JP5256977B2 - ターボチャージャ - Google Patents
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Description
ここで、特許文献1には、可変容量型のターボチャージャが開示されている。
また、ターボチャージャは、各ノズルベーンを同期して回転駆動させるための同期機構を有している。
同期機構は、各ノズルベーンを同期して回転駆動させるための駆動リングと、駆動リングに接続され駆動リングを回転させる駆動軸と、駆動軸を回転自在に保持する軸受と、駆動リングと接続された駆動軸の一端部に対する他端部に接続され駆動軸の軸方向と略直交する方向に延びる駆動レバーと、駆動レバーに接続され同期機構を作動させるためのシリンダ等のアクチュエータとを有している。
なお、駆動レバーは、駆動軸の軸方向と略直交する方向に延びるレバー本体と、駆動軸の軸方向に沿ってレバー本体から駆動軸と逆側に突出する第2駆動軸とを有しており、アクチュエータは第2駆動軸に接続されている。
すなわち、レバー本体と第2駆動軸とは略L字状を呈し、第2駆動軸はレバー本体の駆動軸と逆側に突出して接続されることから、第2駆動軸を介してアクチュエータをレバー本体に取り付ける作業においては一定の作業空間が必要となり、この作業空間の確保のためにターボチャージャを小型化することが難しいという問題があった。
本発明のターボチャージャは、回転により複数の翼を同期して駆動する駆動リングと、一方向に延びて駆動リングに接続され駆動リングを回転させる駆動軸と、駆動軸を回転自在に保持する軸受と、駆動軸の一端側に設けられ上記一方向と略直交する方向に延びてアクチュエータに接続される駆動レバーとを備えるターボチャージャであって、軸受は、前記駆動レバーに前記一方向で対向する対向面に向けてテーパが形成された円筒状を呈し、アクチュエータと駆動レバーとの接続部は、上記一方向に関して軸受が駆動軸を保持する保持範囲であって且つ前記テーパの形成範囲に位置して設けられるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、アクチュエータ等は従来と同様の構成を採用しつつ、第2駆動軸を介してアクチュエータをレバー本体に取り付けるために必要な作業空間を縮小させ、アクチュエータの作動による駆動軸を軸受の内部で傾ける力の発生を防ぐことができる。
本発明によれば、ターボチャージャを小型化でき、軸受と駆動軸との間からの排気ガスの漏出並びに軸受及び駆動軸の局所的な摩耗を防止することができるという効果がある。
図1は、本実施形態におけるターボチャージャ1の全体構成を示す概略図、図2は、本実施形態における同期機構6の背面図、図3は、本実施形態における駆動軸65周辺の拡大図である。なお、上記図面中の矢印Fは前方向を示す。
図1に示すように、本実施形態におけるターボチャージャ1は、不図示のエンジンから導かれる排気ガスのエネルギーを利用してエンジンに供給される空気を過給する可変容量型のターボチャージャである。
ターボチャージャ1は、軸受けハウジング2と、軸受けハウジング2の前側周縁部に締結ボルト2aにより接続されるタービンハウジング3と、軸受けハウジング2の後側周縁部に締結ボルト2bにより接続されるコンプレッサハウジング4とを備えている。
タービンスクロール流路31は、タービンインペラ23を囲んで略環状に形成され、排気ガスを導入するための不図示のガス流入口と連通している。また、タービンスクロール流路31は、可変ノズルユニット5内のノズル流路5Aと連通している。なお、上記ガス流入口は不図示のエンジンにおける排気口に接続されている。
タービンハウジング出口32は、タービンハウジング3の前側に開口しており、タービンインペラ23の設置箇所を介してノズル流路5Aと連通している。また、タービンハウジング出口32は、不図示の排気ガス浄化装置に接続されている。
さらに、コンプレッサハウジング4は、コンプレッサインペラ24の径方向外側で略環状に形成されるコンプレッサスクロール流路43を有しており、コンプレッサスクロール流路43は、ディフューザ流路42と連通している。なお、コンプレッサスクロール流路43は、不図示のエンジンにおける吸気口と連通している。
ノズルリング52の後側には、取付リング58が連結ピン57を介して一体的に設けられており、取付リング58の外周縁部は、軸受けハウジング2とタービンハウジング3とにより挟持されて支持されている。すなわち、ノズルリング52は、取付リング58を介して軸受けハウジング2及びタービンハウジング3に支持されている。
また、各ノズルベーン53は、略矩形を呈する板状部材であり所定の一辺からその対辺に向かうに従って漸次厚みが減少するように形成されているノズルベーン本体(翼)54と、ノズルベーン本体54の上記一辺に直交する一側面から前側に突出する第1ベーン軸55と、上記一側面に対向する側面から後側に突出する第2ベーン軸56とを有している。
第1ベーン軸55は、シュラウドリング51の第1孔部51aに回転自在に貫入しており、第2ベーン軸56は、ノズルリング52の第2孔部52aに回転自在に貫通しノズルリング52の後側に突出している。
図1に示すように、可変ノズルユニット5の後側には、各ノズルベーン53を同期して回転させるための同期機構6が設けられている。
また、駆動リング62の内周縁部には、同期用係合凹部62aの他に駆動用係合凹部62bが形成されている。駆動用伝達リンク64の一端部は駆動用係合凹部62bに係合し、他端部は駆動軸65に一体的に連結している。
駆動レバー67は、前後方向と略直交する方向に延びる部材であるレバー本体67Aと、前後方向に沿って延びる部材である第2駆動軸67Bとを有している。レバー本体67Aは、駆動用伝達リンク64と連結している駆動軸65の一端側に対する他端側に一体的に連結されている。第2駆動軸67Bは、駆動軸65と連結しているレバー本体67Aの一端側に対する他端側に設けられ、レバー本体67Aから駆動軸65側に突出している。なお、駆動軸65、レバー本体67A及び第2駆動軸67Bは、略コ字状に設けられている。
まず、ターボチャージャ1の排気ガスのエネルギーを利用してエンジンに供給される空気を過給する動作について説明する。
この時、エンジンの回転数、すなわち、ノズル流路5Aに導入される排気ガスの流量に応じてアクチュエータ70及び同期機構6の作動により各ノズルベーン53を回転させ、ノズル流路5Aの開口面積を変化させる。この開口面積の変化によりノズル流路5Aを通る排気ガスの流量は調節され、結果として低回転域から高回転域までの広い範囲に亘りエンジンの性能向上を図ることができる。
ノズル流路5Aを通った排気ガスは、タービンインペラ23の設置箇所に導入され、タービンインペラ23を回転させる。その後、排気ガスはタービンハウジング出口32より排出される。
コンプレッサインペラ24の回転により、吸気口41から導入された空気がディフューザ流路42に供給される。空気は、ディフューザ流路42を通ることで圧縮され昇圧される。昇圧された空気は、コンプレッサスクロール流路43を通ってエンジンの吸気口に供給される。結果として、エンジンに空気を過給し、エンジンの出力を向上させることができる。
以上で、ターボチャージャ1の過給動作は終了する。
図3に示すように、第2駆動軸67Bは、レバー本体67Aの駆動軸65側すなわち前側の面から突出して設けられているため、レバー本体67Aの前側周辺の作業空間は必要であるが、レバー本体67Aの後側周辺の作業空間は従来のターボチャージャに比べ縮小してよい。したがって、軸受ハウジング2を前後方向で縮小すること等が可能になり、ターボチャージャ1を小型化できる。
図4は、アクチュエータ70の作動による駆動軸65及び軸受66に作用する力について示した概略図であり、(a)は本実施形態における概略図、(b)は従来の構成における概略図である。
なお、図4(a)に示すように、アクチュエータ70の作動による力の作用線は上記保持範囲における紙面右寄りであるため、軸受66の紙面右端部に作用する力は紙面左端部に作用する力よりも大きいものとなる。
したがって、駆動軸65は軸受66の内部で紙面時計回りに傾き、軸受66の両端部が駆動軸65を支持することになる。結果として、従来のターボチャージャにおいては、排気ガスが駆動軸65と軸受66との間の隙間から漏出する虞や、駆動軸65及び軸受66に局所的な摩耗が発生する虞がある。
本実施形態では、ターボチャージャ1を小型化でき、駆動軸65と軸受66との間からの排気ガスの漏出並びに駆動軸65及び軸受66の局所的な摩耗を防止することができるという効果がある。
Claims (2)
- 回転により複数の翼を同期して駆動する駆動リングと、一方向に延びて前記駆動リングに接続され前記駆動リングを回転させる駆動軸と、前記駆動軸を回転自在に保持する軸受と、前記駆動軸の一端側に設けられ前記一方向と略直交する方向に延びてアクチュエータに接続される駆動レバーとを備えるターボチャージャであって、
前記軸受は、前記駆動レバーに前記一方向で対向する対向面に向けてテーパが形成された円筒状を呈し、
前記アクチュエータと前記駆動レバーとの接続部は、前記一方向に関して前記軸受が前記駆動軸を保持する保持範囲であって且つ前記テーパの形成範囲に位置して設けられることを特徴とするターボチャージャ。 - 前記駆動レバーは、前記一方向と略直交する方向に延びるレバー本体と、前記駆動軸の他端側に向け前記一方向に延びて前記アクチュエータと接続される第2駆動軸とを有し、
前記駆動軸、前記レバー本体及び前記第2駆動軸が略コ字状に設けられることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。
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