JP5252407B1 - シェルターおよびシェルター構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コンクリートからなるシェルター外殼1と、そのシェルター外殻の内に設けられた金属板から成るシェルター内殻2と、そのシェルター内殻2内に設けられたコンクリートからなる耐力間仕切壁3、耐力柱4からなり、シェルター内殻2により、シェルター外殻1と、耐力間仕切壁3あるいは耐力柱4が完全に分離された構成において、耐力間仕切壁3の端部、または耐力柱4の端部がシェルター内殻に関連して設けられた水平方向位置規制凹部である内殻突出凹部7により位置規制している。
【選択図】図2
Description
最悪の事態とは、多くの人命が失われる事態であり、これは第三者による武力攻撃やテロなどの有事災害、大規模な自然災害の発生を意味している。
例えば、津波の破壊力は強大なものであるが、この破壊的物理現象の原因は、大地震だけとは決して限らない。沿岸や湖中における核爆発や、ダム等の堤防を作為的に破壊するなど、同様の現象を作為的に引き起こすこともあり得る。
したがって、有事災害や自然災害からの防護は、これらを別個に捉えて対処するよりも、人の作為的、自然の偶発的に関わらず、総合的に捉え対処することが効果的であるということを暗示している。
つまり、将来における最悪の事態について検討するとき、有事災害、自然災害を別々の破壊効果として捉えるのではなく、平時から両者による災害に対応できる対策、すなわち総合的な防衛防災対策を事前準備することが最も効果的であると判断する。
また、津波は地震発生後、数分で到達する場合もあり、外部からの弾道ミサイル攻撃同様、避難するための時間は無きに等しい。つまり、シェルターが身近に存在していて、短時間で避難できることが非常に重要であり、万一の際、シェルターの中に避難すべき人がいないようではシェルターの意味は無い。
したがって、地域や国土のあらゆる場所にシェルターを建設する事が、最も適切なシェルターのあり方であり、効果的かつ経済的な防衛防災対策の具体策に他ならない。
なお、図1はシェルターが地下に設けられた構成であるので前室Aには階段Eが設けられているが、シェルターが地上に設けられる場合には階段Eは必ずしも必要としない。
図2には、コンクリートからなるシェルター外殻1、そのシェルター外殻の内に設けられた金属板からなるシェルター内殻2からなる断面方形型のシェルターが図示されていて、シェルター内殻2内に、耐力間仕切壁3によって部屋が形成され、必要に応じて耐力柱4が設けられている。なお、耐力間仕切壁3と耐力柱4の構成は天井部と床部においては同じであるので、以下説明は耐力間仕切壁3で説明し、図面上は3(4)と記載し、壁部においては耐力間仕切壁3が関係しているだけなので、図面上は3のみを記載している。
この結果、型枠13に流し込んだ生コンクリートは、床部において型枠ガイド(床部)6bと一体化し、壁部において型枠ガイド(壁部)6cと一体化し、天井部において型枠ガイド(天井部)6aと一体化するとともに、天井部においては内殻突出凹部7に、壁部と床部においては内殻軸材凹部9に耐力間仕切壁3の端部3a、3b、3cがそれぞれ入り込んだ構造の、すなわち天井部では内殻突出凹部7に、壁部と床部では内殻軸材凹部9に位置規制された状態で耐力間仕切壁3が形成される。
施工においては、型枠兼用金属板8を形成しない壁面側に型枠13を設置した後、生コンクリートを流し込んで(図10(a)、図11(a)参照)、耐力間仕切壁3を形成する(図10(b)、図11(b)参照)。
その後、土間コンクリート5を打設し、続いて、シェルター外殻(天井部)1aを、形成する(図10(c)、図11(c)参照)。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態で説明した内容と重複するところが多いので、以下重複する部分はなるべく省略し、相違している部分について詳述する。なお、第2の実施の形態を説明した図面では第1の実施の形態を説明した図面での符号に100番台の符号を付与して対比できるようにしている。
図13、図14には、シェルター外殻101、シェルター内殻102、耐力間仕切壁103、耐力柱104(図示していない)、上間コンクリート105で構成されている断面蒲鉾形のシェルターが図示されている。第1の実施の形態とは、天井部が円形である点で相違しているが、第1の実施の形態と同様、シェルター内殻102によって、シェルター外殻101と耐力間仕切壁103や耐力柱104等とは完全に分離されている構成である。
図15は、断面蒲鉾形型のシェルターにおける耐力間仕切壁103の天井部での施工方法を(a)(b)(c)の順で示している図面である。
先ず、図15(a)のように、水平方向位置規制凹部である内殻突出凹部107の上端部より任意の高さだけ低い位置に、金属製網状蓋117が形成されており、内殻突出凹部107の開口部107bから生コンクリートを流し込んだ結果として、金属製網状蓋117の下方側にコンクリートからなる耐力間仕切壁103が形成されている状態が示されている。図14には、金属製網状蓋117の網状蓋本体117aと網状蓋用の蓋117bが図示されているが、シェルター内殻には最初網状蓋本体117aのみが形成され、網状蓋用の蓋117bの部分は開口されていて、その開口から生コンクリートが流し込まれ、生コンクリートの充填高さに応じて網状蓋用の蓋をしながら、最終的には金属製網状蓋の下方側にコンクリートからなる耐力間仕切壁103を形成する。
次に、図15(b)において、内殻突出凹部107の開口部107bを密閉蓋107cで蓋をした結果として、金属製網状蓋117と密閉蓋107cとの間に隙間115を確保している状態が示されている。
次に、図13(c)において、隙間115に無収縮コンクリート116を充填して、無収縮コンクリートにより、金属製網状蓋117と密閉蓋107cとの間が密着させている状態が示されている。
なお、図15(a)、図15(b)、図15(c)に示される耐力間仕切壁103の施工方法は、耐力柱104の上端部についても採用される。
建設現場では、図16(a)、図16(b)、図16(c)の順で各ブロックが組み立てられる。これらの図はシェルターの製造方法の垂直断面を示している。
図16(a)では、床ブロック203を建設現場に据付設置した状態を示しており、床ブロック203には、耐力間仕切壁ブロック204aや耐力柱ブロック204bの下端部を位置規制するために、水平方向位置規制凹部である内殻突出凹部205が設けられている。第3実施の形態のブロック組立方式ではシェルター内殻がシェルター外殻側に突出した部分を水平方向位置規制凹部としていて、床ブロックにおいても、シェルター内殻がシェルター外殻側に突出した部分を水平方向位置規制凹部として形成している。
また、水平方向位置規制凹部において、水平方向位置規制凹部の部材と、耐力間仕切壁ブロック204aの上端部または耐力柱ブロック204bの上端部との間に弾力性部材を挿入することにより耐力間仕切壁ブロック204aの上端部または耐力柱ブロック204bの上端部の破壊を防止できるので、例えば、工場において、水平方向位置規制凹部に挿入する耐力間仕切壁ブロック204aの上端部分または耐力柱ブロック204bの上端部分に弾性部材を設けておけばよい。
B 退避室
C 機械室
D 出入口
E 階段
F 出入口
G 耐力間仕切壁
H 耐力柱
I 非常出口
J 換気装置
1 シェルター外殻
1a シェルター外殻(天井部)
1b シェルター外殻(床部)
1c シェルター外殻(壁部)
2 シェルター内殻
2a シェルター内殻(天井部)
2b シェルター内殻(床部)
2c シェルター内殻(壁部)
3 耐力間仕切壁
3a 天井端部
3b 床端部
3c 壁端部
4 耐力柱
4a 天井端部
ab 床端部
5 土間コンクリート
6 型枠ガイド
6a 型枠ガイド(天井部)
6b 型枠ガイド(床部)
6c 型枠ガイド(壁部)
7 内殻突出凹部
7a 壁部
7b 開口部
7c 密閉蓋
8 軸材
9 内殻軸材凹部
9a 壁
9b 密閉蓋
10 内殻土間凹部
11 内殻開口凹部
11a 密閉蓋
12 弾性部材
13 型枠
14 型枠兼用金属板
15 隙間
16 無収縮コンクリート
101 シェルター外殻
102 シェルター内殻
102a シェルター内殻(天井部)
103 耐力間仕切壁
104 耐力柱
105 土間コンクリート
106 型枠ガイド
106a 型枠ガイド(天井部)
107 内殻突出凹部
107a 壁部
107b 開口部
107c 密閉蓋
108 軸材
109 内殻軸材凹部
110 内殻土間凹部
115 隙間
116 無収縮コンクリート
117 金属製網状蓋
117a 網状蓋本体
117b 網状蓋用の蓋
201 天井ブロック
201a シェルター外殻(天井部)
201b シェルター内殻(天井部)
202 壁ブロック
202a シェルター外殻(壁部)
202b シェルター内殻(壁部)
203 床ブロック
203a シェルター外殻(床部)
203b シェルター内殻(床部)
204a 耐力間仕切壁ブロック
204b 耐力柱ブロック
205 内殻突出凹部
301 シェルター外殻
301a シェルター外殻(天井部)
301b シェルター外殻(床部)
301c シェルター外殻(壁部)
302 シェルター内殻
302a シェルター内殻(天井部)
302b シェルター内殻(床部)
302c シェルター内殻(壁部)
303 耐力間仕切壁
304 金属製蓋
305a 型枠ガイド(天井部)
305b 型枠ガイド(床部)
Claims (14)
- コンクリートからなるシェルター外殻と、該シェルター外殻の内部に形成する金属からなるシェルター内殻と、該シェルター内殻の内部に形成する間仕切壁または柱とからなるシェルターであって、該間仕切壁または該柱はコンクリートからなる耐力間仕切壁または耐力柱であり、且つ、該耐力間仕切壁または該耐力柱と、該シェルター外殻とが、該シェルター内殻で完全に分離されているシェルターにおいて、該耐力間仕切壁または該耐力柱の天井端部、壁端部、床端部の少なくとも一つが、該シェルター内殻に関連させて設けられた水平方向位置規制凹部により位置規制されていることを特徴とするシェルター。
- シェルター内殻に関連させて設けられた水平方向位置規制凹部が、位置規制する位置において、シェルター内殻をシェルター外殻側に突出させて形成した凹部であることを特徴とする請求項1に記載のシェルター。
- シェルター内殻に関連させて設けられた水平方向位置規制凹部が、位置規制する位置において、シェルター内殻の室内側に設けた軸材により形成した凹部であることを特徴とする請求項1に記載のシェルター。
- シェルター内殻に関連させて設けられた水平方向位置規制凹部が、位置規制する位置において、シェルター内殻に設けた開口により形成した凹部であることを特徴とする請求項1に記載のシェルター。
- シェルター内殻に関連させて設けられた水平方向位置規制凹部が、位置規制する位置において、シェルター内殻の床部の上に流し込んだ土間コンクリートによって形成された凹部であることを特徴とする請求項1に記載のシェルター。
- 水平方向位置規制凹部において、水平方向位置規制凹部の部材と、該水平方向位置規制凹部に位置するコンクリートからなる該耐力間仕切壁または該耐力柱の端部との間に弾性部材を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシェルター。
- コンクリートからなるシェルター外殻と、該シェルター外殻の内部に形成する金属からなるシェルター内殻と、該シェルター内殻の内部に形成する間仕切壁または柱とからなるシェルターであり、該間仕切壁または該柱はコンクリートからなる耐力間仕切壁または耐力柱であり、且つ、該耐力間仕切壁または該耐力柱と、該シェルター外殻とが、該シェルター内殻で完全に分離されたシェルターの構築方法であって、最初に、シェルター外殻の床部を形成し、次に、該耐力間仕切壁または該耐力柱の、天井端部、壁端部、床端部の少なくとも一つを位置規制する水平方向位置規制凹部を設けるとともに、水平方向位置規制凹部に対応させた開口部を天井部に備えたシェルター内殻を該シェルター外殻の床部の上に設置し、次に、該開口部に対応するよう組み立てたシェルター内殻内の耐力間仕切壁形成用型枠または耐力柱形成用型枠の中に該開口部から生コンクリートを流し込み、開口部密閉蓋で該開口部を塞いで耐力間仕切壁または耐力柱を形成するとともに、生コンクリートを流し込んでシェルター外殻の壁部を形成し、次に、生コンクリートを流し込んでシェルター外殻の天井部を形成することを特徴とするシェルター構築方法。
- シェルター内殻は、耐力間仕切壁または耐力柱を位置規制する位置において、シェルター内殻をシェルター外殻側に突出させて形成した凹部を水平方向位置規制凹部とし、水平方向位置規制凹部に対応させた開口部をその天井部に備えてあることを特徴とする請求項7に記載のシェルター構築方法。
- シェルター内殻は、耐力間仕切壁または耐力柱を位置規制する位置において、シェルター内殻の室内側に設けた軸材により形成した凹部を水平方向位置規制凹部とし、水平方向位置規制凹部に対応させた開口部をその天井部に備えてあることを特徴とする請求項7に記載のシェルター構築方法。
- シェルター内殻は、耐力間仕切壁または耐力柱を位置規制する位置において、シェルター内殻に設けた開口を水平方向位置規制凹部とし、水平方向位置規制凹部に対応させた開口部をその天井部に備えてあることを特徴とする請求項7に記載のシェルター構築方法。
- シェルター内殻は、耐力間仕切壁または耐力柱を位置規制する位置において、シェルター内殻の床部の上に流し込んだ土間コンクリートにより形成された凹部を水平方向位置規制凹部とし、水平方向位置規制凹部に対応させた開口部をその天井部に備えてあることを特徴とする請求項7に記載のシェルター構築方法。
- 請求項7において、該開口部に対応するよう組み立てたシェルター内殻内の耐力間仕切壁形成用型枠または耐力柱形成用型枠の中に該開口部から生コンクリートを流し込み、開口部密閉蓋で該開口部を塞いで耐力間仕切壁または耐力柱を形成する際に、水平方向位置規制凹部の部材と、該水平方向位置規制凹部に位置するコンクリートからなる該耐力間仕切壁または該耐力柱の端部との間に弾性部材を設けていることを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載のシェルター構築方法。
- コンクリートからなるシェルター外殻と、該シェルター外殻の内部に形成する金属からなるシェルター内殻と、該シェルター内殻の内部に形成する間仕切壁または柱とからなるシェルターであり、該間仕切壁または該柱はコンクリートからなる耐力間仕切壁または耐力柱であり、且つ、該耐力間仕切壁または該耐力柱と該シェルター外殻とが、該シェルター内殻で完全に分離されたシェルターの構築方法であって、シェルター外殻床部とシェルター内殻床部を一体的に形成した床ブロック、シェルター外殻壁部とシェルター内殻壁部を一体的に形成した壁ブロック、耐力間仕切壁ブロック、耐力柱ブロック、シェルター外殻天井部とシェルター内殻天井部を一体的に形成した天井ブロックからなり、該天井ブロック、該壁ブロック、該床ブロックの内面の少なくとも一つに、該耐力間仕切壁ブロックまたは耐力柱ブロックを位置規制するための水平方向位置規制凹部を設け、先ず、該床ブロックを設置し、次に、該壁ブロック、該耐力間仕切壁ブロックまたは該耐力柱ブロックを該床ブロックに据付固定し、次に、該天井ブロックを該壁ブロックと、該耐力間仕切壁ブロックの上端部または該耐力柱ブロックの上端部に据付け固定したことを特徴とするシェルターの構築方法。
- 請求項13において、該耐力間仕切壁ブロックまたは該耐力柱ブロックを該床ブロックに据付固定する際に、該天井ブロックを該耐力間仕切壁ブロックの上端部または該耐力柱ブロックの上端部に据付け固定する際に、水平方向位置規制凹部の部材と、該水平方向位置規制凹部に位置する該耐力間仕切壁ブロックの端部または該耐力柱ブロックの端部との間に弾性部材を設けていることを特徴とする請求項13に記載のシェルター構築方法。
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