして、低減後の送信電力を動的に決定してもよい。あるいは、予め隣接する無線基地局との間で干渉を生じない距離(送信電力)を定めておき、送信電力をこの定めておいた値(たとえば、通常の送信電力の1/2)まで低減するようにしてもよい。またあるいは、当該隣接する無線基地局との間で全く干渉が生じないように、送信電力をゼロ(出力停止)にしてもよい。
これに対して、ステップS212において特定した無線基地局のすべてを対象の無線基地局に設定済である場合(ステップS230においてYES)には、送信電力の調整処理は終了し、処理はステップS250へ進む。
また、ステップS240において、制御装置3AのCPU32は、既に送信電力を調整中である無線基地局が存在するか否かを判断する(ステップS240)。そして、既に送信電力を調整中である無線基地局が存在する場合(ステップS240においてYES)には、制御装置3AのCPU32は、既に送信電力を調整中である無線基地局に対して、送信電力の回復を指示する指令を送信する(ステップS242)。すなわち、制御装置3AのCPU32は、同期信号の生成精度の回復に伴って、無線通信システム1に通常の通信エリアを提供させる。続いて、制御装置3AのCPU32は、送信電力の回復を指示する指令に基づいて、データ格納部42に格納されている送信電力管理リスト666のうち、対応する無線基地局2の値を更新する(ステップS244)。
既に送信電力を調整中である無線基地局が存在しない場合(ステップS240においてNO)、または、ステップS244の実行後、送信電力の回復処理は終了し、処理はステップS250へ進む。
ステップS250において、接続されている複数のドメインのうち別の1つを新たな対象のドメインとして選択する(ステップS250)。その後、ステップS202以下の処理が繰返される。
<変形例>
上述の実施の形態2においては、対象の無線基地局に隣接する、他のドメインに属する無線基地局に対して既に送信電力を調整中である場合には、その他のドメインに属する無線基地局の状態(調整後の送信電力)を維持したまま、対象の無線基地局の送信電力を調整するか否かを判断する構成について例示した。この処理に加えて、隣接するそれぞれ異なるドメインに属する複数の無線基地局の間で、いずれの無線基地局についての送信電力を低減するかを全体として判断するようにしてもよい。
より具体的には、たとえば、各ドメインに属する無線基地局のセル範囲を互いに比較し、本来のセル範囲(サービス提供範囲)からの変化がより小さくなるように、送信電力の調整対象とする無線基地局を決定する。あるいは、サービルを継続して提供すべき範囲についての優先順位を予め決定しておき、より優先順位の低いサービル提供範囲に対応する無線基地局を送信電力の調整対象と決定してもよい。さらにあるいは、各ドメインにおける通話/通信中のユーザの数を比較し、よりユーザ数の少ないドメインに属する無線基地局を送信電力の調整対象と決定してもよい。
<作用効果>
本実施の形態に従う無線通信システムでは、複数の無線基地局が同期信号を生成する同期信号生成部を共有するため、システム全体のコストを抑制しつつ、より精度および信頼性の高いGPSモジュールを採用することができる。
さらに、本実施の形態に従う無線通信システムでは、何らかの理由で同期信号生成部が時刻情報を含む衛星からの信号(GPS信号)を受信できなくなり、その生成する同期信号の精度が維持できなくなった場合であっても、送信電力を調整して、他の同期信号生成部に接続されている無線基地局に対する干渉を抑制することができる。その結果、同期信号の精度が保証されない場合であっても、通話や通信のサービスを可能な限り継続させることができる。
さらに、本実施の形態に従う無線通信システムでは、隣接する無線基地局の送信電力の状態に応じて、必要な無線基地局の送信電力のみを調整するので、より広い範囲で、通話や通信のサービスを可能な限り継続させることができる。
[その他の実施の形態]
上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを任意の方法で提供することもできる。このようなプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させた記録媒体として販売/流通させることもできる。あるいは、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
このようなプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本実施の形態に従うプログラムに含まれ得る。
また、本実施の形態に従うプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本実施の形態に従うプログラムに含まれ得る。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 無線通信システム、2 無線基地局、3,3A 制御装置、4 同期信号生成部、4a アンテナ、5,5A マスター制御部、6 サーバ装置、6A サーバ部、8 信号ライン、10 データライン、12 GPS衛星、20 制御部、21,32,50,60 CPU、24 復号回路、25 アップコンバータ、26 送信アンテナ、27 ダウンコンバータ、28 受信アンテナ、29,40,56 同期信号I/F、30_1,30_2 端末装置、31 交換機I/F、38,57,64 データ通信、42,66 データ格納部、44,58,68 内部バス、202 同期信号モジュール、206 制御モジュール、208 ネットワークモジュール、210 データリンクモジュール、322 同期信号モジュール、324 精度評価モジュール、326 隣接基地局特定モジュール、328 指令生成モジュール、330 データ通信モジュール、332 送信電力管理モジュール、502 同期信号モジュール、504 精度評価モジュール、506 隣接基地局特定モジュール、508 指令生成モジュール、510 データ通信モジュール、662 ドメインリスト、664 ネイバーリスト、666 送信電力管理リスト。

Claims (8)

  1. 端末装置による通話/通信を提供する無線通信システムであって、
    各々が時刻情報を含む衛星からの信号に基づいて同期信号を生成する複数の同期信号生成手段と、
    各々が前記複数の同期信号生成手段の1つと接続され、前記端末装置との間の送受信タイミングを前記同期信号に従って調整する複数の無線基地局と、
    前記複数の無線基地局の配置位置に係る情報を管理する管理手段と、
    前記複数の無線基地局の送信電力を制御する少なくとも1つの制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記複数の同期信号生成手段のいずれかにおいて生成される同期信号の精度が所定レベルを下回っているか否かを判断する手段と、
    前記同期信号の精度が所定レベルを下回っている場合に、前記管理手段を参照することで、当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成手段に接続されている対象の無線基地局に隣接して配置されている他の無線基地局のうち、当該同期信号生成手段とは異なる同期信号生成手段に接続されている無線基地局が存在するか否かを判断する手段と、
    当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成手段とは異なる同期信号生成手段に接続されている無線基地局が隣接して配置されている場合に、当該対象の無線基地局に対して送信電力の低減を指示する手段とを含む、無線通信システム。
  2. 前記制御手段は、
    前記複数の同期信号生成手段のいずれかにおいて生成される同期信号の精度が、所定レベルを下回った後、所定レベルに回復したか否かを判断する手段と、
    前記同期信号の精度が所定レベルに回復した場合に、当該同期信号の精度が所定レベルに回復した同期信号生成手段に接続されている無線基地局のうち、送信電力の低減を指示していた無線基地局に対して、送信電力の回復を指示する手段とをさらに含む、請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記制御手段は、
    前記同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成手段とは異なる同期信号生成手段に接続されている無線基地局が隣接して配置されていない場合に、前記対象の無線基地局の送信電力を維持する手段をさらに含む、請求項1または2に記載の無線通信システム。
  4. 前記管理手段は、
    各無線基地局と、当該無線基地局に隣接する他の無線基地局とを対応付けて規定した第1の情報と、
    各同期信号生成手段と、当該同期信号生成手段に接続されている無線基地局とを対応付けて規定した第2の情報とを含み、
    前記制御手段は、
    前記管理手段の前記第1の情報を参照して、前記対象の無線基地局に隣接する他の無線基地局を特定し、
    前記管理手段の前記第2の情報を参照して、取得した前記対象の無線基地局に隣接する他の無線基地局が接続されている同期信号生成手段を特定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  5. 前記制御手段は、
    前記対象の無線基地局における送信電力の到達可能範囲が、当該対象の無線基地局とは異なる同期信号生成手段に接続されている隣接の無線基地局における送信電力の到達可能範囲と重複しないように、当該対象の無線基地局の送信電力を低減する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  6. 前記制御手段は、
    前記同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成手段とは異なる同期信号生成手段に接続されている無線基地局が隣接して配置されている場合に、当該隣接して配置されている無線基地局に対して既に送信電力の低減が指示されているか否かを判断する手段と、
    当該隣接して配置されている無線基地局に対して既に送信電力の低減が指示されている場合に、前記対象の無線基地局の送信電力を維持する手段とをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  7. 端末装置による通話/通信を提供する無線通信システムにおける制御方法であって、
    複数の同期信号生成部の各々が、時刻情報を含む衛星からの信号に基づいて同期信号を生成するステップと、
    複数の無線基地局の各々が、接続された前記複数の同期信号生成部の1つからの同期信号に従って、前記端末装置との間の送受信タイミングを前記同期信号に従って調整するステップと、
    制御部が、前記複数の同期信号生成部のいずれかにおいて生成される同期信号の精度が所定レベルを下回っているか否かを判断するステップと、
    前記同期信号の精度が所定レベルを下回っている場合に、前記制御部が、前記無線通信システムに含まれる無線基地局の配置位置に係る情報を管理する管理部を参照することで、当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成部に接続されている対象の無線基地局に隣接して配置されている他の無線基地局のうち、当該同期信号生成部とは異なる同期信号生成部に接続されている無線基地局が存在するか否かを判断するステップと、
    当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成部とは異なる同期信号生成部に接続されている無線基地局が隣接して配置されている場合に、前記制御部が、当該対象の無線基地局に対して送信電力の低減を指示するステップとを含む、制御方法。
  8. 端末装置による通話/通信を提供するための無線通信システムを構成する制御装置であって、前記制御装置は複数の無線基地局と接続されており、前記複数の無線基地局の各々は、時刻情報を含む衛星からの信号に基づいて同期信号を生成する少なくとも1つの同期信号生成手段のうち1つと接続されており、前記端末装置との間の送受信タイミングを前記同期信号に従って調整するように構成されており、
    前記少なくとも1つの同期信号生成手段のいずれかにおいて生成される同期信号の精度が所定レベルを下回っているか否かを判断する手段と、
    前記同期信号の精度が所定レベルを下回っている場合に、前記複数の無線基地局の配置位置に係る情報を管理する管理手段を参照することで、当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成手段に接続されている対象の無線基地局に隣接して配置されている他の無線基地局のうち、当該同期信号生成手段とは異なる同期信号生成手段に接続されている無線基地局が存在するか否かを判断する手段と、
    当該同期信号の精度が所定レベルを下回っている同期信号生成手段とは異なる同期信号生成手段に接続されている無線基地局が隣接して配置されている場合に、当該対象の無線基地局に対して送信電力の低減を指示する手段とを含む、制御装置。
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