JP5252390B2 - 流体の混合装置、流体の混合方法及び金型構造 - Google Patents

流体の混合装置、流体の混合方法及び金型構造 Download PDF

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本発明は、流体の混合装置、流体の混合方法及び金型構造に関する。
近年、複数の流体を混合した後に、反応生成物を抽出、分離または検出するための様々な方法が研究されている。例えば、μ−TAS(マイクロタス、Micro Total Analysis System)、集積化化学システムやLab−on−a−Chipなどでは、化学プロセスの集積、微細化によって、試薬量や廃棄液の削減、省スペース化、携帯性の向上、測定の効率化、低コスト化が期待されている。その反面、装置のサイズが小さくなると、レイノルズ数の小さな層流(極端な場合には、ストークス流れ)になるため、流体の混合に長い時間と距離を要することが問題となっている。
このため、従来より様々な流体の混合方法が研究されている。以下に示す特許文献1乃至5には、振動や磁力などの外力によって、流体の混合を促進する方法が記載されている。また、特許文献6乃至9には、流路を多層構造にすることにより、流体の混合を促進するもの、特許文献10乃至15には、流路に障害物を設置し、流路の断面積を変えることにより、流体の混合を促進するもの、特許文献16には、自励振動を励起して混合を促進するものが開示されている。
特開2005−77219号公報 特開2005−28531号公報 特開2004−354180号公報 特開2004−184315号公報 特開2003−210963号公報 特開2004−202613号公報 特開2004−113967号公報 特開2003−210957号公報 特開2003−1077号公報 特開2006−7007号公報 特開2005−169218号公報 特開2005−127864号公報 特開2005−118634号公報 特開2004−294417号公報 特開2002−346355号公報 特開2005−169219号公報 特開2000−70691号公報 特開平9−253467号公報 特開2006−239538号公報 特開昭61−607
上記の各特許文献については以下に述べる問題点があった。すなわち、超音波振動や磁力などの外力を用いる場合や、流路を多層構造にする場合は、単純な単層構造の流路に比べてコストが高くなり、また、装置が複雑化したり、大型化するという問題があった。また、流路内に障害物を備えるなど、流路の断面積を変える方法では、複数の流体の混合の効果が高くない上に、流路抵抗が大きくなる。また、自励振動を励起する方法においても、自励振動によって流体の抵抗が増加するためにポンプの出力を増加させる必要があり、さらに、流体の特性が変化すると自励振動が生じ難いなど、汎用性に欠けるものであるという問題点を有していた。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、型による成形が可能な単層構造の流路を用いることにより、低コストでコンパクトな混合装置を実現することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1に係る発明は、少なくとも2つの流路を合流させることで、2つの流体を混合させてなる流体の混合装置であって、前記流路は、一方の流体を収容する一方の流路と、他方の流体を収容する他方の流路より構成され、流路方向に垂直な上下方向の前記一方の流路の最下部の位置が、前記他方の流路における前記上下方向の最下部の位置よりも下部である第1の流路部と、前記流路の合流後の状態において、前記一方の流路から延出する部分の前記上下方向最下部が、前記他方の流路から延出する部分の最下部の真下である第2の流路部を、備えることを特徴とする流体の混合装置によって構成される。上記の構成によれば、流路の合流状態において、一方の流路から延出する部分の最下部が、他方の流路から延出する部分の最下部の真下となるため、一方の流路から流入した流体は、他方の流路から流入した流体の下部に流入する。したがって、2つの流体を上下方向に2層に混合することができるため、効率よく流体を混合することができる。なお、2つの流体は通常互いの合流面で拡散して混合するものであるが、2つの流体の混合の度合いを向上させるためには、互いの流体を層状にして、合流面を増加させることが効率的であるため、本出願では、混合の度合いを説明するために、2つの流体を層状にして良好に混合させる、という説明を用いるものとする。
なお、本発明は、2つの流体の混合を行なうものであるが、2つに限らず、3つ以上の流路を合流させて3つ以上の流体を混合させるものであっても良い。また、流路の最下部とは、流路の底面に該当する部分をいう。また、一方の流路の最下部の位置が他方の流路の最下部の位置よりも下部であるとは、両方の最下部を比較して、一方の最下部のいずれかの部分の上下方向位置が、他方の最下部よりも下に存在する場合をいう。また、一方の流路から延出する部分とは、一方の流路の形状を流路方向下流側へ延長した流路部分であり、他方の流路から延出する部分とは、他方の流路の形状を流路方向下流側へ延長した流路部分である。また、一方の流路から延出する部分の最下部が他方の流路から延出する部分の最下部の真下である、とは、左右方向の位置関係において最下部が重複(ラップ)した状態で、一方の流路から延出する部分が他方の流路から延出する部分の下部にある状態をいう。また、本発明の混合装置は、少なくとも2つの流体を混合させるものであるが、混合の仕方は様々なものがあり、2つの流体が互いに拡散して混合する場合や、2つの流体の拡散係数が非常に低い場合や2つの流体が非相溶性材料であって、各々の流体の層が積層状態となって混合される場合も、本発明の混合装置の適用範囲に含まれるものである。
また、本発明は、前記第2の流路部を、前記流路方向および前記上下方向に垂直な方向である左右方向に分離する第3の流路部をさらに備えることを特徴とする流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、第1の流路部および第2の流路部で上下方向に混合された2層の流体を、良好に左右方向に分離することができる。
また、本発明は、前記第3の流路部で分離された少なくとも2つの流路を、前記第1の流路部と前記第2の流路部と同様の流路形状を用いて流体を混合させる第4の流路部をさらに備えることを特徴とする流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、上下方向に混合された2層の流体を、さらに上下方向に混合することにより、上下方向に4層の流体とすることができる。これにより、良好に流体を混合することができる。
また、本発明は、前記他方の流路の断面形状が、頂角が一方の流路に向かうくさび形状であることを特徴とする流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、他方の流路の断面形状がくさび形状とされているため、一方の流路を他方の流路の下方へ移動させやすくなり、良好に2つの流体を混合することができる。
また、本発明は、前記第2の流路部に続く流路部であって、前記一方の流路から延出する部分の前記流路方向および前記上下方向に垂直な方向である左右方向幅と前記他方の流路から延出する部分の左右方向幅を同一にする第12の流路部と、を備えることを特徴とする流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、左右方向幅を同一にすることで、上下方向に混合された2層の流体を良好に混合することができる。なお、左右方向幅を同一とするとは、左右方向幅を全く同一とする場合に限らず、左右方向幅を概ね同一とする場合をも含むものである。
また、本発明は、前記第12の流路部の底部の一部を他の部分よりも流路方向に垂直な上下方向に深い部分を形成して、2つの流体が前記深い部分に収容された状態とする第13の流路部と、前記他の部分の左右方向幅を小さくして、前記他方の流路から流入する流体を上下方向に分離した状態とする第14の流路部と、
を備えることを特徴とする流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、第14の流路部で他方の流路から流入する流体を上下方向に分離した状態とするため、2つの流体を上下方向に4層の状態とすることができる。これにより、良好に流体を混合することができる。
また、本発明は、前記第12の流路部の底部の一部を他の部分よりも流路方向に垂直な上下方向に浅い部分を形成して、前記他方の流路を流れる流体のみが流れる状態とする第18の流路部と、前記一方の流路から延出する流路部分の上下方向深さを浅くすることにより、前記他方の流路から流入する流体を左右方向に分離した状態とする第19の流路部と、を備えることを特徴とする流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、他方の流路から流入する流体を左右方向に分離した状態とするため、2つの流体を左右方向に3層の状態とすることができる。これにより、良好に流体を混合することができる。
また、本発明は、前記第12の流路部の底部の一部を他の部分よりも流路方向に垂直な上下方向に深い部分として形成し、前記深い部分が前記他の部分の真下になる状態とする第20の流路部と、を備える流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、2つ流体を上下方向に3層あるいは4層の状態とすることができるため、良好に流体を混合することができる。
また、本発明は、少なくとも2つの流路を合流させることで、2つの流体を混合させてなる流体の混合装置であって、前記流路の合流後の底部を延出して形成される流路部分が、流路方向に垂直な上下方向に深い部分を含む流路部分と、該深い部分を含まない流路部分となる第5の流路部と、前記深い部分を含む流路部分と、前記深い部分を含まない流路部分とを、前記流路方向および前記上下方向に垂直な左右方向に分離する第6の流路部と、を備えることを特徴とする流体の混合装置よって構成することもできる。この構成によれば、2つの流体が流れ込む流路の底部から延出する流路部分が、深い部分を含む流路部分と、深い部分を含まない流路部分とされるため、両方の流路部分には2つの流体が含まれることになる。その後、それぞれの流路部分が左右方向に分離され、それぞれの流路において、2つの流体を左右方向に2層に混合することができるため、良好に流体を混合することができる。なお、合流後の底部とは、2つの流路が合流し、2つの流体が接している流路の底部をいう。また、深い部分とは、流路の底部から延長して形成され、他の部分よりも深さが深い部分をいう。
また、本発明は、前記第6の流路部で分離された流路を、前記左右方向から合流させる第7の流路部をさらに備えることを特徴とする流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、左右方向に2層に混合された流体を、さらに左右方向から合流させることにより、左右方向に4層に混合することができる。
また、本発明は、前記第7の流路部で合流された流路を、前記第5の流路部と前記第6の流路部と同様の流路形状を用いて流路を分離させる第8の流路部をさらに備えることを特徴とする流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、左右方向に4層に混合された流体を、さらに左右方向に分離するため、それぞれの流路において、左右方向に4層に混合された流体を得ることができる。
また、本発明は、第6の流路部において、前記深い部分を含まない部分の流路部分の断面形状が、前記深い部分を含む部分の流路部分に向かうくさび形状であることを特徴とする流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、深い部分を含まない部分の流路部分の断面形状がくさび形状とされているため、深い部分を含まない部分の流路部分を、深い部分を含む部分の流路部分から分離しやすくなる。
また、本発明は、少なくとも2つの流路を合流させることで、2つの流体を混合させてなる流体の混合装置であって、合流後の流路において、前記流路方向に垂直な上下方向の幅を小さくするとともに、合流後流路の上端部の流路方向に垂直な左右方向の幅を大きくした第9の流路部と、を備えることを特徴とする流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、流路の上下方向幅を小さくするとともに、左右方向幅を大きくすることで、流路の上端部においては、2つの流体が上下方向に積層された状態とすることができる。これにより、良好に流体を混合することができる。なお、上述の第9の流路部は以下のようにすることもできる。すなわち、少なくとも2つの流路を合流させることで、2つの流体を混合させてなる流体の混合装置であって、合流後の流路において、前記流路方向に垂直な左右方向の幅を小さくするとともに、合流後の左端部あるいは右端部の流路方向に垂直な上下方向の幅を大きくした第9の流路部を備えることを特徴とする流体の混合装置とすることもできる。この装置によっても、同様に、2つの流体が左右方向に積層された状態とすることができるため、良好に流体を混合することができる。
また、本発明は、前記合流後流路の左右方向端部の流路部分と上端部の流路部分を左右方向に分離し、分離されたそれぞれの流路を略同一形状とする第10の流路部と、前記分離された流路を左右方向から合流させる第11の流路部と、を備えることを特徴とする流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、流路を分離および合流することにより、流路内の流体を左右方向に4層の状態とすることができるため、良好に流体を混合することができる。
また、本発明は、前記第9の流路部の流路の深さを一定の深さとすることにより、上下方向において2つの流体が流れる状態とする第15の流路部と、前記第15の流路部の底部の一部を他の部分より深い部分とし、前記深い部分に左右方向において2つの流体が流れる状態とする第16の流路部と、を備える流体の混合装置によって構成することができる。この構成によれば、流路の深い部分に2つの流体が流れる状態とされるため、2つの流体を左右方向に3層あるいは4層の状態とすることができる。これにより、良好に流体を混合することができる。
また、本発明は、前記第9の流路部の上端部の底部の一部を他の部分より深い部分とし、前記深い部分に2つの流体が流れる状態とする第17の流路部と、
を備える流体の混合装置によって構成することもできる。この構成によれば、他の部分に2つの流体が流れる状態にすることにより、2つの流体を左右方向に4層の状態とすることができる。これにより、良好に流体を混合することができる。
また、本発明は、少なくとも2つの流路を合流させることで、2つの流体を混合させてなる流体の混合方法であって、前記流路は、一方の流体を収容する一方の流路と、他方の流体を収容する他方の流路より構成され、流路方向に垂直な上下方向の前記一方の流路の最下部の位置を、前記他方の流路における前記上下方向の最下部の位置よりも下部にする第1のステップと、前記第1のステップの後であって、前記流路の合流後の状態において、前記一方の流路から延出する部分の前記上下方向最下部を、前記他方の流路から延出する部分の最下部の真下にする第2のステップと、からなる流体の混合方法によって実現することもできる。この方法によれば、流路の合流状態において、一方の流路から延出する部分の最下部が、他方の流路から延出する部分の最下部の真下となるため、一方の流路から流入した流体は、他方の流路から流入した流体の下部に流入する。したがって、2つの流体を上下方向に2層に混合することができるため、効率よく流体を混合することができる。また、本発明の混合方法は、少なくとも2つの流体を混合させるものであるが、混合の仕方は様々なものがあり、2つの流体が互いに拡散して混合する場合や、2つの流体の拡散係数が非常に低い場合や2つの流体が非相溶性材料であって、各々の流体の層が積層状態となって混合される場合も、本発明の混合方法の適用範囲内である。
また、本発明は、前記第2のステップの後に、合流後の流路を、前記前記流路方向および前記上下方向に垂直な方向である左右方向に分離する第3のステップをさらに備えることを特徴とする流体の混合方法によって実現することもできる。この方法によれば、第1のステップおよび第2のステップで上下方向に混合された2層の流体を、良好に左右方向に分離することができる。
また、本発明は、前記第3のステップで分離された少なくとも2つの流路を、前記第1のステップと前記第2のステップと同様に流体を混合させる第4のステップをさらに備えることを特徴とする流体の混合方法によって実現することもできる。この方法によれば、上下方向に混合された2層の流体を、さらに上下方向に混合することにより、上下方向に4層の流体とすることができる。これにより、良好に流体を混合することができる。
また、本発明は、前記他方の流路の断面形状が、頂角が一方の流路に向かうくさび形状であることを特徴とする流体の混合方法によって実現することもできる。この方法によれば、他方の流路の断面形状がくさび形状とされているため、一方の流路を他方の流路の下方へ移動させやすくなり、良好に2つの流体を混合することができる。
また、本発明は、少なくとも2つの流路を合流させることで、2つの流体を混合させてなる流体の混合装置であって、前記流路の合流後の底部を延出して形成される流路部分が、流路方向に垂直な上下方向に深い部分を含む流路部分と、該深い部分を含まない流路部分となる第5ステップと、前記深い部分を含む流路部分と、前記深い部分を含まない流路部分とを、前記流路方向および前記上下方向に垂直な左右方向に分離する第6ステップと、からなることを特徴とする流体の混合方法によって実現することもできる。この方法によれば、2つの流体が流れ込む流路の底部から延出する流路部分が、深い部分を含む流路部分と、深い部分を含まない流路部分とされるため、両方の流路部分には2つの流体が含まれることになる。その後、それぞれの流路部分が左右方向に分離され、それぞれの流路において、2つの流体を左右方向に2層に混合することができるため、良好に流体を混合することができる。
また、本発明は、前記第6のステップで分離された流路を前記左右方向から合流させる第7のステップをさらに備えることを特徴とする流体の混合方法によって実現することもできる。この方法によれば、左右方向に2層に混合された流体を、さらに左右方向から合流させることにより、左右方向に4層に混合することができる。
また、本発明は、前記第7のステップで合流された流路を、前記第5のステップと前記第6のステップと同様の方法で分離させる第8のステップをさらに備えることを特徴とする流体の混合方法によって実現することもできる。この方法によれば、左右方向に4層に混合された流体を、さらに左右方向に分離するため、それぞれの流路において、左右方向に4層に混合された流体を得ることができる。
また、本発明は、第6のステップにおいて、前記深い部分を含まない部分の流路部の断面形状が、前記深い部分を含む部分の流路部分に向かうくさび形状であることを特徴とする流体の混合方法によって実現することもできる。この方法によれば、深い部分を含まない部分の流路部分の断面形状がくさび形状とされているため、深い部分を含まない部分の流路部分を、深い部分を含む部分の流路部分から分離しやすくなる。
また、本発明は、少なくとも2つの流路を合流させることで、2つの流体を混合させてなる流体の混合方法であって、合流後の流路において、前記流路方向に垂直な上下方向の幅を小さくするとともに、合流後流路の上端部の流路方向に垂直な左右方向の幅を大きくした第9のステップと、を備えることを特徴とする流体の混合方法によって実現することもできる。この方法によれば、流路の左右方向端部の上下方向幅を小さくするとともに、流路の上端部の左右方向幅を大きくしたことにより、2つの流体が上下方向に積層された状態とすることができるため、良好に流体を混合することができる。なお、上述の第9のステップは以下のようにすることもできる。すなわち、少なくとも2つの流路を合流させることで、2つの流体を混合させてなる流体の混合方法であって、合流後の流路において、前記流路方向に垂直な左右方向の幅を小さくするとともに、合流後の左端部あるいは右端部の流路方向に垂直な上下方向の幅を大きくした第9のステップを備えることを特徴とする流体の混合方法とすることもできる。この方法によっても、同様に、2つの流体が左右方向に積層された状態とすることができるため、良好に流体を混合することができる。
また、本発明は、上記した流体の混合装置の形状、またはその反対形状を、金型として用いることを特徴とする金型構造によって構成することもできる。この構成によれば、液体の混合装置の形状を金型とすることにより、当該金型を用いて、流体の混合装置の作製に利用することができる。
本発明は、単層構造の流路を用いて流路の混合部分の流路構成を工夫し、混合装置を構成したため、流体を良好に混合することができるとともに、混合装置をコンパクトなものとし、また安価に量産することができる。
本発明を実施するための実施の形態について以下に詳細に説明する。図1は、本発明が適用された第1の実施形態の流体の混合装置2の全体構成を示す概略図である。なお、図1は、混合装置2を真上からみたものであり、混合装置2の内部の流路4の構成を分かり易くするために、流路4を点線で示している。
混合装置2は、2種類の液体を混合する際に用いられるものであり、混合装置2の内部には流路4が形成されている。流路4は、液体の入り口部分である合流部分6と、合流部分から流入した液体を混合させる混合部分8と、混合された液体を流出させる出口部分10から構成されている。合流部分6は、外部から2種類の液体を導入し、次に続く混合部分8に2種類の液体を供給する部分であり、互いに独立な流路を有している。また、混合部分8は、流路を合流させて、2種類の液体を混合させる部分であり、液体の混合の度合いを高くするために、特定の流路のパターンが設計されている。また、出口部分10は、混合部分8からの液体を他の装置(例えば、液体の分析装置など)に供給するための部分である。なお、混合装置2の厚さ(紙面に垂直な方向の幅)は、流路4を形成するために十分なものとされている。
次に、第1の実施形態の混合装置2の混合部分8の構成について詳細に説明する。図2は、混合装置2の混合部分8の各位置における断面図と、混合部分8の流路の位置を上部から見たものを示す図である。混合部分8の各位置は、入り口側から出口側に向かうにつれて、位置(a)、(b)、(c)と表示するものとする。また、当初A液が流れる流路を流路Aとし、図においては、グレーで表示し、当初B液が流れる流路は流路Bとし、図においては、白で表示する。なお、各実施形態においては、A液とB液の境界面を実線で示したが、流路内に仕切り板や壁面が存在するのではなく、A液とB液の境界面を模式的に示したものである。
図2において、混合部分8の位置(a)では、A液が流れる流路AとB液が流れる流路Bは互いに分離された状態となっている。位置(a)から位置(b)では、流路Aは流路Bよりも深い(図2の断面図の上下方向幅が大きい)状態となり、流路Bは、その流路の一部が、流路Aに向かうくさび形状となっている。なお、位置(a)から位置(b)の流路部分は、特許請求の範囲における第1の流路部に該当する。
次の位置(b)から(c)では、流路Aと流路Bが合流し、流路Aから延出する部分が流路Bから延出する部分の下部に位置している。なお、位置(b)から(c)の流路部分は、特許請求の範囲の第2の流路部に該当する。
次の位置(c)から(d)では、流路の深さが浅くなり(図2の断面図の上下方向幅が小さくなり)、位置(d)から(e)において、合流した流路は、左右に2つに分離される。位置(d)から(e)の状態では、左右に分離された2つの流路には、A液およびB液が含まれた状態となる。なお、位置(d)から(e)の流路部分は、特許請求の範囲の第3の流路部に該当する。
次の位置(e)から(f)では、左側の流路の深さが右側の流路よりも深くなり、右側の流路の一部がくさび形状となる。次の位置(f)から(g)では、左側の流路から延出する部分が右側の流路から延出する部分の下部に位置している。そして、次の位置(g)から(h)では、流路の深さが浅くなり、位置(h)から(i)において、流路は左右に2つに分離される。なお、本実施形態においては、位置(a)から位置(e)までを1サイクルとして、混合部分8は、5サイクルの流路構成となっている。なお、位置(e)から位置(g)の流路部分は、特許請求の範囲の第4の流路部に該当する。
上述したように、位置(a)から(b)で流路Aを流路Bよりも深くし、位置(b)から(c)で流路Aから延出する部分を流路Bから延出する部分の下部に位置させているため、A液をB液の下部に流れ易くすることができる。したがって、A液とB液を上下に位置させることで、液を上下2層の状態とすることができる。また、A液がB液の下部に位置する状態で、流路を浅くし(位置(c)から(d))、流路を左右に2つに分離しているため(位置(d)から(e))、A液とB液を上下に位置させた状態で流路を2つに分離することができる。
また、A液とB液を上下に位置させた流路を、位置(e)から位置(g)のような構成をとることにより、位置(h)に示すように、A液とB液の4層の状態とすることができる。本実施形態では、このように液体の混合を繰り返すことにより、理想的には、A液とB液を2の5乗、すなわち、32層の状態とすることができる。したがって、第1の実施形態では、A液とB液の混合を良好に行なうことが可能な混合装置2を実現することができる。また、本実施形態では、比較的短い距離でA液とB液を多層の状態にすることができるため、混合装置2をコンパクトなものとすることができる。
また、本実施形態では、一方の流路の一部の形状をくさび形状としているため、他方の流路を流れる液を、一方の流路を流れる液の下部に位置させ易くなる。これにより、異なる液体を上下の層の状態とすることが容易化される。
次に、図3を用いて本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態も第1の実施形態と同様に、混合部分8の流路の断面図と流路の位置を上部から見た図で説明する。図3の位置(b)において、流路Aが流路Bよりも深いものとなり、位置(c)で、流路Aから延出した部分が流路Bから延出した部分の下部に位置している。その後、A液とB液が上下に2層とされた状態で位置(e)において、左右に流路が分離される。その後、第1の実施形態と同様に、2サイクル目(位置(e)から位置(h))では、位置(h)に示すように、A液とB液が上下に4層の状態となり、3サイクル目(位置(i)から位置(l))では、位置(l)に示すようにA液とB液が上下8層の状態となる。
したがって、第2の実施形態においても、A液とB液を上下方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について、図4を用いて説明する。第3の実施形態も第1の実施形態と同様に、混合部分8の流路の断面図と流路の位置を上部から見た図で説明する。図4において、位置(b)では、流路Aが流路Bよりも深いものとなり、位置(c)で流路Aから延出した部分が流路Bから延出した部分の下部に位置している。その後、位置(d)でA液とB液が上下方向に2層の状態となり、2サイクル目(位置(e)から位置(h))では、位置(h)に示すように、A液とB液が上下方向に4層の状態となる。
したがって、第3の実施形態においても、A液とB液を上下方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。なお、第1の実施形態と同様に、本実施形態では、一方の流路の一部の形状をくさび形状としている。これにより、他方の流路を流れる液を一方の流路を流れる液の下部に位置させやすくすることができる。これについて詳説すると、図4の位置(b)においては、流路Bが流路Aに向かう向きにくさび形状となっているため、くさび形状ではない(例えば、底部が水平の形状)場合に比べて、合流部分における流路Bと流路Aの深さの差を大きくすることができる。これにより、流路Aを流れるA液を流路Bを流れるB液の下に流れさせ易くすることができる。
次に、本発明の第4の実施形態について、図5を用いて説明する。第4の実施形態も第1の実施形態と同様に、混合部分8の流路の断面図と流路の位置を上部から見た図で説明する。図5において、位置(b)において流路Aと流路Bが合流し、位置(b)から(c)で、合流した流路底部から延出する部分の深さが、他の部分に比べて深い(図の断面図の上下方向幅が大きい)部分が形成される。なお、A液とB液が流入した流路の底部を延出して、流路の深さを深くしたため、深くした流路部分には、A液およびB液が収容された状態となっており、この部分は特許請求の範囲の深い部分となる。したがって、位置(b)から(c)の流路部分は、特許請求の範囲の第5の流路部に該当する。
位置(d)以降では、A液とB液を収容する深い部分が右方向に移動し、深い部分を含む流路部分から延出する流路部分と、深い部分を含まない流路部分から延出する流路部分が左右方向に分離される。図5(d)および(e)に示すように、深い部分を含む流路部分および深い部分を含まない流路部分は、ともにA液とB液が流入した状態となっている。なお、位置(d)から(e)の流路部分は、特許請求の範囲の第6の流路部に該当する。
次の位置(e)から(f)では、分離された流路の深さが同じものとされ、位置(g)で、分離された流路が再び合流した状態となる。なお、位置(g)の流路部分は、特許請求の範囲の第7の流路部に該当する。
さらに、位置(g)から(h)では、流路部分の底部から延出して、左右の流路から流れる流体を収容する深さが深い部分が形成され、位置(i)以降において、深い部分が左方向に移動し、深い部分を含む流路部分と深い部分を含まない流路部分が左右方向に分離される。その後、位置(k)で、再び流路が合流した状態となる。なお、位置(g)から(j)の流路部分は、特許請求の範囲の第8の流路部に該当する。
上述したように、第4の実施形態では、位置(b)から(c)で、A液とB液を収容する深い部分を形成し、位置(c)から(e)で深い部分を含む流路部分と、深い部分を含まない流路部分を左右に分離し、合流させたため、位置(g)に示すように、A液とB液を左右方向に4層とすることができる。また、これらの流路を、位置(g)から位置(j)にかけて再び、左右に分離し、合流させたため、位置(k)に示すように、A液とB液を左右方向に8層とすることができる。したがって、第4の実施形態では、A液とB液を良好に混合させることができる混合装置2を実現することができる。また、本実施形態では、混合部分8の長さを比較的短いものとすることができるため、混合装置2をコンパクトなものとすることができる。
次に、本発明の第5の実施形態について、図6を用いて説明する。第5の実施形態も第1の実施形態と同様に、混合部分8の流路の断面図と流路の位置を上部から見た図で説明する。図6において、位置(b)で流路Aと流路Bが合流し、位置(b)から(c)で、A液とB液を収容する深い部分が形成される。位置(c)以降で深い部分が左に移動し、位置(d)以降で流路が左右に分離され、位置(f)で再び、流路が合流する。したがって、第5の実施形態においても、A液とB液を左右方向に多層の状態とすることができ、A液とB液を良好に混合することができる混合装置2を実現することができる。
次に、本発明の第6の実施形態について、図7を用いて説明する。第6の実施形態も第1の実施形態と同様に、混合部分8の流路の断面図と流路の位置を上部から見た図を用いて説明する。図7において、位置(b)で流路Aと流路Bが合流し、位置(b)から(c)で、A液とB液を収容する深い部分が形成される。位置(c)以降で、深い部分が右に移動し、位置(d)以降で、流路が2つに分離され、位置(f)で流路が合流する。したがって、第6の実施形態においても、A液とB液を左右方向に多層の状態とすることができ、A液とB液を良好に混合することが可能な混合装置2を実現することができる。
次に、本発明の第7の実施形態について、図8を用いて説明する。第7の実施形態は、流路の混合部分8の断面図を用いて説明するものである。図8において、2つの流路は位置(c)で合流し、位置(d)で上下方向に細長い形状となる。次に、位置(e)から位置(h)にかけて、左端流路の上下方向幅が小さくなると同時に、流路の上端部分が右方向に延出し、位置(h)で、流路の左端部分の上下方向幅と流路の上端部分の左右方向幅がほぼ同一となる。なお、位置(e)から位置(h)の流路部分は、特許請求の範囲の第9の流路部に該当する。
その後、位置(i)において、流路は2つに分離され、位置(o)において、右側流路の左右方向幅が小さくなると同時に右側流路の左端部が下方に延出し、位置(s)において、左右の流路の形状が略同一のものとなり、位置(t)で流路が合流する。したがって、第7の実施形態においても、A液とB液を左右方向に多層の状態とすることができ、A液とB液を良好に混合することが可能な混合装置2を実現することができる。なお、位置(i)から位置(s)の流路部分は、特許請求の範囲の第10の流路部に該当し、位置(t)の流路部分は、特許請求の範囲の第11の流路部に該当する。
また、第7の実施形態においては、位置(e)から位置(h)に示すように、左端流路の上下方向幅を小さくして、上端流路の左右方向幅を大きくしたため、2つの流体が上端流路の右上隅部分まで流れ込み易くなり、左右の層を上下の層に変換させることができる。同様に、位置(o)から位置(s)に示すように、右側流路の左右方向幅が小さくなると同時に右側流路の左端部の上下方向幅を大きくしたたいめ、2つの流体が右側流路の左下隅部まで流れ込み易くなり、上下の層を左右の層に変換させることができる。
次に、本発明の第8の実施形態について、図9を用いて説明する。第8の実施形態は、流路の混合部分8の断面図を用いて説明するものである。図9において、2つの流路Aおよび流路Bは、位置(b)で流路Aが流路Bよりも深い流路形状で合流し、位置(c)で流路Aの底部が流路Bの真下となっている。その後、位置(d)から位置(g)でA液とB液が深さ方向に2層の状態とされ、流路Aから延出する部分と流路Bから延出する部分の左右方向幅が同じ大きさとされる。位置(h)では、左右方向中央部の流路が他の部分よりも深い状態となり、位置(i)に示すように、深い部分の底部からA液、B液の順に液が流入した状態となる。その後、位置(j)において、流路の浅い部分の左右方向幅が小さくなり、B液はA液によって上下に分離され、位置(k)において、A液とB液は上下方向に4層の状態となる。なお、位置(b)の流路部分は、特許請求の範囲の第1の流路部に、位置(c)から位置(d)は第2の流路部に、位置(d)から位置(g)は第12の流路部に、位置(g)から位置(i)は第13の流路部に、位置(i)から位置(j)は第14の流路部にそれぞれ該当する。
したがって、第8の実施形態においても、A液とB液を深さ方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。なお、第8の実施形態においては、A液とB液を混合させた後に、流路を分離する部分を必要としないため、混合流路の流路長さを短くすることができる。
次に、本発明の第9の実施形態について、図10を用いて説明する。第9の実施形態は、流路の混合部分8の断面図を用いて説明するものである。図10において、2つの流路Aおよび流路Bは、位置(b)で流路Aが流路Bよりも深い流路形状で合流し、位置(c)で流路Aの底部が流路Bの真下となっている。その後、位置(d)から位置(g)でA液とB液が深さ方向に2層の状態とされ、流路Aから延出する部分と流路Bから延出する部分の左右方向幅が同じ大きさとされる。その後、位置(h)では、流路の右側部分が他の部分よりも深い状態となり、位置(i)において、深い部分の底部よりA液、B液の順に液が流入した状態となる。次の位置(j)では、流路の浅い部分が右方に移動して、A液によってB液は、深さ方向に分離される。その後、位置(l)に示すように、A液とB液は上下方向に4層の状態となる。なお、位置(b)の流路部分は、特許請求の範囲の第1の流路部に、位置(c)から位置(d)は第2の流路部に、位置(d)から位置(g)は第12の流路部に、位置(g)から位置(i)は第13の流路部に、位置(i)から位置(j)は第14の流路部にそれぞれ該当する。
したがって、第9の実施形態においても、A液とB液を深さ方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。なお、第9の実施形態においては、A液とB液を混合させた後に、流路を分離する部分を必要としないため、混合流路の流路長さを短くすることができる。
次に、本発明の第10の実施形態について、図11を用いて説明する。第10の実施形態は、流路の混合部分8の断面図を用いて説明するものである。図11において、2つの流路Aおよび流路Bは、位置(c)で合流し、位置(e)から位置(f)にかけて、流路は、深さ方向が小さくされるとともに、流路の上端部分が右方に伸張される。その後、位置(g)においては、流路は底部が一定の深さを持つ状態となり、位置(h)では、流路の左右方向中央部が他の部分よりも深くされた状態とされ、深くされた部分にA液およびB液が流入する。その後、位置(i)および位置(j)に示すように、流路は左右方向幅一定の形状となり、流路内のA液およびB液は、左右方向に3層の状態となる。なお、位置(e)から位置(f)の流路部分は、特許請求の範囲の第9の流路部に、位置(g)は第15の流路部に、位置(h)から位置(j)は第16の流路部にそれぞれ該当する。
したがって、第10の実施形態においても、A液とB液を左右方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。なお、第10の実施形態においては、A液とB液を混合させた後に、流路を分離する部分を必要としないため、混合流路の流路長さを短くすることができる。
次に、本発明の第11の実施形態について、図12を用いて説明する。第11の実施形態は、流路の混合部分8の断面図を用いて説明するものである。図12において、2つの流路Aおよび流路Bは、位置(c)で合流し、位置(e)から位置(f)にかけて、流路は、深さ方向が小さくされるとともに、流路の上端部分が右方に伸張される。その後、位置(f)から(g)においては、流路の右側の部分(浅い部分)の右端が左方に移動するとともに、流路の右側の部分(浅い部分)の左端が深さ方向下方に伸張する。この場合、深さ方向下方に伸張する流路の部分には、A液およびB液が流入している。その後、深さ方向に伸張した流路部分は、位置(h)に示すように、流路の左側部分と同じ深さとなり、位置(i)に示すように、A液とB液は左右方向に4層の状態となる。なお、位置(e)から(f)の流路部分は、特許請求の範囲の第9の流路部に、位置(g)から(i)は第17の流路部にそれぞれ該当する。
したがって、第11の実施形態においても、A液とB液を左右方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。なお、第11の実施形態においては、A液とB液を混合させた後に、流路を分離する部分を必要としないため、混合流路の流路長さを短くすることができる。
次に、本発明の第12の実施形態について、図13を用いて説明する。第12の実施形態は、流路の混合部分8の断面図を用いて説明するものである。図13において、2つの流路Aおよび流路Bは、位置(c)で合流し、位置(e)から位置(f)にかけて、流路は、深さ方向が小さくされる同時に、流路の上端部分が右方に伸張される。その後、位置(f)から(g)においては、流路の左側の部分(深い部分)の深さが小さくされるとともに、流路の左側の部分(浅い部分)が左方に伸張する。この場合、左方に伸張する流路の部分には、A液およびB液が流入している。その後、位置(h)に示すように、流路の左側の部分の深さは、流路の右側の部分と同じ深さとなる。次に、位置(i)において、流路の中央部分の深さが他の流路部分の深さよりも深くされるとともに、流路の浅い部分の左右方向幅が小さくされる。この時、深さが他の流路部分の深さよりも深くされる部分には、流路の左側部分および右側部分よりA液およびB液が流入している。その後、位置(k)に示すように、A液とB液は左右方向に4層の状態となる。なお、位置(e)から位置(f)の流路部分は特許請求の範囲の第9の流路部に、位置(g)から位置(h)は第15の流路部に、位置(h)から(k)は第16の流路部にそれぞれ該当する。
したがって、第12の実施形態においても、A液とB液を左右方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。なお、第12の実施形態においては、A液とB液を混合させた後に、流路を分離する部分を必要としないため、混合流路の流路長さを短くすることができる。
次に、本発明の第13の実施形態について、図14を用いて説明する。第13の実施形態は、流路の混合部分8の断面図を用いて説明するものである。図14において、2つの流路は位置(b)において合流し、位置(c)においては、流路Aから延出する流路の深さが、流路Bから延出する流路の深さよりも深い状態となる。その後、位置(d)において、深い位置からA液、B液の順に液体が流れる状態となる。次の位置(e)では、流路の深さが浅くなるとともに、B液が流れる流路部分の上端部の左右方向幅が伸張し、位置(f)から位置(g)にかけては、流路の深さがさらに浅くなり、A液によってB液が左右に分離された状態となる。その後、位置(h)では、流路部分の左端部が右側に移動するとともに、流路部分の右端部が深さ方向に下に伸張し、位置(i)で流路部分の深い位置からB液、A液、B液の順に流れる状態となる。その後、位置(j)および(k)では、流路の深さが浅くなるとともに、流路の上端部の左右方向幅が伸張し、A液によってB液が左右に分離された状態となる。次に、位置(l)では、流路の深い部分の深さがさらに浅くなるとともに、流路の浅い部分の幅がさらに伸張し、B液によってA液が左右に分離された状態となり、図に示すように、A液とB液は左右方向に4層の状態となる。なお、位置(c)の流路部分は、特許請求の範囲の第1の流路部に、位置(d)は第2および第12の流路部に、位置(e)は第18の流路部に、位置(f)は第19の流路部にそれぞれ該当する。
したがって、第13の実施形態においても、A液とB液を左右方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。なお、第13の実施形態においては、A液とB液を混合させた後に、流路を分離する部分を必要としないため、混合流路の流路長さを短くすることができる。
次に、本発明の第14の実施形態について、図15を用いて説明する。第14の実施形態は、流路の混合部分8の断面図を用いて説明するものである。図15において、2つの流路は、位置(b)において合流し、位置(c)においては、流路Bから延出する流路の深さが、流路Aから延出する流路の深さよりも深い状態となる。次の位置(d)では、流路Bから延出する流路が、流路Aから延出する流路の真下にある状態となり、A液の下方にB液が流れる状態となる。その後、位置(e)において、流路のB液が流れる部分の深さが浅くなるとともに、流路のB液が流れる流路が右方に伸張し、位置(f)および位置(g)に示すように、A液とB液が深さ方向に2層の状態となる。その後、位置(h)において、流路の左端に他の部分よりも深い部分が形成され、位置(i)においては、流路の深い部分の深さが浅くなるとともに、深い部分が右方に移動する。その後、位置(j)および位置(k)に示すように、流路内には、A液とB液が深さ方向に3層の状態となる。なお、位置(c)の流路部分は、特許請求の範囲の第1の流路部に、位置(d)から(e)は第2の流路部に、位置(f)から位置(g)は第12の流路部に、位置(h)から位置(k)は第20の流路部にそれぞれ該当する。
したがって、第14の実施形態においても、A液とB液を深さ方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。なお、第14の実施形態においては、A液とB液を混合させた後に、流路を分離する部分を必要としないため、混合流路の流路長さを短くすることができる。
次に、本発明の第15の実施形態について、図16を用いて説明する。第15の実施形態は、流路の混合部分8の断面図を用いて説明するものである。図16において、2つの流路は、位置(b)において合流し、位置(c)においては、流路Bから延出する流路の深さが、流路Aから延出する流路の深さよりも深い状態となる。次の位置(d)では、流路Bから延出する流路が、流路Aから延出する流路の真下にある状態となり、A液の下方にB液が流れる状態となる。その後、位置(e)から位置(g)にかけては、B液が流れる流路部分の深さが浅くされるとともに、B液が流れる流路部分の浅い部分が右方に伸張し、A液とB液が深さ方向に2層の状態となる。その後、位置(h)では、流路の上端部の左右方向幅が小さくされるとともに、流路の左端の深さが深くなる。その後、位置(i)から位置(j)において、流路の深い部分の深さが浅くなるとともに、流路の深い部分の左右方向幅が大きくなり、位置(k)および位置(l)に示すように、流路内には、A液とB液が深さ方向に4層で流れる状態となる。なお、位置(c)の流路部分は、特許請求の範囲の第1の流路部に、位置(d)から(e)は第2の流路部に、位置(f)から位置(g)は第12の流路部に、位置(h)から位置(l)は第20の流路部にそれぞれ該当する。
したがって、第15の実施形態においても、A液とB液を深さ方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。なお、第15の実施形態においては、A液とB液を混合させた後に、流路を分離する部分を必要としないため、混合流路の流路長さを短くすることができる。
次に、本発明の第16の実施形態について、図17を用いて説明する。第16の実施形態は、流路の混合部分8の断面図を用いて説明するものである。図17において、2つの流路は、位置(b)において合流し、位置(c)においては、流路Bから延出する流路の深さが、流路Aから延出する流路の深さよりも深い状態となる。次の位置(d)では、流路Bから延出する流路が、流路Aから延出する流路の真下にある状態となり、A液の下方にB液が流れる状態となる。その後、位置(e)では、A液が流れる流路部分が右方に移動し、位置(f)では、B液が流れる流路部分の深さが浅くなるとともに、B液が流れる流路部分が左方に移動し、A液とB液は、深さ方向に2層で流れる状態となる。次に、位置(i)では、流路の左右方向幅が小さくなるとともに、流路の左端の深さが深くなり、位置(j)では、流路の左端の深い部分が右方に移動し、次の位置(k)では、下方の流路の上下方向幅が小さくなるとともに、流路の左右方向幅が大きくなる。その後、位置(l)および位置(m)に示すように、流路内には、A液とB液が深さ方向に4層で流れる状態となる。なお、位置(c)の流路部分は、特許請求の範囲の第1の流路部に、位置(d)から(f)は第2の流路部に、位置(g)から位置(h)は第12の流路部に、位置(i)から位置(m)は第20の流路部にそれぞれ該当する。
したがって、第16の実施形態においても、A液とB液を深さ方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。なお、第16の実施形態においては、A液とB液を混合させた後に、流路を分離する部分を必要としないため、混合流路の流路長さを短くすることができる。
次に本発明の第17の実施形態について、図18を用いて説明する。第17の実施形態は、流路の混合部分8の断面図を用いて説明するものである。図18において、2つの流路は位置(b)において合流し、位置(c)においては、流路Bから延出する流路の深さが、流路Aから延出する流路の深さよりも深い状態となる。次の位置(d)では、流路Bから延出する流路が、流路Aから延出する流路の真下にある状態となり、A液の下方にB液が流れることとなる。その後、位置(e)では、B液が流れる流路部分の深さが浅くなるとともに、B液が流れる流路部分が右方に移動し、A液とB液は深さ方向に2層に流れる状態となる。次に、位置(h)で、流路の左右方向幅が小さくなるとともに、流路の右端の深さが深くなり、位置(j)では流路の浅い部分が右方に移動し、位置(k)では下方の流路の上下方向幅が小さくなるとともに流路の左右方向幅が大きくなる。その後、位置(l)に示すように、流路には、A液とB液が深さ方向に4層に流れる状態となる。なお、位置(c)の流路部分は、特許請求の範囲の第1の流路部に、位置(d)から位置(e)は第2の流路部に、位置(f)から位置(g)は第12の流路部に、位置(h)から位置(l)は第20の流路部にそれぞれ相当する。したがって、第17の実施形態においても、A液とB液を深さ方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。なお、第17の実施形態においては、A液とB液を混合させた後に、流路を分離する部分を必要としないため、混合流路の流路長さを短くすることができる。
次に、本発明の第18の実施形態について、図19を用いて説明する。第18の実施形態は、流路の混合部分8の断面図を用いて説明するものである。図19において、2つの流路は、位置(b)において合流し、位置(c)においては、流路Bから延出する流路の深さが、流路Aから延出する流路の深さよりも深い状態となる。その後、位置(d)において、A液はB液の上部を流れる状態となる。その後、位置(e)では、B液が流れる流路部分の深さが浅くなるとともに、B液が流れる流路部分の左右方向幅が大きくなり、位置(f)および位置(g)では、流路内には、A液とB液が深さ方向に2層で流れる状態となる。その後、位置(h)では、流路の上端部の左右方向幅が小さくされるとともに、流路の左端の深さが深くなる。その後、位置(i)から位置(j)において、流路の深い部分の深さが浅くなるとともに、流路の深い部分の左右方向幅が大きくなり、位置(k)および位置(l)に示すように、流路内には、A液とB液が深さ方向に4層で流れる状態となる。なお、位置(c)の流路部分は、特許請求の範囲の第1の流路部に、位置(d)から(e)は第2の流路部に、位置(f)から位置(g)は第12の流路部に、位置(h)から位置(l)は第20の流路部にそれぞれ該当する。
したがって、第18の実施形態においても、A液とB液を深さ方向に多層の状態とすることができるため、A液とB液を良好に混合させることができる。なお、第18の実施形態においては、A液とB液を混合させた後に、流路を分離する部分を必要としないため、混合流路の流路長さを短くすることができる。
なお、本発明の混合装置は、実施形態が同じ構成である2つ以上の混合装置を直列あるいは並列に組み合わせても良いし、実施形態が異なる構成の2つ以上の混合装置を直列あるいは並列に組み合わせても良い。
また、本発明の各実施形態では、2種類の流体を混合する混合装置について説明したが、これに限られず、3種類以上の流体を混合させるものでも良い。
また、本発明の第14の実施形態、第15の実施形態、第16の実施形態および第18の実施形態においては、それぞれ、図15の位置(a)から位置(e)、図16の位置(a)から位置(e)、図17の位置(a)から位置(f)、図19の位置(a)から位置(e)の各構成によって2つの流体を上下方向に2層の状態としたが、2つの流体を上下方向に2層の状態とする構成は他の構成を用いることが可能である。この場合、図15の位置(f)から位置(k)、図16の位置(f)から位置(l)、図17の位置(g)から位置(m)、図19の位置(f)から位置(l)については以下のように表現することができる。流路方向に垂直な上下方向に少なくとも2つの流体が層状になった第21の流路部と、前記第21の流路部の底部の一部を他の部分よりも上下方向に深い部分として形成し、前記深い部分が前記他の部分の真下になる状態とする第22の流路部とを備える流体の混合装置。この構成ば、図15の位置(a)から位置(e)、図16の位置(a)から位置(e)、図17の位置(a)から位置(f)、図19の位置(a)から位置(e)の各構成が第21の流路部に該当し、図15の位置(f)から位置(k)、図16の位置(f)から位置(l)、図17の位置(g)から位置(m)、図19の位置(f)から位置(l)の各構成が第22の流路部に該当する。この構成によれば、上下2層の状態の流体を、さらに上下方向に多層の状態とするができ、流体を良好に混合することができる。
(金型の作製)
次に、本発明の第1の実施形態の混合装置2の流路を作製するために、実際に金型を作製したが、その金型について説明する。図20に作製した金型の寸法図を示す。図20は、金型を上部から見た上面視図である。図20に示すように、金型には、無酸素銅を用い、各寸法をmmで示している。金型を加工する工具の逃げ角は2度とし、合流部分および出口部分の深さはそれぞれ30μmとした。なお、混合部分は、流路の1サイクルが7mmで5サイクルの35mmとした。
次に、図21に、金型の混合部分の流路の1サイクルの寸法図を示す。図21は、混合部分の流路の1サイクル(7mm=7000μm)の寸法を、上から見た図と、当該図の各位置における流路の断面図で示すものである。図21に示すように、各寸法はμmで示し、図面の上方から下方に向かって加工を行なった。また、各流路の断面に示す抜き勾配は5度とした。
次に、図22に、図20および図21に基づいて作製した金型を顕微鏡で観察し、撮影した写真を示す。図22の上側の写真は、作製した金型の全体を撮影したものであり、下側の写真は、金型の流路部分の混合部分の3サイクル目のみを拡大して撮影したものである。
次に、図23に、作製した金型の形状を測定したデータを示す。図23の上側の図は、金型の流路部分の混合部分の1サイクル目の深さ方向を測定し、上面から見た流路の測定結果を表示したものであり、図23の下側の図は、横方向から見た流路部分の測定結果を表示したものである。なお、表示中で白く抜けている箇所は、測定装置の分解能の問題によるものであり、実際には流路はつながって存在している。
図20および図21の設計により作製された金型は、図22および図23の結果より、精度良く作製されているといえる。作製された金型を用いることにより、第1の実施形態の混合装置2の各部分を作製することができる。
(解析結果)
次に、本実施形態の第1の実施形態の混合装置2を用いた流体の混合度合いを解析するために、コンピュータを用いたシミュレーション結果について説明する。解析に用いた各条件を図24に示す。解析には、図20および図21に示した流路の各寸法を用い、使用流体を水(密度:1000kg/m、粘度:1×10−3Pa・s)とし、層流で非圧縮なものとした。また、境界条件として、流路の入り口の流体の圧力を100kPa、出口の圧力を0Paとした。また、支配方程式は図24に示すナビエ−ストークス方程式を用いた。
上記の解析条件を用いてコンピュータシミュレーションを行なった結果を図25に示す。図25の右側の図は、流路を流れる流体の圧力分布を示すものである。また、図25の左側の図は、流路を流れる流体の速度分布を図で表示したものである。なお、図に示されているように、流路の壁際は、流体の速度が低いため、実際には多くの流体は流路の断面中央部分を流れていることが分かる。
次に、図25に示す流体の速度分布に基づき、流体の流線を求めて、流線を表示したものを図26に示す。図26の右側は、流体の流線を求め、流路の混合部分の1サイクル目の全体に流線を表示したものであり、図26の左側は、流路の混合部分の1サイクル目の各位置における流線の断面を切り出したものを表示したものである。流線の断面図は、流路の入り口から1mm毎に表示されている。流線の断面図において、粒子状に表示されているものが、各流線である。各流線は、入り口の断面図に示すように、左側の流路から流れる流体の流線と、右側の流路を流れる流体の流線とを比較するために、流線の濃淡が異なるものとされている。図26によれば、3mmおよび4mmの断面図において、右側の流路の流体が左側の流路の流体の下部に侵入している。また、出口では、分離された流路の両方で、流体が上下に混合されていることが分かる。
次に、流路の混合部分の2サイクル目の流線の様子を図27に示す。図27に示すように、2サイクル目の混合部分においても、6mmの部分で2つの流体が上下に4層に混合されている。また、出口では、分離された流路の両方で、流体が上下4層に混合されていることが分かる。
また、図26および図27の流線の出口の断面図の拡大図を図28に示す。図28(a)は、流路の混合部分の1サイクル目の入り口と出口部分の断面図を示している。これによると、出口部分では、2つの流体が上下に2層に混合されていることがわかる。また、図28(b)は、流路の混合部分1サイクル目の入り口と2サイクル目の出口部分の断面図を示している。これによれば、2サイクル目の出口部分では、2つの流体が上下に4層に混合されており、1サイクル目よりも混合度合いが進んでいることがわかる。
したがって、上記の解析結果より、第1の実施形態の混合装置2の混合部分では、2つの流体が上下方向に層状に混合され、出口部分を流れる流体は、良好に混合されていることが分かる。
なお、第1の実施形態では、図26および図27に示すように、流路の混合部分の1サイクル目では、図26の3mmの断面図のように、右側の流路を左側の流路の下に潜り込ませ、2サイクル目では、図27の3mmの断面図のように、左側の流路を右側の流路の下に潜り込ませて、2つの流体を混合させた。このように、第1の実施形態では、左右の流路を交互に他方の流路の下に潜り込ませたが、これ以外にも、一方(例えば、右側)の流路を他方の(例えば、左側)の流路の下に繰り返し潜り込ませても比較的流体を良好に混合させることができる。この解析結果を図29に示す。図29は、図28に対応する図であり、一方の流路を他方の流路の下に2サイクル潜り込ませたものである。図29においても、2つの流体が上下4層に混合されていることがわかる。
また、別の解析結果を図30および図31に示す。図30及び図31は、図26および図27と同じ条件で解析したものであるが、本発明の各実施形態の混合部分の形状とは全く同一ではないが、混合部分の各位置における流体の混合度合いを示すために図示するものである。
図30において、位置3では2つの流体が左右方向に2層の状態であるが、位置4では、流路の上端側では上下方向に2層の状態となっている。この位置4は、第10の実施形態(図11)の位置(f)、第11の実施形態(図12)の位置(f)などに相当する部分である。また、位置6から位置7では、2つの流体が上下方向に2層の状態から左右方向に2層の状態となっていることが分かる。これは第14の実施形態(図15)の位置(h)などに相当する部分である。したがって、図30によれば、本発明の各実施形態の混合部分の所定の位置では、良好に流体を混合できることが分かる。
また、図31において、位置3から位置7にかけては、2つの流体が上下方向に混合されていることがわかる。この位置は、第14の実施形態(図15)の位置(c)から位置(f)、第15の実施形態(図16)の位置(c)から位置(f)に相当する部分である。また、位置8から位置14にかけては、2つの流体が上下方向に混合されていることがわかる。この部分は、第14の実施形態(図15)の位置(g)から位置(k)などに相当する部分である(左右方向は逆である)。したがって、図31によれば、本発明の各実施形態の混合部分の所定の位置では、良好に流体を混合できることがわかる。
(PDMS製マイクロチップの製作)
次に、図20乃至図23に示した金型を用いて、PDMS(Polydimethylsiloxane)製マイクロチップを作製したが、作製方法および作製結果について説明する。
PDMS(ダウコーニング社、Sylgard184)に対し、硬化剤を1/10の分量加え、十分に攪拌した。これを図20に示す無酸素銅で作製した金型に流し入れ、真空吸引することにより脱気を行なったのち、65℃のオーブンに入れ、2時間放置した。これにより硬化したPDMSを金型から剥がし取り、120℃のホットプレート上で30分間ハードベークを行い、凸型のPDMSを作製した(転写1段階目)。
この凸型PDMSを、5パーセントの洗剤溶液に5分間浸し、蒸留水で良くすすいだ後、真空吸引により乾燥させた。この処理は、次に加えるPDMSが硬化したときに、互いを剥がし易くするために行なうものである。
乾燥した凸型PDMSに、さらにPDMSを流し入れ、凸型PDMSを作製したのと同様の手順でPDMSを硬化させた。凸型PDMSからPDMSを剥がし取り、凹型のPDMSを作製した(転写2段階目)。剥がし取った凹型PDMSに、混合させる溶液の導入口となる穴を形成した。
次に、凹型PDMSと、これと貼り合せられるガラスの表面を、共に酸素プラズマで15秒間処理し、処理後1分以内に互いのプラズマ処理した面同士が合わさるように、ガラス上にPDMSを置いた。これにより、金型の構造と同様のチャネルを持つPDMS製マイクロチップを作製した。作製したマイクロチップの外観図を図32に示す。
(PDMS製マイクロチップのSEM観察)
作製した凸型PDMSと凹型PDMSのSEM(走査電子顕微鏡JSM−5600、JEOL)による観察を行なった。観察の際には、PDMS型の上に金を約30nm蒸着した。SEMを用い、金型から転写した凸型PDMS(1次転写物)、この凸型PDMSから転写した凹型PDMS(2次転写物)の構造を観察した。
PDMS型の一部に、1次転写物と2次転写物を剥がした際に発生したと思われる欠損部が存在するものの、PDMS型の全体の構造は、金型の形状を忠実に反映している様子が観測された。
(マイクロミキサーの溶液混合率の測定)
次に、作製したマイクロチップをマイクロミキサーとして実験し、溶液混合率の評価を行なったので、以下に説明する。なお、マイクロミキサーに流す溶液としては、蛍光色素溶液と水を用いた。
まず、蛍光色素溶液の色素がマイクロミキサーのチャネル内部に吸着するのを防ぐために、マイクロミキサー中にBlocker BSA(10%)in PPBS(PIERCE)を満たし、30分間放置することにより、チャネル内壁面をBSAコーティングした。その後、マイクロミキサーの2つの導入口のうち、一方から蛍光色素溶液を導入し、他方の導入口から水を導入した。
チャネル内の様子を倒立顕微鏡(TE300、Nikon)で観察し、蛍光画像を取得した(対物レンズ10倍)。得られた蛍光画像をプロファイルし、蛍光強度の分布を求めた。このグラフと、チャネル内で完全に溶液が混合した時のグラフを比較することにより、蛍光色素の混合率を求め、マイクロミキサーの混合能の評価を行なった。このとき用いた式は、以下のように表される。
ここで、N、I、I 、I Perf.mixは、それぞれ、それぞれのピクセルの総数、ピクセルiにおける輝度、溶液の混合が全く起きていないときのピクセルiにおける輝度(バックグラウンド)、溶液が完全に混合したときのiにおける輝度を示す。
実験に用いたサンプルは、FITC(Fluorescein isothiocynanate(isomerl)(Sigma−Aldrich))溶液で、拡散係数Dは、4.2×10−6cm/secであった。これをナトリウムバッファー(10mM、pH6.7)に溶解させ、5.29×10−5Mとしたものを用いた。また、マイクロミキサーへ溶液を導入する前に、溶液を0.25μmのメンブレンフィルターによってろ過を行なった。なお、混合率を算出するために撮影した画像の一例を図33に示す。図33は、チャネルを上から観察したものであり、左から、入り口付近(0mm)、入り口から7mm、入り口から21mmの地点を示している。
(マイクロミキサーの混合率の結果)
上述の算出方法を用いて、マイクロミキサーにFITC溶液と水を流し、混合率の測定を行なった。なお、マイクロミキサーの効果を示すために、マイクロミキサーと、ミキサー(混合部分)の無いフラットなガラスのチップ(幅100μm、深さ40μm)を用いて比較を行なった。混合率の測定結果を図34に示す。図34(a)は、マイクロミキサーの混合率の測定結果であり、図34(b)は、ミキサーの無いガラスチップの混合率の測定結果である。図34に示すように、溶液と水の流速を4mm/secから25mm/secまで変化させて測定を行なった。
図34(a)に示すように、マイクロミキサーの測定結果においては、図34(b)の測定結果と比較して、短い時間で混合率が上昇していることが分かる。混合率90パーセントを混合が完了した時点とすると、図34(a)では、各流速とも約2秒の時点で混合が完了しているが、図34(b)では、混合率が90パーセントになるまでに、約3秒程度かかることが分かる。したがって、本実施形態の混合装置2を具体化したマイクロミキサーは、良好に溶液を混合を行なうことができることがわかった。
(共焦点顕微鏡による混合過程の観察)
FITC溶液と水の混合の様子を、共焦点レーザー蛍光顕微鏡(FV1000、OLYMPUS)により観察した(対物レンズ40倍)。測定の手順は、混合率を導出した際と同様の手順を用いた。観察結果を図35に示す。図35は、マイクロミキサーの流路を入り口から各位置において輪切りにして撮影したもの(チャネルの流路方向断面図)であり、流速は12mm/secである。なお、図35の観察結果は、測定の都合上、図2の混合部分の断面図と上下が反対の状態となっている。図35により、蛍光色素溶液と水が徐々に混合されていく様子を観察することができる。なお、上述の説明では、各実施形態について、金型を作成し、これを用いて流路を形成するものとしたが、これに限らず、半導体デバイス等の手段を用いて、各実施形態の流路を作成しても良い。
(金型の作製)
次に、本発明の第17の実施形態の混合装置2の流路を作製するために、実際に金型を作製したが、その金型について説明する。図36に作製した金型の寸法図を示す。図36は金型を上部から見た上面視図である。図36に示すように、各寸法はmmで表されている。金型の合流部分および出口部分の深さは0.02mmとした。なお、混合部分は10サイクルとし、寸法を12mmとした。
次に、図37に、金型の混合部分の流路の1サイクルの寸法図を示す。図37は、混合部分の流路の寸法を、上から見た図と、当該図の各位置における流路の断面図で示すものである。図37に示すように、各寸法はμmで示し、図面の上方から下方に向かって加工を行なった。
次に、図38に、図36および図37に基づいて作製した金型を撮影した写真を示す。
次に、図39に、作製した金型の形状を測定したデータを示す。図39は、金型の流路部分の混合部分の深さ方向を測定し、上面から見た流路の測定結果を示したものである。なお、表示中で白く抜けている箇所の多くは、金型表面の反射率が低いために測定不能になっているものであり、実際の流路は正しく作製されている。
図36および図37の設計により作製された金型は、図38および図39の結果より、精度良く作製されていると言える。作製された金型を用いることにより、第17の実施形態の混合装置2の各部分を作製することができる。
(解析結果)
次に、本実施形態の第17の実施形態の混合装置2を用いた流体の混合度合いを解析するために、コンピュータを用いたシミュレーション結果について説明する。解析に用いた各条件を図40に示す。解析には、図36および図37に示した流路の各寸法を用い、使用流体を水(密度:1000kg/m、粘度:1×10−3Pa・s)とし、層流で非圧縮なものとした。また、境界条件として、流路の入り口の流体の速度を6mm/s、出口の圧力を0Paとした。また、支配方程式は図40に示すナビエ−ストークス方程式を用いた。
上記の解析条件を用いてコンピュータシミュレーションを行なった結果を図40に示す。図40は、混合部分を上から見た上面図と、各位置における断面図を示すものである。図40に示すシミュレーション結果によれば、本発明の第17の実施形態の混合装置2は、2つの流体を良好に混合できることがわかる。
(共焦点顕微鏡による混合過程の観察)
FITC溶液と水との混合の様子を、共焦点レーザー蛍光顕微鏡により観察した。観察結果を図41に示す。図41は、マイクロミキサーの流路を入り口から各位置において輪切りにして撮影したものである。図41により、蛍光色素溶液と水が徐々に混合されていく様子を観察することができる。
(マイクロミキサーの混合率の結果)
マイクロミキサーにFITC溶液と水を流し、混合流路の長さに対する混合率の測定を行なった。混合率の測定結果を図42に示す。溶液と水の流速は8mm/sである。図42に示すように、混合流路の長さが約3mm以上で混合率は90パーセント以上となった。
次に、上記の結果を混合時間と混合率の関係として整理した。その結果を図43に示す。溶液と水の流速は8mm/sである。図43に示すように、混合時間が約0.4秒以上経過すると混合率は90パーセント以上となっていることが分かった。
次に、マイクロミキサーにFITC溶液を流し、溶液と水の流速を変化させて、混合時間に対する混合率の測定を行なった。混合率の測定結果を図44に示す。溶液と水の流速は、8、10.4、20.8、31.3mm/sとした。図44に示すように、各流速とも、約0.5秒以上経過すると、混合率はほぼ100%になっていることが分かった。
(解析結果および実験結果に基づく改良)
上述した解析結果および実験結果では、本発明の第1の実施形態である混合装置2によって良好に流体の混合ができることがわかった。しかしながら、さらに改良が必要な点も存在する。図26の位置6mmの流線プロット、および図35の位置5.5mmの断面図に示されているように、流路の右上隅部では、左側の流体が十分に流れておらず、左下隅部では、右側の流体が十分に流れておらず、2つの流体が十分に2層になっているとはいえない。この部分は、元々流れている流体部分に他の流体が流入し難くなっているため、混合し難くなっているものと考えられる。したがって、流路の形状を以下のように変更することにより、流体の混合が向上するものと考えられる。
まず、流路の右上隅部に左側の流体を流入させるための流路構造を図45に示す。図45は、第1の実施形態の混合部分8の位置約1mmから位置約3mm部分の流路の断面図の形状を示すものである。位置(A)から位置(D)において、流路の上端部の左右方向幅は徐々に小さくされている。また、位置(A)から位置(D)において、流路の右端部の上下方向幅は徐々に大きくされている。これにより、流路の左側を流れる流体は、流路の右側に流入し易くなる(右側流路に吸引される)ため、左側を流れる流体は流路の右上隅部に流入し易くなる。
また、流路の左下隅部に右側の流体を流入させるための流路構造を図46に示す。図46は、第1の実施形態の混合部分8の位置約3mmから位置約6mm部分の流路の断面図の形状を示すものである。位置(F)において、流路の左部分(浅い部分)の底面が左上から右下に向かって傾斜しており、この流路部分の左端部の上下方向幅が小さく(浅く)されている。したがって、流路の左側部分を流れる流体が、積極的に流路の右側部分に流されることになるため、右側を流れる流体は流路の左下隅部へも流入することになる。
したがって、第1の実施形態の混合装置2の混合部分8の流路の形状を変更することにより、2つの流体を良好に2層の状態とすることができ、2つの流体の混合の度合いを向上させることができる。
本発明に係る第1実施形態の混合装置2の全体構成を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の混合部分の構成を示す図である。 本発明に係る第2実施形態の混合部分の構成を示す図である。 本発明に係る第3実施形態の混合部分の構成を示す図である。 本発明に係る第4実施形態の混合部分の構成を示す図である。 本発明に係る第5実施形態の混合部分の構成を示す図である。 本発明に係る第6実施形態の混合部分の構成を示す図である。 本発明に係る第7実施形態の混合部分の構造を示す図である。 本発明に係る第8実施形態の混合部分の構造を示す図である。 本発明に係る第9実施形態の混合部分の構造を示す図である。 本発明に係る第10実施形態の混合部分の構造を示す図である。 本発明に係る第11実施形態の混合部分の構造を示す図である。 本発明に係る第12実施形態の混合部分の構造を示す図である。 本発明に係る第13実施形態の混合部分の構造を示す図である。 本発明に係る第14実施形態の混合部分の構造を示す図である。 本発明に係る第15実施形態の混合部分の構造を示す図である。 本発明に係る第16実施形態の混合部分の構造を示す図である。 本発明に係る第17実施形態の混合部分の構造を示す図である。 本発明に係る第18実施形態の混合部分の構造を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の金型の全体の寸法を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の金型の混合部分の寸法を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の金型の顕微鏡撮影による写真である。 本発明に係る第1実施形態の金型の形状測定結果である。 本発明に係る第1実施形態の混合装置2のコンピュータシミュレーションの解析条件を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の混合装置2の圧力分布および速度分布を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の混合装置2の混合部分8の1サイクル目の解析結果の流線をプロットした図である。 本発明に係る第1実施形態の混合装置2の混合部分8の2サイクル目の解析結果の流線をプロットした図である。 本発明に係る第1実施形態の混合装置2の混合部分8の各サイクルの出口の流線プロットの断面図である。 本発明に係る第1実施形態の混合装置2の混合部分8の変形例の出口の流線プロットの断面図である。 本発明に係る各実施形態の混合装置2の混合部分8の解析結果の流線をプロットした図である。 本発明に係る各実施形態の混合装置2の混合部分8の解析結果の流線をプロットした図である。 マイクロミキサーチップの外観図である。 マイクロミキサーチップの倒立顕微鏡による観察結果である。 マイクロミキサーチップの混合率を測定した結果を示すグラフである。 マイクロミキサーチップの共焦点顕微鏡による観察結果である。 本発明に係る第17実施形態の金型の全体の寸法を示す図である。 本発明に係る第17実施形態の金型の混合部分の寸法を示す図である。 本発明に係る第17実施形態の金型の写真である。 本発明に係る第17実施形態の金型の形状測定結果である。 本発明に係る第17実施形態の混合装置2の混合部分8の解析結果の流線をプロットした図である。 マイクロミキサーチップの共焦点顕微鏡による観察結果である。 マイクロミキサーチップの混合率を測定した結果を示すグラフである。 マイクロミキサーチップの混合率を測定した結果を示すグラフである。 マイクロミキサーチップの混合率を測定した結果を示すグラフである。 本発明に係る第1実施形態の混合部分の改良部分を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の混合部分の改良部分を示す図である。
符号の説明
2 混合装置
4 流路
6 合流部分
8 混合部分
10 出口部分

Claims (12)

  1. 少なくとも2つの流路を合流させることで、2つの流体を混合させてなる流体の混合装置であって、前記少なくとも2つの流路は、混合装置を構成する一つのマイクロチップにおいて同一の面から同一方向に形成され、
    一方の流体を収容する一方の流路と、
    他方の流体を収容する他方の流路より構成され、
    流路方向に垂直な上下方向の前記一方の流路の最下部の位置が、前記他方の流路における前記上下方向の最下部の位置よりも下部である第1の流路部と、
    前記流路の合流後の状態において、前記一方の流路から延出する部分の前記上下方向最下部が、前記他方の流路から延出する部分の最下部の真下である第2の流路部を、
    備えることを特徴とする流体の混合装置。
  2. 前記第2の流路部を、前記流路方向および前記上下方向に垂直な方向である左右方向に分離する第3の流路部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の流体の混合装置。
  3. 前記第3の流路部で分離された少なくとも2つの流路を、
    前記第1の流路部と前記第2の流路部と同様の流路形状を用いて流体を混合させる第4の流路部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の流体の混合装置。
  4. 前記他方の流路の断面形状が、頂角が一方の流路に向かうくさび形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の流体の混合装置。
  5. 前記第2の流路部に続く流路部であって、前記一方の流路から延出する部分の前記流路方向および前記上下方向に垂直な方向である左右方向幅と前記他方の流路から延出する部分の左右方向幅を同一にする第12の流路部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の流体の混合装置。
  6. 前記第12の流路部の底部の一部を他の部分よりも流路方向に垂直な上下方向に深い部分を形成して、2つの流体が前記深い部分に収容された状態とする第13の流路部と、
    前記他の部分の左右方向幅を小さくして、前記他方の流路から流入する流体を上下方向に分離した状態とする第14の流路部と、
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の流体の混合装置。
  7. 前記第12の流路部の底部の一部を他の部分よりも流路方向に垂直な上下方向に浅い部分を形成して、前記他方の流路を流れる流体のみが流れる状態とする第18の流路部と、
    前記一方の流路から延出する流路部分の上下方向深さを浅くすることにより、前記他方の流路から流入する流体を左右方向に分離した状態とする第19の流路部と、
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の流体の混合装置。
  8. 前記第12の流路部の底部の一部を他の部分よりも流路方向に垂直な上下方向に深い部分として形成し、前記深い部分が前記他の部分の真下になる状態とする第20の流路部と、
    を備える請求項5に記載の流体の混合装置。
  9. 請求項1からに記載した流体の混合装置の形状、またはその反対形状を、金型として用いることを特徴とする金型構造。
  10. 少なくとも2つの流路を合流させることで、2つの流体を混合させてなる流体の混合方法であって、前記流路は、
    一方の流体を収容する一方の流路と、
    他方の流体を収容する他方の流路より構成され、該他方の流路の断面形状が、頂角が一方の流路に向かうくさび形状であり、
    流路方向に垂直な上下方向の前記一方の流路の最下部の位置を、前記他方の流路における前記上下方向の最下部の位置よりも下部にする第1のステップと、
    前記第1のステップの後であって、前記流路の合流後の状態において、前記一方の流路から延出する部分の前記上下方向最下部を、前記他方の流路から延出する部分の最下部の真下にする第2のステップと、
    からなる流体の混合方法。
  11. 前記第2のステップの後に、合流後の流路を、前記流路方向および前記上下方向に垂直な方向である左右方向に分離する第3のステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の流体の混合方法。
  12. 前記第3のステップで分離された少なくとも2つの流路を、
    前記第1のステップと前記第2のステップと同様に流体を混合させる第4のステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の流体の混合方法。
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