JP5247157B2 - エレベータの地震被害予測装置 - Google Patents

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この発明は、地震発生時に、エレベータの地震時管制運転装置の動作状況などを、過去の知見と自動通報装置からの通報とから予測するためのエレベータの地震被害予測装置に関するものである。
一般に、エレベータ装置においては、地震発生時のエレベータ故障などが原因で、乗客がエレベータかご室内部に閉じ込められることを防ぐことを目的として、地震時管制運転装置が設置されている。地震時管制運転装置には、地震を検知するための地震感知器が含まれており、地震感知器が動作すると、エレベータは地震時管制運転状態となり、最寄り階で停止する。
このとき、発生した地震の規模が一定値以下であれば、エレベータは自動的に再起動するが、一定値を超えていれば、エレベータに損傷が生じている可能性があるので、保守作業員の点検を待たなければ再起動できないようになっている。したがって、エレベータ保守会社においては、自社管理下にあるエレベータに設置された地震感知器の動作状況を迅速に収集し、保守作業員を地震時管制運転状態にあるエレベータに派遣する必要がある。
従来のエレベータの地震被害予測装置としては、保守作業員が出動しなければならない被災地のエレベータの特定を迅速に行い、効率的に保守作業員の出動を行うことを目的として、各地域に設置した地震計などの値(地震の強度)に基づいて被災地を3分類に判別し、保守作業員の出動の要否の判断が難しい中震の被災地域内のエレベータに対して、他の地域のエレベータよりも優先的に、監視センタから運転状態の回答を求める手法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、他の従来装置としては、大地震発生時に監視センタの通信回線が長時間にわたって地震時管制運転通報により占有され、被災地域以外からの緊急通報の受信が阻害されることを防ぐことを目的として、各地域の一部のエレベータに高ガル発報手段および低ガル発報手段を設け、低ガル発報手段からの通報のみを受信した地域のエレベータのみに対して、監視センタから運転状態の回答を求める手法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2006−315807号公報 特開2006−315793号公報
従来のエレベータの地震被害予測装置は、上記特許文献1、2に記載の手法の場合、中震の被災地域または低ガル発報のみを受信した地域においては、監視センタから当該地域の全エレベータに対して運転状態の回答要求を行うために、たとえばエレベータの停止率が30%の地域では、残りの70%に当たる正常運転中のエレベータに対しても回答要求を行うことになり、全通信時間を考慮すると非常に無駄が多いという課題があった。
また、上記特許文献1、2のいずれの手法においても、監視センタ側から回答が要求されない限り運転状態を回答することができず、特に特許文献2の手法によれば、当該地域の低ガル発報手段が設置されたエレベータにおいて低ガルが検知されなければ、永久に監視センタから回答が要求されないので、当該地域において地震時管制運転状態に入ったエレベータは、エレベータ利用者などからの通報がない限り、保守作業員が派遣されることはなく、エレベータは長時間停止したまま放置されるという課題があった。
この発明は、当該地震によるエレベータ被害に対して迅速に復旧体制を整え、復旧までの時間を短縮することのできるエレベータの地震被害予測装置を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータの地震被害予測装置は、複数のエレベータの各エレベータを特定する情報と過去の地震における保守対応履歴とから得られたエレベータ地震被害データベースを有する記憶部と、複数のエレベータに関する通報経過状況を取得する通報経過状況取得部と、エレベータ地震被害データベースおよび通報経過状況に基づいて地震被害を予測する地震被害予測部と、を備えたエレベータの地震被害予測装置であって、地震被害予測部は、体制別被害状況算出部を有し、体制別被害状況算出部は、通報経過状況から、エレベータ保守会社が定めた区分別での通報受信比率を求め、区分別の被害率または被害台数を予測し、前記記憶部、前記地震被害予測部および前記通報経過状況取得部に接続された通報受信部をさらに備え、前記通報受信部は、前記複数のエレベータにそれぞれ設置された自動通報装置からの通報を受信して、前記複数のエレベータの通報経過状況を作成するものである。
この発明によれば、地震の大小にかかわらず、迅速に復旧体制を整え、復旧までの時間を短縮することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータの地震被害予測装置の全体を概略的に示すブロック構成図である。
図1において、複数(n台)のエレベータ1−1〜1−n(以下、総称して「エレベータ1(n)」という)は、所定の地域に設置されており、エレベータ保守会社の保守管理下にあるものとする。
エレベータ1(n)には、それぞれ、地震動を感知するための地震感知器11−1〜11−n(以下、総称して「地震感知器11(n)」という)と、エレベータ1(n)に発生した異常(地震時管制運転状態への移行など)を自動的に通報する自動通報装置12−1〜12−n(以下、総称して「自動通報装置12(n)」という)とが、個別に設置されている。
自動通報装置12(n)は、発報遅延機能を有し、地震時管制運転状態になったことを、あらかじめ設定された発報遅延時間が経過した後に通報開始する。
一般公衆回線2は、固定電話回線、携帯電話回線(PHS含む)、インタネット通信回線など、回線事業者が提供する通信回線すべてを指している。
情報センタ100は、エレベータ保守会社が自社管理下にあるエレベータからの通報を受信して、自社サービス拠点や保守作業員に派遣指示を行う施設であり、エレベータの地震被害予測装置3と通報受信部30とを備えている。また、エレベータの地震被害予測装置3は、通報経過状況取得部31と、地震被害予測部32と、マンマシンインタフェースとなる入力部33および出力部34と、各種データを記憶する記憶部35とを備えている。
通報受信部30は、各エレベータ1(n)の自動通報装置12(n)からの通報を受信して、自動通報装置12(n)からの通報内容が記録された通報経過状況311を作成する。通報経過状況取得部31は、通報受信部30で作成された通報経過状況311を取得する。なお、通報受信部30が利用不可能な場合は、入力部33などを用いて、通報経過状況311を通報経過状況取得部31に直接入力してもよい。
入力部33は、情報センタ100の作業者が情報を入力するためのインタフェース全般(キーボードやマイクなど)により構成されている。
出力部34は、各種情報を出力するためのインタフェース全般(ディスプレイやプリンタなど)により構成されており、総被害状況341と、体制別被害状況342と、停止予測現場リスト343とを出力する。
地震被害としては、エレベータに設置された地震感知器の動作に伴う地震時管制運転状態への移行状況などを指す。地震被害予測部32は、上記被害予測演算を行うために、地震発生直後に予測対象地域の総被害状況を算出する総被害状況算出部321と、体制別被害状況算出部322と、停止予測現場リスト343を更新する停止予測現場リスト更新部323とを備えている。
体制別被害状況算出部322は、行政単位別(区別や町名別など)またはエレベータ保守会社が定めた任意の体制別(管理体制別など)の被害状況を算出する。
地震被害予測部32に含まれる各機能の詳細については後述する。
記憶部35には、エレベータ保守会社が保有する過去の地震時保守対応履歴などが保存されたエレベータ地震被害データベース351と、地震被害予測部32において使用するサンプルエレベータリスト352とが保存されている。
記憶部35内のエレベータ地震被害データベース351は、エレベータ保守会社が保有する過去の地震発生時の保守対応履歴から、地震感知器の動作有無に関わる情報を集約し、エレベータ保守会社の管理下にある全エレベータに対して過去の被害発生状況をまとめて作成されたものである。
たとえば、エレベータ地震被害データベース351は、最低要件として、エレベータを特定する情報(エレベータの管理番号や、エレベータ号機番号など)と、地震を特定する情報(過去に発生した地震の日時や名称など)と、地震での地震感知器11(n)の動作有無の情報とを含み、また、過去の地震における停止回数などから求められた、エレベータごとの地震発生時の予測停止確率の計算値が記載されていてもよい。
また、エレベータ地震被害データベース351には、地震被害に与える影響の小さいパラメータ(定員や積載量など)が含まれていてもよく、また、過去の地震における被害は、地震感知器11(n)の動作有無に限らず、物損や閉じ込めなどの発生有無を含んでいてもよい。
さらに、エレベータ地震被害データベース351には、エレベータ保守会社が保有する過去の地震発生時の保守対応履歴を分析して得られた停止確率と相関の高い条件について該当/非該当が記載されることが望ましい。停止確率と相関の高い条件は、たとえば最上階数が高いことや、耐震基準、建物の竣工年度などである。
一方、記憶部35内のサンプルエレベータリスト352は、サンプルエレベータの一覧を示しており、地震被害予測部32内の総被害状況算出部321において、総被害状況の算出に使用される。
サンプルエレベータリスト352に記述されるサンプルエレベータは、エレベータ保守会社の管理下にあるエレベータの中からランダムに選定されるか、または、行政単位ごとに、全体の何%のエレベータがエレベータ保守会社管理下にあるかを示す行政単位別管理比率、またはエレベータ保守会社が定める管理体制別管理比率と等しくなるように選定される。
また、サンプルエレベータは、保守管理下のエレベータの機種比率と等しくなるよう選定されるか、または、単位面積当たりのサンプル数が等しくなるよう選定される。
また、サンプルエレベータは、停止確率と相関の高い指標(たとえば、建物の耐震基準や最上階数、地盤など)の構成比率が、所定の比率(地域全体の比率と一致するか、または地域内で均一になるなど)になるよう選定される。
また、サンプルエレベータは、地域内の停止率とサンプルエレベータ全体の停止率との関係を線形式などで近似した際に、各データと近似式との誤差(残差)の2乗和が所定値以内に収まるよう選定されるか、または、過去停止率の高い現場を中心に選定される。
結局、サンプルエレベータは、以上の選定条件のうちの1つまたは複数の条件を満たすように選定される。
次に、図1に示した情報センタ100内のサンプルエレベータリスト352に関連した地震被害予測部32の動作について具体的に説明する。
上記選定条件に基づいてサンプルエレベータの選定が完了すると、サンプルエレベータの選定時点までに発生した各地震に対して、以下の式(1)のように、予測停止率Pyとサンプルエレベータの停止率Psとの相関を、線形近似式の傾きαおよび切片δを用いて求めておく。
Py=α×Ps+δ ・・・(1)
サンプルエレベータの選定数は、地震発生後総被害状況を入手したい時間内に全サンプルエレベータが通報を完了できる台数を最大数として設定される。
サンプルエレベータリスト352には、最低限として、サンプルエレベータの管理番号が含まれる。また、サンプルエレベータに設置された自動通報装置の発報遅延時間Tsは、小さい値(地震検知の直後、または地震検知から1分後など)にあらかじめ設定されている。
サンプルエレベータ以外のエレベータの通報遅延時間Tは、全サンプルエレベータが通報受信部30に通報した場合に通報が完了するまでの時間以降に、通報を開始する時間とすることが望ましい。
したがって、サンプルエレベータ以外のエレベータの通報遅延時間Tは、平均通信時間Ta[s]、サンプルエレベータ数Nsおよび通信受信部回線数NLを用いて、以下の式(2)のように算出される。
T=(Ta×Ns)/NL+Ts ・・・(2)
ただし、たとえば、半数のサンプルエレベータからの通報があれば保守作業員は全員出動するなど、サンプルエレベータ全台の通信完了を待たずとも体制を決定できるしきい値があれば、式(2)内のサンプルエレベータ数Nsを、「要受信サンプルエレベータ数」に置き換えてもよい。
また、エレベータの保守会社の管理台数が、通報受信部30の受信回線数に対して著しく多ければ、サンプルエレベータ以外のエレベータの中でさらに遅延を設けてもよい。
具体的には、サンプルエレベータ以外のエレベータを10等分して、通報遅延時間Tの経過後から10分間の遅延差を設けるか、または、通報受信部30が1分間に受信可能な通信数を超えないように、サンプルエレベータ以外のエレベータを抽出して、通報遅延時間Tに1分ずつ加えて遅延時間とすることを繰り返してもよい。
こうして算出した全エレベータの通報遅延時間は、通報時間遅延リスト353として記憶部35に保存されてもよい。
以下、地震が発生したものとして、地震発生直後からの時間経過に沿って、各構成要素の働きや処理の流れについて説明する。
なお、前提条件として、エレベータ保守会社は、k台のエレベータ1−1〜1−k(ただし、k<n)を、サンプルエレベータ1(k)として選定しているものとする。また、通報経過状況311は通報受信部30にて作成の上、通報経過状況取得部31に送信するものとする。
また、n個の地震感知器11(n)のうちのt個の地震感知器11−1〜11−t(ただし、t<k)(以下、「地震感知器11(t)」という)と、(n−s+1)個の地震感知器11−s〜11−n(ただし、s>k)(以下、「地震感知器11(n−s+1)」という)とが作動し、t台のエレベータ1−1〜1−t(以下、「エレベータ1(t)」という)と、(n−s+1)台のエレベータ1−s〜1−n(以下、「エレベータ1(n−s+1)」という)とが、地震時管制運転状態となったと仮定する。
また、サンプルエレベータ1(k)に設置されたk個の自動通報装置12−1〜12−k(以下、「自動通報装置12(k)」という)の発報遅延時間は「1分」に設定され、他の(n−k)台のエレベータ1(n−k)に設置された自動通報装置12−(k+1)〜12−n(以下、「自動通報装置12(n−k)」という)の発報遅延時間は「10分」に設定されていたとする。
まず、地震発生から1分後に、t台のエレベータ1(t)に設置された自動通報装置12(t)は、地震感知器11(t)が動作したことを、一般公衆回線2を用いて情報センタ100内の通報受信部30に通報する。これにより、通報受信部30は、t個の自動通報装置12(t)からの通報を受信し次第、通報経過状況311にエレベータ1(t)の情報を追加する。
なお、通報経過状況311には、各エレベータの管理番号や通報時刻などの情報が含まれるものとする。
このとき、(k−t)台のエレベータ1−(t+1)〜1−k(以下、「エレベータ1(k−t)」という)は、地震感知器11(k−t)が作動していないので、通報受信部30への通報を行うことはない。
ここで、図2の説明図を参照しながら、通報受信部30の単位時間当たりの通報受信数について説明する。
図2(a)〜(c)は、地震被害の大小に応じた単位時間当たりの通報受信数をグラフで示しており、横軸は時間であり、実線はサンプルエレベータ1(k)からの通報受信数の時間特性、点線はサンプルエレベータ以外のエレベータ1(n−k)からの通報受信数の時間特性である。
図2(a)は予測対象地域における地震被害が小さい場合、図2(b)は予測対象地域における地震被害が大きい場合、図2(c)は予測対象地域における地震被害が非常に大きい場合である。
図2において、(a)被害小、または、(b)被害大の場合には、地震被害予測部32は、サンプルエレベータ1(k)からの通報が一定時間にわたって途絶えたことを確認した時点で、通報受信部30から通報経過状況取得部31に通報経過状況311を読み込ませ、総被害状況算出部321を呼び出す。
また、図2(c)のように被害特大であって、サンプルエレベータ1(k)からの通報受信中(実線参照)に、サンプル以外のエレベータ1(n−k)からの通報(点線参照)が受信された場合には、地震被害予測部32は、地震発生からの経過時間があらかじめ設定された所定時間に達した時点で、通報受信部30から通報経過状況取得部31に通報経過状況311を読み込ませ、総被害状況算出部321を呼び出す。
次に、図3のフローチャートを参照しながら、総被害状況算出部321の動作について説明する。
図3において、総被害状況算出部321は、まず、通報経過状況取得部31内の通報経過状況311と、記憶部35内のサンプルエレベータリスト352とから、サンプルエレベータ1(k)の停止台数Nspを求める(ステップS1)。
続いて、サンプルエレベータの停止台数Nspと、あらかじめ設定した所定値Nsr(たとえば、サンプルエレベータの総台数Ns(本実施の形態1では「k」)の0.5%)とを比較し、サンプルエレベータの停止台数Nspが所定値Nsr以上であるか否かを判定する(ステップS2)。
ステップS2において、Nsp<Nsr(すなわち、NO)と判定されれば、予想対象地域における地震被害は非常に軽微であって、通常の保守体制で対応可能と考えられるので、出力部34での総被害状況341として、Nsp<Nsr(たとえば「予測被害台数が、全管理台数の0.5%以下」)であることを出力し(ステップS8)、地震被害予測装置の全体動作を終了する(ステップS9)。
一方、ステップS2において、Nsp≧Nsr(すなわち、YES)と判定されれば、サンプルエレベータの停止台数Nspをサンプルエレベータ数Nsで除算して、以下の式(3)のように、サンプルエレベータの停止率Psを求める(ステップS3)。
Ps=Nsp/Ns×100[%] ・・・(3)
続いて、サンプルエレベータの停止率Psから、前述の式(1)を用いて、予測対象地区全体の停止率Pyを算出する(ステップS4)。
さらに、サンプルエレベータの停止率Psから算出した予測対象地区全体の予測停止率Pyと、エレベータ保守会社の予測対象地域における全管理台数Nzとを乗算して、以下の式(4)のように、予測停止台数Nyを算出する(ステップS5)。
Ny=Nz×Py[%]/100 ・・・(4)
最後に、算出された予測対象地区全体の予測停止率Pyおよび予測停止台数Nyを、出力部34での総被害状況341として出力し(ステップS6)、総被害状況算出部321の処理を終了する(ステップS7)。
以下、地震発生から10分後に、(n−s+1)台のエレベータ1(n−s+1)に設置された自動通報装置12(n−s+1)は、地震感知器11(n−s+1)が動作したことを、一般公衆回線2を用いて、情報センタ100内の通報受信部30に通報する。これにより、通報受信部30は、自動通報装置12(n−s+1)からの通報を受信し次第、通報経過状況311にエレベータ1(n−s+1)の情報を追加する。
このとき、(s−1−k)台のエレベータ1−(k+1)〜1−(s−1)(以下、「エレベータ1(s−1−k)」という)は、地震感知器11(s−1−k)が作動していないので、通報受信部30への通報を行うことはない。
続いて、地震被害予測部32は、通報開始からの経過時間があらかじめ設定した所定値に達したことに応答して、または、入力部33からのユーザの指示に応答して、通報受信部30から通報経過状況取得部31に最新の通報経過状況311を読み込ませる。
また、地震被害予測部32は、入力部33からユーザが指定した体制別(区別や町名別などの行政単位別、または、エレベータ保守会社が定めた管理体制別など)での被害を算出するために、体制別被害状況算出部322を呼び出す。
次に、図4のフローチャートを参照しながら、体制別被害状況算出部322の動作について説明する。
図4において、体制別被害状況算出部322は、まず、通報経過状況311に記載された全エレベータが、ユーザが指定した体制区分のいずれの区分に該当するかを、記憶部35に保存されたエレベータ地震被害データベース351を用いて分類し(ステップS11)、この分類に基づく計算から体制別停止数Niを割り出す(ステップS12)。
続いて、通報経過状況311に登録されたエレベータ総数に対する各行政単位または各管理体制xの占有率を、個々の体制の受信比率Pxとして、行政単位または管理体制xの通報総数Nxと、i番目の行政単位または管理体制の通報総数Niとを用いて、以下の式(5)のように計算する(ステップS13)。
Px=Nx/ΣNi×100[%] ・・・(5)
式(5)から明らかなように、受信比率Pxは、予測対象地区に含まれるすべての行政単位または管理体制xに対して総和をとると、必ず100%となる。
なお、回線事業者が発信/着信制限している場合には、回線事業者ごとに発信/着信制限のタイミングが異なるとしても、制限される地域は、概して被災地域全域に及ぶことが多く、被災地域のうちの、たとえばある行政単位のみに規制がかかることは少ない。
したがって、回線事業者による発信/着信制限の影響は、通信異常の発生数および単位時間における全通信完了数にのみ現れ、行政単位別または管理体制別の受信比率Pxに及ぼす影響は小さいので、通報経過状況311から各行政単位または各管理体制xの被害状況を推測することは可能である。
上記式(5)により、すべての体制について受信比率Pxが計算されると、続いて、算出した体制別の受信比率Pxと総被害状況算出部321で算出した予測停止台数Nyとを乗算することにより、以下の式(6)のように、個々の体制別の予測停止台数Nxyを算出する(ステップS14)。
Nxy=Ny×Px[%]/100[台] ・・・(6)
最後に、上記式(5)、式(6)で算出した体制別の受信比率Pxおよび予測停止台数Nxyを、出力部34での体制別被害状況342として出力し(ステップS15)、体制別被害状況算出部322の処理を終了する(ステップS16)。
なお、上記説明では、総被害状況算出部321の処理終了後に、時間をあけて体制別被害状況算出部322を呼び出したが、総被害状況算出部321の処理終了直後に体制別被害状況算出部322を呼び出してもよい。
また、地震が大規模であって、体制別被害状況算出部322の処理終了後も、通報受信部30にて継続的に通報を受信している場合には、時間をあけて、体制別被害状況算出部322を繰り返し呼び出してもよく、これにより、出力部34での体制別被害状況342の予測精度を向上させることができる。
次に、地震被害予測部32は、通報経過状況311、エレベータ地震被害データベース351を読み込んで、停止予測現場リスト更新部323を呼び出す。
このとき、当該地震の状況として、震源位置や震源深さ、マグニチュード、各地の震度などが入手されていることが望ましい。
図5のフローチャートを参照しながら、停止予測現場リスト更新部323の動作について説明する。
図5において、停止予測現場リスト更新部323は、まず、入手した範囲内で、震源位置や震源深さ、マグニチュード、各地の震度など、当該地震の状況を読み込む(ステップS20)。
なお、当該地震の状況が電子化されていない場合には、入力部33を用いて、ユーザが当該地震の状況を入力してもよい。
続いて、エレベータ地震被害データベース351に記載された、過去の地震発生時の保守対応履歴を分析することにより得られた停止確率と相関の高い条件の個々について、エレベータ保守会社管理下にある全エレベータ数Nz、当該条件に該当する現場数Ng、通報経過状況311に記載された件数Nk、通報経過状況311に記載された件数Nkのうち当該条件に該当する現場数Naを、それぞれ求める(ステップS21)。
次に、エレベータ保守会社管理下にある当該条件に該当する管理現場比率Ng/Nzと、通報経過状況311に記載された当該条件に該当する被害現場比率Na/Nkとを比較し、被害現場比率Na/Nkが管理現場比率Ng/Nzよりも大きいか否かを判定する(ステップS22)。
ステップS22において、Na/Nk≦Ng/Nz(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、Na/Nk=Ng/Nzであるか否かを判定する(ステップS23)。
一方、ステップS22において、Na/Nk>Ng/Nz(すなわち、YES)と判定されれば、分析中の条件に該当する他のエレベータの停止確率が、平均的な地震に比べて高いと考えられるので、当該条件の管理現場比率Ng/Nzに対する当該条件の被害現場比率Na/Nkの割合γ(=(Na/Nk)/(Ng/Nz))にしたがい、当該条件に該当する管理現場の停止確率Pの引き上げ再計算を行う(ステップS24)。
具体的には、現場比率割合γとしきい値qとの比較結果に応じて、引き上げ前の停止確率Po、引き上げ上限Pτu、現場比率割合γおよびしきい値qを用い、γ<qの場合は以下の式(7)のように、γ≧qの場合は式(7’)のように、当該条件に該当する現場の停止確率Pを引き上げる。
P=Po+Pτu×γ/q (γ<q)・・・(7)
P=Po+Pτu (γ≧q)・・・(7’)
式(7)、(7’)による停止確率Pの計算は、当該条件に該当する全現場について行われる。
また、ステップS23において、Na/Nk<Ng/Nz(すなわち、NO)と判定されれば、分析中の条件に該当する他のエレベータの停止確率が、平均的な地震に比べて低いと考えられるので、比率割合γにしたがい、当該条件に該当する管理現場の停止確率Pの引き下げ再計算を行う(ステップS25)。
具体的には、現場比率割合γとしきい値qとの比較結果に応じて、引き下げ前の停止確率Po、引き下げ下限Pτd、現場比率割合γおよびしきい値qを用い、γ>qの場合は以下の式(8)のように、γ≦qの場合は以下の(8’)のように、当該条件に該当する現場の停止確率Pを引き下げる。
P=Po−Pτd×(1−γ)/(1−q) (γ>q) ・・・(8)
P=Po−Pτd (γ≦q) ・・・(8’)
一方、ステップS23において、Na/Nk=Ng/Nz(すなわち、YES)と判定されれば、停止確率Pの再計算処理(ステップS24、S25)は実行されない。
なぜなら、当該条件管理現場比率Ng/Nzと当該条件被害現場比率Na/Nkとが等しければ、分析中の条件に該当する他のエレベータの停止確率が、平均的な地震と同程度と考えられるので、停止確率Pの再計算が不要となるからである。
このように、ある1つの停止確率と相関の高い条件について、当該地震における停止確率Pの推定処理(ステップS21〜S25)を実行した後、他の停止確率と相関の高い条件があるか否かを判定し(ステップS26)、他の条件がある(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS21に戻り、他の条件について、上記処理(ステップS21〜S25)を繰り返し実行する。
一方、ステップS26において、他の条件がない(すなわち、NO)と判定されれば、あらかじめ得られていた停止確率と相関の高い全条件について処理が完了したので、通報経過状況311に記載されたすべての現場の停止確率を100%に変更する(ステップS27)。
最後に、ユーザが入力部33で指定した条件のエレベータ(たとえば、停止確率が70%以上の未復旧のエレベータなど)に関する情報を、出力部34での停止予測現場リスト343として出力し(ステップS28)、停止予測現場リスト更新部323の処理を終了する(ステップS29)。
なお、停止予測現場リスト343には、最低限として、エレベータの管理番号、号機番号、予測停止確率が含まれる。また、保守作業員への作業指示に必要な情報(物件所在地やエレベータ機種名など)が含まれてもよい。
また、地震が大規模であって、停止予測現場リスト更新部323の処理終了後も、通報受信部30で継続的に通報を受信している場合には、時間をあけて停止予測現場リスト更新部323を繰り返し呼び出してもよく、これにより、停止予測現場リスト343の停止確率の予測精度を向上させることができる。
以上のように、この発明の実施の形態1に係るエレベータの地震被害予測装置は、複数のエレベータの各エレベータを特定する情報と過去の地震における保守対応履歴とから得られたエレベータ地震被害データベース351を有する記憶部35と、複数のエレベータに関する通報経過状況を取得する通報経過状況取得部31と、エレベータ地震被害データベース351および通報経過状況311に基づいて地震被害を予測する地震被害予測部32と、記憶部35、通報経過状況取得部31に接続された通報受信部30とを備えている。
上記構成において、地震発生時に、サンプルエレベータからの通報完了後、かつサンプルエレベータ以外のエレベータからの通報を受信中に、地震被害予測部32内の総被害状況算出部321を用いて、通報受信部30で作成し通報経過状況取得部31に読み込ませた通報経過状況311から抜き出したサンプルエレベータ停止台数Ns(上記実施の形態1では、t台)と、式(3)および式(4)とから、予測対象地区全体の停止率Pyおよび予測対象地区全体の停止台数Nyを取得する。
同時に、体制別被害状況算出部322を用いて、エレベータ保守会社が定めた区分別での通報受信比率Pxを求め、通報受信比率Pxと停止台数Nyとを乗算して、式(6)から区分別の被害率および被害台数の少なくともいずれか1つを予測する。
これにより、エレベータに設置された自動通報装置との通信量を必要最低限に抑えつつ、地震の大小にかかわらず、自動通報装置からの通報が継続して通報受信部30に送信されている状態であっても、地震による被害を予測することが可能となり、地震被害規模に応じた復旧体制を早期に整えることができる。
また、その後、通報受信部30においてエレベータからの通報が継続して送信されている状態で、地震被害予測部32内の停止予測現場リスト更新部323を用いて、エレベータ地震被害データベース351に記載のエレベータ停止確率を、通報経過状況311の分析結果などに基づいて補正し、当該地震に特化した停止予測現場リスト343を取得する。
これにより、停止予測現場リスト343を用いて、復旧進捗率の管理や保守作業員の巡回計画作成などを早期に行うことが可能となり、地震発生から復旧完了までの時間をさらに短縮することができる。
すなわち、前述の特許文献1の手法では、弱震の被災地域において、中震の被災地域の運転状態収集完了後にようやく収集が開始するか、またはエレベータ利用者などからの通報がない限り、保守作業員が派遣されることはなく、エレベータが長時間停止したまま放置されることになり、被害の小さい地域にあるエレベータに対しては地震感知器の動作状況の収集が不十分となり、結果として、エレベータ復旧までに長時間を要していたが、上記のように復旧時間を短縮することができる。
また、前述の特許文献2の手法では、高ガルが検知された地域において、当該地域の実際の停止率に関わらず、全エレベータに対して保守作業員が派遣されるので、停止していないエレベータにも保守作業員を派遣することになり、復旧完了時間の長期化を招いていたが、上記のように復旧時間を短縮することができる。
さらに、前述の特許文献1では、一般公衆回線の集中混雑による輻輳(ふくそう)を回避する理由で回線事業者が発信/着信制限した場合の処置として、通信異常が大量に発生した場合に、当該地域のエレベータすべてに対して保守作業員を派遣する手法も提案しているが、通信異常の発生率と地震による被害状況とが一致するとは限らず、被害の些少な地域にも保守作業員を派遣することもあり得るので、必要のない人的リソースの投入や復旧完了遅延などを招いていたが、上記のように復旧時間を短縮することができる。
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1(図1)では、情報センタ100において、地震被害予測部32に停止予測現場リスト323を設け、出力部34に停止予測現場リスト343を設けたが、図6に示すように、停止予測現場リスト323および停止予測現場リスト343を削除してもよい。
図6はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの地震被害予測装置を示すブロック構成図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「A」を付して詳述を省略する。
図6において、情報センタ100A内の地震被害予測部32Aおよび出力部34Aは、前述(図1)の停止予測現場リスト更新部323および停止予測現場リスト343が削除されている。
この場合、地震被害予測部32A内の総被害状況算出部321および体制別被害状況算出部322は、通報経過状況取得部31内の通報経過状況311に基づく停止数予測処理のみを行い、予測停止率Pyおよび予測停止台数Ny(図3参照)と、体制別受信比率Pxおよび体制別予測停止台数Nxy(図4参照)とを算出する。
図6のように、通常の情報収集手段を用いても、被害状況の把握が可能な中規模以下の地震において、保守体勢の立案の早期化を図ることができる。
一般に、中規模以下の地震においては、復旧体勢を整えるまでに通報受信が完了することも多いので、通報経過状況取得部31内の通報経過状況311を、停止予測現場リスト343として代用することにより、前述の実施の形態1と同等の効果を奏することができる。
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1、2(図1、図6)では、特に言及しなかったが、図7に示すように、情報センタ100B内にサンプルエレベータリスト作成部36を設けるとともに、記憶部35B内に通報遅延時間設定リスト353を作成してもよい。
図7はこの発明の実施の形態3に係るエレベータの地震被害予測装置の全体を概略的に示すブロック構成図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「B」を付して詳述を省略する。
図7において、情報センタ100B内のサンプルエレベータリスト作成部36は、記憶部35B内のサンプルエレベータリスト352を自動的に作成するとともに、サンプルエレベータ以外のエレベータも含めた全エレベータ1(n)の通報遅延時間を計算し、記憶部35内に通報遅延時間リスト353を自動的に作成する。
次に、図8のフローチャートを参照しながら、図7に示したこの発明の実施の形態3に係るサンプルエレベータリスト作成部36の動作について説明する。
図8において、サンプルエレベータリスト作成部36は、まず、記憶部35B内のエレベータ地震被害データベース351から記憶情報を読み込み、サンプルエレベータの上限台数と、サンプルエレベータリスト352の選定条件から満たすべき条件とを、少なくとも1つ以上指定する(ステップS31)。
このとき、複数の選定条件を指定する場合は、選定条件の中で、さらに優先順位をつけてもよい。
続いて、ステップS31で指定したサンプルエレベータの上限台数を越えない範囲で、指定された条件を満たす現場を抽出し(ステップS32)、サンプルエレベータの選定時点までに発生した各地震に対して、予測停止率Pyとサンプルエレベータの停止率Psとの相関(前述の式(1)参照)を求める(ステップS33)。
次に、ステップS33で作成した相関式を用いて算出した、過去の複数の地震における予測停止率Pyと実際の停止率との誤差(残差)ΔPyの評価を行い(ステップS34)、誤差ΔPy(2乗和)が許容値以下に収まるか否かを判定する(ステップS35)。
ステップS35において、誤差>許容値(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS32に戻り、上記処理を繰り返し実行する。
一方、誤差≦許容値(すなわち、YES)と判定されれば、抽出したエレベータの情報をサンプルエレベータリスト352に出力する(ステップS36)。
こうしてサンプルエレベータの選定処理が終了すると、続いて、全エレベータ1(n)に対して通報遅延時間T(前述の式(2)参照)を計算する(ステップS37)。
最後に、全エレベータ1(n)について、管理番号、号機番号および通報遅延時間を、通報遅延時間リスト353に出力し(ステップS38)、サンプルエレベータリスト作成部36の処理を終了する(ステップS39)。
以上のように、この発明の実施の形態3に係るエレベータの地震被害予測装置は、記憶部35Bに接続されたサンプルエレベータリスト作成部36を備えており、サンプルエレベータリスト作成部36は、あらかじめ定められた条件に基づいてサンプルエレベータを選定し、サンプルエレベータリスト352と、複数のエレベータのそれぞれの通報遅延時間Tを記憶した通報遅延時間設定リスト353とを作成する。
これにより、サンプルエレベータの選定および遅延時間の設定を自動化することができるので、保守会社が管理するエレベータの台数や建物所在地、機種構成などに変化があった場合でも、迅速に適切なサンプルエレベータおよび通報遅延時間を設定することができる。
したがって、サンプルエレベータを使用した予測対象地区全体の停止率および停止数の予測精度を向上させることができる。
実施の形態4.
なお、上記実施の形態3(図7)では、特に言及しなかったが、図9に示すように、情報センタ100C内に通報遅延時間設定送信部37を設けるとともに、各エレベータ1C(n)内に通報遅延時間設定受信部13−1〜13−n(以下、総称して「通報遅延時間設定受信部13(n)」という)を設けてもよい。
図9はこの発明の実施の形態4に係るエレベータの地震被害予測装置の全体を概略的に示すブロック構成図であり、前述(図7参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「C」を付して詳述を省略する。
を示す。
図9において、情報センタ100Cは、記憶部35Bに接続された通報遅延時間設定送信部37を備えている。
また、n台のエレベータ1C(n)には、それぞれ、通報遅延時間設定受信部13(n)が設けられており、通報遅延時間設定受信部13(n)は、一般公衆回線2を介して、通報遅延時間設定送信部37からの送信情報を受信するように構成されている。
なお、ここでは、通報遅延時間設定送信部37は、各エレベータ1C(n)との接続ライン(図9内の破線参照)として、通報受信部30とは異なる回線で示しているが、通報受信部30と同様の一般公衆回線2を共有してもよい。
次に、この発明の実施の形態4による通報遅延時間設定送信部37の動作について説明する。
通報遅延時間設定送信部37は、記憶部35B内に通報遅延時間リスト353が作成されている状態で送信を開始する。
このとき、通報遅延時間リスト353においては、たとえば、1番目のエレベータ1C−1の通報遅延時間が「10分」と記載されている状態で、エレベータ1C−1の現在の通報遅延時間設定が「1分」となっているものとする。
通報遅延時間設定送信部37は、一般公衆回線2を通して、エレベータ1C−1に設置された通報遅延時間設定受信部13−1に対して、通報時間設定を「10分」に変更するように通信を行う。
通報遅延時間設定受信部13−1は、通報遅延時間設定送信部37からの通信を受信し次第、エレベータ1C−1の通報遅延時間設定を「1分」から「10分」に変更する。
以下、通報遅延時間設定送信部37は、通報遅延時間リスト353に記載された通報遅延時間設定受信部13(n)を持つすべてのエレベータに対して通信を行い、通報遅延時間設定を変更する。
これにより、エレベータ設置現場に保守作業員を派遣することなく、通報遅延時間の設定を自動的に変更することができる。なお、通報遅延時間設定送信部37と通報遅延時間設定受信部13(n)との通信処理は、複数日の夜間に分けて、通信負荷を分散させてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態4に係るエレベータの地震被害予測装置は、記憶部35Bに接続された通報遅延時間設定送信部37を備えており、通報遅延時間設定送信部37は、記憶部35Bに保存された通報遅延時間設定リスト353に基づいて、複数のエレベータ1C(n)のそれぞれに設置された通報遅延時間設定受信部13(n)に通報遅延時間設定を送信するようにしたので、各エレベータ1C(n)に遅延時間設定を自動送信することができる。
また、各エレベータ1C(n)の通報遅延時間を、情報センタ100C側(リモート)で設定することにより、通報遅延時間の設定を容易に行うことができる。
また、複数のエレベータ1C(n)は、前述と同様に、それぞれ地震感知器11(n)および自動通報装置12(n)を備えており、自動通報装置12(n)は、地震感知器11(n)に応動した通報遅延機能を有する。
また、通報遅延時間設定受信部13(n)は、通報遅延時間設定送信部37から通報遅延時間設定を受信して、自動通報装置12(n)の通報遅延時間設定を変更するので、各エレベータ1C(n)に遅延時間設定を自動送信することができる。
この発明の実施の形態1に係るエレベータの地震被害予測装置の全体を概略的に示すブロック構成図である。 図1内の通報受信部での通報受信数の特性波形の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る総被害状況算出部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る体制別被害状況算出部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る停止予測現場リスト更新部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係るエレベータの地震被害予測装置の全体を概略的に示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態3に係るエレベータの地震被害予測装置の全体を概略的に示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態3に係るサンプルエレベータリスト作成部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係るエレベータの地震被害予測装置の全体を概略的に示すブロック構成図である。
符号の説明
1−1〜1−n、1C−1〜1C−n エレベータ、2 一般公衆回線、3、3A、3B、3C 地震被害予測装置、11−1〜11−n 地震感知器、12−1〜12−n 自動通報装置、13−1〜13−n 通報遅延時間設定受信部、30 通報受信部、31 通報経過状況取得部、32、32A 地震被害予測部、33 入力部、34 出力部、35、35B 記憶部、36 サンプルエレベータリスト作成部、37 通報遅延時間設定送信部、100、100A、100B、100C 情報センタ、311 通報経過状況、321 総被害状況算出部、322 体制別被害算出部、323 停止予測現場リスト更新部、341 総被害状況、342 体制別被害状況、343 停止予測現場リスト、351 エレベータ地震被害データベース、352 サンプルエレベータリスト、353 通報遅延時間リスト。

Claims (6)

  1. 複数のエレベータの各エレベータを特定する情報と過去の地震における保守対応履歴とから得られたエレベータ地震被害データベースを有する記憶部と、
    前記複数のエレベータに関する通報経過状況を取得する通報経過状況取得部と、
    前記エレベータ地震被害データベースおよび前記通報経過状況に基づいて地震被害を予測する地震被害予測部と、
    を備えたエレベータの地震被害予測装置であって、
    前記地震被害予測部は、体制別被害状況算出部を有し、
    前記体制別被害状況算出部は、前記通報経過状況から、エレベータ保守会社が定めた区分別での通報受信比率を求め、前記区分別の被害率または被害台数を予測し、
    前記記憶部、前記地震被害予測部および前記通報経過状況取得部に接続された通報受信部をさらに備え、
    前記通報受信部は、前記複数のエレベータにそれぞれ設置された自動通報装置からの通報を受信して、前記複数のエレベータの通報経過状況を作成する
    ことを特徴とするエレベータの地震被害予測装置。
  2. 前記記憶部は、前記複数のエレベータのうちのサンプルエレベータを記載したサンプルエレベータリストを有し、
    前記地震被害予測部は、総被害状況算出部を有し、
    前記総被害状況算出部は、前記通報経過状況から前記サンプルエレベータの停止率を算出し、前記サンプルエレベータの停止率から予測対象地域の総停止率または総停止数を予測することを特徴とする請求項に記載のエレベータの地震被害予測装置。
  3. 前記記憶部に接続されたサンプルエレベータリスト作成部を備え、
    前記サンプルエレベータリスト作成部は、あらかじめ定められた条件に基づいて前記サンプルエレベータを選定し、前記サンプルエレベータリストを作成することを特徴とする請求項に記載のエレベータの地震被害予測装置。
  4. 前記地震被害予測部は、停止予測現場リスト更新部を有し、
    前記停止予測現場リスト更新部は、前記通報経過状況と前記エレベータ地震被害データベースとを用いてエレベータの予測停止確率を補正し、当該地震における停止予測現場リストを作成することを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のエレベータの地震被害予測装置。
  5. 前記記憶部および前記地震被害予測部および前記通報経過状況取得部の少なくともいずれか1つに接続されて、各種情報を入出力するためのマンマシンインタフェース機能を有する入力部および出力部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のエレベータの地震被害予測装置。
  6. 複数のエレベータの各エレベータを特定する情報と過去の地震における保守対応履歴とから得られたエレベータ地震被害データベースを有する記憶部と、
    前記複数のエレベータに関する通報経過状況を取得する通報経過状況取得部と、
    前記エレベータ地震被害データベースおよび前記通報経過状況に基づいて地震被害を予測する地震被害予測部と、
    を備えたエレベータの地震被害予測装置であって、
    前記地震被害予測部は、体制別被害状況算出部および停止予測現場リスト更新部を有し、
    前記体制別被害状況算出部は、前記通報経過状況から、エレベータ保守会社が定めた区分別での通報受信比率を求め、前記区分別の被害率または被害台数を予測し、
    前記停止予測現場リスト更新部は、前記通報経過状況と前記エレベータ地震被害データベースとを用いてエレベータの予測停止確率を補正し、当該地震における停止予測現場リストを作成するものであって、
    前記停止予測現場リスト更新部は、
    前記過去の地震発生時の保守対応履歴を分析することにより得られた停止確率と相関の高い条件の個々について、前記エレベータ保守会社管理下にある全エレベータ数Nz、当該条件に該当する現場数Ng、通報経過状況311に記載された件数Nk、通報経過状況311に記載された件数Nkのうち当該条件に該当する現場数Naを、それぞれ求め、
    前記エレベータ保守会社管理下にある当該条件に該当する管理現場比率Ng/Nzと、前記通報経過状況に記載された当該条件に該当する被害現場比率Na/Nkとを比較し、 被害現場比率Na/Nkが管理現場比率Ng/Nz以上の場合には、当該条件の管理現場比率Ng/Nzに対する当該条件の被害現場比率Na/Nkの現場比率割合にしたがい、当該条件に該当する管理現場の停止確率の引き上げ再計算を行い、
    被害現場比率Na/Nkが管理現場比率Ng/Nzよりも小さい場合には、前記現場比率割合にしたがい、当該条件に該当する管理現場の停止確率の引き下げ再計算を行う
    ことを特徴とするエレベータの地震被害予測装置。
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