JP5260252B2 - 骨寸法測定器 - Google Patents
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Description
まず、ベース(100)に設けられたフィート(116)の下部参照面(118)が骨先端における後部(Fig.2において下側の端部)に当接するように保持される。
次に、この状態でアーム(316)の先端が骨の前部(Fig.2において上側の端部)の所定位置に当接するように、当該アーム(316)を回動させつつ、当該アーム(316)が固定されたスライド(200)をベース(100)に対して移動させる。
そして、アーム(316)の先端を前記所定位置に当接させたときに、ポインタ(136)により指示されている表示を視認することで、骨の寸法を判断することができる。
そして、本発明に係る骨寸法測定器は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の骨寸法測定器は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
また、ロック部材による軸部の付勢により、前記連結部及び前記アームの、前記上部本体に対する相対移動が規制される。即ち、一の操作により、アームの上部本体に対する相対移動(アーム進退・回動動作、連結部の回動動作)を規制することができる。
本実施形態においては、適切なインプラントサイズを特定するために大腿骨の遠位端部の前部/後部サイズ(A/Pサイズ)を測定するための骨寸法測定器1を例に挙げて説明する。
サイザー本体2は、寸法測定時に大腿骨の後部に当接させる面を有する下部本体5と、当該下部本体5に対して上下にスライドできるように連結される上部本体4とを有して構成されている。
上部本体4は、上下に伸びる直方体形状の中央柱部41と、当該中央柱部41の下端から左右両側に延びるとともに屈曲して上方に延びる一対の延設部42,42と、当該中央柱部41の上端から上方に向かって円柱状に延びる取付軸部43と、当該取付軸部43の上端において当該取付軸部43よりも拡径するように設けられたフランジ部44とを有している。
また、一対の延設部42の上端部近傍には、取付軸部43の中心軸および当該延設部42の中央柱部41に対する延設方向に対して垂直に延びる貫通孔42aが形成されている。
下部本体5は、上下に延びるスライド板51と、当該スライド板51の下端が一体的に連結されているスライド基端部52と、当該スライド基端部52に対し回動自在に連結される底面部材53と、当該底面部材53の前記スライド基端部52に対する回動角度を調整可能なつまみ部54と、を有している。
スタイラス3は、上部本体4の取付軸部43に係合する連結部31と、当該連結部31に挿入されたアーム32と、連結部31にねじ込まれた固定ねじ33とを有する。
連結部31は、平面視(図4(a)参照)にて外周に凹部31aが形成されたブロックである。凹部31aは、凹部底面31bと、凹部底面31bから約90度屈曲して互いに略平行に延びる第1内側面31c及び第2内側面31dとで構成される。第2内側面31dは、凹部底面31bから離れた端部近傍にて第1内側面31cに近づくように屈曲している。
アーム32は、円柱状の取っ手部32aと、取っ手部32aの端部から略同軸で延びるとともに先端近傍で屈曲するアーム軸部32bとを有している。
アーム軸部32bは、略円柱状に形成されているとともに、外周面において、互いに平行に延びる一対の平面32cが形成されている。当該一対の平面32cは、アーム軸部32bの軸方向に、アーム保持用貫通孔31eの長さの約2倍を超える長さで延びる平面である。そして、当該一対の平面32cは、アーム軸部32bの屈曲方向と平行に形成される。即ち、アーム軸部32bの屈曲した中心軸は、平面32cと平行な面上に位置する。
また、連結部31には、側面からアーム保持用貫通孔31eに交差して内部まで延びるバネ用貫通孔31gが形成されており、バネ用貫通孔31gの底とアーム32のアーム軸部32bとの間に、バネ34が設置される。このバネ34により、アーム32のアーム軸部32bがアーム保持用貫通孔31eの内周面に接するように付勢される。
固定ネジ33は、軸部33aと、当該軸部33aの端部に設けられたヘッド部33bと、ヘッド部33bから突出するつまみ部33cとを有する。
ヘッド部33bは、軸部33aよりも大きな径となるように、当該軸部33aの基端部に設けられている。
つまみ部33cは、ヘッド部33bにおける軸部33aと逆側の端部から突出する板状部である。当該つまみ部33cを利用して、固定ネジ33を軸回りに容易に回転することができる。
以下、大腿骨の遠位端のサイズを測定するとともに、当該大腿骨の遠位端を、インプラント取付のために適切な形状に切断する方法について、図6〜図11を用いて説明する。
図6及び図7は、骨寸法測定器1の取付方法を説明するための図である。また、図8は、図7に示す骨寸法測定器及び大腿骨の側面図である。図9は、位置決めピンを大腿骨に固定した状態を示す図である。図10は、カットガイドを大腿骨に取り付けた状態を示す図である。図11(a)は、図10に示すカットガイド及び大腿骨の側面図であり、図11(b)は、大腿骨の端部をインプラント取付形状に切断した状態を示す図である。
まず、大腿骨100の遠位端は、機能軸(大腿骨頭中心から膝関節中心を通る線)に対して垂直な断面で切断され、所定の基準平面Sが形成される(図6参照)。
図6に示すように、下部本体5の裏面が基準平面Sに当接し、且つ、底面部材53における延設板部53aの上面が大腿骨100の遠位端の後部に当接する位置に、サイザー本体2を持っていき、その位置でサイザー本体2を保持する。
図7に示すように、サイザー本体2の取付軸部43にスタイラス3の連結部31の凹部31aを係合させる。このとき、アーム32の先端を横に向けた状態(図4に示す状態からアーム32を約90°軸回りに回転した状態)で、スタイラス3を患部に挿入する。このようにスタイラス3を挿入した場合、屈曲部分を含むアーム軸部32bの全体が、係合方向と略平行な面内に位置するため、アーム32の先端が大腿骨の表面等に干渉しにくくなり、スタイラス3をサイザー本体2の取付軸部43に係合させ易い。
スタイラス3をサイザー本体2の取付軸部43に係合させた後、アーム32の先端が下側を向くように、当該アーム32を約90°軸回りに回転させる。即ち、アーム32の先端が、取付軸部43の軸方向における最も下方に位置するように、アーム32を軸回りに回動させる。
尚、このとき、連結部31とアーム軸部32bとの間に設けられたバネ34(図5参照)の端面がアーム32の平面32cに当接し、当該平面32cを付勢することにより、アーム32の先端が、下側を向いた状態で保持される。
ここで、図8に示すように、アーム32の上部本体4に対する上方への相対移動は、連結部31の上面が上部本体4のフランジ部44に当接することで規制され、下方への相対移動は、連結部31の下面が上部本体4の中央柱部41の上面に当接することで規制されている。つまり、上部本体4に対してのアーム32の上下移動は拘束されている。
一方、上部本体4は下部本体5に対して上下に移動できるので、当該アーム32を当該上部本体4とともに上下に移動させることができる。
このように、適宜、アーム32を移動して、アーム32の先端を大腿骨100の前部の所定の位置に当接させる。
アーム32の先端が大腿骨100の前部の所定の位置に当接した状態で、凹部31a内に進出するように固定ネジ33を締め付ける。
これにより、図5に示すように、取付軸部43が、固定ネジ33の先端部と、第2内側面31dと、アーム32に設けられた平面32cと、に当接して、3点(図5において、α、β、γで当接点を示す)で支持される。
このとき、アーム32の平面32cに取付軸部43の外周面が当接することで、アーム32の軸回りの回動が規制される。そして、取付軸部43によりアーム32がアーム保持用貫通孔31eの内周面に向かう方向に付勢されるため、アーム32とアーム保持用貫通孔31eとの間の摩擦力により、当該アーム32の軸方向への移動も拘束される。更に、上記3点で生じる摩擦力により、スタイラス3の、取付軸部43回りの回動が規制される。
アーム32の先端が大腿骨100の前部の所定の位置に当接した状態において、ポインタ55が指示するサイズを確認する。当該ポインタ55により指示されたサイズが、大腿骨100の遠位端のサイズである。そして、当該サイズに基づいて、使用されるインプラントのサイズ及び大腿骨の遠位端を切断するためのカットガイドのサイズが選択される。
図9に示すように、2本の位置決めピン6,6を、サイザー本体2の貫通孔42a,42aを介して大腿骨100の遠位端の基準平面Sに立てる。
そして、2本の位置決めピン6,6を基準平面Sに残したまま、骨寸法測定器1を大腿骨100から取り外す。
図10に示すように、2本の位置決めピン6,6が貫通孔7a,7aを通過するように、カットガイド7を基準平面Sに設置する。尚、この状態でカットガイド7は、大腿骨100にネジ等で固定される。
そして、このカットガイド7に設けられた複数の溝に沿って切断用の刃物を移動させて、大腿骨100の遠位端を切断する。図11(a)に切断面を二点鎖線で模式的に示す。
これにより、図11(b)に示すように、大腿骨100の遠位端が、インプラントの形状に合った所定の形状に切断される。
以上説明したように、本実施形態に係る骨寸法測定器1は、下部本体5と、下部本体5に対して一方向に移動可能に連結されているとともに、当該移動方向と平行に延びる取付軸部43を有する上部本体4と、取付軸部43に対して回動可能に係合する凹部31aと、外周面と凹部31aを形成する第1内側面31cとの間を貫通するネジ孔であるロック用貫通孔31fと、一端側の外周面と他端側の外周面との間を凹部31aを通過して貫通するアーム保持用貫通孔31eと、を有する連結部31と、アーム保持用貫通孔31eに回動可能かつ進退可能に挿入されるアーム32と、ロック用貫通孔31fに螺挿される固定ネジ33と、を備えている。
そして、アーム保持用貫通孔31eにアーム32が挿入され、且つ、連結部31の凹部31aが取付軸部43に係合した取付状態において、ロック用貫通孔31fに螺挿された固定ネジ33を締め付けて取付軸部43を付勢することで、固定ネジ33と、凹部31aを形成する第2内側面31dと、アーム32と、の間で、取付軸部43を挟み込むことができる。
また、固定ネジ33による取付軸部43の付勢により、連結部31及びアーム32の、上部本体4に対する相対移動が規制される。即ち、固定ネジ33を締め付ける操作により、アーム32の上部本体4に対する相対移動(アーム進退・回動動作、連結部の回動動作)を規制することができる。
また、アーム32の先端を横に向けた状態(図4に示す状態からアーム32を約90°軸回りに回転した状態)では、アーム軸部32bの円弧面が取付軸部43側に対向しているため、アーム32の先端を下方に向けるように当該アーム32を回転させる操作をスムーズに行うことができる。
(1)
固定ネジ33をロック用貫通孔31fにねじ込んで、当該固定ネジ33で取付軸部43を付勢してスタイラス3を固定する構成に限定されない。付勢力を安定化するため弾性部材等を介して、取付軸部43を付勢する構成であってもよい。
当接点α、β、γが、取付軸部43の外周を三等分する位置に配置されるように構成してもよい。即ち、図5において取付軸部43の中心を点Oとしたときに、角α−O−β、角β−O−γ、角γ−O−αが、約120°となるように構成してもよい。この場合、より安定してスタイラスを取付軸部43に固定することができる。
4 上部本体
5 下部本体
31 連結部
31a 凹部
31e ロック用貫通孔
31f アーム保持用貫通孔
32 アーム
33 固定ネジ(ロック部材)
Claims (3)
- 下部本体と、
前記下部本体に対して一方向に移動可能に連結されるとともに、当該移動方向と略平行に延びる軸部を有する上部本体と、
前記軸部に対して回動可能に係合する凹部と、外周面と前記凹部を形成する面との間を貫通するロック用貫通孔と、一端側の外周面と他端側の外周面との間を前記凹部を通過して貫通するアーム保持用貫通孔と、を有する連結部と、
前記アーム保持用貫通孔に回動可能かつ進退可能に挿入されるアームと、
前記ロック用貫通孔に挿入されるロック部材と、
を備え、
前記アーム保持用貫通孔に前記アームが挿入され、且つ、前記連結部の前記凹部が前記軸部に係合した取付状態において、前記ロック用貫通孔に挿入された前記ロック部材で前記軸部を付勢することで、当該ロック部材と、前記凹部を形成する面と、前記アームと、の間で、前記軸部を挟み込むことができる骨寸法測定器。 - 前記アームは、外周面の一部に平面部が形成された円柱状部を有しており、
前記取付状態において、前記ロック用貫通孔に挿入された前記ロック部材で前記軸部を付勢することで、当該ロック部材と、前記凹部を形成する面と、前記アームの前記平面部と、の間で、前記軸部を挟み込むことができる請求項1に記載の骨寸法測定器。 - 前記ロック部材における前記軸部に当接する先端部が球面形状である請求項1または請求項2に記載の骨寸法測定器。
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