以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、ジョブの実行条件を再利用するジョブログデータ利用システム300の概略構成図の一例を示す。画像形成装置100Aと画像形成装置100B〜100Eとがネットワーク201を介して接続されている。
以下、複数の画像形成装置を区別しない場合、画像形成装置100といい、ユーザがその時、ジョブを実行しようとしている画像形成装置100を画像形成装置100Aとする。また、画像形成装置100がジョブの実行の度に記憶する実行条件などを含む1レコードのデータをジョブログデータといい、蓄積された複数のジョブログデータの総称をジョブログという。
1)ユーザが画像形成装置100Bでコピーなどのジョブを実行すると、ジョブログデータが画像形成装置100Bに蓄積される。ジョブログデータには、実行条件に加えユーザ名等が登録されている。
2)その後、ユーザが画像形成装置100Aでジョブを実行する場合、ユーザは画像形成装置100Bにログ検索情報を送信する。ログ検索情報は、画像形成装置100Bに蓄積されたジョブログから、例えばユーザ名をキーにジョブログを検索するための情報であるので、画像形成装置100Bはユーザ名をキーにジョブログを検索して同じユーザのジョブログデータを抽出する。
3)画像形成装置100Bは抽出した1以上のジョブログデータを画像形成装置100Bに送信する。なお、画像形成装置100C、D、Eからも同様にジョブログデータを取得することができるが、ここでは省略した。
4)画像形成装置100Aは、受信したジョブログデータを用いて実行情報を生成する。実行情報が含む実行条件は操作パネル24に表示されるので、ユーザはそのまま(ジョブの実行条件を入力することなく)ジョブを実行することができる。
5)画像形成装置100Aは、ジョブの実行に基づきジョブログデータを蓄積する。蓄積の際は、画像形成装置100Aは、蓄積するジョブログデータを画像形成装置100Bに蓄積されているジョブログデータと関連づける。このような関連付けの作業により、実行条件が同じジョブログデータが数多く蓄積されても、ジョブログデータの検索の処理負荷が増大することを防止できる。
6)なお図1では、画像形成装置100Bを直接操作してジョブを実行した際のジョブログデータを例に説明したが、コンピュータ200が画像形成装置100Bに印刷データを送信して、画像形成装置100Bがジョブを実行した場合も、画像形成装置100Bはジョブログデータを蓄積する。すなわち、本実施形態のジョブログデータの再利用方法は、画像形成装置100Aを直接操作してもコンピュータ200から印刷しても、その際に蓄積されるジョブログデータの全てに対し適用可能である。
したがって、本実施形態の画像形成装置100Aは、ユーザが例えば実行しようとするジョブを選択するだけで(ユーザ名はログインにより自動的に取得されている)、所望の実行条件でジョブを実行することができる。
図2は、ジョブ実行方法をより具体的に説明するシーケンス図の一例である。ここでは、ユーザがジョブログデータを選択する例を説明する。なお、図2では既に、画像形成装置100Bにユーザのジョブログデータが蓄積されている。
まず、画像形成装置100Aを使用する際、ユーザは画像形成装置100Aにログインする(S1)。これにより、画像形成装置100Aは、ユーザ名(例えば、「TOM」さん)を取得することができる。
ついで、ユーザは操作パネル24を操作してコピーというジョブを選択する(S2)。すると、画像形成装置100Aは、ログ検索情報を画像形成装置100Bに送信する(S3)。図示したログ検索情報には、ジョブの種別として「コピージョブ」、機種依存情報として「パンチ設定なし」、後述する「優先フラグ」及び「再利用回数1以上」が含まれる。
また、ログ検索情報には、ジョブログデータのソート条件を含むことができ、ソート条件により、画像形成装置100Bに検索にヒットする数多くのジョブログデータが蓄積されている場合にソートされる。これにより、ユーザが複数のジョブログデータから所望のジョブログデータを選択する際の操作性を向上させることができる。
画像形成装置100Bは、ログ検索情報を用いてジョブログを検索し、ヒットした1以上のジョブログデータを画像形成装置100Aに送信する(S4)。ここでは、最初のログ検索情報にヒットしたジョブログデータが100より多いものとする。
画像形成装置100Aは受信したジョブログデータをリスト状にして操作パネル24に表示する(S5)。ここで、ジョブログデータの数が多くユーザが所望のジョブログデータを見つけることができない等の場合には、ユーザは検索条件を追加することができる。図ではコピーのジョブにおいて「片面」から「両面」にコピーしたジョブログデータを検索するという検索条件が追加されている。
そして、画像形成装置100Aは、再度、ログ検索情報を画像形成装置100Bに送信する(S6)。図示するように、「片面→両面」の検索条件が追加されている。
画像形成装置100Bは、ログ検索情報を用いて再度、ジョブログを検索し、ヒットした1以上のジョブログデータを画像形成装置100Aに送信する(S7)。再度の検索により、「コピージョブ」「パンチ設定なし」「片面→両面」の条件を満たすジョブログデータが、ユーザのジョブログデータが優先的にソートされた状態(ユーザのジョブログデータが先頭になった状態)で、画像形成装置100Aに送信される。
ユーザは絞り込まれた1以上のジョブログデータから所望のジョブログデータを選択し、「Start」ボタンを押下する。これにより、画像形成装置100Aは選択されたジョブログデータを用いて実行条件を生成し、ジョブを実行する(S8)。また、画像形成装置100Aが実行したジョブのジョブログデータを蓄積する。
したがって、本実施形態の画像形成装置100は、他の画像形成装置100Bにすでに蓄積されたジョブログから実行条件を読み出して設定してジョブを実行することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
〔画像形成装置100〕
画像形成装置100について説明する。画像形成装置100は、例えば、プリンタ、複写機、スキャナ装置、ファクシミリ装置、及び、これらの機能の1以上を備えた複合機である。すなわち、スキャナ装置のように画像を形成しない機器も含まれる。
図3は、画像形成装置100のハードウェア構成図の一例を示す。画像形成装置100は、コントローラ9と、プロッタ27、スキャナ28、ファックスエンジン26、及びその他ハードウェアリソース29とがPCIバス、PCI−Xバス又はPCI−Express等のシリアルインターバスで接続された構成となる。また、コントローラ9には操作パネル24が接続されている。なお、図には、ログ取得サービスプログラム20を記憶したメモリカード30を示した。
コントローラ9は、画像形成装置100全体の制御、すなわち、ファックスエンジン26、プロッタ27,スキャナ28及びその他ハードウェアリソース29を用いて、原稿の読み取り、印刷、ファクシミリ送受信、操作パネル24からの入力等を処理する制御部である。
プロッタ27は、白黒プロッタ及び/又は1ドラムカラープロッタであり、印刷ジョブデータやスキャナ28が読み取った画像データに基づき、1ページ毎の画像を形成し、用紙に転写する。例えば、レーザービームを用いた電子写真プロセスを使って、感光ドラム等に形成したトナー画像を用紙に転写し、定着装置により熱と圧力により定着して出力する。
また、スキャナ28は、コンタクトガラスに載置された原稿を光学的に走査して、その反射光をA/D変換して誤差拡散やガンマ変換などの画像処理を施し所定の解像度のデジタルデータに変換し画像データを生成する。
ファックスエンジン26は、NCU(Network Control Unit)を介して公衆通信網に接続し、例えばG3、G4規格のファクシミリに対応した通信手順(通信プロトコル)等に従いファクシミリの送受信を行う。ファックスエンジン26は、画像データにデータ圧縮や変調等の信号処理を施して送信すると共に、相手先から受信した画像データにデータの伸長やエラー訂正等を施し画像データを復元する。
コントローラ9は、CPU11と、ノースブリッジ (以下、NB13という)と、システムメモリ(以下、MEM−P12という)と、サウスブリッジ (以下、SBという)と、ローカルメモリ(以下、MEM−C14という)と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(以下、HDD15という)と、NIC(Network Interface Card)18と、無線LANI/F19と、USBホスト22と、メモリカードI/F23と、を有する。なお、ASIC16とNB13の間はAGP(Accelerated Graphics Port)で接続されている。
CPU11は、MEM−P12、ASIC16、及び、NIC18等を結ぶバスに流通するデータの送信制御を行うNB13を介して、画像形成装置100の全体を制御する。
NB13は、CPU11とMEM−P12、AGPとを接続するためのブリッジICであり、MEM−P12は、画像形成装置100の描画用メモリなどとして用いるシステムメモリである。
MEM−C14は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いられるローカルメモリであり、ASIC16は、多数のレジスタや論理回路を備え、各モータドライバの制御部の他、ヘッドパルス生成部等として機能する。また、ASIC16は、AGP、HDD15およびMEM−C14をそれぞれ接続するブリッジの役割も果たす。
操作パネル24は、ユーザからの入力操作の受け付け並びにユーザに向けた表示をおこなう操作パネル24であり、本実施形態では、ジョブログデータの編集、検索対象機器の設定、ジョブログデータの選択等に使用される。なお、操作パネル24は、キーボードの他にタッチパネルを入力手段として有し、LCD(液晶ディスプレイ)等の表示部と兼用されている。
HDD15は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うための記憶手段(ストレージ)である。本実施例ではHDD15に、ジョブログデータを利用してジョブを実行するための機能を提供するログ取得サービスプログラム20が記憶されている。
AGPは、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、システムメモリに高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードの処理を高速化する。
NIC18は、例えばイーサネット(登録商標)に適合したLANインターフェイスであり、通信相手との間にデータリンクを構築し、上位のネットワーク層、トランスポート層にそれぞれ適合したプロトコル(TCP、IP等)を利用してデータを送受信する。
無線LANI/F19は、例えばIEEE 802.11a/b/g等の通信規格に準拠し、アクセスポイントに介してLAN等のネットワーク201に接続する。
IEEE1394I/F21は、IEEE1394の通信規格を備えた機器と通信するインターフェイスであり、複数台の機器をデイジーチェーン接続することができる。動画などのサイズの大きなデータを送信するのに適しており、接続される機器は、例えばデジタルカメラやビデオカメラ等である。
USBホスト22はUSBコントローラと呼ばれるICで、これをCPU11が実行するデバイスドライバ(ドライバソフトウェア)が制御してUSBI/Fを構成し、接続された例えばUSBメモリ8と通信する。同様に、メモリーカードI/F23は、メモリカード30からデータを読み出しまた記憶媒体にデータを書き込むインターフェイスである。メモリカード30は、例えばSDカード、マルチメディアカード、xDカード等である
図4は、画像形成装置100の機能ブロック図の一例を示す。画像形成装置100は、OS(Operating System)上で実行され、ハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービスからの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャ(SRM)と、SRM上で実行されるコントールサービスと、コントロールサービス上で実行されるアプリケーションと、を有する階層的なソフトウェア構成を実装している。このうち、図4には、アプリケーションに相当するスキャナアプリ31A、31B、FAXアプリ32A、32B、コピーアプリ33A、33B、Webアプリ34A、34Bを示した。また、ジョブログデータは、各画像形成装置100の例えばHDD15に実装されたジョブログDB36A、36Bに記憶されている。
また、画像形成装置100Aは、例えば、コントロールサービス又はアプリケーションに、ジョブログデータを要求するログ取得サービス35Aを有し、画像形成装置100Bは、例えば、コントロールサービス又はアプリケーションに、ジョブログデータを検索して送信するログ取得サービス35Bを有する。実際には、画像形成装置100A、Bは共通にログ取得サービス35Aと35Bを備える。
は、ログ取得サービス35A、35Bの機能ブロック図の一例を示す。ログ取得サービス35Aと35Bは、Webアプリ34A、34Bを介して通信する。各Webアプリ34A、34Bは、SOAP等のプロトコル、CORBA(Common Object Request Broker Architecture)やDCOM(Distributed Component Object Model)等の分散オブジェクト間通信の仕様に従い通信する。
図5は画像形成装置100A、100Bの機能をあくまで模式的に示したもので、Webアプリ34A、34Bをログ取得サービス35A、35Bとそれぞれ一体に示したが、これらは別体であってもよく、また、実行情報生成サービス43Aはコピーアプリ34A、FAXアプリ32A、スキャナアプリ31Aの各アプリケーションがそれぞれ有していてもよい。
ログ取得サービス35A、35Bは、CPU11がHDD15に記憶されたログ取得サービスプログラム20を読み出して実行することで実現される、マージソートサービス42、実行情報生成サービス43、ジョブログデータ表示サービス44、ログデータ編集サービス47、検索情報生成サービス45を有する。また、例えばHDD15には後述する機種情報46が記憶されている。
検索情報生成サービス45は、ユーザが実行するジョブの種別(すなわち、スキャナアプリ31、FAXアプリ32、コピーアプリ33等)やジョブにおいて利用可能な機能に応じて、ログ検索情報を生成する。ログ検索情報については後述する。
また、ジョブログデータ表示サービス44は、画像形成装置100Bから受信したジョブログデータを操作パネル24に表示する。後述するように、例えば、複数のジョブログデータをリスト状にして表示する。このとき、リスト状に表示するのでなく、実行条件を設定する設定画面に実行条件として表示することができ、実行情報生成サービス43はジョブログデータから、設定画面に表示する実行情報を生成する。
ログデータ編集サービス47は、画像形成装置100Bに蓄積されているジョブログデータを読み出し、ユーザが編集した後に、画像形成装置100Bに返送する。画像形成装置100Bのジョブログデータ編集サービス47(不図示)は返送されたジョブログデータを更新するので、ユーザは既に生成されているジョブログデータを編集することができる。
マージソートサービス42は、検索にヒットした複数のジョブログデータをソートし、また、マージすることができる。マージにより同じジョブログデータを1つにまとめることができ、ソートにより例えばユーザがよく使うジョブログデータを画面を切り替えることなく表示できるようになる。
また、ログ検索サービス41は、ログ検索情報を用いてジョブログDB36Bを検索する。
〔ジョブログデータ〕
ジョブログデータについて詳細に説明する。図6は、ジョブログデータに登録されるログ属性の一例を示す図である。
画像形成装置100毎にジョブログデータを一意に特定するための「ジョブログID」は、エラーなくコピー等が実行できた否かを示す「ジョブの実施結果」、ジョブを開始した時刻を示す「開始時刻」、そのジョブが終了した時刻を示す「終了時刻」、画像形成装置100を使用した(例えば、ログインした)ユーザの識別IDである「ユーザ名」、そのジョブの実行を要求した機器(操作パネル24やコンピュータ200)を示す「操作元情報」、コピージョブ、FAXジョブ、スキャナジョブ等のジョブを識別する情報である「ジョブの種別」、を含む。
また、「ジョブの実行条件」には、ジョブの種別に応じて実行条件を特定する情報が登録される。例えば、コピージョブには、部数、両面/集約、ステープル、パンチ位置、紙の種類、紙サイズ、の各情報が登録され、FAXジョブ(スキャン配信ジョブを含む)には、送信モード、宛先名称、宛先番号(電子メールアドレス)、回線種別、送信枚数、の各情報が登録される。
そして、本実施形態の画像形成装置100では、関連ログID以下に示した情報をジョブログの検索に用いる。関連ログIDは、画像形成装置100Bで実行して蓄積されたジョブログデータを適用して画像形成装置100Aで同じジョブを実行しジョブログデータを蓄積した場合に、2つのジョブログデータを関連付けるIDである。例えば、画像形成装置100BのジョブログデータのジョブログIDを、画像形成装置100Aのジョブログデータの関連ログIDに登録する。すでに、関連IDが登録されたジョブログデータを用いてジョブを実行して蓄積されるジョブログデータの関連IDには、同じ値を登録する。
優先フラグは、ジョブログデータを再利用するために優先的に検索対象としたいジョブログデータを指定するためのフラグである。ログ検索情報で、優先フラグがON(又は「1」)のみのジョブログデータを検索するように指定すれば、ユーザが優先フラグをONに設定しておいたジョブログデータのみを検索することができる。
使用不可フラグは、再利用する予定のないジョブログデータを指定するためのフラグである。特殊な実行条件でジョブを実行したような場合、使用不可フラグをONに設定することで、そのジョブログデータは検索対象に含まれず、画像形成装置100Aが受信するジョブログデータの数を低減することができる。
ジョブログの再利用回数には、そのジョブログデータが再利用された回数が登録される。したがって、よく使用されるジョブログデータであれば再利用回数が大きくなる。ここで、ジョブログの再利用回数は、関連ログIDにより関連付けられたジョブログデータがあっても、実際に再利用された画像形成装置100のジョブログデータの再利用回数のみがカウントアップされる。したがって、ジョブログデータを再利用して実行されたジョブに対し生成されたジョブログデータでは、ジョブログの再利用回数は「0(ゼロ)」から始まる。
ジョブログ利用制限には、ジョブログデータの再利用を制限するための情報が登録される。例えば、ユーザ名を登録することでユーザ毎の利用制限が可能となり、画像形成装置100の識別情報を登録することで画像形成装置毎の利用制限が可能となる。また、部署毎に利用制限してもよいし、期限情報を登録し期限により利用制限してもよい。
〔ジョブログデータの設定〕
図6に示したジョブログデータの各ログ属性のうち、ジョブログデータの再利用に関連するログ属性はいくつかの方法で設定することができる。編集するタイミングは、ジョブ実行前、ジョブ実行時、ジョブ実行後に大別できる。
図7(a)は、操作パネル24に表示されるジョブログ設定画面の一例を示す。操作パネル24からユーザが所定の操作を入力すると、このジョブログ設定画面が表示される。図示するように、「優先フラグ」設定メニュー61、「使用不可フラグ」設定メニュー62、「ジョブログの利用制限」設定メニュー63、のそれぞれについてON又はOFFを設定できるようになっている。
図7(a)のようにして設定しておいた初期設定の設定内容は、ユーザ名に対応づけて画像形成装置100に記憶される。したがって、ユーザが画像形成装置100でジョブを実行する際、ログインなどでユーザが特定されれば、そのユーザが実行して蓄積されるジョブログデータには、初期設定の設定内容にしたがい各ログ属性が設定される。
図7(b)は、ジョブ実行時に操作パネル24に表示されるジョブ実行画面の一例を示す。この画面はジョブ実行画面であるので、ジョブ実行の操作に伴い自動的に表示される。図示するように、図7(b)はコピージョブの際のジョブ実行画面である。コピージョブの実行時の画面であるため、コピージョブに特有の設定メニュー65と共に、図7(a)と同様の「優先フラグ」設定メニュー61、「使用不可フラグ」設定メニュー62、及び「ジョブログの利用制限」設定メニュー63が、表示されている。
スキャナジョブ又はFAXジョブの場合にも、それぞれジョブに特有の設定メニューと共に、再利用に関連するログ属性を設定する設定メニューが表示される。
図7(c)は、ジョブ実行後に操作パネル24に表示されるジョブログデータ編集画面の一例を示す。操作パネル24からユーザが所定の操作を入力すると、ログデータ編集サービス47は、ジョブログデータ編集画面を操作パネル24に表示する。画像形成装置100A、BのジョブログDB36A、36Bに記憶されているジョブログデータが読み出され、操作パネル24に表示される。
例えばユーザAがユーザBのジョブログデータを編集可能であると、ユーザBにとって不測の事態が生じるしユーザAがユーザBのジョブログデータを編集可能とする必要性は低いので、ジョブログデータ編集画面に表示されるジョブログデータは、画像形成装置100を操作している(ログインしている)ユーザのジョブログデータである。
図では、12件のジョブログデータのうち3件がリスト状に表示されており、スクロールバー66をユーザがスクロールさせると、操作パネル24に表示しきれないジョブログデータが表示される。また、図ではログ属性のうち「優先フラグ」「使用不可フラグ」及び「ジョブログの利用制限」が表示されているが、詳細表示ボタン67を押下することで、その他の全てのログ属性を表示することができる。
各ログ属性には、切り替えボタン69a〜69cが対応づけて表示されており、ユーザが切り替えボタン69a〜69cを押下すると(触れると)、操作する毎に各ログ属性で設定可能な状態に順番に切り替わる。例えば、「優先フラグ」「使用不可フラグ」では、切り替えボタン69a、69bを押下する毎にONとOFFが切り替わる。また、「ジョブロブの利用制限」では、切り替えボタン69cを押下する毎に、なし、他機器利用不可、他ユーザ利用不可のように、利用制限の対象が切り替えられる。
ユーザがジョブログデータを編集し、OKボタン72を押下すると、ログデータ編集サービス47は、変更されたログデータを、ジョブログIDと共に画像形成装置100Bに送信する。画像形成装置100BはジョブログIDによりジョブログデータを特定して更新する。
各ジョブログデータのより詳細なログ属性を表示したり、編集する場合、ユーザが選択ボタン68を選択した後、詳細表示ボタン67を選択することで、ジョブログデータの他のログ属性を表示することができる。なお、開始時刻や終了時刻のように編集が好ましくないログ属性は、表示されても編集できないようになっている。
ところで、蓄積したジョブログデータを編集する場合、操作パネル24から操作している画像形成装置100Aに蓄積されたジョブログデータのみを一覧表示してもよいし、ネットワーク201に接続された全ての画像形成装置100B〜100E等に蓄積されたジョブログデータを一覧表示してもよい。ジョブログデータの数が多ければ(多いと予想されれば)、操作パネル24から操作している画像形成装置100Aに蓄積されたジョブログデータのみを表示した方がユーザにとって便利である。一方、ジョブログデータをどの画像形成装置100に蓄積したかを忘れてしまった場合や数が少ない場合は、ネットワーク201に接続された他の画像形成装置100から、ジョブログデータを読み出して表示した方が便利である。このため、画像形成装置100Aはジョブログデータを編集する対象となる画像形成装置100A〜Eを選択することができる。
図8は、画像形成装置の対象機器設定画面の一例を示す図である。操作パネル24からユーザが所定の操作を入力すると、この対象機器設定画面が表示される。図では「現在操作中の機器」以外に、5つの「画像形成装置A〜E」が選択可能となっている。画像形成装置100Aは、ネットワーク201に接続された画像形成装置100B〜100Eを検出して、対象機器設定画面に表示する。
「現在操作中の画像形成装置」、「画像形成装置A〜E」には選択ボタン71が対応づけて表示されており、ユーザが選択ボタン71を押下することで、ジョブログデータの編集対象とする画像形成装置100を選択できる。選択後、OKボタン72をユーザが操作すると、画像形成装置100Aは選択された画像形成装置100B〜100Eからジョブログデータを読み出し、図7(c)のようなジョブログ設定画面を表示する。したがって、ユーザはジョブログデータを取得する画像形成装置100A〜Eを任意に確定することができる。
〔画像形成装置100の検索方法〕
ネットワーク201に接続された複数の画像形成装置100は、それぞれ実行可能なジョブが異なっていたり、印刷ジョブやコピージョブのように同じジョブを実行可能であってもステープルやパンチの有無など、複数の画像形成装置100の全てが同一のジョブを実行であるとは限らない。このため、ジョブログデータを検索する画像形成装置100を互いに登録しておくことができれば便利である。以下、画像形成装置100が実行可能なジョブやジョブ毎に可能な実行条件を登録した情報を機種情報46という。
例えば、画像形成装置100Bからジョブログデータを検索する場合、画像形成装置100Aには画像形成装置100Bの機種情報を登録しておく。予めジョブログデータの検索対象とする画像形成装置100Bの機種情報46を、各画像形成装置100Aに登録しておくことで、所望のジョブログデータを期待できない実行条件の場合、画像形成装置100Bにログ検索情報を送信することを防止できる。
機種情報46を画像形成装置100Aに登録する方法として例えば以下の3つの形態がある。
a1)ジョブログデータを検索する時に、検索対象の画像形成装置100を指定する。
図9(a)は、画像形成装置100Aの操作パネル24に表示された、検索対象指定画面の一例を示す。ユーザはホスト名をホスト名欄73に、又は、IPアドレスをアドレス欄74に入力して、OKボタン72を押下することで、ジョブログデータの検索対象とする所望の画像形成装置100を指定することができる。なお、一度指定した検索対象機器は画像形成装置100Aに登録することができる。この場合、ホスト名とIPアドレスは対応づけて画像形成装置100Aに記憶され、次回の検索ではいずれか一方により検索対象機器を特定することができる。
一度登録したが検索対象機器は、ジョブの実行時、ユーザの操作により図9(a)の検索対象指定画面が呼び出されると、例えば最後に使用した検索対象機器のホスト名がホスト名欄73に表示されまたIPアドレスがアドレス欄74に表示される。このホスト名又はアドレス欄を確認したユーザが、変更ボタン75又は76を押下することで、順次切り替えて、すでに登録されている検索対象機器のホスト名又はIPアドレスを表示することができる。
図9(b)は、画像形成装置100Aが画像形成装置100Bから機種情報46を取得する手順を示すシーケンス図の一例である。図9(a)に示した操作パネル24の指定画面において、ユーザがOKボタンを押下するか又はアドレスを入力してOKボタンを押下するとアドレスが確定され(S10)、アドレス確定通知がログ取得サービス35Aに通知される(S20)。
ログ取得サービス35Aは、そのアドレスにより特定される画像形成装置100Bのログ取得サービス35Bに機種情報取得要求を送信する(S30)。ログ取得サービス35Bは、予め記憶している機種情報46を読み出し、画像形成装置100Aのログ取得サービス35Aに送信する(S40)。
このように検索対象の画像形成装置100Bが指定されれば、画像形成装置100Aは画像形成装置100Bに機種情報46を送信するよう要求することができる。これにより、画像形成装置100Aにはあるが画像形成装置100Bにないジョブや実行条件を含むログ検索情報の送信、画像形成装置100Aにはないが画像形成装置100Bにはあるジョブや実行条件を含むジョブログデータの受信、を回避することができる。
a2)事前に検索対象とする複数の画像形成装置100を一括して登録しておく。
図10(a)は、画像形成装置100Aに登録されている画像形成装置100のIPアドレスが表示された検索機器指定画面の一例を示す図である。登録アドレス欄78の下には、検索対象として画像形成装置100Aに登録されている3つの画像形成装置100のIPアドレスが表示されている。登録されている画像形成装置100が4以上ある場合は、所定の操作により順次、画面を切り替えて表示することができる。また、図ではIPアドレスで画像形成装置100を示したが、ホスト名で表示してもよいし、両者を切り替えて表示可能となっていてもよい。
ユーザは登録アドレス欄78のIPアドレスを確認して、所望の画像形成装置100が登録されていれば、そのままジョブを実行することができる。また、所望の画像形成装置100が登録されていない場合、新規アドレス欄77にIPアドレスを入力し、追加ボタン79を押下することで、新たに検索対象とする画像形成装置100を登録することができる。なお、IPアドレスでなく、ホスト名で登録してもよい。
予め検索対象とする画像形成装置100を登録しておくことで、ジョブの実行時に登録する作業を回避し、操作性を向上させることができる。
図10(b)は、画像形成装置100Aが画像形成装置100B、C、D、Eから機種情報46を取得する手順を示すシーケンス図の一例である。図10(a)に示した検索機器指定画面において、ユーザがOKボタンを押下するか又はアドレスを入力してOKボタンを押下するとIPアドレスが確定され(S10)、アドレス確定通知がログ取得サービスに通知される(S20)。
ログ取得サービス35Aは、そのIPアドレスにより特定される画像形成装置100B、C、D、Eのログ取得サービス35B、35C、35D、35Eに機種情報取得要求を送信する(S31)。ログ取得サービス35B、35C、35D、35Eは、予め記憶している機種情報46を読み出し、それぞれ画像形成装置100Aのログ取得サービス35Aに送信する(S41)。
このように検索対象の画像形成装置100が登録されていれば、画像形成装置100Aは画像形成装置100B〜100Eに、機種情報46を送信するよう要求することができる。これにより、画像形成装置100Aにはあるが画像形成装置100B〜100Eにないジョブや実行条件を含むログ検索情報の送信、画像形成装置100Aにはないが画像形成装置100B〜100Eにはあるジョブや実行条件を含むジョブログデータの受信、を回避することができる。
a3)ネットワーク201に接続された画像形成装置100の機種情報46を記憶したマスター機器から、他の画像形成装置100の機種情報46を取得する。
マスター機器は、単にネットワーク201に接続された画像形成装置100の機種情報46を記憶している機器で、画像形成装置100の一形態である。また、機種情報46を記憶していればよいので、例えばコンピュータ200やサーバであってもよい。
図11(a)は、画像形成装置100Aの操作パネル24に表示された、マスター機器指定画面の一例を示す図である。図9(a)と同様に、ホスト名欄73とアドレス欄74とが表示されている。ホスト名欄73には、デフォルトで設定されているマスター機器のホスト名が表示され、アドレス欄74にはマスター機器のIPアドレスが表示される。ユーザはマスター機器のホスト名又はIPアドレスを確認し、所望のマスター機器が登録されていない場合には、変更ボタン75又は76を押下することで、新たにマスター機器のホスト名又はIPアドレスを登録することができる。
図12は、画像系形成装置100又はマスター機器が記憶している機種情報46の一例を示す。すなわち、機種情報46は、各画像形成装置100A〜100E、マスター機器のいずれか又はそのうちの2以上の機器が記憶していてもよい。
図12では、画像形成装置100B〜100Eの機種情報46がテーブル状に示されている。例えば、画像形成装置100Bは、コピー(ジョブ)、印刷(ジョブ)、FAX(ジョブ)、スキャン(ジョブ)、その他アプリ(Xジョブ)、カラー印刷機能、が可能であることが機種情報46から明らかとなる。なお、機種情報46の「性能」は画像形成装置100の、CPU11、HDD15、通信速度、伝送速度等の総合的な処理能力であり、例えば所定の画像形成装置100の「性能」を基準にした相対的な値である。
画像形成装置100Aは、マスター機器から画像形成装置100B〜100Eの機種情報46を取得することで、画像形成装置100Aにはあるが画像形成装置100B〜100Eにないジョブや実行条件を含むログ検索情報の送信、画像形成装置100Aにはないが画像形成装置100B〜100Eにはあるジョブや実行条件を含むジョブログデータの受信、を回避することができる。
なお、画像形成装置100Aは、画像形成装置100B〜100Eの機種情報46を画像形成装置100B、C、D、Eにも転送することが好適となる。これにより、ユーザが画像形成装置100B,C、D,Eが用いてジョブログデータを検索する際にも、画像形成装置100B〜100Eの機種情報46を利用して、不要なログ検索情報やジョブログデータの送受信を回避することができる。
図11(b)は、マスター機器から取得した機種情報46のテーブルを画像形成装置100B、C、D、Eに配信する手順を示すシーケンス図の一例である。
図11(a)に示したマスター機器指定画面において、ユーザがOKボタンを押下するか又はIPアドレスを入力してOKボタンを押下するとIPアドレスが確定され(S10)、アドレス確定通知がログ取得サービスに通知される(S20)。
ログ取得サービス35Aは、そのIPアドレスにより特定されるマスター機器のログ取得サービスに機種情報取得要求を送信する(S32)。マスター機器のログ取得サービスは、予め記憶している機種情報46のテーブルを読み出し、画像形成装置100Aのログ取得サービス35Aに送信する(S42)。
そして、画像形成装置100Aのログ取得サービス35Aは、機種情報46のテーブルをテーブルに登録されている各画像形成装置100B、C、D、Eに送信する(S50)。
〔ログ検索情報〕
ログ検索情報について詳細に説明する。原理的には図6に示したジョブログデータの1以上の項目を指定することで、ジョブログデータを検索することができる。一方、ユーザが把握しにくいログ属性や指定しにくいログ属性(ジョブログID、開始時刻及び終了時刻)がジョブログデータには含まれうる。そこで、本実施形態では、例えば、以下のようなログ属性をログ検索情報とする。
なお、ログ検索情報には、「ジョブの種別」が含まれることが多い。これは、検索されたジョブログデータは、ユーザが実行するジョブの実行条件を生成するために用いられるからである。また、画像形成装置100Aを使用しているユーザの「ユーザ名」がログ検索情報に添付されるか又はログ検索情報に含まれることが多い。これは、自分のジョブログデータを検索する利用形態が多いためである。
図13(a)は、ログ検索情報の一例を示す図である。「ユーザ名」は、画像形成装置100Aを使用している(ログインした)ユーザのユーザ名である。取得件数は、検索にヒットしたジョブログデータのうち取得する件数である。
そして「フィルタ条件」は、任意に指定することができる条件である(指定しない場合は、ネットワーク201に接続された画像形成装置100が蓄積しているジョブログデータのうち、「ユーザ名」と「ジョブの種別」が一致しかつ「使用不可フラグ」「ジョブログの利用制限」により検索対象とならないジョブログデータが全て抽出されうる)。
「ジョブログデータのユーザ名」は、特定のユーザのジョブログデータを検索したい場合に指定することができる。すなわち、ユーザ名を限定しないでジョブログデータを検索する場合は指定しない。
「優先フラグ」は、優先的に使用されるジョブログデータであることを示すフラグで、
「ON」の場合、蓄積されたジョブログデータのうち「優先フラグ」がONになっているジョブログデータのみが検索される。
「ジョブログデータの再利用回数」により、ログ検索情報で指定した数値よりも多い再利用回数のジョブログデータのみを検索することができる。
「ジョブの種別」は、ユーザが実行するジョブであり、「ジョブ実行条件」は、画像形成装置100Aのユーザが設定したジョブの実行条件である。すなわち、コピージョブの場合は部数、両面/集約、ステープル、パンチ位置、紙の種類、用紙サイズ、等をユーザが入力すると、入力した部分だけログ検索情報に反映される。
この「ジョブ実行条件」は、FAX番号のように任意の数字や文字を入力する際に、ユーザの入力を補助して、設定される場合がある。例えばFAXジョブの場合、FAX番号や電子メールアドレスがジョブ実行条件となるが、FAX番号等は、その全てをユーザが記憶していなくても検索できるように、全一致だけでなく、前方一致(指定したキーワードで始まる実行条件を調べる)、後方一致(指定したキーワードで終わる実行条件を調べる)、部分一致(指定したキーワードを含む実行条件を調べる)、の検索方法を指定することができる。
例えば、ユーザが画像形成装置100Aにログインし、所望のジョブアプリを操作パネル24から選択することで、検索情報生成サービス45がログ検索情報を生成することができる。
しかしながら、一方でユーザがログ検索情報を自ら設定したい場合もある。図14は、ユーザがログ検索条件を入力するログ検索情報設定画面の一例を示す。ユーザが操作パネル24から所定の操作を入力すると、図14のログ検索情報設定画面が表示される。図示するように、ジョブの種別、ジョブログデータのユーザ名、優先フラグ、ジョブログデータの再利用回数、を設定できるようになっている。ジョブログデータのユーザ名は、ログインして画像形成装置100Aを使用しているユーザのユーザ名が表示される。「優先フラグ」は、「ON」又は「OFF」を択一的に選択する。「ジョブログデータの再利用回数」は、例えばテンキーから入力することができる。
図14のようなログ検索情報設定画面から入力されたログ検索情報は、予め設定しておいてもよいし、ジョブの実行時に実行に先立って設定してもよく、ユーザ名に対応づけて記憶されている。
続いて、ソート条件について説明する。図13(b)は、ログ検索情報に添付されるか又は含まれるソート条件の一例を示す。これまで説明したように、ログ検索情報にヒットしたジョブログデータの数が多い場合、ユーザが好む優先順位に従いソートして表示することが好ましい。ソート条件は、1ユーザ別、2再利用回数、3ジョブ開始時刻orジョブ終了時刻、である。1〜3の数字はソート条件の優先順位であり、ソート条件と共に変更可能である。
図13(b)の場合、同じユーザの中で再利用回数の多い順にソートされ、さらに、同じ再利用回数のジョブログデータはジョブ開始時刻orジョブ終了時刻の遅いものから順にソートされる。ソートをする/しないは、ジョブログデータの検索時に指定することができる。
なお、ジョブログデータのソートは、検索を依頼した画像形成装置100Aもできるし、ログ検索情報を受信した画像形成装置100B〜100Eもすることができる。例えば、ジョブログデータを送信する画像形成装置100Bが一台の場合、画像形成装置100Bがソートしてから送信することで、画像形成装置100Aの処理負荷を低減できる。一方、複数の画像形成装置100B〜100E等に検索を要求した場合、画像形成装置100B等が別々にソートしても、画像形成装置100Aが改めてソートする必要がある。したがって、原則的には画像形成装置100Aがソートすれば、全ての態様に対応できることになる。なお、マージについては後述する。
図15(a)〜(c)は、ログ検索情報の模擬コードの一例を示す。図15(a)〜(c)のログ検索情報はXML(Extensible Markup Language)と言われる言語によって記述されている。XMLは、タグと呼ばれる特定の文字列で、文書やデータの意味や構造を記述するマークアップ言語の1つで、ユーザが独自のタグを指定することができる。このような言語特性から、ログ検索情報では、独自の「定義開始タグ」(例えば、"<filter>"など。)と「定義終了タグ」(例えば、"</filter>"など。)との間に、検索条件を記述し、独自の「定義開始タグ」(例えば、"<sort>"など。)と「定義終了タグ」(例えば、"</sort>"など。)との間に、ソート条件を記述する。
図15(a)は、画像形成装置100Aから画像形成装置100Bへの検索時のログ検索情報である。タグ<jobType>はジョブの種別を指定するタグで、図15(a)ではコピージョブ(copy)が記述されている。したがって、画像形成装置100Aは、画像形成装置100Bが蓄積しているジョブログデータのうち、コピージョブのジョブログデータを検索する。
また、タグ<user priority="1">は、ソート条件としてユーザ名を指定するタグで、図15(a)では「TOM」というユーザ名のジョブログデータの最優先に複数のジョブログデータをソートするように記述されている。
図15(b)は、画像形成装置100Aから画像形成装置100Bへの検索時のログ検索情報である。検索するジョブログデータが、コピージョブ(copy)である点は図15(a)と同様である。
ところで図12に示したように、画像形成装置100Aにはパンチ機能がなく、画像形成装置100Cにはパンチ機能がある。この場合、画像形成装置100Aが実行条件にパ
ンチのあるジョブログデータを取得しても、実行条件として設定することができず、通信不可を増大させ、ユーザもジョブログデータを選択しにくくなるだけとなってしまう。そこで、検索情報生成サービス45は、自機が困難な機能をログ検索情報に記述しておく。
図15(b)に示すように、<punch>off</punch>と記述することで、パンチを実行条件に含むジョブログデータを検索対象から排除することができる。ソート条件については図15(a)と同様である。
図15(c)は、画像形成装置100Aから画像形成装置100Cへの検索時のログ検索情報である。このログ検索情報は、図2のステップS3と同等である。検索するジョブログデータが、コピージョブ(copy)である点、パンチを実行条件に含むジョブログデータを検索対象から排除する、点は図15(b)と同様である。
そして、図15(c)では更に詳細な検索条件が、<property cond="on">〜</property>に記述されている。<condition>result\>100</condition>は、検索条件にヒットしたジョブログデータが100を超えた場合に以下の検索条件で絞り込むことを意味する。ジョブログデータが100を超えた場合、<priorityFlag>on</priorityFlag>なる記述は、優先フラグがONのジョブログデータに絞り込むことを意味し、<reuseCount>over1</reuseCount>なる記述は、再利用回数が1以上のジョブログデータに絞り込むことを意味する。
したがって、図15(c)のログ検索情報によれば、パンチをジョブログデータに含まないコピージョブのジョブログデータが100を超えていた場合、優先フラグがONでかつ再利用回数が1以上のジョブログデータに絞り込むことになる。なお、かかる絞り込みをしても、ジョブログデータの数が100を超える場合など、更に条件を付加して(例えば、再利用回数を多くする)絞り込むことができる。
また、図15(c)のソート条件における<reuseCount priority="2"/>なる記述は、再利用頻度の多い順にソートすることを意味する。また、その優先順位は、「priority="2"」なので同じユーザ名のジョブログデータが複数ある場合は、再利用頻度の多い順にソートすることになる。
〔ジョブログデータの検索手順〕
ジョブログデータの検索手順について説明する。ジョブログデータの検索には、ユーザAが使用している画像形成装置100Aが検索する方法と、他の画像形成装置100(例えば、画像形成装置100Bとする)に検索を依頼する方法とが考えられる。前者の方法は、ネットワーク201に接続されている画像形成装置100B〜100Eの数が多くない場合や画像形成装置100Aの性能が十分である場合に有効である。後者は、その他の画像形成装置100の性能が高い場合やネットワーク201に接続されている画像形成装置100B〜100Eの数が多い場合に有効である。なお、依頼先の画像形成装置100を、例えばコンピュータ200としてもよい。
図16(a)は、画像形成装置100Aがジョブログデータを検索する手順のシーケンス図の一例を示す。図16(a)ではコピージョブのジョブログデータを検索するものとする。
コピーアプリ33Aがログ取得サービス35Aに検索要求すると(S101)、ログ取得サービス35Aは、機種情報46が登録されたテーブルから、コピージョブが可能な画像形成装置100を選択する(S102)。図12に示したように、画像形成装置100D除きコピージョブが可能なので、ログ取得サービス35Aは、画像形成装置100B、100C、100Eを選択する。
ログ取得サービス35Aは、画像形成装置100B、100C、100Eにそれぞれログ検索情報を送信する(S103a〜S103c)。このログ検索情報に対し、画像形成装置100B、100C、100Eはそれぞれ検索条件にヒットしたジョブログデータを画像形成装置100Aに送信する(S104a〜104c)。
ログ取得サービス35Aは、画像形成装置100B、100C、100Eから受信した3つのジョブログデータをマージ&ソートする(S105)。
マージについて説明する。本実施形態におけるマージは、同じジョブログデータが複数検索にヒットした場合に、表示する必要があるのはそのうちの1つのみであることために実行される。既に説明したように、ジョブログデータを取得した画像形成装置100Aはそのジョブログデータから生成された実行条件に従いジョブを実行し、自らもジョブログデータを蓄積するので、複数の画像形成装置100A〜Eには同じ実行条件のジョブログデータが複数、蓄積されている。
図17は、マージの手順を模式的に説明する図の一例である。ジョブログデータの関連ログIDには、このような関係のジョブログデータに同じ値が登録されているので、画像形成装置100Aのログ取得サービス35Aは、同じ関連ログIDのジョブログデータを1つだけ残して残りを消去する。また、ユーザが実行条件を手入力して実行した際のジョブ(以下、オリジナルのジョブという場合がある)のジョブログデータがあれば、関連ログIDからそのジョブログデータのジョブログIDを特定できるので(関連ログIDにジョブログIDを格納した場合)、オリジナルのジョブログデータのみを残して残りを消去する。これにより、大多数のジョブログデータをマージできる。
また、ログ取得サービス35Aは、残りのジョブログデータの実行条件をログ属性毎に突合し、全ての項目が一致するジョブログデータは1つを残して残りを全て消去する。以上の作業により、同じジョブログデータを排除して、ジョブログデータをマージすることができる。
図16に戻り、図16(b)は、画像形成装置100Aが画像形成装置100Bに依頼してジョブログデータを検索する手順のシーケンス図の一例を示す。図12に示したように、性能が最も高いのは画像形成装置100Bであるので、画像形成装置100Aは画像形成装置100Bに検索を依頼する。また、検索の全てを依頼するとその間、画像形成装置100Aの資源が待機状態となってしまうので、画像形成装置100Aも並行して検索するものとする。
コピーアプリ33Aがログ取得サービス35Aに検索要求すると(S111)、ログ取得サービス35Aは、機種情報46が登録されたテーブルから、コピージョブが可能な画像形成装置100を選択する(S112)。図12に示したように、画像形成装置100D除きコピージョブが可能なので、ログ取得サービス35Aは、画像形成装置100B、100C、100Eを選択する。
ログ取得サービス35Aは、画像形成装置100Eにログ検索情報を送信する(S113)。また、ログ取得サービス35Aは、画像形成装置100Bにログ検索情報を送信すると共に、画像形成装置100Bに、画像形成装置100Cにログ検索情報を送信するよう依頼する依頼要求を送信する(S114)。
この依頼要求を受けて画像形成装置100Bは画像形成装置100Cにログ検索情報を送信する(S115)。画像形成装置100Cは、蓄積しているジョブログデータから検索条件にヒットするジョブログデータを画像形成装置100Bに送信する(S116)。なお、直接、画像形成装置100Aにジョブログデータを送信してもよい。
画像形成装置100Bは、自らもジョブログデータを検索する。そして、画像形成装置100Cから受信したジョブログデータとマージかつソートし(S117)、マージ、ソートしたジョブログデータを画像形成装置100Aに送信する(S118)。
また、画像形成装置100Eも検索条件にヒットしたジョブログデータを画像形成装置100Aに送信する(S119)。
ついで、ログ取得サービス35Aは、画像形成装置100Bから受信したジョブログデータと、画像形成装置100Eから受信したジョブログデータをマージ、ソートする(S120)。マージ、ソートされたジョブログデータは、コピーアプリ33Aに送出される(S121)。
このように、検索を性能の高い画像形成装置100Bに依頼することで、画像形成装置100Aの処理負荷を低減し、画像形成装置100A、Bの処理負荷を平準化させることができる。
〔ジョブログデータ利用システム300の処理手順〕
ジョブログデータを再利用してジョブを実行する手順について、いくつかの態様を例に説明する。
I)図18は、画像形成装置100Aがコピージョブを実行する手順を示すシーケンス図の一例を示す。
ユーザは画像形成装置100のスイッチを入れて起動させる(S210)。起動すると、ユーザは所望のジョブのアプリを起動するためボタンを押下する(S220)。
すると、操作パネル24は、アプリ起動ボタンが押下されたことをコピーアプリ33Aに通知する(S230)。すなわち、コピージョブが選択された場合であるが、スキャンジョブやFAXジョブが選択された場合も同様である。
コピーアプリ33Aはログ取得サービス35Aに通知して、ログ取得サービス35Aの検索情報生成サービス45はログ検索情報を生成し画像形成装置100Bに送信する(S240)。画像形成装置100Bのログ取得サービス35BはジョブログDB36Bからログ検索情報に含まれる検索条件にヒットするジョブログデータを読み出し(S250)、画像形成装置100Aのログ取得サービス35Aに送信する(S260)。
ログ取得サービス35Aのマージソートサービス42は、複数のジョブログデータを受信した場合、優先フラグ及び再利用回数に基づきソートし、重複するジョブログデータをマージする(S270)。
1以上のジョブログデータは操作パネル24に送出され、操作パネル24は複数のジョブログデータを例えばリスト状に表示したログ選択画面を表示する(S280)。ユーザは、このリストから所望のジョブログデータを選択することができる。
ジョブログデータのログ選択画面について図22(a)、(b)を用いて説明する。図22(a)は、ソートされた順に、1つのジョブログデータ毎に表示されたジョブログデータである。合計5件のうち、3つのジョブログデータが表示されている。リストの先頭には、選択欄82が設けられており、コピージョブの実行条件の一部が表示されている。選択欄82を選択後、詳細表示ボタン83を押下するとその他の実行条件を表示することができる。また、スクロールバー85を押下すれば、4件目以降のジョブログデータを表示することができ、また、前ページボタン86を押下すれば前の3件のジョブログデータを、次ページボタン87を押下すれば次の3件のジョブログデータを表示することができる。
ユーザは所望のジョブログデータを見つけ、Startボタン84を押下するとそのジョブログデータと同じ実行条件でジョブを実行することができる。
図22(b)は、実行条件のログ属性毎に、優先度の高い順にソートしてジョブログデータを表示した属性毎選択画面の一例である。すなわち、各ログ属性毎にユーザが好みやすい実行条件が順番に表示される。このようなソートは、ログ属性毎に、優先フラグ及び/又は再利用回数に基づきソートすることで実現される。例えば、実行条件のうち「両面/集約」において、「片面→両面」の実行条件の場合に優先フラグがONの数と、「両面→両面」の実行条件の場合に優先フラグがONの数を比較し、数の多いものから順に表示する。このような比較を実行条件毎に行うことで、各ログ属性毎に、優先度が大きい実行条件を表示することができる。
ユーザは実行条件毎に設けられた選択ボタン88を選択することで、ログ属性の所望の組み合わせで実行条件を設定することができる。OKボタン89を押下すると、例えば用紙サイズ、部数や変倍等の設定画面が表示され、実行条件が整ったらコピージョブを実行する。また、例えば所望の実行条件の組み合わせが困難な場合、キャンセルボタン91を押下すると図22(a)のような選択画面を表示することができる。
図18に戻り、ユーザが例えば図22(a)の選択画面でジョブログデータを選択してStartボタン84を押下すると(S310)、操作パネル24はスタートボタンの押下をコピーアプリ33Aに通知する(S320)。
ついで、コピーアプリ33A(実行情報生成サービス43)は選択されたジョブログデータに基づきジョブの実行情報を生成し(S330)、ジョブを実行する(S340)。実行中は、図22(c)に示すような実行中画面が表示される(S350)。
また、プロッタ27はジョブが完了するとコピーアプリ33Aにジョブ完了通知を送出するので(S410)、コピーアプリ33AはジョブログDB36Aにジョブログデータを蓄積する(S420)。このジョブログデータの関連ジョブIDは、例えばオリジナルのジョブログデータのジョブログIDである。
また、コピーアプリ33Aは画像形成装置100Bのログ取得サービス35Bに再利用回数の更新依頼を要求する(S430)。更新依頼にはジョブの実行情報の生成に用いたジョブログデータのジョブログIDが含まれる。なお、再利用回数を含めてもよい。ログ取得サービス35Bは、ジョブログIDで特定されるジョブログデータの再利用回数を1つ増大させる。
II)図19は、ユーザがジョブログデータを選択することなくジョブの実行情報を生成してジョブを実行する手順のシーケンス図の一例を示す。
ユーザは画像形成装置100のスイッチを入れて起動させる(S210)。起動すると、ユーザは所望のジョブのアプリを起動するためボタンを押下する(S220)。
すると、操作パネル24は、アプリ起動ボタン押下されたことをコピーアプリ33Aに通知する(S230)。すなわち、コピージョブが選択された場合であるが、スキャンジョブやFAXジョブが選択された場合も同様である。
コピーアプリ33Aはログ取得サービス35Aに通知して、ログ取得サービス35Aの検索情報生成サービス45はログ検索情報を生成し画像形成装置100Bに送信する(S240)。画像形成装置100Bのログ取得サービス35BはジョブログDB36Bからログ検索情報に含まれる検索条件にヒットするジョブログデータを読み出し(S250)、画像形成装置100Aのログ取得サービス35Aに送信する(S260)。
ログ取得サービス35Aのマージソートサービス42は、複数のジョブログデータを受信した場合、優先フラグがONであるジョブログデータを再利用回数の順番にソートし、また、同じジョブログデータを消去して複数のジョブログデータをマージする(S275)。
また、ログ取得サービス35Aの実行情報生成サービス43は、ソートにより最も優先度が高くなったジョブログデータを用いてジョブの実行情報を生成する。したがって、図18と異なり、ユーザが複数のジョブログデータから選択しなくても、ジョブの実行情報を生成することができる。最も優先度が高くなったジョブログデータは、例えば、優先フラグのみによりソートされた場合は、優先フラグのONのジョブログデータのいずれか1つであり、再利利用回数のみによりソートされた場合は、再利用回数の最も多いジョブログデータ(複数ある場合はそのうちのいずれか1つ)であり、優先フラグと再利用回数によりソートされた場合は、優先フラグがONのジョブログデータのうち再利用回数が最も多いジョブログデータ、である。
操作パネル24は、生成されたジョブの実行情報に基づき実行条件設定画面を生成し表示する(S285)。
図23(a)は、コピージョブにおける実行条件設定画面の一例を示す。この実行条件設定画面は、本実施形態の画像形成装置100に特有のものでなく、従来の画像形成装置100の実行条件設定画面と兼用することができる。図23(a)では一例として、「部数」、「片面→両面」、「ソート:ON」が設定される。この実行情報が、ステップS275でジョブログデータから生成されたものである。なお、図23(a)の「ソート:ON」は印刷物を部数毎にソートする意味である。
ユーザは図23(a)の実行条件設定画面を確認して、実行条件が整っていればスタートボタン84を押下することでコピージョブを実行することができ、実行条件を修正してからコピージョブを実行することができる。
図19に戻り、ユーザが例えば図23(a)の実行条件設定画面でStartボタン84を押下すると(S310)、操作パネル24はスタートボタンの押下をコピーアプリ33Aに通知する(S320)。
ついで、コピーアプリ33Aは表示されていた実行情報に基づきジョブを生成し(S335)、ジョブを実行する(S340)。実行中は、図22(c)に示すような実行中画面が表示される(S350)。
また、プロッタ27はジョブが完了するとコピーアプリ33Aにジョブ完了通知を送出するので(S410)、コピーアプリ33AはジョブログDB36Aにジョブログデータを蓄積する(S420)。このジョブログデータの関連ジョブIDは、例えばオリジナルのジョブログデータのジョブログIDである。
また、コピーアプリ33Aは画像形成装置100Bのログ取得サービスBに再利用回数の更新依頼を要求する(S430)。更新依頼にはジョブの実行情報に用いたジョブログデータのジョブログIDが含まれる。なお、再利用回数を含めてもよい。ログ取得サービス35Bは、ジョブログIDで特定されるジョブログデータの再利用回数を1つ増大させる。
III)図20は、FAXジョブの際にジョブログデータを再利用してジョブを実行する手順のシーケンス図の一例を示す。
ユーザは画像形成装置100のスイッチを入れて起動させる(S210)。起動すると、ユーザは所望のジョブのアプリを起動するためボタンを押下する(S220)。
すると、操作パネル24は、アプリ起動ボタン押下されたことをFAXアプリ32Aに通知する(S230)。
FAXアプリ32Aは、操作パネル24にFAXジョブの実行条件設定画面を表示する要求し(S510)、操作パネル24はFAXアプリ32Aの実行条件設定画面を表示する(S520)。すなわち、FAXアプリ32Aの場合、ジョブログデータを検索せずに、先に実行条件設定画面を表示するが、コピージョブと同様にジョブログデータを検索してもよい。
ユーザはFAXジョブの実行条件設定画面からFAX番号を入力する(S530)。図23(b)は、FAXジョブの実行条件設定画面の一例を示す。
この実行条件設定画面は、本実施形態の画像形成装置100に特有のものでなく、従来の画像形成装置100の実行条件設定画面と兼用することができる。図23(b)ではFAX番号を入力する宛先欄92が設けられており、ユーザはテンキー等からFAX番号を入力可能となっている。このFAX番号が実行条件に相当するので、FAX番号によりジョブログデータを検索することができる。
図20に戻り、ユーザがFAX番号を入力していく(S530)。「入力していく」と表現したのは、全てのFAX番号を入力することなく、1桁入力する毎に前方一致するFAX番号を含むジョブログデータを検索することができるからである。このため、操作パネル24はユーザが1桁入力することに、FAXアプリ32Aに番号を通知する(S540)。そして、FAXアプリ32Aは、入力されたところまでのFAX番号が含まれるログ検索情報を画像形成装置100Bのログ取得サービスBに送信する(S550)。ログ取得サービスBは、ジョブログDB36Bを検索して、FAX番号が前方一致したジョブログデータを読み出す(S560)。
FAXアプリ32Aは、優先フラグ及び再利用回数に基づきジョブログデータをソートし、重複するジョブログデータをマージする(S270)。マージにより同じFAX番号のジョブログデータは消去される。操作パネル24はソート及びマージされたジョブログデータからFAX番号を抽出して表示する。
図23(c)は、検索にヒットしたFAX番号が表示された実行条件設定画面の一例を示す。宛先欄92の最上行にはユーザが入力したところまでのFAX番号「03 3」が表示され、その下に「03 3」に前方一致する複数のFAX番号が表示されている。複数のFAX番号は、ユーザが入力するFAX番号の桁数を多くなるつて絞り込まれていく。この絞り込みは、画像形成装置100Aの操作パネル24又はFAXアプリ32Aが実行してもよい。
図20に戻り、ユーザが例えば図23(c)の実行条件設定画面で、所望のFAX番号を選択した後、Startボタン84を押下すると(S590)、操作パネル24はスタートボタンの押下をFAXアプリ32Aに通知する(S600)。
ついで、FAXアプリ32Aは表示されていたFAX番号に基づきジョブの実行情報を生成し(S610)、ジョブを実行する(S620)。実行中は、実行中画面が表示される(S630)。
また、FAXエンジンはジョブが完了するとFAXアプリ32Aにジョブ完了通知を送出するので(S410)、FAXアプリ32AはジョブログDB36Aにジョブログデータを蓄積する(S420)。このジョブログデータの関連ジョブIDは、例えばオリジナルのジョブログデータのジョブログIDである。
また、FAXアプリ32Aは画像形成装置100Bのログ取得サービスBに再利用回数の更新依頼を要求する(S430)。更新依頼にはジョブの実行情報に用いたジョブログデータのジョブログIDが含まれる。なお、再利用回数を含めてもよい。ログ取得サービスBは、ジョブログIDで特定されるジョブログデータの再利用回数を1つ増大させる。
IV)図21は、ジョブログデータの編集手順を示すシーケンス図の一例を示す。
ジョブログデータの編集は、自機及び/又は他の画像形成装置100Bのジョブログデータを読み出し、編集後のジョブログデータを元の画像形成装置100に記憶する手順となるので、ジョブを実行しないという点を除けば、図18〜図20の手順と同様である。
まず、ユーザは所望のログ取得サービス35AのUIとなるアプリを起動するためボタンを押下する(S710)。操作パネル24は、起動要求があったことをログ取得サービス35Aに通知する(S720)。
すると、ログ取得サービス35Aは、ジョブログデータを検索する対象の画像形成装置100を選択するための対象機器設定画面を表示するよう操作パネル24に要求するので、操作パネル24は対象機器設定画面を表示する(S730)。対象機器設定画面の一例は図8に示した。
ユーザが対象機器設定画面から対象の画像形成装置100を選択してOKボタン72を押下すると(S740)、操作パネル24はボタンが押下されたことをログ取得サービス35Aに通知する(S750)。すると、ログ取得サービス35Aは、選択された画像形成装置100B等にログ検索情報を送信する(S760)。
画像形成装置100Bのログ取得サービス35BはジョブログDB36Bからログ検索情報に含まれる検索条件にヒットするジョブログデータを読み出し(S770)、画像形成装置100Aのログ取得サービス35Aに送信する(S780)。
ログ取得サービス35Aは、操作パネル24にジョブログ設定画面を表示するよう要求するので、操作パネル24は図7(c)に一例として示したジョブログ設定画面を表示する(S790)。
ユーザが、所望のログを選択して編集してOKボタン72を押下すると(S800)、操作パネル24はログ取得サービス35AにOKボタン72が押下されたことを通知する(S810)。このとき、ログ取得サービス35Aには、編集後のジョブログデータが送出される。
ついで、ログ取得サービス35Aは、ジョブログデータを更新するよう、画像形成装置100Bのログ取得サービス35Bに要求する(S820)。ジョブログID及びジョブログデータが送信される。ログ取得サービス35Bは、受信したジョブログデータを用いてジョブログIDで特定されるジョブログデータを更新する(S830)。
更新するとログ取得サービス35Bは、更新通知をログ取得サービス35Aに送信し、例えば操作パネル24が更新完了の旨を通知すると終了する(S840)。
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置100は、既に蓄積されたジョブログデータから実行条件を読み出して実行情報を設定し、ジョブを実行することができる。ユーザは、ジョブを選択するだけで以前に実行したジョブを同じ実行条件で実行することができる。また、複数のジョブログデータから選択するだけで以前に実行したジョブを同じ実行条件で実行することができる。