JP5256507B2 - 多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置 - Google Patents

多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5256507B2
JP5256507B2 JP2011284808A JP2011284808A JP5256507B2 JP 5256507 B2 JP5256507 B2 JP 5256507B2 JP 2011284808 A JP2011284808 A JP 2011284808A JP 2011284808 A JP2011284808 A JP 2011284808A JP 5256507 B2 JP5256507 B2 JP 5256507B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
multilayer preform
multilayer
light
preform
intermediate layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011284808A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013134163A (ja
Inventor
淳一 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Group Holdings Ltd filed Critical Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Priority to JP2011284808A priority Critical patent/JP5256507B2/ja
Priority to PCT/JP2012/007138 priority patent/WO2013099086A1/ja
Publication of JP2013134163A publication Critical patent/JP2013134163A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5256507B2 publication Critical patent/JP5256507B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
    • G01N21/88Investigating the presence of flaws or contamination
    • G01N21/90Investigating the presence of flaws or contamination in a container or its contents
    • G01N21/9081Inspection especially designed for plastic containers, e.g. preforms
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
    • G01N21/88Investigating the presence of flaws or contamination
    • G01N21/95Investigating the presence of flaws or contamination characterised by the material or shape of the object to be examined
    • G01N21/958Inspecting transparent materials or objects, e.g. windscreens

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、多層構造を有した多層プリフォームにおける中間層の存否を検査する多層プリフォーム検査方法、及び、その検査に用いる多層プリフォーム検査装置に関し、特に、多層プリフォームにおける中間層の存否だけでなく、その中間層の上端部又は下端部が所定の許容範囲内に位置しているか否かについても判定可能とする多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置に関する。
従来、PETボトルに代表されるプラスチック容器の材料コストを削減するなどの目的で、容器の薄肉軽量化が図られている。そして、このような薄肉軽量化に伴う内容物の保存性の低下を補うために、または、内容物の保存性をより向上させるために、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンセバカミド等のキシリレン基含有ポリアミド樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体などのガスバリア性樹脂や、環状オレフィン系樹脂などの水蒸気バリア性樹脂からなる中間層(バリア層)が、ポリエステル系樹脂からなる内外層の間に設けられた多層構造の容器も知られている。
しかしながら、本出願人が鋭意検討を重ねたところ、そのような薄肉軽量化された多層構造の容器は、単層の容器に比べて、落下衝撃などにより層間剥離や割れが生じやすいという知見を得るに至った。
そこで、本出願人は、中間層の下端部を、容器底部の接地部あるいは接地部よりも容器半径方向外側に位置するようにすることで、従来の多層プラスチック容器に見られた落下による割れや層間剥離を有効に防止することができる、バリア性及び耐落下衝撃性に優れた薄肉軽量化された多層プラスチック容器を先に提案した(特許文献1参照)。
また、このような中間層を有する多層プラスチック容器は、通常、有底筒状のプリフォームを形成し、次いで、このプリフォームを延伸ブロー成形などによりボトル状に成形するという手順で製造されるが、その成形されたプラスチック容器を多層構造にするためには、プリフォームの段階で、すでに多層構造にしておかなければならない。
そこで、プリフォームの段階で中間層の存否を判断する技術が提案されている。
例えば、多層プリフォームの表面に対して斜め方向からレーザ光を照射し、その多層プリフォームの表面、中間層(存在した場合)、裏面におけるレーザ光の光像(輝点)を撮像し、この光像の存在や距離などを画像処理により検出して、中間層の存否を判断するものがある(特許文献2参照)。
また、多層プリフォームの表面に対して斜め方向からレーザ光を照射し、その多層プリフォームにて反射したレーザ光を受光し、この受光したレーザ光のうち、多層プリフォームの中間層にて反射したレーザ光を検出して、その中間層の存否を判断するものがある(特許文献3参照)。
特開2010−202249号公報 特開2005−049258号公報 特開2005−049259号公報
しかしながら、特許文献2、3に記載の技術(以下、「文献技術」という。)においては、次のような問題があった。
例えば、文献技術は、多層プリフォームのうちレーザ光を照射した一箇所においてのみ、中間層の存否を判断していた。そして、その一箇所について「中間層が存在する」ものと判断したときには、当該多層プリフォームに対して「中間層が存在する」ものと判定していた。つまり、文献技術は、中間層の存否を判断する箇所が多層プリフォームにおける一箇所のみであり、他の多くの箇所ではその判断を行っていないのにもかかわらず、その一箇所における判断の結果をもって多層プリフォームの全体に適切に中間層が形成されているものと判定しており、この判定結果の信頼性が低いものとなっていた。
ここで、判定結果の信頼性を高めるために、例えば、多層プリフォームの複数箇所にレーザ光を照射し、それら複数箇所のそれぞれについて中間層の存否を判断することが考えられる。
しかしながら、この方法では、それら複数箇所の一つ一つに順にレーザ光を照射していかなければならないことから、判定結果を得るまでに相当の時間を要してしまうという問題があった。
特に、多層プリフォームの生産ラインにおいては、ラインスピードを下げることなく、多層プリフォームの良否判断を行うことが望まれるが、上記の方法では、多層プリフォームを一つ一つ検査するのに時間がかかりすぎるため、ラインスピードの低下が必至となることから、採用が難しく実用的でなかった。
さらに、検査対象である多層プリフォームが例えば図15に示した構造を有する場合、すなわち、中間層の下端部が、プリフォームの底部から所定の距離(同図に示す距離a)に位置し、中間層の上端部が、プリフォームの口部上端から所定の距離(同図に示す距離b)に位置するように形成される場合には、文献技術を用いた検査を行っても不良品を排除できないという問題があった。つまり、その中間層の上端部又は下端部が許容範囲外(同図に示すd1又はd2の範囲外)に位置する多層プリフォームについては不良品と判定して排除すべきところ、文献技術は、中間層の存否しか判断しないため、当該多層プリフォームに対しても「中間層が存在する」ものと判断し、良品であると誤判定してしまう結果となっていた。
ここで、中間層の上端部及び下端部が許容範囲内に位置しているか否かを判断する方法として、多層プリフォームにおける多数箇所にレーザ光を照射し、この照射を行うたびに中間層の存否を判断してそれら上端部及び下端部の位置を特定し、これら特定した上端部及び下端部の位置が許容範囲内にあるか否かを判断する方法が考えられる。ところが、このような方法では、多数箇所の一つ一つに順にレーザ光を照射していかなければならないことから、最終的な判定の結果を得るまでに相当の時間を要してしまうので実用的でないという問題があった。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、多層プリフォームの一箇所ではなく所定の範囲又は多層プリフォームの全体にわたって中間層の存否を判断可能とするとともに、その判断の結果を短時間で取得可能とし、かつ、中間層の上端部や下端部が許容範囲内に位置しているか否かについても判断可能にした多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置の提供を目的とする。
この目的を達成するため、本発明の多層プリフォーム検査方法は、多層構造を有した多層プリフォームにおける中間層の存否を検査する多層プリフォーム検査方法であって、多層プリフォームに背面から縞状照明を照射して、多層プリフォームを撮像し、撮像された画像から検出される色合いにもとづいて、中間層の存否を判断する方法としてある。
また、本発明の多層プリフォーム検査装置は、多層構造を有した多層プリフォームにおける中間層の存否を検査する多層プリフォーム検査装置であって、多層プリフォームに背面から縞状照明を照射する照明手段と、多層プリフォームを正面から撮像する撮像手段と、撮像された画像から検出される色合いにもとづいて、中間層の存否を判断する判定手段とを備える構成としてある。
本発明の多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置によれば、多層プリフォームに背面から縞状照明を照射して、多層プリフォームを撮像し、撮像された画像から検出される色合いにもとづいて、中間層の存否を判断することとしたので、多層プリフォームの一箇所ではなく所定の範囲又は多層プリフォームの全体にわたって中間層の存否を判断できる。これにより、判定結果の信頼性を高めることができる。
また、中間層の存否を判断する手法として、多層プリフォームを撮像し、この撮像した画像から色合いを検出する手法としたので、中間層の存否の判定結果を得るまでの一連の処理を短時間で行うことができる。よって、多層プリフォームの生産ライン上でも採用することが可能な多層プリフォームの検査方法を提供できる。
さらに、多層プリフォームの全体又は所定の範囲にわたって中間層の存否を判断できることから、中間層の端部の位置を特定でき、この端部の位置が許容範囲内に収まっているか否かについても確実に判断できる。そして、その中間層の端部が所定範囲外に位置する多層プリフォームについては、生産ライン上から排除することで歩留まりの向上を図ることができる。
点光源から多層プリフォームに白色光線を照射したときに、その多層プリフォームを透過する光の波長に対する透過度の変化を示すグラフである。 多層プリフォームに対して法線方向に点光源から白色光線を照射したときに、その多層プリフォームを透過する光の透過方向及び拡散する光の拡散方向を示す模式図である。 多層プリフォームに対して斜め方向に点光源から白色光線を照射したときに、その多層プリフォームを透過する光の透過方向及び拡散する光の拡散方向を示す模式図である。 面照明から多層プリフォームに白色光線を照射したときに、その多層プリフォームを透過する光の透過方向及び拡散する光の拡散方向を示す模式図である。 複数の点光源から多層プリフォームに白色光線を照射したときに、その多層プリフォームを透過する光の透過方向及び拡散する光の拡散方向を示す模式図である。 第一の縞状照明手段から多層プリフォームの多層部に縞状照明を照射したときに、その多層部を透過する光の透過方向及び拡散する光の拡散方向を示す模式図である。 第二の縞状照明手段から多層プリフォームの多層部に縞状照明を照射したときに、その多層部を透過する光の透過方向及び拡散する光の拡散方向を示す模式図である。 本発明の実施形態における多層プリフォーム検査装置の構成を示す外観斜視図である。 第一の縞状照明手段の構成を示す外観斜視図である。 第二の縞状照明手段の構成を示す外観斜視図である。 多層プリフォームの製造ラインの一部と、これに組み入れられる多層プリフォーム検査装置の構成を示す外観斜視図である。 撮像手段が撮像したプリフォーム及び遮光部材の画像を示す図であって、(i)は、多層プリフォーム及び遮光部材の画像、(ii)は、単層プリフォーム及び遮光部材の画像を示す。 撮像画像に映し出された多層プリフォームの明部における色合い(色相−明度)の測定結果を示すグラフである。 撮像画像に映し出された多層プリフォームの暗部における色合い(色相−明度)の測定結果を示すグラフである。 多層プリフォームの構成を示す縦方向断面図である。
以下、本発明に係る多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
[本発明の原理]
まず、本発明について理解容易とするために、本発明の原理について、図1〜図7を参照して説明し、本発明が、どのような技術思想に基づいてなされたものであるかを明らかにする。
なお、ここでは、本発明の原理の説明として、次の項目について、順に説明する。
(1)多層プリフォームを透過した光の波長に対する透過度の測定
(2)点光源を用いて多層プリフォームに光を照射した場合
(3)面照明を用いて多層プリフォームに光を照射した場合
(4)縞状照明手段の構造及び機能
(1)多層プリフォームを透過した光の波長に対する透過度の測定
本発明者は、まず、多層プリフォームに光を照射して、その多層プリフォームを透過した光の波長に対する透過度の変化を測定した。
具体的には、図15に示した構造を有する多層プリフォーム2aに、点光源から発せられた指向性の高い白色光線を照射し、その照射方向に沿って多層プリフォーム2aを透過した光の波長に対する透過度の変化を測定した。
その結果、図1に示すように、多層プリフォーム2aの多層部22(多層プリフォーム2aのうち中間層21の存在する部分)を透過した光は、特定の波長(同図においては、430nm付近の青色の波長)の透過度が高くなっていた。また、その特定の波長以外の波長の透過度が低くなっていた。一方、多層プリフォーム2aの単層部23(多層プリフォーム2aのうち中間層21の存在しない部分)を透過した光は、どの波長の透過度もほぼ同程度の値(400nm以上の波長において、65〜75%)であった。
これは、多層部22においては、特定の波長の光が透過し、特定の波長以外の波長の光が吸収又は拡散することを意味し、また、単層部23においては、照射された白色光線がそのまま透過することを意味するものである。
このため、その白色光線が照射された多層プリフォーム2aを目視したときには、多層部22が、透過した光の波長(特定の波長)に応じた色(例えば、青色)に見え、単層部23が、透過した白色光線の波長に応じた色(つまり、白色)に見える。
このように、多層プリフォーム2aにおいては、中間層21の存否により、透過する光の波長が異なり、色も異なって見える。
なお、点光源から多層プリフォーム2aに白色光線を照射した場合に、多層部22と単層部23で色が異なって見える理由として、中間層21が特定の波長以外の波長の光を吸収する場合と、中間層21がその光を拡散する場合とが考えられる。
そこで、本発明者は、特定の波長に応じた色以外の色の光(例えば、赤色光)を放射する面照明を用意し、この面照明からの光を多層プリフォーム2aに照射し、当該多層プリフォーム2aの色を目視で観察した。
その結果、多層プリフォーム2aの全体が同じ色(特定の波長に応じた色以外の色(例えば、赤色))に見えた。つまり、面照明からの光の透過率が濃淡差として観察されなかった。このため、照射された光のうち特定の波長以外の波長の光は、中間層21で吸収されるのではなく、中間層21で拡散しているものと考えられる。
以降の説明では、照射された光のうち特定の波長以外の波長の光が中間層21で拡散することを前提として説明を行うこととする。
(2)点光源を用いて多層プリフォームに光を照射した場合
図2に示すように、多層プリフォーム2aの多層部22に対して法線方向に、点光源からの白色光線を照射した場合は、その多層部22の中間層21で特定の波長の光(例えば、青色光)がその照射方向に沿って透過するとともに、特定の波長以外の波長の光(例えば、黄色光)がその照射方向から外れた方向へ拡散する。この場合、その多層プリフォーム2aの反光源側(点光源に対向する側とは反対側)の側面に対して法線方向(白色光線の照射方向に対向する方向)から、その多層プリフォーム2aの多層部22を目視すると、多層部22のうち点光源からの白色光線が照射された部分が、特定の波長に応じた色に見える。
また、図3に示すように、多層プリフォーム2aの多層部22に対して斜め方向に、点光源からの白色光線を照射した場合において、その多層プリフォーム2aの反光源側の側面に対して法線方向から、その多層部22を目視したときには、その多層部22における当該部分が、特定の波長以外の波長に応じた色に見える。これは、当該部分から拡散した光(特定の波長以外の波長の光)のうち多層部22から法線方向に伝播した光が目視している目に届くためである。
なお、多層プリフォーム2aは、有底筒状であるため、照射された光は、多層プリフォーム2aにおける光源側の胴壁と反光源側の胴壁をそれぞれ1回ずつ、計2回透過することになるが、図2〜図7においては説明を容易にするため、1回の透過に簡略化して図示している。
(3)面照明を用いて多層プリフォームに光を照射した場合
面照明を光源として用いた場合は、多層プリフォーム2aの全体又は所望の範囲に一度に白色光線を照射することができる。
ところが、図4に示すように、多層プリフォーム2aにおける多層部22の一箇所に着目した場合、面照明の発光面の全体からその一箇所に対して、それぞれの角度で白色光線が入射する。そして、その一箇所を透過する光は、それぞれ入射方向に沿って透過する。つまり、その一箇所においては、この一箇所と面照明の発光面の中心とを結んだ線を多層プリフォーム2aの反光源側から外方に延伸したときのこの延伸線を中心とし、その一箇所を頂点としたときの立体角の範囲内で、特定の波長の光が透過していく。
また、その一箇所においては、特定の波長以外の波長の光が、その入射方向から外れた方向に拡散する。そうすると、多層プリフォーム2aの多層部22における反光源側の側面に対して法線方向から、その一箇所を目視したときには、特定の波長の光である透過光と特定の波長以外の波長の光である拡散光が、いずれも目視している目に届く。このため、その一箇所が、特定の波長に応じた色と特定の波長以外の波長に応じた色とが加法混合した色、すなわち、その多層プリフォーム2aを照射している白色光線と同じ色(白色)に見える。
よって、面照明を用いた場合には、多層部22と単層部23の両方が白く見えるようになり、それら多層部22と単層部23とで色の違いが観察されなくなる。
(4)縞状照明手段の構造及び機能
(2)で説明したように、点光源を用いた場合は、多層プリフォーム2aの多層部22を検出できる。ただし、この場合は、検出範囲が狭いという問題がある。一方、(3)で説明したように、面照明を用いた場合は、多層プリフォーム2aの全体を一度に照明できる。ただし、この場合は、多層部22と単層部23との区別がつかないという問題がある。
そこで、例えば、図5に示すように、複数の点光源を所定間隔で配置し、多層プリフォーム2aに白色光線を照射するという構成が考えられる。この構成によれば、多層プリフォーム2aの全体に一度に白色光線を照射することができ、かつ、点光源を用いていることから、多層プリフォーム2aの多層部22では特定の波長に応じた色を観察でき、また、単層部23では照射光と同じ白色を観察できる。
ただし、この構成では、多層プリフォーム2aの高さ方向(同図の縦方向)に一度に光を照射できるものの、水平方向(同図の奥行き方向)に一度に光を照射することができない。
そこで、本発明者は、さらなる鋭意研究を行った。その結果、光を縞状に形成して多層プリフォーム2aに照射する縞状照明手段を創作するに至った。
この縞状照明手段の第一の具体的な構成を、図6(斜視図は図8、図9)に示す。各図に示すように、第一の縞状照明手段11は、多層プリフォーム2aの全体に一度に白色光線を照射できるように面照明(照明部111)を設けるとともに、その面照明からの白色光線の一部を帯状に遮断する遮光部116と、その白色光線の他の一部を帯状に通過させる通過部117とが交互に縞状に配置された遮光部材115を、面照明と多層プリフォーム2aとの間に設けた構成としてある。
この第一の縞状照明手段11を用いることにより、多層プリフォーム2aの全体に縞状に光を照射することができるので、図5に示した状態、すなわち、複数の点光源からの白色光線が照射される状態を、多層プリフォーム2aの全体にわたって擬似的に再現でき、しかも、このような縞状の照明を、多層プリフォーム2aの水平方向にも同様に照射することができる。
特に、図5と図6とを比較してわかるように、多層プリフォーム2aにおける光の透過及び拡散は、各図とも同様の態様で発生しており、図4に示すような加法混合はほとんど生じない。よって、第一の縞状照明手段11を用いることで、中間層21の存否を判断できる。
また、縞状照明手段の第二の具体的な構成を、図7(斜視図は図10)に示す。各図に示すように、第二の縞状照明手段12は、複数の線状光源121を平行に配置した構成としてある。この構成によっても、多層プリフォーム2aの全体に縞状の光を照射することができ、図5に示した状態を擬似的に再現できる。
しかも、図7に示された多層プリフォーム2aにおける光の透過及び拡散の態様は、図5や図6に示したものと同様の態様である。よって、この第二の縞状照明手段12を用いた場合でも、中間層21の存否を判断できる。
以上が、多層プリフォーム2aの中間層21の存否を検査する本発明の原理である。
この本発明の原理にもとづいて多層プリフォーム2aを検査する多層プリフォーム検査装置及び多層プリフォーム検査方法について、以下、説明する。
[多層プリフォーム]
まず、検査対象となる多層プリフォーム2aについて説明する。
多層プリフォーム2aは、図15に示した構造で形成されており、中間層21が存在する多層部22と、中間層21が存在しない単層部23とを有している。
多層部22の内層26及び外層27と単層部23は、いずれもポリエステル系樹脂で形成されている。
中間層21としてのバリア層は、一般に、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンセバカミド等のキシリレン基含有ポリアミド樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体などのガスバリア性樹脂や、環状オレフィン系樹脂などの水蒸気バリア性樹脂を用いて形成される。
また、バリア性樹脂としては、上記の各種樹脂にマイカ、バーミキュライト、スメクタイトなどのクレイを配合したものも用いられる。
さらに、このようなバリア性樹脂と内層26及び外層27を形成する樹脂との層間接着性を良好ならしめるために、バリア性樹脂中に内層26又は外層27と同種の樹脂を配合することも行われる。
このように、中間層21に複数の材料が配合されていることが、透過する光の特定波長の吸収及び拡散を引き起こすものと推測される。
[多層プリフォーム検査装置]
次に、本実施形態の多層プリフォーム検査装置の構成について、図8を参照して説明する。
なお、ここでは、第一の縞状照明手段11を備えた多層プリフォーム検査装置の構成について先に説明し、その後に、第二の縞状照明手段12を備えた多層プリフォーム検査装置の構成について説明する。
図8に示すように、多層プリフォーム検査装置1は、第一の縞状照明手段11と、プリフォーム支持部材13と、撮像手段14と、判定手段15とを備えている。
ここで、第一の縞状照明手段11は、照明部111と、遮光部材115とを有している。
照明部111は、検査対象であるプリフォーム2aに白色光線を照射するための投光手段である。
この照明部111は、図9に示すように、蛍光灯などの光源112と、この光源112が収納された筐体113と、この筐体113の一の面に嵌め込まれた拡散板114とを有している。拡散板114は、光源112からの光をできるだけ均一に拡散させて外部へ放出するための磨りガラス状の板部材である。
遮光部材115は、図9に示すように、照明部111(光源112)からの白色光線の一部に対してその伝播を遮断する遮光部116と、照明部111(光源112)からの白色光線の他の一部を通す通過部(スリット部)117とを有した部材である。
遮光部116と通過部117は、いずれも線状又は帯状に形成されており、複数の遮光部116と複数の通過部117が、交互に、かつ平行に配置されている。
換言すれば、複数の遮光部116は、平行かつ等間隔で縞状(ストライプ状)に配置されており、これら複数の遮光部116の各間が、スリット状の通過部117を構成している。
この遮光部材115の形成方法の具体例としては、例えば、透明又は半透明のフィルムに縞状の模様を印刷するなどして、遮光部116や通過部117を生成する方法がある。この方法で形成された遮光部材115は、照明部111の拡散板114に貼付することができる。
また、遮光部材115は、例えば、樹脂製の部材を用いて形成することができる。具体的には、例えば、細長い板状の樹脂製部材を複数用意して、これらを平行かつ等間隔に並べ、これらの端部をそれぞれ連結することにより、遮光部材115を形成することができる。
なお、遮光部材115の遮光部116の幅と通過部117の幅は、それぞれ任意に決めることができる。これに関しては、後記の「多層プリフォーム検査方法」において詳述する。
プリフォーム支持部材13は、多層プリフォーム2aの口部24付近を把持するなどして、当該多層プリフォーム2aを支持する。支持された多層プリフォーム2aは、照明部111の拡散板114及びこの拡散板114に付された遮光部材115の前方に配置される。これにより、多層プリフォーム2aは、照明部111からの縞状照明を受けることができる。
なお、照明部111の拡散板114又は遮光部材115と多層プリフォーム2aとの間の距離は、任意に決めることができる。
プリフォーム支持部材13が多層プリフォーム2aを支持する手法は、検査範囲を隠さない限り、任意に決めることができる。この手法には、例えば、二股のクリップにより多層プリフォーム2aの端部を挟持する手法や、真空吸着により多層プリフォーム2aを支持する手法などがある。
撮像手段14は、遮光部材115及び多層プリフォーム2aを介して照明部111の拡散板114に対向する位置に配置されており、多層プリフォーム2aや遮光部材115における所定の箇所を撮像する。
この撮像手段14は、画像のゆがみが少なくなるように、重要な検査部位と正対するように配置されるのが好ましく、図示の例では、多層プリフォーム2aの下部を含む範囲を撮像する第一撮像手段141と、多層プリフォーム2aの上部を含む範囲を撮像する第二撮像手段142とを設けてある。これにより、第一撮像手段141は、多層プリフォーム2aにおける中間層21の下端部211を含む範囲を撮像することができ、また、第二撮像手段142は、多層プリフォーム2aにおける中間層21の上端部212を含む範囲を撮像することができる。
なお、撮像手段14は、撮像した画像についてデジタル処理が行えるように、例えば、CCDカメラなどで構成することが望ましい。
また、本実施形態においては、撮像手段14を二つ設けているが、二つに限るものではなく、任意の数だけ設けることができる。
判定手段15は、多層プリフォーム2aにおける中間層21の下端部211又は上端部212が許容範囲内に位置しているか否かを判定する手段である。
この判定手段15の機能については、後記の「多層プリフォーム検査方法」にて詳述する。
また、多層プリフォーム検査装置1は、第一の縞状照明手段11に代えて、第二の縞状照明装置12を備えた構成とすることができる。
第二の縞状照明手段12は、図10に示すように、複数の線状光源121と、これらを両端で支持する光源支持部材122とを有している。
線状光源121は、棒状(例えば、円筒形状や角柱形状など)に形成された光源であって、一方又は両方の端部から電力の供給を受けることにより発光する。この線状光源121には、例えば、蛍光灯やLED照明管などを用いることができる。
複数の線状光源121は、平行かつ等間隔に配置されており、これら複数の線状光源121が発光することで、光を縞状に形成し、これを縞状照明として多層プリフォーム2aに照射できるようになっている。
なお、多層プリフォーム検査装置1は、多層プリフォーム2aの製造ラインに組み入れることができる。この製造ラインに組み入れられた多層プリフォーム検査装置1の例を、図11に示す。
同図に示すように、製造ラインに備えられた払出用ターレット110は、前工程から送られてきた多層プリフォーム2aを一本ずつ支持する。検査ターレット120の真空吸着部130は、払出用ターレット110が支持する多層プリフォーム2aを一本ずつ真空吸着して払出用ターレット110から分離し支持する。これら払出用ターレット110と検査ターレット120は、多層プリフォーム2aが下側に位置するように支持する。
検査ターレット120が多層プリフォーム2aを搬送する経路の両側には、多層プリフォーム検査装置1が設けられている。具体的には、その搬送経路を挟むようにして、第一の縞状照明手段11(又は、第二の縞状照明手段12)と撮像手段14が対向配置されている。
第一の縞状照明手段11の照明部111(又は、第二の縞状照明手段12の線状光源121)は、常時発光している(又は、多層プリフォーム2aが前方を通過するたびに発光させることもできる)。撮像手段14は、照明部111(又は、線状光源121)との間に多層プリフォーム2aが通過するタイミングで、その多層プリフォーム2aを撮像する。判定手段15は、撮像手段14で撮像された画像を取り込んで解析し、多層プリフォーム2aの中間層21の存否及び中間層21の端部の位置を検出し、当該多層プリフォーム2aの良否を判定する。そして、判定の結果、良品と判定された多層プリフォーム2aは、検査ターレット120によりさらに搬送されて、次工程に送られる。一方、不良品と判定された多層プリフォーム2aは、排出シュート(図示せず)上で、検査ターレット120の真空吸着部130による真空吸着が解かれて落下し、系外に排除される。
なお、検査ターレット120の真空吸着部130を回転可能として、撮像手段14が、多層プリフォーム2aを周回りの複数角度で撮像したり、その多層プリフォーム2aを回転させながら撮像したりするようにしてもよい。
このように多層プリフォーム2aの製造ラインに多層プリフォーム検査装置1を組み入れた構成とすれば、この製造ラインにおいて、多層プリフォーム2aの良否判定を行うことができる。そして、その多層プリフォーム2aを全数検査し、不良品と判定された多層プリフォーム2aについては、その検査時に排除することができる。しかも、このように不良品をプリフォーム2aの段階で早期に排除できるので、その後に形成されるプラスチック容器の歩留まりを向上できる。
[多層プリフォーム検査方法]
次に、本実施形態の多層プリフォーム検査方法について説明する。
なお、ここでは、図8に示した多層プリフォーム検査装置1を用いて、多層プリフォーム2aの良否判定を行う手順について説明する。
準備段階として、多層プリフォーム検査装置1の判定手段15は、多層プリフォーム2aの良否判定に必要な情報、例えば、通過部117や遮光部116の幅や間隔に関する情報、多層プリフォーム2aの中間層21があるべき位置及び単層であるべき位置に関する情報、多層部判定範囲(後述)などを記憶している。
まず、検査対象である多層プリフォーム2aを、プリフォーム支持部材13に取り付ける(多層プリフォーム2aのセット)。
次に、照明部111から放射され遮光部材115により縞状に形成された白色光線を、縞状照明として、多層プリフォーム2aを背面から照射する。なお、照明部111は、常時発光した状態にしておいてもよく、あるいは、任意のタイミング、例えば、前方に多層プリフォーム2aが配置されたときや、撮像手段14による撮像の際に発光するようにしてもよい。
続いて、撮像手段14は、多層プリフォーム2aを正面から撮像する。このとき、撮像手段14は、多層プリフォーム2aの全体又は一部と遮光部材115の全体又は一部とを含む所定の範囲を撮像する。また、撮像手段14が複数設けられているときは、それら複数の撮像手段14が、多層プリフォーム2aにおける異なる箇所をそれぞれ撮像するようにすることもできる。
なお、多層プリフォーム2aについて「正面」とは、この多層プリフォーム2a及び多層プリフォーム検査装置1の各構成を図8に示すように配置したときに、当該多層プリフォーム2aにおいて撮像手段14に対向する側をいい、「背面」とは、多層プリフォーム2aにおける「正面」に対して反対側、すなわち、上記配置を行ったときに縞状照明手段11、12に対向する側をいう。
ここで、第一撮像手段141によりプリフォーム及び遮光部材115を撮像した画像を、図12(i)、(ii)に示す。同図(i)は、多層プリフォーム2aの下部を含む範囲を撮像した画像、同図(ii)は、単層プリフォーム2b(バリア層である中間層21が存在しないプリフォーム)の下部を含む範囲を撮像した画像である。
同図(i)、(ii)に示すように、撮像した画像においては、透明の多層プリフォーム2aを通して遮光部材115の遮光部116と通過部117がそれぞれ映し出される。ここで、その画像のうち多層プリフォーム2aを通して遮光部116が映し出されている部分を暗部31とし、通過部117が映し出されている部分を明部32とすると、多層プリフォーム2aの多層部22においては、明部32が青く見え、暗部31が黄色く見える。なお、公報に掲載された図面はカラーで表示されていないため、公報に掲載された同図(i)からは、青色や黄色を認識できないが、後述の実施例で示すように、区別可能な色合いの相違を呈している。
これに対し、多層プリフォーム2aの単層部23においては、同図(i)に示すように、暗部31が黒く見え、明部32が白く見える。
判定手段15は、撮像手段14で撮像された画像のデータを入力するとともに、これを画像データとして記憶する。
そして、判定手段15は、その画像に映し出された多層プリフォーム2aの暗部31と明部32の色合いを、その撮像画像の画像データにもとづいて検出する。この判定手段15が検出する色合いには、例えば、色相や明度などが含まれる。
ここで、暗部31や明部32の位置を特定する方法として、次の二つの方法を挙げることができる。
(方法1)画像における暗部31や明部32の位置を数値化して予め記憶しておく方法
縞状照明手段11、多層プリフォーム2a、撮像手段14のそれぞれの設置位置が固定しており、かつ、撮像手段14における各種設定値(例えば、撮像する範囲、倍率等)も固定しているような場合には、暗部31や明部32が画像におけるほぼ固定した位置に表れる。このため、判定手段15は、画像における暗部31や明部32の位置を数値化して予め記憶しておき、色合いを検出する際には、その数値を取り出して画像における暗部31や明部32の位置を特定し、各位置から色合いを検出するようにすることができる。
(方法2)画像上の明度を検出して暗部31や明部32の範囲を特定する方法
図12に明らかなように、暗部31と明部32は、画像上明度が異なる。これは、図13に示す明部32におけるグラフの明度のレンジが250〜150であるのに対し、図14に示す暗部31におけるグラフの明度のレンジが100〜0であることからもわかる。
そこで、画像を処理して、その撮像画像に映し出された多層プリフォーム2aにおける多数箇所の明度を検出し、この検出した明度の数値にもとづいて暗部31と明部32のそれぞれの範囲を特定し、各範囲から色合いを検出するようにすることができる。
判定手段15は、暗部31及び明部32ごとに色合いを検出し、この検出した色合いを示す数値が、多層部判定範囲の範囲内に含まれるか否かを判断し、これにより、それら暗部31又は明部32の各位置が多層部22又は単層部23のいずれであるかを判断する。
ここで、多層部判定範囲とは、検出した色合いを示す数値と比較される数値であって、その色合いを示す数値が多層プリフォーム2aの多層部22で検出された色合いの数値であるものと判断される数値の範囲をいう。具体的には、図13及び図14に示された太枠の範囲をいう。
判断の結果、色合いを示す数値が多層部判定範囲に含まれているときは、その数値が検出された暗部31又は明部32の位置が多層部22であると判断する。
一方、色合いを示す数値が多層部判定範囲に含まれていないときは、その数値が検出された暗部31又は明部32の位置が単層部23であると判断する。
次いで、判定手段15は、多層部22であるものと判断した暗部31又は明部32と、単層部23であるものと判断した暗部31又は明部32との境界33を、中間層21の下端部211又は上端部212として特定する。
さらに、判定手段15は、その下端部211又は上端部212が許容範囲内に位置しているか否かを判断する。
例えば、判定手段15は、遮光部116(暗部31)の幅を示す数値と、通過部117(明部32)の幅を示す数値と、許容範囲を示す数値とを、予め記憶している。そして、これらの数値を用いて、中間層21の下端部211と多層プリフォーム2aの底部25との距離(図15に示すa)を算出し、この距離が許容範囲内(例えば、a±(d2/2))に収まる数値であるか否かを判断する。また、上記の数値を用いて、中間層21の上端部212と多層プリフォーム2aの口部24の端面との距離(b)を算出し、この距離が許容範囲内(例えば、b±(d1/2))に収まる数値であるか否かを判断する。
判断の結果、下端部211及び上端部212がいずれも許容範囲内に位置しているときは、判定手段15は、当該多層プリフォーム2aが良品であると判定する。一方、その下端部211又は上端部212の一方又は双方が許容範囲内に位置していないときは、判定手段15は、当該多層プリフォーム2aが不良品であると判定する。
また、判定手段15は、撮像手段14で撮像された画像や、色合いの検出結果、多層プリフォーム2aの良否判定の結果などを、モニタ画面等の表示部(図示せず)に表示させることができる。具体的には、図12(i)、(ii)に示した画像や、図13又は図14に示すグラフなどを表示させることができる。
ここで、図12(i)、(ii)に示した画像が表示された場合には、検査担当者が目視により多層プリフォーム2aの良否判定を行うことができる。例えば、表示部に表示された多層プリフォーム2aの暗部31と明部32のそれぞれに、判断結果である多層部22又は単層部23を示すマークを付すようにする。そして、検査担当者は、多層プリフォーム2aの下部において単層部23を示すマークが付された暗部31と明部32の数を数え、この数にそれら暗部31又は明部32の幅を乗算することで、多層プリフォーム2aの底部25から中間層21の下端部211までの距離を算出し、この距離が許容範囲内に含まれているか否かを判断することにより、当該多層プリフォーム2aの良否を判定することができる。
なお、多層プリフォーム2aの良否判定の手順は、上記の手順以外に、例えば、次のような手順がある。
例えば、中間層21の下端部211又は上端部212が位置すべき許容範囲は、通常、前もって設定されている。また、画像における暗部31や明部32の位置がほぼ固定している場合、それら暗部31や明部32のそれぞれが、多層部22であるべきか、あるいは、単層部23であるべきかについても、予め決まってくる。
そこで、暗部31と明部32のそれぞれについて、多層部22であるべきか、あるいは、単層部23であるべきかを予め判定手段15に記憶させておく。そして、判定手段15は、暗部31及び明部32ごとに多層部22又は単層部23のいずれであるかを判断し、多層部22であるべき暗部31及び明部32が全て(又は所定数以上が)多層部22であるものと判断され、かつ、単層部23であるべき暗部31及び明部32が全て(又は所定数以上が)単層部23であるものと判断された場合に、中間層21の境界位置が許容範囲内に位置しているものとして「良品」と判定し、それ以外は、「不良品」と判定することもできる。
なお、この場合、境界位置の許容範囲内にあたる暗部31又は明部32については、多層部22か単層部23かを判定しないようにすることもできる。
また、図8等に示した遮光部材115の縞方向は、遮光部116の長手方向と通過部117の長手方向がいずれも水平方向に配置された横縞としてあるが、これは、多層プリフォーム2aの有底円筒形状の軸方向が垂直方向であり、これに対してその縞方向が直交方向となるように配置したものである。このように遮光部材115の縞方向を横方向としたことにより、多層プリフォーム2aの底部25と中間層21の下端部211との距離や、多層プリフォーム2aの口部24の端面と中間層21の上端部212との距離を見積もる際に、遮光部116及び通過部117の幅(暗部31及び明部32の幅)や両者の間隔を目盛り代わりとして使用することができる。
そして、このように目盛り代わりとして使用する機能を発揮できるように、遮光部116及び通過部117の幅(暗部31及び明部32の幅)や両者の間隔については、許容範囲内に少なくともひとつ、遮光部116又は通過部117が内包するように設定するのが好ましい。
このとき、第一の縞状照明手段11を用いると、遮光部116及び通過部117の幅(暗部31及び明部32の幅)や両者の間隔の設定が、第二の縞状照明手段12に比べて容易に行える。
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
本実施例の仕様は、次のようにした。
多層プリフォーム検査装置1は、図8に示す構成のものを用意した。
撮像手段14は、カラーCCDカメラを2台用意し、一方を第一撮像手段141とし、他方を第二撮像手段142とした。
検査対象として、多層プリフォーム2aを20本用意した。これら多層プリフォーム2aの断面形状を、図15に示す。同図に示す多層プリフォーム2aは、特許文献1に記載の容器用の多層プリフォーム2aと同様のものである。
多層プリフォーム2aの中間層21は、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)にクレイ3重量%を配合したバリア性樹脂と、ポリエチレンテレフタレートとを3:7の割合でブレンドした樹脂組成物により形成し、7重量%の層比とした。
単層部23(および内層26と外層27)を形成する材料は、ポリエチレンテレフタレートであった。
検査方法は、HSV色空間における色相(H)、明度(V)に基づく色検査とし、彩度(S)については省略した。
多層プリフォーム2aの長手方向における測定点数は、23点とした。
測定ピッチは、2.5mmとした。
周方向の測定点数は、1点とした。
測定点1点における測定領域は、1mm×1mmとした。
多層プリフォーム2aをセットし、その多層プリフォーム2aに光を照射し、撮像手段14が、多層プリフォーム2a及び遮光部材115の所定範囲を撮像した。判定手段15は、その撮像手段14が撮像した画像に映し出された多層プリフォーム2aの暗部31及び明部32の色合いを検出した。
この検出された色合いである色相と明度との関係を、図13、図14に示す。
なお、総測定点数は20本×23点であるが、図13、図14では、測定結果の意味が読み取りやすいように、代表的な点を示してある。
ここで、図13に示すように、明部32における色相と明度の測定結果においては、色相が34付近、明度が220付近を境界33として、データの分布が分かれることがわかった。
このようにデータが二分される理由は、中間層21の存否が影響しているためであるものと考えられる。つまり、中間層21がある多層部22では、青色領域の波長の光を透過し、青色領域の波長以外の波長の光を拡散するため、青色領域の波長に応じた色に近づく色相が測定される。また、多層部22には中間層21があるために、明度が低くなる。これに対し、中間層21がない単層部23では、白色光線がそのまま透過し、かつ、明度が高い。
これら測定データと中間層21の特性にもとづいて、多層部判定範囲を設定すると、同図に示すように、色相が34以上、明度が220以下の範囲となる。
よって、この多層部判定範囲の範囲内にあるデータが測定された明部32が位置する多層プリフォーム2aの当該箇所は、多層部22であると判断できる。そして、多層部判定範囲の範囲内にないデータが測定された明部32が位置する多層プリフォーム2aの当該箇所は、単層部23であると判断できる。
また、図14に示すように、暗部31における色相と明度との関係については、色相H=32を漸近線として明度が上昇しながら近づくようなグラフの形状となった。
さらに、それらのデータの分布は、同図に示すように、色相が27付近、明度が20付近を境界33として、二分されることがわかった。
このようにデータが二分される理由は、中間層21の存否が影響しているためであるものと考えられる。つまり、中間層21がある多層部22では、黄色領域の波長の光が拡散するため、暗部31では、その黄色領域の波長に応じた色に近い値で色相が測定される。また、その拡散光により、暗部31でも明度が高くなる。これに対し、中間層21がない単層部23では、多層部22における上記の現象が発生しないので、暗部31では、色相の値が低く、かつ、明度が低い。
これら測定データと中間層21の特性にもとづいて、多層部判定範囲を設定すると、同図に示すように、色相が27以上、明度が20以上の範囲となる。
よって、この多層部判定範囲の範囲内にあるデータが測定された暗部31が位置する多層プリフォーム2aの当該箇所は、多層部22であると判断できる。そして、多層部判定範囲の範囲内にないデータが測定された暗部31が位置する多層プリフォーム2aの当該箇所は、単層部23であると判断できる。
以上、本発明の多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、色合いとして色相と明度を検出しているが、図13、図14を見る限り、明度だけを用いて判定することも可能と考えられる。ただし、プリフォーム表面の傷や内部の気泡、異物の混入など、本発明の検査対象以外の不良による影響を排除する意味で、色相と明度の双方を検出して判定するのが好ましい。
また、色合いの検出は、HSV色空間に限るものではなく、例えば、RGB表色系、L*a*b*表色系、XYZ表色系、L*u*v*表色系などの種々の表色系にもとづいて定量的に表わされた色を示す数値を色合いとして検出して、中間層の存否の判断に用いることもできる。
さらに、上述した実施形態では、画像に表わされた多層プリフォームの明部及び暗部の両方の色合いを検出しているが、これに限るものではなく、明部又は暗部の一方の色合いを検出して、その後の処理を実行することもできる。
また、本発明の原理を説明するにあたり、多層プリフォームにおける中間層としてのバリア層を形成する材料に含まれるクレイが、透過する光の特定波長の吸収及び拡散に起因するものと推測されるとしたが、本発明は、このような材料を用いて形成されたバリア層の検査に限定されない。多層プリフォームに形成された中間層が、指向性の高い白色光線を照射したときに、当該光線の照射方向に沿って透過してくる光が特定の波長成分に偏って観察されるとともに、それ以外の波長成分が拡散光として観察される特性を示すものであれば、当該中間層を形成する材料が何であるかにかかわらず、本発明を適用することができる。
本発明は、多層プリフォームの中間層を対象とした検査に関する発明であるため、その中間層に関する検査を行う装置に利用可能である。
1 多層プリフォーム検査装置
11 第一の縞状照明手段
111 照明部
115 遮光部材
116 遮光部
117 通過部
12 第二の縞状照明手段
121 線状光源
13 プリフォーム支持部材
14 撮像手段
15 判定手段

Claims (7)

  1. 多層構造を有した多層プリフォームにおける中間層の存否を検査する多層プリフォーム検査方法であって、
    前記多層プリフォームに背面から縞状照明を照射して、前記多層プリフォームを撮像し、
    撮像された画像から検出される色合いにもとづいて、前記中間層の存否を判断する
    ことを特徴とする多層プリフォーム検査方法。
  2. 前記縞状照明は、面状照明の前面に遮光部材を配置して線状又は帯状に形成される
    ことを特徴とする請求項1記載の多層プリフォーム検査方法。
  3. 前記撮像された画像において、前記縞状照明で照射された前記多層プリフォームの明部及び/又は暗部から検出される色合いにもとづいて、前記中間層の存否を判断する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の多層プリフォーム検査方法。
  4. 前記中間層の存否を前記明部ごと及び/又は前記暗部ごとに判断し、
    前記中間層が存在すると判定された前記明部及び/又は暗部と前記中間層が存在しないと判定された前記明部及び/又は暗部との境界が、前記多層プリフォームにおける所定の範囲内に位置しているか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項3記載の多層プリフォーム検査方法。
  5. 前記色合いは、色相及び/又は明度を含む
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリフォーム検査方法。
  6. 前記中間層は、複数の材料が配合されている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多層プリフォーム検査方法。
  7. 多層構造を有した多層プリフォームにおける中間層の存否を検査する多層プリフォーム検査装置であって、
    前記多層プリフォームに背面から縞状照明を照射する照明手段と、
    前記多層プリフォームを正面から撮像する撮像手段と、
    前記撮像された画像から検出される色合いにもとづいて、前記中間層の存否を判断する判定手段とを備える
    ことを特徴とする多層プリフォーム検査装置。
JP2011284808A 2011-12-27 2011-12-27 多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置 Expired - Fee Related JP5256507B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011284808A JP5256507B2 (ja) 2011-12-27 2011-12-27 多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置
PCT/JP2012/007138 WO2013099086A1 (ja) 2011-12-27 2012-11-07 多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011284808A JP5256507B2 (ja) 2011-12-27 2011-12-27 多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013134163A JP2013134163A (ja) 2013-07-08
JP5256507B2 true JP5256507B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=48696639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011284808A Expired - Fee Related JP5256507B2 (ja) 2011-12-27 2011-12-27 多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5256507B2 (ja)
WO (1) WO2013099086A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7451258B2 (ja) 2020-03-26 2024-03-18 アイホン株式会社 インターホン機器

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7185819B2 (ja) * 2018-11-30 2022-12-08 キョーラク株式会社 容器の検査方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001235425A (ja) * 2000-02-23 2001-08-31 Hitachi Eng Co Ltd ペットボトルの偏肉検査方法および装置
JP2003004650A (ja) * 2001-06-19 2003-01-08 Hokkai Can Co Ltd プラスチック製ボトルの内面被膜検査装置
JP4072715B2 (ja) * 2002-09-24 2008-04-09 東洋製罐株式会社 多層プリフォームの検査方法およびその装置
JP2005049259A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Dainippon Printing Co Ltd 多層透明体の検査装置および方法
JP4593092B2 (ja) * 2003-07-30 2010-12-08 大日本印刷株式会社 多層透明体の検査装置および方法
JP4904871B2 (ja) * 2006-03-23 2012-03-28 大日本印刷株式会社 多層透明体の検査方法
JP5187851B2 (ja) * 2009-03-05 2013-04-24 株式会社ミューチュアル 検査装置および検査方法
JP2011012981A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Kirin Techno-System Co Ltd 多層プリフォームの検査装置
JP2011169735A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Kureha Corp 透明な多層成形物の検査装置および検査方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7451258B2 (ja) 2020-03-26 2024-03-18 アイホン株式会社 インターホン機器

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013099086A1 (ja) 2013-07-04
JP2013134163A (ja) 2013-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9329135B2 (en) Means for inspecting glass containers for defects
JP7016408B2 (ja) カラー光源を備えた検査装置
JP4523474B2 (ja) 不良検査装置及びptp包装機
US10761033B2 (en) Testing method and testing system
KR102340173B1 (ko) 플라스틱 쉘 내에서의 컨택트 렌즈 검사
JP2007064801A (ja) 照明装置及びこれを備えた外観検査装置
CN114127545A (zh) 用于以光学方式检查容器的方法和装置
JP2006226724A (ja) ラベル検査方法およびその装置
DE102019208296A1 (de) Verfahren und Vorrichtung zur optischen Inspektion von Behältern
JP2009036522A (ja) 不良検査装置及びptp包装機
JP2017083381A (ja) 円筒体の外観検査装置および外観検査方法
JP5256507B2 (ja) 多層プリフォーム検査方法及び多層プリフォーム検査装置
JP6616658B2 (ja) 被搬送物の検査方法
JP6186728B2 (ja) プリフォーム検査方法及びプリフォーム検査装置
CN110431406B (zh) 容器的检查装置和容器的检查方法
US20220317054A1 (en) Method and device for optically inspecting containers
JP5959430B2 (ja) ボトルキャップの外観検査装置及び外観検査方法
CA3220259A1 (en) Method and apparatus for inspecting full containers
JP2011169735A (ja) 透明な多層成形物の検査装置および検査方法
JP6360424B2 (ja) 撮像装置および座屈検査装置
JP4788870B2 (ja) 不良検査装置及びptp包装機
WO2012165419A1 (ja) 照明システム、検査システム及び制御システム
JP6954484B1 (ja) 検査装置
JPH04309850A (ja) ガラス筒体の欠陥検査方法
WO2022210509A1 (ja) 光波長変換シートの検査方法、検査装置、製造方法、製造装置、並びに、光波長変換シート、バックライト装置、液晶パネル、液晶表示装置。

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130401

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5256507

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130513

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20130905

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees