JP5257391B2 - 駆動システム - Google Patents

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Description

この発明は、駆動システムに関し、さらに詳しくは、無段変速機のオイルおよび歯車機構のオイルへの水分の混入が防止できる駆動システムに関する。
一般的な駆動システムでは、無段変速機と、この無段変速機の前段あるいは後段に配置された歯車機構とが、伝達軸を介してトルク伝達可能に連結されている。ここで、トラクションドライブ方式を採用する無段変速機では、高いトラクション係数を有するトラクション油が用いられる。一方、歯車機構では、歯車の動力損失を低減するために、トラクション油よりも低いトラクション係数を有する潤滑油(例えば、ATF(Automatic Transmission Fluid)あるいはギア油)が用いられる。したがって、無段変速機のトラクション油と歯車機構の潤滑油とを相互に分離して、その混合を抑制する必要がある。
このため、一般的な駆動システムでは、無段変速機を収納する第一収納室と歯車機構を収納する第二収納室とが分離壁を介して仕切られ、伝達軸が分離壁に形成された軸孔に挿通されて無段変速機と歯車機構とを連結し、この伝達軸と軸孔との隙間が伝達軸の軸方向に配列された一対のオイルシールにより封止されている(ダブルシール構造により油室分離構造)。これにより、第一収納室内のオイルと第二収納室内のオイルとの流通が遮断されて、オイルの混合が抑制されている。かかる構成を採用する従来の駆動システム(動力伝達装置)として、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開2003−176862号公報(段落0031および図2)
ここで、上記のダブルシール構造では、オイルシール間の空気室が負圧になると、第一収納室あるいは第二収納室のオイルが軸孔からオイルシールを通過して空気室に浸入するおそれがある。そこで、従来の駆動システムでは、オイルシールのシール性を確保するために、軸孔の空気室と外気とを連通する通気口(エア抜き孔)が設けられている。
しかしながら、従来の駆動システムでは、外気が軸孔の空気室に導入されるため、外気に含まれる水分がオイルに混入するおそれがある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無段変速機のオイルおよび歯車機構のオイルへの水分の混入が防止できる駆動システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる駆動システムでは、無段変速機と歯車機構とが伝達軸を介してトルク伝達可能に連結された駆動システムであって、前記無段変速機を収納する第一収納室と前記歯車機構を収納する第二収納室とが分離壁を介して仕切られ、前記伝達軸が前記分離壁に形成された軸孔に挿通されて前記無段変速機と前記歯車機構とを連結し、前記伝達軸と前記軸孔との隙間が前記伝達軸の軸方向に配列された一対のオイルシールにより封止される油室分離構造を備え、前記分離壁が、一対の前記オイルシールに区画されて成る前記軸孔内の空気室と前記第一収納室および前記第二収納室のいずれか一方とを連通させる連通部を有し、且つ、前記第一収納室および前記第二収納室のうち前記連通部を介して前記空気室に連通する収納室を連通収納室と呼ぶときに、一対の前記オイルシールのうち前記連通収納室側にあるオイルシールと前記伝達軸との摺動面の底部が、他方の前記オイルシールと前記伝達軸との摺動面の底部よりも低い位置にあることを特徴とする。
この駆動システムでは、空気室に、第一収納室あるいは第二収納室のいずれか一方のみから空気が導入されるので、外気を空気室に導入する構成と比較して、外気に含まれる水分が空気室に浸入する事態が防止される。これにより、無段変速機のオイルおよび歯車機構のオイルへの水分の混入が防止されて、オイル性能が適正に確保される利点がある。
また、この駆動システムでは、連通収納室内のオイルが連通部を介して空気室に浸入したときに、このオイルが低い位置にあるオイルシールを介して元の連通収納室に排出される。これにより、空気室内のオイルが逆側の収納室(連通収納室でない側の収納室)に排出される事態が抑制されるので、第一収納室のオイルと第二収納室のオイルとの混合が抑制される利点がある。また、空気室に浸入したオイルが元の連通収納室に還元されるので、連通収納室内のオイルの減少(油面レベルの低下)が抑制される利点がある。
また、この発明にかかる駆動システムでは、前記空気室における前記連通部の開口部が前記伝達軸の鉛直上方から外れた位置に配置される。
この駆動システムでは、第一収納室から連通部に浸入したオイルが伝達軸に滴下する事態が抑制される。これにより、第一収納室からのオイルが伝達軸を伝って第二収納室に流入する事態が防止される利点がある。
この発明にかかる駆動システムでは、空気室に、第一収納室あるいは第二収納室のいずれか一方のみから空気が導入されるので、外気を空気室に導入する構成と比較して、外気に含まれる水分が空気室に浸入する事態が防止される。これにより、無段変速機のオイルおよび歯車機構のオイルへの水分の混入が防止されて、オイル性能が適正に確保される利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる油室分離構造を示す構成図である。 図2は、図1に記載した油室分離構造の作用を示す説明図である。 図3は、図1に記載した油室分離構造の連通孔を示すA−A視断面図である。 図4は、ポンプ作用を有するオイルシールを示す説明図である。 図5は、ポンプ作用を有するオイルシールを示す説明図である。 図6は、一般的な駆動システムを示す構成図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[駆動システム]
図6は、一般的な駆動システムを示す構成図である。この駆動システム1は、例えば、車両のパワートレーンに適用される。駆動システム1は、駆動装置2と、流体伝動装置3と、前後進切換装置4と、無段変速機5と、制御装置(図示省略)とを備える。
駆動装置2は、例えば、車両のエンジンであり、駆動力を発生する。流体伝動装置3は、流体の運動エネルギーにより動力を伝達する装置であり、例えば、流体式トルクコンバータにより構成される。この流体伝動装置3は、駆動装置2の出力軸(例えば、エンジンのクランクシャフト)に連結される。前後進切換装置4は、入力されたトルクを選択的に反転して出力する装置であり、例えば、遊星歯車機構により構成される。この前後進切換装置4は、流体伝動装置3の出力軸に連結される。
無段変速機5は、変速比を連続的に変化させる得る変速機構であり、例えば、トラクションドライブ方式を採用するトロイダル型無段変速機である。この無段変速機5は、入力側回転部材51および出力側回転部材52と、伝動部材53と、変速制御機構(図示省略)とを有する。入力側回転部材51は、前後進切換装置4の出力軸に連結される。出力側回転部材52は、減速歯車機構7を介して駆動システム1の出力軸8に連結される。入力側回転部材51および出力側回転部材52は、トロイダル型無段変速機のディスクである。伝動部材53は、トロイダル型無段変速機のパワーローラであり、入力側回転部材51と出力側回転部材52との間に配置される。この伝動部材53と入力側回転部材51および出力側回転部材52との間には、トラクション油が供給されて油膜が形成される。変速制御機構は、入力側回転部材51および出力側回転部材52と、伝動部材53との間のトルク伝達を制御する機構である。この変速制御機構は、変速比(入力側回転部材51の回転速度と出力側回転部材52の回転速度との比)を制御する機構であり、例えば、回転部材51、52のディスク面に対する伝動部材53の傾斜角を変化させる機構から成る。
この無段変速機5では、前段からの駆動トルクが入力側回転部材51から伝動部材53を介して出力側回転部材52に伝達されて後段の歯車機構に出力される。このとき、伝動部材53と入力側回転部材51および出力側回転部材52との間のトラクション油のせん断力により、駆動トルクが入力側回転部材51から出力側回転部材52に伝達される(トラクションドライブ方式)。また、変速制御機構が伝動部材53の傾斜角を連続的に変化させることにより、変速比の無段階制御が実現される。
この駆動システム1では、まず、駆動装置2が駆動トルクを発生し、この駆動トルクが流体伝動装置3を介して前後進切換装置4に伝達される。前後進切換装置4では、シフトレバー(図示省略)のレンジ切換操作により出力軸の回転方向が切り換えられて、車両の前後進が切り換えられる。次に、駆動トルクが前後進切換装置4から無段変速機5に伝達されて、所定の変速比にて変速される。そして、この動力トルクが減速歯車機構7を介して出力軸8に伝達され、この出力軸8から車両のドライブシャフト(図示省略)に伝達される。
[無段変速機の油室分離構造]
この駆動システム1では、無段変速機5と、この無段変速機5の前段あるいは後段に配置された歯車機構(図示省略)とが、伝達軸10を介してトルク伝達可能に連結される(図1参照)。この伝達軸10は、例えば、無段変速機5の入力側回転部材51と前後進切換装置4の歯車機構(図示省略)とを連結する回転軸、無段変速機5の出力側回転部材52と減速歯車機構7とを連結するカウンタ軸などである。
また、無段変速機5を収納する第一収納室11と、歯車機構を収納する第二収納室12とが分離壁13を介して仕切られる。また、伝達軸10が分離壁13に形成された軸孔14に挿通されて無段変速機5と歯車機構とを連結する。例えば、この実施の形態では、無段変速機5および歯車機構が単一のケーシング(図示省略)に収納され、このケーシング内に分離壁13が形成されて第一収納室11と第二収納室12とが区画されている。また、この分離壁13に軸孔14が明けられ、この軸孔14を介して第一収納室11と第二収納室12とが連通している。そして、この軸孔14に伝達軸10が挿通され、この伝達軸10を介して無段変速機5と歯車機構とがトルク伝達可能に連結されている。
ここで、トラクションドライブ方式を採用する無段変速機5では、高いトラクション係数を有するトラクション油が用いられる。一方、歯車機構では、歯車の動力損失を低減するために、トラクション油よりも低いトラクション係数を有する潤滑油(例えば、ATF(Automatic Transmission Fluid)あるいはギア油)が用いられる。したがって、かかる構成では、無段変速機5のトラクション油と歯車機構の潤滑油とを相互に分離して、その混合を抑制する必要がある。
このため、伝達軸10が貫通する分離壁13の軸孔14には、オイルの流通を遮断するためのオイルシール15が配置される(油室分離構造)。例えば、この実施の形態では、一対のオイルシール15、15が分離壁13の軸孔14に配置されている。これらのオイルシール15、15は、伝達軸10の軸方向に配列されて、軸孔14の内周面と伝達軸10の外周面との隙間を封止している。これにより、第一収納室11内のオイルと第二収納室12内のオイルとの流通が遮断されて、オイルの混合が抑制されている。また、軸孔14内には、これらのオイルシール15、15により空気室16が区画されている。これにより、オイルシール15の性能が確保されている(ダブルシール構造)。
[空気室の貫通孔]
ここで、上記のダブルシール構造では、オイルシール間の空気室が負圧になると、第一収納室あるいは第二収納室のオイルが軸孔からオイルシールを通過して空気室に浸入するおそれがある。
このため、この駆動システム1では、オイルシール15、15のシール性を確保するために、分離壁13が、軸孔14の空気室16と第一収納室11とを連通させる連通部17を有する(図1参照)。
例えば、この実施の形態では、軸孔14の空気室16がオイルシール15、15間にて伝達軸10の径方向に拡張されて、分離壁13内に箱型の空間(空気室16)が形成されている。このため、分離壁13が中空構造を有している。また、この空気室16の両壁面(第一収納室11側の壁面および第二収納室12側の壁面)にオイルシール15、15がそれぞれ嵌め込まれて、軸孔14と伝達軸10との隙間を封止している。また、空気室16の天井付近(伝達軸10よりも上方)の壁面に、空気室16と第一収納室11とを連通させる連通部(連通孔)17が開口している。また、第一収納室11内の壁面には、連通部17の開口部を遮蔽するオイルカバー(オイル遮断壁)18が取り付けられている。このオイルカバー18により、連通部17内へのオイルの流入が抑制されている。
この駆動システム1では、(1)第一収納室11内の空気が連通部17を介してオイルシール15、15間の空気室16に導入されるので、空気室16が負圧となる事態が抑制される。これにより、オイルシール15、15のシール性が維持されるので、第一収納室11と第二収納室12との液密性が確保される。また、(2)空気室16には、第一収納室11のみから空気が導入されるので、外気を空気室に導入する構成(図示省略)と比較して、外気に含まれる水分が空気室に浸入する事態が防止される。これにより、無段変速機のオイルおよび歯車機構のオイルへの水分の混入が防止されて、オイル性能が適正に確保される。
なお、この実施の形態では、軸孔14の空気室16が分離壁13の連通部17を介して第一収納室11に連通している(図1参照)。しかし、これに限らず、空気室16が第二収納室12に連通しても良い(図示省略)。すなわち、空気室16は、第一収納室11および第二収納室12のいずれか一方のみに連通すれば良い。これにより、空気室16への吸気の導入経路が確保される。
[オイルシールの摺動面の位置関係]
また、この駆動システム1では、一対のオイルシール15、15と伝達軸10との摺動面が以下の位置関係を有することが好ましい(図1参照)。すなわち、この実施の形態では、上記のように、軸孔14の空気室16が分離壁13の連通部17を介して第一収納室11に連通している。このとき、一対のオイルシール15、15のうち第一収納室11側にあるオイルシール15(図1中の左側にあるオイルシール15)と伝達軸10との摺動面の底部が、他方のオイルシール15と伝達軸10との摺動面の底部よりも低い位置にあることが好ましい。具体的には、伝達軸10がテーパ形状を有することにより、第一収納室11側の軸径D1が第二収納室12側の軸径D2よりも大きく設定されている。このため、第一収納室11側のオイルシール15と伝達軸10との摺動面の底部高さH1が、第二収納室12側のオイルシール15と伝達軸10との摺動面の底部高さH2よりも低く設定(H1<H2)されている。
この駆動システム1では、伝達軸10が回転すると、空気室16内のオイル(第一収納室11から連通部17を介して空気室16に浸入したオイル)が低い位置にあるオイルシール15を介して第一収納室11に排出される(図2参照)。これにより、空気室内のオイルが第二収納室に排出される事態が抑制されるので、第一収納室11のオイルと第二収納室12のオイルとの混合が抑制される。また、空気室16に浸入したオイルが元の第一収納室11に還元されるので、第一収納室11内のオイルの減少(油面レベルの低下)が抑制される。
なお、この実施の形態では、軸孔14の空気室16が第一収納室11に連通するため、第一収納室11側のオイルシール15の摺動面がより低い位置に配置されている(図1参照)。しかし、これに限らず、空気室16が第二収納室12に連通する構成では、第二収納室12側のオイルシール15の摺動面がより低い位置に配置されることとなる(図示省略)。
また、この実施の形態では、空気室16の底部に油溜まり部19が形成されている(図2参照)。そして、第一収納室11から空気室16に浸入したオイルが、この油溜まり部19に貯留されている。これにより、空気室16から第二収納室12へのオイル(第一収納室11からのオイル)の流出がより確実に防止されている。
[オイルシールのポンプ構造]
なお、上記の構成では、低い高さ位置(第一収納室11側)にあるオイルシール15が、伝達軸10の正回転時にて、オイルを空気室16の内部から外部に押し出すポンプ構造を有することが好ましい(図4および図5参照)。かかるポンプ作用を有するオイルシール15には、公知のものが採用され得る。
例えば、この実施の形態では、オイルシール15が一様な断面形状を有する環状部材から成る(図5参照)。これらのオイルシール15は、その内周側にリップ先端部151、シールリップ部152およびダストリップ部153を有し、その外周側に嵌合部154を有する。リップ先端部151は、くさび型の断面形状を有し、オイルシール15の設置状態にて伝達軸10の外周面に付勢してオイルの流通を遮蔽する機能を有する。シールリップ部152は、例えば、エラストマーなどの柔軟性部材から成り、その頂部にリップ先端部151を有する。このシールリップ部152は、リップ先端部151を伝達軸10の外周面に付勢させる機能を有する。これにより、伝達軸10の振動やオイルの圧力変動が生じたときにも、リップ先端部151が伝達軸10の外周面に安定的に付勢される。なお、シールリップ部152は、その外周に嵌め合わされたバネ155により、伝達軸10への付勢力を付与される。ダストリップ部153は、リップ先端部151およびシールリップ部152に対して補助的に形成されたリップ部であり、リップ先端部151に対してオイルシール15の軸方向側方に配置されて、伝達軸10の外周面に当接する。嵌合部154は、オイルシール15の外周部を構成する。
また、オイルシール15は、その設置状態にて伝達軸10が回転したときに、オイルを一方向に押し出すポンプ面156を有する(図5参照)。このポンプ面156は、シールリップ部152に形成されたネジ面から成る。具体的には、シールリップ部152がくさび形状の内周面を有し、このシールリップ部152の片面(ダストリップ部153側の面)にネジ山が切られてネジ面が形成される。また、このネジ面がオイルシール15の全周に渡って形成される。
この駆動システム1では、オイルシール15が軸孔14の内周に嵌め合わされて固定され、このオイルシール15に伝達軸10が挿入されて設置される(図4参照)。このとき、伝達軸10の正回転時にて、ポンプ面156のポンプ作用が空気室16の内部から外部に向かうように配置される。例えば、一対のオイルシール15、15が第一収納室11側の軸孔14および第二収納室12側の軸孔14にそれぞれ配置される構成(図1参照)では、第一収納室11側のオイルシール15がポンプ面156のネジ面とダストリップ部153とを第一収納室11側に向けて配置される(図4参照)。また、第二収納室12側のオイルシール15がポンプ面156のネジ面とダストリップ部153とを第二収納室12側に向けて配置される。
かかる構成では、伝達軸10が正回転すると、ポンプ面156のポンプ作用により、リップ先端部151とダストリップ部153との間のオイルが空気室16の外部に向かって押し出される(図4参照)。具体的には、低い位置にある第一収納室11側のオイルシール15では、空気室16内のオイル(第一収納室11から連通部17を介して空気室16に浸入したオイル)が第一収納室11側に押し出されて還元される(図2参照)。また、高い位置にある第二収納室12側のオイルシール15では、第二収納室12から軸孔14に浸入してきたオイルが第二収納室12側に押し戻される(図示省略)。これにより、第一収納室11のオイルと第二収納室12のオイルとの混合が抑制される。
[連通孔と伝達軸との位置関係]
また、この駆動システム1では、空気室16における連通部17の開口部が伝達軸10の鉛直上方から外れた位置に配置されることが好ましい(図3参照)。例えば、この実施の形態では、連通部17の開口部と伝達軸10(軸孔14)とが、空気室16の内壁面上にて左右方向にずらされて配置されている。
かかる構成では、第一収納室から連通部に浸入したオイルが伝達軸に滴下する事態が抑制される。これにより、第一収納室からのオイルが伝達軸を伝って第二収納室に流入する事態が防止される。
なお、この実施の形態では、連通部17の開口部と伝達軸10の軸孔14とが、空気室16内にて同一壁面上に配置されている。しかし、これに限らず、連通部17の開口部が他の位置に配置されても良い(図示省略)。例えば、連通部17の開口部と伝達軸10の軸孔14とが空気室16内にて相互に異なる壁面(図3の左右の壁面)上に配置されることにより、連通部から浸入したオイルが空気室の壁面を伝って伝達軸の軸孔に至る事態が抑制され得る。
[効果]
以上説明したように、この駆動システム1では、無段変速機5と歯車機構(図示省略)とが伝達軸10を介してトルク伝達可能に連結された構成において、無段変速機5を収納する第一収納室11と歯車機構を収納する第二収納室12とが分離壁13を介して仕切られ、伝達軸10が分離壁13に形成された軸孔14に挿通されて無段変速機5と歯車機構とを連結し、伝達軸10と軸孔14との隙間が伝達軸10の軸方向に配列された一対のオイルシール15、15により封止される(油室分離構造)(図1参照)。そして、分離壁13が、一対のオイルシール15、15に区画されて成る軸孔14内の空気室16と、第一収納室11あるいは第二収納室12とを連通させる連通部17を有する。かかる構成では、空気室16に、第一収納室11あるいは第二収納室12のいずれか一方のみから空気が導入されるので、外気を空気室に導入する構成(例えば、特許文献1参照)と比較して、外気に含まれる水分が空気室に浸入する事態が防止される。これにより、無段変速機のオイルおよび歯車機構のオイルへの水分の混入が防止されて、オイル性能が適正に確保される利点がある。
また、この駆動システム1では、第一収納室11および第二収納室12のうち連通部17を介して空気室16に連通する収納室を連通収納室(この実施の形態では、第一収納室11)と呼ぶときに、一対のオイルシール15、15のうち連通収納室側にあるオイルシール15(図1中の左側にあるオイルシール15)と伝達軸10との摺動面の底部(高さH1)が、他方のオイルシール15と伝達軸10との摺動面の底部(高さH2)よりも低い位置(H1<H2)にある(図1参照)。かかる構成では、連通収納室内のオイルが連通部17を介して空気室16に浸入したときに、このオイルが低い位置にあるオイルシール15を介して元の連通収納室に排出される。これにより、空気室内のオイルが逆側の収納室(連通収納室でない側の収納室)に排出される事態が抑制されるので、第一収納室11のオイルと第二収納室12のオイルとの混合が抑制される利点がある。また、空気室16に浸入したオイルが元の連通収納室に還元されるので、連通収納室内のオイルの減少(油面レベルの低下)が抑制される利点がある。
また、上記の構成では、空気室16の底部に油溜まり部19が形成されることが好ましい(図2参照)。かかる構成では、第一収納室11から連通部17を介して空気室16に浸入したオイルが、この油溜まり部19に貯留される。これにより、空気室16から第二収納室12へのオイル(第一収納室11からのオイル)の流出がより確実に防止される利点がある。
また、上記の構成では、低い高さ位置(連通収納室側)にあるオイルシール15が、伝達軸10の正回転時にて、オイルを空気室16の内部から外部に押し出すポンプ構造を有することが好ましい(図2、図4および図5参照)。かかる構成では、空気室16に滞留したオイルがオイルシール15のポンプ作用により積極的に空気室16の外部に排出されて、元の連通収納室に還元される。これにより、第一収納室11のオイルと第二収納室12のオイルとの混合が効果的に抑制され、また、連通収納室内のオイルの減少が効果的に抑制される利点がある。
また、この駆動システム1では、空気室16における連通部17の開口部が伝達軸10の鉛直上方から外れた位置に配置される(図3参照)。かかる構成では、第一収納室から連通部に浸入したオイルが伝達軸に滴下する事態が抑制される。これにより、第一収納室からのオイルが伝達軸を伝って第二収納室に流入する事態が防止される利点がある。
以上のように、この発明にかかる駆動システムは、無段変速機のオイルおよび歯車機構のオイルへの水分の混入が防止できる点で有用である。
1 駆動システム、2 駆動装置、3 流体伝動装置、4 前後進切換装置、5 無段変速機、51 入力側回転部材、52 出力側回転部材、53 伝動部材、7 減速歯車機構、8 出力軸、10 伝達軸、11 第一収納室、12 第二収納室、13 分離壁、14 軸孔、15 オイルシール、151 リップ先端部、152 シールリップ部、153 ダストリップ部、154 嵌合部、155 バネ、156 ポンプ面、16 空気室、17 連通部、18 オイルカバー、19 油溜まり部

Claims (2)

  1. 無段変速機と歯車機構とが伝達軸を介してトルク伝達可能に連結された駆動システムであって、
    前記無段変速機を収納する第一収納室と前記歯車機構を収納する第二収納室とが分離壁を介して仕切られ、前記伝達軸が前記分離壁に形成された軸孔に挿通されて前記無段変速機と前記歯車機構とを連結し、前記伝達軸と前記軸孔との隙間が前記伝達軸の軸方向に配列された一対のオイルシールにより封止される油室分離構造を備え、
    前記分離壁が、一対の前記オイルシールに区画されて成る前記軸孔内の空気室と前記第一収納室および前記第二収納室のいずれか一方とを連通させる連通部を有し、且つ、
    前記第一収納室および前記第二収納室のうち前記連通部を介して前記空気室に連通する収納室を連通収納室と呼ぶときに、
    一対の前記オイルシールのうち前記連通収納室側にあるオイルシールと前記伝達軸との摺動面の底部が、他方の前記オイルシールと前記伝達軸との摺動面の底部よりも低い位置にあるすることを特徴とする駆動システム。
  2. 前記空気室における前記連通部の開口部が前記伝達軸の鉛直上方から外れた位置に配置される請求項1に記載の駆動システム。
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