JP5250215B2 - 偏差補償プログラム - Google Patents
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これらの主な方法として、
第1の方法:目標値の調整をする、
第2の方法:偏差量の調整をする、
第3の方法:PID制御機能の比例、積分、微分のゲインの調整をする、
第4の方法:PID制御機能の出力(制御対象の入力)の調整をする、
がある。
制御対象の特性が変化しても良好な応答性が維持できるロバスト性の向上を第2の目的とし、
現在、多く使用されている図1の従来基本PIDフィードバック制御システムを再調整すること無しに、容易に第1の目的と第2の目的を達成できるPIDフィードバック制御システムを提供することを第3の目的とする。
前記目標値と前記制御量を取得して、前記制御量をランプ状に変化する前記目標値に追従させる追値制御中であるか否かを示す信号を出力する追値制御補償機能と、
前記目標値と前記制御量と前記追値制御補償機能により出力される信号に応じた信号を、 前記偏差量を補償すべき信号として出力する第1の信号変換機能と、を実現させることを特徴とする。
前記信号変換機能は、
前記目標値と前記制御量と前記追値制御補償機能により出力される信号を入力として
前記目標値と前記制御量の差分に応じて出力する第4の減算機能と、
前記第4の減算機能の出力の変化に応じて出力する第1の信号変換機能と、
前記制御量の微分した出力をする微分機能と、
前記微分機能の出力の変化に応じて出力する第2の信号変換機能と、
前記第4の減算機能の出力の変化と前記第1の信号変換機能の出力の変化と前記第2の信号変換機能の出力の変化と前記追値制御補償プログラムの出力の変化に応じた信号を前記偏差量に加えるべき信号として出力する第3の信号変換機能と、を有することとしてもよい。
前記コンピュータに、
前記目標値と前記制御量との差分に応じて出力する前記減算機能の出力を絶対値に変換する第3の絶対値変換機能と、
前記目標値と前記制御量との差分に応じて出力する前記減算機能の出力を前記偏差補償プログラムの出力で補正する補正機能の出力を絶対値に変換する第4の絶対値変換機能と、
前記第3の絶対値変換機能の出力と前記第4の絶対値変換機能の出力との差分に応じて出力する第5の減算機能と、
前記第5の減算機能の出力を絶対値に変換して積分する積分機能および外部からの入力信号で積分値をリセットする機能を備えたリセット付積算機能と、
前記リセット付積算機能の出力を表示する表示機能と、を実現させる制御改善プログラムと、を含むことを特徴とする。
前記コンピュータに、
前記目標値と前記制御量を取得して、
前記目標値の変化および前記制御対象の特性の変化により、前記目標値と前記制御量との差分が大きくなり制御が不安定な現象を検出する制御不安定検出機能と、
前記目標値と前記制御量の差の信号と前記制御不安定検出機能と外部からの入力信号により出力される信号に応じた信号を、前記偏差量に加えるべき信号として出力する信号変換機能と、を有する制御安定機能を更に実現させることを特徴とする。
図に示すように、減算機能312の出力を絶対値に変換する絶対値変換機能362と、加算機能311の出力を絶対値に変換する絶対値変換機能361と、絶対値変換機能361の出力と絶対値変換機能362の出力の差分に応じて出力する減算機能363と、減算機能363の出力を積算する積算機能と外部からの入力信号で積分値をリセットする機能を備えるリセット付積算機能の出力364と、リセット付積算機能の出力364の出力を表示する表示機能365で構成する。
なお、増幅機能561、微分機能562、絶対値変換機能563の計算順序は、それぞれ入れ換わっても良い。
同図に示すように、減算機能570の出力と微分・絶対値変換機能560の出力を乗算する乗算機能590と、乗算機能590の出力を制限する信号制限機能592と、任意の設定または外部からの入力信号に応じて出力する追値制御ゲイン設定機能583と、信号制限機能582の出力と追値制御ゲイン設定機能583の出力を乗算する乗算機能584で構成する。
同図に示すように、制御量に無駄時間を与える無駄時間機能531と、無駄時間機能531の出力に遅れ時間を与える遅れ時間機能532で構成する。
同図に示すように、目標値と制御量の差分に応じて出力する減算機能610と、減算機能610の出力の変化に応じて出力する信号変換機能620と、制御量の微分した出力をする微分機能630と、微分機能630の出力の変化に応じて出力する信号変換機能640と、減算機能610の出力の変化と信号変換機能620の出力の変化と信号変換機能640の出力の変化と追値制御補償プログラム500の出力の変化に応じて出力する信号変換機能650で構成する。
同図に示すように、任意の設定または外部からの入力信号に応じて出力する偏差量ゲイン設定器機能621と、減算機能610の出力と偏差量ゲイン設定器機能621の出力を乗算する乗算機能623で構成する。
同図に示すように、任意の設定または外部からの入力信号に応じて出力する先行微分ゲイン設定器機能644と、微分機能630の出力と先行微分ゲイン設定器機能641の出力の乗算する乗算機能643で構成する。
同図に示すように、図3の偏差量補償プログラム400の出力656と減算器312の出力657の比率を変える設定機能を備える偏差量分配設定機能710と、信号変換機能620の出力から信号変換機能640の出力と追値制御補償プログラム500の出力を減算する加減算機能651と、偏差量分配設定機能710の出力uと加減算機能651の出力670を乗算する乗算機能711と、偏差量分配設定機能710の出力と減算機能610の出力611を乗算する乗算機能712と、乗算機能711の出力と乗算機能712の出力の差分に応じて出力する減算機能713で構成する。
同図に示すように、偏差分配設定機能880は、第1の出力u(uは0〜1の値とする)と第2の出力1−uの出力を出す機能を備えて、変形偏差補償プログラム900の出力にuを乗算機能811で乗算して、減算機能815の出力に1−uを乗算機能812で乗算して、乗算機能811の出力と乗算機能812の出力を加算機能813で加算した出力をPID制御機能810の入力とする構成としている。この実施形態例でも図3の提案PIDフィードバック制御システムと全く同じ機能となる。
制御安定化プログラム1100は、図4−2に示すように制御不安定検出プログラム1200と信号変換プログラム1300で構成している。
同図に示すように、目標値と制御量の差分に応じて出力する減算機能1201と、減算機能1201の出力を絶対値に変換する絶対値変換機能1202と、制御量の変化に応じた無駄時間要素及び遅れ時間要素を含んだ変換の出力をする無駄時間・遅れ時間変換機能1203と、目標値と無駄時間・遅れ時間変換機能1203の出力の差分に応じて出力する減算機能1204と、減算機能1204の出力を絶対値に変換する絶対値変換機能1205と、絶対値変換機能1202と絶対値変換機能1205の差分に応じて出力する減算機能1206と、減算機能1206の出力の変化に応じて出力する信号変換機能1207で構成する。
同図に示すように、制御不安定検出プログラム1200の出力1210が規定値の範囲に入れば、信号を出力して、この信号を一定値に保持する信号セット機能および外部からの入力信号1104により、制御不安定検出プログラム1200の出力1210が規定値の範囲から外れていれば、一定値に保持された信号を開放する信号リセット機能を備えたセット・リセット機能1301と、制御不安定プログラム1200の出力1211の出力の変化に応じて出力する信号変換機能1303と、任意の信号を設定できる信号設定機能1304と、セット・リセット機能1301の出力により、信号変換機能1303の出力1107と、信号設定機能1304の出力1105を切換えて出力する信号切換機能1302で構成する。
141 図1の従来基本PIDフィードバック制御システム及び図3の提案PIDフィードバック制御システムの目標値
150 図1の従来基本PIDフィードバック制御システムの制御量
350 図3の提案PIDフィードバック制御システムの制御量
581 図3の提案PIDフィードバック制御システムの追値制御補償プログラムの出力
622 図3の提案PIDフィードバック制御システムの図9の信号変換機能620の出力
642 図3の提案PIDフィードバック制御システムの図10の信号変換機能640の出力
656 図3の提案PIDフィードバック制御システムの偏差補償プログラム400の出力
670 図3の提案PIDフィードバック制御システムの図11の減算機能651の出力
657 図3の提案PIDフィードバック制御システムの減算機能312の出力
658 図3の提案PIDフィードバック制御システムの加算機能311の出力
659 図1の従来基本PIDフィードバック制御システムの減算機能112の出力
1000 図1の従来基本PIDフィードバック制御システムの偏差659と図3の提案PIDフィードバック制御システムの補正後の偏差658の絶対値の差分の積算値を100秒毎にリセットした値
2000 図3の提案PIDフィードバック制御システムの偏差657と補正後の偏差658の絶対値の差分の積算値を100秒毎にリセットした値
図1の記号を用いて、伝達関数の形で、
PID機能は、
u(s)=e(s)(P+I/s+D*s)
ただし、Pは、比例ゲイン定数、Iは、積分ゲイン定数、Dは、微分ゲイン定数である。
G*e−LS/(1+T1s)(1+T2s)
ただし、Gは、制御対象のゲイン定数、Lは、無駄時間、T1,T2は、1次遅れ時間である。
図18、図19,図20は、図17に示す制御応答の場合の信号変換プログラム600の主要機能の偏差量調整の動作を示している。
図18は、図11の偏差量を調整する加減算機能651の入力622と入力642と入力581を示している。
図19は、図11の偏差量を調整する加減算機能651の出力670と減算機能713の出力656を示している。
図20は、図3の偏差補償プログラム400の出力656と減算機能312の出力657と加算機能311の出力658を示している。
この偏差量の動作の違いが、本発明の第1の課題である外乱に対応する定値制御と目標値に対応する追値制御の双方の応答性の向上と第2の課題である制御対象の特性が変化しても良好な応答性が維持できるロバスト性の向上をさせる。
図22は、制御対象のゲイン定数G=1,無駄時間L=0秒、一次遅れ時間はT1=5秒、T2=0秒の動作を示す。
図23は、制御対象のゲイン定数G=1、無駄時間L=2秒、一次遅れ時間はT1=15秒、T2=0秒の動作を示す。
図24は、制御対象のゲイン定数G=1、無駄時間L=1秒、一次遅れ時間はT1=7秒、T2=1秒の動作を示す。
図25は、制御対象のゲイン定数G=1、無駄時間L=4秒、一次遅れ時間はT1=10秒、T2=0秒の動作を示す。
図22,図23,図24は,いずれの場合でも図1の従来基本PIDフィードバック制御システムの応答より図3の提案PIDフィードバック制御システムの方が、応答性が良いこと示しておりロバスト性が向上していることを示している。
図26は、制御対象の特性が、制御対象のゲイン定数G=1,無駄時間L=1秒、一次遅れ時間、T1=5秒、T2=1秒、の場合の応答例を示す。
図27は、制御対象の特性が、制御対象のゲイン定数G=1,無駄時間L=1秒、一次遅れ時間、T1=5秒、T2=1秒、の場合でゲイン±0.1程度のランダムの外乱信号を制御対象に与えた場合の応答を示す。
図28は、制御対象のゲイン定数G=1,無駄時間L=1.5秒、一次遅れ時間、T1=6秒、T2=2秒、の場合の応答を示す。
第1の特徴は、偏差補償プログラム400は、従来基本PIDフィードバック制御システムと同じ目標値と制御量の2入力であり、出力は、1出力と単純であり、従来基本PIDフィードバック制御システムを図3の提案PIDフィードバック制御システムの実施形態に変更するには、偏差657と偏差補償プログラム400の出力656を加算する加算機能311の追加であり、容易である。
図11の偏差量分配設定機能710を備えており、この出力u=0とすれば、偏差補償プログラム400の出力656は、0となり、従来基本PIDフィードバック制御システムと全く同じ応答をする。u=1とすれば、従来基本PIDフィードバック制御システムの偏差657は0となり、偏差補償プログラム400の出力656での制御応答となる。
このことは、uの値を初期値として0にしておき、図23の構成例の制御改善検出プログラム360の表示機能365で制御性の改善の確認しながらuを増加させることが出来る。
G,Sの設定およびG対Sの比についても図23に示すように、図3Bの構成例の制御改善検出プログラム360の表示機能365で制御性の違いが確認できる。
112、212、213、312、363 減算機能
510、540、570、610、651 減算機能
713、815、1201、1204、1206 減算機能
114、214、314、814 目標値設定機能
116、216、316、816 制御対象
220 目標値フィルタ機能
221 先行微分機能
311、813 加算機能
360 制御改善検出プログラム
361、362、520、550、563、1202、1205 絶対値変換機能
364 リセット付積算機能
365 表示機能
400 偏差補償プログラム
500 追値制御補償プログラム
530 無駄時間・遅れ時間変換機能
531 無駄時間機能
532 遅れ時間機能
560 微分・絶対値変換機能
561 増幅機能
562、630 微分機能
564、582 信号制限機能
580、620、640、650、1207、1303 信号変換機能
583 追値制御ゲイン設定機能
581、584、623、643、711、712、811、812 乗算機能
600、1300 信号変換プログラム
621 偏差量ゲイン設定機能
644 先行微分ゲイン設定機能
710、880 偏差量分配設定機能
900 変形偏差補償プログラム
1200 制御不安定検出プログラム
1203 無駄時間・遅れ時間機能
1301 セット・リセット機能
1302 信号切換機能
1304 信号設定機能
Claims (5)
- 目標値と制御量の差分に応じて出力する減算機能と、比例・積分・微分機能の各要素を少なくとも有するPID制御機能を備えるコンピュータにより構成されたPIDフィードバック制御システムにおける前記減算機能の出力の偏差量を補償して、該補償した偏差量を前記PID制御機能に入力するための偏差補償プログラムであって、前記コンピュータに、
前記目標値と前記制御量を取得して、前記制御量をランプ状に変化する前記目標値に追従させる追値制御中であるか否かを示す信号を出力する追値制御補償機能と、
前記目標値と前記制御量と前記追値制御補償機能により出力される信号に応じた信号を、 前記偏差量を補償すべき信号として出力する第1の信号変換機能と、を実現させることを特徴とする偏差補償プログラム。 - 請求項の第1項に記載の偏差補償プログラムであって、
前記減算機能が加算機能を備え、前記偏差量を補償すべき信号は、前記加算機能により前記差分に加算される信号であることを特徴とする偏差補償プログラム。 - 請求項の第1項又は第2項に記載の偏差補償プログラムであって、
前記追値制御補償機能は、
前記目標値と前記制御量の差分に応じて出力する第1の減算機能と、
前記第1の減算機能の出力を絶対値に変換する第1の絶対値変換機能と、
前記制御量の変化に応じた無駄時間要素及び遅れ時間要素を含んだ変換の出力をする無駄時間・遅れ時間変換機能と、
前記目標値と前記無駄時間・遅れ時間変換機能の出力の差分に応じて出力する第2の減算機能と、
前記第2の減算機能の出力を絶対値に変換する第2の絶対値変換機能と、
前記第1の絶対値変換機能の出力と前記第2の絶対値変換機能の出力の差分に応じて出力する第3の減算機能と、
前記目標値の変化に応じた微分要素及び絶対値変換機能を含んだ変換の出力をする微分・絶対値変換機能と、
前記第3の減算機能の出力の変化と前記微分・絶対値変換機能の出力の変化に応じて出力する第2の信号変換機能と、を有することを特徴とする偏差補償プログラム。 - 請求項の第1項〜第3項の何れかに記載の偏差補償プログラムであって、
前記第1の信号変換機能は、
前記目標値と前記制御量と前記追値制御補償機能により出力される信号を入力として
前記目標値と前記制御量の差分に応じて出力する第4の減算機能と、
前記第4の減算機能の出力の変化に応じて出力する減算機能出力信号変換機能と、
前記制御量の微分した出力をする微分機能と、
前記微分機能の出力の変化に応じて出力する微分機能出力信号変換機能と、
前記第4の減算機能の出力の変化と前記減算機能出力信号変換機能の出力の変化と前記前記微分機能出力信号変換機能の出力の変化と前記追値制御補償機能の出力の変化に応じた信号を前記偏差量に加えるべき信号として出力する偏差補償信号変換機能と、を有することを特徴とする偏差補償プログラム。 - 請求項の第1〜4項のうち何れかに記載の偏差補償プログラムであって、前記コンピュータに、
前記目標値の変化および制御対象の特性の変化により、前記目標値と前記制御量との差分が大きくなり制御が不安定となった制御振動現象を検出する制御不安定検出機能と、
前記目標値と前記制御量の差の信号と、前記制御不安定検出機能と、外部からの入力信号とに応じた信号を、前記偏差量を補償すべき信号として出力する信号変換機能と、を有する制御安定機能を更に実現させることを特徴とする偏差補償プログラム。
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