JP5252817B2 - 撮像装置、放射線撮像装置、撮像装置の駆動方法、放射線撮像システムおよび撮像装置の製造方法 - Google Patents

撮像装置、放射線撮像装置、撮像装置の駆動方法、放射線撮像システムおよび撮像装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医療用画像診断装置、非破壊検査装置、放射線を用いた分析装置などに応用される撮像装置、及び放射線撮像装置に関するものである。なお、本明細書では、X線、α線、β線、γ線なども、放射線に含まれるものとする。
近年、薄膜トランジスタ(以下、「TFT」)を用いた液晶パネルの製造技術の発展や、光電変換素子を有するエリアセンサの各分野への利用(例えばX線撮像装置)の進展により、スイッチ素子としてTFTを用いたパネルの大量生産が可能となっている。また、放射線撮像装置は、液晶パネル等とは異なり、微少信号をディジタル変換して画像出力するという特徴を持っている。このため、製造工程で基板が帯電し、例えば信号配線とゲート配線に電位差が生じた場合には、読み出し用TFTのスレッシュホールド電圧(Vth)シフトが起こり、微少信号の読み出しができなくなってしまう。また、前述の電位差が大きい場合には、デバイス破壊が起こり、大量生産を行う製造ラインでは大きな歩留まりの低下につながる。
そこで、特許文献1では、このような光電変換を行う素子とTFTを有するパネルにおいて、製造ラインで発生する静電気の帯電で、TFTのVthシフトとデバイス破壊の防止に関する提案がされている。
特許文献1では、TFTを制御するゲートライン(以下、「ゲート配線」)間と、光電変換素子を制御する共通電極バイアスライン(以下、「バイアス配線」)間と、ゲート配線−バイアス配線間を、半導体層により高抵抗で接続している。
また、ガラスのカット前のTFTマトリックスパネルは、信号配線間も高抵抗で接続されている。
そして、実際のTFTマトリックスパネルとして使用する際には、ガラスカット時に高抵抗で接続していた信号配線間を電気的に分離するような構成にしている。
また、特許文献2には、静電放電による破壊を防止した、TFTを含む画素を有する画像形成装置が記載されている。
特許文献2では、画素アレイの周辺近傍に配置された2つの放電ラインがあり、行及び列アドレスラインは、それぞれ第1放電デバイスを介して第1放電ラインに、第2放電デバイスを介して第2放電ラインに結合される。アドレスラインが第1放電ラインの電位より低い電位にあるときにアドレスラインと第1放電ラインとの間において電荷の通過を許容する。アドレスラインが第2放電ラインの電位より高い電位にあるときにアドレスラインと第2放電ラインとの間における電荷の通過を許容する。
特開2000−148044号公報 特表2004−538512号公報
しかし、特許文献1のような構成では、ガラスをカットした後のTFTマトリックスパネルにおいては、信号処理IC又はソースドライバを接続するまでは、電気的に独立した配線である。このため、外部から静電気の影響を受けた場合、周辺配線に逃がすことができず、静電気に対し対応を取ることができない。
この結果、パネルの特に信号配線に対し、静電気的な負荷がかかり、特定のある信号配線に接続されるTFTの全て、もしくは一部が、Vthのシフトを起こしてしまう。このとき、微少信号を取り扱う装置では、特定のある信号配線に接続されたTFTのVthのばらつきによる信号の変動が、取り込んだ画像の違和感として確認され、場合によっては正常な信号の転送が行えず、ライン欠陥になってしまう。
特許文献2には、静電気に対する対応が記載されているが、構成が複雑になるという問題がある。また、このような構成では、信号転送時もしくは信号配線からの画素のリセット時に、信号配線の電圧によっては信号配線と接続された放電デバイスがオンされる。そのため、信号もしくはリセット電圧がリークにより完全には転送できなくなる。また、駆動している過程で放電デバイスのVthがシフトすると、信号配線から信号がリークする配線が発生し、画像の違和感につながってしまう。ゲート配線については、印加される電圧によっては、周囲に配置された放電エレメントとショートしてしまい、十分な電圧を印加することができなくなる。従って、信号配線及びゲート配線を周辺の放電エレメントと接続すると、信号のリークもしくはゲート電圧の印加不良により、画像の違和感に発展してしまう。
そこで、本発明は、信号配線において静電気により発生した電荷を信号配線に集中させないようにし、スイッチ素子のスレッシュホールド電圧のシフトを防ぎ、画像の違和感を低減することを目的としている。
本発明では、変換素子とTFTとが対となる画素がマトリックス状に配置された撮像装置において、パネル製造工程では電気的に信号配線間を接続することに着目した。これにより、静電気が発生しても発生した電荷を周辺の信号配線にもリークさせ電荷を特定の信号配線に集中させないようにすることができる。そして、パネル駆動時には信号配線間の電気的な接続を切り、光電変換素子で取り扱う微少電流に対し悪影響を与えないような構造にすることが必要となる。
また、信号配線と他の種別の配線(例えばゲート配線やバイアス配線)を電気的に接続することで、静電気が発生しても発生した電荷を他の種別の配線にもリークさせ、特定の配線種に集中させないことができる。その結果、全体的に電位が高くなることはあっても、例えば上下の配線間の電位差を大きくするような形でチャージが大きくなることを避けられる。TFTのVth変動や、上下配線の交差部でも絶縁破壊などの静電気による影響を排除することができる。
本発明に係る撮像装置は、絶縁性の基板と、前記基板上にマトリックス状に配置されていて、放射線を電気信号に変換する変換素子および前記電気信号を転送するための第一のスイッチ素子をそれぞれ含む複数の画素と、前記複数の画素のそれぞれを選択するための複数の第一のゲート配線と、前記複数の画素のそれぞれの電荷を読出すための複数の信号配線と、を有する撮像装置であって、前記基板上における前記複数の画素が配置された領域外に複数の第二のスイッチ素子と、前記複数の第二のスイッチ素子を制御するための配線とを有し、前記複数の第二のスイッチ素子は、前記配線に印加される電圧によってオン状態またはオフ状態に制御され、前記複数の信号配線の各々は、該当する列の画素の前記第一のスイッチ素子に接続され、前記複数の信号配線の各々は、前記複数の画素が配置された領域外で、前記複数の第二のスイッチ素子のいずれかを介して他の前記信号配線と接続されていることを特徴とする。
本発明において、信号配線間が、画素が配置された領域外で、第二のスイッチ素子を介して接続されている。それにより、信号配線において静電気により発生した電荷を特定の信号配線に集中させないようにし、スイッチ素子のスレッシュホールド電圧のシフトを防ぎ、画像の違和感を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。可視光、赤外光等の光を電気信号に変換する撮像装置、更に撮像装置にシンチレータ層を組み合わせた放射線撮像装置について説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係わる撮像装置について図1〜図5を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる撮像装置における等価回路図である。
有効画素エリア8には変換素子としての光電変換素子1とTFTとが対となる画素がマトリックス状に配置されている。本図では、3行×5列の長方形のマトリックス状に配置された画素を示しているが、有効画素エリア8のサイズは、例えば1000行×1000列といった正方形でも構わない。そして、画素のそれぞれを選択するための複数の第一のゲート配線3と、画素のそれぞれの電荷を読出すための複数の信号配線4とが配置される。光電変換素子1にはバイアス配線5が接続される。
本実施形態の変換素子は、可視光、赤外光等の光、X線、α線、β線、γ線等の放射線を含む電磁波を電気信号に変換する半導体素子である。
図1において、光電変換素子1にPIN型フォトダイオードを用いた例を示しているが、MIS型光電変換素子1を用いても構わない。
絶縁性の基板10上に形成されたパターンのみ記載しているが、実際には信号処理回路部やゲートドライバ回路部といった外部回路部が接続端子12(S1−S5,B,Ge,G1−G3)により接続されて撮像装置となる。
有効画素エリア8内に光電変換素子1(D11〜D53)とスイッチ素子である第一のTFT2(t11〜t53)が対となる画素が配置される。第一のTFT2と接続される信号配線4は、接続端子12まで引き回され、不図示の信号処理回路部と接続される。また、第一のTFT2と接続される第一のゲート配線3は、接続端子12まで引き回され、不図示のゲートドライバ回路部と接続される。また、バイアス配線5は、接続端子12を通じて不図示の共通電極ドライバ回路部に接続される。
撮像装置では、微弱な信号を取り扱うため、信号配線4の容量が大きくなると、光を検出する際のS/Nが低下することが分かっている。このような装置では、信号配線4間や信号配線4と他の配線とを接続すると、微弱な電荷がリークし検出器として機能しなくなる。しかし、微弱な信号を取り扱うがゆえに、例えば信号配線4に静電気的な負荷がかかり、特定のある信号配線4に接続されたTFT部のVthがシフトし、他のTFT部と異なる特性を示す。その結果、違和感を感じる画像となってしまう。また、場合によってはライン欠陥にまで発展してしまう。よって、信号配線4間もしくは信号配線4と他の配線を接続し、製造工程で発生する静電気を周辺に逃がし、静電気によるダメージを低減する必要がある。
そこで、図1の回路例では、信号配線4間を、有効画素エリア8外に接続されたスイッチ素子である第二のTFT6(Ts1−2〜Ts4−5)により接続する。それにより、静電気によるダメージを低減することを提案している。第二のTFT6のゲート電極には第二のゲート配線7が接続される。本回路例では、製造工程中には第二のTFT6により配線間を接続することが望まれている。ところが、TFTを用いて配線間を接続する場合、ソース電極・ドレイン電極・ゲート電極の各電極間の相対電位により、電流を流すことができる場合とできない場合がある。
しかし、パネル製造工程中に基板10は、クリーンルーム内の蛍光灯等による照明により、基板10に光が照射される環境下にある。また、CVDやスパッタリング、ドライエッチングなどのプラズマプロセスでは、真空チャンバ内にクリーンルーム内の光が照射されないが、プラズマ生成時の発光により基板10に光が照射される。ゲート電極が第二のTFT6が電流を流すオン電圧となる場合は、信号配線4間が接続され、静電気を複数の信号配線4に分散することができるためTFTのVthシフトを低減することができる。
また、第二のTFT6のゲート電極がオフする電圧となった場合でも、第二のTFT6部の半導体層は空乏化しており、光が照射されるとエレクトロンとホールが発生する。ここで、ソース電極とドレイン電極の間に、発生した静電気により電位差を生じた場合、光が照射されることで発生したエレクトロンとホールが電流として流れ、電位差を緩和する。この結果、特定の信号配線4だけの電位が変化せず、静電気を周囲の複数の信号配線4に分散することができるため、信号配線4に接続されたTFTのVthシフトを低減することができる。静電気を分散する領域については、静電気の発生量が多ければ多いほど、第二のTFT6のソース・ドレイン間の電位差が大きくなるため、広い領域まで分散する。このように分散領域が静電気の発生量に応じて広がることで、1つの配線に静電気が集中することを防ぎ、結果TFTのVthシフトを低減することができる。
このように、信号配線間又は信号配線と他の種別の配線との間に配置されたTFTが、製造工程中に例えばゲート電圧にTFTのオフ時の電圧がかかっていたとしても、TFT部の半導体層に光が照射され光電変換され、結果、信号配線間が高抵抗で接続される。このため、前述のように、特定の信号配線に静電気により発生した電荷が集中せず、静電気による不具合を低減することが可能となる。
実際にパネルを駆動させる際や途中工程でのパネルの電気検査の際は、Geで示される接続端子12に電圧を印加し、第二のTFT6がオフにされる。それにより、信号配線間の電気的な接続が切られ、光電変換素子からの微少電流を検知することが可能となり、正常な駆動と検査を行うことができる。また、駆動させるとき、継続的にTFTをオフすると、第二のTFT6のVthがシフトする場合があるため、場合によっては第二のTFT6をオンするタイミングを付加し、Vthのコントロールを行うと良い。また、パネルを駆動させる際に、第二のTFT6に光が照射される場合は、第二のTFT6をオンすることで、第二のTFT6の半導体層に蓄積されたホールもしくはエレクトロンをリセットすることが可能になる。これにより、照射された光が蓄積され続けることによる信号配線間のリークを低減することができる。
図2は、本発明の第1の実施形態に係わる撮像装置における簡易等価回路図で、図1とは異なる回路例を示したものである。
異なる箇所は、第二のTFT6を信号配線4間だけでなく、信号配線4とバイアス配線5間にも設けた点である。バイアス配線5は光電変換素子1の一方の電極と接続されており、信号配線4はバイアス配線5と第二のTFT6(Tb−s)を介して接続される。これにより、TFTと接続される配線、光電変換素子1と接続される配線が、同電位となるように働くため、発生した静電気を周辺に広げ、局所的に電位が高くならず、全体的に同電位になるよう作用する。信号配線4は微少な電流を取り扱うため、抵抗で接続すると機能しなくなるために、第二のTFT6を介して接続している。
また、第一のゲート配線3間は、TFTで制御する必要がなく、高抵抗体9(R1−2〜R3−4)で接続することで静電気に対し強い構造とすることが可能である。また、第一のゲート配線3とバイアス配線5を高抵抗体9(Rb−g)で接続することで、マトリックス状に配置された全ての配線を同電位にすることが可能となる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係わる撮像装置における簡易等価回路図で、図1、図2とは異なる回路例を示したものである。
図3の回路例において、全ての配線を、有効画素エリア8の領域外で第二のTFT6で接続している。すなわち、信号配線4とバイアス配線5間に加え、バイアス配線5と第一のゲート配線3間、第一のゲート配線3間も第二のTFT6により接続される(それぞれTb−g、Tg1−2〜Tg3−4)。これにより、第一のゲート配線3間や第一のゲート配線3とバイアス配線5間も駆動時にTFTをオフすることで電流を抑えることができる。第二のTFT6のオン・オフ抵抗はTFTのチャネル幅Wとチャネル長Lにより設計できる。チャネル幅Wを大きくしチャネル長Lを小さくすることで、TFTオン時・オフ時双方とも抵抗を小さくすることができる。本回路例では、微少電流を取り扱う信号配線4間を接続する第二のTFT6(Ts1−2〜Ts4−5)の接続抵抗に対し、制御配線である第一のゲート配線3間を接続する第二のTFT6(Tg1−2〜Tg3−4)の接続抵抗は大きくする。こうすると、駆動上の問題がなく静電気対策としての効果が高いため良い。そこで、例えば、ゲート配線間を接続する第二のTFT6のW/Lを、信号配線4間を接続する第二のTFT6のW/Lの10倍程にすると良い。また、第一のゲート配線3とバイアス配線5を接続する第二のTFT6(Tb−g)についても同様である。
図4は、本発明の第1の実施形態に係わる撮像装置における画素の平面図である。
図4において、本発明の撮像装置の、光電変換素子1と第一のTFT2とが対となる画素の平面図を表したものである。第一のTFT2には第一のゲート配線3、信号配線4と接続されており、光電変換素子1にはバイアス配線5が接続されている。また、光電変換素子1の下部電極は第一のTFT2のドレイン電極に接続されている。第一のTFT2とは、光電変換素子1の上部電極と接続されても構わないし、光電変換素子1と接続されるのは、第一のTFT2のソース電極と接続されても構わない。ここで、光電変換素子1と第一のTFT2で使われる半導体層が同じ場合は、周辺に配置する第二のTFT6の半導体層も同じものを使用すると製造プロセスを簡略化できる。また、光電変換素子1と第一のTFT2で使われる半導体層が異なる場合で、特に、光電変換素子1で使用する半導体層を利用してTFTを形成できる場合は、光電変換素子1で使用する半導体層を使い第二のTFT6を形成する。これにより、光に対し感度が良く、静電気を即座に周辺配線へ流すことができる。
また、第二のTFT6の光検知する半導体層の面積が大きいと、静電気が発生した際に、光電流により即座に周辺の配線へリークさせることができる。このため、第二のTFT6については、第一のTFT2と比較して半導体層の面積を大きくすると良い。
図5は、本発明の第1の実施形態に係わる撮像装置の要部の平面図を示したものである。
図5において、本発明の第二のTFT6を表した平面図で、画素から引き回された信号配線が隣接する信号配線4と第二のTFT6を通じて接続されている。
図5(a)は、図1の等価回路に示すように、バイアス配線5は有効画素エリア周辺で共通に接続されている。そして第二のTFT6周辺には信号配線4のみが引き回され、この信号配線4間に第二のTFT6を配置し接続した例を示している。
図5(b)は、図5(a)とは異なり、バイアス配線5を基板10の周辺まで引き回し、第二のTFT6の外で共通に接続された場合の、第二のTFT6周りの引き回し方法を示した図である。図4に示す画素と同じ金属層を用いて第二のTFT6を避けるように引き回している。
図5(c)は、第二のTFT6で信号配線4間を接続する際に、同じ箇所で第二のTFT6によりバイアス配線5も接続した場合の例を示した図である。信号配線4間は、バイアス配線5と2つのTFTを介して接続されている。
以上に述べたように、第二のTFT6を用いた配線の接続方法には多数のバリエーションがあるが、信号配線4を、信号配線4間、もしくは他の種別の配線と接続することで、静電気に対しダメージの少ない構成にすることが可能である。従って、信号配線4に接続されたTFTのVthシフトやライン欠陥を低減することができ、画像の違和感を低減することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係わる撮像装置について、図6、図7を参照して説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係わる撮像装置における断面構成の概要図である。
装置の等価回路は、図1〜図3に示すいずれかの等価回路と同じ構成になる。基板10上に画素が配置されており有効画素エリア8を形成している。有効画素エリア8の領域上には、放射線を可視光等の光電変換素子1で感知可能な波長帯域の光に変換する波長変換層としてのシンチレータ層を配置し、X線等を検出する放射線撮像装置として使用している。周辺に配置された第二のTFT6上にシンチレータ層11を配置すると、放射線を爆射するとシンチレータ層11が発光し、光が第二のTFT6に入射することになる。それにより、信号配線4間が第二のTFT6で発生したエレクトロンとホールを介して接続されてしまう。その結果、微少電流を取り扱う信号配線4間がリークし、放射線撮像装置としての性能を低下させてしまう。
このようなリークが問題になる場合、第二のTFT6は、最終的な放射線撮像装置になった場合、シンチレータ層11で発光した光から遮光されていることが望ましい。更に、途中の検査工程で、シンチレータ層11で発光した光により第二のTFT6がリークし、検査精度を低下させる場合は、検査工程前にシンチレータ層11で発光した光から遮光する必要がある。この検査工程で使用する光が、シンチレータ層11を配置する前に、例えばLED光や有機EL光のような可視光で行う検査工程の場合、第二のTFT6をLED光や有機EL光から遮光する必要がある。また、シンチレータ11を配置しない撮像装置の場合、第二のTFT6を、外部から画素に入射される光から遮光する必要がある。
図6(a)は、シンチレータ層11を遮光層13で覆い、その外側に第二のTFT6を配置することで、シンチレータ層11で発光した光を第二のTFT6に入射させない構成にすることが可能である。第二のTFT6をボトムゲート型のTFTとすることで、基板10の裏面に抜けたシンチレータ層11による発光が乱反射しても、第二のTFT6のチャネル部にはゲート電極により遮光されるため光が入射せず、TFTのオフ状態を維持することが可能である。また、基板10の裏面に遮光層13を設けても良い。
また、図6(b)は、第二のTFT6を遮光層13で覆うことで、同様の効果が得られる。双方の遮光層13とも、なるべく後の製造工程で形成することが望ましい。また、TFTマトリックスパネルにおいては、課題にも述べたように、信号処理IC又はソースドライバを接続するまでは、電気的に独立した配線である。このため、外部から静電気の影響を受けた場合、周辺配線に逃がすことができず、静電気による影響を受けやすい。よって、第1の実施形態で示した接続端子12に、信号処理ICやドライブICを接続した後で遮光層13を形成することが望ましい。
遮光層13としては、光を透過しない金属膜もしくは塗布性に優れた有機系の着色レジストが望ましい。金属膜を用いる場合は、GND電位や一定電位に接続するとなお良い。
図7は、本発明の第2の実施形態に係わる撮像装置における第二のTFT6の平面図である。
図7において、図6における第二のTFT6周辺を表した平面図である。画素エリアから引き回された信号配線4が隣接する信号配線4と第二のTFT6により接続されている。第二のTFT6の上部には遮光層13が設けられており、図6(b)に示すような、シンチレータ層11で発光した光を遮光する構造になっている。
上記、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した撮像装置は、簡単な構造で静電気による影響を低減できるという利点がある。また、低消費電力であるという利点がある。
(応用例)
図8は、本発明による放射線撮像装置を放射線撮像システムであるX線診断システムへの応用例を示したものである。
放射線源であるX線チューブ6050で発生したX線6060は患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、シンチレータ(蛍光体)を上部に実装した放射線撮像装置6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応してシンチレータは発光し、これを光電変換して、電気的情報を得る。この情報は、ディジタルに変換され信号処理手段となるイメージプロセッサ6070により画像処理されコントロールルームに有る表示手段となるディスプレイ6080で観察できる。
また、この情報は、電話回線6090等の伝送処理手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなどに設置された表示手段となるディスプレイ6081に表示又は光ディスク等の記録手段に保存することができる。これにより、遠隔地の医師が診断することも可能である。また、記録手段となるフィルムプロセッサ6100により記録媒体となるフィルム6110に記録することもできる。
本発明は、可視光等の光を電気信号に変換する変換素子及びTFTを用いた撮像装置に適用できる。例えば、医療用や非破壊検査用のX線等の放射線撮像装置に適用できる。
本発明の第1の実施形態に係わる撮像装置における簡易等価回路図 同撮像装置における他の例の簡易等価回路図 同撮像装置における他の例の簡易等価回路図 同撮像装置における画素の平面図 同撮像装置における要部の平面図 本発明の第2の実施形態に係わる撮像装置における断面構成の概要図 同撮像装置における第二のTFTの平面図 本発明による放射線撮像装置のX線診断システムへの応用例を示した図
符号の説明
1…光電変換素子
2…第一のTFT
3…第一のゲート配線
4…信号配線
5…バイアス配線
6…第二のTFT
7…第二のゲート配線
8…有効画素エリア
9…高抵抗体
10…基板
11…シンチレータ層
12…接続端子
13…遮光層

Claims (14)

  1. 絶縁性の基板と、
    前記基板上にマトリックス状に配置されていて、放射線を電気信号に変換する変換素子および前記電気信号を転送するための第一のスイッチ素子をそれぞれ含む複数の画素と、
    前記複数の画素のそれぞれを選択するための複数の第一のゲート配線と、
    前記複数の画素のそれぞれの電荷を読出すための複数の信号配線と、
    を有する撮像装置であって、
    前記基板上における前記複数の画素が配置された領域外に複数の第二のスイッチ素子と、前記複数の第二のスイッチ素子を制御するための配線とを有し、前記複数の第二のスイッチ素子は、前記配線に印加される電圧によってオン状態またはオフ状態に制御され、
    前記複数の信号配線の各々は、該当する列の画素の前記第一のスイッチ素子に接続され、
    前記複数の信号配線の各々は、前記複数の画素が配置された領域外で、前記複数の第二のスイッチ素子のいずれかを介して他の前記信号配線と接続されていることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記複数の第二のスイッチ素子を覆う遮光層を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記遮光層は、一定電位に接続される金属層であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記第二のスイッチ素子は、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有し、前記ゲート電極が前記配線と電気的に接続され、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のそれぞれが互いに異なる前記信号配線と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記信号配線と前記変換素子に接続されているバイアス配線との間が、前記基板上における前記画素が配置された領域外で、第三のスイッチ素子を介して接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記バイアス配線と前記第一のゲート配線との間、及び、隣接する前記第一のゲート配線の間が、前記基板上における前記画素が配置された領域外で、高抵抗体を介して接続されていることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記信号配線と前記変換素子に接続されるバイアス配線との間、前記バイアス配線と前記第一のゲート配線との間、及び、隣接する前記第一のゲート配線の間が、前記基板上における前記画素が配置された領域外で、第三のスイッチ素子を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置と、
    前記撮像装置の前記画素が配置された領域上に配置されていて、放射線を前記変換素子が感知可能な波長帯域の光に変換するシンチレータ層と、
    を備えることを特徴とする放射線撮像装置。
  9. 前記第二のスイッチ素子は、シンチレータ層が発生する光から遮光されていることを特徴とする請求項8に記載の放射線撮像装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像装置を駆動する方法であって、撮像装置を駆動する際は、前記第二のスイッチ素子をオフすることを特徴とする撮像装置の駆動方法。
  11. 請求項8又は9に記載の放射線撮像装置と、
    前記放射線撮像装置からの信号を処理する信号処理手段と、
    前記信号処理手段からの信号を記録するための記録手段と、
    前記信号処理手段からの信号を表示するための表示手段と、
    前記信号処理手段からの信号を伝送するための伝送処理手段と、
    前記放射線を発生させるための放射線源と、
    を具備することを特徴とする放射線撮像システム。
  12. 基板上に配置されていて、変換素子および前記変換素子に接続された第一のスイッチ素子をそれぞれ有する複数の画素と、該当する列の画素の前記第一のスイッチ素子に接続されている複数の信号配線と、前記複数の画素の領域の外側に配置され、前記複数の信号配線の各々と他の前記信号配線とを接続する複数の第のスイッチ素子と、前記複数の第二のスイッチ素子を制御するための配線とを有する撮像装置の製造方法であって、
    前記複数の第二のスイッチ素子は、前記配線に印加される電圧によってオン状態またはオフ状態に制御され、
    前記製造方法は、
    前記複数の信号配線に対して接続端子を介して信号処理回路を接続し、
    前記複数の第二のスイッチ素子上に遮光層を形成する、
    ことを特徴とする撮像装置の製造方法。
  13. 前記遮光層は一定電位に接続されることを特徴とする請求項12に記載の撮像装置の製造方法。
  14. 前記複数の信号配線に前記接続端子を介して前記信号処理回路を接続する前に、前記複数の第のスイッチ素子を覆わないように前記複数の画素領域上にシンチレータ層を形成することを特徴とする請求項12又は13に記載の撮像装置の製造方法。
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