JP5246537B2 - 光素子・電子部品実装ボード - Google Patents

光素子・電子部品実装ボード Download PDF

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Description

本発明は、光素子・電子部品実装ボードに関するものである。
光を情報伝送媒体とする光通信分野においては、光ファイバ等により伝送される光信号を受信または送信するため、光信号と電気信号とを相互に変換する光素子を備えた光モジュールが用いられている。電気信号から光信号への変換には、垂直共振器表面発光レーザ(Vertical cavity surface-emitting Laser:VCSEL)に代表される面発光素子が用いられ、光信号から電気信号への変換には、PINフォトダイオードに代表される面受光素子が用いられており、これらの光素子は基板に対して電気的に接続され、光ファイバ等は光素子に対して光学的に接続される。
このような光モジュールは、光素子・電子部品実装ボード(プリント配線板)上において光ファイバ等の光配線をする際の作業性や、保守交換の容易性などの点から、光ファイバ等の光伝送体がコネクタを介して着脱可能であることが望ましい。
また、光素子に光ファイバ等を着脱する場合、光素子・電子部品実装ボードに対して水平方向に着脱する構造にすると、光素子を搭載した部品の周辺に光ファイバ等を着脱する作業用のスペースを設けざるを得ないことから、そのスペースには他の部品を実装できず、実装密度を上げられないという問題がある。したがって、光ファイバ等の着脱は光素子・電子部品実装ボードに対して垂直方向に行うことができることが望ましい。
従来、このような要求に対応するものとして、光素子をその受発光面が光素子・電子部品実装ボードに対して水平になるように搭載すると共に、光ファイバ等の端面に反射ミラー等を設けて光軸を垂直に変換したコネクタを用いることで、光ファイバ等と光素子とを垂直方向へ着脱自在に光学的に接続する光モジュールが提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−65358号公報
上記光モジュールによれば、光ファイバ等の着脱を光素子・電子部品実装ボードに対して垂直に行うことができるため、光素子・電子部品基板の実装密度を上げることが可能である。しかしながら、依然として光素子・電子部品実装ボード上の光配線が複雑であり、情報処理容量の向上において更なる改善の余地があった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、光素子搭載基板および電子部品の簡易な実装を実現すると共に、情報処理容量の向上が可能な光素子・電子部品実装ボードを提供することを課題としている。
本発明は以下のことを特徴としている。
第1には、本発明の光モジュールは、光信号と電気信号を相互に変換する光素子を備えた光素子搭載基板および複数の電子部品が実装され、バックプレーンに略直角に取り付けられて光素子搭載基板が光接続されると共に電子部品が電気接続される光素子・電子部品実装ボードであって、
光素子搭載基板を配置する領域と複数の電子部品を配置する領域を分離し、光素子搭載基板に関する光伝送のための配線系統と電子部品に関する電気接続のための配線系統が分離されており、
前記光素子搭載基板は、異方導電性シートを介して実装されており、かつ、前記光素子搭載基板には、光伝送のための配線である光伝送体を保持する保持部材を備えた上部構造体が垂直方向に着脱自在に装着されており、
前記上部構造体の保持部材は、バックプレーンから光素子・電子部品実装ボードに略平行に光素子搭載基板までのびる光伝送体を先端近傍で略垂直に曲げて保持し、光伝送体の先端面が光素子の受光・発光面と対向する様に位置決め固定する機構を備えており、
光伝送体の後端を収納するコネクタは、バックプレーンの光コネクタに接続されて、光素子搭載基板の光配線がなされることを特徴とする。
第2には、上記第1の発明において、光伝送体を略垂直に曲げて保持し、光伝送体の先端面が光素子の受光・発光面と対向する様に位置決め固定する機構は、保持部材の上側部材の下面ガイド溝と、保持部材の下側部材の光伝送体保持面との間で、光伝送体を円弧状に曲げられた状態で挟み込んで保持するように構成されていることを特徴とする。
第3には、上記第1又は第2の発明において、光伝送体を保持する保持部材を備えた上部構造体が、光素子搭載基板に対して垂直方向に着脱自在に装着される機構は、
保持部材の上側部材の上面の光伝送体と平行な両側周縁部には、当該周縁部に沿ってテーパ面を成す一対の肩部が設けられており、
保持部材の下側部材と組み合わせてから、光素子・電子部品実装ボードの光素子搭載基板の周りに固定されている嵌合部材に嵌め込むと、嵌合部材の上部に設けられた一対の突条部が保持部材の肩部に当接して下方に押圧し、保持部材が光伝送体を円弧状に曲げられた状態で挟み込んで保持する状態を維持しつつ装着されるように構成されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、光素子搭載基板を配置する領域と複数の電子部品を配置する領域を分離し、光素子搭載基板に関する光伝送のための配線系統と電子部品に関する電気接続のための配線系統を分離させたことにより、光素子搭載基板と電子部品が混載した光素子・電子部品実装ボードの構造をシンプルなものとし、光素子搭載基板および電子部品の簡易な実装を実現することができる。また、これにより実装密度を高めることでき、情報処理容量の向上が可能になる。
第2の発明によれば、光素子搭載基板および複数の電子部品が共に一括してリフローされて実装されていることにより、通常の電気のプリント基板の感覚で光素子・電子部品実装ボードを取り扱うことができる。よって、光素子が搭載されているボードであっても、取り扱いが簡便になる。
第3の発明によれば、光光伝送体および当該光伝送体を保持する保持部材を備えた上部構造体が光素子・電子部品実装ボードに対して垂直方向に着脱自在に光素子搭載基板に装着されて上部構造体の保持部材で保持された光伝送体の一端と光素子搭載基板の光素子が光学的に接続されると共に、前記光伝送体の他端を収納するコネクタがバックプレーンに接続されることにより、光素子・電子部品実装ボードにおける光素子搭載基板への光伝送体の光配線について3次元的構造配置が可能になる。したがって、さらに実装密度を高めることができ、より一層情報処理容量の大容量化を図ることができる。また、光素子搭載基板周囲の電子部品に邪魔されることなく、光の入出力部の装着が容易になる。よって、光素子・電子部品実装ボードの取り扱いが容易になり、取り扱い性が向上する。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態における光素子・電子部品搭載ボードを示す斜視図である。
本実施形態の光素子・電子部品搭載ボード1は、たとえば筐体内に複数収容され、これら光素子・電子部品搭載ボード1に対して略直角にバックプレーン80が配置されてルータやサーバ等の情報処理装置を構成する。
図1に示すように、光素子・電子部品搭載ボード1は、光素子(図1では図示なし)が搭載された光素子搭載基板30と電子部品2がそれぞれ基板70上に複数実装されている。光素子は、光ファイバ7等の光伝送体より伝送される光信号を受信または送信するため、光信号と電気信号を相互に変換するものであり、単一の受発光面を有するものの他、複数の受発光面がアレイ状等に配置された一体のものが含まれる。光素子の具体例としては、VCSEL等の面発光素子、PINフォトダイオード等の面受光素子が挙げられるが、これら面発光素子および面受発光素子の受発光面がアレイ状に配置された一体のものであってもよい。光伝送体には、ガラス製、樹脂製等の光ファイバ、樹脂製等の光導波路などが含まれる。以下の実施形態では光ファイバを用いた例を説明するが、本発明において適用される光伝送体はこれに限定されるものではなく、光導波路等のように、光伝送路を構成する各種のものを適用することができる。
本実施形態の光素子・電子部品搭載ボード1は、光素子搭載基板30を配置する領域Aと電子部品2を配置する領域Bとに分けられ、それぞれの領域に光素子搭載基板30および電子部品2が各々搭載されている。ここで、光素子搭載基板30は電子部品2と共に基板70上に一括してリフローされてBGA(Ball grid array)実装されている。基板70の後端には電子部品2に電気接続された電気コネクタ4aが実装されており、バックプレーン80に設けられた電気コネクタ4bと電気接続されるようになっている。一方、光素子搭載基板30の上部には複数本の光ファイバ7が並列してなるテープファイバ8が保持された上部構造体5が基板70に対して垂直方向に装着されて、これら光ファイバ7の一端が光素子搭載基板における光素子と光学的に接続されるようになっている。上部構造体5に保持されたテープファイバ8は基板70に対して略水平方向にバックプレーン80まで延び、その端部には、複数の光ファイバ7が配列して収納される光コネクタ3aが設けられており、これに対応するバックプレーン80の光コネクタ3bに接続されて光素子搭載基板30が光接続されるようになっている。
このように本実施形態では、光素子搭載基板30と電子部品2が混載した光素子・電子部品実装ボード1において、光素子搭載基板30を配置する領域Aと複数の電子部品を配置する領域Bを分離し、光素子搭載基板30に関する光伝送のための配線系統と電子部品2に関する電気接続のための配線系統を分離しているため、簡易な実装で光素子搭載基板30の光配線と電子部品2の電気配線を有効に行うことができ、これにより実装密度を高めて情報処理容量の向上を図ることが可能になる。また、後述する上部構造体5を装着する前に、光素子搭載基板30および電子部品2が共に一括してリフローされて実装されていることにより、通常の電気のプリント基板の感覚で光素子・電子部品実装ボード1を取り扱うことができ、よって、光素子が搭載されているボードであっても、取り扱いが簡便になる。また、光素子搭載基板30の光配線に際しては、光素子搭載基板30の上部に複数の光ファイバ7が保持された上部構造体5が装着されて光ファイバ7と光素子とが光学的に接続されるようになっている。このとき、上部構造体5の光素子搭載基板30への装着は基板70に対して垂直方向に着脱自在とされるので、光素子搭載基板30の周辺に光ファイバ7等を着脱する作業用のスペースが不要になるほか、光素子搭載基板30周囲の電子部品に邪魔されることなく、光の入出力部の装着が容易になる。このように光素子搭載基板30における光素子と光接続するための光ファイバ7の3次元的構造配置が可能になると基板70上の実装密度を高めることが可能になり、より一層情報処理容量の大容量化を図ることができる。また、光素子・電子部品実装ボードの取り扱いが容易になり、取り扱い性が向上する。
以下に、上部構造体について具体的に説明する。図2は、本発明の一実施形態における光素子・電子部品実装ボードの要部拡大図であり、基板と光素子搭載基板および上部構造体が切り離した状態を示しており、図3は光素子搭載基板が基板上に実装され、上部構造体が光素子搭載基板の上部に装着した状態を示している。
図2に示すように、本実施形態の光素子・電子部品実装ボード1は、光素子40を搭載した光素子搭載基板30と、異方導電性シート60と、嵌合部材50と、図示しない電子部品とを基板70(プリント配線板あるいはボード)上に備えており、光素子搭載基板30の上部に光ファイバ7が保持部材6により保持された上部構造体5が装着される。
この光素子・電子部品実装ボード1は、基板70上の嵌合部材50内の開口部51に異方導電性シート60を配置し、その上に光素子搭載基板30を配置し、さらにその上から上部構造体5を垂直に嵌めこんで図3に示すように装着することにより、上部構造体5の光ファイバ7と光素子搭載基板30の光素子40が光学的に接続し、光素子搭載基板30と基板70が異方導電性シート60を介して電気的に接続されるようになっている。図3に示す光素子搭載基板に上部構造体が装着された状態は、全体として、たとえば幅10mm×10mm、厚さ6.4mmのコンパクトなサイズとなっている。
図4(a)は上部構造体5の上面図、図4(b)は下面図、図4(c)は側面図である。上部構造体5は、樹脂製の保持部材6の背面から、複数本(本実施形態では12本)の光ファイバ7が並列したテープファイバ8が保持部材6内に水平に入り込み、保持部材6内で光ファイバ7が円弧状に曲げられて図4(b)に示すように光ファイバ7の端面7aが保持部材6の下面から垂直に露出した構造を有している。なお、図示しないが、テープファイバ8の他端は、複数本の光ファイバ7が並列されて収納される光コネクタが設けられており、これに対応するバックプレーンの光コネクタに接続されるようになっている。
保持部材6の上面における光ファイバ7と平行な両側周縁部には、当該周縁部に沿ってテーパ面を成す一対の肩部12が設けられており、図2の嵌合部材50内に嵌め込んで装着したときに嵌合部材50の上部に設けられた一対の突条部52が保持部材6の肩部12に当接して下方に押圧するようになっている。
また、図4(b)に示すように、保持部材6の下面における前方側には、保持部材6の両側面側の対称位置に2つの位置決め穴11が設けられており、図2の嵌合部材50内に嵌め込んで装着したときに、光素子搭載基板30に立設された位置決めピン42が保持部材6の位置決め穴11に挿入されて上部構造体5と光素子搭載基板30とが水平方向に位置決めされるようになっている。
保持部材6は、図5(a)および図5(b)に示すように上側部材10と下側部材20とから構成されており、上側部材10と下側部材20によって光ファイバ7を挟み込んで保持するようになっている。図5(b)に示すように、上側部材10の下面側には光ファイバ7の円弧形状に対応した曲面上に、たとえば断面V字状などのガイド溝14が平行に設けられており、これらのガイド溝14のそれぞれに光ファイバ7が1本ずつ配置され案内されるようになっている。
一方、図5(a)に示すように、下側部材20の上面側には光ファイバ7の円弧形状に対応した曲面を成す光ファイバ保持面22が設けられており、上側部材10と下側部材20によって光ファイバ7を挟み込むことにより、上側部材10のガイド溝14と下側部材20の光ファイバ保持面22との間で光ファイバ7を円弧状に曲げられた状態で保持するようになっている。
上部構造体5を組み立てる際には、上側部材10の両側面部に設けられた2つの係合穴13に下側部材20の両側面部に設けられた2つの係合爪21を係合させることにより上側部材10と下側部材20を互いに固定した後、光ファイバ7のテープファイバ8から露出して1本ずつに分かれた先端側部分を、上側部材10のガイド溝14に沿って挿入し、複数の光ファイバ7の端面7aを治具等を用いて揃え、接着剤により固定する。このようにして作製された上部構造体5の上側部材10、光ファイバ7、および下側部材20の配置状態を図6(a)および図6(b)に示す。
図6(b)に示すように、保持部材6に保持された光ファイバ7は、円弧状に曲げられることにより、水平な外部側光軸65aから下方へ向かう光素子側光軸65bへ光軸方向が変換されている。円弧部分の曲率半径Rは、たとえば1〜3mmと小さく、上部構造体5の上下方向が低背化され、かつ、水平方向も小型化されている。
このように光ファイバ7の円弧部分の曲率半径Rを小さくするために、光ファイバ7として直径80μmのガラスファイバを用いている。一般的に多く用いられているガラスファイバの直径は125μmであるが、このような細径のガラスファイバを用いることで、信号光の外部への漏れを抑制することができる。また、光ファイバ7の強度を確保し、一ずれを抑制するために、ガラスファイバの外周部に厚さ22.5μmの樹脂被覆を設けている。
図7は、光素子搭載基板30の上面側斜視図である。同図に示す光素子搭載基板30は、外周部に沿って壁部32が立設された箱状のセラミック基板31を備えており、セラミック基板31上の前方側の位置には光ファイバ7と同数の光素子40が並んで搭載されている。これらの複数の光素子40は、面発光素子のVCSELと面受光素子のPINフォトダイオードから構成されている。壁部32の上面32aは光学的基準面を構成しており、上部構造体5の下面に当接することにより、光ファイバ7の端面7aと光素子40とが垂直方向に位置決めされる。
セラミック基板31上における光素子40の後方には、光素子40のドライバ集積回路装置41が搭載されており、光素子40とドライバ集積回路装置41はボンディングワイヤによって接続されている。その他、セラミック基板31上には他の電子部品が搭載されていると共に、セラミック基板31上の電子部品は、プリント配線33等から、図示はしないが、セラミック基板31を貫通するスルーホールを介して、セラミック基板31の裏面に設けられたピッチ500μm、直径300〜350μm、高さ10μmのパッド電極に電気的に接続されている。
セラミック基板31上における光素子40の両側の位置には、突出高さ2mm、突出部分の直径0.7mmの一対の位置決めピン42が立設されており、これらの位置決めピン42が上部構造体5の位置決め穴13に挿入されることにより光素子搭載基板30と上部構造体5が水平方向に位置決めされるようになっている。
図8(a)は、嵌合部材50を上方側から見た斜視図、図8(b)は下方側から見た斜視図、図9(a)は上面図、図9(b)は下面図である。嵌合部材50は、金属等の剛性および弾性を有する材料から形成されており、その底部には略正方形の開口部51が設けられている。開口部51の左右の辺は垂直に折り曲げられて上方に延び、その上端部には内方に突出した突条部52が形成されている。
嵌合部材50の側面部には、開口部51の4辺それぞれの中央部から垂直に折り曲げられて上方に延びる側板部53が立設されている。これらの側板部53は、上部構造体5を装着したときに保持部材6の外周部が当接して上部構造体5の水平方向の位置を規制し、これにより、光素子搭載基板30の位置決めピン42が上部構造体5の位置決め穴11に挿入されることで上部構造体5に対して位置決めされた光素子搭載基板30を、間接的に、基板70に対して水平方向に、光素子搭載基板30の裏面電極と基板70のパッドが重なる適切な精度、たとえば50〜100μm以下の精度で位置決めされる。
嵌合部材50の下面には、4隅の近傍の対称位置に突起部54が設けられており、嵌合部材50は基板70に対して突起部54で当接して絶縁性接着剤などを用いて固定されている。これにより、嵌合部材50の下面と基板70の上面とが所定間隔、たとえば150μm程度もしくはそれ以上の間隔をおいて離間するようになっている。金属などの導電性材料で形成された嵌合部材50を基板70に対して面接触で固定した場合、電気的な反射やノイズなどにより基板70上の信号伝送に影響し、それにより光モジュール1の動作性能に影響する場合があるが、突起部54を設けて嵌合部材50の下面と基板70の上面とを離間させることにより、これらの影響を回避することができる。
図2の異方導電性シート60は、加圧によって垂直方向への導通が確保されるものであり、特に制限なく各種のものを用いることができるが、たとえばシリコーンゴムなどの弾性をもつ絶縁性基材に、金属等の導電性粒子が分散されたもの、あるいは導電性の線材を埋設したものなどを用いることができる。絶縁性基材上に導電性のパッドが設けられたものを用いるようにしてもよい。異方導電性シート60の厚さは、たとえば0.1〜1mmである。
以上の構成を備えた光素子・電子部品実装ボード1を図2のように光接続および電気接続が切り離された状態から図3のように光接続および電気接続をした状態に組み立てる際には、まず図1の基板70上に固定された嵌合部材50の開口部51内に異方導電性シート60を配置する。次いでその上に光素子搭載基板30を配置し、さらにその上から上部構造体5を嵌合部材50に垂直に嵌め込む。
このとき、光素子搭載基板30の位置決めピン42が上部構造体5の位置決め穴11に挿入されて、光素子搭載基板30に対して上部構造体5が水平方向に所定の精度、たとえば3〜5μmの精度で位置決めされると共に、保持部材6の側面が側板部53に規制されて、光素子搭載基板30が基板70に対して間接的に水平方向に位置決めされる。基板70上には、ピッチ500μm、直径300〜350μm、高さ100μmのはんだバンプが形成されており、これらのはんだバンプに対して、光素子搭載基板30の下面に設けられたピッチ500μm、直径300〜350μm、高さ10μmの裏面電極が位置合わせされる。
そして、嵌合部材50の弾性により上部構造体5は下方に押圧され、これにより異方導電性シート60が加圧されて導通状態となる。これにより、異方導電性シート60を介して光素子搭載基板30の裏面電極と基板70上のはんだバンプとが電気的に接続される。
また、光素子搭載基板30の位置決めピン42が上部構造体5の位置決め穴11に挿入されることにより、図10の断面図に示すように光ファイバ7の端面7aと、光素子40との水平方向の位置決めがされると共に、保持部材6の下面6aと光素子搭載基板30の壁部32の上面32aとが当接することにより、光ファイバ7の端面7aと、光素子40との垂直方向の位置決めがされて、これらが光学的に接続される。
このようにして、光素子・電子部品実装ボード1は図3に示す状態で垂直方向へ電気的および光学的に接続され、光ファイバ7を通じて外部との間で伝送される光信号の送受信が可能な状態とされる。
そして、たとえば保守交換時などにおいては、上部構造体5を嵌合部材50から垂直に抜き出すことで光接続を容易に切り離すことができ、次いで光素子搭載基板30を異方導電性シート60上から垂直に取り出すことで電気接続を容易に切り離すことができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。たとえば、上記の実施形態では、嵌合部材50を用いて上部構造体5を垂直方向へ着脱自在に装着し、光素子搭載基板30の光素子40に対して上部構造体5の光伝送路を光学的に接続するようにしたが、このような機能を有する装着体として、たとえば基板70に嵌合穴を設けると共に、上部構造体5にラッチ構造を設けて、上部構造体5のラッチ構造を、装着体である基板70の嵌合穴に嵌合させて装着するようにしてもよい。また、嵌合部材50や異方導電性シート60を用いることなく、光素子搭載基板30を基板70に直接、半田にて電気的に接続し、その後に光素子搭載基板30の上部に上部構造体5を装着するようにしてもよい。
上部構造体5において光伝送路の光軸を垂直に変換した構造としては、図11に示すように、水平に保持した光ファイバ7の端面7aに45度の角度をもつ光反射面71を配置して、信号光を光反射面71で反射させることで外部側光軸65aと光素子側光軸65bとを垂直に変換するものであってもよい。
光素子40として、レーザダイオードなどのVCSEL以外の面発光素子を用いてもよ
く、PINフォトダイオード以外の面受光素子を用いるようにしてもよい。
図1は、本発明の一実施形態における光素子・電子部品搭載ボードを示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態における光素子・電子部品実装ボードの要部拡大図である。 図3は、上部構造体が光素子搭載基板の上部に装着した状態を示す斜視図である。 図4は、上部構造体を示した図であり、(a)は上面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。 図5は、保持部材の上側部材および下側部材を示した図であり、(a)は上面側の斜視図、(b)は下面側の斜視図である。 図6は、上部構造体の上側部材、光ファイバ、および下側部材の配置状態を示した図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 図7は、光素子搭載基板の斜視図である。 図8は、嵌合部材を示した図であり、(a)は上方側から見た斜視図、(b)は下方側から見た斜視図である。 図9は、嵌合部材を示した図であり、(a)は上面図、(b)は下面図である。 図10は、上部構造体と光素子搭載基板とが光接続された状態を示す断面図である。 図11は、本発明における上部構造体の他の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 光素子・電子部品実装ボード
2 電子部品
3a,3b 光コネクタ
4a,4b 電気コネクタ
5 上部構造体
6 保持部材
6a 下面
7 光ファイバ
7a 端面
8 テープファイバ
10 上側部材
11 位置決め穴
12 肩部
13 係合穴
14 ガイド溝
20 下側部材
21 係合爪
22 光ファイバ保持面
30 光素子搭載基板
31 セラミック基板
32 壁部
32a 上面
33 プリント配線
40 光素子
41 ドライバ集積回路
42 位置決めピン
50 嵌合部材
51 開口部
52 突条部
53 側板部
54 突起部
60 異方導電性シート
65a 外部側光軸
65b 光素子側光軸
70 基板
71 光反射面
80 バックプレーン

Claims (3)

  1. 光信号と電気信号を相互に変換する光素子を備えた光素子搭載基板および複数の電子部品が実装され、バックプレーンに略直角に取り付けられて光素子搭載基板が光接続されると共に電子部品が電気接続される光素子・電子部品実装ボードであって、
    光素子搭載基板を配置する領域と複数の電子部品を配置する領域を分離し、光素子搭載基板に関する光伝送のための配線系統と電子部品に関する電気接続のための配線系統が分離されており、
    前記光素子搭載基板は、異方導電性シートを介して実装されており、かつ、前記光素子搭載基板には、光伝送のための配線である光伝送体を保持する保持部材を備えた上部構造体が垂直方向に着脱自在に装着されており、
    前記上部構造体の保持部材は、バックプレーンから光素子・電子部品実装ボードに略平行に光素子搭載基板までのびる光伝送体を先端近傍で略垂直に曲げて保持し、光伝送体の先端面が光素子の受光・発光面と対向する様に位置決め固定する機構を備えており、
    光伝送体の後端を収納するコネクタは、バックプレーンの光コネクタに接続されて、光素子搭載基板の光配線がなされることを特徴とする光素子・電子部品実装ボード。
  2. 光伝送体を略垂直に曲げて保持し、光伝送体の先端面が光素子の受光・発光面と対向する様に位置決め固定する機構は、保持部材の上側部材の下面ガイド溝と、保持部材の下側部材の光伝送体保持面との間で、光伝送体を円弧状に曲げられた状態で挟み込んで保持するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光素子・電子部品実装ボード。
  3. 光伝送体を保持する保持部材を備えた上部構造体が、光素子搭載基板に対して垂直方向に着脱自在に装着される機構は、
    保持部材の上側部材の上面の光伝送体と平行な両側周縁部には、当該周縁部に沿ってテーパ面を成す一対の肩部が設けられており、
    保持部材の下側部材と組み合わせてから、光素子・電子部品実装ボードの光素子搭載基板の周りに固定されている嵌合部材に嵌め込むと、嵌合部材の上部に設けられた一対の突条部が保持部材の肩部に当接して下方に押圧し、保持部材が光伝送体を円弧状に曲げられた状態で挟み込んで保持する状態を維持しつつ装着されるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光素子・電子部品実装ボード。
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