JP5258248B2 - 蛍光体微粒子の製造方法および製造装置 - Google Patents

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本発明は、蛍光体微粒子を製造する方法および製造装置に関する。
従来、蛍光ランプやプラズマディスプレイパネル(PDP)などに利用される複合酸化物蛍光体は、固相法によって製造されている。しかし、得られた微粒子は、不定形微粒子の凝集体をなすことや、ボールミルなどの機械的粉砕処理工程を経ることから、不純物を含みやすいという問題があった。
そこで、近年、複合酸化物蛍光体の製造方法としては、噴霧乾燥・熱分解方法の適用が試みられている(例えば、特許文献1、2参照)。
この噴霧乾燥・熱分解方法において、化合物原料溶液を微粒化して噴霧する際に生成される噴霧液滴の粒径や粒径分布には限界がある。そのため、生成される蛍光体微粒子の粒径や粒径分布がある幅をもつので、後工程にて分級などの操作が必要となり、製造コストが高くなる原因となる。
また、蛍光体の前駆体を生成した後、この前駆体を焼成して蛍光体を生成する複合酸化物蛍光体の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。
この製造方法では、粉体の回収工程が乾燥後、焼成後と二度行われるため、操作が煩雑であり、エネルギー消費も多くなることから、製造コストが高くなる。
一方、近年、ディスプレイパネルの小型化、高解像度化が進むに伴って、蛍光体微粒子にも高精細・高輝度化が求められている。これを達成するためには、蛍光体微粒子の微細化および発光特性の向上のみならず、ディスプレイパネル製造プロセスなどにおいて、蛍光体微粒子の塗布性能の向上が必要となっている。
特開2000−87033号公報 特開2000−96048号公報 特開2000−109825号公報
よって、本発明における課題は、均一な粒径を有する微細な球状蛍光体微粒子を低コストで製造することができる蛍光体微粒子の製造方法および製造装置、並びに、その蛍光体微粒子の製造方法および製造装置によって製造された蛍光体微粒子を提供することにある。
本発明の蛍光体微粒子の製造方法は、減圧下の反応容器内に形成された第一の火炎中もしくは第一の燃焼雰囲気中に、金属イオンを含む液体原料を噴霧することにより蛍光体微粒子を生成し、次いで、該蛍光体微粒子を、前記第一の火炎もしくは前記第一の燃焼雰囲気の後段であって、前記反応容器内に形成された第二の火炎中もしくは第二の燃焼雰囲気中に流入させることにより、前記蛍光体微粒子の再加熱・焼成を行なう蛍光体微粒子の製造方法であって、前記第一の火炎を酸化火炎、前記第一の燃焼雰囲気を酸化雰囲気、前記第二の火炎を還元火炎、前記第二の燃焼雰囲気を還元雰囲気とすることを特徴とする
前記第二の火炎もしくは第二の燃焼雰囲気の後段に、1以上の火炎もしくは燃焼雰囲気を形成することが好ましい。
前記火炎を還元火炎、前記燃焼雰囲気を還元雰囲気とすることが好ましい。
前記第一の火炎を予混合火炎とすることが好ましい。
前記第一の火炎を拡散火炎とすることが好ましい。
前記第二の火炎、および/または、その後段に形成された火炎を予混合火炎とすることが好ましい。
前記第二の火炎、および/または、その後段に形成された火炎を拡散火炎とすることが好ましい。
本発明の蛍光体微粒子製造装置は、金属イオンを含む液体原料を大気圧以下の減圧下で処理することで蛍光体微粒子を生成するための反応容器と、該反応容器内に還元雰囲気もしくは酸化雰囲気を形成するための第一のバーナおよび第二のバーナと、前記反応容器に液体原料を供給するための噴霧ノズルと、前記反応容器内で生成した蛍光体微粒子を回収するための微粒子捕集装置と、該微粒子捕集装置からの排ガスを冷却するガス冷却器と、前記反応容器内を減圧にするための真空ポンプとを備え、前記第二のバーナは、前記第一のバーナの後段に間隔を置いて設けられたことを特徴とする。
前記第二のバーナの後段に、1以上のバーナを、間隔を置いて設けることが好ましい。
本発明によれば、減圧下で形成された第一の火炎中もしくは第一の燃焼雰囲気中に、金属イオンを含む液体原料を噴霧することにより蛍光体微粒子を生成し、次いで、該蛍光体微粒子を、前記第一の火炎もしくは前記第一の燃焼雰囲気の後段に形成された第二の火炎中もしくは第二の燃焼雰囲気中に流入させることにより、前記蛍光体微粒子の再加熱・焼成を行うので、粒径が均一かつ発光特性が均一の蛍光体微粒子を低コストで製造することができる。また、液体原料中の金属イオン濃度、反応容器内の雰囲気圧力、第一のバーナと第二のバーナへ供給する燃料と酸化剤の比率、反応容器内の雰囲気温度、第一のバーナと第二のバーナによる火炎温度を制御することによって、蛍光体微粒子の粒径を制御することができる。また、噴霧ノズルと第一のバーナとの距離や、第一のバーナと第二のバーナとの距離の設定によって、蛍光体微粒子の滞留時間を調整し、蛍光体微粒子の発光特性を制御することができる。さらに、反応容器内の雰囲気の制御によって、酸化プロセスまたは還元プロセスの選択が可能であるので、各種蛍光体微粒子生成への応用が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の蛍光体微粒子製造装置の一実施形態を示す概略構成図である。
この実施形態の蛍光体微粒子製造装置10は、反応容器1と、噴霧ノズル2と、第一のバーナ3と、第二のバーナ4と、熱交換器5と、微粒子捕集装置6と、ガス冷却器7と、真空ポンプ8と、送液装置9とから概略構成されている。
反応容器1は、中空の筒状の容器であり、その上部に、この容器内に液体原料を噴霧するための噴霧ノズル2が設けられている。
金属イオンを含む液体原料を貯える送液装置9からは、液体原料が噴霧ノズル2に送られ、このノズルから反応容器10内に向けて噴霧されるようになっている。
反応容器1の中間部には、上部から順に、その長手方向に沿って所定の間隔を置いて、第一の火炎もしくは第一の燃焼雰囲気を形成する第一のバーナ3と、第二の火炎もしくは第二の燃焼雰囲気を形成する第二のバーナ4が設けられている。
また、第一のバーナ3と第二のバーナ4は、反応容器1の長手方向に沿って移動可能に設けられており、第一のバーナ3と噴霧ノズル2との間の距離、および、第一のバーナ3と第二のバーナ4との間の距離を調節可能となっている。
第一のバーナ3および第二のバーナ4は、そのノズルが円周上に複数の孔が形成された多孔板をなしており、その多孔板には、燃料と酸化剤の混合気を噴出する多数の噴出口が形成された構造になっている。
なお、この噴出口として、2重構造とし、その外側には酸化剤が流れ、外側には燃料が流れる構造として拡散燃焼を行うようにしてもよい。
また、多孔板に代えて、連続気泡が形成された多孔質材料を用い、この気泡を利用して燃料および酸化剤を噴出するようにしてもよい。
また、反応容器1内で生成した蛍光体微粒子を含む燃焼ガスおよび気化した溶媒は、反応容器1の下部から真空ポンプ8の吸引作用により排ガスとして抜き出され、熱交換器5に送られ、ここで冷却されて下流の微粒子捕集装置6に送られるようになっている。
微粒子捕集装置6では、排ガス中の蛍光体微粒子が捕集され、その底部から回収され、排ガスはその頂部から抜き出されてガス冷却器7に送られるようになっている。
ガス冷却器7では、冷却に伴って生じるドレインが底部から排出され、残るガスが真空ポンプ8に吸引されて系外に排出されるようになっている。
次に、本発明の蛍光体微粒子の製造方法を説明する。
本発明の蛍光体微粒子の製造方法は、上記の蛍光体微粒子製造装置を用い、減圧下で形成された第一の火炎中もしくは第一の燃焼雰囲気中に、金属イオンを含む液体原料を噴霧することにより蛍光体微粒子を生成し、次いで、その蛍光体微粒子を、第一の火炎もしくは第一の燃焼雰囲気の後段に形成された、第二の火炎中もしくは第二の燃焼雰囲気中に流入させることにより、蛍光体微粒子の再加熱・焼成を行う方法である。
第一のバーナ3と第二のバーナ4に、燃料および酸化剤を供給し、これらの第一のバーナ3と第二のバーナ4により、噴霧ノズル2の前面(噴霧ノズル2における液体原料を噴霧する噴霧口が設けられている面)側に、火炎もしくは燃焼雰囲気を形成する。
第一のバーナ3、第二のバーナ4へ供給する燃料と酸化剤の比率(当量比)を調整することにより、火炎を酸化火炎あるいは還元火炎とすることができるとともに、これらの火炎によって第一のバーナ3、第二のバーナ4の周辺の雰囲気を酸化雰囲気あるいは還元雰囲気とすることができる。
第一の火炎は予混合火炎もしくは拡散火炎とすることができる。
一般に、反応物質である燃料や酸化剤が気体である場合のように、同相の反応物質の燃焼を均一燃焼と呼ぶ。均一燃焼の場合、燃料と酸化剤が初めから混合している燃焼を予混合燃焼という。一方、燃焼時に燃料と酸化剤が拡散、混合して混合気を形成する燃焼形態を拡散燃焼という。
本発明における燃焼方法は予混合燃焼および拡散燃焼のどちらも採用できるが、雰囲気調整は予混合燃焼を採用したほうがより好ましい。
燃料には、メタンなどの炭化水素系のガス燃料を用い、酸化剤としては酸素濃度50%以上の酸素富化空気または純酸素を利用することが可能である。
次いで、真空ポンプ8を用いて反応容器1内を所定の圧力まで減圧し、反応容器1内の雰囲気が安定したら、反応容器1中に噴霧ノズル2から蛍光体微粒子の原料となる金属イオン(Ba、Eu、Mg、Al、Y、Ceなど)を含む液体原料を噴霧する。
反応容器1内を減圧にすることにより、噴霧された液体原料は噴霧液滴となって広範囲に分散し、細かく、かつ粒径の揃った蛍光体微粒子を製造することが可能になる。
液体原料は有機金属、酢酸金属化合物、金属塩などの溶液であり、溶媒は純水、エタノールなど、または、前記の溶液に二相領域を形成できる添加液を所定割合にて混合した溶液である。特に、二相領域を形成できる添加液を混合した溶液では、液体原料の沸点を引き下げることができるので、液体原料を少ないエネルギーで気化することが可能である。
次いで、反応容器1内に噴霧され、噴霧液滴となった液体原料は、第一の火炎中もしくは第一の燃焼雰囲気中に達すると、溶媒が気化(蒸発)するとともに、液体原料に含まれていた金属イオンが蛍光体微粒子となって気中に析出する。
また、真空ポンプ8によって、反応容器1内は減圧に保たれており、気化した溶媒は燃焼ガスと蛍光体微粒子とともに排ガスとして、反応容器1から微粒子捕集装置6へと運ばれる。このとき、反応容器1と微粒子捕集装置6の間に設置された熱交換器5により、排ガスから熱回収が行われる。
なお、噴霧ノズル2と第一のバーナ3との距離、すなわち、噴霧ノズル2の噴霧口と第一の火炎もしくは第一の雰囲気との距離を調節することにより、噴霧ノズル2から噴霧された噴霧液滴が、第一の火炎中もしくは第一の雰囲気中に至るまでの時間(滞留時間)を調節することができる。これにより、噴霧液滴の加熱速度を制御することが可能となり、結果として、噴霧液滴の急激な温度上昇により、所望の蛍光体微粒子が形成されなくなるという不具合が生じるのを防止することができる。
また、減圧下に噴出された液体原料は、減圧沸騰微粒化現象を発現し、細かな噴霧液滴が得られると同時に、従来のロジンラムラー分布などに代表される粒径分布ではなく、粒径分布の狭いピークをもった粒径分布を得ることが可能となる。
また、蛍光体微粒子の平均粒径の制御は、反応容器1内の減圧度(圧力)と雰囲気温度の制御、噴霧ノズル2からの液体原料の噴霧量、液体原料中の金属イオン濃度の組み合わせなどによって可能である。
また、減圧下での材料合成であるために、形成過程における粒子同士の衝突も抑制され、凝集割合も小さくすることができる。
さらに、第一のバーナ3による第一の火炎もしくは第一の雰囲気の温度分布を均一にすることにより、形成微粒子の組成均一性を向上させることができる。
次いで、第一のバーナ3によって形成された第一の火炎もしくは第一の燃焼雰囲気により生成した蛍光体微粒子を、さらに、第二のバーナ4によって形成された第二の火炎中もしくは第二の燃焼雰囲気中を通過させることにより、その蛍光体微粒子を再加熱処理する。
この際、第一のバーナ3と第二のバーナ4との距離を調節することにより、第一の火炎中もしくは第一の燃焼雰囲気中にて形成された蛍光体微粒子が、第二の火炎中もしくは第二の燃焼雰囲気中に至るまでの時間(滞留時間)を調節することができる。
また、生成した蛍光体微粒子の良好な発光特性を得るためには、蛍光体の化学組成、および、発光に関与する賦活剤イオンの種類に応じて、第一の火炎もしくは第一の燃焼雰囲気を、酸化火炎もしくは酸化雰囲気、または、還元火炎もしくは還元雰囲気とするとともに、第二の火炎もしくは第二の燃焼雰囲気を、酸化火炎もしくは酸化雰囲気、または、還元火炎もしくは還元雰囲気とする。
本発明の蛍光体微粒子の製造方法では、第一のバーナ3による第一の火炎を酸化火炎、第一の燃焼雰囲気を酸化雰囲気とした場合、第二のバーナ4による第二の火炎もしくは第二の燃焼雰囲気に流入してくる第一の火炎もしくは第一の燃焼雰囲気の平衡組成を考慮し、第二のバーナ4へ供給する燃料と酸化剤の比率(当量比)を調整することによって、第二の火炎を還元火炎、第二の燃焼雰囲気を還元雰囲気とする。平衡組成は、第一のバーナ3から供給される燃料と酸化剤の比率、溶媒に含まれる水あるいは可燃性成分の量、第一のバーナ3と第二のバーナ4の間であって、第二の火炎もしくは第二の燃焼雰囲気の直前で測定した温度、および容器内の圧力から求めることができる。
例えば、Eu3+などを賦活イオンとする酸化物を主相とする蛍光体微粒子を生成する場合、第二のバーナ4による第二の火炎を還元火炎、第二の燃焼雰囲気を還元雰囲気とすることが好ましい。
再加熱後に形成された蛍光体微粒子は、必要に応じて、不活性ガスや窒素ガスにより冷却され、反応容器1から燃焼ガス流とともに微粒子捕集装置5に送られ、この装置にて捕集される。
一方、気化した溶媒と燃焼ガスは、ガス冷却器7に送られて冷却され液化して、気液分離される。液化した溶媒はドレインとして回収され、残りのガスが排ガスとして真空ポンプ8から排出される。
蛍光体微粒子は、微粒子捕集装置6の底部から取り出される。
なお、この実施形態では、第一のバーナ3の後段に、所定の間隔を置いて、第二のバーナ4が設けられた蛍光体微粒子製造装置10を例示したが、本発明はこれに限定されない。
本発明の蛍光体微粒子製造装置にあっては、第二のバーナの後段に、1以上のバーナを、所定の間隔を置いて設けてもよい。この第二のバーナの後段に設けられる1以上のバーナは、上記の第一のバーナ3および第二のバーナ4と同様に、火炎もしくは燃焼雰囲気を形成する。
また、生成した蛍光体微粒子の良好な発光特性を得るためには、蛍光体の化学組成、および、発光に関与する賦活剤イオンの種類に応じて、第二のバーナの後段に設けられるバーナによる火炎もしくは燃焼雰囲気を、酸化火炎もしくは酸化雰囲気、または、還元火炎もしくは還元雰囲気とする。後段のバーナにおいても上記のように、火炎もしくは燃焼雰囲気に流入してくる第一、第二の火炎もしくは燃焼雰囲気の平衡組成を考慮する必要がある。
第一のバーナ3により生成した蛍光体微粒子を、再加熱処理するために、還元雰囲気中での滞留時間を調整するためには、第二のバーナの後段に設けたバーナの火炎もしくは燃焼雰囲気を、還元火炎もしくは還元雰囲気とすることが好ましい。また、第二のバーナの後段に設けられるバーナの数は、必要とされる蛍光体粒子の還元雰囲気中での滞留時間に応じて、適宜調整される。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
図1に示した蛍光体微粒子製造装置10を用い、反応容器1中に減圧下にて第一のバーナ3により酸化火炎を形成し、第二のバーナ4により還元火炎を形成した。
本実施例では、燃料としてメタン、酸化剤として純酸素を用いた。これらの燃料と酸化剤を予混合した後、第一のバーナ3および第二のバーナ4のノズルより噴出させて予混合火炎を形成した。
第一のバーナ3および第二のバーナ4のノズルは、円周上に複数の孔が形成された多孔板を使用した。
次いで、反応容器1中に噴霧ノズル2から液体原料を噴霧し、微粒化した噴霧液滴を第一のバーナ3による酸化火炎中に供給した。
液体原料としては、硝酸バリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウムを蛍光体の化学組成が(Ba0.9Eu0.1)O・MgO・5Alとなるように調整した均質な水溶液(溶質濃度Cが1.0:金属元素の合計モル数/水溶液1kg)を用いた。この液体原料を、送液装置9から噴霧ノズル2に供給した。
反応容器1内の雰囲気圧力、および、第一のバーナ3および第二のバーナ4への燃料供給量を変化させて、反応容器1内の雰囲気温度を調整するとともに、液体原料供給量を変化させることにより、反応容器1内にて蛍光体微粒子を生成し、得られた蛍光体微粒子を微粒子捕集装置6にて捕集した。
蛍光体微粒子捕集後の排ガスは、ガス冷却器7にて冷却され、水蒸気などを除去した後、真空ポンプ8から排出した。
本実施例における実施条件を表1に示す。
Figure 0005258248
生成された蛍光体微粒子を観察した結果、ピークを持った粒度分布となり、平均粒子径が1μm以下の球状蛍光体微粒子が確認された。
さらに、得られた球状蛍光体微粒子の表面を観察したところ、平滑であることが確認された。
また、生成された蛍光体微粒子のX線回折パターンを調べたところ、不純物相の存在しない単相の蛍光体が生成していることが判明した。
また、この蛍光体微粒子に対して、波長254nmの紫外線を照射して発光スペクトルを測定したところ、良好な青色発光を示した。
さらに、これら蛍光体微粒子の平均粒子径については、液体原料中の金属イオン濃度、反応容器1内の雰囲気圧力、第一のバーナ3と第二のバーナ4へ供給する燃料と酸化剤の比率(当量比)、反応容器1内の雰囲気温度、第一のバーナ3と第二のバーナ4による火炎温度によって制御可能であった。
また、噴霧ノズル2と第一のバーナ3との距離や、第一のバーナ3と第二のバーナ4との距離の設定によって、蛍光体微粒子の滞留時間を調整し、蛍光体微粒子の発光特性を制御可能であった。
本発明により、平均粒径1μm以下の均一な粒径を有す蛍光体微粒子を低コストで得ることができる。
本発明の蛍光体微粒子製造装置の一実施形態を示す概略構成図である。
符号の説明
1・・・反応容器、2・・・噴霧ノズル、3・・・第一のバーナ、4・・・第二のバーナ、5・・・熱交換器、6・・・微粒子捕集装置、7・・・ガス冷却器、8・・・真空ポンプ、9・・・送液装置、10・・・蛍光体微粒子製造装置。

Claims (9)

  1. 減圧下の反応容器内に形成された第一の火炎中もしくは第一の燃焼雰囲気中に、金属イオンを含む液体原料を噴霧することにより蛍光体微粒子を生成し、次いで、該蛍光体微粒子を、前記第一の火炎もしくは前記第一の燃焼雰囲気の後段であって、前記反応容器内に形成された第二の火炎中もしくは第二の燃焼雰囲気中に流入させることにより、前記蛍光体微粒子の再加熱・焼成を行なう蛍光体微粒子の製造方法であって、前記第一の火炎を酸化火炎、前記第一の燃焼雰囲気を酸化雰囲気、前記第二の火炎を還元火炎、前記第二の燃焼雰囲気を還元雰囲気とすることを特徴とする蛍光体微粒子の製造方法。
  2. 前記第二の火炎もしくは第二の燃焼雰囲気の後段に、1以上の火炎もしくは燃焼雰囲気を形成することを特徴とする請求項1に記載の蛍光体微粒子の製造方法。
  3. 前記火炎を還元火炎、前記燃焼雰囲気を還元雰囲気とすることを特徴とする請求項に記載の蛍光体微粒子の製造方法。
  4. 前記第一の火炎を予混合火炎とすることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の蛍光体微粒子の製造方法。
  5. 前記第一の火炎を拡散火炎とすることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の蛍光体微粒子の製造方法。
  6. 前記第二の火炎、および/または、その後段に形成された火炎を予混合火炎とすることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の蛍光体微粒子の製造方法。
  7. 前記第二の火炎、および/または、その後段に形成された火炎を拡散火炎とすることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の蛍光体微粒子の製造方法。
  8. 金属イオンを含む液体原料を大気圧以下の減圧下で処理することで蛍光体微粒子を生成するための反応容器と、該反応容器内に還元雰囲気もしくは酸化雰囲気を形成するための第一のバーナおよび第二のバーナと、前記反応容器に液体原料を供給するための噴霧ノズルと、前記反応容器内で生成した蛍光体微粒子を回収するための微粒子捕集装置と、該微粒子捕集装置からの排ガスを冷却するガス冷却器と、前記反応容器内を減圧にするための真空ポンプとを備え、前記第二のバーナは、前記第一のバーナの後段に間隔を置いて設けられたことを特徴とする蛍光体微粒子製造装置。
  9. 前記第二のバーナの後段に、1以上のバーナを、間隔を置いて設けたことを特徴とする請求項に記載の蛍光体微粒子製造装置。
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