JP5258414B2 - 光モジュール用ソケット及び光コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、光モジュール用ソケット及び光コネクタに関するものである。
従来、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant:個人用携帯情報端末)、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等の電子機器においては、フレキシブル回路基板(FPC:Flexible Printed Circuit)、細線同軸ケーブル等の導電線によって信号を伝送する。近年、画像の高精細化等によって信号の高速化が求められているが、その一方で電子機器の小型化も求められているので、電子機器内に幅広又は大径の導電線を配設することは困難である。また、EMI(Electro Magnetic Interference)対策を施すと、更に導電線が幅広又は大径となってしまう。そこで、大量の信号を伝送することができ、かつ、EMI対応に優れる光導波路を使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
図11は従来の光ファイバを接続するコネクタを示す概略断面図である。なお、図11において、(a)は接続前の状態を示す図、(b)は接続後の状態を示す図である。
図において、811は従来の光モジュール用ソケットが有する光素子実装基板であり、該光素子実装基板811上には光半導体素子872が実装されている。該光半導体素子872は、例えば、面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser−Diode)の素子アレイである。また、871は、前記光半導体素子872を動作させるための駆動ICであり、875は前記駆動IC871と光半導体素子872とを接続するボンディングワイヤである。さらに、874は、光半導体素子872の受発光面上に塗布された透明コンタクト樹脂である。該透明コンタクト樹脂874は、塗布された当初は、図11(a)に示されるように、半球ドーム型の形状を備える。一方、920は光フェルールであり、光ファイバ901の先端に取付けられている。前記光フェルール920の一部には切欠きが形成され、これにより、光ファイバ901の先端部の下面が露出している。
そして、前記光ファイバ901を光モジュール用ソケットに接続する際には、図11(b)に示されるように、光ファイバ901の先端部の下面が透明コンタクト樹脂874に押付けられる。これにより、該透明コンタクト樹脂874は、変形して光ファイバ901の先端部の下面と密着する。
特開2005−49389号公報
しかしながら、前記従来の光モジュール用ソケットにおいては、光半導体素子872の上方が開放されているので、異物が進入し、該異物によって光半導体素子872と光ファイバ901との間の通信が阻害される可能性がある。光モジュール用ソケットの組立及び光ファイバ901の接続を、例えば、クリーンルームのような極めて清浄な環境において行う場合には、光半導体素子872の上方が開放されていても異物の進入を考慮する必要はない。しかし、一般的に、電子機器の組立工程が行われる工場等の場所は、クリーンルームほど清浄な環境ではなく、光半導体素子872の上方が開放されていると、空気中に浮遊する微小な粉塵(じん)等の異物が不可避的に進入する。そして、該異物が、例えば、透明コンタクト樹脂874の表面に付着して、光半導体素子872の受発光面と光ファイバ901の先端部の下面との間の光路に介在する状態となると、光半導体素子872と光ファイバ901との間の通信が阻害されてしまう。また、比較的大きな異物が進入して隣接するボンディングワイヤ875の微小な間隙(げき)を塞(ふさ)ぐと、ボンディングワイヤ875の短絡が発生してしまう。
本発明は、前記従来の光モジュール用ソケットの問題点を解決して、光電素子を収容するハウジングの開口を透明な可撓(とう)性シートで覆うことによって、異物の進入を確実に防止することができ、光通信が阻害されることがなく、短絡が発生することがなく、信頼性が高く、構造が簡素で製造コストが低く、操作が容易な光モジュール用ソケット及び光コネクタを提供することを目的とする。
そのために、本発明の光モジュール用ソケットにおいては、光導波路とプラグを介して接続される光モジュール用ソケットであって、上面に開口が形成された凹部を備えるソケットハウジングと、該ソケットハウジングに内包された光電素子と、該光電素子を覆う光透過部材と、前記開口と前記光透過部材とを覆う可撓性シートとを有し、前記光透過部材は、弾性を備え、前記上面より突出して形成され、前記可撓性シートと当接する。
本発明の更に他の光モジュール用ソケットにおいては、さらに、前記光導波路が接続されると、前記光透過部材の突出量が変化する。
本発明の更に他の光モジュール用ソケットにおいては、さらに、前記光透過部材は1を超える屈折率を備える。
本発明の更に他の光モジュール用ソケットにおいては、さらに、前記可撓性シートは前記開口の周縁に固定されている。
本発明の更に他の光モジュール用ソケットにおいては、さらに、前記光電素子は、前記光導波路から出射された光を受光する受光素子及び/又は前記光導波路に入射される光を出射する発光素子を備える。
本発明の光コネクタにおいては、プラグと光モジュール用ソケットとを有する光コネクタであって、前記プラグは、光導波路の端部に取付けられたプラグハウジングを備え、前記光モジュール用ソケットは、上面に開口が形成された凹部を備えるソケットハウジングと、該ソケットハウジングに内包された光電素子と、該光電素子を覆う光透過部材と、前記開口と前記光透過部材とを覆う可撓性シートとを備え、前記光透過部材は、弾性を備え、前記上面より突出して形成され、前記可撓性シートと当接し、前記プラグは、前記光導波路が前記光電素子と対向するように前記光モジュール用ソケットに接続される。
本発明の更に他の光コネクタにおいては、さらに、前記プラグが前記光モジュール用ソケットに接続されると、前記光透過部材の突出量が変化する。
本発明の更に他の光コネクタにおいては、さらに、前記光導波路は、光路変換部として機能する光接続部を備え、前記プラグが前記光モジュール用ソケットに接続されると、前記光接続部は、前記光電素子と対向する。
本発明の更に他の光コネクタにおいては、さらに、前記光透過部材は1を超える屈折率を備える。
本発明の更に他の光コネクタにおいては、さらに、前記可撓性シートは前記開口の周縁に固定されている。
本発明によれば、光モジュール用ソケットは、光電素子を収容するハウジングの開口を透明な可撓性シートで覆うようになっている。これにより、異物の進入を確実に防止することができ、光通信が阻害されることがなく、かつ、短絡が発生することがない。したがって、光モジュール用ソケットの信頼性が向上し、構造を簡素化して製造コストを低くし、操作を容易にすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は本発明の実施の形態における光コネクタを示す斜視図でありプラグをソケットに接続する前の状態を示す図である。
図において、1は本実施の形態における光モジュール用ソケットとしてのソケットであり、図示されない回路基板等の基板の面に実装され、プラグ120とともに、光導波路101を接続するための光コネクタを構成する。図に示される例において、光導波路101は、帯状のものであるが、必ずしもこれに限定されるものでなく、例えば、幅狭の光導波路や光ファイバのような線状のものであってもよい。
また、前記光導波路101の端部にはプラグ120が取付けられている。そして、該プラグ120をソケット1に嵌(かん)合することによって、光導波路101がプラグ120を介してソケット1に接続される。
前記光導波路101は、いかなる用途に使用されるものであってもよいが、例えば、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等の電子機器に使用される。また、前記光導波路101は、信号をシリアル伝送やパラレル伝送することができ、かつ、EMI対応に優れているので、大量の信号を高速で伝送する用途に適している。さらに、ソケット1は、前記電子機器の筐(きょう)体内に配設された基板の面に実装されるような用途に適している。
なお、本実施の形態において、ソケット1、光導波路101及びプラグ120並びにそれらに含まれる各部材の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、ソケット1、光導波路101及びプラグ120並びにそれらに含まれる各部材が図に示される姿勢である場合に適切であるが、ソケット1、光導波路101及びプラグ120並びにそれらに含まれる各部材の姿勢が変化した場合には、姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
前記ソケット1は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成されたソケットハウジング11と、金属等の導電性材料によって形成され、前記ソケットハウジング11に装填(てん)された複数の接続端子51とを有する。前記ソケットハウジング11は、平面形状が略長方形の厚板状の部材であり、前記プラグ120が載置される平面状の載置面としての上面14と、前記プラグ120の位置決めを行う位置決め突起15と、光電素子としての後述される光半導体素子72、制御IC71等の光デバイスを収容する凹部としての収容凹部16とを備える。該収容凹部16は、上面14に略正方形の開口が形成された凹状の空間であり、後述される底面16a及び4つの内周面16bは、ソケットハウジング11によって画定されている。
図に示される例において、前記位置決め突起15は、上面14の四隅の各々において、上方に突出するように形成されている。そして、前記プラグ120は、その四隅の各々を各位置決め突起15に係合させることによって、ソケットハウジング11に対して位置決めされる。なお、前記位置決め突起15の数、配設箇所等は適宜変更することができる。また、前記プラグ120は、平面形状が略長方形の薄い板状の部材であり、ソケット1に接続されると、その下面がソケットハウジング11の上面14と対向する。これにより、光半導体素子72と光導波路101とが対向する。
なお、前記接続端子51は、一端が光半導体素子72、制御IC71等に接続され、他端が、図に示されるように、ソケットハウジング11の側方に突出し、前記基板の面上に形成される接続パッドにはんだ付等によって接続される。
また、図に示される例においては、ソケット1に接続された状態のプラグ120をソケットハウジング11に固定するための固定手段が示されていないが、該固定手段はいかなる種類のものであってもよい。例えば、プラグ120の四隅を厚さ方向に貫通してソケットハウジング11に螺(ら)着されるビス、ボルト等のねじ部材であってもよいし、プラグ120の前端及び後端においてプラグ120とソケットハウジング11とを上下から挟付けるクリップ等のばね部材であってもよい。つまり、プラグ120の下面がソケットハウジング11の上面14に押付けられた状態でプラグ120とソケットハウジング11とを一体的に接続する手段であれば、いかなる種類のものであってもよい。
次に、前記プラグ120の構成について詳細に説明する。
図3は本発明の実施の形態におけるプラグを示す分解斜視図、図4は本発明の実施の形態における光導波路の接続端部の構成を示す図、図5は本発明の実施の形態における光導波路の接続端部の層構造を示す図である。なお、図4において、(a)は上から観た斜視図、(b)は下から観た斜視図、(c)は(b)の要部拡大図である。
光導波路101は、細長い帯状の薄板部材であるが、図3及び4には前端(図における左端)近傍の一部分のみが描画されている。そして、102は、前端面102bから所定長さの範囲に形成された接続端部であり、他の部分よりやや肉厚に形成されている。
また、前記接続端部102には、光接続部としての光路変換部161が形成されている。該光路変換部161は、図5に示されるように、鏡面として機能する傾斜面162を備え、光導波路101を伝送される光の向きをほぼ直角に変換する。すなわち、光導波路101の軸線方向の光路を光導波路101の下面に対して垂直な方向の光路に変換する。これにより、光導波路101を伝送されてきた光を光導波路101の下面から下方に出射させることができるとともに、下方から光導波路101の下面に入射された光を光導波路101に導入することができる。前記光路変換部161は、光導波路101がソケット1に接続された状態において、ソケットハウジング11の収容凹部16内に収容された光半導体素子72と対応するような部位に形成される。
そして、前記プラグ120は光導波路101の端部に取付けられるプラグハウジング130を有し、該プラグハウジング130は、光導波路101の軸方向に延在する長方形の枠状の部材であるプラグハウジング本体121と、光導波路101の軸方向に延在する長方形の板状の部材であるプラグ天板126とを有する。前記プラグハウジング本体121は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された部材であり、長軸方向に延在する一対の側壁部124、該側壁部124の前端を連結する前方横桟部122、及び、前記側壁部124の後端を連結する後方横桟部123を有する。なお、125は、プラグハウジング本体121を厚さ方向に貫通する長方形の開口であり、周囲を側壁部124、前方横桟部122及び後方横桟部123によって画定される。
前記側壁部124は、長方形の断面形状を備える細長い棒状の部材であり、その厚さ方向の寸法は、光導波路101の接続端部102の厚さ方向の寸法とほぼ同一である。また、前記側壁部124は、その内側面124aが光導波路101の接続端部102の側面102aと当接することによって、光導波路101の幅方向の位置決めを行う。
そして、前記前方横桟部122は、長方形の断面形状を備える長方形の板状の部材であり、平坦(たん)な下面を備える。前記前方横桟部122はプラグ120をソケットハウジング11に装着する際に被ガイド部として機能し、その周縁部がソケットハウジング11の位置決め突起15と係合し、その下面がソケットハウジング11の上面14と係合する。なお、前方横桟部122の下面は、側壁部124の下面と面一となるように形成されている。さらに、前記前方横桟部122の後端面は、光導波路101の接続端部102の前端面102bと当接することによって、光導波路101の軸方向の位置決めを行う。なお、前記前方横桟部122の厚さ方向の寸法は、側壁部124の厚さ方向の寸法にプラグ天板126の厚さ方向の寸法を加算した値とほぼ同一である。
また、前記後方横桟部123は、長方形の断面形状を備える長方形の板状の部材であり、平坦な上面を備え、該上面が光導波路101の接続端部102の下面と当接することによって、光導波路101を下方から支持する。後方横桟部123は、その上面が側壁部124の下面とほぼ面一となるように前記側壁部124に接続されているので、前記プラグハウジング本体121の後端面は、後方から観て、略U字の形状を有する。
そして、前記プラグ天板126は、略長方形状の薄板状部材であり、開口125を上から塞ぐように、プラグハウジング本体121に取付けられて固着される。図に示される例において、プラグハウジング本体121とプラグ天板126とは、個別に形成されているが、プラグハウジング本体121とプラグ天板126とは一体的に形成されたものであってもよい。
また、前記プラグ天板126の長さ、すなわち、長軸方向の寸法は、プラグハウジング本体121における前方横桟部122の後端面から後方横桟部123の前端面までの寸法にほぼ等しく、前記プラグ天板126の幅、すなわち、短軸方向の寸法は、プラグハウジング本体121における一方の側壁部124の外側面から他方の側壁部124の外側面までの寸法にほぼ等しい。
そして、プラグ天板126の前端面が前方横桟部122の後端面に当接するようにプラグ天板126をプラグハウジング本体121に取付けて固着すると、プラグハウジング130が完成する。なお、プラグハウジング本体121とプラグ天板126とは一体的に形成されたものである場合には、当初からプラグ天板126がプラグハウジング本体121に取付けられた状態となっている。
本実施の形態における光導波路101は、細長い帯状の可撓性の薄板部材である。そして、前述のように、前端寄りの部位には光路変換部161が形成され、伝送されてきた光を光導波路101の下面から下方に射出させることができるとともに、下方から光導波路101の下面に入射された光を導入することができる。
ここで、該光導波路101は、図5に示されるように、光を伝送する光伝送路となるコア部111と、該コア部111を取囲み、コア部111に光を閉じこめる機能を備えるクラッド部112とを有する。なお、図に示される例において、コア部111の数は、1本であるが、2本であってもよいし、3本以上であってもよいし、任意に設定することができる。
また、前記光導波路101は、シングルモードタイプであってもよいし、マルチモードタイプであってもよいが、ここでは、マルチモードタイプであるものとする。クラッド部112の屈折率は、コア部111の屈折率よりも低い値であることが望ましい。
そして、前記光導波路101は、このような屈折率の条件を満たすものであれば、いかなる種類の材料から成るものであってもよく、例えば、シリコン基板から成るものであってもよいし、ガラス基板から成るものであってもよいし、有機材料と無機材料とから成るハイブリッド基板から成るものであってもよいし、フレキシブルな樹脂フィルムから成るものであってもよいが、ここでは、フレキシブルな樹脂フィルムから成るものである例について説明する。
また、クラッド部112の上面には、支持部材としての支持フィルム114が貼(てん)付されている。該支持フィルム114は、光導波路101の幅と同一の幅を備え、接続端部102の全範囲に亘(わた)って貼付され、接続端部102にある程度の剛性を付与して変形し難くする。これにより、可撓性の光導波路101において、接続端部102だけがある程度の剛性を備えて変形し難くなるので、接続端部102にプラグハウジング130を取付ける作業が容易になるとともに、取付後の接続端部102とプラグハウジング130との密着性が向上する。なお、前記支持フィルム114は、合成樹脂から成るものであるが、絶縁性とともにある程度の剛性を備える材料であれば、いかなる材料から成るものであってもよい。
ここで、前記光路変換部161は、断面形状が三角形であって、光導波路101の幅方向に延在する細長い孔(あな)であって、鏡面として機能する傾斜面162を備える。該傾斜面162は、光導波路101の軸線方向(図5における横方向)及び厚さ方向(図5における縦方向)に対してほぼ45度の角度に傾斜し、光導波路101を伝送されてきた光を反射して光導波路101の下方に出射させるとともに、光導波路101の下方から入射された光を反射して光導波路101に導入する。
なお、前記傾斜面162の傾斜角度は、コア部111及びクラッド部112の屈折率によって、光損失が最適となるように、適宜変更することができる。また、前記傾斜面162は、ダイシング(Dicing、又は、Die Cutting)加工、又は、レーザ加工を施すことによって形成することができる。具体的には、支持フィルム114を貼付する工程の前に、ダイシング加工又はレーザ加工によって、断面形状が三角形であって上面が開口した幅方向に延在する溝を光導波路101に形成する。その後、クラッド部112の上面に支持フィルム114を貼付して、前記溝の上面を塞ぐことによって、細長い孔状の光路変換部161を得ることができる。該光路変換部161の上面が支持フィルム114によって塞がれているので、塵埃(あい)等の異物が光路変換部161内に進入して傾斜面162に付着する可能性が低減される。なお、前記溝の下端は、コア部111の下方のクラッド部112に喰(くい)込んでいるが、該クラッド部112を下方に突抜けないように形成される。
本実施の形態におけるプラグ120は、幅方向の寸法が、接続端部102の厚さ方向の寸法にプラグ天板126の厚さ方向の寸法を加えるだけで済むので、光導波路101の厚さ方向の寸法よりわずかに大きい値に留めることができる。
さらに、プラグ120の全体形状も、平面形状及び側面形状が長方形の単純な形状であり、凹凸の極めて少ない形状となっている。
したがって、例えば、光導波路101を小型の電子機器の筐体の内部を通過するように配線する場合であっても、光導波路101の端部に取付けられたプラグ120が光導波路101自体よりもわずかに幅が広く、わずかに厚い程度に小型であり、かつ、単純な形状を備えるので、配線作業を極めて容易に行うことができる。
次に、前記ソケット1の構成について詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるソケットハウジングの要部を示す斜視図であり光透過部材を付着した状態を示す図、図6は本発明の実施の形態におけるソケットハウジングの要部を示す斜視図であり光透過部材を付着する前の状態を示す図、図7は本発明の実施の形態におけるソケットハウジングの要部を示す断面図であり図6のA−A矢視断面図、図8は本発明の実施の形態におけるソケットハウジングの要部を示す断面図であり光透過部材を付着した状態を示す図、図9は本発明の実施の形態におけるソケットハウジングの要部を示す断面図であり可撓性シートを付着した状態を示す図、図10は本発明の実施の形態におけるソケットハウジングの要部を示す断面図であり光導波路を接続した状態を示す図である。
前述のように、ソケットハウジング11は、上面14に略正方形の開口が形成された凹状の空間としての収容凹部16を備える。なお、図1及び6〜10においては、図示の都合上、ソケットハウジング11における収容凹部16及びその周辺部分のみが描画され、他の部分が省略されている。また、前記収容凹部16の開口の周縁には、段差部17が形成され、該段差部17の上面、すなわち、段差面17aは前記上面14よりも低い位置にある。さらに、前記段差部17の内周面17bは、収容凹部16の内周面16bの外側に位置する。すなわち、段差部17の内周面17bが形成する四角形は、収容凹部16の内周面16bが形成する四角形よりも大きい。
そして、光半導体素子72は、前記収容凹部16の底面16a上に実装されることによって、ソケットハウジング11に内包される。なお、光半導体素子72は、例えば、面発光レーザ等のように光導波路101に入射される光を出射する発光素子と、フォトトランジスタ等のように光導波路101から出射された光を受光する受光素子とを備えるものであるが、発光素子のみ又は受光素子のみを備えるものであってもよい。さらに、光半導体素子72が備える発光素子及び/又は受光素子は、単数であってもよいし、複数であってもよいし、いかなる形態で配置されていてもよい。なお、発光素子の発光面及び/又は受光素子の受光面は、光半導体素子72の上面(図7における上面)に配設され、上方へ向けて光を出射及び/又は上方からの光を受光する。
また、前記光半導体素子72の動作を制御する制御IC71も、前記収容凹部16の底面16a上に実装されることによって、ソケットハウジング11に内包される。そして、前記光半導体素子72と制御IC71とは、電線73によって電気的に接続されている。なお、図1及び6〜10においては、図示の都合上、比較的太い電線73が1本のみ描画されているが、該電線73は複数本であってもよいし、ボンディングワイヤのように微細な線であってもよい。
本実施の形態において、光半導体素子72は、屈折率が1を超える光透過部材21によって覆われている。このことにより、光半導体素子72と光導波路101との間の光伝送損失を低減させることができる。該光透過部材21は、例えば、透明で弾性を備える樹脂から成り、好適には、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等から成る。この場合、ディスペンサ等を使用して前記樹脂を選択的に塗布することによって、図1及び8に示されるように、略半球ドーム形状の光透過部材21を光半導体素子72の周囲を覆うように付着させることができる。なお、図6及び7は、説明のために、光透過部材21を付着させる前の状態を示したものである。
前記光透過部材21の大きさ及び覆う範囲は、樹脂の塗布量を制御することによって制御することができる。そして、前記光透過部材21は、図1及び8に示されるように、少なくとも光半導体素子72の全体を覆うように形成されることが望ましい。また、図1及び8に示される例において、制御IC71は光透過部材21によって覆われていないが、必要に応じ、制御IC71も光透過部材21によって覆われるようにしてもよい。
また、前記光透過部材21は、ソケットハウジング11の上面14よりも突出して形成される。すなわち、図8に示されるように、光透過部材21の頂点の高さと前記上面14の高さとの差分をΔH1 とすると、ΔH1 >0となるように、光透過部材21は形成される。
さらに、本実施の形態において、収容凹部16の開口は、可撓性シート22によって覆われている。該可撓性シート22は、例えば、透明で可撓性を備える樹脂シートから成り、好適には、ポリイミド樹脂シート等から成る。この場合、光透過部材21が弾性を備えるので、可撓性シート22の下面を光透過部材21に当接させて押付けることによって、図9に示されるように、収容凹部16の開口全体を覆うように可撓性シート22をソケットハウジング11に取付けることができる。
前記可撓性シート22は、段差部17の内周面17bが形成する四角形よりは小さく、かつ、収容凹部16の内周面16bが形成する四角形よりは大きい四角形となるように、あらかじめ形成されている。そのため、図9に示されるように、可撓性シート22をソケットハウジング11に取付けた状態で、可撓性シート22の外周縁は段差面17a上に載置される。つまり、可撓性シート22は、収容凹部16の開口の周縁に固定される。これにより、収容凹部16は、その開口がすべて可撓性シート22によって覆われ、周囲が取囲まれた密閉空間となり、空気中の塵埃等の異物が収容凹部16内に侵入して光半導体素子72、制御IC71、電線73等を汚染することが防止される。
なお、前記光透過部材21及び可撓性シート22が透光性を備えるので、光半導体素子72の発光素子の及び/又は受光素子は、光透過部材21及び可撓性シート22を透過して受光及び発光を行うことができる。
また、上から可撓性シート22が押付けられることによって、光透過部材21は押潰(つぶ)される。そのため、光透過部材21がそれ自体の弾性によって可撓性シート22の下面に密着するので、光透過部材21と可撓性シート22との間に空気層が形成されることが防止される。また、光透過部材21の頂点の高さは低下するが、光透過部材21の上を覆う可撓性シート22は、ソケットハウジング11の上面14よりも突出した状態となる。すなわち、図9に示されるように、光透過部材21の上を覆う可撓性シート22の頂点の高さと前記上面14の高さとの差分をΔH2 とすると、ΔH2 >0となる。なお、この状態でも、光透過部材21はソケットハウジング11の上面14よりも突出している、すなわち、光透過部材21の頂点の高さが上面14の高さよりも高いことが望ましい。
そして、プラグ120がソケット1に接続されると、その下面がソケットハウジング11の上面14に押付けられ、その結果、図10に示されるように、収容凹部16に対向する光導波路101の下面が可撓性シート22に押付けられる。これにより、光透過部材21の突出量が変化する。すなわち、光透過部材21は更に押潰され、その上面は平板状になる。また、可撓性シート22も、同様に、平板状になる。そのため、光透過部材21がそれ自体の弾性によって可撓性シート22の下面に密着するので、光透過部材21と可撓性シート22との間に空気層が形成されることが防止される。さらに、光透過部材21の弾性によって、可撓性シート22の上面が光導波路101の下面に密着するので、可撓性シート22と光導波路101との間に空気層が形成されることが防止される。
また、プラグ120がソケットハウジング11に対して位置決めされてソケット1に接続されると、図10に示されるように、光導波路101の光路変換部161が、収容凹部16内に収容された光半導体素子72の位置と対応する位置に位置決めされる。つまり、光路変換部161の傾斜面162が、光半導体素子72の発光素子の発光面及び/又は受光素子の受光面と対向する。これにより、光半導体素子72の発光素子の発光面から出射された光が光導波路101に入射され、光導波路101から出射された光が受光素子の受光面によって受光される。
このように、本実施の形態において、ソケット1は、上面14に開口が形成された収容凹部16を備えるソケットハウジング11と、ソケットハウジング11に内包された光半導体素子72と、光半導体素子72を覆う光透過部材21と、開口と光透過部材21とを覆う可撓性シート22とを有し、光透過部材21は上面14より突出して形成される。
これにより、光半導体素子72と光導波路101との間の光路に空気層が形成されないので、空気層の存在による光学的な悪影響を排除することができる。また、収容凹部16への異物の進入を防止することができ、異物が光路に介在することがない。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の実施の形態におけるソケットハウジングの要部を示す斜視図であり光透過部材を付着した状態を示す図である。 本発明の実施の形態における光コネクタを示す斜視図でありプラグをソケットに接続する前の状態を示す図である。 本発明の実施の形態におけるプラグを示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態における光導波路の接続端部の構成を示す図であり、(a)は上から観た斜視図、(b)は下から観た斜視図、(c)は(b)の要部拡大図である。 本発明の実施の形態における光導波路の接続端部の層構造を示す図である。 本発明の実施の形態におけるソケットハウジングの要部を示す斜視図であり光透過部材を付着する前の状態を示す図である。 本発明の実施の形態におけるソケットハウジングの要部を示す断面図であり図6のA−A矢視断面図である。 本発明の実施の形態におけるソケットハウジングの要部を示す断面図であり光透過部材を付着した状態を示す図である。 本発明の実施の形態におけるソケットハウジングの要部を示す断面図であり可撓性シートを付着した状態を示す図である。 本発明の実施の形態におけるソケットハウジングの要部を示す断面図であり光導波路を接続した状態を示す図である。 従来の光ファイバを接続するコネクタを示す概略断面図であり、(a)は接続前の状態を示す図、(b)は接続後の状態を示す図である。
符号の説明
1 ソケット
11 ソケットハウジング
14 上面
15 位置決め突起
16 収容凹部
16a 底面
16b、17b 内周面
17 段差部
17a 段差面
21 光透過部材
22 可撓性シート
51 接続端子
71 制御IC
72、872 光半導体素子
73 電線
101 光導波路
102 接続端部
102a 側面
102b 前端面
111 コア部
112 クラッド部
114 支持フィルム
120 プラグ
121 プラグハウジング本体
122 前方横桟部
123 後方横桟部
124 側壁部
124a 内側面
125 開口
126 プラグ天板
130 プラグハウジング
161 光路変換部
162 傾斜面
811 光素子実装基板
871 駆動IC
874 透明コンタクト樹脂
875 ボンディングワイヤ
901 光ファイバ
920 光フェルール

Claims (10)

  1. (a)光導波路とプラグを介して接続される光モジュール用ソケットであって、
    (b)上面に開口が形成された凹部を備えるソケットハウジングと
    (c)該ソケットハウジングに内包された光電素子と
    (d)該光電素子を覆う光透過部材と
    (e)前記開口と前記光透過部材とを覆う可撓性シートとを有し、
    (f)前記光透過部材は、弾性を備え、前記上面より突出して形成され、前記可撓性シートと当接することを特徴とする光モジュール用ソケット。
  2. 前記光導波路が接続されると、前記光透過部材の突出量が変化する請求項に記載の光モジュール用ソケット。
  3. 前記光透過部材は1を超える屈折率を備える請求項1又は2に記載の光モジュール用ソケット。
  4. 前記可撓性シートは前記開口の周縁に固定されている請求項1〜のいずれか1項に記載の光モジュール用ソケット。
  5. 前記光電素子は、前記光導波路から出射された光を受光する受光素子及び/又は前記光導波路に入射される光を出射する発光素子を備える請求項1〜のいずれか1項に記載の光モジュール用ソケット。
  6. (a)プラグと光モジュール用ソケットとを有する光コネクタであって、
    (b)前記プラグは、光導波路の端部に取付けられたプラグハウジングを備え、
    (c)前記光モジュール用ソケットは
    (c−1)上面に開口が形成された凹部を備えるソケットハウジングと
    (c−2)該ソケットハウジングに内包された光電素子と
    (c−3)該光電素子を覆う光透過部材と
    (c−4)前記開口と前記光透過部材とを覆う可撓性シートとを備え、
    (c−5)前記光透過部材は、弾性を備え、前記上面より突出して形成され、前記可撓性シートと当接し
    (d)前記プラグは、前記光導波路が前記光電素子と対向するように前記光モジュール用ソケットに接続されることを特徴とする光コネクタ。
  7. 前記プラグが前記光モジュール用ソケットに接続されると、前記光透過部材の突出量が変化する請求項に記載の光コネクタ。
  8. 前記光導波路は、光路変換部として機能する光接続部を備え、
    前記プラグが前記光モジュール用ソケットに接続されると、前記光接続部は、前記光電素子と対向する請求項に記載の光コネクタ。
  9. 前記光透過部材は1を超える屈折率を備える請求項6〜8のいずれか1項に記載の光コネクタ。
  10. 前記可撓性シートは前記開口の周縁に固定されている請求項6〜9のいずれか1項に記載の光コネクタ。
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