JP5260803B1 - G−quadruplexを用いてフタロシアニン化合物を水に溶解する方法 - Google Patents

G−quadruplexを用いてフタロシアニン化合物を水に溶解する方法 Download PDF

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Abstract

2価金属カチオン、アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、およびグアニン四重鎖が溶解している水溶液を得るために、本発明では、前記2価金属カチオン、前記アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、および前記グアニン四重鎖を水に混合し、前記水に前記フタロシアニン化合物を溶解させる。

Description

本発明は、G−quadruplexを用いてフタロシアニン化合物を水に溶解する方法に関する。
フタロシアニン化合物は大きなπ平面構造を有するため、フタロシアニン化合物は水に難溶である。
特許文献1〜3は、フタロシアニン化合物を水に溶解させる手法を開示する。より具体的には、スルホ基、スルホ基の金属塩、カルボキシル基、またはカルボキシル基の金属塩にフタロシアニン化合物が修飾される。この官能基の修飾は、フタロシアニン化合物を水に溶解させることを可能にする。
特開昭60−92369号公報 特開平7−70129号公報 特開2005−220060号公報
しかし、この官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物が用いられても、2価の金属カチオンを含有する水溶液にフタロシアニン化合物は沈殿する。
本発明の目的は、2価の金属カチオンを含有する水溶液にフタロシアニン化合物を溶解する方法を提供することである。
本発明は、
2価金属カチオン、アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、およびグアニン四重鎖が溶解している水溶液を得る方法であって、以下の工程を具備する方法に関する:
(a) 前記2価金属カチオン、前記アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、および前記グアニン四重鎖を水に混合し、前記水に前記フタロシアニン化合物を溶解させる工程
ここで、前記グアニン四重鎖は、5’-GGGTTAGGGTTAGGGTTAGGG-3’(配列番号:01) または 5’-TGGGGT-3’(配列番号:02) からなる4本のDNAから形成されている
前記工程(a)において、前記2価金属カチオン、前記アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、および前記グアニン四重鎖は、同時に混合されることが好ましい。
本発明はまた、
2価金属カチオン、アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、およびグアニン四重鎖が溶解している水溶液を得る方法であって、以下の工程を具備する方法に関する:
(b) 前記2価金属カチオンおよび前記アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物を含有する水溶液に前記グアニン四重鎖を混合して、前記水溶液中に前記フタロシアニン化合物を溶解させる工程
ここで、前記グアニン四重鎖は、5’-GGGTTAGGGTTAGGGTTAGGG-3’(配列番号:01) または 5’-TGGGGT-3’(配列番号:02) からなる4本のDNAから形成されている
前記アニオン性官能基は、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩、スルホ基、およびスルホ基の金属塩からなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明はまた、
2価金属カチオン、アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、およびグアニン四重鎖が溶解している水溶液を得る方法であって、以下の工程を具備する方法に関する:
(c) 前記グアニン四重鎖および前記アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物を含有する水溶液に前記2価金属カチオンを混合して、前記水溶液中に前記フタロシアニン化合物を溶解させる工程;
ここで、前記グアニン四重鎖は、5’-GGGTTAGGGTTAGGGTTAGGG-3’(配列番号:01) または 5’-TGGGGT-3’(配列番号:02) からなる4本のDNAから形成されている
本発明はまた、
2価金属カチオン、アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、およびグアニン四重鎖が溶解している水溶液を得る方法であって、以下の工程を具備する方法に関する:
(d) 前記グアニン四重鎖および前記2価金属カチオンを含有する水溶液に前記アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物を混合して、前記水溶液中に前記フタロシアニン化合物を溶解させる工程;
ここで、前記グアニン四重鎖は、5’-GGGTTAGGGTTAGGGTTAGGG-3’(配列番号:01) または 5’-TGGGGT-3’(配列番号:02) からなる4本のDNAから形成されている
前記アニオン性官能基は、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩、スルホ基、およびスルホ基の金属塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記フタロシアニン化合物は、銅、亜鉛、コバルト、またはニッケルを、配位金属として含有することが好ましい。
前記フタロシアニン化合物は、配位金属を含有しないことが好ましい。
前記2価金属カチオンは、マグネシウムイオン、ニッケルイオン、コバルト(II)イオン、銅イオン、亜鉛イオン、および鉄(II)イオンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明は、2価の金属カチオンを含有する水溶液にフタロシアニン化合物を溶解する方法を提供する。
図1は、実施例1A〜1Bおよび比較例1A〜1Cの結果を示す写真である。 図2は、実施例2および比較例2の結果を示す写真である。 図3は、実施例4および比較例4による吸光度の測定結果を示す。 図4は、実施例5および比較例5による吸光度の測定結果を示す。 図5Aは、実施例6による吸光度の測定結果を示す。 図5Bは、実施例6による650ナノメートルでの吸光度の経時変化の測定結果を示す。 図6は、実施例7による650ナノメートルでの吸光度の経時変化の測定結果を示す。 図7は、実施例8による650ナノメートルでの吸光度の経時変化の測定結果を示す。
本発明の実施の形態が、以下、説明される。
本発明では、G−quadruplexを用いて、2価の金属カチオンを含有する水溶液にフタロシアニン化合物が溶解される。
用語「G−quadruplex」とは、グアニン塩基に富む四本のDNA鎖によって形成される4本鎖DNAを意味する。
G−quadruplexを形成可能なDNA配列の例は、5’−TTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGG−3’(配列番号1)、5’−TGGGGT−3’(配列番号2)または5’−GGGTTTGGG−3’(配列番号3)である。
2価の金属カチオンの例は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、コバルトイオン、鉛イオン、または2価の銅イオンである。
フタロシアニン化合物は、アニオン性の官能基によって修飾されている。アニオン性の官能基の例は、カルボキシル基またはスルホ基である。その官能基の金属塩もまた、用いられ得る。
2価の金属カチオン、フタロシアニン化合物、およびG−quadruplexが混合され、フタロシアニン化合物が溶解した水溶液を得る。
具体的な4つの混合態様が以下、記述される:
(a) 2価の金属カチオン、フタロシアニン化合物、およびG−quadruplexが水に混合される。好ましくは、これらは同時に混合される。
(b) 2価の金属カチオンおよびフタロシアニン化合物を含有する水溶液に、G−quadruplexが混合される。
(c) G−quadruplexおよびフタロシアニン化合物を含有する水溶液に、2価の金属カチオンが混合される。または、
(d) G−quadruplexおよび2価の金属カチオンを含有する水溶液に、フタロシアニン化合物が混合される。
以下の実施例および比較例は、本発明をさらにより詳細に説明する。
実施例において用いられる全ての一本鎖DNAは、つくばオリゴサービス株式会社より購入された。フタロシアニン化合物はシグマ・アルドリッチ株式会社より購入された。
(実施例1A)
実施例1Aでは、表1に示される試薬が混合され、水溶液を得た。
G−quadruplex1は、5’−GGGTTAGGGTTAGGGTTAGGG−3’(配列番号1)からなるDNAから形成された。円偏光二色性(CD)スペクトル解析技術により、配列番号1からなるDNAが、分子内G−quadruplex構造を形成したことが確認された。
このようにして得られた水溶液は、摂氏80℃で2分間保温された。次いで、2℃/分の速度で水溶液は摂氏20度まで冷却された。その後、水溶液は、12日間、室温で放置された。
(実施例1B)
実施例1Bでは、100μM G−quadruplex1に代えて、100μM G−quadruplex2が用いられたこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。
G−quadruplex2は、5’−TGGGGT−3’(配列番号2)からなるDNAから形成された。円偏光二色性(CD)スペクトル解析技術により、配列番号2からなるDNAが、分子間G−quadruplex構造を形成したことが確認された。
(比較例1A)
比較例1Aでは、100μM G−quadruplex1に代えて、5’−TTTTTTTTTTTT−3’(配列番号4)からなる1本鎖DNA(以下、「ssDNA」という)が用いられたこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。
(比較例1B)
比較例1Bでは、100μM G−quadruplex1に代えて、5’−AGAAGAGAAAGA−3’(配列番号5)および3’−TCTTCTCTTTCT−5’(配列番号5のアンチセンス配列)からなる2本鎖DNA(以下、「dsDNA」という)が用いられたこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。
(比較例1C)
比較例1Cでは、100μM G−quadruplex1が用いられなかったこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。
図1は、実施例1A〜1Bおよび比較例1A〜1Cの結果を示す写真である。
図1から明らかなように、実施例1A〜1Bでは、沈殿物は観察されなかった。一方、比較例1A〜1Cでは、沈殿物が観察された。
(実施例2)
実施例2では、100μM 銅フタロシアニン−3、4’、4’’、4’’’−テトラスルホン酸四ナトリウム塩に代えて、100μMテトラスルホン酸フタロシアニン水和物が用いられたこと以外は、実施例1Aと同様の実験が行われた。
(比較例2)
比較例2では、100μM G−quadruplex1が用いられなかったこと以外は、実施例2と同様の実験が行われた。
図2は、実施例2および比較例2の結果を示す写真である。
図2から明らかなように、実施例2では、沈殿物は観察されなかった。一方、比較例2では、沈殿物が観察された。
(実施例3)
実施例3では、表2に示される試薬が混合され、水溶液を得た。
このようにして得られた水溶液は、摂氏80℃で2分間保温された。次いで、2℃/分の速度で水溶液は摂氏20度まで冷却された。その後、水溶液は、3時間、室温で放置された。
(比較例3)
比較例3では、100μM G−quadruplex1が用いられなかったこと以外は、実施例3と同様の実験が行われた。
実施例3では、沈殿物は観察されなかった。一方、比較例3では、沈殿物が観察された。
(実施例4)
実施例4では、表3に示される試薬が混合され、水溶液を得た。
このようにして得られた水溶液は、摂氏80℃で2分間保温された。次いで、2℃/分の速度で水溶液は摂氏20度まで冷却された。その後、水溶液は、3時間、室温で放置された。
(比較例4)
比較例4では、100μM G−quadruplex1が用いられなかったこと以外は、実施例4と同様の実験が行われた。
実施例4および比較例4により得られた水溶液の吸光度が、紫外可視分光光度計(島津製作所株式会社製、商品名:UV−1800)を用いて測定された。
図3はこれらの吸光度の結果を示す。
図3に示されるように、実施例4では、300ナノメートル〜400ナノメートルの波長および600ナノメートル〜700ナノメートルの波長に第1吸光ピークおよび第2吸光ピークがそれぞれ観察された。
第1吸光ピークは、フタロシアニン化合物に特有の吸光ピークであり、「Soret帯」と呼ばれる。第2吸光ピークは、フタロシアニン化合物に特有の吸光ピークであり、「Q帯」と呼ばれる。
一方、比較例4では、これらのピークは観察されなかった。従って、比較例4では、フタロシアニン化合物は水溶液中で凝集し、沈殿を形成したことが確認された。
以上の記述から明らかなように、実施例4ではフタロシアニン化合物は水溶液に溶解した。一方、比較例4ではフタロシアニン化合物は水溶液に溶解しなかった。
(実施例5)
実施例5では、表4に示される試薬が混合され、水溶液を得た。
このようにして得られた水溶液は、摂氏80℃で2分間保温された。次いで、2℃/分の降温速度で水溶液は摂氏20度まで冷却された。その後、水溶液は、3時間、室温で放置された。
(比較例5)
比較例5では、100μM G−quadruplex1が用いられなかったこと以外は、実施例5と同様の実験が行われた。
実施例4の場合と同様に、実施例5および比較例5により得られた水溶液の吸光度が測定された。
図4は実施例5および比較例5による吸光度の測定結果を示す。
図4に示されるように、実施例5では、300ナノメートル〜400ナノメートルの波長および600ナノメートル〜700ナノメートルの波長に第1吸光ピーク(Soret帯)および第2吸光ピーク(Q帯)がそれぞれ観察された。
一方、比較例5では、これらのピークは観察されなかった。従って、比較例5では、フタロシアニン化合物は水溶液中で凝集し、沈殿を形成したことが確認された。
以上の記述から明らかなように、実施例5ではフタロシアニン化合物は水溶液に溶解した。一方、比較例5ではフタロシアニン化合物は水溶液に溶解しなかった。
(実施例6)
実施例6では、2価の金属カチオンおよびアニオン性の官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物を含有する水溶液に、G−quadruplexが混合された。
実施例6では、表5に示される試薬が混合され、+Mg水溶液を調製した。
表6に記述される試薬が混合され、−Mg水溶液を調製した。−Mg水溶液は、+Mg水溶液とは異なり、Mgイオンを含有しなかった。
+Mg水溶液および−Mg水溶液が調製された後、直ちに、+Mg水溶液および−Mg水溶液の吸光度が測定された。図5Aは、吸光度の測定結果を示す。
図5Aに示されるように、+Mg水溶液の吸光度は、−Mg水溶液の吸光度よりも小さい。このことは、+Mg水溶液が調製された後、直ちに、フタロシアニン化合物がマグネシウムイオン存在下で、凝集して沈殿物を形成したことを意味する。
この後、+Mg水溶液および−Mg水溶液は、摂氏25度で放置された。
+Mg水溶液の調製の完了時から210分が経過した時点で、5ナノモルの乾燥G−quadruplexが+Mg水溶液に添加された。
+Mg水溶液および−Mg水溶液の650ナノメートルの波長での吸光度が測定された。
表7は650ナノメートルの波長での吸光度の測定結果を示す。表7の左欄の「時間(分)」は、水溶液の調製が完了された時点から経過した時間を示す。
図5Bは、表7を元にして作成されたグラフを示す。
図5Bから理解されるように、G−quadruplexが添加される前では、+Mg水溶液の650ナノメートルの波長での吸光度は減少した。これは、フタロシアニン化合物が沈殿したことを意味する。
一方、G−quadruplexが添加された後には、+Mg水溶液の650ナノメートルの波長での吸光度は増加した。+Mg水溶液の調製から1110分が経過した時点では、+Mg水溶液は、−Mg水溶液よりも高い吸光度を有していた。これは、フタロシアニン化合物が+Mg水溶液に溶解したことを意味する。
これらの結果から、フタロシアニン化合物およびマグネシウムイオンを含有する水溶液にG−quadruplexが添加されると、フタロシアニンが+Mg水溶液に溶解されたことが明らかになった。
(実施例7A)
実施例7Aでは、G−quadruplexおよびアニオン性の官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物を含有する水溶液に、2価の金属カチオンが混合された。
実施例7Aでは、表8に記述される試薬が混合され、+G水溶液を調製した。調製された+G水溶液は、摂氏80℃で2分間保温された。次いで、2℃/分の速度で水溶液は摂氏20度まで冷却された。以下、この手順を「アニーリング」と言う。
表9に記述される試薬が混合され、−G水溶液を調製した。−G水溶液は、+G水溶液とは異なり、G−quadruplex1を含有しなかった。
+G水溶液および−G水溶液は、摂氏25度で45分間放置された。
その後、+G水溶液および−G水溶液にMgClを添加した。添加後のMgイオンの濃度は100mMであった。
+G水溶液および−G水溶液の650ナノメートルの波長での吸光度が摂氏25度で測定された。
表10は吸光度の測定結果を示す。表10の左欄の「時間(分)」は、MgClが添加された時点から経過した時間を示す。
図6は、表10を元にして作成されたグラフを示す。
図6から理解されるように、Mg2+が添加された後に、+G水溶液の650ナノメートルの波長での吸光度は増加した。このことは、フタロシアニン化合物が+G水溶液に溶解されたことを意味する。
一方、Mg2+が添加された後には、−G水溶液の650ナノメートルの波長での吸光度は低下した。このことは、フタロシアニン化合物が−G水溶液に溶解せず、沈殿したことを意味する。
(実施例7B)
実施例7Bでは、アニーリングを行わなかったこと以外は、実施例7Aと同様の実験が行われた。結果は表10および図6に示される。
(実施例8A)
実施例8Aでは、G−quadruplexおよび2価の金属カチオンを含有する水溶液に、アニオン性の官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物が混合された。
実施例8Aでは、表11に記述される試薬が混合され、+G2水溶液を調製した。実施例7Aの場合と同様、調製された+G2水溶液はアニーリングに供された。
表12に記述される試薬が混合され、−G2水溶液を調製した。−G2水溶液は、+G2水溶液とは異なり、G−quadruplex1を含有しなかった。
+G2水溶液および−G2水溶液は、摂氏25度で180分間放置された。
その後、+G2水溶液および−G2水溶液に100μM 銅(II)フタロシアニン−3、4’、4’’、4’’’−テトラスルホン酸四ナトリウム塩を添加した。
+G2水溶液および−G2水溶液の650ナノメートルの波長での吸光度が摂氏25度で測定された。
表13は650ナノメートルの波長での吸光度の測定結果を示す。
図7は、表13を元にして作成されたグラフを示す。
図7から理解されるように、フタロシアニン化合物が添加された後、+G2水溶液の650ナノメートルの波長での吸光度は、−G2水溶液のそれよりも高かった。このことは、フタロシアニン化合物が+G2水溶液に溶解されるが、フタロシアニン化合物は−G2水溶液に溶解せず、沈殿したことを意味する。
(実施例8B)
実施例8Bでは、アニーリングを行わなかったこと以外は、実施例8Aと同様の実験が行われた。結果は図7および表13に示される。
本発明の方法は、以下の技術分野で用いられ得る。
(1) CD−R
CD−Rは半導体レーザーに感受する近赤外吸収色素を必要とする。フタロシアニン化合物は光、熱、および温度に対して安定であるため、フタロシアニン化合物は近赤外吸収色素として用いられ得る(特開平5−1272号公報を参照)。
(2) プラズマディスプレイパネル
プラズマディスプレイパネルにおけるプラズマ放電により生じる近赤外線光が遮られることが必要とされる。フタロシアニン化合物はこの近赤外線光を遮る(特開2001−106689号公報を参照)。
(3) 水性インク用の色素
特許文献3を参照。

Claims (21)

  1. 2価金属カチオン、アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、およびグアニン四重鎖が溶解している水溶液を得る方法であって、以下の工程を具備する:
    (a) 前記2価金属カチオン、前記アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、および前記グアニン四重鎖を水に混合し、前記水に前記フタロシアニン化合物を溶解させる工程
    ここで、前記グアニン四重鎖は、5’-GGGTTAGGGTTAGGGTTAGGG-3’(配列番号:01) または 5’-TGGGGT-3’(配列番号:02) からなる4本のDNAから形成されている、方法。
  2. 請求項1の方法であって、
    前記工程(a)において、前記2価金属カチオン、前記アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、および前記グアニン四重鎖は、同時に混合される。
  3. 請求項1の方法であって、
    前記アニオン性官能基は、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩、スルホ基、およびスルホ基の金属塩からなる群から選択される少なくとも1種である。
  4. 請求項1の方法であって、
    前記フタロシアニン化合物は、銅、亜鉛、コバルト、またはニッケルを、配位金属として含有する。
  5. 請求項1の方法であって、
    前記フタロシアニン化合物は、配位金属を含有しない。
  6. 請求項1の方法であって、
    前記2価金属カチオンは、マグネシウムイオン、ニッケルイオン、コバルト(II)イオン、銅イオン、亜鉛イオン、および鉄(II)イオンからなる群から選択される少なくとも1種である。
  7. 2価金属カチオン、アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、およびグアニン四重鎖が溶解している水溶液を得る方法であって、以下の工程を具備する:
    (b) 前記2価金属カチオンおよび前記アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物を含有する水溶液に前記グアニン四重鎖を混合して、前記水溶液中に前記フタロシアニン化合物を溶解させる工程
    ここで、前記グアニン四重鎖は、5’-GGGTTAGGGTTAGGGTTAGGG-3’(配列番号:01) または 5’-TGGGGT-3’(配列番号:02) からなる4本のDNAから形成されている、方法
  8. 請求項の方法であって、
    前記アニオン性官能基は、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩、スルホ基、およびスルホ基の金属塩からなる群から選択される少なくとも1種である。
  9. 請求項の方法であって、
    前記フタロシアニン化合物は、銅、亜鉛、コバルト、またはニッケルを、配位金属として含有する。
  10. 請求項の方法であって、
    前記フタロシアニン化合物は、配位金属を含有しない。
  11. 請求項の方法であって、
    前記2価金属カチオンは、マグネシウムイオン、ニッケルイオン、コバルト(II)イオン、銅イオン、亜鉛イオン、および鉄(II)イオンからなる群から選択される少なくとも1種である。
  12. 2価金属カチオン、アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、およびグアニン四重鎖が溶解している水溶液を得る方法であって、以下の工程を具備する:
    (c) 前記グアニン四重鎖および前記アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物を含有する水溶液に前記2価金属カチオンを混合して、前記水溶液中に前記フタロシアニン化合物を溶解させる工程
    ここで、前記グアニン四重鎖は、5’-GGGTTAGGGTTAGGGTTAGGG-3’(配列番号:01) または 5’-TGGGGT-3’(配列番号:02)からなる4本のDNAから形成されている、方法
  13. 請求項12の方法であって、
    前記アニオン性官能基は、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩、スルホ基、およびスルホ基の金属塩からなる群から選択される少なくとも1種である。
  14. 請求項12の方法であって、
    前記フタロシアニン化合物は、銅、亜鉛、コバルト、またはニッケルを、配位金属として含有する。
  15. 請求項12の方法であって、
    前記フタロシアニン化合物は、配位金属を含有しない。
  16. 請求項12の方法であって、
    前記2価金属カチオンは、マグネシウムイオン、ニッケルイオン、コバルト(II)イオン、銅イオン、亜鉛イオン、および鉄(II)イオンからなる群から選択される少なくとも1種である。
  17. 2価金属カチオン、アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物、およびグアニン四重鎖が溶解している水溶液を得る方法であって、以下の工程を具備する:
    (d) 前記グアニン四重鎖および前記2価金属カチオンを含有する水溶液に前記アニオン性官能基によって修飾されたフタロシアニン化合物を混合して、前記水溶液中に前記フタロシアニン化合物を溶解させる工程
    ここで、前記グアニン四重鎖は、5’-GGGTTAGGGTTAGGGTTAGGG-3’(配列番号:01) または5’-TGGGGT-3’(配列番号:02) からなる4本のDNAから形成されている、方法
  18. 請求項17の方法であって、
    前記アニオン性官能基は、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩、スルホ基、およびスルホ基の金属塩からなる群から選択される少なくとも1種である。
  19. 請求項17の方法であって、
    前記フタロシアニン化合物は、銅、亜鉛、コバルト、またはニッケルを、配位金属として含有する。
  20. 請求項17の方法であって、
    前記フタロシアニン化合物は、配位金属を含有しない。
  21. 請求項17の方法であって、
    前記2価金属カチオンは、マグネシウムイオン、ニッケルイオン、コバルト(II)イオン、銅イオン、亜鉛イオン、および鉄(II)イオンからなる群から選択される少なくとも1種である。
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