次に、本発明の好適な実施形態について図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機を示す正面図であり、図2は本体枠および前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
[1.パチンコ機の構成]
パチンコ機1は、図1および図2に示すように、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、および機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤4の盤面(前面)には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられ、該案内レール11の内側には、遊技領域12が区画形成されている。遊技盤4の前側左上部及び左下部には、遊技者の手や腕等の動きを検出する非接触式の測距センサ119a,119bが右前方に向かって光を発するように固定されている。これらの発した光は前面枠5の後述する開口窓30を通過するようになっており、パチンコ機1の対面に着座する遊技者が開口窓30の前方で、例えば腕を振り下ろすと、測距センサ119a,119bの発した光が腕に反射し、この反射した光が開口窓30を通過して測距センサ119a,119bで受光されるようになっている。
遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、スピーカ装着板13を介して低音用スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。そして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8および下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、サイド装飾装置27、上皿28、音響電飾装置29を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、遊技盤4の遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠31には、透明板32が装着されている。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置27が、下部に上皿28が、上部に音響電飾装置29が装着されている。サイド装飾装置27は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体33を主体として構成されている。サイド装飾体33には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ34が組み込まれている。音響電飾装置29は、透明カバー体35、スピーカ36、スピーカカバー37、およびリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
[2.遊技盤の構成部材]
次に、遊技盤4に区画形成された遊技領域12内に設けられる各種構成部材について説明する。図3は遊技盤を示す正面図である。
遊技領域12の中央部分には、図3に示すように、演出装置40が配設されている。演出装置40は、複数個の発光体(例えば、4個のLED)の点灯によって特別図柄を変動表示する特別図柄表示器41と、左・中・右の3つの図柄で構成される複数種類の装飾図柄を変動表示するとともに種々の演出表示を表示領域42で行う液晶表示器116(図14に符号のみ記載)と、複数個の発光体(例えば、4個のLED)の点灯によって所定条件が成立(始動入賞口45及び電動始動入賞口46に遊技球が入球)したが、未だ特別図柄の変動が開始されていない記憶数(始動記憶数)を表示する特図記憶ランプ54と、特別図柄表示器41、液晶表示器116、特図記憶ランプ54を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための前面装飾板43とを備えている。また、演出装置40の右上部分には、演出ランプ44a,44bが取り付けられている。これらの演出ランプ44a,44bは、表示領域42による演出表示に合わせた点灯又は階調点灯(明るさが滑らかに変化する点灯)表示を行うようになっている。
演出装置40の下方には、始動入賞口45と始動入賞口45の下方に一対の開閉翼47を有する電動始動入賞口46とが配設されている。電動始動入賞口46は、開閉翼47の開閉用駆動源となる開閉翼ソレノイド63aを備えており、普通図柄表示器50の表示結果が「当り」となったときに、開閉翼47が所定時間(例えば、通常状態時0.5秒(以下、sと表記)、または、確率変動状態時3s)開放されるように制御される。なお、始動入賞口45には上方からの遊技球が入球でき、電動始動入賞口46には上方が始動入賞口45により封鎖され、開閉翼47が閉塞状態にある場合には遊技球が入球できない状態となっている。このため、開閉翼47が開放状態となったとき遊技球が入球できる状態となる。
また、始動入賞口45及び電動始動入賞口46に入球した遊技球は、始動口センサ55によって検出され、この検出(所定条件が成立)に基づいて特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示(表示領域42で装飾図柄の変動表示)が許可される。なお、始動入賞口45及び電動始動入賞口46に遊技球が入球し、始動口センサ55によって遊技球が検出されたときに特別図柄表示器41における特別図柄の表示結果を当り(特定の表示態様)とするか否か判定する大当り判定用乱数が抽出される。また、特別図柄の変動中に遊技球が始動入賞口45又は電動始動入賞口46に入球し、始動口センサ55により検出されたことに基づいて抽出された大当り判定用乱数は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能であり、その記憶数(始動記憶数)は、複数個の発光体(例えば、4個のLED)からなる特図記憶ランプ54の点灯によって表示される。特図記憶ランプ54は、遊技領域12の右側方に配置されている。
遊技領域12の左側方には、発光体(例えば、LED)の点灯点滅によって普通図柄を変動表示する普通図柄表示器50が配設されている。また、普通図柄表示器50の下方には、遊技状態が確率変動状態にあるか否かに応じて点灯又は消灯(本実施形態では、確率変動状態にて点灯)する確率変動状態ランプ51が取り付けられている。また、普通図柄表示器50の下方には、左ゲートセンサ53aを備えた左ゲート58aと右ゲートセンサ53bを備えた右ゲート58bとが設けられている。左ゲート58a又は右ゲート58bを遊技球が通過したことに基づいて左ゲートセンサ53a又は右ゲートセンサ53bにより遊技球が検出されると普通図柄表示器50で普通図柄の変動表示が開始される。つまり左ゲートセンサ53aと右ゲートセンサ53bとによる遊技球の検出に応じて普通図柄表示器50における普通図柄の変動表示が許可される。なお、左ゲートセンサ53aと右ゲートセンサ53bとにより遊技球が検出されたとき、普通図柄表示器50における普通図柄の表示結果を当りとするか否か判定する普通図柄当り判定乱数が抽出される。また、普通図柄の変動中に遊技球が左ゲート58a又は右ゲート58bを通過し、左ゲートセンサ53a又は右ゲートセンサ53bにより検出されたことに基づいて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(例えば、4個)まで記憶可能とされ、その記憶数は、複数個の発光体(例えば、4個のLED)からなる普図記憶ランプ56の点灯によって表示される。普図記憶ランプ56は、遊技領域12の左側方に配置されている。
電動始動入賞口46の下方には、横長長方形状の大入賞口61を開閉する開閉板62を有する大入賞口装置60が配設されている。大入賞口装置60は、大入賞口61(開閉板62)の開閉用駆動源となる開閉板ソレノイド63b、及びカウントセンサ64を備えている。大入賞口装置60の下方となる遊技領域12の最下部には、遊技領域12を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入球しなかった遊技球が取り込まれるアウト口48が設けられている。始動入賞口45、電動始動入賞口46と大入賞口装置60との左右側方には、4つの入賞口66a〜66dが設けられている。また、遊技領域12には、遊技状態に応じて点灯点滅が制御される電飾用の装飾ランプ49が取り付けられている。
なお、遊技盤4の左側方の上部及び下部には、測距センサ119a,119bが固定されている。これらの測距センサ119a,119bは、上述したように、パチンコ機1の対面に着座する遊技者の手や腕等の動きを検出するものであり、その詳細な説明は後述する。また、遊技盤4の右下部裏面には、振動センサ70が固定されている。この振動センサ70は、遊技盤4に伝わった不正な振動を検出するものである。「不正な振動」とは、遊技者が、例えば、図2に示した、前面枠5や上皿17等をたたいたり、上皿17を手前に引っ張ったりして生じるものである。このような不正な振動を遊技盤4に伝える行為によって、遊技領域12に発射した遊技球を始動入賞口45又は電動始動入賞口46に入球させようとする。
[3.遊技]
次に、遊技盤4に設けられる各種の入賞装置等によって実現される遊技について説明する。遊技者が操作ハンドル18を操作するとパチンコ機1の裏面側に設けられた図示しない発射装置により遊技球が打ち出される。この遊技球は、案内レール11に沿って遊技領域12に放出され、障害釘等に衝突しながら流下する。遊技球が流下する際、左ゲートセンサ53a又は右ゲートセンサ53bにより遊技球の通過が検出されるときには、普通図柄表示機50で普通図柄が変動表示(発光体が緑色と赤色とで交互に点灯表示)され、所定時間経過すると普通図柄が停止し、停止した普通図柄が「当り」(発光体が緑色で点灯停止)であるときには電動始動入賞口46の開閉翼47は所定時間(例えば、0.5s)開放される。一方、停止した普通図柄が「ハズレ」(発光体が赤色で点灯停止)であるときには開閉翼47は開放されないが、始動入賞口45には遊技球が入賞できるようになっている。
続いて、始動入賞口45又は電動始動入賞口46に遊技球が入賞すると特別図柄表示器41で特別図柄が変動表示される。このとき、液晶表示器116の表示領域42には装飾図柄が変動表示される。そして、所定時間経過すると特別図柄と装飾図柄が停止し、停止した特別図柄が特定の表示態様(大当りとなる複数の発光体による点灯の組み合わせ:大当り図柄)のときには、停止した装飾図柄も特定の表示態様(同一の装飾図柄の組み合わせ:大当り図柄)となり、大当り遊技状態となる。この大当り遊技状態になると、大入賞口装置60の開閉板62が手前に倒れ大入賞口61を所定時間(例えば、30s)又は所定個数(例えば、10個)の入賞するまで開放する状態が続き、その後、開閉板62の起立により大入賞口61が閉じられる。そして、所定時間(例えば、2s)経過すると、再度開閉板62が手前側に倒れ、大入賞口61が開放される。この開閉サイクル(以下、これをラウンド「R」ともいう)は15回繰り返し行われる。なお、各種の入賞装置等にも入らなかった遊技球は、アウト口48により回収される。
[4.演出装置]
次に、演出装置について説明する。図4は遊技盤を構成要素に分解した状態として表した分解斜視図である。ただし、ここでは説明に必要な構成要素のみを取り上げるため、いくつかの構成要素は適宜図示を省略する。
本実施形態の演出装置は、図4に示すように、遊技板4aを挟んで前後に分割された2つのユニットから構成される。具体的には、遊技板4aの前面側にはフロントユニット140が位置し、このフロントユニット140は遊技板4aに対してその前面側から取り付けられる。逆に遊技板4aの背面側にはリアユニット142が位置し、このリアユニット142は遊技板4aに対してその背面側から取り付けられる。なお、遊技板4aの前側左上部及び左下部には、遊技者の手や腕等の動きを検出する測距センサ119a,119bが右前方に向かって光を発するように固定されている。
[4−1.貫通孔]
遊技板4aには、その合板材を厚み方向に刳り抜いた貫通孔144が形成されている。この貫通孔144は、遊技領域12の中央からやや上よりの範囲にかけて大きく開口しており、その開口形状は、フロントユニット140の外形にほぼ合致している。
[4−2.挿入連結部]
フロントユニット140は、その前後方向でみると遊技板4aに対向する後半分の部位(連結挿入部)が貫通孔144内にすっぽり填り込む形状に成形されており、フロントユニット140は、その後半分の部位を貫通孔144内に嵌め込んだ状態で遊技板4aに取り付けられるものとなっている。フロントユニット140の後半分の部位は、その前後方向でみた厚みがちょうど遊技板4aの厚みとほぼ同じに設定されている。このためフロントユニット140が遊技板4aに取り付けられると、その後半分の部位は遊技板4aの背面に肌合わせされる(いわゆる面一の状態)。
さらにフロントユニット140には、後半分の部位から後方に向けて突出するボス140aが形成されている(挿入連結部)。ボス140aはフロントユニット140の上部位置に1本と、下部位置に2本(図4には1本のみ示されている)の合計3本が形成されており、いずれも貫通孔144を通じて遊技板4aの前面側から挿入されると、遊技板4aの背面からさらに後方に突出する。
一方、フロントユニット140が遊技板4aに取り付けられた状態で、その前半分の部位は遊技板4aの前面側に突出する。この前半分の部位は、その厚みが例えば案内レール11又は前面装飾板43(図3参照)等とほぼ同じに設定されている。このため、フロントユニット140が遊技板4aに取り付けられると、その前半分の部位は遊技領域12内で盤面から手前に突出し、それによって遊技球の流下を誘導又は案内する。
[4−3.取付面]
これに対し背面側のリアユニット142は、遊技板4aの背面に対向する前面がほとんどフラットな形状に成形されており、このフラットな前面を取付面142aとして遊技板4aに取り付けられる。リアユニット142が遊技板4aに取り付けられると、上述した取付面142aは遊技板4aの背面に密着する(ただし製造誤差や歪みによる隙間は許容される。)。
また取付面142aは、上述した貫通孔144には嵌め込まれないものの、その一部は貫通孔144に対向する位置関係にあり、つまりリアユニット142が遊技板4aに取り付けられると、その取付面142aは部分的に貫通孔144の内側に張り出し、貫通孔144を通じて遊技板4aの前面側に露出される。ただし、この露出する部分はフロントユニット140に覆い隠されるため、遊技者からは直接視認されない。
さらにリアユニット142には、フロントユニット140のボス140aに対応して3箇所にボス孔142bが形成されており、フロントユニット140とリアユニット142とが遊技板4aに対して前後から取り付けられると、3本のボス140aは貫通孔144を通じてリアユニット142にまで達し、それぞれ対応するボス孔142bに差し込まれる。この状態でフロントユニット140とリアユニット142とが相互に位置決めされる。
[4−4.表示ユニット]
図4には示されていないが、遊技盤4には、さらにリアユニット142の背後から表示ユニットが取り付けられるものとなっている。表示ユニットは、液晶表示器116と液晶制御基板113とを一体化したユニットとして構成されており、その画面上で演出的な画像を表示する役割を担う。遊技盤4の完成状態で、表示ユニットの画面は上述した貫通孔144を通じて前面側から視認することができる。
[4−5.演出領域]
図5はフロントユニットとリアユニットとの正面図であり、フロントユニットとリアユニットとを連結した状態で示している。フロントユニット140は、図5に示すように、その外表面に施された造形と装飾とから一定の視覚的な効果とインパクトとを遊技者に対して与える役割を果たす。また、このようなフロントユニット140の造形と装飾とは、遊技板4aの前面に貼付された化粧シート(セル板)のデザインと相まって、パチンコ機1の機種又はゲームコンセプトを遊技者に明確に認識させる効果を奏する。あわせて本実施形態では、遊技領域12のほぼ中央位置にフロントユニット140が取り付けられることにより、そこに演出的な動作が行われる演出領域が形成される。本実施形態では、この演出領域において、例えばLEDの点灯又は点滅による発光演出、液晶表示器による画像表示演出、可動役物による動作演出等が行われるものとなっている。
また、フロントユニット140とリアユニット142との中央部分は、上述した表示ユニットを視認できるよう矩形に開口しており、この開口部分に表示領域42が形成されている。この表示領域42では、演出的な画像表示が液晶表示器116により行われる。
[5.フロントユニット]
フロントユニット140は、その全体的な外観形状が「怪物屋敷」をモチーフとして形成されている。ここでいう「怪物屋敷」は、例えば創作上の物語に出てくるキャラクタ(想像上の怪物を模したコミカルなキャラクタである)達が住処としている建物であり、その外観は西洋風の煉瓦造りとなっている。フロントユニット140を「怪物屋敷」に見立てると、その屋根に相当する屋根装飾部分140bは、左右に末広がりとなる形状を有している。あわせてこの屋根装飾部分140bは、遊技領域12の上方から流下する遊技球を左右に振り分けるはたらきをする(いわゆる鎧カバー)。
左側の屋根装飾部分140bの直下位置には、コミカルなキャラクタ体(怪物くん)140cが配設されている。このキャラクタ体(怪物くん)140cは、上述した物語において「怪物屋敷」の主人となるキャラクタに相当するものであり、見た目上は人間の少年を模したデザインとなっている。デザイン上、このキャラクタ体(怪物くん)140cは屋根裏から壁を突き破って顔と両手を覗かせたような格好となっている。
また、屋根装飾部分140bの中央はドーム屋根形状に盛り上がっており、その直下の位置に「屋根窓」を模した窓装飾部分140dが配設されている。この窓装飾部分140dは、透明パーツの採用により見た目上も窓であることが認識し易くなっている。さらに、窓装飾部分140dの奥にはLED140lが図示しないLED基板に実装されており、それゆえ窓装飾部分140dでは、LED140lの点灯又は点滅による発光演出が行われるものとなっている。なおLED基板は、フロントユニット140に内蔵されている。本実施形態では、これら窓装飾部分140dとLED140lとが演出ランプ44a(図3参照)として機能するものとなっている。
窓装飾部分140dの前面側には、「屋根窓」を斜めに塞ぐようにして別の球誘導部材140eが取り付けられている。この球誘導部材140eは、他の装飾部材140fとともに窓装飾部分140dの前面側で筋交い状に組まれたように配置されている。これら球誘導部材140eと装飾部材140fとは、いずれも前面に木目をあしらった模様が立体的に付されている。
フロントユニット140の左右の側縁部は、上述した表示領域42の両側を取り囲むようにして下方に延びており、このうち右側縁部は左側縁部に比較して幅広となっている。また上述した屋根装飾部分140bは、フロントユニット140の上部から左右の側縁部にまで垂れ下がるようにして延びており、それゆえ左右の側縁部の外縁は、屋根装飾部分140bによって外側の遊技領域12(図5には示されていない)と区画されている。
フロントユニット140の右側縁部には、上述した屋根装飾部分140bの内側に沿って壁装飾体140gが取り付けられている。さらに右側縁部には、表示領域42の上縁から右側縁に沿って別の壁装飾体140hが取り付けられており、この壁装飾体140hと先の壁装飾体140gとの間には一定の隙間が確保されている。これら壁装飾体140g,140hは、いずれも煉瓦を積み重ねたような形状に成形されており、これら壁装飾体140g,140hの造形により「怪物屋敷」としての雰囲気がそれらしく醸し出されている。
一方、フロントユニット140の左側縁部には、屋根装飾部分140bの内側に位置して窓装飾部分141が形成されている。この窓装飾部分141は、「怪物屋敷」の室内に通じる「明取窓」としての装飾となっている。
[5−1.球誘導通路]
フロントユニット140の右側縁部には、上述した壁装飾体140g,140hの間にある空間内に球誘導通路148が形成されている。この球誘導通路148は、表示領域42の上方から右側方を迂回するようにして下方に延び、そして下方の遊技領域12に向けて開放されている。パチンコ機1による遊技中、フロントユニット140の上方から流下してきた遊技球は、上述した球誘導部材140eに案内されて球誘導通路148に送り込まれるものとなっている。
フロントユニット140の右側縁部には、前面側からみて球誘導通路148の奥の位置に壁面部材140iが取り付けられている。この壁面部材140iは透明パーツ(板状部材)の採用により光透過性を有しており、その背後の位置にはLED140mが図示しないLED基板に実装されている。このため球誘導通路148では、上述した窓装飾部分140dと同様にLED140mの点灯又は点滅による発光演出が行われるものとなっている。本実施形態では、これら壁面部材140iとLED140mとが演出ランプ44b(図3参照)として機能するものとなっている。
図5には詳しく示されていないが、壁面部材140iはその背面に光拡散用のレンズカット(例えばプリズムカット、ダイヤカット等)が施されている。一方で壁面部材140iは、その前面が壁装飾体140g,140hの表面形状と視覚的な統一性を有する形状に加工されている。具体的には、壁装飾体140g,140hが煉瓦を積み重ねたような形状を有することから、壁面部材140iの前面にも煉瓦の1つ1つを模した突出部が形成されている。
なお、球誘導通路148の形状又は機能等については後述する。
[5−2.球受ステージ]
フロントユニット140の下縁部には、球受ステージ140jが形成されている。本実施形態ではフロントユニット140だけでなく、リアユニット142の下縁部にも球受ステージ142cが形成されており、フロントユニット140とリアユニット142とが組み合わされた状態で、両者の球受ステージ140j,142cが一体となる。球受ステージ140j,142cは上、中、下の3段に分かれており、このうち上段と中段との球受ステージ142cはリアユニット142に、下段の球受ステージ140jがフロントユニット140に形成されている。このうち上段の球受ステージ142cは最も奥に位置しており、そこから手前側に中段の球受ステージ142c、下段の球受ステージ140jと順番に位置が下がっている。
球受ステージ142c,140jに関連して、リアユニット142には案内通路142dが形成されており、この案内通路142dは上段と中段との球受ステージ142cの中央位置から下方にくだり、そして前面側へ屈曲して延びている。またフロントユニット140には、その下縁部の中央位置に案内通路142dの放出口140kが形成されている。
球受ステージ142c,140jや案内通路142dの機能は公知のものとほぼ同様であり、つまり球受ステージ142c,140jはその上面にて遊技球を左右に揺れ動くようにして転動させ、遊技球の行き先を予測のつかないものとする。この過程で遊技球は下の段に落ちたり、あるいは案内通路142dに填り込んだりするため、その間の遊技球の動きにより遊技に面白みが付加される。案内通路142dに遊技球が填り込むと、下方の放出口140kから真下に放出されるため、始動入賞口45と電動始動入賞口46(図3参照)とに入賞しやすくなる。
[5−3.放出通路]
図5には詳しく示されていないが、球受ステージ142c,140jに関連して、フロントユニット140にはワープ通路が形成されている。ワープ通路はフロントユニット140の左右の側縁部にそれぞれ形成されており、いずれも遊技球を球受ステージ142cに誘導する役割を担っている。本実施形態では、左右でワープ通路の形態や配置が異なっており、その具体的な形態、配置等については後述する。
[6.リアユニット]
図6はリアユニットの単独で示した正面図である。リアユニット142は、図6に示すように、フロントユニット140と違ってほとんどの部分は遊技板4aの背後に隠れているため、その外形には装飾的な配慮が特に必要とされていない。ただし、上述した球受ステージ142cの部分や表示領域42を取り囲む部分は前面側に露出されており、遊技者の目に直接触れる部分であるため、そこにはフロントユニット40と同様に装飾が施されている。
まず、上段の球受ステージ142cの上方で、その奥の位置には装飾部材142eが配設されており、この装飾部材142eは表示領域42の下縁を区画するようにして左右に延びている。また装飾部材142eは、ちょうど煉瓦を横一列に並べたような形状に成形されており、それによってフロントユニット140の装飾と視覚的な統一感が保たれている。なお装飾部材142eは、上述した案内通路142dを隔てて左右に分割されている。
また、表示領域42の上縁の左部分にも装飾部材142fが配設されている。この装飾部材142fもまた、正面からみると煉瓦を横一列に並べたような形状に成形されているが、さらには奥行き方向にも煉瓦を配列したような形状に成形されている。
表示領域42のその他の周縁については、装飾部材142fの右側位置にもこれと同様の装飾(煉瓦の配列を模した装飾)が施され、また右側縁についても同様の装飾が施されている。一方、表示領域42の左側縁については他と少し異なり、木製扉を模した装飾が施されている。このようなリアユニット142の装飾は、真正面から見るとちょうどフロントユニット140の背後に位置するため、あまり目立たない存在となっているが、遊技者が視線の方向や角度を変えて表示領域42の周縁を覗き込むようにすると、リアユニット142の装飾がはっきりと視認される。なお、リアユニット142の装飾については後述する。
[6−1.動作機構]
次に、リアユニット142において中心的な要素となる動作機構について説明する。
図6中に破線で示されているように、リアユニット142には、表示領域42内にて出没可能な演出動作体、つまりキャラクタ体150,152,154が内蔵されている。これらキャラクタ体150,152,154は、ちょうど上述した取付面142aより奥(リアユニット142の内部)に位置した状態で表示領域42の周囲に収容されており、その動作時には取付面142aより奥の位置から表示領域42内に向かって移動してきて、表示画面の前面側に出現する。
リアユニット142には、上述した取付面142aに対応する位置に3つのカバー部材142gが配設されている。カバー部材142gは薄い肉厚(例えば、2mm程度)の透明(又は半透明)樹脂板からなり、取付面142aは、これらカバー部材142gの前面から構成されている。図6中にはキャラクタ体150,152,154の外形が破線で示されているが、カバー部材142gが透明性を有するため、実際にはキャラクタ体150,152,154(とその付属機構)が前面側から透けて視認される。
[6−2.演出動作体]
図7はリアユニットからカバー部材が取り外された状態を示した正面図である。3つのキャラクタ体150,152,154は、図7に示すように、表示領域42を取り囲むようにして配置されており、その上方と右側方、左側方にそれぞれ1つずつキャラクタ体150,152,154が位置する。
キャラクタ体150,152,154は1つ1つが異なる形態にデザインされている。これらキャラクタ体150,152,154は、いずれも著名な怪奇小説に登場する何らかの「怪物」を模したものであるが、見た目上はコミカルにデフォルメされたデザインが施されている。表示領域42の右側方に位置するキャラクタ体(フランケン)150は「フランケンシュタインの怪物」を模したものであるが、その表情からはどこか間の抜けたような感じを受ける。また表示領域42の上方に位置するキャラクタ体(ドラキュラ)152は、「吸血鬼ドラキュラ」を模したものであるが、その顔立ちからはどことなく気の弱そうな印象を受ける。そして表示領域42の左側方に位置するキャラクタ体154は「オオカミ男(人間の姿から狼に変身する男)」を模したものとなっている。図7には細かく示されていないが、このキャラクタ体(オオカミ男)154の表情はマスコット的な愛嬌のあるものとなっている。
[6−3.待機収容部]
リアユニット142には、3つのキャラクタ体150,152,154にそれぞれ対応して収容部156,158,160(待機収容部)が形成されている。収容部156にはフォトセンサ150n、収容部158にはフォトセンサ152n,153n、収容部160にはフォトセンサ154nがそれぞれ設置されている。リアユニット142は、その全体がケーシング162に覆われる構造であり、3つの収容部156,158,160はケーシング162の内側に区画して形成された状態にある。
ケーシング162は外形がほぼ矩形をなしており、その前面は大きく開放されているが、背面は奥壁162aで塞がれている。またケーシング162の外縁は側壁162bで囲われており、側壁162bは奥壁162aの周縁から前面側へ立ち上がるようにして形成されている。そして上述した収容部156,158,160は、奥壁162aより手前側の空間内で側壁162bの内側に形成されている。
収容部156,158,160は、いずれも表示領域42に隣接する側端がキャラクタ体150,152,154の出入口となっている。キャラクタ体150,152,154は、それぞれ収容部156,158,160に収容された状態(待機位置)と、表示画面の前面側に出現した状態(出現位置)とに変位することができる。このときキャラクタ体150,152,154は、上述した出入口を通じて出入りする。また、キャラクタ体150,152,154は、それぞれ収容部156,158,160に収容され待機位置(以下、「原位置」という。)になると、上述したフォトセンサ150n,153n,154nに検出される(キャラクタ体150,152,154の原位置にフォトセンサ150n,153n,154nがそれぞれ配置されている)。なお、フォトセンサ152nは、後述する遮蔽部材166の原位置を検出する(遮蔽部材166の原位置にフォトセンサ152nが配置されている)。
[6−4.遮蔽部材]
リアユニット142は遊技板4aの背面に取り付けられるものであり、またその前面側にはフロントユニット140が取り付けられるため、キャラクタ体150,152,154がそれぞれの収容部156,158,160に収容された状態にあるとき、その姿はフロントユニット140と遊技板4aとの陰に隠れて真正面からは視認されない。
さらに本実施形態では、各キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、キャラクタ体(オオカミ男)154に対応して遮蔽部材(フランケン)164、遮蔽部材(ドラキュラ)166、遮蔽部材(オオカミ男)168が設けられており、これら遮蔽部材164,166,168は、前面側から表示領域42を通じて収容部156,158,160の内側が露出するのを塞ぐ役割を果たしている。このため図7中に実線で示されているように、キャラクタ体150,152,154が収容部156内に収容された状態では、それぞれ対応する遮蔽部材164,166,168により収容部156,158,160の出入口が閉ざされている。
一方、図7中に2点鎖線で示されているように、遮蔽部材164,166,168はいずれも表示領域42内に向けて変位し、それぞれ対応する収容部156,158,160の出入口を開放することができる。この状態でキャラクタ体150,152,154は表示領域42の前面側へ出現することができる。
このとき表示領域42の右側方と上方とにあるキャラクタ体150,152については、それぞれの遮蔽部材164,166が一端部を中心に表示画面の前面に沿って回動することにより出入口が開かれる。また、表示領域42の左側方にあるキャラクタ体154については、その遮蔽部材168が垂直な軸線を中心に表示画面に向かって奥へ回動することにより出入口が開かれる。
また遮蔽部材164,166,168には、フロントユニット140の外表面における装飾と統一感のある装飾が施されている。例えば、表示領域42の右側方と上方とに位置する遮蔽部材164,166については、装飾部材142fと同様に煉瓦の配列を模した装飾が施されている。一方、表示領域42の左側方に位置する遮蔽部材168については、上述したように木製扉を模した装飾が施されている。
[6−5.動作範囲]
本実施形態では、3つのキャラクタ体150,152,154が表示領域42内にて出没動作を行うものとなっているが、それぞれの動作範囲が互いに干渉しない設計となっているか、もしくは制御上で干渉しない動作が行われるものとなっている。例えば、表示領域42の左側方にあるキャラクタ体(オオカミ男)154は、表示領域42の左側端から直線的に右方向へ動作するが、このときの動作範囲A1は、他の2つのキャラクタ体150,152の動作範囲A2と重複しない設計となっている。
表示領域42の右側方と上方に位置するキャラクタ体150,152については、それぞれの遮蔽部材164,166が回動する動作範囲には設計上の重複がある。ただし、これらキャラクタ体150,152については、実際の動作時において互いの動作範囲(角度)B1,B2が干渉しない制御が行われるものとなっている。
[6−6.動作機構の構成例]
次に、キャラクタ体150,152,154と遮蔽部材164,166,168とを作動させる動作機構の詳細について説明する。
[6−6−1.キャラクタ体(フランケン)]
図8はキャラクタ体(フランケン)と遮蔽部材(フランケン)との詳細図であり、動作機構を具体的に示している。キャラクタ体(フランケン)150と遮蔽部材(フランケン)164とを含む動作機構は、図8に示すように、箱形の機構ボックス150a内に収められた状態でユニット化されている。この機構ボックス150aはユニット全体としてリアユニット142に収容され、この状態で機構ボックス150aの内側に上述した収容部156が形成される。
キャラクタ体(フランケン)150は3つの可動パーツの組み合わせから構成されており、具体的には頭部パーツ150bと左腕パーツ150c、右腕パーツ150dが含まれている。これらパーツ150b,150c,150dは互いにピン接合されてリンク機構を構成しており、それぞれがリンク機構の節に該当している。この他にも、機構ボックス150a内には昇降スライダ150eが収容されており、この昇降スライダ150eもまたキャラクタ体(フランケン)150とともに1つの動作機構を構成する。なお昇降スライダ150eは、機構ボックス150a内で上下に昇降自在に支持されている。
キャラクタ体(フランケン)150の頭部パーツ150bは、ちょうど「怪物」の胸元あたりに相当する部位で支点150fを介して機構ボックス150aに支持されている。そして、この部位から斜め下方にレバー150gが延びており、このレバー150gを介して頭部パーツ150bと昇降スライダ150eとがスライダ接合されている。
キャラクタ体(フランケン)150の左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとは、ちょうど腕の付け根あたりに相当する部分で相互に連結されている。これら左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとは相対的に運動することなく、機構上は一体となって動作する。ただし、頭部パーツ150bは前後方向でみて右腕パーツ150dと左腕パーツ150cとの間に位置しており、これらは前後に重なり合うようにして機構ボックス150a内に収められている。したがって頭部パーツ150bと左腕パーツ150c、右腕パーツ150dとの間には、適宜のクリアランスが確保されている。その分、本実施形態ではキャラクタ体(フランケン)150が全体として厚みのある存在(薄板1枚だけの可動役物とは構造的に異なる)となっている。
また図8には示されていないが、頭部パーツ150bは、ちょうど「怪物」の背中あたりに相当する部位で左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとにピン接合されている。一方、右腕パーツ150dは、ちょうど掌あたりに相当する部位にて遮蔽部材164にピン接合されている。これにより、昇降スライダ150eから頭部パーツ150bと右腕パーツ150dとを介して遮蔽部材(フランケン)164にまで至る一続きの機構が構成される。これによりに、薄板1枚だけの可動役物のように単一の動作による二次元的な視覚的効果だけではなく、キャラクタ体(フランケン)150を全体として厚みのある存在として見せることで、キャラクタ体(フランケン)150を立体的に見せ、さらにキャラクタ体(フランケン)150の後側の表示領域42に表示される画像にも奥行きをもたせたかのような視覚的効果が得られる。
図8中(b)に示されているように、機構ボックス150aの背面側にはステッピングモータ150hが取り付けられている。キャラクタ体(フランケン)150と遮蔽部材164とは、このステッピングモータ150hを駆動源として動作を行うことができる。
[6−6−2.開放孔]
機構ボックス150aには、図8中(a)でみて右の側壁150iに開放孔150jが形成されている。開放孔150jは機構ボックス150aの内側にある空間を右側方へ開放し、その内部への視認性を確保することができるものとなっている。なお、リアユニット142のケーシング162もまた全体として透明樹脂から成形されているため、機構ボックス152aがケーシング162内に収容された状態であっても、その内部が開放孔150jを通じて視認できるようになっている。
[6−6−3.動作例]
図9はキャラクタ体(フランケン)と遮蔽部材(フランケン)との動作例である。上述した昇降スライダ150eは、図9に示すように、ステッピングモータ150hからの動力で昇降動作が与えられるものとなっており、ステッピングモータ150hからの動力は、出力軸に取り付けられたピニオン150rが昇降スライダ150eに形成されたラック150sに回転運動を与えることにより昇降スライダ150eに動力を伝達する。
昇降スライダ150eの昇降動作は、レバー150gを介して頭部パーツ150bに伝達される。昇降スライダ150eが上昇すると、これにつられてレバー150gが引き上げられ、それによって頭部パーツ150bが支点150fを中心に回動する。このときの頭部パーツ150bの回動により、ちょうど「怪物」であるキャラクタ体(フランケン)150が頭を前に突き出すような動きが実現される。なお、昇降スライダ150eの下端部には係合溝150kが形成されており、昇降スライダ150eと頭部パーツ150bとは、係合溝150kを介して接合されている。また、係合溝150kの下方にはキャラクタ体(フランケン)の基準板150mが昇降スライダ150eに形成されており、キャラクタ体(フランケン)の基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態が原位置となる(図8(a)参照)。
さらに頭部パーツ150bが回動すると、その動きが左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとに伝達され、さらに右腕パーツ150dが連接節となって遮蔽部材(フランケン)164にまで動きが伝達される。これにより、遮蔽部材(フランケン)164が最初の姿勢(垂れ下がった状態)から斜めに変位することで、ちょうど遮蔽部材(フランケン)164が左上方向に押し上げられたような動作が実現される。このとき左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとは固定された支点を持たない連接節として働くため、左腕パーツ150cと右腕パーツ150dとは、遮蔽部材(フランケン)164と頭部パーツ150bの動きに従って左上方向に移動することになる。
これにより、動作機構を全体としてみると、「怪物」であるキャラクタ体(フランケン)150が遮蔽部材(フランケン)164を両手で押し開け、そのなかから顔を突き出しているかのような演出動作が実現されることになる。また、遮蔽部材164には煉瓦壁を模した装飾が施されていることから、このときのキャラクタ体(フランケン)150の動きから、「怪物」がその怪力を持ってして「怪物屋敷」の煉瓦壁を無理やり押し上げているかのような視覚的効果が得られる。
[6−6−4.キャラクタ体(ドラキュラ)]
図10はキャラクタ体(ドラキュラ)と遮蔽部材(ドラキュラ)との詳細図であり、動作機構を具体的に示している。キャラクタ体(ドラキュラ)152と遮蔽部材(ドラキュラ)166とを含む動作機構もまた、図10に示すように、箱形の機構ボックス152a内に収められた状態でユニット化されている。ここでも同様に、機構ボックス152aはユニット全体としてリアユニット142に収容され、この状態で機構ボックス152aの内側に上述した収容部158が形成される。
キャラクタ体(ドラキュラ)152は単独で1つの部品であり、これに付属して機構ボックス152a内には2系統のリンク機構が設けられている。このうち1系統は、キャラクタ体(ドラキュラ)152と遮蔽部材(ドラキュラ)166とを全体として回動(または揺動)させるためのものであり、もう1系統は、キャラクタ体(ドラキュラ)152を遮蔽部材(ドラキュラ)166の長手方向にスライドさせるためのものである。
2系統のリンク機構のうち、最初の1系統(第2のリンク機構)には、遮蔽部材(ドラキュラ)166と一体に成形されているメインパーツ152bのほか、このメインパーツ152b(揺動部材)とともにキャラクタ体(ドラキュラ)152を回動(または揺動)させるレバー152cが含まれる。メインパーツ152bは、支点152dを介して機構ボックス152aに支持されており、この支点152dを中心として左右方向に揺動自在となっている。
一方のレバー152cは、支点152eを介して機構ボックス152aに揺動自在に支持されている。レバー152cは、その支点152eから下寄りに位置する端部がメインパーツ152bに接合されている。レバー152cの端部には、その長手方向に沿ってガイド溝152iが形成されており、一方メインパーツ152bには、前後方向でみて後方に突出する図示しない係合ピンが設けられている。メインパーツ152bは、この係合ピンをガイド溝152i内に填り込ませることで、レバー152cに対して機構的に連結されている。
これと反対側、つまり支点152eから上寄りに位置する端部には、その長手方向に沿ってガイド溝152fが形成されており、このガイド溝152fにはクランク152gの先端が填り込んでいる。クランク152gはステッピングモータ152hの出力軸に接続されており、その動力で回転、または、回動することができる。
残りの1系統(第1のリンク機構)には、キャラクタ体(ドラキュラ)152につながる連接棒153aのほか、この連接棒153aに連なるレバー153bが含まれる。キャラクタ体(ドラキュラ)152は、「吸血鬼ドラキュラ」がちょうど空を飛んでいるかのような姿勢でデザインされており、上述した連接棒153aは、キャラクタ体(ドラキュラ)152の飛行方向でみて後方にピン接合されている。
一方、キャラクタ体(ドラキュラ)152は、別系統のメインパーツ152bに対してスライド自在に支持されており、このためメインパーツ152bには、その長手方向に沿ってガイド溝153cが形成されている。前面側からみてキャラクタ体(ドラキュラ)152の後方には図示しない係合ピンが形成されており、この係合ピンはガイド溝153c内に填り込んだ状態にある。
レバー153bにも、その長手方向に沿ってガイド溝153dが形成されており、このガイド溝153dにはクランク153eの先端が填り込んでいる。クランク153eはステッピングモータ153fの出力軸に接続されており、その動力で回転、または、回動することができる。
[6−6−5.視認性]
キャラクタ体(ドラキュラ)152については、機構ボックス152a全体が透明パーツで形成されている。このため2系統のリンク機構についても、その周囲のいろいろな方向から容易に状態を確認することができるという利点がある。[6−6−6.動作例]
図11はキャラクタ体(ドラキュラ)と遮蔽部材(ドラキュラ)との動作例である。図11に示すように、まず、1系統のリンク機構(第2のリンク機構)について、ステッピングモータ152hの動力でクランク152gが一方向(図11では反時計回り方向)に回動されることによりレバー152cが一方向(図11では時計回り方向)に回動する。レバー152cが回動することによりメインパーツ152bが一方向(図11では反時計回り方向)に回動するため、キャラクタ体(ドラキュラ)152と遮蔽部材(ドラキュラ)166とのある一端部(図11では右端部)は下方へ回動する。また、メインパーツ152bの右下方には遮蔽部材(ドラキュラ)166の基準板152mが形成されており、遮蔽部材(ドラキュラ)の基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態が原位置となる(図10(a)参照)。
残りの1系統のリンク機構(第1のリンク機構)については、そのステッピングモータ153fの動力でクランク153eが一方向(図11では時計回り方向)に回動されることによりレバー153bが一方向(図11では反時計回り方向)に回動する。レバー153bが回動すると、それによって連接棒153aが一方向(図11では左方向)に押しやられるので、その結果、キャラクタ体(ドラキュラ)152がメインパーツ152bに沿ってその先端方向(図11では左下方向)にスライドすることになる。また、連接棒153aと連なるレバー153bの右方にはキャラクタ体(ドラキュラ)152の基準板153mが形成されており、キャラクタ体(ドラキュラ)の基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態が原位置となる(図10(a)参照)。
これにより、動作機構を全体としてみると、「吸血鬼ドラキュラ」としてのキャラクタ体(ドラキュラ)152が遮蔽部材(ドラキュラ)166とともに「怪物屋敷」の天井裏から天井ごと垂れ下がるようにして出現し、そのまま宙を漂っているかのような演出動作が実現されることになる。なお、「吸血鬼ドラキュラ=コウモリ」のイメージが一般的に定着しているため、本実施形態のように「吸血鬼ドラキュラ」を模したキャラクタ体(ドラキュラ)152が天井から出現してくる態様は、演出動作としても万人に受け入れられやすい。
以上の説明から明らかなように、2系統のリンク機構のうち、キャラクタ体(ドラキュラ)152をスライドさせるためのリンク機構(第1のリンク機構)については、そのステッピングモータ153fをも含めた機構要素の全体が別系統のリンク機構(第2のリンク機構)に搭載されていることが理解される。さらに本実施形態では、メインパーツ152bの支点152dを中心としてその左寄りの端部にキャラクタ体(ドラキュラ)152が位置しており、その反対側の右寄りの端部にステッピングモータ153fが位置している。このため、メインパーツ152bの揺動に際して、キャラクタ体(ドラキュラ)152とステッピングモータ153fとがうまい具合にバランスを取り、その安定した揺動が実現される。特にステッピングモータ153fの質量はキャラクタ体152が下方へ変位している状態から収容部158内へ復帰しようとする際のカウンタウェイトとしても作用するので、メインパーツ152bの揺動に過大なトルクを必要としないという利点がある。
[6−6−7.キャラクタ体(オオカミ男)]
図12はキャラクタ体(オオカミ男)と遮蔽部材(オオカミ男)との詳細図であり、動作機構を具体的に示している。キャラクタ体(オオカミ男)154と遮蔽部材(オオカミ男)168とを含む動作機構もまた、図12に示すように、箱形の機構ボックス154a内に収められた状態でユニット化されている。そして機構ボックス154aがユニット全体としてリアユニット142に収容され、この状態で機構ボックス154aの内側に上述した収容部160が形成される。
キャラクタ体(オオカミ男)154は2つの可動パーツの組み合わせから構成されており、具体的には本体パーツ154bと左腕パーツ154cとが含まれている。また機構ボックス154a内には、その他の機構要素としてスライドブロック154dやプッシュ・プルロッド154eが配設されている。このうちスライドブロック154dは機構ボックス154a内を上下方向に延び、その上下端部が機構ボックス154aに対して横方向にスライド自在に支持されている。これに対応して、機構ボックス154aには2本のガイド溝154fが形成されており、これらガイド溝154fは互いに平行を保ったまま横方向に延びている。
一方のプッシュ・プルロッド154eは、基端がスライドブロック154dに固定された状態で水平方向(図12では右方向)に延びており、その先端は機構ボックス154aの僅かに外にまで達している。
キャラクタ体(オオカミ男)154の本体パーツ54bは、スライドブロック154dの一側端(図12では右側端)に固定されている。このためキャラクタ体(オオカミ男)154の横方向への動きは、基本的にスライドブロック154dのスライド動作によって実現されるものとなっている。これに対し左腕パーツ154cは、本体パーツ154bにピン接合された状態で、本体パーツ154bの動作に伴い相対運動するものとなっている。
また遮蔽部材(オオカミ男)168は、その上下端が機構ボックス154aに回動自在に支持されている。既に説明したとおり、遮蔽部材(オオカミ男)168には木製扉を模した装飾が施されており、その動きはちょうど扉を開閉するときの動きと同様となっている。遮蔽部材(オオカミ男)168の上端部には、上述したプッシュ・プルロッド154eと係合するための2本の係合片168a,168bが形成されており、これら係合片168a,168bは、上述した装飾部材142fよりも上方に位置している。係合片168a,168bは、遮蔽部材(オオカミ男)168の回動軸から水平方向に延びており、機構ボックス154aを真上からみると、2本の係合片168a,168bがちょうどV字形に開くようにして配置されている。
一方、プッシュ・プルロッド154eの先端部(図12では右端部)には、上述した係合片168a,168bに対応して係合突起154g,154hが形成されている。図12に示すように、キャラクタ体(オオカミ男)154が収容部160内に収容された状態では、2本の係合片168a,168bの間に2つの係合突起154g,154hがともに位置する状態にある。この状態で、収容部160の内側寄り(図12では左寄り)に位置する係合突起154hが遮蔽部材(オオカミ男)168の係合片168bに当接し、これにより遮蔽部材(オオカミ男)168の姿勢を保持している。このとき遮蔽部材(オオカミ男)168は収容部160の出入口を閉じた状態にあり、それによって収容部160内に位置するキャラクタ体(オオカミ男)154の存在を隠している。
[6−6−8.開放孔]
機構ボックス154aには、図12中(a)でみて左の側壁154iに開放孔154jが形成されている。開放孔154jは機構ボックス154aの内側にある空間を左側方へ開放し、その内部への視認性を確保することができるものとなっている。
[6−6−9.動作例]
図13はキャラクタ体(オオカミ男)と遮蔽部材(オオカミ男)との動作例である。上述したスライドブロック154dは、図13に示すように、ステッピングモータ155からの動力でスライド動作が与えられるものとなっており、ステッピングモータ155からの動力は、クランク155aとレバー155bとを介してスライドブロック154dに伝達される。このためレバー155bの下端部は、機構ボックス154aにピン接合されており、一方、レバー155bの上端部は、スライドブロック154dに対してスライダ接合されている。スライドブロック154dには、上下方向に延びるガイド溝155cが形成されており、対応するレバー155bの上端部には、ガイド溝155c内に填り込むピン155dが形成されている。なお、レバー155bにもその長手方向に沿ってガイド溝155eが形成されており、このガイド溝155e内にクランク155aの先端部が填り込んでいる。また、ガイド溝155cの上方にはキャラクタ体(オオカミ男)の基準板154mがスライドブロック154dに形成されており、キャラクタ体(オオカミ男)の基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態が原位置となる(図12(a)参照)。
このためステッピングモータ155の動力でクランク155aが一方向(図13(a)では時計回り方向)に回動されると、これによってレバー155eが一方向(図13(a)では時計回り方向)に回動する。レバー155eが回動すると、それによってスライドブロック154dが一方向(図13(a)では右方向)に押しやられるため、キャラクタ体(オオカミ男)154が収容部160内から外側方向(図13(a)では右方向)にスライドする。
このようなスライドブロック154dのスライドに連動して、プッシュ・プルロッド154eもまた一方向(図13(a)では右方向)へスライドする。すると、スライド方向でみて先頭に位置する係合突起154gが遮蔽部材(オオカミ男)168の係合片168aを押すため、遮蔽部材(オオカミ男)168は軸線周りに回動されることになる。
キャラクタ体(オオカミ男)154の本体パーツ154bについては、スライドブロック154dのスライド動作に伴い一方向(図13(a)では右方向)へ単にスライドするだけであるが、左腕パーツ154cについては、スライド動作に伴って回動する動きがプラスされる。
このため、例えば図13中(b)に示すように、左腕パーツ154cの背後にはレバー155fが取り付けられており、このレバー155fは、左腕パーツ154cの先端部から本体パーツ154bの後方を延び、そして機構ボックス154aにスライダ接合されている。機構ボックス154aにはさらにガイド溝155gが形成されており、レバー155fの一端部にはガイド溝155gに填り込むスライドピン155hが設けられている。ガイド溝155gは、機構ボックス154a内をその一側端(図13(a)では左側端)から他側端に向かって水平に延び、途中で斜め上方に屈曲されている。このため、キャラクタ体(オオカミ男)154と遮蔽部材(オオカミ男)168とが収容部160内に収容された状態(図12)で、そこからスライドブロック154dが一方向(図13(a)では右方向)にスライドし始めると、はじめのうちレバー155fのスライドピン155hには上下方向への変位が現れないが、スライドブロック154dのスライド動作が終盤に差しかかると、スライドピン155hがガイド溝155gの屈曲部分に案内されて次第に上方へ変位する。これによりレバー155fの先端、つまり左腕パーツ154cの先端部が下方に下がるようにして回動する動きが実現される。
以上の動きを動作機構全体としてみると、「怪物」であるキャラクタ体(オオカミ男)154が「木製扉」である遮蔽部材(オオカミ男)168を勢いよく押し開け、部屋の中から突然飛び出してきたかのような演出動作が実現されることになる。また、逆にキャラクタ体(ドラキュラ)152が室内に引っ込むときには、それに合わせて「木製扉」である遮蔽部材(オオカミ男)168が閉まり、室内を遮蔽したかのような自然な演出動作が実現される。
[7.主基板と周辺基板]
次に、パチンコ機1の裏面側に設けられる主基板100と周辺基板110とについて説明する。図14は主基板と周辺基板とを示すブロック図であり、図15はランプ駆動基板のブロック図であり、図16は測距センサの概略構成図及びその特性図であり、図17は受信基板の回路図である。
[7−1.主基板]
主基板100は、図14に示すように、主制御基板101及び払出制御基板102を備えて構成される。
[7−2.主制御基板]
主制御基板101は、図14に示すように、CPU101aを中心に構成され、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROM101b、一時的にデータを記憶するRAM101cが図示しないバスに接続されており、このRAM101cに記憶されている各種の情報を消去(クリア)するRAMクリアスイッチ101dを備えている。主制御基板101には、左ゲートセンサ53a、右ゲートセンサ53b、始動口センサ55、カウントセンサ64からの検出信号が入力されている。一方、主制御基板101からは、検出信号に基づいて開閉翼ソレノイド63a、開閉板ソレノイド63b、特別図柄表示器41、普通図柄表示器50、特図記憶ランプ54、普図記憶ランプ56への駆動信号が出力されている。また、主制御基板101と払出制御基板102との間では、シリアル転送により各種コマンドが送受信される。主制御基板101とサブ統合基板111との間ではパラレル転送により主制御基板101から各種コマンドが送信される。なお、主制御基板101は遊技盤4の裏面下側(演出装置40の下方)に後述するサブ統合基板に重ね合わされた状態で装着されている。また、主制御基板101は図示しない電源基板から電力が供給されている。この電源基板には、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板101に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」という。)が搭載されている。詳細な説明は後述するが、このキャパシタにより供給される電力によって、主制御基板101は電源遮断時にでも電源断時処理において各種の情報をRAM101cに記憶することができる。
[7−3.払出制御基板]
払出制御基板103は、図14に示すように、CPU102a,ROM102b,RAM102cが図示しないバスに接続されている。払出制御基板102は、主制御基板101から送信された各種コマンドに基づいて払出装置102を制御する。例えば、払出制御基板102は、主制御基板101から送信された払出装置103(排出モータ)を駆動するコマンドを受信すると、このコマンドに基づいて払出装置103(排出モータ)へ駆動信号を出力する。これにより、払出装置103は遊技球又は貸球を払い出す。なお、払出制御基板103はパチンコ機1の背面、遊技盤4の下方に装着されている。払出制御基板103は図示しない電源基板から電力が主制御基板101と同様に供給されている。この電源基板には、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板103に電力を供給するキャパシタが搭載されている。このキャパシタにより供給される電力によって、払出制御基板103は電源遮断時にでも払い出しに関する各種の払出情報を記憶することができる。この払出情報は、主制御基板101のRAMクリアスイッチ101dが操作されると、その内容がRAM102から消去(クリア)される。
[7−4.周辺基板]
周辺基板110は、図14に示すように、サブ統合基板111、ランプ駆動基板112、液晶制御基板113、波形制御基板114及び受信基板120を備えて構成されている。
[7−5.サブ統合基板]
サブ統合基板111は、図14に示すように、CPU111a,ROM111b,RAM111cが図示しないバスに接続されている。サブ統合基板111のCPU111aには、図15に示すように、演算処理を行う演算処理部111aacと、外部とのパラレル通信としてパラレル出力を行う出力ポート111aopと、外部とのパラレル通信としてパラレル入力を行う入力ポート111aipと、外部とのシリアル通信としてシリアル転送を行うシリアル部111aso,111aso’とが回路接続されている。出力ポート111aopは後述する演出ランプ駆動部112gとシリアルパラレル変換部112h,112iとに制御信号をパラレル転送により送信し、シリアル部111asoは、後述するシリアルパラレル変換部112h,112iにステッピングモータ150h,153f,152h,155の励磁データをシリアル転送により送信する。また、シリアル部111aso’は、後述する演出ランプ駆動部112gに演出ランプ44a,44bと装飾ランプ49とを駆動する駆動データをシリアル転送により送信する。入力ポート111aipには、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)の原位置をそれぞれ検出するフォトセンサ150n,153n,152n,154nからの検出信号SEN1〜SEN4が入力され、測距センサ119からの検出信号SENU,SENLが受信基板120の受信回路120aを介して入力される。また、入力ポート111aipには、図示しないが、振動センサ70からの検出信号も入力されている。サブ統合基板111は遊技盤4の裏面下側(演出装置40の下方)に設けた図示しないボックス装着台に装着されており、上述したように、主制御基板101はサブ統合基板111に重ね合わされた状態で装着されている。
なお、サブ統合基板111のCPU111aは、図示しない出力ポートを複数備えており、液晶制御基板113と波形制御基板114とにパラレル転送による各種コマンドが送信され、サイド装飾体33への駆動信号も出力されている。また、サブ統合基板111から送信される各種コマンドは電気信号であるため、サブ統合基板111には、ノイズの影響を抑えるため、電気信号の電圧を所定電圧に昇圧変換(例えば、5Vから12V)するレベルコンバータ部111eと、ランプ駆動基板112を介してサブ統合基板111に入力されたフォトセンサ150n,153n,152n,154nからの検出信号SEN1〜SEN4及び受信基板120の受信回路120aを介してサブ統合基板111に入力された測距センサ119a,119bからの検出信号SENU,SENLの電圧を所定電圧に降圧変換(例えば、12Vから5V)するレベルコンバータ部111fと、が設けられている。
[7−6.ランプ駆動基板]
ランプ駆動基板112は、図15に示すように、サブ統合基板111から送信された各種コマンドに基づいて装飾ランプ49と演出ランプ44a,44bとにパラレル転送により駆動信号を送信する演出ランプ駆動部112gと、サブ統合基板111から送信された各種コマンドをパラレルデータに変換するシリアルパラレル変換部112h,112iと、シリアルパラレル変換部112hにより変換されたパラレルデータを駆動信号として受信するドライブ回路部112j,112k及びシリアルパラレル変換部112iにより変換されたパラレルデータを駆動信号として受信するドライブ回路部112m,112nとを備える。
なお、ランプ駆動基板112には、サブ統合基板111から送信された各種コマンドとしての電気信号の電圧を所定電圧に降圧変換(例えば、12Vから5V)するレベルコンバータ部112eと、レベルコンバータ部112eにより所定電圧に降圧された電気信号の波形を整形するシュミットトリガ部112fと、ノイズの影響を抑えるため、フォトセンサ150n,153n,152n,154nからの検出信号SEN1〜SEN4の電圧を所定電圧に昇圧変換(ここでは、所定電圧(例えば、12V)に維持するために用いられる。)するレベルコンバータ部112dと、が設けられている。
[7−6−1.シリアルパラレル変換部]
シリアルパラレル変換部112h,112iには、図15に示すように、シフトレジスタ112hs,112isとストレージレジスタ112ht,112itとをそれぞれ備え、サブ統合基板111から送信された各種コマンドは、シフトレジスタ112hs,112isを介してストレージレジスタ112ht,112itに転送されることによりパラレルデータに変換される。
[7−6−2.ドライブ回路部]
ドライブ回路部112j,112k,112m,112nは、図15に示すように、ドライブ回路部112j,112kは、キャラクタ体(フランケン)150を動作させるステッピングモータ150hと遮蔽部材(ドラキュラ)166を動作させるステッピングモータ153fとをそれぞれ駆動する駆動信号を各相(φ1,φ2,φ3,φ4)に出力し、ドライブ回路部112m,112nは、キャラクタ体(ドラキュラ)152を動作させるステッピングモータ152hとキャラクタ体(オオカミ男)154を動作させるステッピングモータ155とをそれぞれ駆動する駆動信号を各相(φ1,φ2,φ3,φ4)に出力する。ここで、ステッピングモータ150hは機構ボックス150aに接続され、キャラクタ体(フランケン)の基準板150mが機構ボックス150aに収められている。ステッピングモータ153f,152hは機構ボックス152aに接続され、キャラクタ体(ドラキュラ)の基準板153mと遮蔽部材(ドラキュラ)166の基準板152mとが機構ボックス152aに収められている。ステッピングモータ155は機構ボックス154aに接続され、キャラクタ体(オオカミ男)の基準板154mが機構ボックス154aに収められている。
[7−7.液晶制御基板]
液晶制御基板113は、図14に示すように、CPU113a,ROM113b,RAM113c,図示しないVDP(Video Display Processorの略)が図示しないバスに接続されている。液晶制御基板113は、サブ統合基板111から送信された演出コマンドに基づいて液晶表示器116の表示制御を行う。
[7−8.波形制御基板]
波形制御基板114は、図14に示すように、音声、演奏データを記憶するROM114b,RAM114cが図示しないバスに接続されている。波形制御基板114は、サブ統合基板111から送信された各種コマンドに基づいて音波装置115の制御を行う。例えば、液晶表示器116の表示画面に表示される各種演出に合わせて音波装置115から効果音が出力される。
[7−9.受信基板]
次に、測距センサ119a,119bの概略構成及びその特性について説明し、続いて、受信基板120について説明する。
[7−9−1.測距センサの構成]
測距センサ119a,119bは、図16(a)に示すように、PSD(Position Sensitive Detectorの略)、LED(発光ダイオード)及び測距ICを備えて構成されている。この測距ICは、信号処理回路、LED駆動回路、レギュレータ、出力回路及び発信回路を備えて構成されており、レギュレータは源端子Vccから入力された電源から信号処理回路やPSDに供給する電圧を作成し、発振回路は信号処理回路及びLED駆動回路にクロック信号を出力し、LED回路は発振回路からのクロック信号に基づいてLEDを発光させ、信号処理回路は発振回路からのクロック信号に基づいてPSDで受光した光を電気信号に変換する信号処理を行い、出力回路を介して出力端子Voから外部に出力する。
測距センサ119a,119bは、上述したように、図3に示した遊技盤4の前側左上部及び左下部に固定されており、遊技者の手や腕等の動きを検出するように遊技盤4の右前方に向かってLEDが光を発するように固定されている。測距センサ119a,119bのLEDが発した光は、図2に示した、前面枠5の開口窓30を通過するようになっており、パチンコ機1の対面に着座する遊技者が開口窓30の前面近傍で、例えば腕を振り下ろすと、測距センサ119a,119bのLEDが発した光が腕に反射し、この反射した光が開口窓30を通過して測距センサ119a,119bのPSDで受光されるようになっている。
[7−9−2.測距センサの特性]
測距センサ119a,119bの特性である、障害物までの距離Lと出力電圧Voとの関係は、図16(b)に示すように、距離Lが大きくなるにつれて出力電圧Voが小さくなる、反比例の関係を有している。本実施形態では、設定距離Ltとして開口窓30の前面から約25cmだけ離れたところ(開口窓30の前面近傍)にしている。この設定距離Ltでパチンコ機1の対面に直座する遊技者の手又は腕の動きを検出すると、出力電圧Voの電圧がVtとなる。
[7−9−3.受信基板の受信回路]
測距センサ119a,119bからの出力電圧Voが入力される受信基板120の受信回路120aは、コンパレータIC1A,IC1b、抵抗R1〜R4、を備えて構成されている。測距センサ119aからの出力電圧Voは、コンパレータIC1Aの+端子に入力されている。このコンパレータIC1Aの−端子には、一端が+5Vに電気的に接続された抵抗R1と、一端がグランドに接地された抵抗R2と、が電気的に接続されている。コンパレータIC1Aは、抵抗R1,R2の抵抗値の比によって比較する電圧(本実施形態では、図16(b)に示した電圧Vt)が設定されており、その比較結果を検出信号SENUとして、図14に示したサブ統合基板111に出力している。
一方、測距センサ119bからの出力電圧Voは、測距センサ119aからの出力電圧Voと同様に、コンパレータIC1Bの+端子に入力されている。このコンパレータIC1Bの−端子には、一端が+5Vに電気的に接続された抵抗R3と、一端がグランドに接地された抵抗R4と、が電気的に接続されている。コンパレータIC1Bは、抵抗R3,R4の抵抗値の比によって比較する電圧(本実施形態では、図16(b)に示した電圧Vt)が設定されており、その比較結果を検出信号SENLとして、サブ統合基板111に出力している。
サブ統合基板111は、遊技者が遊技中に開口窓30の前面で、例えば腕を振り下ろす動作を行うと、まず測距センサ119aで検出され、続いて測距センサ119bで検出される。この場合、サブ統合基板111は、測距センサ119aからの検出信号SENUを契機として計時を開始し、測距センサ119bからの検出信号SENLを契機としてその計時を終了する。これにより、遊技者の腕の振り下ろす速度を測定することで、その速度に基づいた演出コマンドを作成する。例えば、遊技者の腕の振り下ろす速度が所定速度より大きいときには、その旨を示す演出コマンドを作成する。
そしてサブ統合基板111は、作成した演出コマンドを、図14に示した液晶制御基板113に送信することで、液晶制御基板113は、受信した演出コマンドに対応する画像を図14に示した液晶表示器116に表示する。このように、遊技者の動作が液晶表示器116に表示する画像に反映されている。これにより、遊技者は、大当りを引き当てるためにその動作(例えば、両手を勢いよく振り下ろす等のオーバーアクション)を自身で見出すことができる。したがって、遊技者の自由な発想を促し、遊技者自らが興趣を見出すことができる。このような遊技者の動作はオカルト的になるため、オカルト的な動作を見たさに遊技者の回りに他の遊技者が集まったり、「この動作が大当りになりやすいよ。」という具合に遊技者間で話題になったりし、ホールの客寄せ効果に寄与することができる。
また、サブ統合基板111は、測距センサ119aからの検出信号SENUを契機として計時した結果、遊技者の腕の振り下ろす速度が所定速度より大きいとき、つまり遊技者が勢いよく腕を振り下ろしたときには、その旨を伝える演出コマンドを作成して液晶制御基板113に送信する。これにより、液晶制御基板113は、受信した演出コマンドに基づいて遊技者が勢いよく腕を振り下ろしたときの画像を液晶表示器116に表示する。このように、勢いよく腕を振り下ろしたという遊技者の動作が液晶表示器116に表示する画像に反映されている。したがって、遊技者が単に腕を振り下ろしたことを契機として、遊技者が希望する演出態様に決定したり又はその後に遊技者が気づかないところで演出態様を切り替えたりするのではなく、遊技者の動作によって、つまり遊技者の想いが伝わったときに液晶表示器116に表示される画像にその想いが反映されるように制御されている。
なお、上述したように、図3に示した遊技盤4の裏面には不正な振動を検出する振動センサ70が固定されているが、例えばパチンコ機1の上皿17に押ボタンを設けたパチンコ機1’では、遊技者が押ボタンを連打したり、強く押したりすると、振動センサ70によって不正な振動として検出され、遊技者がホールの店員等に不正行為を直ちに止めるように注意されたりするおそれがある。本実施形態では、遊技者がパチンコ機1に触れずに、その動作が液晶表示器116に表示する画像に反映されている。このため、押ボタンの操作による振動センサ70の検出による誤報がなくなる。したがって、誤報による不快を遊技者に与えずに済む。
また、受信基板120の受信回路120aにはコンパレータIC1A,IC1Bを備えており、測距センサ119a,119bからの検出信号が入力されている。コンパレータIC1A,IC1Bは、抵抗R1〜R4の抵抗値の比によって比較する電圧Vtが設定されている。上述したように、本実施形態では、設定距離Ltとして開口窓30の前面から約25cmだけ離れたところ(開口窓30の前面近傍)にしており、このときの測距センサ119a,119bの出力電圧Voが電圧Vtとなる。このため、図2に示した、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31に装着された透明板32が、例えば、タバコのヤニやホコリ等で汚れてくると、透明板32と測距センサ119a,119bとの距離が設定距離Ltより短いため、測距センサ119a,119bのLEDから発した光がその汚れで反射し、測距センサ119a,119bのPSDで受光されることとなり、常に測距センサ119a,119bで検出された状態となる。これにより、透明板32がタバコのヤニやホコリ等で汚れると、遊技者の手や腕の動きを検出することが困難となる。
そこで本実施形態では、図示しないが、電源投入時又は所定期間ごとに、測距センサ119a,119bが常に検出された状態となっているか否かを確認している。そして所定期間以上、測距センサ119a,119bが検出した状態が続いたときには、図14に示した、装飾LED49を点灯したり、音波装置115で「透明板が汚れています。」という音声を流したりする等の報知を行っている。このように、受信基板120の受信回路120aにはコンパレータIC1A,IC1Bを備えることによって、透明板が汚れていることをホールの店員に促すことができる。
[8.変動表示パターン]
次に、変動表示パターンを決定するための変動表示パターンテーブルについて説明する。図18は主制御基板で選択される変動表示パターンの一例を示す一覧表図である。この変動表示パターンは、主制御基板101で更新処理されている変動表示パターン用乱数に基づいて決定される。この変動表示パターン用乱数の詳細な説明は後述する。
ここで、図18中記載の「コマンド」とは、主制御基板101からサブ統合基板111に送信される2バイト構成のコマンドであり、特別図柄表示器41で特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示(表示領域42で装飾図柄の変動表示を開始してから装飾図柄の変動表示)が停止表示されるまでの変動時間やリーチ演出を特定するためのデータが含まれている。
変動番号1の「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動表示パターンである。変動番号2の「短縮変動」とは、始動口センサ55により検出されたことに基づいて抽出された大当り判定用乱数の記憶数を示す保留球数カウンタの値が上限値、確率変動状態、時短状態等の条件のうちいずれかが成立したときに選択され得る変動表示パターンであって、特別図柄と装飾図柄との変動時間が「通常変動」よりも短い変動表示パターンである。
変動番号3,4の「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴うが、このリーチ態様が形成された後にスーパーリーチ演出やスーパーリーチ発展演出等のリーチ演出を行わない変動表示パターンである。
変動番号5,6の「オオカミ男リーチ」、変動番号11,12の「ドラキュラリーチ」、変動番号17,18の「フランケンリーチ」とは、リーチ態様が形成された後に、各々のキャラクタの画像表示制御により実行されるスーパーリーチ演出(例えば、「オオカミ男リーチ」では、人間の姿をしたオオカミ男が得意の料理で装飾図柄を調理する画像表示制御により実行される演出)を行う変動表示パターンである。また、変動番号7,8の「オオカミ男リーチ発展」、変動番号13,14の「ドラキュラリーチ発展」、変動番号17,18の「フランケンリーチ発展」とは、各々のキャラクタの画像表示制御により実行されるスーパーリーチ演出を行った後に、これらのキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出(例えば、「オオカミ男リーチ発展」では、オオカミ男が人間の姿から狼に変身し、狼の姿をしたオオカミ男が得意の料理で装飾図柄をダイナミックに調理するような演出)を継続させて画像表示制御する変動表示パターンである。
変動番号9,10の「オオカミ男リーチ〜怪物くん」、変動番号15,16の「ドラキュラリーチ〜怪物くん」、変動番号21,22の「フランケンリーチ〜怪物くん」とは、各々のキャラクタの画像表示制御により実行されるスーパーリーチ演出を行った後に、これらのキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出とは異なり、怪物くんの画像表示制御により実行されるスーパーリーチ発展演出を継続させて行う変動表示パターンである。
変動番号23〜31の「スポットライト予告」とは、リーチ態様が形成されるまでに各々のキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出を行うことを予告する予告演出を行った後に、スーパーリーチ演出を実行せずに予告演出で画像表示制御したキャラクタに応じたスーパーリーチ発展演出を行う変動表示パターンである。また、変動番号32,33の「役物リーチ」とは、リーチ態様が形成された後に上述したリアユニット142に内蔵されたキャラクタ体150、152、154と遮蔽部材164、166、168とを駆動制御することにより、リーチ演出を行う変動表示パターンである。
変動番号34の「全回転リーチ」とは、後述する遊技処理において大当り用判定乱数が大当り判定値と一致したときに実行できる変動表示パターンである。また、変動番号35の「スーパーリーチ分岐プレミア」とは、後述する遊技処理において大当り判定用乱数が大当り判定値と一致したときに実行できる変動表示パターンである。
[9.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて主制御基板101が行う各種制御処理について説明する。最初に、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、電源投入時処理そしてタイマ割り込み処理について順に説明する。図19は電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図20は図19の電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図21はタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。
[9−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いられる大当り判定用乱数と、この大当り判定用乱数の初期値の決定に用いられる大当り判定用初期値決定用乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチを発生させるか否かの決定に用いられるリーチ判定用乱数と、図3に示した特別図柄表示器41に表示する変動表示パターンの決定に用いられる変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに特別図柄表示器41に表示する特別図柄の組み合わせを決定するのに用いられる大当り図柄用乱数と、この大当り図柄用乱数の初期値の決定に用いられる大当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、図3に示した電動始動入賞口46の開閉翼47を開閉動作させるか否かの決定に用いられる普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いられる普通図柄当り判定用初期値決定用乱数と、図3に示した普通図柄表示器50に表示する変動表示パターンの決定に用いられる普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
[9−2.電源投入時処理]
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御基板101のCPU101aは、図19及び図20に示すように、電源投入時処理を行う。この電源投入時処理が開始されると、CPU101aは、割り込みモードの設定を行う(ステップS10)。この割り込みモードは、CPU101aの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述するタイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、このタイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理が行われる。ステップS10に続いて、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS12)。このI/Oの入出力設定では、CPU101aのI/Oの設定を行う。例えば、図3に示した大入賞口61の開閉動作を行う開閉板62の駆動源としての開閉板ソレノイド63bに駆動信号を出力する端子は出力端子(Output)として設定される。一方、大入賞口61に入球した遊技球を検出するカウントセンサ64からの検出信号が入力される端子は入力端子(Input)として設定される。ステップS12に続いて、CPU101aに内蔵されたウォッチドックタイマを有効に設定する(ステップS14)。このウォッチドックタイマは、CPU101aの動作(システム)を監視するためのものであり、一定期間にクリアされないときにはCPU101aにリセットがかかる(CPU101aのシステムが暴走していないかを定期的に診断している)。
ステップS14に続いて、ウェイトタイマ処理1を行う(ステップS16)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(突発的に電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧以下となると停電予告として停電信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では電圧が停電予告電圧以下となると停電信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理1では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より高くなるまで待っている。本実施形態では、この待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS16に続いて、RAMクリアスイッチ101dが操作されているか否かを判定する(ステップS18)。この判定は、主制御基板101のRAMクリアスイッチ101dが操作され、その操作信号(検出信号)がCPU101aに入力されているか否かにより行われる。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ101dが操作されていると判定し、一方、検出信号が入力されていないときにはRAMクリアスイッチ101dが操作されていないと判定する。
ステップS18でRAMクリアスイッチ101dが操作されているときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットし(ステップS20)、一方、ステップS18でRAMクリアスイッチ101dが操作されていないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS22)。このRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御基板101のRAM101cに記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定されている。なお、ステップS20及びステップS22でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、CPU101aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS20又はステップS22に続いて、ウェイトタイマ処理2を行う(ステップS24)。このウェイトタイマ処理2では、図14に示した液晶制御基板113による液晶表示器116の表示制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待つ処理である。例えば、液晶制御基板113のROM113bから圧縮されたオープニング用画像を読み出して、液晶制御基板113のRAM113cに展開して記憶する等。本実施形態では、ブートするまでの時間(ブートタイマ)として2秒(s)が設定されている。ステップS24に続いて、RAM101cへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS26)。この設定によりRAM101cへのアクセスができ、例えば遊技情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。ステップS26に続いて、スタックポインタの設定を行う(ステップS28)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれごとにスタックポインタが進む。ステップS28では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまでの順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS28に続いて、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS30)。上述したように、RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定されている。ステップS30でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり遊技情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS32)。このチェックサムは、RAM101cに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。ステップS32に続いて、算出したチェックサムの値が後述する電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS34)。一致しているときには、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS36)。このバックアップフラグBK−FLGは、遊技情報、チェックサムの値及びバックアップフラグBK−FLGの値等のバックアップ情報を後述する電源断時処理においてRAM101cに記憶保持したか否かを示すフラグであり、電源断時処理を行ったとき値1、電源断時処理を行っていないとき値0にそれぞれ設定されている。
ステップS36でバックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり電源断時処理を行ったときには、復電時としてRAM101cの作業領域を設定する(ステップS38)。この設定は、バックアップフラグBK−FLGを値0にセットするほか、主制御基板101のROM101bから復電時情報を読み出し、この復電時情報をRAM101cの作業領域にセットする。ここで「復電時」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態に加えて、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。ステップS38に続けて、電源投入時コマンド作成処理を行う(ステップS40)。この電源投入時コマンド作成処理では、バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドをRAM101cの所定記憶領域に記憶する。なお、各種コマンド等についての説明は後述する。
一方、ステップS30でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり遊技情報を消去するときには、又はステップS34でチェックサムの値が一致していないときには、又はステップS36でバックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり電源断時処理を行っていないときには、RAM101cの全領域をクリアし(ステップS42)、初期設定としてRAM101cの作業領域を設定する(ステップS44)。この設定は、ROM101bから初期情報を読み出し、この初期情報がRAM101cの作業領域にセットされる。ステップS44に続けて、RAMクリア報知及びテストコマンド作成処理を行う(ステップS46)。このRAMクリア報知及びテストコマンド作成処理では、RAM101cをクリアして初期設定を行った旨を、図14に示したサブ統合基板111に報知するためのRAMクリア報知コマンドと、サブ統合基板111の各種検査を行うためのテストコマンドと、を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶する。なお、サブ統合基板111がRAMクリア報知コマンドを受信すると、このRAMクリア報知コマンドを液晶制御基板113に送信し、一方テストコマンドを受信すると、図14に示した、ランプ駆動基板112、液晶制御基板113及び波形制御基板114の各種検査を行うためのテストコマンドを送信する。
ステップS40又はステップS46に続いて、割り込み初期設定を行う(ステップS48)。この設定は、後述するタイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では4msに設定されている。ステップS48に続いて、割り込み許可設定を行う。(ステップS50)。この設定によりステップS48で設定した割り込み周期、つまり4msごとにタイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS50に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Aをセットする(ステップS52)。このウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリアされる。ステップS52に続けて、停電信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると停電予告として停電信号が入力される。ステップS54の判定は、この停電信号に基づいて行われる。ステップS54で停電信号の入力がないときには非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。
この非当落乱数更新処理では、上述した、大当り判定用初期値決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数及び大当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。例えば、大当り判定用乱数を更新するカウンタは、大当り判定用乱数の下限値から上限値までの範囲を、後述するタイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ増える(カウントアップする)。このカウンタは、非当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数が設定(更新)されると、この大当り判定用初期値決定用乱数から上限値までカウントアップし、続けて下限値から大当り判定用初期値決定用乱数までカウントアップする。そして再び非当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数が更新される。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数を更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。普通図柄当り判定用乱数等は、上述した大当り判定用乱数の更新方法と同一であり、その説明を省略する。
ステップS56に続けて、再びステップS52に戻り、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Aをセットし、ステップS54で停電信号があるか否かを判定し、この停電信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS52〜ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS52〜ステップS56の処理を「メイン処理」という。
一方、ステップS54で停電信号の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述するタイマ割り込み処理が行われなくなり、RAM101cへの書き込みを防ぎ、遊技情報の書き換えを保護している。ステップS58に続いて、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS60)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。ステップS60に続いて、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする。(ステップS62)、これによりバックアップ情報の記憶が完了する。ステップS62に続いて、RAM101cへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS64)。この設定によりRAM101cへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、RAM101cに記憶されているバックアップ情報が保護される。ステップS64に続いてウォッチドックタイマのクリアを行う(ステップS66)。このクリアは、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。ステップS66に続けて、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリアされなくなる。このため、CPU101aにリセットがかかり、その後CPU101aは、この電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58〜ステップS66の処理及び無限ループを「電源断時処理」という。
パチンコ機1(CPU101a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により電源投入時処理を行う。
なお、ステップS34ではRAM101cに記憶されているバックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS36では電源断時処理が行われたか否かを検査している。このように、RAM101cに記憶されているバックアップ情報を2重にチェックすることによりバックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[9−3.タイマ割り込み処理]
次に、タイマ割り込み処理について説明する。このタイマ割り込み処理は、図19及び図20に示した電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
タイマ割り込み処理が開始されると、主制御基板101のCPU101aは、図21に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS70)。ここでは、メイン処理で使用する汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切替、このタイマ割り込み処理ではこの補助レジスタを使用する。このため、メイン処理で使用する汎用レジスタの値が上書きされることなく、その内容の破壊を防いでいる。
ステップS70に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Bをセットする(ステップS72)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、電源投入時処理(メイン処理)のステップS52においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS72に続いて、スイッチ入力処理を行う(ステップS74)。このスイッチ入力処理では、電源投入時処理のステップS12においてI/Oの入出力設定で入力端子(Input)として設定された端子の入力状態を読み取り、入力情報としてRAM101cの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、図3に示した、大入賞口61に入球した遊技球を検出するカウントセンサ64からの検出信号、始動入賞口45又は電動始動入賞口46に入球した遊技球を検出する始動口センサ55からの検出信号、左ゲート58aを通過した遊技球を検出するゲートセンサ53aからの検出信号及び右ゲート58bを通過した遊技球を検出するゲートセンサ53bからの検出信号等を読み取り、入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS74に続いて、タイマ減算処理を行う(ステップS76)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って図3に示した特別図柄表示器41が点灯するよう時間管理を行う一方、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って図3に示した普通図柄表示器50が点灯するよう時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、タイマ減算処理が行われるごとに変動時間が4msずつ減算される。この減算結果が値0になることにより変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が正確に計られる。
ステップS76に続いて、当落乱数更新処理を行う(ステップS78)。この当落乱数更新処理では、上述した、大当り判定用乱数及び大当り図柄用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図20に示した電源投入時処理(メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り判定用初期値決定用乱数及び大当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り判定用初期値決定用乱数及び大当り図柄用初期値決定用乱数は、メイン処理及びこのタイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。一方、大当り判定用乱数及び大当り図柄用乱数は、当落判定(大当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。例えば、大当り判定用乱数を更新するカウンタは、大当り判定用乱数の下限値から上限値までの範囲を、タイマ割り込み処理が行われるごとにカウントアップする。このカウンタは、大当り判定用初期値決定用乱数から上限値までをカウントアップし、続けて下限値から初期値までをカウントアップする。大当り判定用乱数の下限値から上限値までの範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数は更新される(この大当り判定用初期値決定用乱数は上述した非当落乱数更新処理でも更新される)。なお上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。普通図柄当り判定用乱数等は、上述した大当り判定用乱数の更新方法と同一であり、その説明を省略する。
ステップS78に続いて、賞球制御処理を行う(ステップS80)。この賞球制御処理では、上述した入力状態記憶領域から入力端子の入力状態、つまり入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出す賞球コマンドを作成する。そして作成した賞球コマンドを図14に示した払出制御基板102に送信する。例えば、図3に示した大入賞口61に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成する。ステップS80に続いて、賞球チェック処理を行う(ステップS82)。この賞球チェック処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、大当り遊技状態でないときに大入賞口61に遊技球が入球すると、異常状態として賞球異常報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。(なお、この異常状態の確認は、入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて行われる)。ステップS82に続いて、コマンド受信処理を行う(ステップS84)。払出制御基板102は、例えば図14に示した払出装置103に、球詰まりにより遊技球を払い出せない等の払出異常が生じたときには、主制御基板101に払出異常コマンドを送信する。ステップS84のコマンド受信処理では、この払出異常コマンドを受信すると、払出異常報知コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS84に続いて、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS86)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、この入力情報に基づいて始動入賞処理を行う。この始動入賞処理では、入力情報から図3に示した始動口センサ55からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かの判定を行う。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した大当り判定用乱を更新するカウンタの値等を抽出して始動情報としてRAM101cの始動情報記憶領域に記憶する。
この始動情報記憶領域には、始動情報記憶ブロック0〜3(4つの始動情報記憶ブロック)が設けられており、始動情報記憶ブロック0、始動情報記憶ブロック1、始動情報記憶ブロック2、そして始動情報記憶ブロック3の順に始動情報が記憶されるようになっている。例えば始動情報が始動情報記憶ブロック0及び始動情報記憶ブロック1に記憶されている場合、始動口センサ55からの検出信号が入力端子に入力されていたときには始動情報を始動情報記憶ブロック2に記憶する。
始動情報は始動情報記憶ブロック0に記憶されているものが読み出される。この始動情報が読み出されると、始動情報記憶ブロック1の始動情報が始動情報記憶ブロック0に、始動情報記憶ブロック2の始動情報が始動情報記憶ブロック1に、始動情報記憶ブロック3の始動情報が始動情報記憶ブロック2に、それぞれシフトされて始動情報記憶ブロック3が空き領域となる。例えば、始動記憶情報ブロック0〜2に始動情報が記憶されている場合には、始動情報記憶ブロック1の始動情報が始動情報記憶ブロック0に、始動情報記憶ブロック2の始動情報が始動情報記憶ブロック1にそれぞれシフトされて始動情報記憶ブロック2及び始動情報記憶ブロック3が空き領域となる。ここで、始動情報記憶ブロック0〜3に始動情報が記憶されていると、それらの始動情報記憶ブロックの数を保留球として図3に示した特図記憶ランプ54を点灯させるよう特図記憶ランプ54への点灯信号の出力を設定し、出力情報としてRAM101cの出力情報記憶領域に記憶する。
始動入賞処理に続いて、始動情報記憶ブロック0から始動情報を読み出し、この始動情報に基づいて遊技処理を行う。この遊技処理では、例えば、読み出した始動情報から大当り判定用乱数の値を取り出し、この取り出した値と、ROM101bに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かの判定を行う。この判定結果により発生させる遊技状態が決定する。この決定した遊技状態に、上述した変動表示パターン用乱数に基づいて変動表示パターンを決定して遊技演出コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには図3に示した開閉板62を開閉動作させるよう開閉板ソレノイド63bへの駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS86に続いて、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS88)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、この入力情報に基づいて電動始動入賞口処理を行う。この電動始動入賞口処理では、入力情報から図3に示した左ゲートセンサ53a又は右ゲートセンサ53bからの検出信号が入力端子に入力されていたか否かの判定を行う。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出して、この抽出した値と、ROM101bに予め記憶されている普通図柄当り判定値と、が一致するか否かの判定を行う。一致しているときには、図3に示した開閉翼64を開閉動作させるよう開閉翼ソレノイド63aへの駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定して図3に示した普通図柄表示器50を点灯させるよう普通図柄表示器50への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS88に続いて、ポート出力処理を行う(ステップS90)。このポート出力処理では、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて出力端子の出力制御を行う。例えば大当り遊技状態であるときには、図3に示した大入賞口61の開閉板62の開閉動作を行う開閉板ソレノイド63bに駆動信号を出力したりする。
ステップS90に続いて、サブ統合基板コマンド送信処理を行う(ステップS92)。このサブ統合基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を図14に示したサブ統合基板111に送信する。この送信情報には、上述した、遊技演出コマンド、RAMクリア報知コマンド、テストコマンド、賞球異常報知コマンド及び払出異常報知コマンド等が組み合わされて構成されている。
ステップS92に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Cをセットする(ステップS94)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、ステップS72においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリアされる。ステップS94に続いて、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS96)。この復帰は、ステップS70でスタックに積んで退避した内容を読み出して、この内容をレジスタに書き込むことにより行われる。ステップS96に続いて、割り込み許可の設定を行い(ステップS98)、このルーチンを終了する。
[10.サブ統合基板の各種制御処理]
次に、主制御基板101から各種コマンドを受け取るサブ統合基板111の各種処理について説明する。図22はリセット処理の一例を示すフローチャートであり、図23はサブ側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図24はコマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図25はコマンド受信終了割り込み処理の一例を示すフローチャートである。
[10−1.リセット処理]
まず、リセット処理が開始されると、図22に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、初期設定処理を行う(ステップS100)。この初期設定処理は、サブ統合基板111のCPU111aを初期化する処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割り込み禁止となっており、初期設定処理のあと割り込み許可となる。続いて、16ms経過フラグTが値0であるか否かを判定する(ステップS102)。この16ms経過フラグTは、後述する2msごとに処理されるタイマ割り込み処理で16msを計測するフラグであり、16ms経過したとき値1、16ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS102で16ms経過フラグTが値1であるとき、つまり16ms経過したときには、16ms経過フラグに値0をセットし(ステップS104)、16ms処理中フラグPに値1をセットする(ステップS106)。この16ms処理中フラグPは、後述する16msの定常処理を開始するとき値1、終了するとき値0にそれぞれ設定される。続いて、16msの定常処理を行う(ステップS108)。この16msの定常処理は、主制御基板101が出力した送信情報から各種コマンドを解析するコマンド解析処理と、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動パターンをスケジューラにセットする16ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理と、演出ランプ44a,44b及び装飾ランプ49への点灯データを送信するシリアル出力処理と、16msの定常処理が行われているか監視するウォッチドックタイマ処理と、測距センサ119a,119bからの検出信号SENU,SENLの有無を判定する処理と、演出コマンドを作成して液晶制御基板113に送信する処理等を行う。続いて、16ms処理中フラグPに値0(16msの定常処理の終了)をセットし(ステップS110)、再びステップS102に戻り、16ms経過フラグTが値1になるごとに、つまり16ms経過ごとに上述したステップS104〜ステップS110を繰り返し行う。一方、ステップS102で16ms経過フラグTが値1でない(16ms経過フラグTが値0)とき、つまり16ms経過していないときには、16ms経過フラグTが値1になるまで、つまり16ms経過するまで待機する。
[10−2.タイマ割り込み処理]
次に、サブ側タイマ割り込み処理が開始されると、図23に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、2msタイマ割り込み処理を行う(ステップS120)。この2msタイマ割り込み処理は、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154の原位置をそれぞれ検出するフォトセンサ150n,153n,152n,155nの原位置の検出履歴をそれぞれ作成する履歴作成処理と、ステッピングモータ150h,152h,153f,155を駆動するステッピングモータ処理等を行う。
続いて、2ms更新カウンタCに値1を加算する(ステップS122)。この2ms更新カウンタCは、このサブ側タイマ割り込み処理が行われた回数をカウントするカウンタであり、2ms更新カウンタCの値1は2msの時間に相当する。続いて、2ms更新カウンタCが値8、つまり16ms(=2ms更新カウンタC×2ms)であるか否かを判定する(ステップS124)。16msであるときには、16ms経過フラグTに値1をセットし(ステップS126)、16ms処理中フラグPが値0、つまり図22に示したリセット処理におけるステップS108の16msの定常処理を行っているか否かを判定する。16ms処理中フラグPが値0であるとき、つまり16msの定常処理を行っていないときには、作業領域のバックアップを行い(ステップS130)、このルーチンを終了する。この作業領域のバックアップは、図22に示したリセット処理におけるステップS108の16msの定常処理で処理した情報を作業領域上に設けられたコピー領域にコピーする。一方、ステップS124で16ms経過していないとき又はステップS128で16msの定常処理中に情報の設定がなかったときには、そのままこのルーチンを終了する。
[10−3.コマンド受信割り込み処理]
次に、コマンド受信割り込み処理が開始されると、図24に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、主制御基板101からのコマンドを受信開始する信号(以下「WR信号」という。)と、主制御基板101からの各種基板をセレクトする信号(以下「SEL信号」という。)と、がともに値1であるか否かを判定する(ステップS140)。主制御基板101のCPU101aは、最初にサブ統合基板111に対応するSEL信号を値1、そしてWR信号を値1にそれぞれ設定することによりサブ統合基板111にコマンドを送信する。
このコマンドは、1パケット4ニブルにより構成されている。この「ニブル」とは、4ビットを意味し、2ニブルでは8ビット(1バイト)、つまり4ニブルでは16ビット(2バイト)となる。1ニブルのデータの抽出は、WR信号が値0から値1に立ち上がって(「アップエッジ」という。)、所定時間(例えば、20μs〜50μs)保持された後、WR信号が値1から値0に立ち下がる(「ダウンエッジ」という。)ことにより行われ、1パケットでは合計4回行われる。
ステップS140でWR信号とSEL信号とがともに値1であるとき、つまり主制御基板101のCPU101aがサブ統合基板111にコマンドを送信するときには、コマンド受信処理を行い(ステップS142)、このルーチンを終了する。このコマンド受信処理は、受信した1ニブル分のコマンド(4分割されたコマンドのうち1つ)をサブ統合基板111のRAM111cに設けたリングバッファに記憶する。この「リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶する。リングバッファに記憶したあと、続いてバッファライトカウンタを値1だけ加算する。このバッファライトカウンタは、コマンド受信処理を行うごとに値1ずつ加算するため、1パケット(4ニブル)を記憶するとバッファライトカウンタは値4になる。
一方、ステップS140でSEL信号とWR信号とがともに値0であるとき、つまり主制御基板101のCPU101aがサブ統合基板111にコマンドを出力しないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、主制御基板101からサブ統合基板111へのコマンド送信時には、上述したようにWR信号のアップエッジからダウンエッジまでの所定時間(例えば、20μs〜50μs)、SEL信号、WR信号、データ(4ビット)が一定に保持されているが、ノイズの影響により信号が乱れ、コマンドを正常に受信できないおそれがある。そこで、このノイズ対策として、サブ統合基板111のCPU111aは、SEL信号、WR信号、データ(4ビット)を受信(1回目)すると所定時間経過(例えば、1μs)後、再びSEL信号、WR信号、データ(4ビット)を受信する。そして、1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致しているか否かを判定する。1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致しているときには、上述したステップS140でWR信号とSEL信号とがともに値1であるか否かを判定する。一方、1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致していないときには、所定時間経過後、再びSEL信号、WR信号、データ(4ビット)を受信し、1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致するまで判定を繰り返し行う。
[10−4.コマンド受信終了割り込み処理]
次に、コマンド受信終了割込み処理が開始されると、図25に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、WR信号とSEL信号とがともに値0であるか否かを判定する(ステップS150)。主制御基板101のCPU101aは、サブ統合基板111にコマンドの出力が完了すると、WR信号に値0を設定した後、SEL信号を値0に設定する(ダウンエッジ)。ステップS150でWR信号とSEL信号とがともに値0であるとき、つまり主制御基板101のCPU101aがサブ統合基板111にコマンドの出力が完了したときには、コマンド受信終了処理を行い(ステップS152)、このルーチンを終了する。このコマンド受信終了処理は、上述したコマンド受信割り込み処理で加算されたバッファライトカウンタを値0にする。コマンドを正常に受信できたときには、1パケット4ニブルであるため、バッファライトカウンタは値4になる。また、1パケット分の受信を行えなかったとき、つまりバッファライトカウンタが値4未満のときには、受信したコマンドを破棄する。
一方、ステップS150でWR信号とSEL信号とがともに値0でないとき、つまり主制御基板101のCPU101aがサブ統合基板111にコマンドの出力が完了していないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、上述したように、ノイズ対策として、サブ統合基板111のCPU111aは、SEL信号を受信(1回目)すると所定時間経過(例えば、1μs)後、再びSEL信号を受信し、1回目に受信したSEL信号と一致しているか否かを判定する。1回目に受信したSEL信号と一致しているときには、上述したステップS150でWR信号とSEL信号とがともに値0であるか否かを判定する。一方、1回目に受信したSEL信号と一致していないときには、所定時間経過後、再びSEL信号を受信し、1回目に受信したSEL信号と一致するまで判定を繰り返し行う。
なお、コマンド受信割り込み処理、コマンド受信終了割り込み処理、サブ側タイマ割り込み処理、そして16msの定常処理の順で各処理の優先順位が設定されている。
[11.ステッピングモータ駆動制御処理]
次に、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動方法について説明する。図26は16ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理の一例を示すフローチャートであり、図27はステッピングモータスケジューラの一例を示すテーブルであり、図28は2ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理の一例を示すフローチャートであり、図29はステッピングモータスケジューラパターン設定処理の一例を示すフローチャートであり、図30は2ms用ステッピングモータスケジューラ動作処理の一例を示すフローチャートであり、図31はステッピングモータ処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の出力軸側から見て時計方向への回転をCW(Clock Wiseの略)とし、反時計方向への回転をCCW(Counter Clock Wiseの略)とする。また、ステッピングモータ150h,153f,152h,155は4相ステッピングモータであり、バイポーラ駆動方式により制御されている。この「バイポーラ駆動方式」とは、ステータコイルの両端に印加する電圧の正負を切り替えて電流の方向を変化させることにより、コイルを励磁して磁界を切り替える方式である。
[11−1.16ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理]
16ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理が開始されると、図26に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、ステッピングモータ動作禁止時間が値0であるか否かを判定する(ステップS160)。このステッピングモータ動作禁止時間(本実施形態では、ステッピング動作禁止時間を5.1sと設定されている。)は、電源投入時又はリセット時に設定される時間であり、この時間内では、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154がそれぞれ原位置にあるか否かを検査し、原位置にないときには、電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラに基づいてステッピングータ150h,153f,152h,155を駆動制御して原位置に復帰させる処理(以下、「電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理」という。)を行う。
ステップS160でステッピングモータ動作禁止時間が値0であるとき、つまり電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理が終了しているときであり、かつ、変動表示が開始されるときには、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154がそれぞれ原位置にあるか否かを判定する(ステップS162)。この判定は、後述する、キャラクタ体(フランケン)異常判定処理、キャラクタ体(ドラキュラ)異常判定処理、遮蔽部材(ドラキュラ)異常判定処理及びキャラクタ体(オオカミ男)異常判定処理において行う。ステップS162でキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154がそれぞれ原位置にあるときには、主制御基板101から送信されるコマンド、つまり変動表示パターンの変動番号に対応するステッピングモータスケジューラのアドレスのセットを行う(ステップS164)。
このステッピングモータスケジューラは、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)をステッピングモータ150h,153f,152h,155によりそれぞれ動作させるパターンを複数備えている。これらのパターンは、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動パルス幅、回転方向及び駆動時間を1つの組とする複数のデータにより構成されている。このデータの配列は、データ0,データ1,データ2,・・・,データnという時系列としてサブ統合基板111のROM111bに予め記憶されている。例えば、図27に示すように、パターン38のデータ0では、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動パルス幅4ms、回転方向CW及び駆動時間40msがそれぞれ設定されている。図26に戻り上述したステップS164では、このパターン38のデータ0を、ステッピングモータスケジューラのアドレスとしてセットする。なお、各パターンのデータ0は、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動開始時に当たるため、脱調しないように最初の10ステップ、つまり40ms(=4ms×10ステップ)間をスローアップさせている。
続いて、ステッピングモータ動作フラグFに値1をセットし(ステップS166)、このルーチンを終了する。このステッピングモータ動作フラグFは、ステッピングモータスケジューラのアドレスをセットしたことを表すフラグであり、ステッピングモータスケジューラのアドレスをセットしたとき、つまりパターンを設定したとき値1、パターンを設定していないとき値0にそれぞれ設定されている。
一方、ステップS162でキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154のうち少なくとも1つが原位置にないときには、原位置復帰動作処理を行い(ステップS168)、このルーチンを終了する。この原位置復帰処理は、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154を原位置に復帰させるための処理である。なお、各キャラクタ体と遮蔽部材との原位置への復帰動作についての説明は後述する。一方、ステップS160でステッピングモータ動作禁止時間が値0でないとき、つまり電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理を終了していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[11−2.2ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理]
次に、2ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理が開始されると、図28に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、電源投入時又はリセット時であるか否かを判定する(ステップS170)。電源投入時又はリセット時であるときには、後述するステッピングモータスケジュールパターン設定処理を行い(ステップS172)、ステッピングモータ動作禁止時間を5.1sに設定し(ステップS174)、このルーチンを終了する。上述した電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理は、このステッピングモータ動作禁止時間(5.1s)内に終了する。
一方、ステップS170で電源投入時又はリセット時でないときには、ステッピングモータ動作禁止時間が値0、つまり電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理を終了したか否かを判定する(ステップS176)。ステッピングモータ動作禁止時間が値0であるとき、つまり電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理を終了したときには、後述するステッピングモータスケジュールパターン設定処理を行い(ステップS178)、このルーチンを終了する。一方、ステップS176でステッピングモータ動作禁止時間が値0でないとき、つまり電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理を終了していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
なお、上述したステップS174で設定されたステッピングモータ動作禁止時間は、サブ統合基板111のCPU111aの内部タイマにより減算され、その後、値0になる。
[11−3.ステッピングモータスケジューラパターン設定処理]
次に、ステッピングモータスケジューラパターン設定処理が開始されると、図29に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、ステッピングモータ動作フラグFが値1であるか否か、つまりステッピングモータスケジューラのアドレスをセットしたか否かを判定する(ステップS180)。このステッピングモータ動作フラグFが値1であるとき、つまりステッピングモータスケジューラのアドレスをセットしたときには、ステッピングモータ動作フラグFに値0をセット、つまりステッピングモータスケジューラのアドレスをセットしていないとし(ステップS182)、ステッピングモータスケジューラパターンを設定し(ステップS184)、このルーチンを終了する。このステッピングモータスケジューラパターンの設定では、図26に示した16ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理におけるステップS164でセットしたステッピングモータスケジューラのアドレス(例えば、図27で示したパターン38のデータ0)が設定される。一方、ステップS180でステッピングモータ動作フラグFが値0であるとき、つまりパターンを設定していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
なお、ステップS182ではステッピングモータ動作フラグFに値0をセットしているが、これはステップS184のステッピングモータスケジューラパターンの設定を1度のみ行うためである。実際のステッピングモータスケジューラパターンの進行は後述する2ms用ステッピングモータスケジューラ動作処理で行う。また、次回、ステッピングモータ動作フラグFが値1、つまりステッピングモータスケジューラのアドレスを新たにセットし、このルーチンを行うまでは、ステップS184でステッピングモータスケジューラパターンに設定したステッピングモータスケジューラのアドレスがサブ統合基板111のRAM111cに記憶される。
[11−4.2ms用ステッピングモータスケジューラ動作処理]
次に、2ms用ステッピングモータ駆動データ設定処理が開始されると、サブ統合基板111のCPU111aは、図30に示すように、駆動時間が終了したか否かを判定する(ステップS190)。この判定は、ステッピングモータスケジューラパターンに設定された経過時間が経過したか否かにより行う。具体的には、例えば、図27に示したパターン38のデータ0に設定された経過時間40msを、後述する2msタイマ一括減算処理で減算し、その後、値0になった否かにより行う。ステップS190で駆動時間が経過したときには、ステッピングモータスケジューラパターンを1つ進め(例えば、図27に示したパターン38のデータ0からデータ1に進める、ステップS192)、このルーチンを終了する。一方、ステップS190で駆動時間が経過していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[11−5.ステッピングモータ処理]
次に、ステッピングモータ処理が開始されると、サブ統合基板111のCPU111aは、図31に示すように、2msタイマ一括減算処理を行う(ステップS200)。この2msタイマ一括減算処理は、ステッピングモータスケジュールパターンの駆動時間を2msずつ減算する処理である。例えば、図27で示したパターン38のデータ0では、駆動時間40msから2msずつ、38ms、36ms、・・・、0msと、この2msタイマ一括減算処理が行われるごとに減算される。続いて、2ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理を行う(ステップS202)。この2ms用ステッピングモータスケジューラ起動処理では、図28で説明したようにステッピングモータ150h,153f,152h,155を駆動するステッピングモータスケジューラのアドレスをセットする処理を行う。続いて、2msステッピングモータスケジューラ動作処理を行う(ステップS204)。この2msステッピングモータスケジューラ動作処理は、図30で説明したようにステッピングモータ150h,153f,152h,155をステッピングモータスケジューラパターンにより進行する処理を行う。続いて、第1励磁データの初期化を行い(ステップS206)、第2励磁データの初期化を行う(ステップS208)。ステップS206及びステップS208で行う初期化は励磁データに値0をセットする。続いて、第1励磁データの作成を行い(ステップS210)、第2励磁データの作成を行う(ス
テップS212)。
ここで、第1励磁データと第2励磁データとは、それぞれ1バイト、つまり8ビットの情報であり、上位4ビットと下位4ビットとに駆動するステッピングモータの駆動信号を割り振ることにより、1バイトで2台のステッピングモータを駆動する。例えば、第1励磁データの上位4ビットには、ステッピングモータ150hの駆動信号がSM1−4、SM1−3、SM1−2そしてSM1−1と順に割り振られ、一方、第1励磁データの下位4ビットには、ステッピングモータ153fの駆動信号がSM2−4、SM2−3、SM2−2そしてSM2−1と順に割り振られている(図15参照)。また、第2励磁データの上位4ビットには、ステッピングモータ155の駆動信号がSM3−4、SM3−3、SM3−2そしてSM3−1と順に割り振られ、一方、第2励磁データの下位4ビットには、ステッピングモータ152hの駆動信号がSM4−4、SM4−3、SM4−2そしてSM4−1と順に割り振られている(図15参照)。
続いて、第2励磁データを図14に示したランプ駆動基板112に出力し(ステップS214)、第1励磁データをランプ駆動基板112に出力し(ステップS216)、このルーチンを終了する。第1励磁データと第2励磁データとは、上位4ビットと下位4ビットとの8ビットの励磁データを1ビットずつ右へシフトすることにより最下位ビットの励磁データから最上位ビットの励磁データまでを順にランプ統合基板112に送信する。例えば、上述した第2励磁データを、SM4−1、SM4−2、SM4−3、SM4−4、SM3−1、SM3−2、SM3−3そしてSM3−4と順にランプ駆動基板112に送信する。
このとき、サブ統合基板111のCPU111aは、シリアル出力部111asoから転送クロックSM−CLKをランプ駆動基板112へ出力する。この転送クロックSM−CLKと同期して、シリアル出力部111asoから第2励磁データと第1励磁データとをランプ駆動基板に1ビットずつ送信する。ステップS214で第2励磁データをランプ駆動基板112に送信したあと続けてステップS216で第1励磁データをランプ駆動基板112に送信する。これにより、第2励磁データはランプ駆動基板112のシリアルパラレル変換部112hのシフトレジスタ112hsを通過してシリアルパラレル変換部112iのシフトレジスタ112isにシフトされ、第1励磁データはシリアルパラレル変換部112hのシフトレジスタ112hsにシフトされる。シフトレジスタ112hsとシフトレジスタ112isとの励磁データはそれぞれストレージレジスタ112htとストレージレジスタ112itとに転送され、サブ制御基板111からラッチ信号SM−LATが入力されると、ストレージレジスタ112htとストレージレジスタ112itとにそれぞれ転送された第1励磁データと第2励磁データとが駆動信号としてドライブ回路112j,112k,112m,112nに出力される。この駆動信号によりステッピングモータ150h,153f,152h,155の駆動制御が行われ、ステッピングモータ150h,153f,152h,155がCW又はCCWの回転運動を行う。なお、このステッピングモータ駆動処理は、図23で示したサブ側タイマ割り込み処理におけるステップS120の2msタイマ割り込み処理の一処理として行われる。
[12.キャラクタ体及び遮蔽部材の電源投入(リセット)時における各種処理]
次に、キャラクタ体及び遮蔽部材の電源投入(リセット)時における各種処理について説明する。図32は、電源投入(リセット)用原位置確認処理の一例を示すフローチャートであり、図33は電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理の一例を示すフローチャートである。
[12―1.電源投入(リセット)用原位置確認判定処理]
電源投入(リセット)用原位置確認判定処理が開始されると、図32に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、キャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるか否かを判定する(ステップS220)。この判定は、基準板150mがフォトセンサ150nにより検出されているか否かにより行う。具体的には、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部で光軸を遮断した状態(基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態)にあるときにはキャラクタ体(フランケン)150の現在位置が原位置にある状態として検出され、一方、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部で光軸を遮断していない状態(基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっていない状態)にあるときにはキャラクタ体(フランケン)150の現在位置が原位置にない状態として検出される。
ステップS220でキャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるとき、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態にあるときには、キャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1に値0をセットする(ステップS222)。このキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1は、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態にあるか否かを表すフラグであり、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態をキャラクタ体(フランケン)150の正常状態として値0、一方、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっていない状態をキャラクタ体(フランケン)150の異常状態として値1がそれぞれ設定されている。
一方、ステップS220でキャラクタ体(フランケン)150が原位置にないとき、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっていない状態にあるときには、キャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1に値1をセットする(ステップS224)。
なお、フォトセンサ150nに、故障、ケーブルの断線及びコネクタが外れている等の不具合が生じているときには、フォトセンサ150nはサブ統合基板111のCPU111aに検出信号を出力することが困難となる。このため、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態であってもフォトセンサ150nの不具合が生じているときにはフォトセンサ150nからの信号を検出することができない(凹部に収まっていない状態に見えるようにしてある)ため、キャラクタ体(フランケン)150の異常状態として、キャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1に値1をセットする。
ステップS222又はステップS224に続いて、キャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置にあるか否かを判定する(ステップS226)。この判定は、基準板153mがフォトセンサ153nにより検出されているか否かにより行う。具体的には、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部で光軸を遮断した状態(基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態)にあるときにはキャラクタ体(ドラキュラ)152の現在位置が原位置にある状態として検出され、一方、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部で光軸を遮断していない状態(基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっていない状態)にあるときにはキャラクタ体(ドラキュラ)152の現在位置が原位置にない状態として検出される。
ステップS226でキャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置にあるとき、つまり基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態にあるときには、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2に値0をセットする(ステップS228)。このキャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2は、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態にあるか否かを表すフラグであり、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態をキャラクタ体(ドラキュラ)152の正常状態として値0、一方、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっていない状態をキャラクタ体(ドラキュラ)152の異常状態として値1がそれぞれ設定されている。
一方、ステップS226でキャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置にないとき、つまり基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっていない状態にあるときには、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2に値1をセットする(ステップS230)。
なお、フォトセンサ153nに、故障、ケーブルの断線及びコネクタが外れている等の不具合が生じているときには、フォトセンサ153nはサブ統合基板111のCPU111aに検出信号を出力することが困難となる。このため、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態であってもフォトセンサ153nの不具合が生じているときにはフォトセンサ153nからの信号を検出することができない(凹部に収まっていない状態に見えるようにしてある)ため、キャラクタ体(ドラキュラ)152の異常状態として、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2に値1をセットする。
ステップS228又はステップS230に続いて、遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置にあるか否かを判定する(ステップS232)。この判定は、基準板152mがフォトセンサ152nにより検出されているか否かにより行う。具体的には、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部で光軸を遮断した状態(基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態)にあるときには遮蔽部材(ドラキュラ)166の現在位置が原位置にある状態として検出され、一方、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部で光軸を遮断していない状態(基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっていない状態)にあるときには遮蔽部材(ドラキュラ)166の現在位置が原位置にない状態として検出される。
ステップS232で遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置にあるとき、つまり基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態にあるときには、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3に値0をセットする(ステップS234)。この遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3は、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態にあるか否かを表すフラグであり、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態を遮蔽部材(ドラキュラ)166の正常状態として値0、一方、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっていない状態を遮蔽部材(ドラキュラ)166の異常状態として値1がそれぞれ設定されている。
一方、ステップS232で遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置にないとき、つまり基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっていない状態にあるときには、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3に値1をセットする(ステップS236)。
なお、フォトセンサ152nに、故障、ケーブルの断線及びコネクタが外れている等の不具合が生じているときには、フォトセンサ152nはサブ統合基板111のCPU111aに検出信号を出力することが困難となる。このため、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態であってもフォトセンサ152nの不具合が生じているときにはフォトセンサ152nからの信号を検出することができない(凹部に収まっていない状態に見えるようにしてある)ため、遮蔽部材(ドラキュラ)166の異常状態として、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3に値1をセットする。
ステップS234又はステップS236に続いて、キャラクタ体(オオカミ男)154が原位置にあるか否かを判定する(ステップS238)。この判定は、基準板154mがフォトセンサ154nにより検出されているか否かにより行う。具体的には、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部で光軸を遮断した状態(基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態)にあるときにはキャラクタ体(オオカミ男)154の現在位置が原位置にある状態として検出され、一方、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部で光軸を遮断していない状態(基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっていない状態)にあるときにはキャラクタ体(オオカミ男)154の現在位置が原位置にない状態として検出される。
ステップS238でキャラクタ体(オオカミ男)154が原位置にあるとき、つまり基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態にあるときには、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4に値0をセットする(ステップS240)。このキャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4は、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態にあるか否かを表すフラグであり、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態をキャラクタ体(オオカミ男)154の正常状態として値0、一方、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっていない状態をキャラクタ体(オオカミ男)154の異常状態として値1がそれぞれ設定されている。
一方、ステップS238でキャラクタ体(オオカミ男)154が原位置にないとき、つまり基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっていない状態にあるときには、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4に値1をセットし(ステップS242)、このルーチンを終了する。
なお、フォトセンサ154nに、故障、ケーブルの断線及びコネクタが外れている等の不具合が生じているときには、フォトセンサ154nはサブ統合基板111のCPU111aに検出信号を出力することが困難となる。このため、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態であってもフォトセンサ154nの不具合が生じているときにはフォトセンサ154nからの信号を検出することができない(凹部に収まっていない状態に見えるようにしてある)ため、キャラクタ体(オオカミ男)154の異常状態として、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4に値1をセットする。
[12―2.電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理]
次に、上述した電源投入(リセット)用原位置確認判定処理でキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154のいずれかが原位置にないとき、つまり、キャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4のいずれかが値1のときには、電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理を開始する。この処理が開始されると、図33に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、キャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるか否かを判定する(ステップS250)。キャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるとき、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態にあるときには、原位置時電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラのアドレスをセットする(ステップS252)。一方、ステップS250でキャラクタ体(フランケン)150が原位置にないとき、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっていない状態にあるときには、原位置外時電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラのアドレスをセットする(ステップS254)。ステップS252又はステップS254に続いて、ステッピングモータ動作フラグFに値1をセット、つまりステッピングモータスケジューラのアドレスをセットしたとし(ステップS256)、このルーチンを終了する。
ここで、ステップS250で原位置時電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラと原位置外時電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラとに分かれるのは、上述したように、キャラクタ体(フランケン)と遮蔽部材(ドラキュラ)166とが液晶表示器116の表示領域42の前面側に出現するとき、接触又は干渉する場合があり、これを回避するためである。この回避する方法として、キャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるか否かに基づいて電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラをステップS250で分岐させている。
[12―3.キャラクタ体及び遮蔽部材の各種原位置復帰処理]
次に、キャラクタ体及び遮蔽部材の各種原位置復帰処理について説明する。図34は原位置時原位置復帰処理(フランケン)の一例を示すフローチャートであり、図35は原位置外時原位置復帰処理(フランケン)の一例を示すフローチャートであり、図36は原位置復帰処理(ドラキュラ)の一例を示すフローチャートであり、図37は原位置復帰処理(遮蔽部材(ドラキュラ))の一例を示すフローチャートであり、図38は原位置復帰処理(オオカミ男)の一例を示すフローチャートである。なお、これら各処理は、図23で示したサブ側タイマ割り込み処理におけるステップS120の2msタイマ割り込み処理の一処理として行われるが、処理の概略を説明する都合上、簡略化したフローチャートとなっている。例えば、後述する原位置時原位置復帰処理(フランケン)におけるステップS268では、ステッピングモータ150hを60ステップCCWさせているが、実際には、サブ側タイマ割り込み処理におけるステップS120の2msタイマ割り込み処理が行われるごとに1ステップずつCCWさせている。
[12―3―1.原位置時原位置復帰処理(フランケン)]
上述したように、キャラクタ体(フランケン)150は、ステッピングモータ150をCW、つまり時計方向に回転させることによりキャラクタ体(フランケン)150が表示領域42の前面側に出現し、そして、ステッピングモータ150をCCW、つまり反時計方向に回転させることによりキャラクタ体(フランケン)150が原位置に戻る動作となる。キャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるときには、電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラとして、図33で示した電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理におけるステップS252の原位置時電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラのアドレスがセットされる。このとき、ステッピングモータ150hをCWからCCWさせることにより原位置に復帰させることができる。(「原位置時原位置復帰処理(フランケン)」という)。
キャラクタ体(フランケン)150が原位置にあるとき、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態にあるときには、サブ統合基板111のCPU111aは、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154をステッピングモータ153f,152h,155によりそれぞれの原位置に復帰させ、復帰開始から所定時間経過(例えば、1.9s)後、原位置時原位置復帰処理(フランケン)を行う。
この処理が開始されると、図34に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、キャラクタ体(フランケン)150を液晶表示器116の表示領域42の前面側に出現させるため、ステッピングモータ150hを1ステップCWさせ(ステップS260)、ステッピングモータ150hがN1ステップ以上回転したか否かを判定する(ステップS262)。ここで、N1ステップは、キャラクタ体(フランケン)150の原位置の確認動作としてのステップ数(例えば、100ステップ)である。ステップS262でステッピングモータ150hがN1ステップ以上回転するまで、ステップS260に戻り、ステッピングモータ150hを1ステップCWさせる。一方、ステップS262でステッピングモータ150hがN1ステップ以上回転したときには、基準板150mをフォトセンサ150nの凹部に収まるように復帰動作としてステッピングモータ150hを1ステップCCWさせる(ステップS264)。続いて、基準板150mのエッジが検出されたか否かを判定する(ステップS266)。この判定は、フォトセンサ150nからの出力のサンプリング履歴に基づいて行う。具体的には、フォトセンサ150nからの出力を、遮光時(光軸を遮断したとき)を値0、透光時(光軸を遮断していないとき)を値1とし、2msごとにサンプリングしてサンプリング履歴を作成する。このサンプリング履歴が予め記憶しておいた値と同じであるか否かを判定し、例えばサンプリング履歴が「00000011B(「B」はビットを表す。)」となったとき、基準板150mのエッジを検出したと判定してキャラクタ体(フランケン)150が原位置へ復帰する状況にあると判定する。一方、所定期間経過しても、エッジを検出できなかった場合には、キャラクタ体(フランケン)150が原位置へ復帰する状況にないと判定する。ステップS266でキャラクタ体(フランケン)150のエッジが検出されたとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150が原位置へ復帰する状況にあるときには、ステッピングモータ150hを60ステップだけCCWさせる(ステップS268)。この回転は、キャラクタ体(フランケン)150が原位置に復帰するよう微調整するために行う。
続いて、キャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1に値0をセットし(ステップS270)、このルーチンを終了する。一方、ステップS266で基準板150mのエッジが検出されないときには、ステッピングモータ150hがN1’ステップ以上回転したか否かを判定する(ステップS272)。ここで、N1’ステップは、ステッピングモータ150hが1回転するときのステップ数(例えば、483ステップ)である。ステップS272でステッピングモータ150hがN1’ステップ以上回転したときには、キャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1に値1をセット、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっていない状態にあるとし(ステップS274)、このルーチンを終了する。なお、上述したように、フォトセンサ150nに不具合が生じているときには、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっている状態にあっても、キャラクタ体(フランケン)150の異常状態として、キャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1に値1をセットする。
一方、ステップS272でステッピングモータ150hがN1’ステップ以上回転していないときには、ステップS264に戻り、ステッピングモータ150hを1ステップCCWさせ、そして、ステップS266で基準板150mのエッジが検出されるまで又はステップS272でステッピングモータ150hがN1’ステップ以上回転するまで、ステップS264、ステップS266そしてステップS272と順に繰り返し行う。
この原位置時原位置復帰処理(フランケン)では、フォトセンサ150nからの検出信号が一定時間ないときには、異常としてステッピングモータ150hの駆動を中止する。
[12―3−2.原位置外時原位置復帰処理(フランケン)]
上述したように、キャラクタ体(フランケン)150は、ステッピングモータ150をCW、つまり時計方向に回転させることによりキャラクタ体(フランケン)150が表示領域42の前面側に出現し、そして、ステッピングモータ150をCCW、つまり反時計方向に回転させることによりキャラクタ体(フランケン)150が原位置に戻る動作となる。キャラクタ体(フランケン)150が原位置にないときには、電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラとして、図33で示した電源投入(リセット)用ステッピングモータ初期化処理におけるステップS254の原位置外時電源投入(リセット)用ステッピングモータスケジューラのアドレスがセットされる。このとき、ステッピングモータ150hをCCWさせることにより原位置に復帰させることができる(「原位置外時原位置復帰処理(フランケン)」という)。
キャラクタ体(フランケン)150が原位置にないとき、つまり基準板150mがフォトセンサ150nの凹部に収まっていない状態にあるときには、サブ統合基板111のCPU111aは、キャラクタ体(フランケン)150を含め、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166、キャラクタ体(オオカミ男)154をステッピングモータ150h,153f,152h,155によりそれぞれの原位置に復帰させ、原位置外時原位置復帰処理(フランケン)を行う。
この処理は、図35に示すように、ステップS280〜ステップS290は図34に示した原位置時原位置復帰処理(フランケン)におけるステップS264〜ステップS274とそれぞれ同一であり、ここでの説明を省略する。
なお、この原位置外時原位置復帰処理(フランケン)では、フォトセンサ150nからの検出信号が一定時間ないときには、異常としてステッピングモータ150hの駆動を中止する。
[12―3−3.原位置復帰処理(ドラキュラ)]
上述したように、キャラクタ体(ドラキュラ)152は、ステッピングモータ153fをCWにより1回転させることでキャラクタ体(ドラキュラ)152が表示領域42の前面側に出現し、原位置に戻る動作となる。このため、キャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置にないときには、ステッピングモータ153fをCWさせることにより原位置に復帰させることができる(「原位置復帰処理(キャラクタ体(ドラキュラ))」という)。
キャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置にないとき、つまり基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっていない状態にあるときには、サブ統合基板111のCPU111aは原位置復帰処理(ドラキュラ)を行う。
この処理が開始されると、図36に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板153mをフォトセンサ153nの凹部に収まるように復帰動作としてステッピングモータ153fを1ステップCWさせる(ステップS300)。続いて、基準板153mのエッジが検出されたか否かを判定する(ステップS302)。この判定は、フォトセンサ153nからの出力のサンプリング履歴に基づいて行う。具体的には、フォトセンサ153nからの出力を、遮光時(光軸を遮断したとき)を値0、透光時(光軸を遮断していないとき)を値1とし、2msごとにサンプリングしてサンプリング履歴を作成する。このサンプリング履歴が予め記憶しておいた値と同じであるか否かを判定し、例えばサンプリング履歴が「00000011B」となったとき、基準板153mのエッジを検出したと判定してキャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置へ復帰する状況にあると判定する。一方、所定期間経過しても、エッジを検出できなかった場合には、キャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置へ復帰する状況にないと判定する。ステップS302でキャラクタ体(ドラキュラ)152のエッジが検出されたとき、つまりキャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置へ復帰する状況にあるときには、ステッピングモータ153fを78ステップだけCWさせる(ステップS304)。この回転は、キャラクタ体(ドラキュラ)152が原位置に復帰するよう微調整するために行う。
続いて、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2に値0をセット、つまり基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態にあるとし(ステップS306)、このルーチンを終了する。一方、ステップS302で基準板153mのエッジが検出されないときには、ステッピングモータ153fがN2ステップ以上回転したか否かを判定する(ステップS308)。ここで、N2ステップは、ステッピングモータ153fが1回転するときのステップ数(例えば、483ステップ)である。ステップS308でステッピングモータ153fがN2ステップ以上回転したときには、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2に値1をセット、つまり基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっていない状態にあるとし(ステップS310)、このルーチンを終了する。なお、上述したように、フォトセンサ153nに不具合が生じているときには、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板153mがフォトセンサ153nの凹部に収まっている状態にあっても、キャラクタ体(ドラキュラ)152の異常状態として、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2に値1をセットする。
一方、ステップS308でステッピングモータ153fがN2ステップ以上回転していないときには、ステップS300に戻り、ステッピングモータ153fを1ステップCWさせ、そして、ステップS302で基準板153mのエッジが検出されるまで又はステップS308でステッピングモータ153fがN2ステップ以上回転するまで、ステップS300、ステップS302そしてステップS308と順に繰り返し行う。
この原位置復帰処理(ドラキュラ)では、フォトセンサ153nからの検出信号が一定時間ないときには、異常としてステッピングモータ153fの駆動を中止する。
[12―3−4.原位置復帰処理(遮蔽部材(ドラキュラ))]
上述したように、遮蔽部材(ドラキュラ)166は、ステッピングモータ152hをCWにより1回転させることで遮蔽部材(ドラキュラ)166が表示領域42の前面側に出現し、原位置に戻る動作となる。このため、遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置にないときには、ステッピングモータ152hをCWさせることにより原位置に復帰させることができる(「原位置復帰処理(遮蔽部材(ドラキュラ))」という)。
遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置にないとき、つまり基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっていない状態にあるときには、サブ統合基板111のCPU111aは原位置復帰処理(遮蔽部材(ドラキュラ))を行う。
この処理が開始されると、図37に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板152mをフォトセンサ152nの凹部に収まるように復帰動作としてステッピングモータ152hを1ステップCWさせる(ステップS320)。続いて、基準板152mのエッジが検出されたか否かを判定する(ステップS322)。この判定は、フォトセンサ152nからの出力のサンプリング履歴に基づいて行われる。具体的には、フォトセンサ152nからの出力を、遮光時(光軸を遮断したとき)を値0、透光時(光軸を遮断していないとき)を値1とし、2msごとにサンプリングしてサンプリング履歴を作成する。このサンプリング履歴が予め記憶しておいた値と同じであるか否かを判定し、例えばサンプリング履歴が「00000011B」となったとき、基準板152mのエッジを検出したと判定して遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置へ復帰する状況にあると判定する。一方、所定期間経過しても、エッジを検出できなかった場合には、遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置へ復帰する状況にないと判定する。ステップS322で基準板152mのエッジが検出されたとき、つまり遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置へ復帰する状況にあるときには、ステッピングモータ152hを27ステップだけCWさせる(ステップS324)。この回転は、遮蔽部材(ドラキュラ)166が原位置に復帰するよう微調整するために行う。
続いて、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3に値0をセット、つまり基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態にあるとし(ステップS326)、このルーチンを終了する。一方、ステップS322で基準板152mのエッジが検出されないときには、ステッピングモータ152hがN3ステップ以上回転したか否かを判定する(ステップS328)。ここで、N3ステップは、ステッピングモータ152hが1回転するときのステップ数(例えば、483ステップ)である。ステップS328でステッピングモータ152hがN3ステップ以上回転したときには、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3に値1をセット、つまり基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっていない状態にあるとし(ステップS330)、このルーチンを終了する。なお、上述したように、フォトセンサ152nに不具合が生じているときには、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板152mがフォトセンサ152nの凹部に収まっている状態にあっても、遮蔽部材(ドラキュラ)166の異常状態として、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3に値1をセットする。
一方、ステップS328でステッピングモータ152hがN3ステップ以上回転していないときには、ステップS320に戻り、ステッピングモータ152hを1ステップCWさせ、そして、ステップS322で基準板152mのエッジが検出されるまで又はステップS328でステッピングモータ152hがN3ステップ以上回転するまで、ステップS320、ステップS322そしてステップS328と順に繰り返し行う。
この原位置復帰処理(遮蔽部材(ドラキュラ))では、フォトセンサ152nからの検出信号が一定時間ないときには、異常としてステッピングモータ152hの駆動を中止する。
[12―3−5.原位置復帰処理(オオカミ男)]
上述したように、キャラクタ体(オオカミ男)154は、ステッピングモータ155をCWにより1回転させることでキャラクタ体(オオカミ男)154が表示領域42の前面側に出現し、原位置に戻る動作となる。このため、キャラクタ体(オオカミ男)154が原位置にないときには、ステッピングモータ155をCWさせることにより原位置に復帰させることができる(「原位置復帰処理(オオカミ男)」という)。
キャラクタ体(オオカミ男)154が原位置にないとき、つまり基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっていない状態にあるときには、サブ統合基板111のCPU111aは原位置復帰処理(オオカミ男)を行う。
この処理が開始されると、図38に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板154mをフォトセンサ154nの凹部に収まるように復帰動作としてステッピングモータ155を1ステップCWさせる(ステップS340)。続いて、基準板154mのエッジが検出されたか否かを判定する(ステップS342)。この判定は、フォトセンサ154nからの出力のサンプリング履歴に基づいて行われる。具体的には、フォトセンサ154nからの出力を、遮光時(光軸を遮断したとき)を値0、透光時(光軸を遮断していないとき)を値1とし、2msごとにサンプリングしてサンプリング履歴を作成する。このサンプリング履歴が予め記憶しておいた値と同じであるか否かを判定し、例えばサンプリング履歴が「00000011B」となったとき、基準板154mのエッジを検出したと判定してキャラクタ体(オオカミ男)154が原位置へ復帰する状況にあると判定する。一方、所定期間経過しても、エッジを検出できなかった場合には、キャラクタ体(オオカミ男)154が原位置へ復帰する状況にないと判定する。ステップS342で基準板154mのエッジが検出されたとき、つまりキャラクタ体(オオカミ男)154が原位置へ復帰する状況であるときには、ステッピングモータ155を46ステップだけCWさせる(ステップS344)。この回転は、キャラクタ体(オオカミ男)154が原位置に復帰するよう微調整するために行う。
続いて、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4に値0をセット、つまり基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態にあるとし(ステップS346)、このルーチンを終了する。一方、ステップS342で基準板154mのエッジが検出されないときには、ステッピングモータ155がN4ステップ以上回転したか否かを判定する(ステップS348)。ここで、N4ステップは、ステッピングモータ155が1回転するときのステップ数(例えば、483ステップ)である。ステップS348でステッピングモータ155がN4ステップ以上回転したときには、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4に値1をセット、つまり基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっていない状態にあるとし(ステップS350)、このルーチンを終了する。なお、上述したように、フォトセンサ154nに不具合が生じているときには、サブ統合基板111のCPU111aは、基準板154mがフォトセンサ154nの凹部に収まっている状態にあっても、キャラクタ体(オオカミ男)154の異常状態として、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4に値1をセットする。
一方、ステップS348でステッピングモータ155がN4ステップ以上回転していないときには、ステップS340に戻り、ステッピングモータ155を1ステップCWさせ、そして、ステップS342で基準板154mのエッジが検出されるまで又はステップS348でステッピングモータ155がN4ステップ以上回転するまで、ステップS340、ステップS342そしてステップS348と順に繰り返し行う。
この原位置復帰処理(オオカミ男)では、フォトセンサ154nからの検出信号が一定時間ないときには、異常としてステッピングモータ155の駆動を中止する。
[13.可動具合報知処理]
次に、上述したキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154の可動具合を報知する可動具合報知処理について説明する。図39は可動具合報知処理の一例を示すフローチャートである。サブ統合基板111のCPU111aは、図22に示したリセット処理におけるステップS108の16msの定常処理で主制御基板101が出力した送信情報から各種コマンドを解析する。そして、送信情報にRAMクリア報知コマンドが含まれているときには、可動具合報知処理を行う。この可動具合報知処理は、図34〜図38に示した各種原位置復帰処理の後、続いて行われる。
可動具合報知処理が開始されると、図39に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が正常状態にあるか調べる(ステップS360)。ここでは、図34〜図38に示した各種原位置復帰処理でセットされたキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3及びキャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4の値に基づいて行う。上述したように、これらのキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3及びキャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4の値は、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が原位置に復帰したとき正常状態として値0、原位置に復帰しなかったとき異常状態として値1がそれぞれ設定されている。
なお、上述したように、フォトセンサ150n,153n,152n,154nに、故障、ケーブルの断線及びコネクタが外れている等の不具合が生じているときには、フォトセンサ150n,153n,152n,154nはサブ統合基板111のCPU111aに検出信号を出力することが困難となる。そこで、サブ統合基板111のCPU111aは、検出信号が入力されないフォトセンサ150n,153n,152n,154nに対応する、上述したキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2、遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3及びキャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4に値1をセットする。
[13−1.フランケンのみが正常状態にある場合]
ステップS360でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値0、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び/又は遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値1、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値1であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150が正常状態にあり、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が異常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(フランケン)150が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(「フランケン用可動具合報知動作」という。)を決定し(ステップS362)、可動具合報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS364)、このルーチンを終了する。このフランケン用可動具合報知動作では、キャラクタ体(フランケン)150が図8に示す原位置にある状態から図9に示す可動領域限界に至るまで可動し、所定時間停止後、再びその原位置に復帰する。
[13−2.ドラキュラのみが正常状態にある場合]
ステップS360でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値0、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値1であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150が異常状態にあり、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が正常状態にあり、キャラクタ体(オオカミ男)154が異常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(「ドラキュラ用可動具合報知動作」という。)を決定し(ステップS366)、可動具合報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS364)、このルーチンを終了する。このドラキュラ用可動具合報知動作では、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が図10に示す原位置にある状態から図11に示す可動領域限界に至るまで可動し、所定時間停止後、再びその原位置に復帰する。
[13−3.オオカミ男のみが正常状態にある場合]
ステップS360でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び/又は遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値1、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値0であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が異常状態にあり、キャラクタ体(オオカミ男)154が正常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(オオカミ男)154が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(「オオカミ男用可動具合報知動作」という。)を決定し(ステップS368)、可動具合報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS364)、このルーチンを終了する。このオオカミ男用可動具合報知動作では、キャラクタ体(オオカミ男)154が図12に示す原位置にある状態から図13に示す可動領域限界に至るまで可動し、所定時間停止後、再びその原位置に復帰する。
[13−4.フランケン及びドラキュラが正常状態にある場合]
ステップS360でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値0、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値0、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値1であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が正常状態にあり、キャラクタ体(オオカミ男)154が異常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(「フランケン・ドラキュラ用可動具合報知動作」という。)を決定し(ステップS370)、可動具合報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS364)、このルーチンを終了する。なお、フランケン・ドラキュラ用可動具合報知動作では、キャラクタ体(フランケン)150と、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166と、が干渉しないようにその動作が制御されている。具体的には、フランケン・ドラキュラ用可動具合報知動作では、まず上述したフランケン用可動具合報知動作を行った後、ドラキュラ用可動具合報知動作を行う。これにより、キャラクタ体(フランケン)150は、原位置にある状態から可動領域限界に至るまで、そしてその原位置に復帰するまで、キャラクタ体(ドラキュラ)152又は遮蔽部材(ドラキュラ)166と干渉することなく可動することができる。一方、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166も、原位置にある状態から可動領域限界に至るまで、そしてその原位置に復帰するまで、キャラクタ体(フランケン)150と干渉することなく可動することができる。
[13−5.ドラキュラ及びオオカミ男が正常状態にある場合]
ステップS360でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値0、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値0であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150が異常状態にあり、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が正常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(上述したドラキュラ用可動具合報知動作及びオオカミ男用可動具合報知動作)を決定し(ステップS372)、可動具合報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS364)、このルーチンを終了する。
[13−6.フランケン及びオオカミ男が正常状態にある場合]
ステップS360でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値0、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び/又は遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値1、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値0であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150が正常状態にあり、キャラクタ体(ドラキュラ)152及び遮蔽部材(ドラキュラ)166が異常状態にあり、キャラクタ体(オオカミ男)154が正常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(フランケン)150及びキャラクタ体(オオカミ男)154が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(上述したフランケン用可動具合報知動作及びオオカミ男用可動具合報知動作)を決定し(ステップS374)、可動具合報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS364)、このルーチンを終了する。
[13−7.フランケン、ドラキュラ及びオオカミ男が正常状態にある場合]
ステップS360でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値0、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値0、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値0であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154がすべて正常状態にあるときには、液晶表示器116の表示領域42の前面側にキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が出現して所定時間(本実施形態では、3秒)停止後、原位置に復帰する動作(上述したフランケン・ドラキュラ用可動具合報知動作及びオオカミ男用可動具合報知動作)を決定し(ステップS376)、可動具合報知プログラムのステッピングモータスケジューラのアドレスをセットし(ステップS364)、このルーチンを終了する。
[13−8.フランケン、ドラキュラ及びオオカミ男が異常状態にある場合]
ステップS360でキャラクタ体(フランケン)異常フラグF−MS1が値1、キャラクタ体(ドラキュラ)異常フラグF−MS2及び/又は遮蔽部材(ドラキュラ)異常フラグF−MS3が値1、キャラクタ体(オオカミ男)異常フラグF−MS4が値1であるとき、つまりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154がすべて異常状態にあるときには、そのままこのルーチンを終了する。
なお、上述したフランケン用可動具合報知動作、ドラキュラ用可動具合報知動作、オオカミ男可動具合報知動作及びフランケン・ドラキュラ用可動具合報知動作におけるステッピングモータ150h,153f,152h,155の回転速度は、図34〜図38に示した各種原位置復帰処理におけるものより、本実施形態では2倍に設定されている。具体的には、図34〜図38に示した各種原位置復帰処理では、4msごとに駆動データを切り替え(同じデータを2回ずつ出力し)、一方、図39に示した可動具合報知処理におけるフランケン用可動具合報知動作、ドラキュラ用可動具合報知動作、オオカミ男用可動具合報知動作及びフランケン・ドラキュラ用可動具合報知動作では、脱調防止のため10ステップ期間、4msごとに駆動データを切り替え、その後2msごとに駆動データを切り替えている。これにより、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が可動される速度も2倍となる。それぞれの原位置に復帰する手前になると、ステッピングモータ150h,153f,152h,155の回転速度は各種原位置復帰処理におけるものに設定されてズレを生じることなく原位置に復帰する。
このように、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が液晶表示器116の表示領域42の前面側に、原位置にある状態から可動領域限界まで大きく可動するためそれらの可動具合を告知(報知)することができる。これにより、例えば生産ラインの作業者は、それらの可動具合を見て、不具合が生じているかを容易に確認することができる。不具合が生じているときには、収容部ごと取り外して他の収容部と交換する。そして電源投入又はリセットすることで可動具合報知処理を行うことによりその可動具合を再び確認する。なお、取り外した収容部は、設計開発に戻されて不具合が生じた理由を十分に検討することにより次機種の可動体を備えるパチンコ機の開発ノウハウとして蓄積し、トラブルの少ない機種の開発につなげる。
ここで、ホールに設置されたパチンコ機1は、例えば遊技者が遊技途中に停電又は瞬停し、その後に電力が復旧すると、主制御基板101のRAM101cに記憶されている上述したバックアップ情報(遊技情報)に基づいて復帰する。このとき、RAMクリアスイッチ101dが操作されていなければ、図34〜図38に示した各種原位置復帰処理でキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が原位置に復帰する制御を行った後、続いて図39に示した可動具合報知処理で可動具合を検査する制御を行わない。つまり電力復旧時、キャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154が突然、原位置から可動領域限界まで可動しないため遊技者に違和感を与えない。
また、工場の生産ラインでは、遊技盤4に演出装置40、主制御基板101及びサブ統合基板111等が装着されると、その後、電源が投入されて各種検査が行われる。主制御基板101及びサブ統合基板111等が遊技盤4に装着された状態では、主制御基板101のRAM101cにはまだ何も記憶されていない状態にある。この状態で電源が投入されると、図20に示した電源投入時処理におけるステップS34では常に不一致(チェックサムエラー)となり、同処理におけるステップS46のRAMクリア報知及びテストコマンド作成処理で、RAM101cをクリアして初期設定を行った旨を報知するためのRAMクリア報知コマンド等が作成されて送信情報として送信情報記憶領域に記憶される。そして図21に示したタイマ割り込み処理におけるステップS92のサブ統合基板コマンド送信処理で、送信情報がサブ統合基板111に送信される。サブ統合基板111のCPU111aは、図22に示したリセット処理におけるステップS108の16msの定常処理で受信した送信情報に含まれているコマンド解析を行う。そして、RAMクリア報知コマンドが含まれているときには、図34〜図38に示した各種原位置復帰処理でキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154を原位置に復帰する制御を行った後、続けて図39に示した可動具合報知処理で可動具合を確認できるよう、原位置から可動領域限界までキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154をそれぞれ可動して原位置に再び復帰する制御を行う。
そこで、生産ラインの検査では、初回の電源投入時における上述したチェックサムエラーを利用することによりキャラクタ体(フランケン)150、キャラクタ体(ドラキュラ)152、遮蔽部材(ドラキュラ)166及びキャラクタ体(オオカミ男)154の可動具合の検査を行っている。
[14.液晶制御基板の各種制御処理]
次に、サブ統合基板111から各種コマンドを受け取る液晶制御基板113の処理について説明する。液晶制御基板113は、上述したように、CPU113a,ROM113b,RAM113c,VDP(Video Display Processorの略)が図示しないバスに接続されている。
液晶制御基板113のCPU113aは、サブ統合基板111から送信された演出コマンドを受信すると、コマンド解析処理を実行する。そして、液晶表示器116のどの位置にどのキャラクタを表示するかを予め時系列的に記憶した情報(スケジュールデータ)をROM113bから読み出し、所定周期(例えば、16ms)ごとにVDPの設定レジスタに順次上書き設定する。このVDPは、設定レジスタに設定された情報に基づいて、VDPに接続されたキャラクタROM(図示しない)からキャラクタを読み出して、これを画像信号に変換して液晶表示器116に出力する。
また液晶制御基板113のCPU113aは、所定の演出コマンドに基づいて選択したスケジュールデータに基づいて表示制御を行っている際に、新たな演出コマンドを受信すると、その新たな演出コマンドに基づくスケジュールデータに基づいて表示制御を行ったり又は一次的に差し替えて表示制御を行ったりする。
[15.演出]
次に、液晶表示器116の表示領域42に表示される演出を説明する。ここでは、パチンコ機1の対面に直座する遊技者が、表示領域42に表示される1変動の演出の進行途中において、開口窓30の前方で腕を振り下ろした場合の演出の一例を説明する。なお、「1変動」とは、図3に示した特別図柄表示器41が特別図柄の変動表示を開始してから停止するまでであり、液晶表示器116の表示領域42に表示される演出も特別図柄の変動表示される時間に合わせて行われている。図40は液晶表示器の表示領域に表示される1変動の一例を示す演出であり、図41は図40のつづきを示す演出であり、図42は図41のつづきを示す演出である。
液晶表示器116の表示領域42に表示される1変動の演出は、図40(a)〜(d)、図41(e)〜(h)及び図42(r)〜(t)に示すように、特別図柄表示器41が特別図柄の変動表示を開始するときと、表示領域42には昼間背景画像81が表示され、表示領域42の左上方には装飾図柄80a、右上方には装飾図柄80cの変動表示が開始され、表示領域42の中央には装飾図柄80bの変動表示が開始される。装飾図柄80a,80cは背景画像が視認できる程度に半透明であり、装飾図柄80aは表示領域42の左上方から左下方に、装飾図柄80cは表示領域42の右上方から右下にそれぞれリールが回転しているかのような態様で変動表示され、装飾図柄80bは表示領域42の中央で飛び跳ねているかのような態様で変動表示される(図40(a))。
続いて、表示領域42には背景が暗転した暗転背景画像83が表示され、遊技者に視認困難となり(図40(b))、表示領域42には暗転背景画像83から夜背景画像82が表示される(図40(c))。そして、装飾図柄80a,80cの変動が停止され、装飾図柄80a,80cが例えば「7」の同一図柄で停止すると、リーチ態様となり、その旨を伝えるリーチ文字86が表示領域42に表示される(図40(d))。
続いて、表示領域42には昼間背景81が表示され、リーチ文字86に代えて、「図柄を斬れ!!」というメッセージ77が書かれた吹き出し78が表示される(図41(e))。そして、装飾図柄80bの背後には次の装飾図柄80b’((例えば、装飾図柄80bが「5」の図柄で、その背後の装飾図柄80b’が「6」の図柄)が視認できる程度にぼやけた状態で拡大表示される(図41(f))。
この状態で、パチンコ機1の対面に直座する遊技者が、装飾図柄80b(「5」の図柄)を斬るよう、開口窓30の前面で腕を振り下ろすと、装飾図柄80bが2つの装飾図柄80ba,80bbに斬れ(図41(g))、背後の装飾図柄80b’(「6」の図柄)がぼやけた状態から輪郭がくっきりした状態となって前面に装飾図柄80bとして出現する。このとき装飾図柄80b(「5」の図柄)の背後には、次の装飾図柄80b’(「7」の図柄)が視認できる程度にぼやけた状態で拡大表示される(図41(h))。
この状態で、パチンコ機1の対面に直座する遊技者が、装飾図柄80b(「6」の図柄)を斬るよう、開口窓30の前面で腕を振り下ろすと、装飾図柄80bが2つの装飾図柄80ba,80bbに斬れ(図42(r))、背後の装飾図柄80b’(「7」の図柄)がぼやけた状態から輪郭がくっきりした状態となって前面に装飾図柄80bとして出現し、装飾図柄80a〜80cが「7」の同一図柄で表示され(図42(s))、大当りとなり、その旨を伝える大当り文字85が表示領域42に表示される(図42(t))。このように、1変動の演出で、遊技者が腕を振り下ろした動作が液晶表示器116の表示領域42に表示される演出(画像)に反映されている。
以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、外枠2、本体枠3、前面枠5、液晶表示器116、周辺基板110である、サブ統合基板111、液晶制御基板113、受信基板120等を備えている。外枠2は縦長四角形の枠状に形成され、本体枠3は外枠2に開閉可能に装着され、かつ、遊技盤4を装着することができるようになっている。前面枠5は本体枠3に開閉可能に装着され、かつ、遊技盤4に形成された遊技領域12を透視可能な開口窓30が形成されている。液晶表示器116は遊技盤4に装着され、かつ、装飾図柄80a〜80cを画像として変動表示することができ、周辺基板110は、演出に関する各種制御を行う。
遊技盤4は、少なくとも、非接触式の測距センサ119a,119bを備えており、パチンコ機1の対面に着座する遊技者の手又は腕の動きを、開口窓30を介して、検出することができるようになっている。
周辺基板110のサブ統合基板111は、液晶表示器116で装飾図柄80a〜80cが変動表示を開始してから停止するまでの1変動期間内に、遊技者の手又は腕の動きの有無を、測距センサ119a,119bからの検出信号に基づいて判定する。そして遊技者の手又は腕の動きがあったと判定された際に、液晶表示器116で表示されている装飾図柄80bに遊技者の手又は腕の動きによる変化を与えた装飾図柄、例えば装飾図柄80bが斬れたものに反映させる。これらの処理は、図22のリセット処理におけるステップS108の16ms定常処理の一処理として行われており、サブ統合基板111は、遊技者の手又は腕の動きの有無を、測距センサ119a,119bからの検出信号に基づいて判定し、遊技者の手又は腕の動きがあったと判定すると、演出コマンドを作成して液晶制御基板113に送信する。このようにして、遊技者の手又は腕の動きを装飾図柄に反映させている。
このように、液晶表示器116で装飾図柄80a〜80cが変動表示を開始してから停止するまでの1変動期間内に、パチンコ機1の対面に直座する遊技者が手又は腕を動かすと、非接触式の測距センサ119a,119bに検出され、液晶表示器116に表示されている装飾図柄80bにその遊技者の手又は腕の動きによる変化が与えられたかのように反映される。これにより、例えば遊技者は、両手を勢いよく振り下ろす等のオーバーアクションで大当りを引き当てようと、自身でその動作を見出すことができる。したがって、遊技者の自由な発想を促し、遊技者自らが興趣を見出すことができる。
[16.別例]
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、パチンコ機1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はパチンコ機に限定されるものではなく、パチンコ機以外の遊技機、例えばスロットマシン又はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技球を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。
1…パチンコ機(パチンコ機)、2…外枠(外枠)、3…本体枠(本体枠)、4…遊技盤、5…前面枠(前面枠)、12…遊技領域、40…演出装置、70…振動センサ、100…主基板、101…主制御基板、101c…RAM、101d…RAMクリアスイッチ、110…周辺基板(演出制御基板)、111…サブ統合基板、113…液晶制御基板、119a,119b…測距センサ(測距センサ)、120…受信基板、120a…受信回路、150…キャラクタ体(フランケン)、152…キャラクタ体(ドラキュラ)、154…キャラクタ体(オオカミ男)、166…遮蔽部材(ドラキュラ)、150h,152h,153f,155…ステッピングモータ、150n,152n,153n,154n…フォトセンサ。