JP5249676B2 - 制音具付き空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、制音具によって空洞共鳴を抑制し得る制音具付き空気入りタイヤに関する。
タイヤ騒音の一つとして、約50〜400Hzの周波数域で発生するロードノイズがある。これは、タイヤ内腔内で生じる気柱共鳴(空洞共鳴)が主な原因である。そこで、タイヤ内腔にスポンジ材からなるタイヤの制音具を装着することによって、ロードノイズを低減することが、例えば下記特許文献1で提案されている。この文献に示される制音具は、長尺のスポンジ材の周方向の両端面を突き合わせて環状に形成されている。
特開2005−254924号公報
しかしながら、スポンジ材の端面を単に突き合わせただけでは、走行中の振動やタイヤの歪み等により、制音具の環状の状態を維持することができない。このため、環状を維持させるためには、スポンジ材の端面の突き合わせ面を接着することが必要となる。このような制音具は、製造コストの上昇を招くという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、制音具を構成するスポンジ材に、その一端部に設けられた凹部と、他端部に設けられかつ前記凹部に抜け止め可能に嵌合された凸部とを設けることを基本として、耐久性を維持しつつ、タイヤ周方向に連続した環状の制音具を低コストで提供しうる制音具付き空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、空気入りタイヤと、そのタイヤ内腔面に装着された制音具とからなる制音具付き空気入りタイヤであって、前記制音具は、タイヤ周方向に沿って配される長尺のスポンジ材からなり、前記スポンジ材は、その一端部に設けられた凸部と、他端部に設けられかつ前記凸部と抜け止め可能に嵌合した凹部とを有することによりタイヤ周方向に連続した環状をなし、前記制音具は、摩擦によってトレッド部のタイヤ内腔面に装着され、かつ前記スポンジ材の一端部と他端部との接触面は、タイヤ軸方向にのびる軸方向面を含み、前記軸方向面は、前記スポンジ材のタイヤ半径方向の内面部から外面部に向かってタイヤ回転方向に対して先着側へ傾けられることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記制音具は、トレッド部のタイヤ内腔面に装着され、タイヤ内腔面への装着前の状態において、その外周長さがタイヤ内腔面の内周長さよりも大であることにより、タイヤ内腔面に圧縮状態で装着される請求項1に記載の制音具付き空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記制音具は、トレッド部のタイヤ内腔面に装着され、かつ前記スポンジ材の一端部と他端部との接触面は、タイヤ半径方向に対して傾けられている請求項1又は2に記載の制音具付き空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記接触面は、タイヤ周方向にのびる周方向面、タイヤ軸方向にのびる軸方向面、タイヤ周方向の成分とタイヤ軸方向の成分とを含む傾斜面、又はタイヤ周方向の成分とタイヤ軸方向の成分とを含む湾曲面を有する請求項3に記載の制音具付き空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記制音具は、タイヤ内腔面への装着向きを指定する表示部を有する請求項1ないし4の何れかに記載の制音具付き空気入りタイヤである。
また請求項6記載の発明は、前記表示部は、前記スポンジ材の長さ方向の両端からタイヤ周方向に40cm以内の領域に設けられる請求項5に記載の制音具付き空気入りタイヤである。
また請求項7記載の発明は、前記スポンジ材は、一端部に前記凸部が2つ設けられるとともに、他端部に該凸部と対をなす前記凹部が2つ設けられる請求項1ないし6の何れかに記載の制音具付き空気入りタイヤである。また請求項8記載の発明は、前記制音具の接触面は、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向にともに前記スポンジ材のタイヤ半径方向の前記内面部から前記外面部に向かってタイヤ回転方向に対して先着側へ傾けられる請求項1ないし7の何れかに記載の制音具付き空気入りタイヤである。
本発明の制音具付き空気入りタイヤは、制音具が長尺のスポンジ材から形成される。また、スポンジ材は、その一端部に設けられた凸部と、他端部に設けられかつ前記凸部に抜け止め可能に嵌合した凹部とを有することによりタイヤ周方向に連続した環状をなす。従って、本発明で用いられる制音具は、走行時の振動や歪み等が生じても環状の状態を維持し、その耐久性を向上しうる。
また、制音具は、上記凸部と凹部との嵌合により環状に形成される結果、例えば、接着工程等を不要とし生産性を向上しうる。しかも、制音具は、凸部及び凹部によって、嵌合位置が一意に決まるので、作業性を向上することができ、製造コストを大幅に低減しうる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の制音具付き空気入りタイヤ1の断面図、図2は、そのタイヤ赤道Cに沿った断面図をそれぞれ示す。
前記制音具付空気入りタイヤ1は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある)3と、そのタイヤ内腔面6に装着された制音具7とから構成される。
前記タイヤ3は、トレッド部3aからサイドウォール部3bをへてビード部3cのビードコア3fに至るトロイド状のカーカス3dと、そのタイヤ半径方向外側に配されたベルト層3eとを具える。また、タイヤ3がリム2に装着されることにより、タイヤ内腔面6とリム外表面とで囲まれるタイヤ内腔5が構成される。なお、タイヤ3として、本実施形態では、騒音低減が特に望まれている乗用車用ラジアルタイヤが示される。
前記制音具7は、図2に示されるように、長尺のスポンジ材12を、トレッド部3aの内側のタイヤ内腔面6にタイヤ周方向に沿って湾曲して配される。なお、本実施形態では、図1に示されるように、制音具7のタイヤ軸方向の幅の中心が、タイヤ赤道Cと実質的に一致するようにタイヤ内腔面6に装着されているが、必要に応じて制音具7の位置を変更しても良い。
図3(a)に示されるように、前記スポンジ材12は、タイヤ半径方向の外側に向くことが予定されている外面部12a、その反対側の面である内面部12b及び両側の側面部12c、12cを有する。
本実施形態のスポンジ材12の一端部12dには凸部13が形成されるとともに、他端部12eには前記凸部13と抜け止め可能に嵌合しうる凹部14が形成される。
前記凸部13は、平面視略矩形状をなすスポンジ材12の主部8からその長手方向Fxに突出形成されてなり、本実施形態では頭部13aと、該頭部13aと主部8とを繋ぐ頭部よりも小幅のくびれ部13bとから構成される。頭部13aは、平面視略矩形状をなすとともに、その幅W1は、主部8の幅Wよりも小さく形成される。また、くびれ部13bの幅W2は、頭部13aの幅W1よりもさらに小さく形成される。
また、前記凹部14は、スポンジ材12の主部8の前記他端部12e側において、凸部13と実質的に同一形状の切り欠きとして形成される。即ち、凹部14は、頭部13aを嵌め込み可能なように該頭部13aと実質的に同一の平面形状を有する主孔部14aと、該主孔部14aに連なりかつスポンジ材12の他端部12eに開口する前記くびれ部13bを嵌め込み可能な小孔部14bとからなる。これにより、凹部14の両側には、凸部13を抜け止め可能に保持しうるかぎ爪状の係止部15が形成される。
そして、図3(b)に示されるように、スポンジ材12は、凸部13と凹部14とを単に嵌合させることにより、タイヤ周方向に連続した環状に形成される。従って、本実施形態の制音具7は、長尺のスポンジ材12から容易に環状の制音具7を形成できる。これは、例えば接着工程などを省略することを可能として製造コストを大幅に低減しうる。
本実施形態において、スポンジ材12の一端部12dと他端部12eとの接触面17は、タイヤ周方向にのびる周方向面17aと、タイヤ軸方向にのびる軸方向面17bとを含んでいる。これらの周方向面17a及び軸方向面17bは、走行時の振動やトレッド部の歪等によって生じるタイヤ周方向Tx及びタイヤ軸方向Tyの力を支持するとともに、摩擦力によって凸部13と凹部14との嵌合状態を安定して維持し、制音具の耐久性を向上しうる。
なお、スポンジ材12の一端部12d及び他端部12eの端面がともに単一の平面である場合、それらを突き合わせる際には位置ズレが生じやすく、接着工程の作業が頻雑となる傾向にあった。これに対して、本実施形態の制音具7は、凸部13と凹部14との嵌合位置が一意に決まるため、制音具7の製造工程の生産性を向上できる。
本実施形態において、スポンジ材12の凹部14は、スポンジ材12の内面部12bから視認可能に設けられる。このため、作業者は、例えばタイヤ内腔5内で凸部13と凹部14とを容易に嵌合させることができる。また、スポンジ材12をタイヤ内腔面6に装着した後であっても、凸部13及び凹部14の嵌合状態、例えばずれがないか等を目視確認できる点で好ましい。
前記スポンジ材12は、例えばゴム又は合成樹脂を発泡させた連続及び/又は独立気泡を有するものが好ましい。このようなスポンジ材12は、防振性、吸音性が高いため、タイヤ内腔5内で生じた音エネルギーを効果的に吸収してロードノイズを低減し得る。
特に限定されないが、スポンジ材12としては、制音性、軽量、発泡の調節容易性及び耐久性などの観点から、エーテル系ポリウレタンスポンジが好ましい。また、スポンジ材12の比重は、0.005〜0.060が好ましい。このような低比重のスポンジ材12は、タイヤ重量やタイヤバランスの悪化を抑え、かつ空隙率を高めて吸音性をより一層向上しうる。
また、制音具7は、タイヤ内腔面6への装着前の状態において、その外周長さがトレッド部3aのタイヤ内腔面6の内周長さよりも大きいことが望ましい。これにより、制音具7は、タイヤ内腔面に圧縮状態で装着される。従って、図2に示されるように、制音具7には、軸方向面17bを互いに圧接する周方向の力F2によって環状の状態がより確実に維持できる。また、制音具7には、タイヤ内腔面6に向く半径方向の力F1も生じるので、制音具7とタイヤ内腔面6との密着性を高る両者の位置ずれを防止するのにも役立つ。
なお、制音具7のタイヤ内腔面6に装着される前の外周長さが、タイヤ内腔面6の内周長さに対して著しく大きくなると、タイヤへの装着時に制音具7を過度に圧縮し、折れやしわ等が発生するおそれがあり、逆に著しく小さくなると、制音具7とタイヤ内腔面6との密着性が低下するおそれがある。このような観点より、制音具7の前記外周長さは、好ましくはタイヤ内腔面6の内周長さの1.00倍以上、さらに好ましくは1.01倍以上が望ましく、また、好ましくは1.10倍以下、より好ましくは、1.05倍以下が望ましい。
本実施形態の制音具7は、凸部13と凹部14との嵌合によって環状が維持されるため、接触面17を接着しなくても良い。しかし、例えば図4(a)に示されるように、必要に応じて両面粘着テープ20又は接着剤21を用いて接着しても良い。これにより、制音具7は、接触面17の嵌合力を向上させ、破損などを防止するのに役立つ。
両面粘着テープ20としては、アクリル系粘着剤を使用したものが好適である。また、接着剤21としては、スポンジ材、特にエーテル系ポリウレタンスポンジ材を強固に接着しうるイソシアネート化合物又はイソシアネート末端プレポリマーからなるものが望ましい。なお、両面粘着テープ20や接着剤21などが介在することにより、一端部12dと他端部12eとが直接接触していない場合、前記接触面17は、一端部12d及び他端部12eの向き合う各面の中間に位置する中間面として定められる。
なお、図4(b)に示されるように、制音具7は、スポンジ材12の外面部12aがタイヤ内腔面6に固着されてもよい。固着方法としては、前述の前記両面粘着テープ20及び/又は前記接着剤21などが好適である。
また、本実施形態のスポンジ材12は、そのタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面における断面形状が横長略矩形状に形成されるが、例えば、断面における幅がタイヤ半径方向内側に向かって漸減する台形状等で形成されても良いなど、略矩形以外でも適宜定めることができる。
本実施形態の制音具7は、一つの長尺のスポンジ材12から形成されているが、例えば、複数個のスポンジ材12を嵌合してタイヤ周方向に連続する環状体として形成されても良い。このような態様では、1個当たりのスポンジ材12を小型化でき、その可搬性や保管性を高め得る。
また、凸部13の形状(及びこれが嵌合する凹部14)は、種々変更することができる。例えば、図5(a)に示されるように、凸部13の頭部13aは、平面視、略三角形状に形成されてもよい。これにより、凸部13は、全体として矢印状に形成される。
また、この実施形態では、接触面17は、周方向面17a及び軸方向面17bの他、タイヤ周方向Txの成分とタイヤ軸方向Tyの成分とを含む傾斜面17cを有する。このような傾斜面17cは、多方向で摩擦力を発揮し、凸部13及び凹部14の接触面17の耐久性を向上させる。
また、図5(b)に示されるように、頭部13aは、平面視、略円形状に形成されてもよい。このような実施形態では、スポンジ材12の接触面17は、タイヤ周方向Txの成分とタイヤ軸方向Tyの成分とを含む湾曲面17dを含む。これは、凸部13及び凹部14の耐久性をさらに向上させる。
また、図5(c)に示されるように、くびれ部13bは、その接触面17が湾曲面17dに形成されても良い。これは、凸部13及び凹部14の各コーナ部での応力集中を緩和し、スポンジ材12の耐久性をさらに向上させる。
また、図6(a)に示されるように、スポンジ材12は、一端部12dに凸部13が2つ設けられるとともに、他端部12eに該凸部13と対をなす凹部14が2つ設けられてもよい。このような制音具7は、接触面17の面積がより一層増大し、該接触面17の摩擦力を増大させて嵌合力をさらに高めうる。
また、図6(b)に示されるように、上記態様において、2つの凸部13は、それぞれ異なる形状で構成されても良い。このような態様では、接触面17が多様化され、凸部13及び凹部14の嵌合力と耐久性とがバランス良く向上する。
さらに、図6(c)及び(d)に示されるように、一端部12d及び他端部12eそれぞれには、凸部13と凹部14とがスポンジ材12の幅方向に並べて形成されても良い。このような実施形態では、スポンジ材12の一端部12dと他端部12eとの剛性が、互いに近似したものになる。従って、スポンジ材12の両端部の耐久性が向上する。
また、他の実施形態として、図7、図9及び図10に示されるように、接触面17は、タイヤ半径方向Tzに対して傾けられてもよい。なお、これらの実施形態では、凸部13の平面輪郭形状は、図3に示した態様と実質的に同一なものとして説明される。
タイヤ半径方向Tzに対して傾けられた接触面17は、タイヤ半径方向と平行な接触面に比べて面積が増大する。このため、凸部13と凹部14との摩擦力が大きくなり、それらの嵌合力が高められる。また、接触面17は、トレッド部3aから入力される多方向の衝撃力を斜面に沿って緩和し、接触面17の耐久性を向上しうる。
図7の実施形態では、制音具7の接触面17は、軸方向面17bがタイヤ周方向Txにのみ傾けられている。
また、この軸方向面17bは、スポンジ材12のタイヤ半径方向の内面部12bから外面部12aに向かってタイヤ回転方向Tに対して先着側へ傾けられる。これによる作用は次の通りである。
図8(a)に示されるように、摩擦によってタイヤ内腔面6に装着されている制音具7は、タイヤの回転よりもわずかに遅れて回転するので、スポンジ材12の外面部12aには摩擦力Gが作用する。しかし、タイヤ回転方向Tに対して先着側に位置する他端部12eの端面と外面部12aとがなすコーナ部Y1は、鈍角となるため剛性が高い。よって、コーナ部Y1は、タイヤ回転方向Tと同一方向の前記摩擦力Gに対しても変形することなくその形状を維持できる。また、後着側の一端部12dの端面と外面部12aとがなすコーナ部Y2は、鋭角となって剛性が低くなる。しかし、このコーナ部Y2は摩擦力Gによって、接触面17に向かって引っ張られるため、接触面17での剥離が生じにくい。
他方、図8(b)に示されるように、接触面17がタイヤ回転方向Tに対して後着側へ傾けられた場合、先着側のコーナ部Y1が鋭角となって剛性が低下する。このため、コーナ部Y1は、前記摩擦力Gによっていわゆる”逆むけ”という剥離が生じやすくなるので好ましくない。
接触面17のタイヤ半径方向Tzに対する角度θ1(図7(b)に示す)は、0度よりも大きいが、好ましくは85度以下が望ましい。前記角度θ1が0度の場合、接触面17の面積が増加しないし、逆に大きすぎると、接触面17の面積が過度に大きくなるため、スポンジ材12の切断加工等が頻雑化し、製造コストを増加させる。また、凸部13と凹部14との嵌合力も低下しやすい。このような観点により、前記角度θ1は、より好ましくは15度以上、さらに好ましくは30度以上が望ましく、また、より好ましくは70度以下、さらに好ましくは60度以下が望ましい。
図9に示されるように、制音具7の接触面17は、タイヤ半径方向Tzに対してタイヤ軸方向Tyにのみ傾けられても良い。このような接触面17は、とりわけ搬送時や走行時に生じるタイヤ軸方向Tyからの衝撃力に対し、高い耐剥離性能を発揮し得る。
前記接触面17のタイヤ半径方向Tzに対する角度θ2(図9(b)に示す)は、0度よりも大であるが、好ましくは70度以下が望ましい。前記角度θ2が0度の場合、接触面17の面積が増加しないし、逆に70度を超えると、上記同様、製造コストの増加や嵌合力が低下しやすい。このような観点により、前記角度θ2は、より好ましくは15度以上、さらに好ましくは30度以上が望ましく、また、より好ましくは50度以下、さらに好ましくは45度以下が望ましい。
図10に示されるように、制音具7の接触面17は、タイヤ半径方向Tzに対して、タイヤ周方向Tx及びタイヤ軸方向Tyにともに傾けられても良い。このような接触面17は、タイヤ半径方向Tz及びタイヤ軸方向Tyからの衝撃に対してバランス良く耐剥離性能を発揮できる。なお、前記角度θ1及びθ2の好ましい範囲が、この実施形態においても適用できる。
図11に示されるように、制音具7には、タイヤ内腔面6への取付向きを指定する表示部9が設けられるのが好ましい。本実施形態の表示部9は、タイヤ回転方向Tと制音具7の回転方向とを一致させるために、制音具7の回転方向を示す第1の表示部10と、スポンジ材12の内面部12b側であることを示す第2の表示部11とを含む。
前記第1の表示部10は、例えば回転方向を示す矢印等のマークからなる。また、第2の表示部11は、内側であることを示す文字(例えばINSIDEなど)や模様等で構成される。これらの表示部9は、例えば制音具7の接触面17が図7又は図10の態様のように傾斜する場合や、接触面17の傾斜の向きをタイヤ回転方向Tに対していずれかに特定したい場合等、装着ミスを防止するのに役立つ。
なお、凸部13を図5(a)のように矢印状としたときには、当該模様を第1の表示部10として機能させることもできる。
本実施形態の表示部9は、スポンジ材12の内面部12bに設けられているが、外面部12aに設けられても良い。ただし、この実施形態のように、内面部12bに設けた場合には、制音具7を装着した後の確認が容易な点で望ましい。
表示部9を凹凸からなる立体模様とした場合、肉眼のみならず、装着時の手触りによっても表示部9を迅速に確認しうるので望ましい。
なお、以上のような表示部9を制音具7に付する方法としては、例えば焼印、印刷、シール及び/又はエンボス加工等、種々の方法を挙げることができる。
前記表示部9は、スポンジ材12の長さ方向の両端からタイヤ周方向に40cm以内の領域Lに設けられることがこのましい。前記両端は、スポンジ材12の内面部12bに表れる接触面17のいずれかの位置が基準となる。表示部9をスポンジ材12の長さ方向の両端部の近傍に設けることによって、作業者は、スポンジ材12の凸部13と凹部14とを嵌合させる際に、容易に表示部9を確認できる。
以上、本発明の特に好ましい形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
表1の仕様で制音具を試作し、それらの諸性能についてテストを行なった。なお、共通仕様は次の通りである。
タイヤサイズ:215/45R17
リムサイズ:17×7JJ
内圧:200kPa
制音具の仕様など
材料:エーテル系ポリウレタンスポンジ(丸鈴(株)製「E16」)
比重:0.016
断面形状:幅100mm×厚さ20mmの横長矩形状
タイヤへの装着方法:圧入とし、タイヤ内腔面には接着していない。
なお、実施例では、スポンジ材の凸部と凹部との接触面は嵌合のみとし接着は省略された。他方、比較例1、2の制音具では、スポンジ材の前記接触面はイソシアネート化合物からなる接着剤で接着された。
<製造コスト>
接触面を1つ有するスポンジ材を、環状に加工する際に生じる製造コスト(人件費含む)を比較例1を100とする指数で表示した。数値が小さい程良好である。
<輸送時の耐久性>
リムに装着されていない平積みされた制音具付き空気入りタイヤを、約15m転がしてトラックの荷台に積載した後、再び、荷台からタイヤを落下させ、元の場所までタイヤを転がして平積みした。そして、各例毎にタイヤを30本テストし、制音具のタイヤ内腔面への装着が維持されているかを確認した。装着が維持されているものを「OK」とし、タイヤ内腔面から外れたものについては、本数を記載した。
<走行時の耐久性>
制音具1本当たり接触面を1つ有する各制音具付き空気入りタイヤを、上記リムにリム組みし、下記の条件でドラム試験機上を走行させ、走行距離1000kmごとに、制音具の接触面の剥離の有無を肉眼で確認し、剥離が発生するまでの距離を測定した。評価は、比較例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
荷重:4.0kN
走行速度:100km/h
ドラム直径:1.7m
テストの結果などを表1に示す。
Figure 0005249676
Figure 0005249676
Figure 0005249676
制音具付き空気入りタイヤの一形態を例示する断面図である。 そのタイヤ赤道に沿った参考例の断面図である。 (a)はスポンジ材の参考例の部分斜視図、(b)はそれを環状に形成した参考 例の制音具の斜視図である。 (a)参考例の実施形態の制音具の接触面近傍を拡大して示す部分断面図、(b)は、参考例の実施形態の部分断面図である。 (a)は他の実施形態の制音具の嵌合状態を示す正面図、(b)は他の実施形態を示す正面図、(c)は、他の実施形態を示す正面図である。 (a)は凸部及び凹部がそれぞれ2つ設けられる制音具の嵌合状態を示す正面図、(b)は他の実施形態を示す正面図、(c)は他の実施形態を示す正面図、(d)は他の実施形態を示す正面図である。 (a)は実施形態の制音具の嵌合状態を示す正面図、(b)はそのA−A断面図、(c)は制音具の嵌合状態を示す部分斜視図である。 (a)は図7の接触面を持つ制音具断面図、(b)は接触面がタイヤ回転方向に対して後着側へ傾く制音具の断面図である。 (a)は参考例の実施形態の制音具の嵌合状態を示す正面図、(b)はそのB−B断面図、(c)は制音具の嵌合状態を示す部分斜視図である。 (a)は他の実施形態の制音具の嵌合状態を示す正面図、(b)はそのC−C断面図、(c)は制音具の嵌合状態を示す部分斜視図である。 表示部を具えた制音具を示す部分断面図である。 (a)は比較例1で使用される制音具を示す正面図、(b)は比較例2で使用される制音具を示す正面図である。
符号の説明
1 制音具付き
3 空気入りタイヤ
6 タイヤ内腔面
7 制音具
12 スポンジ材
12d 一端部
12e 他端部
13 凸部
14 凹部

Claims (8)

  1. 空気入りタイヤと、そのタイヤ内腔面に装着された制音具とからなる制音具付き空気入りタイヤであって、
    前記制音具は、タイヤ周方向に沿って配される長尺のスポンジ材からなり、
    前記スポンジ材は、その一端部に設けられた凸部と、他端部に設けられかつ前記凸部と抜け止め可能に嵌合した凹部とを有することによりタイヤ周方向に連続した環状をなし、
    前記制音具は、摩擦によってトレッド部のタイヤ内腔面に装着され、かつ前記スポンジ材の一端部と他端部との接触面は、タイヤ軸方向にのびる軸方向面を含み、
    前記軸方向面は、前記スポンジ材のタイヤ半径方向の内面部から外面部に向かってタイヤ回転方向に対して先着側へ傾けられることを特徴とする制音具付き空気入りタイヤ。
  2. 前記制音具は、トレッド部のタイヤ内腔面に装着され、タイヤ内腔面への装着前の状態において、その外周長さがタイヤ内腔面の内周長さよりも大であることにより、タイヤ内腔面に圧縮状態で装着される請求項1に記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  3. 前記制音具は、トレッド部のタイヤ内腔面に装着され、かつ前記スポンジ材の一端部と他端部との接触面は、タイヤ半径方向に対して傾けられている請求項1又は2に記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  4. 前記接触面は、タイヤ周方向にのびる周方向面、タイヤ軸方向にのびる軸方向面、タイヤ周方向の成分とタイヤ軸方向の成分とを含む傾斜面、又はタイヤ周方向の成分とタイヤ軸方向の成分とを含む湾曲面を有する請求項3に記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  5. 前記制音具は、タイヤ内腔面への装着向きを指定する表示部を有する請求項1ないし4の何れかに記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  6. 前記表示部は、前記スポンジ材の長さ方向の両端からタイヤ周方向に40cm以内の領域に設けられる請求項5に記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  7. 前記スポンジ材は、一端部に前記凸部が2つ設けられるとともに、他端部に該凸部と対をなす前記凹部が2つ設けられる請求項1ないし6の何れかに記載の制音具付き空気入りタイヤ。
  8. 前記制音具の接触面は、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向にともに前記スポンジ材のタイヤ半径方向の前記内面部から前記外面部に向かってタイヤ回転方向に対して先着側へ傾けられる請求項1ないし7の何れかに記載の制音具付き空気入りタイヤ。
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