JP5242107B2 - 環状のターボ機械燃焼室 - Google Patents

Description

本発明は環状のターボ機械燃焼室に関する。本発明は、任意のタイプのターボ機械、即ちターボジェット、ターボプロップ、陸上用ガスタービン等を対象としている。

図１Ａは、知られているタイプの遠心型コンプレッサ／ディフューザと直接噴射式燃焼室２４とが取り付けられたターボジェットの一部分を示す軸方向半断面概略図である。

燃焼室２４は、ターボ機械ロータの回転軸１０のまわりで全体に円形対称を呈する。燃焼室２４は内側壁２６と、外側壁２８と、上記燃焼室の上流域で上記内側壁および外側壁の間に配設された燃焼室の端壁３０とを備え、端壁が中央部分３２および外側アセンブリフランジ３４を提示し、外側壁２８が上流アセンブリフランジ３８を提示し、燃焼室の端壁および外側壁がそれらのアセンブリフランジ３４、３８によって一緒に組み付けられている。アセンブリフランジ３４、３８の形状は全体に円錐形または円筒形であり、これらは重なり合っている。

遠心型コンプレッサ／ディフューザを有するターボジェットでは、図１Ａに微細線で示しているディフューザ（より精確にはディフューザの整流吹出口１５）から出る圧縮空気の拡散流が、燃焼室の端壁の中央部分３２に対して概ね直角に配向される。この配向は、特にターボ機械の回転軸１０に対する燃焼室２４の全体的な傾きによって決まる。燃焼室２４を、その軸方向の寸法（即ち回転軸１０に沿った長さ）を縮小するように、程度の差はあるものの傾斜させることができる。

このような拡散流によって、このアセンブリフランジ３４および３８は圧縮空気の流れに対して障害物となり、これによって上記フランジから下流に乱流を作り出す。このような乱流を抑えるために、フランジ３８の外側面に環状の整流部片３３を取り付けることが知られている。上記整流部片３３の自由縁部３３Ａまたは上流縁部は、上記フランジ３４、３８のまわりで層流の形成を促進し、可能な限り水頭損失を抑える傾斜部を形成するように燃焼室の端壁３０の中央部分３２に向けて湾曲されている。

それにも関わらず、図１Ａの燃焼室の構造は複雑である。さらに、環状の整流部片は外側壁２８とともに、下向き段差３５（図１Ｂを参照）を形成し、これが、上記段差を通過する空気の流れに乱流を作り出す。

本発明は、図１Ａの燃焼室の空気力学的特性と同等の、またはそれよりも優れた空気力学的特性を有する単純化された構造の燃焼室を提供することを目的とする。

本発明は、環状のターボ機械燃焼室において、内側壁と、外側壁と、上記燃焼室の上流域で上記内側壁および外側壁の間に配設された燃焼室の端壁とを備え、燃焼室の端壁が中央部分および外側アセンブリフランジを提示し、外側壁が上流アセンブリフランジを提示し、燃焼室の端壁および外側壁がそれらのアセンブリフランジによって一緒に組み付けられている燃焼室であって、上記外側アセンブリフランジの自由端部が、アセンブリフランジのまわりで層流の形成を促進する傾斜部を形成するように、内向きに湾曲されていることを特徴とする燃焼室を提供する。

このように本発明の燃焼室はもはや整流部片を有しておらず、したがってその構造は単純化されている。したがってこの燃焼室は組み立てがより簡単である。

本出願では、「上流」と「下流」という用語は、ターボ機械を通る空気の通常の流れ方向に対して規定するものであり、ターボ機械部に用いる「内側」（および「内向き」）と「外側」（および「外向き」）という用語は、ターボ機械の回転軸に対して規定するものであり、アセンブリまたは部品の内側部分または外側部分とはそれぞれ、上記回転軸にそれらの最も接近した部分と最も離れた部分とを指す。

有利に、外側壁は燃焼室の端壁に着脱可能に組み付けられている（これは、外側壁を燃焼室の端壁にろう付けまたは溶接することが不可能なことを意味している）。例えば、外側壁と燃焼室の端壁とはボルトで一緒に組み付けられる。このようにして、燃焼室の外側壁を取り外して、修理または維持管理の作業中に燃焼室の内部にアクセスすることが可能となる。

本発明の一実施形態では、燃焼室の端壁の外側アセンブリフランジの外側面は肩部を提示する。外側アセンブリフランジの外側面で、上記肩部は、上流から下流に下向きに降りる段差を構成する。

有利に、本実施形態では、燃焼室の端壁と外側壁とを組み付ける間、外側壁の上流アセンブリフランジの自由縁部は上記肩部に当接するようにもたらされ、そのようにして上記アセンブリフランジが、相互に対して容易かつ正確に位置決めされた後、一緒に組み付けられるのを可能にする。

有利に、この第１実施形態では、上記肩部の高さは上流アセンブリフランジの厚みよりも高い。これによって、外側アセンブリフランジの外側面と上流アセンブリフランジの外側面との間に下向きの段差が形成されるのが可能になる。外側面の下向きの段差は、上向きの段差よりも拡散流に妨害を生じにくい。

これも有利に、妨害を最小限に抑えるために、アセンブリフランジ同士の間に段差を形成しないで、上記肩部の高さが上流のアセンブリフランジの厚みと実質的に等しくなるようにすることが好ましい。

外側アセンブリフランジと燃焼室の端壁の中央部分との間で６０°を越える角度を作るように、燃焼室の端壁は従来通りの形で打ち抜きによって作られる。必要な場合は、上記肩部は後続の機械加工ステップ中に作られる。これとは対照的に、６０°未満（または６０°と等しい）角度については、燃焼室の端壁は有利に鍛造物を機械加工することによって作られる。

以下の詳細な説明を読めば、本発明およびその利点をより良く理解することができる。この説明は添付の図面を参照する。

図２Ａの燃焼室１２４は図１Ａの燃焼室と類似の部分を提示している。これらの部分を、同じ参照符号に１００を加えたものによって識別することとする。

燃焼室１２４は、これがターボ機械の回転軸１０のまわりで全体に円形対称を提示するという点で、ここでは環状であると言っている。燃焼室１２４は内側壁１２６と、外側壁１２８と、上記燃焼室の上流域で上記内側壁および外側壁の間に配設された燃焼室の端壁１３０とを備え、燃焼室の端壁は、中央部分１３２および外側アセンブリフランジ１３４を提示し、外側壁１２８は上流アセンブリフランジ１３８を提示し、燃焼室の端壁および外側壁は、それらのアセンブリフランジ１３４、１３８によって一緒に組み付けられている。内側壁１２６、外側壁１２８、および燃焼室の端壁１３０は全体に回転軸１０のまわりで円形に対称である。

アセンブリフランジ１３４、１３８の形状は全体に円錐形または円筒形であり（回転軸１０を中心としている）、これらは少なくとも部分的に重なり合っている（具体的には図２Ａの実施例では部分的に）。

ここで再び述べると、「内側」（および「内向き」）と「外側」（および（外向き））とは回転軸１０に対して半径方向（即ち上記回転軸１０に対して垂直）に規定するものであり、部品の内側部分（半径方向に）の方が、同じ部品の外側部分（半径方向に）よりも回転軸１０に接近している。

内側壁１２６は燃焼室の端壁１３０に溶接される。

外側壁１３８はボルトによって燃焼室の端壁に組み付けられる。より精確には、燃焼室の端壁と外側壁とのアセンブリフランジ１３４、１３８に形成された穴に、円周方向に分配されたボルト（図示せず）が通される。この組み付け中、これらの組み付け用穴はぴったりと一致するようになされ、ボルトのシャンクが穴に通された後、ボルトがフランジのまわりで締められる。

このように外側壁１２８は、ボルトを取り外すことによってアセンブリフランジ１３４、１３８から容易に分離することができる。

本発明によって、燃焼室の端壁１３０の外側アセンブリフランジ１３４の自由縁部１３４Ａまたは上流縁部は、内向き、即ち回転軸１０に向かって（燃焼室１２４を取り囲む外側ケーシング１５０に向かってではなく）湾曲されている。言い換えれば、フランジ１３４の自由端部１３４Ａは、フランジ１３４に対して内向きに位置する燃焼室の端壁の中央部分１３２に向かって湾曲されている。さらに、フランジ１３４の外側面は高さＨの肩部１４０を提示する。このように、肩部１４０の下流に位置するフランジ１３４の外側面の区域は、上記肩部の上流に位置する区域から後退している。

上流アセンブリフランジ１３８の自由縁部１３８Ａまたは上流縁部は肩部１４０に対して当接する。肩部１４０の高さＨは外側壁１２８のフランジ１３８の厚さＥと実質的に一致して、フランジ１３４と１３８との間（高さの差異が空気流を妨害することになる場所）にこのような差を（外側に）作り出すのを回避するようになる。

最後に、外側壁と燃焼室の端壁とが一緒に組み付けられるとき、肩部１４０はフランジ１３４と１３８を相互に対して軸方向に位置決めする働きをし、そのようにして、引き続きフランジ同士のボルト穴同士をぴったりと一致させるのをより容易にすることを確認されたい。

従来技術の燃焼室が取り付けられた航空機ターボジェットの一部分を示す軸方向半断面概略図である。 矢印１Ａによって識別する図１Ａの詳細を示す図である。 図１Ａに示す航空機ターボジェットの、同じであるが、本発明の燃焼室の一実施例を備えた部分を示す軸方向半断面概略図である。 矢印２Ａによって識別する図２Ａの詳細を示す図である。

符号の説明

１０ ターボ機械ロータの回転軸
１５ 整流吹出口
２４、１２４ 燃焼室
２６、１２６ 内側壁
２８、１２８ 外側壁
３０、１３０ 燃焼室の端壁
３２、１３２ 中央部分
３３ 整流部片
３３Ａ、１３４Ａ、１３８Ａ 自由縁部
３４、１３４ 外側アセンブリフランジ
３５ 段差
３８、１３８ アセンブリフランジ
１４０ 肩部
１５０ 外側ケーシング

Claims (13)

1. ターボ機械の環状の燃焼室であって、内側壁（１２６）と、外側壁（１２８）と、前記燃焼室の上流域で前記内側壁および外側壁の間に配設された燃焼室の端壁（１３０）とを備え、燃焼室の端壁が中央部分（１３２）および外側アセンブリフランジ（１３４）を画定しており、外側壁（１２８）が上流アセンブリフランジ（１３８）を画定しており、燃焼室の端壁および外側壁がそれらのアセンブリフランジ（１３４、１３８）によって一緒に組み付けられており、前記外側アセンブリフランジ（１３４）の自由端部（１３４Ａ）が内向きに湾曲していることを特徴とする、燃焼室。
2. 外壁（１２８）が燃焼室の端壁（１３０）に着脱可能に組み付けられている、請求項１に記載の燃焼室。
3. 燃焼室の端壁（１３０）の外側アセンブリフランジ（１３４）の外側面が肩部（１４０）を画定している、請求項１または２に記載の燃焼室。
4. 前記肩部（１４０）の高さ（Ｈ）が前記上流アセンブリフランジ（１３８）の厚み（Ｅ）より大きい、または実質的にそれと等しい、請求項３に記載の燃焼室。
5. 前記肩部（１４０）の高さ（Ｈ）が前記上流アセンブリフランジ（１３８）の厚み（Ｅ）と実質的に等しい、請求項３に記載の燃焼室。
6. 前記外側アセンブリフランジ（１３４）が燃焼室の端壁（１３０）の中央部分（１３２）と協働して、６０°以下の角度（Ａ）を形成する、請求項１から５のいずれか一項に記載の燃焼室。
7. 燃焼室の端壁（１３０）が鍛造物を機械加工することによって作られる、請求項１から６のいずれか一項に記載の燃焼室。
8. 外側アセンブリフランジ（１３４）と上流アセンブリフランジ（１３８）との形状が全体に円錐形または円筒形であり、少なくとも部分的に重なり合っている、請求項１から７のいずれか一項に記載の燃焼室。
9. 請求項１から８のいずれかに記載の燃焼室を含む、ターボ機械。
10. 上流アセンブリフランジの自由縁部が、肩部に当接している、請求項３に記載の燃焼室。
11. 外側壁がボルトによって燃焼室の端壁に組み付けられる、請求項１から８および１０のいずれか一項に記載の燃焼室。
12. ボルトが、上流アセンブリフランジおよび外側アセンブリフランジに形成された穴に通され、上流アセンブリフランジの自由縁部が肩部に当接したとき、これらの組み付け用の穴が一致する、請求項１１に記載の燃焼室。
13. 肩部が、上流から下流に下向きに降りる段差を形成している、請求項３に記載の燃焼室。

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