JP5253919B2 - 温調トラップの診断装置 - Google Patents

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本発明は、被制御流体で加熱冷却されその温度に応じて変形する感温部材により設定温度以下の復水を自動的に系外に排出する温調トラップの作動の良否を診断する温調トラップの診断装置に関する。
温調トラップは、弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口の間に弁口を設け、弁軸嵌合孔を有する調節棒を弁ケーシングにねじ結合し、一端側に弁口を開閉する弁体を設けた弁軸の他端側を弁軸嵌合孔に変位自在に嵌合して配置し、弁軸の周りに感温部材を配置し、感温部材の変形作用で弁軸を軸方向に変位させて弁体で弁口を開閉し、調節棒を外部からねじ進退させて開閉弁温度を設定するものである。この温調トラップを診断する場合、例えば、実開昭53−140921号公報に示されているように、弁ケーシングに温度センサを設けることにより、温度センサによる検出温度が蒸気圧力に対応する飽和温度近くまで上昇していれば蒸気漏れの作動不良を生じていると診断でき、温度センサによる検出温度が外気温度近くまで低下していれば復水排出詰まりの作動不良を生じていると診断できるものである。
上記従来の温調トラップの診断装置は、蒸気漏れの作動不良及び復水排出詰まりの作動不良を診断できるものであるが、温調トラップが設定温度前後の復水を正常に排出しているか否かを診断できない問題点があった。
実開昭53−140921号公報
解決しようとする課題は、温調トラップが設定温度前後の復水を正常に排出しているか否かを診断できる温調トラップの診断装置を提供することである。
本発明は、弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口の間に弁口を設け、弁軸嵌合孔を有する調節棒を弁ケーシングにねじ結合し、一端側に弁口を開閉する弁体を設けた弁軸の他端側を弁軸嵌合孔に変位自在に嵌合して配置し、弁軸の周りに感温部材を配置し、感温部材の変形作用で弁軸を軸方向に変位させて弁体で弁口を開閉し、調節棒を外部からねじ進退させて開閉弁温度を設定する温調トラップについて、調節棒の位置を検出する位置検出センサと弁ケーシングの温度を検出する温度センサを設け、位置検出センサは調節棒の外周に固着した摺動子と、摺動子が摺動する抵抗体を貼り付けた可変抵抗器とからなり、位置検出センサによる調節棒の検出位置から設定温度を算出すると共にこの算出設定温度と温度センサによる検出温度とを比較して温度差が設定閾値よりも大きくなったときに異常対応処理を実行する診断手段を設けてあることを特徴とする。
本発明は、調節棒の位置を検出する位置検出センサと弁ケーシングの温度を検出する温度センサを設け、位置検出センサは調節棒の外周に固着した摺動子と、摺動子が摺動する抵抗体を貼り付けた可変抵抗器とからなり、位置検出センサによる調節棒の検出位置から設定温度を算出すると共にこの算出設定温度と温度センサによる検出温度とを比較して温度差が設定閾値よりも大きくなったときに異常対応処理を実行する診断手段を設けてあるので、算出設定温度に設定閾値をプラスした温度以上の復水が排出されると、また、算出設定温度に設定閾値をマイナスした温度以下の復水が排出されると、所要の異常対応処理が実行されるので、温調トラップが設定温度前後の復水を正常に排出しているか否かを診断することができるという優れた効果を生じる。
本発明の温調トラップの診断装置は、弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口の間に弁口を設け、弁軸嵌合孔を有する調節棒を弁ケーシングにねじ結合し、一端側に弁口を開閉する弁体を設けた弁軸の他端側を弁軸嵌合孔に変位自在に嵌合して配置し、弁軸の周りに感温部材を配置し、感温部材の変形作用で弁軸を軸方向に変位させて弁体で弁口を開閉し、調節棒を外部からねじ進退させて開閉弁温度を設定する温調トラップについて、調節棒の位置を検出する位置検出センサと弁ケーシングの温度を検出する温度センサを設け、位置検出センサは調節棒の外周に固着した摺動子と、摺動子が摺動する抵抗体を貼り付けた可変抵抗器とからなり、位置検出センサによる調節棒の検出位置から設定温度を算出すると共にこの算出設定温度と温度センサによる検出温度とを比較して温度差が設定閾値よりも大きくなったときに異常対応処理を実行する診断手段を設けてあることを特徴とする。つまり、温調トラップでは、磨耗や損傷等により弁体が弁口を完全閉止できなくなると、設定温度に設定閾値をプラスした温度以上の復水が排出されることになり、また、弁口に異物が付着堆積して復水の排出流量が低下すると、設定温度に設定閾値をマイナスした温度以下の復水が排出されることになる。したがって、このような温調トラップについて、調節棒の位置を検出する位置検出センサと弁ケーシングの温度を検出する温度センサを設け、位置検出センサは調節棒の外周に固着した摺動子と、摺動子が摺動する抵抗体を貼り付けた可変抵抗器とからなり、位置検出センサによる調節棒の検出位置から設定温度を算出すると共にこの算出設定温度と温度センサによる検出温度とを比較して温度差が設定閾値よりも大きくなったときに異常報知や異常記録などの所要の異常対応処理を実行する診断手段を設けることにより、算出設定温度に設定閾値をプラスした温度以上の復水が排出されると、また、算出設定温度に設定閾値をマイナスした温度以下の復水が排出されると、所要の異常対応処理が実行されるので、温調トラップが設定温度前後の復水を正常に排出しているか否かを診断することができる。
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1参照)。図1は本発明の実施例である温調トラップの診断装置の断面図である。温調トラップのケーシングは入口1と出口2を有する本体3に蓋4をねじ結合して形成し内部に弁室5を形成する。弁室5には入口1が通孔6を通して連通し、出口2が弁体嵌合孔7と弁口8と通孔9を通して連通する。弁体嵌合孔7と弁口8は本体3にねじ結合した弁座部材10に形成する。弁室5内に入口1から流入する流体の流れ方向を規制し、流体中の異物を捕捉するスクリーン11を配置する。弁口8に対向して弁軸12を配置する。弁軸12の下端には弁口8を開閉する円錐状の弁体13を一体に設ける。
弁軸12の上端側は蓋4にOリング16を介して進退調節可能にねじ結合した調節棒17の弁軸嵌合孔18に変位自在に嵌合する。弁体嵌合孔7と弁口8と弁軸嵌合孔18は同一軸上に形成する。調節棒17の上部は蓋4から突出し、その上端面にドライバー等の工具の先端が嵌る切割19を設ける。弁軸12の中央部にばね受け24を固定し、断面ほぼU字状で中央孔と上端の外側に鍔部を設けた中間部材25を、中央孔を弁軸12に変位自在にばね受け24の下端面に当接させて嵌合する。弁軸12の周りで、調節棒17の下端面と中間部材25の鍔部の間に感温部材としてのバイメタル積層体26と平座金27を配置する。バイメタル積層体26はバイメタルディスクを湾曲方向を変えて組み合わせた2枚で一対とし、それを複数対重ねたものである。ばね受け24の上端面と平座金27の下端面の間にばね受け24を弁口8方向に付勢する弁体付勢ばね28を配置する。中間部材25の鍔部と弁室5の底壁の間に復帰ばね29を配置する。
調節棒17の上部外周に調節棒17の位置を検出する位置検出センサ30を設ける。位置検出センサ30は調節棒17の外周に固着した摺動子31と、摺動子31が摺動する抵抗体33を貼り付けた可変抵抗器34とからなり、抵抗体33に接触する摺動子31の接点の変化による抵抗値の変化を測定することにより調節棒17の位置を検出する。位置検出センサ30で検出した検出信号を出力信号としてケーブル35ないしは無線式伝送手段により診断手段36に送る。本体3の温度を検出する温度センサ37は振動センサ38の先端に取り付ける。振動センサ38のケーシングはボディ39と、ボディ39の後端に固定したキャップ40とから形成する。ボディ39内に検出針41を軸方向に摺動自在に配置する。検出針41の後端に感振素子42を固定する。感振素子42は検出針41の後端に、振動伝達板43をねじ結合すると共に電極板44と圧電素子45と電極板46とウエイト47と防振ゴム48を挿入してナット49で固定したものである。防振ゴム48とキャップ40の間にコイルスプリング50を配置する。コイルスプリング50は検出針41の先端を本体3に付勢する。温度センサ37と振動センサ38で検出した検出信号を出力信号としてケーブル51ないしは無線式伝送手段により診断手段36に送る。
診断手段36は調節棒17の位置と設定温度の関係に基づいて位置検出センサ30で検出した調節棒17の検出位置から設定温度を算出すると共に、この算出設定温度と温度センサ37による検出温度とを比較して温度差が設定閾値である例えば10度Cよりも大きくなったときに異常報知や異常記録などの所要の異常対応処理を実行する。
復水は入口1から通孔6とスクリーン11を通って弁室5に入り、バイメタル積層体26の周りを流れ、弁体嵌合孔7と弁口8から通孔9を通って出口2に流出する。バイメタル積層体26は周囲の復水の温度が設定温度に上昇して高温に加熱されると、各バイメタルディスクが湾曲してその度合が大きくなり、平座金27と中間部材25を介して復帰ばね29を圧縮しながら積層方向に伸張する。これに伴い、中間部材25と弁軸12が弁口8方向に変位し、次第に弁口8の開度が小さくなり、終わりには弁体13が弁口8を閉じる。弁体13が弁口8を閉じた後、更に高温の流体が弁室5に流入すると、バイメタル積層体26は復帰ばね29と弁体付勢ばね28を圧縮しながら更に伸張する。このとき、中間部材25は弁口8方向に変位するが、弁軸12は変位しない。弁室5の復水の温度が設定温度よりも低下すれば、バイメタル積層体26は湾曲力が小さくなり、復帰ばね29で中間部材25を介して押し戻される。これに伴い、中間部材25と弁軸12が弁口8から離れる方向に変位し、弁体13が弁口8を開き、弁室5の流体が出口2に排出される。
磨耗や損傷等により弁体13が弁口8を完全閉止できなくなると、設定温度に設定閾値をプラスした温度以上の復水が排出されることになるので、また、弁口8に異物が付着堆積して復水の排出流量が低下すると、設定温度に設定閾値をマイナスした温度以下の復水が排出されることになる。位置検出センサ30による調節棒17の検出位置から設定温度を算出すると共にこの算出設定温度と温度センサ37による検出温度とを比較して温度差が設定閾値としての10度Cよりも大きくなったときに異常報知や異常記録などの所要の異常対応処理を実行する。このように、設定温度に設定閾値をプラスした温度以上の復水が排出されると、また、設定温度に設定閾値をマイナスした温度以下の復水が排出されると、所要の異常対応処理が実行されるので、温調トラップが設定温度前後の復水を正常に排出しているか否かを診断することができる。
本発明の実施例である温調トラップの診断装置の断面図。
符号の説明
1 入口
2 出口
3 本体
4 蓋
5 弁室
8 弁口
12 弁軸
13 弁体
17 調節棒
18 弁軸嵌合孔
26 バイメタル積層体
30 位置検出センサ
31 摺動子
33 抵抗体
34 可変抵抗器
36 診断手段
37 温度センサ
38 振動センサ

Claims (1)

  1. 弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口の間に弁口を設け、弁軸嵌合孔を有する調節棒を弁ケーシングにねじ結合し、一端側に弁口を開閉する弁体を設けた弁軸の他端側を弁軸嵌合孔に変位自在に嵌合して配置し、弁軸の周りに感温部材を配置し、感温部材の変形作用で弁軸を軸方向に変位させて弁体で弁口を開閉し、調節棒を外部からねじ進退させて開閉弁温度を設定する温調トラップについて、調節棒の位置を検出する位置検出センサと弁ケーシングの温度を検出する温度センサを設け、位置検出センサは調節棒の外周に固着した摺動子と、摺動子が摺動する抵抗体を貼り付けた可変抵抗器とからなり、位置検出センサによる調節棒の検出位置から設定温度を算出すると共にこの算出設定温度と温度センサによる検出温度とを比較して温度差が設定閾値よりも大きくなったときに異常対応処理を実行する診断手段を設けてある温調トラップの診断装置。
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