JP5256978B2 - 翼の振動計測方法及び振動計測装置 - Google Patents

翼の振動計測方法及び振動計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、翼の振動計測方法及び振動計測装置に関わり、特に回転時の翼の振動計測方法及び振動計測装置に関する。
従来から、装置等の設計をするにあたり、振動源の近傍に配置される物体の固有振動数と上記振動源の発する振動周波数とが一致しないようにすることが行われている。これは、固有振動数と振動周波数とが一致した場合には共振を起こしやすくなり、共振が発生すると上記物体を破損する虞があるためである。そこで、予め上記物体の固有振動数を計測することが必要となる。
ここで、特許文献1には、振動源に一体的に接続された物体に圧電素子等の振動計測器を設置して物体の固有振動数を計測する方法が開示されている。
特開昭62−288534号公報(第6頁、第1図)
ところが、物体がタービンの翼等の回転体である場合は、回転中の翼は遠心力等の影響を受けることから、回転中の翼の固有振動数は停止時の固有振動数とは異なったものとなる。そこで、翼が回転している状態で上記翼の振動を計測する必要がある。
しかし、例えばタービンの翼に振動計測器を設置して回転中の翼の振動を計測すると、振動計測器に働く遠心力が翼に影響し回転中の翼の振動を変化させることから、回転中の翼の固有振動数を正しく計測できないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来の技術では計測することが困難であった回転時の翼の固有振動数を計測することができる振動計測方法及び振動計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、回転時の翼の振動特性を翼の振動に伴って生じる気体振動により計測する第1工程と、計測した振動特性に基づいて翼の固有振動数を求める第2工程と、を備えるという方法を採用する。
このような方法を採用する本発明では、回転時の翼の振動に伴って生じる気体振動により翼の振動特性を計測するため、翼の周辺に振動計測器を配置して回転時の翼の振動特性を計測することができる。また、本発明では、計測した振動特性に基づいて回転時の翼の固有振動数を求めることができる。
また、本発明は、計測した振動特性をドップラー効果の原理を用いて数値演算することにより翼の固有振動数を求めるという方法を採用する。
このような方法を採用する本発明では、計測対象である翼が回転していることから、ドップラー効果により振動計測器が本来の翼の振動とは異なった周波数の振動特性を計測するのであるが、ドップラー効果の原理を用いて数値演算することにより回転時の翼の正確な固有振動数を求めることができる。
また、本発明は、翼が流体の流動圧により回転する翼であって、翼における上流側の所定の箇所及び下流側の所定の箇所の振動に伴って生じる気体振動を各々計測するという方法を採用する。
このような方法を採用する本発明では、上流側及び下流側の流体の流動圧の違いにより各々の箇所における翼の固有振動数が異なる場合にも、各々の箇所の固有振動数を計測することができる。
また、本発明は、指向性を有する集音装置を用いて振動特性を計測するという方法を採用する。
このような方法を採用する本発明では、回転時の翼の振動に伴って生じる気体振動を集音装置を用いて計測することから、翼の周辺に振動計測器を配置して回転時の翼の振動特性を計測することができる。また、本発明では、集音装置における集音利得の大きな部分を翼の振動測定箇所に向けることで翼の振動特性のみを重点的に計測することができ、不要なノイズ等の影響を減少させることができる。
また、本発明は、回転時の翼の振動特性を翼の振動に伴って生じる気体振動により計測する計測装置と、計測した振動特性に基づいて翼の固有振動数を求める演算装置と、を備えるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、まず、回転時の翼の振動に伴って生じる気体振動により翼の振動特性を計測するため、翼の周辺に振動計測器を配置して回転時の翼の振動特性を計測することができる。次に、本発明では、計測した振動特性に基づいて回転時の翼の固有振動数を求めることができる。
また、本発明は、演算装置が振動特性をドップラー効果の原理を用いて数値演算することにより翼の固有振動数を求めるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、計測対象である翼が回転していることから、ドップラー効果により振動計測器が本来の翼の振動とは異なった周波数の振動特性を計測するのであるが、ドップラー効果の原理を用いて数値演算することにより回転時の翼の正確な固有振動数を求めることができる。
また、本発明は、翼は流体の流動圧により回転する翼であって、計測装置が翼における上流側の所定の箇所及び下流側の所定の箇所の振動に伴って生じる気体振動を各々計測するという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、上流側及び下流側の流体の流動圧の違いにより各々の箇所における翼の固有振動数が異なる場合にも、各々の箇所の固有振動数を計測することができる。
また、本発明は、計測装置が指向性を有する集音装置を備えるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、回転時の翼の振動に伴って生じる気体振動を集音装置を用いて計測することから、翼の周辺に振動計測器を配置して回転時の翼の振動特性を計測することができる。また、本発明では、集音装置における集音利得の大きな部分を翼の振動測定箇所に向けることで翼の振動特性のみを重点的に計測することができ、不要なノイズ等の影響を減少させることができる。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
本発明によれば、従来の技術では計測することが困難であった回転時の翼の固有振動数を計測することができるという効果がある。
以下、本発明の一実施形態に係るターボチャージャにおけるタービン翼の振動計測方法及び振動計測装置を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態における振動計測装置Mの全体構成を示す概略図、図2は、本実施形態におけるターボチャージャXの全体構成を示す概略図、図3は、図2における可変ノズルユニット8周辺の拡大図である。なお、上記図面中の矢印Fは前方向を示す。
まず、本実施形態における振動計測装置Mの全体構成を、図1を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態における振動計測装置Mは、ターボチャージャXに設けられた回転体であるタービンインペラ53(図2参照)の翼部(翼)54(図2参照)の固有振動数を計測するためのものである。振動計測装置Mは、複数の計測器からなる計測装置1と、複数の演算処理部を有する演算装置2と、演算装置2の演算結果を表示する表示部3とを備えている。
なお、ターボチャージャXは、不図示のエンジンから導かれる排気ガスのエネルギーを利用してエンジンに供給される空気を過給する可変容量型のターボチャージャである。
計測装置1は、気体振動すなわち気体内を伝搬する音を計測する第1集音装置11及び第2集音装置12と、第1集音装置11近傍の気体温度を計測する第1温度計測器13と、第2集音装置12近傍の気体温度を計測する第2温度計測器14と、タービンインペラ53の回転速度を計測する回転計測器15とを有している。
第1集音装置11及び第2集音装置12は、いわゆるマイクロフォンであり、ターボチャージャX内の温度下で使用できるものが選択される。回転計測器15は、凡そ200000min−1までの回転速度を計測することができる計測器である。
演算装置2は、時間軸上での振動特性を周波数領域での振動特性に変換する高速フーリエ変換処理部(以下FFT処理部)21と、周波数領域での振動特性からノイズ成分を除去するノイズ除去部23と、ノイズ除去された振動特性に基づいて翼部54の固有振動数を算出する演算処理部25とを有している。なお、演算装置2は、上記処理部の各々又は2つの処理機能を有する単独の処理装置により構成されていてもよい。
FFT処理部21は、第1集音装置11及び第2集音装置12が計測した回転時における翼部54の時間軸上での振動特性を、周波数領域での振動特性に変換する処理部である。
ノイズ除去部23は、FFT処理部21の変換処理により得られる周波数領域での振動特性から、翼部54の振動に伴って生じる音以外の音を不要なノイズとして除去する処理部である。
演算処理部25は、ノイズ除去部23によりノイズの除去された周波数領域での振動特性並びに第1温度計測器13、第2温度計測器14及び回転計測器15が計測した結果からドップラー効果の原理を用いて翼部54の固有振動数を算出する処理部である。なお、算出方法の詳細は後述する。
次に、固有振動数の計測対象であるタービンインペラ53が設けられたターボチャージャXの全体構成を、図2に基づいて説明する。
図2に示すように、ターボチャージャXは、軸受けハウジング5と、軸受けハウジング5の前側周縁部に締結ボルト5aにより接続されるタービンハウジング6と、軸受けハウジング5の後側周縁部に締結ボルト5bにより接続されるコンプレッサハウジング7とを備えている。
軸受けハウジング5内には、前後方向で延びるタービン軸51が複数のベアリング52を介して回転自在に支持されている。タービン軸51の前端部にはタービンインペラ53が一体的に連結され、後端部にはコンプレッサインペラ55が一体的に連結されている。
タービンインペラ53は、略円錐状部材の斜面から径方向外側に向かって複数の翼部(翼)54が立設した形状を呈しており、タービンハウジング6内に設置されている。コンプレッサインペラ55は、タービンインペラ53と同様の形状を呈しており、コンプレッサハウジング7内に設置されている。
また、タービンインペラ53の前側にはタービンインペラ53の回転速度を計測するための回転計測器15が設置されている。
タービンハウジング6内かつタービンインペラ53の径方向外側には、環状を呈する可変ノズルユニット8が設置されている。
タービンハウジング6は、タービンインペラ53の径方向外側に設けられるタービンスクロール流路61と、排気ガスの排気口であるタービンハウジング出口62とを有している。
タービンスクロール流路61は、タービンインペラ53を囲んで略環状に形成され、不図示のエンジンにおける排気口に連結されている。また、タービンスクロール流路61は、可変ノズルユニット8内のノズル流路8Aと連通している。
タービンハウジング出口62は、タービンハウジング6の前側に向けて開口しており、タービンインペラ53の設置箇所を介してノズル流路8Aと連通している。
コンプレッサハウジング7には、後側に開口する吸気口71が形成されている。また、軸受けハウジング5とコンプレッサハウジング7との間には、空気を圧縮して昇圧するディフューザ流路72がコンプレッサインペラ55の径方向外側で略環状に形成されている。また、ディフューザ流路72は、コンプレッサインペラ55の設置箇所を介して吸気口71と連通している。
さらに、コンプレッサハウジング7は、コンプレッサインペラ55の径方向外側で略環状を呈するコンプレッサスクロール流路73を有しており、コンプレッサスクロール流路73は、ディフューザ流路72と連通している。なお、コンプレッサスクロール流路73は、不図示のエンジンにおける吸気口と連結されている。
次に、可変ノズルユニット8の構成を、図2及び図3に基づいて説明する。
図3に示すように、可変ノズルユニット8は、タービンハウジング6側に設置されるシュラウドリング81と、シュラウドリング81に対向して軸受けハウジング5側に設置されるノズルリング82と、シュラウドリング81とノズルリング82との間に保持される複数のノズルベーン83とを有している。なお、ノズル流路8Aは、シュラウドリング81とノズルリング82との間に形成されている。
シュラウドリング81は、略リング状に形成された板状部材の内周縁部に略円筒状を呈する部材がタービンハウジング出口62側に延出して接続された形状を呈している。また、シュラウドリング81は、気体振動を計測する第1集音装置11及び第2集音装置12と、気体温度を計測する第1温度計測器13及び第2温度計測器14とを有している。
第1集音装置11は、翼部54のノズルユニット8側における上流側端部(上流側の所定の箇所)54Aに対向してシュラウドリング81の部材内部に設置されている。第1温度計測器13は、第1集音装置11の近傍でシュラウドリング81の部材内部に設置されている。第2集音装置12は、翼部54のタービンハウジング出口62側における下流側端部(下流側の所定の箇所)54Bに対向してシュラウドリング81の部材内部に設置されている。第2温度計測器14は、第2集音装置12の近傍でシュラウドリング81の部材内部に設置されている。
なお、第1集音装置11及び第2集音装置12は、何れも指向性を有しており、集音利得の高い部分を計測対象に向けることで、計測対象以外の部分からの音を相対的に低減させることができる。
また、シュラウドリング81とタービンハウジング6との間に形成される隙間Sからの排気ガスの漏出を防止するために、シュラウドリング81の上記円筒部の外周面とタービンハウジング6の内周面との間には2枚のCリングからなるシール部S1を有している。
図2に示すように、シュラウドリング81及びノズルリング82は、複数の連結ピン84を介して所定の間隔を形成するように連結されている。なお、連結ピン84は、シュラウドリング81に貫入し、ノズルリング82を貫通して後側に突出している。
ノズルリング82の後側には、取付リング85が連結ピン84を介して一体的に設けられており、取付リング85の外周縁部は軸受けハウジング5とタービンハウジング6とにより挟持されて支持されている。すなわち、ノズルリング82は、取付リング85を介して軸受けハウジング5及びタービンハウジング6に支持されている。
ノズルベーン83は、タービンインペラ53の回転軸と平行な軸回りに各々回転自在に、シュラウドリング81とノズルリング82との間に周方向で等間隔に複数設けられている。
また、各ノズルベーン83は、略矩形状を呈する板状部材であり、ノズルベーン83の一辺から前側に突出する第1ベーン軸83Aと上記一辺の対辺から後側に突出する第2ベーン軸83Bとを有している。第1ベーン軸83Aは、シュラウドリング81に回転自在に貫入しており、第2ベーン軸83Bは、ノズルリング82に回転自在に貫通しノズルリング82の後側に突出している。
可変ノズルユニット8の後側には、各ノズルベーン83を同期して回転させるための同期機構9が設けられている。
同期機構9は環状を呈しており、各ノズルベーン83の第2ベーン軸83Bと各々連結されている。また、同期機構9は、同期機構9を作動させるための不図示のシリンダ等のアクチュエータに駆動軸91及び駆動レバー92を介して連結されている。
続いて、本実施形態に係る振動計測装置Mの動作を説明する。
まず、ターボチャージャXへ導入された排気ガスがタービンインペラ53を回転させることで、エンジンに供給される空気が過給される動作について説明する。
エンジンの排気口から排出された排気ガスは、まず、タービンスクロール流路61に導入され、次に、ノズル流路8Aに導入される。
この時、ターボチャージャXに導入される排気ガスの流量はエンジンの回転数に比例するため、同期機構9及び不図示のアクチュエータが作動することでエンジンの回転数に応じて各ノズルベーン83を回転させ、ノズル流路8Aの開口面積を変化させる。この開口面積の変化によりノズル流路8Aを通る排気ガスの流量は調節され、結果として低回転域から高回転域までの広い範囲に亘りエンジンの性能向上を図ることができる。
ノズル流路8Aを通った排気ガスは、タービンインペラ53の設置箇所に導入され、タービンインペラ53を回転させる。その後、排気ガスは、タービンハウジング出口62から排出される。
タービンインペラ53は、タービン軸51を介してコンプレッサインペラ55と連結されているため、タービンインペラ53が回転することでコンプレッサインペラ55が回転する。
コンプレッサインペラ55の回転により、吸気口71から空気が吸引され、吸引された空気はディフューザ流路72に供給される。また、上記空気は、ディフューザ流路72を通ることで圧縮され昇圧される。昇圧された空気はコンプレッサスクロール流路73を通ってエンジンの吸気口に供給される。結果としてエンジンに空気を過給し、エンジンの出力を向上させることができる。
以上でターボチャージャXの過給動作は終了する。
次に、振動計測装置Mが回転時における翼部54の固有振動数を計測する動作について図4及び図5を参照して説明する。
図4は、第1集音装置11とタービンインペラ53との位置関係を示す正面図であり、図5は、第1集音装置11が計測した回転時の翼部54における上流側端部54Aの周波数領域での振動特性を示す概略図である。
計測動作は、まず、タービンインペラ53の回転時に翼部54の振動特性等を計測する工程(第1工程)を行い、次に、上記計測結果から固有振動数を求める工程(第2工程)を行う。以下、各工程について説明する。
まず、振動特性等を計測する工程について説明する。
排気ガスがターボチャージャXのタービンインペラ53の設置箇所に導入され、タービンインペラ53が回転する。
この時、タービンインペラ53の翼部54には回転に伴う振動が加わると共に、翼部54の上流側端部54A及び下流側端部54Bには排気ガスから異なる流動圧を受けているため、上流側端部54A及び下流側端部54Bは各々一定の振動周波数すなわち固有振動数で振動している。
そして、翼部54における上流側端部54A及び下流側端部54Bの振動が周囲の気体を振動させ、この気体振動を第1集音装置11及び第2集音装置12が各々計測する。また、第1温度計測器13が上流側端部54A周囲の気体温度を計測し、第2温度計測器14が下流側端部54B周囲の気体温度を計測する。さらに、回転計測器15がタービンインペラ53の回転速度を計測する。
次に、得られた計測結果から固有振動数を求める工程について説明する。
まず、翼部54における上流側端部54Aの固有振動数f01を求める工程について説明する。
図4に示すように、第1集音装置11はタービンインペラ53の径方向外側に配置されており、振動源である翼部54は円運動しているため、翼部54の上流側端部54Aは第1集音装置11に対して接近する、遠ざかる又は第1集音装置11との距離が変化しない方向に移動する等様々な方向に移動している。したがって、上流側端部54Aが一定の振動周波数で振動していたとしても、第1集音装置11は上流側端部54Aの本来の振動特性だけでなく、いわゆるドップラー効果により振動周波数が変化した振動特性も計測する。
なお、タービンインペラ53は紙面反時計回りに回転し、第1集音装置11から翼部54における上流側端部54Aの外周面までの接線を引いた場合に、第1集音装置11の紙面右側の接線と上流側端部54Aの外周面との交点を第1計測点H、第1集音装置11の紙面左側の接線と上流側端部54Aの外周面との交点を第2計測点Lとする。
より詳細に見れば、第1計測点Hにおける上流側端部54Aは接線方向で第1集音装置11に向かって移動しているため、第1計測点Hにおいて発生した気体振動が最も高い振動周波数も有するものとして第1集音装置11に計測される。また、同じく詳細に見れば、第2計測点Lにおける上流側端部54Aは接線方向で第1集音装置11から遠ざかって移動しているため、第2計測点Lにおいて発生した気体振動が最も低い振動周波数も有するものとして第1集音装置11に計測される。
ここで、翼部54における上流側端部54Aの周速をV、上流側端部54A周囲の気体温度での音速をc、上流側端部54Aの固有振動数をf01、第1計測点Hにおいて発生した振動が第1集音装置11にて計測された場合の振動周波数をfH1、第2計測点Lにおいて発生した振動が第1集音装置11にて計測された場合の振動周波数をfL1とすると、ドップラー効果の原理により以下の2式の関係が各々成立する。なお、第1集音装置11は移動せず、一定の位置に存している。
Figure 0005256978
Figure 0005256978
そして、翼部54が円運動をしていることから、翼部54の上流側端部54Aは第1集音装置11に対して接近及び遠ざかる運動を連続的かつ周期的に行っている。したがって、第1集音装置11が計測する上流側端部54Aの振動特性にはfL1からfH1までの全ての振動周波数の振動特性が含まれていることになる。
第1集音装置11が計測した上流側端部54Aの振動特性は時間軸上での振動特性であるため、これを演算装置2のFFT処理部21により周波数領域での振動特性に変換する。なお、計測した振動特性には上流側端部54Aの振動に伴って生じた気体振動以外のノイズ成分が混入しているため、ノイズ除去部23により上記ノイズ成分を除去する。
図5に示すように、周波数領域での振動特性は、特定の2つの周波数の間に周波数スペクトルが隙間無く存在するものとなる。ここで、第1計測点Hから得られた振動の周波数が最も高く(fH1)、第2計測点Lから得られた振動の周波数が最も低いため(fL1)、図5において最も高い周波数がfH1、最も低い周波数がfL1となる。
また、[数1]及び[数2]を変換すると、以下の2式が得られる。
Figure 0005256978
Figure 0005256978
そして、演算処理部25により[数3]又は[数4]に振動計測等の計測データを代入することで固有振動数を算出する。
まず、第1温度計測器13が計測した気体温度から、上記温度下での音速cを算出する。また、回転計測器15が計測したタービンインペラ53の回転速度及び翼部54における上流側端部54Aの径より上流側端部54Aでの周速Vを算出する。
音速c、周速V及びfH1を[数3]に、又は、音速c、周速V及びfL1を式[数4]に代入することで翼部54における上流側端部54Aの固有振動数f01を算出することができる。すなわち、fH1又はfL1のいずれか一方を計測し、音速c及び周速Vを算出すれば、[数3]又は[数4]のいずれか一方の数式を用いて固有振動数f01を算出することができる。
また、[数3]及び[数4]から、[数5]を得ることができる。
Figure 0005256978
H1及びfL1を計測し、[数5]に代入することで固有振動数f01を算出することができる。すなわち、音速c及び周速Vを算出せずともfH1及びfL1を計測すれば、固有振動数f01を算出することができる。
一方、翼部54の下流側端部54Bにおける固有振動数f02についても、上流側端部54Aにおける固有振動数f01の算出と同様の方法を使用して算出することができる。
ここで、下流側端部54Bでの周速V、下流側端部54B周囲の気体温度における音速をc、下流側端部54Bの固有振動数をf02、ドープラー効果により固有振動数f02が高い振動数として計測されたものをfH2、低い振動数として計測されたものをfL2とすると以下の2式の関係が各々成立する。
Figure 0005256978
Figure 0005256978
また、[数6]及び[数7]を変換すると、以下の2式が得られる。
Figure 0005256978
Figure 0005256978
第2集音装置12が、翼部54における下流側端部54Bの振動特性を計測し、上記振動特性から最も高い振動周波数を有するfH2と最も低い周波数を有するfL2を算出する。また、第2温度計測器14が計測した気体温度から、上記温度下での音速cを算出する。さらに、回転計測器15が計測したタービンインペラ53の回転速度及び翼部54における下流側端部54Bの径より下流側端部54Bでの周速Vを算出する。
音速c、周速V及びfH2を[数8]に、又は、音速c、周速V及びfL2を[数9]に代入することで翼部54における下流側端部54Bの固有振動数f02を算出することができる。すなわち、fH2又はfL2のいずれか一方を計測し、音速c及び周速Vを算出すれば、[数8]又は[数9]のいずれか一方の数式を用いて固有振動数f02を算出することができる。
また、[数8]及び[数9]から、[数10]を得ることができる。
Figure 0005256978
H2及びfL2を計測し、[数10]に代入することで固有振動数f02を算出することができる。すなわち、音速c及び周速Vを算出せずともfH2及びfL2を計測することで、固有振動数f02を算出することができる。
以上で、翼部54の上流側端部54A及び下流側端部54Bにおける各々の固有振動数の算出が完了する。
したがって、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、従来の技術では計測することが困難であった回転時の翼部54の固有振動数を計測することができるという効果がある。
なお、前述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、タービンインペラ53における翼部54の固有振動数を計測しているが、本実施形態はかかる計測対象に限定されるものではなく、例えばコンプレッサインペラ55における翼部の固有振動数を計測してもよい。
また、本実施形態はターボチャージャXの翼部に限定されるものではなく、例えば飛行機のプロペラや送風機の回転翼等の固有振動数を計測するために使用してもよい。
本実施形態における振動計測装置Mの全体構成を示す概略図である。 本実施形態におけるターボチャージャXの全体構成を示す概略図である。 図2における可変ノズルユニット8周辺の拡大図である。 第1集音装置11とタービンインペラ53との位置関係を示す正面図である。 第1集音装置11が計測した回転時の翼部54における上流側端部54Aの周波数領域での振動特性を示す概略図である。
符号の説明
M…振動計測装置、1…計測装置、2…演算装置、11…第1集音装置、12…第2集音装置、54…翼部(翼)

Claims (6)

  1. 回転時の翼の振動特性を前記翼の振動に伴って生じる気体振動により計測する第1工程と、計測した前記振動特性に基づいて前記翼の固有振動数を求める第2工程と、を備え
    前記第2工程では、計測した前記振動特性をドップラー効果の原理を用いて数値演算することにより前記翼の固有振動数を求めることを特徴とする翼の振動計測方法。
  2. 前記翼は流体の流動圧により回転する翼であって、前記第1工程では、前記翼における上流側の所定の箇所及び下流側の所定の箇所の振動に伴って生じる気体振動を各々計測することを特徴とする請求項1記載の翼の振動計測方法。
  3. 前記第1工程では、指向性を有する集音装置を用いて前記振動特性を計測することを特徴とする請求項1または2に記載の翼の振動計測方法。
  4. 回転時の翼の振動特性を前記翼の振動に伴って生じる気体振動により計測する計測装置と、計測した前記振動特性に基づいて前記翼の固有振動数を求める演算装置とを備え、
    前記演算装置は、計測した前記振動特性をドップラー効果の原理を用いて数値演算することにより前記翼の固有振動数を求めることを特徴とする翼の振動計測装置。
  5. 前記翼は流体の流動圧により回転する翼であって、前記計測装置は、前記翼における上流側の所定の箇所及び下流側の所定の箇所の振動に伴って生じる気体振動を各々計測することを特徴とする請求項4記載の翼の振動計測装置。
  6. 前記計測装置は、指向性を有する集音装置を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の翼の振動計測装置。
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