JP5241752B2 - Rf通信用デバイス試験装置及び試験方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば移動体通信端末等で伝送用に利用されている、半導体でなるRF通信用デバイスの試験技術に関する。特に、RF通信用デバイス、例えば増幅器は、ベースバンド信号をRF信号で変調した変調信号を伝送するが、本発明は、RF通信用デバイスが出力する変調信号の出力レベルを目標範囲に素早く追い込んだうえで、所望の試験ができるようにしたRF通信用デバイスの試験技術に係る。
従来より、RF関連の半導体デバイスの試験(評価)には、SG(信号発生装置)、スペクトラムアナライザやレベルメータ、或いはネットワークアナライザ等が用いられることが多かった。これらで扱っている信号はCWが基本である。しかし、近年、デジタル移動無線が増え、これらで扱う信号としてデジタル変調信号が多くなってきている。そのため、半導体デバイスの試験(評価)にあっても、デジタル変調信号を用いることが望まれている。
そのデジタル変調信号のレベル(振幅)は、時間とともに変化している。このような変調信号を試験信号に用いたとき、「信号レベルの測定」と言ってもどの時点で、どの波形部分を測定するかで値が変化してしまうため、一般には、周期を遙かに超えた長時間のレベルを測定して、その平均化処理により、安定した測定結果を得て、評価することが多かった。特に、試験信号に用いる変調信号が、一定周期をオンする時間(変調信号が存在する時間;以下、「オン区間」と言うことがある。)とオフする時間(信号が存在しない時間;以下、「オフ区間」と言うことがある。)とでなるバースト信号である場合は、その平均処理のために測定時間が長くかかっていた。
例えば、特許文献1に記載の技術においては、バースト信号を用いたときに、送信側と受信側で同期してレベルを測定することが記載されているが、そこに使用されているバースト信号のオン区間に存在するRF信号は変調信号でなくCW信号である。
一方、RF通信用デバイス、例えば増幅用半導体デバイスの試験項目として、通信の品質に影響する特性である、EVM特性、隣接チャンネル漏洩電力特性、高調波歪特性、等がある。さらに、携帯型の移動体通信端末のバッテリーの寿命を左右する特性として、消費電力特性がある。
これらの各特性について試験するには、試験対象のRF通信用デバイスの個々の個体間の差違の比較、合否判定等の評価を行うために、RF通信用デバイスを一定条件下において試験することが望まれている。又、一般に、RF通信用デバイスは、動作領域が線形領域と非線形領域とがあることは良く知られているが、個々の試験で、動作点がどの領域に属するかでも、試験の結果として得られる特性に大きな違いが出る。
そこで、上記、一定条件として、少なくとも試験項目毎に、動作条件として、RF通信用デバイスの出力レベルを所望のレベルに一定に設定した状態で試験することが望まれている。しかも、設定した出力レベルのバラツキにより、試験結果のバラツキが拡大することもあるので、精度良く設定する必要があった。その一例が、消費電流特性である。動作点が線形領域から非線形領域に入るにつれ、消費電流は、急激に流れる傾向があるため、出力点レベルのバラツキ以上に消費電流特性のバラツキが拡大する傾向がある。
このように、RF通信用デバイスの出力レベルを所望のレベルに設定するためには、その出力レベルを測定することが不可欠であり、その測定は、上記のようにCWで測定する、長時間の平均値を求め測定する、等が考えられていた。
特開2006−242624号公報
一方、今日の移動体通信端末のマーケットは、生産量が多くなり、競合も激しくなりコストも下がりつつある。そのため、メーカサイドは、デバイスのローコスト化、歩留まり率の改善、大量生産等の課題を抱えている。
これらの課題の中にあって試験器として応えるべき課題の一つが、試験時間の短縮や歩留まり率の改善である。特に、上記のように、RF通信用デバイスの出力レベルを所望レベルに精度良く追い込んで試験するが、上記のようにCWで試験しては、変調信号による実運用とは違ってしまう。また、実運用に近い変調信号で測定するにしても、長時間の平均によるレベル測定では、出力レベルを所望レベルに精度良く追い込むには、時間がかかりすぎる。その変調信号がバースト信号である場合は、さらに時間がかかる。
そこで、本発明は、変調信号を用いて試験可能にするとともに、出力レベルを所望レベルに短時間に精度良く追い込み、その後に所望の測定ができる試験装置及びその方法を提供する。
上記目的を達成するため、本発明では、周期Taのベースバンド信号を生成してRF信号で変調し、変調されたRF信号を通信用デバイスに入力させるにあたり、少なくともいずれの周期Taでも、ベースバンド信号の振幅(レベル)の変化が同一の変化を示す構成とする。また、通信用デバイスから出力される出力レベルを測定する際に、各周期Taの同一タイミングにおける出力レベルを測定する構成とする。さらに、測定された出力レベルが、目標値(目標レベル)になるように、通信用デバイスに入力する変調信号のレベルを制御する構成とした。
上記目的を達成するために具体的には、請求項1に記載の発明は、ベースバンド信号をRF信号で変調した変調信号を伝送するのに用いられるRF通信用デバイスの試験をするRF通信用デバイス試験装置であって、周期Taを有するとともに、前記各周期Ta内の第1の区間Ts(≦Ta)において、時間とともに変化するレベルが何れの該周期Taにおいても同一に変化する前記ベースバンド信号を生成し、該ベースバンド信号を前記RF信号で変調した前記変調信号を該周期Taに同期して前記第1の区間Ts内の第2の区間To(≦Ts)の信号を抜き出し該周期Taを有するバースト信号として前記RF通信用デバイスへ出力する信号発生部(10)と該RF通信用デバイスからの出力を受けて、該周期Taに同期して、前記第2の区間To内の所定タイミングtr(0≦tr≦To)から該第2の区間Toの残り区間(To−tr)に亘って積分して出力レベルを測定するレベル測定部(30)と、該レベル測定部で測定した出力レベルと予め設定された目標値とを比較する判定部(40)と、測定された出力レベルが目標値外であると該判定部が判定したとき、該測定した出力レベルと該目標値内となるように、該信号発生部が出力する前記変調信号のレベルを制御するレベル制御部(50)と、を備え、前記測定された出力レベルが目標値内であると前記判定部が判定した後に、前記試験を行う構成とした。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記レベル制御部は、前記周期Ta毎に、前記信号発生部に対して前記変調信号のレベルを制御する制御量を反映した利得制御信号を送って制御しており、前回の周期Taに送った利得制御信号と、そのときの前記判定部の比較結果とを基に、前記目標値内となるように前記信号発生部を制御すべき新たな制御量を推定し、該新たな制御量を反映した前記利得制御信号を前記信号発生部に送る制御量推定手段(51)とを備えた。
請求項3に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記制御量推定手段は、前記RF通信用デバイスの代表的な前記制御量対前記出力レベルを示す特性情報を予め保有していて、前記判定部からの判定結果と前記レベル設定手段が前回の周期Taにおける前記利得制御信号とを基に、前記特性情報を参照して、前記制御量を推定する構成とした。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記レベル制御部は、予め、過去の試験時において測定された出力レベルが目標値内であると該判定部が判定したときに前記制御量推定手段が前記利得制御信号に反映した過去の制御量を管理する初期制御量管理手段(52)を有し、前記制御量推定手段は、前記制御を開始するときに、前記信号発生部に対して該過去の制御量を反映した前記利得制御信号を送り、次の周期Taでは、該過去の制御量を反映した前記利得制御信号を、前回の周期Taにおける前記利得制御信号として、次の制御量を推定する構成とした。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一つに記載の発明において、操作部(61)と、表示部(62)と、を有し、前記判定部は、前記目標値の変化に対する前記試験の結果の分布を示す代表的な試験結果分布特性を記憶しており、該試験の開始前に、該試験結果分布特性を、該試験結果分布特性の目標値又は該試験の結果の分布のいずれかを前記操作部で指定可能に前記表示部に表示させるとともに、該試験結果分布特性上で、該目標値が指定されたときはその指定された値の目標レベル、又は、前記試験の結果が指定されたときは該代表的分布特性から該指定された該試験の結果に対応する目標値を、前記測定した出力レベルと比較するために設定する構成とした。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一つに記載の発明において、前記目標値は、許容レベル範囲と該許容レベル範囲内の特定レベルとを含み、前記判定部は、前記測定された出力レベルと該特定レベルとを比較し、前記レベル制御部は、測定された出力レベルが目標値外であると該判定部が判定したときに、前記測定された出力レベルと該特定レベルとの前記レベル差がなくなるように、該信号発生部が出力する前記変調信号のレベルを制御し、前記測定された出力レベルが前記許容レベル範囲内にあると該判定部が判定したときに、そのときの前記変調信号のレベルを維持する構成とした。
請求項7に記載の発明は、操作部(61)と、表示部(62)と、を有し、ベースバンド信号をRF信号で変調した変調信号を伝送するのに用いられるRF通信用デバイスの試験をするRF通信用デバイス試験装置であって、周期Taを有するとともに、何れの該周期Taにおいても同一に変化する前記ベースバンド信号を生成し、該ベースバンド信号を前記RF信号で変調した前記変調信号を前記RF通信用デバイスへ出力する信号発生部(10)と、該周期Taに同期して、該RF通信用デバイス出力レベルを測定するレベル測定部(30)と、過去の検査における目標値の変化に対する前記試験の結果の分布を示す代表的な試験結果分布特性を記憶しており、該試験の開始前に、該試験結果分布特性を、該試験結果分布特性の目標値又は該試験の結果の分布のいずれかを前記操作部で指定可能に前記表示部に表示させるとともに、該試験結果分布特性上で、該目標値が指定されたときはその指定された値の目標レベル、又は、前記試験の結果が指定されたときは該代表的分布特性から該指定された該試験の結果に対応する目標値と、前記レベル測定部で測定した出力レベルとを比較する判定部(40)と、測定された出力レベルが目標値外であると該判定部が判定したとき、該測定した出力レベルと該目標値内となるように、該信号発生部が出力する前記変調信号のレベルを制御するレベル制御部(50)と、を備え、前記測定された出力レベルが目標値内であると前記判定部が判定した後に、前記試験を行う構成とした。
請求項8に記載の発明は、ベースバンド信号をRF信号で変調した変調信号を伝送するのに用いられるRF通信用デバイスの試験をするRF通信用デバイス試験方法であって、周期Taを有するとともに、前記各周期Ta内の第1の区間Ts(≦Ta)において、時間とともに変化するレベルが何れの該周期Taにおいても同一に変化する前記ベースバンド信号を生成し、該ベースバンド信号を前記RF信号で変調した前記変調信号を該周期Taに同期して前記第1の区間Ts内の第2の区間To(≦Ts)の信号を抜き出し該周期Taを有するバースト信号として前記RF通信用デバイスへ出力する信号発生段階と、
該RF通信用デバイスからの出力を受けて、該周期Taに同期して、前記第2の区間To内の所定タイミングtr(0≦tr≦To)から該第2の区間Toの残り区間(To−tr)に亘って積分して出力レベルを測定するレベル測定段階と、該レベル測定部で測定した出力レベルと予め設定された目標値とを比較する判定段階と、測定された出力レベルが目標値外であると該判定段階で判定されたとき、該測定した出力レベルと該目標値内となるように、該信号発生部が出力する前記変調信号のレベルを制御するレベル制御段階と、前記測定された出力レベルが目標値内であると前記判定段階で判定された後に、前記試験を行う試験段階と、を備えた。
本発明によれば、変調信号を用いて試験できるので、実運用に近い試験が可能である。
また、測定した出力レベルと目標値(レベル)とを比較して、その結果を帰還させて、それらが一致するように、RF通信用デバイスに入力される変調信号のレベルを制御する構成なので、精度良く目標値へ追い込める。また、その制御は、周期Ta毎に行えるので、短時間に追い込みが可能である。
また、その変調信号がバースト信号である場合も、各周期Ta内の各オン区間Toは、バースト信号の振幅が同じ変化を示し、かつ同一タイミングにおけるRF通信用デバイスの出力レベルを測定する構成であるから、どの周期TaにおけるRF通信用デバイスの出力レベルであっても、同じレベルとして測定できるので、各周期Ta毎に出力レベルを測定できる。つまり、短時間でレベル測定が可能である。
本発明の実施形態の機能・構成を示す図である。 図1の信号発生部の詳細な機能・構成を示す図である。 主として図2の信号発生部の各信号を説明するための図である。 図3における各信号のタイミングを変えた例を示す図である。 図1の判定部の詳細な機能・構成を示すとともに、それを説明するための図である。 図1のレベル制御部の詳細な機能・構成を示す図である。 図6の構成の動作を説明するための図である。 本発明の一連の動作フローを示す図である。
図を基に、本発明に係る実施形態を説明する。図1は、試験対象であるDUT(RF通信デバイス)80と、試験装置100を示している。
図1における信号発生部10は、タイミング生成手段11、ベースバンド信号生成手段12、RF変調手段13、可変利得手段14、及びバースト手段15を備え、ベースバンド信号を変調したRF信号からオン区間Toの信号を抜き取った周期Taのバースト信号cと、周期Ta毎に、オン区間Toの一定のタイミングtrに同期した同期信号aを生成する。ここで、タイミングtr<オン区間To<周期Taである。
タイミング生成手段11は、図2に示すように、クロック生成手段11a、バーストタイミング生成手段11b、及び同期信号生成手段11cを備え、ベースバンド信号を生成するためのクロック信号、バースト信号cを生成するためのバーストタイミング信号を生成している。また、レベル測定部30のレベル測定タイミングを決める同期信号aも生成することができる。各信号のタイミングの例を図3、図4に示す。図3は、各信号は同期しているが、それぞれ周期Taからタイミングがずれて動作している例で、図4は、各信号のタイミングが周期Taにほぼ一致して動作している例である。タイミングの説明は、主に、図3を中心に説明し、図4は、後記する。
図2で、クロック生成手段11aは、ベースバンド信号生成手段12の読出制御手段12bが波形データ記憶手段12aからデジタルデータ(「シンボルデータ」と呼ばれる。)を読み出してベースバンドデータを形成するに必要なクロックを生成する(図3の(a)(c)を参照)。
バーストタイミング生成手段11bは、予めきめられた周期Taのゲート信号を生成して、バースト手段15へ送る。ゲート信号は、図3(e)に示すバースト信号と同じタイミングの波形である。つまり、ゲート信号は、周期Taを有し、その周期Taは値「1」のオン区間To(<Ta)と値「0」のオフ区間(Ta−To)でなる。そして、ゲート信号は、バースト手段15により、オン区間ToでRF変調信号を通過させ、オフ区間(Ta−To)でRF変調信号を通過禁止とするゲートを行うために用いられる信号である。
具体的には、バーストタイミング生成手段11bは、カウンタ(又は、タイマー)を有し、図3(a)、(b)に示す、クロック生成手段11aからクロック信号と開始タイミング信号を個々に受けて、図3(e)のようにカウンタにより予め決められた時間Δt2に相当するクロック信号をカウントしたのちにオン区間Toを立ち上げ(周期Taの開始)、その立ち上げから時間Toに相当するクロックをカウントした後にオン区間Toを終了させ、同時にオフ区間を開始させ、更に、時間(Ta−To)に相当するクロックをカウントした後に次の周期Taのオン区間を立ち上げる(前の周期Taのオフ区間(Ta−To)を終了させる)ことで一つの周期Taのゲート信号を生成し、以降、図3(e)に示すような周期Taで連続するゲート信号を生成する。
図1、図2のベースバンド信号生成手段12は、読出制御手段12bがクロック生成手段11cからのクロックにより波形データ記憶手段12aからオン区間Toにおけるデジタルデータを読み出して、読み出したデジタルデータをD/A変換手段12cによりデジタル−アナログ変換してベースバンド信号を形成し、RF変調手段13に送る。
具体的には、図2における読出制御手段12bは、カウンタ(又は、タイマー)を有し、図3、図4の(a)、(b)に示す、クロック生成手段11aからクロック信号と開始タイミング信号を個々に受けて、カウンタにより予め決められた時間Δt1(≦Δt2)に相当するクロック信号のカウントを終えた後に、クロック信号で、波形データ記憶手段12aから区間Ts(≧オン区間To、≦周期Ta)に亘ってデジタルデータを読み出す(図3(c)を参照)。以降、図3(c)に示すように、周期Ta毎に波形データ記憶手段12aから、区間Tsにおけるデジタルデータを読み出す。
そのとき、読出制御手段12bは、いずれの周期Taであっても、波形データ記憶手段12aの同じアドレスh〜h+nにアクセスしてデジタルデータを読み出す。そうすることにより、各読み出されたデジタルデータの振幅は、アドレスh〜h+nのデジタルデータを読み出すのに相当する時間Ts(≧オン区間Toに相当)に亘って変化するが、いずれの周期Taでも同じ変化である。それは、RF変調され、バースト信号に変換されたとしても、各周期Taで相対的に同じ振幅変化を示す。
なお、波形データ記憶手段12aは、オン区間Toに読み出されるであろうデジタルデータ数と同じか、それより多くの数(区間Tsに相当する時間に読み出される数)のデジタルデータを記憶している。そして、後に、バースト信号となったときは、図3(e)に示すようにオン区間To間に相当する時間におけるデジタルデータだけが用いられることになる。
さらに、数値例を挙げると、一般的には、オン区間To=オフ区間[Ta−To]=Ta/2(デュティ50%)で、周期Ta=5msである。
図2の同期信号生成手段11c又は同期信号生成手段16は、それらのいずれかで、レベル測定部30がDUT80(以下、「被測定RF通信用デバイス」を「DUT」と言う。)からの出力レベルを測定するのに用いられるタイミングを生成し、同期信号として出力する(図3(f)を参照)。次に、(i)同期信号生成手段11c、(ii)同期信号生成手段16のそれぞれで、同期信号aを生成するのを説明する。ただし、レベル測定部30は、上記(i)又は(ii)の同期信号aを利用することなく、自己内部で(iii)DUT80の出力レベルを利用することで、例えば、オン区間Toの立ち上がり時の出力レベルと閾値とを比較することでタイミングを生成することもできる。
(i)同期信号生成手段11cの例は、カウンタ(又は、タイマー)を有し、バーストタイミング生成手段11bが生成した周期Taの立ち上がり(オン区間Toの立ち上がり)のタイミングを受けて、それから予め決められた時間trに相当するクロック信号をカウントしたときに、同期信号aを出力する。これを、各周期Ta毎に行う。
(ii)同期信号生成手段16の例は、図4(c)のマーク(星印)に示すように、予め、波形データ記憶手段12aに、周期Taの立ち上がりタイミングから時間tr経過後に読み出されるであろうデジタルデータにマークを付しておく(同じアドレスで読み出し可能な印を記憶しておく)。そして、同期信号生成手段16は、波形データ記憶手段12aからデータを読み出すときに、マーク(印)も同時に読み出されていないかどうか監視していて、マークを見つけたときは、それを分離し、図4(f)に示すように、そのマークを見つけたときのタイミングtrの同期信号aを生成する。それを、各周期Ta毎に行う。
上記で各信号のタイミングは主として、図3を用いて説明してきた。図3は、各信号のタイミングは同期関係にあるが、開始を任意に設定した例である。それに対して、図4は、図3におけるΔt1、Δt2のいずれをも0にして、各信号のタイミングの始まりをほぼ一致させた例である。ここで「ほぼ」というのは、相互に回路間の遅延がある場合があるので、それを考慮した表現である。なお、重要なタイミングの遅延は、一般的にその遅延を補償して使用するのが通例であるので、ここでは述べていない。一般には、図4のタイミングの方が、図3に比べ、作り安い。
図1、図2のRF変調手段13は、ミキサ13aが、ベースバンド信号生成手段12から受けたベースバンド信号を、ローカル信号生成手段13bが出力するRF信号で混合することで、RF変調し、変調した変調信号を可変利得手段14へ送る。
可変利得手段14は、一般には可変利得増幅器、或いは可変減衰素子(回路)をもって構成されており、RF変調手段13から受けた変調信号の振幅(レベル)を、レベル制御部50からの利得制御信号bに応じて可変してバースト手段15へ送る。
なお、図1、2における可変利得手段14は、RF変調手段13とバースト手段15の間で機能しているが、バースト手段15とDUT80との間、或いは、ベースバンド信号生成手段12とRF変調手段13との間、で機能するように構成しても良い。ただし、可変利得手段14がRF変調手段13、以降に在る場合は、RF信号に応答する周波数特性を有する必要があり、ベースバンド信号生成手段12とRF変調手段13との間にある場合は、ベースバンド信号に応答する周波数特性があればよい。
レベル測定部30は、DUT80から出力されるバースト信号の出力レベルを測定する。DUT80が増幅器である場合は、増幅されたバースト信号が出力されてくる。このとき、レベル測定部30は、信号発生部10から同期信号を受け、バースト信号のオン区間To間に存在する変調されたRF信号をサンプリングして区間(To−tr)(以下、Tm=To−trとする。)のレベルをレベル測定対象として抽出し(図3(e)(f)(g)を参照)、それを積分手段で積分する、或いは平均値検波し、バースト信号の出力レベルの測定値として、出力する。或いは、区間Tm内のレベルの最大値、最小値、実効値、瞬時値のいずれかを測定値として出力しても良い。
オン区間To内の区間Tm(=To−tr)にあるレベル測定対象信号を抽出するためには、同期信号a(タイミングtr)とオン区間Toの終了タイミングとを基に、抽出する(図3(e)(f)(g)の一点鎖線を参照)。そのとき、オン区間Toの終了タイミングは、レベル測定部30がDUT80から受けたバースト信号と所定の閾値とを比較し、そのバースト信号がその所定の閾値以下になったことを検出したタイミングでも良いし、信号発生部10から同期信号aとともに、バースト信号を生成するためのゲート信号を受けて、そのオン区間Toの終了を終了タイミングとして利用しても良い。
上記のように、レベル測定部30は、バースト信号のうち区間Tm(=To−tr)にある変調信号の出力レベルを測定し、平均値を示す測定値を求めるが、そのときタイミングtrは小さいほど、つまり区間Tm(=To−tr)が長い程、安定な確度のよい平均値が得られるので、タイミングtrは、0が好ましい。また、タイミングtrの値により測定値が異なることがあるので、その場合は、例えば、オン区間To(tr=0)における変調信号の出力レベルの測定値を基準に、区間Tm(=To−tr、tr≠0)で測定した測定値を、あたかもオン区間Toで測定した値に校正(或いは換算)できる構成にする。これら校正(換算)は、後記する判定部40が判定する時の基準である目標値が、区間Toにおける平均値に対応する値で設定されていれば、上記の校正(換算)でよい。つまり、目標値と測定値は比較対象になるように単位を合わせておく。
判定部40は、目標レベル管理手段41が予め有する所望のレベル範囲である許容範囲とその許容範囲内の一点を特定レベル値とする目標値を比較手段42へ送る。比較手段42は、レベル測定部30から送られてくるバースト信号の出力レベルの測定値と、許容範囲、及び特定レベル値と比較し、次の(I)(II)の判定結果dを出力する。
(I)測定値が許容範囲に入っていなければ、特定レベル値と測定値の差分値を判定結果として出力する。
(II)測定値が許容範囲に入っていれば、OKを示す信号と、特定レベル値と測定値の差分値を判定結果として出力する。
なお、判定結果(I)(II)における差分値は、特定レベル値と測定値との差の絶対値とともに、特定レベル値に対して測定値が多きか小さいかを示す情報(例;+/−)が含まれる。
目標レベル管理手段41は、測定部20による検査項目に対応して、許容範囲と特定レベル値を選択的に設定可能にすることもできる。さらには、その検査項目における検査結果のバラツキを考慮して、許容範囲と特定レベル値を選択的に設定できる構成とすることもできる。
特に、測定部20によるDUT80の検査は、DUT80の出力レベルを所望の目標値に設定することを条件に検査するので、その目標値如何により、検査結果がバラツク虞がある。その例を図5(B)に示す。図5(B)は、過去の測定例であって、試験項目Aについて、DUT80の出力レベルを特定レベルAL1、AL2、AL3のそれぞれの値にしたときの、許容範囲(AW)対試験結果のバラツキ(σ)を示す図である。一般に、特定レベルがDUT80の直線領域であれば、特定レベルがAL1、AL2、AL3のそれぞれの値であっても、図5(B)の特性は、一本の特性に近くなるが、特定レベルが非直線性領域にあると、それぞれ異なった特性になる可能性が大きい。図5(B)の例では、同じバラツキの範囲σAに入れるためには、許容範囲を特定レベルALに応じて、それぞれ、AW1、AW2、AW3に変える必要があることを示す。
そこで、目標レベル管理手段41を次のように構成にすることがより好ましい。図5を基に、目標レベル管理手段41の一例について説明する。
図5(A)で、試験結果分布特性記憶部41aは、図5(B)示すような予め過去の検査時における許容範囲対試験結果のバラツキ(試験結果分布)の関係を示す特性(以下、「試験結果分布特性」と言う。)を記憶しておく。そして、特性表示データ生成手段41cは、試験結果分布特性記憶部41aから試験結果分布特性を読み出し、図5(B)のようなグラフを生成して表示部62へ表示させる。そして、試験開始時(消費電流特性の試験等の本試験前に、DUT80の出力レベルを目標値に追い込ための追込開始時;以下、「試験開始時」と言う。区別して、消費電流特性の試験等の本試験の開始を「本試験開始」と言う。)時に、操作部61から、特定レベルAL、試験結果のバラツキσ、又は/及び許容範囲が設定されたときは、それらの値も表示する。そうすることにより、操作者から、例えば、特定レベルとしてAL2、バラツキσAが指定されたときは、許容範囲設定手段41bが、試験結果分布特性記憶部41aを参照して、許容範囲AW2を求める。このとき、特性表示データ生成手段41cは、表示部62のグラフに、それらの値AL2、σA、AW2を識別可能に表示させる。それを見た操作者がOKを指示を出したことを受けた許容範囲設定手段41bが、比較手段42にAL2±[AW2/2](特定レベル±許容範囲/2)を目標値として設定する。なお、目標値の設定の仕方としては、[特定レベル±許容範囲/2]の形態(以下、この形態で説明する。)以外にも、[絶対値ALX(=AL2−[AW2/2])〜絶対値ALZ(=AL2+[AW2/2])(この場合、特定レベルを自動的に(ALX+ALZ)/2にする。)、や[絶対値ALX〜(絶対値ALX+許容範囲)]の形態での設定の仕方がある。
なお、操作者が、目標値として、特定レベルAL2、許容範囲AW2を指定したときは、許容範囲設定手段41bは、試験結果分布特性記憶部41aを参照して、バラツキσAを求め、特性表示データ生成手段41cを通して、表示部62のグラフに、それらの値AL2、AW2、σAを識別可能に表示させる。操作部61から、操作者によるOK(確定)の指示がきたときに、許容範囲設定手段41bは、比較手段42にAL2±[AW2/2]を目標値として設定できるようにすると、より良い。
上記のように図5の目標レベル管理手段41の構成を採用することにより、操作者は、特定レベル、許容範囲、試験結果のバラツキを考慮して、目標値を設定することができる。
レベル制御部50は、判定部40からの判定結果を受けて、DUT80の出力レベルの測定値が、許容範囲に入るように、可変利得手段14にバースト信号のレベルを可変させることで、DUT80の出力レベル(レベル測定部30の測定値)を目標値の許容範囲へ追い込む手段である。レベル制御部50は、可変利得手段14に、レベルを可変させようとする制御量を反映した利得制御信号bを送って制御する。以下の説明では、その制御量を主として説明する。
レベル制御部50は、主として、次の(イ)〜(ハ)の動作を行う構成を有する。(イ)はその追い込みの初期の制御量の設定の仕方に関し、(ロ)はその後の追い込み制御における制御量の推定の仕方に関し、(ハ)は追い込んだときの動作に関する。
試験開始時の初期設定;追い込み制御の開始
試験開始時に、次の初期制御量管理手段52が次のいずれかの初期値を記憶・管理し、制御量推定手段51を介して可変利得手段14に設定する。
(イ−1)予め、図1の初期制御量管理手段52に試験項目に対応した初期値を記憶しておいて、試験項目に応じた初期値を設定する。
(イ−2)図6の初期制御量管理手段52の詳細(この場合、上記(イー1)とは異なった動作をする)を基に説明する。図6の初期制御量管理手段52のロットデータ記憶手段52aが、予め、試験項目毎に、過去のロットおける試験の結果として、DUT80の出力レベルの測定値が許容範囲内になったときに、制御量推定手段51(設定手段51c)が可変利得手段14を制御したときの制御量の平均値を記憶しておく(図7(B)を参照)。平均値は、平均値算出手段52bが算出する。そして、設定手段51cを介して、試験開始時に、試験項目に対応する平均値を可変利得手段14に設定する。そのとき、全ロットの平均値でも良いし、操作部61から該当するロットNoの指定を受け、その該当するロットの平均値でも良い。なお、該当するロットが例えば、5台まで試験が終了していて、6台目を試験するときは、5台目までの平均値を設定すると良い。
判定部40による判定結果が上記(I)の場合の制御;追い込み制御
レベル制御部50の制御量推定手段51は、判定部40が測定値が許容範囲に入っていないと判定したとき、特定レベル値と測定値の差分値だけ判定結果として受けて、次の制御量を推定して、その推定した制御量で可変利得手段14を制御する場合である。この場合、次の例があり、いずれかを採用できる。
(ロ−1)制御量推定手段51のレファレンス管理手段51aは、予め、図7(A)
に示すように試験項目に対応する制御量対DUT80の出力レベル特性の代表的な特性(以下、「代表的特性」と言う。)を記憶しておく。そして、設定手段51cが試験の初期に上記(イ−2)に記載のように過去のロットの平均値(上記(イ−1)における初期値でも良い)を初期制御量として設定する。次に以下の各段階を実行する。(段階1)判定部40が、そのときにレベル測定部30がDUT80の出力レベルを測定した初期測定値と目標値における特定レベルとのレベル差ΔL(図7(C)を参照)を判定結果として、設定手段51cへ送る。(段階2)設定手段51cは、初期制御量と初期測定値に合うように、代表的特性を移動させる(図7(C)の点線で示した推定特性)。そして、(段階3)設定手段51cは、図7(C)における移動した代表的特性(推定特性)上で、上記算出されたレベル差ΔLを打ち消すのに相当する次の制御量を決定し、これを可変利得手段14へ送って制御する。以下、レベル測定部30による測定値が目標値の許容範囲に入ったと判定部40が判定するまで、上記の段階1、2、3の動作を繰り返す。
(ロ−2)上記(ロ−1)は、予め代表的特性を有して、それを基に次の制御量を推定したが、代表的特性は、多項式で表せるし、また、変曲点のない滑らかな曲線であれば3点あれば推定できることが知られている。そこで、例えば、設定手段51cは、SL1、SL2、SL3の制御量で測定したときのレベル測定部30による測定値ML1、ML2、ML3を制御量記憶手段51bに記憶し、これら3つの制御量を基に、代表的特性を推定(演算)し、かつその推定した代表的特性から、目標値の特定レベルと測定値ML3とのレベル差[ML3−特定レベル]を打ち消すべき制御量SL4を推定(演算)して設定し、測定して測定値ML4を得る。測定値ML4が許容範囲にないときは、制御量SL2、SL3、SL4で測定したときの測定値ML2、ML3、ML4を基に、代表的特性を推定し、かつその推定した代表的特性から、目標値の特定レベルと測定値ML4とのレベル差[ML4−特定レベル]を打ち消すべき制御量SL5を推定して設定し、測定し、判定する。以下、判定部40でOKがでるまで、繰り返す。
(ロ−3)上記(ロ−1)(ロ−2)は、いわば多項式で近似される代表的特性で、制御量を推定していたが、制御範囲が狭い範囲では、或いは狭くなるほど、直線的な近似が可能となる。その場合、上記(ロ−2)で多項式で代表的特性を近似していたのを直線で近似することもできる。つまり、上記(ロ−2)で最寄りの3つの制御量と3つの測定値で制御量を推定していたのに代えて、最寄りの2つの制御量と2つの測定値から、直線的な代表的特性を近似して、次の制御量を推定できる。
判定部40による判定結果が上記(II)の場合の制御;追い込み制御の終了
上記(イ)(ロ)における周期Ta毎の制御及び動作により、レベル測定部30による測定値は、図7(D)に示すように目標値へ近づき、判定部40は、測定値が許容範囲に入り、OKを示す信号と、特定レベル値と測定値の差分値を判定結果として出力する。これを受けた図6の設定手段51cは、そのときに可変利得手段14を制御していた制御量を維持し(制御量の更新を停止)、制御量記憶手段51bを介してその維持している制御量をロットデータ記憶手段52aへ送り、該当するロットの該当する台番に記録する(図7(B)を参照)。そして、平均値算出手段52bは、同一ロットで先に記録した制御量と今回記録した制御量を基に平均値を求めて、ロットデータ記憶部手段52aに記憶させておく。そうすることで、上記(イ−2)のように利用できる。なお、上記(イー1)に記載のように、いつも予め記憶された初期値で制御を開始する場合は、ロットデータの記憶、平均値の算出等は不要である。
さらに設定手段51cは、判定部40が、OKを出したことを制御部70へ伝える。つまり、追い込み制御が完了し、DUT80の出力レベルが目標値に維持されていることを伝える。
制御部70は、そのOKを示す信号を受けた後に、測定部20を制御して、所望の試験項目についてDUT80の本試験を開始する。例えば試験項目として、消費電力特性、EVM特性、隣接チャンネル漏洩電力特性、高調波歪特性、等がある。測定部20は、これら試験項目の試験に測定機器、電流計、スペクトラムアナライザ等を有する。また、測定部20は、上記信号発生部10を兼ね備えた信号発生器を備え、ローカル信号生成手段13bの周波数を変更できる構成であっても良い。或いは、測定部20は、レベル測定部30を兼ね備えた信号解析器であって、レベル測定を行うとともに、EVM特性、隣接チャンネル漏洩電力特性、高調波歪特性等を測定する構成であっても良い。
制御部70は、一つの試験項目が完了したときは、レベル制御部50に指示して、次の試験項目について、DUT80の出力レベルが目標値に入るように制御させる。試験項目が違ってもDUT80の出力レベルが同一の場合は、改めて制御させる必要はなく、違った試験項目について試験する。
次に一連の動作を図8を基に説明する。
ステップS00;ユーザインターフェース60は、電源オン後、消費電力特性、EVM特性、隣接チャンネル漏洩電力特性、高調波歪特性、等の各種の試験項目について案内画面を表示部62に表示して、DUT80についての試験をガイドする。操作者はそのガイドに従って、操作部61により所望の試験項目を選択することで指定する。
ステップS01;次に、目標レベル管理手段41は、指定された試験項目に係る、予め記憶していた過去の検査時における試験結果分布特性を図5(B)のようなグラフにして表示部62へ表示させる。そして、操作者は、操作部61により試験結果のバラツキσを考慮した目標値;AL2±[AW2/2](特定レベル±許容範囲/2)を設定する。なお、上記のグラフを表示してバラツキσを考慮することなく、直接に、目標値を設定することもできる。
ステップS02;さらに、上記(イー2)に記載のように((イー2)が採用された場合)、レベル制御部50は、予め、過去の試験でDUT80の出力レベルの測定値が許容範囲内になったときに、制御量推定手段51(設定手段51c)が可変利得手段14を制御したときの制御量の平均値をロット毎に記憶しておく。そして、レベル制御部50は、初期制御量の設定として、操作者により操作部61から該当するロットNoの指定を受けたとき、その該当するロットの該当する試験項目に制御量の平均値を基に、DUT80の出力レベルの測定値が、許容範囲に入るように、可変利得手段14にバースト信号のレベルを可変制御する。つまり、上記(ロ)に記載のように追い込み制御を開始する。
ステップS1;一方で、信号発生部10は、周期Taを有するベースバンド信号であって、かつ該各周期Ta内の区間Tsの期間中は、時間とともに変化する振幅が何れの周期Taにおいても同一に変化するベースバンド信号を生成し、ベースバンド信号をRF信号で変調した変調信号を周期Taに同期して第1の区間Ts内のオン区間Toの信号を抜き出し周期Taを有するバースト信号として生成し、DUT80へ出力する。さらに信号発生部10は、周期Taに同期し、かつオン区間To内のタイミングtrにおける同期信号aを出力する。
ステップS2;そのとき、信号発生部10は、可変利得手段14により、初期時(追い込み制御の開始時)には、バースト信号をレベル制御部50からの利得制御信号で示される初期制御量に応じたレベルにしてDUT80へ出力する。その後、可変利得部14は、バースト信号のレベルを判定部40の判定結果に基づいてレベル制御部50から指示される制御量に応じたレベルに可変して、DUT80へ出力する。
ステップS3;レベル測定部30は、DUT80が出力するバースト信号を受けて、その出力レベルを測定する。測定値としてDUT80が出力するバースト信号の区間Tm=To―trに在る信号を積分して平均値を求める。
ステップS4;判定部40は、レベル測定部30が測定した出力レベルの測定値が設定された目標値内かどうか判定する。具体的には、出力レベルが、目標値;AL2±[AW2/2]の範囲内かどうか判定する。判定部4は、出力レベルが目標値の範囲外と判断したときは、判定結果としてレベル差[出力レベルーAL2]及び特定レベルAL2をレベル制御部50へ送る。測定値が目標値の範囲内と判断したときは、判定結果として「OK」とレベル差[出力レベルーAL2]をレベル制御部50へ送る。
ステップS5;レベル制御部50は、判定部40による判定結果としてレベル差ΔL=[出力レベルーAL2]、特定レベルAL2を受けて、追い込み制御を行う。つまり、上記(ロー1)に記載の方法では、設定手段51cは、上記ステップS02で設定した初期制御量とレベル測定部30が測定した出力レベルの測定値を基に、レファレンス管理手段51aに記憶しておいた代表的特性を移動させる(図7(C)の点線で示した推定特性)て、初期制御量と測定値が対応するようにする。さらに、設定手段51cは、図7(C)における移動した代表的特性(推定特性)上で、上記レベル差ΔL=[出力レベルーAL2]を打ち消すのに相当する次の制御量を決定し、これを可変利得手段14へ送って制御する。以下、ステップS4で、レベル測定部30による測定値が目標値の許容範囲に入ったと判定部40が判定するまで、上記のステップS2〜ステップS5の追い込み制御動作を繰り返す。
ステップS6;レベル制御部50は、上記のステップS2〜ステップS5の動作を繰り返す、そして判定部40から判定結果として「OK」とレベル差[出力レベルーAL2]を受ける。つまり、上記ステップS5に記載のように周期Ta毎に、ステップS2〜ステップS5の追い込み制御動作を繰り返した結果、レベル測定部30による測定値が目標値へ近づき、レベル制御部50の設定手段51cは、判定部40から判定結果として「OK」とレベル差[出力レベルーAL2]を受ける。設定手段51cは、そのときに可変利得手段14を制御していた制御量を維持して更新を停止し、その維持している制御量及びレベル差[出力レベルーAL2]をロットデータ記憶手段52aに記憶させる(なお、レベル差[出力レベルーAL2]は、後に参考に利用することがあるかもしれないので、記憶する程度である)。そして、平均値算出手段52bは、同一ロットで先に記録した制御量と今回記録した制御量を基に平均値を求めて、ロットデータ記憶部手段52aに記憶させておく。そうすることで、次の試験時の上記ステップS02で初期制御量設定に利用できる。
そして、DUT80の出力レベルが目標値内に保持されている状態で、制御部70は、ステップ00で選択設定された測定項目について測定部20を制御して、指定された測定項目について本試験を実行する。
図1の構成における判定部40、レベル制御部50、及び制御部70は、図8における動作フローを記述したプログラムと、それを実行するCPUで構成することができる。
以上の実施形態では、試験信号が変調信号のバースト信号である場合について説明したが、試験信号がバーストではなく連続波であっても良い。その場合は、バースト手段15、バーストタイミング生成手段11bは、省略できる。又、その場合、上記した各時間Ta、Ts、Toの関係は、Ta=Ts=Toになる。すなわち、ベースバンド信号生成手段12は、周期Ta内でのレベル変化がいずれの各周期Taでも同じベースバンド信号の連続波を生成し、このベースバンド信号がRF信号で変調されてできた変調信号の連続波が信号発生部10から生成され、出力される。
10 信号発生部、
11 タイミング生成手段、 11a クロック生成手段、
11b バーストタイミング生成手段、 11c 同期信号生成手段、
12 ベースバンド信号生成手段、 12a 波形データ記憶手段、
12b 読出制御手段、 12c D/A変換手段、
13 RF変調手段、 13a ミキサ、 13b ローカル信号生成手段、
14 可変利得手段、
15 バースト手段、
16 同期信号生成手段、
20 測定部、
30 レベル測定部、
40 判定部、
41 目標レベル管理手段、 41a 試験結果分布特性記憶部、
41b 許容範囲設定手段、 41c 特性表示データ生成手段、
42 比較手段、
50 レベル制御部、
51 制御量推定手段、 51a レファレンス管理手段、
51b 制御量記憶手段、 51c 設定手段、
52 初期制御量管理手段、 52a ロットデータ記憶手段、
52b 平均値算出手段、
60 ユーザインターフェース、
61 操作部、 62 表示部、
70 制御部、
80 DUT(RF通信用デバイス)
100 試験装置

Claims (8)

  1. ベースバンド信号をRF信号で変調した変調信号を伝送するのに用いられるRF通信用デバイスの試験をするRF通信用デバイス試験装置であって、
    周期Taを有するとともに、前記各周期Ta内の第1の区間Ts(≦Ta)において、時間とともに変化するレベルが何れの該周期Taにおいても同一に変化する前記ベースバンド信号を生成し、該ベースバンド信号を前記RF信号で変調した前記変調信号を該周期Taに同期して前記第1の区間Ts内の第2の区間To(≦Ts)の信号を抜き出し該周期Taを有するバースト信号として前記RF通信用デバイスへ出力する信号発生部(10)と、
    該RF通信用デバイスからの出力を受けて、該周期Taに同期して、前記第2の区間To内の所定タイミングtr(0≦tr≦To)から該第2の区間Toの残り区間(To−tr)に亘って積分して出力レベルを測定するレベル測定部(30)と、
    該レベル測定部で測定した出力レベルと予め設定された目標値とを比較する判定部(40)と、
    測定された出力レベルが目標値外であると該判定部が判定したとき、該測定した出力レベルと該目標値内となるように、該信号発生部が出力する前記変調信号のレベルを制御するレベル制御部(50)と、を備え、
    前記測定された出力レベルが目標値内であると前記判定部が判定した後に、前記試験を行うことを特徴とするRF通信用デバイス試験装置。
  2. 前記レベル制御部は、前記周期Ta毎に、前記信号発生部に対して前記変調信号のレベルを制御する制御量を反映した利得制御信号を送って制御しており、前回の周期Taに送った利得制御信号と、そのときの前記判定部の比較結果とを基に、前記目標値内となるように前記信号発生部を制御すべき新たな制御量を推定し、該新たな制御量を反映した前記利得制御信号を前記信号発生部に送る制御量推定手段(51)とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のRF通信用デバイス試験装置。
  3. 前記制御量推定手段は、前記RF通信用デバイスの代表的な前記制御量対前記出力レベルを示す特性情報を予め保有していて、前記判定部からの判定結果と前記レベル設定手段が前回の周期Taにおける前記利得制御信号とを基に、前記特性情報を参照して、前記制御量を推定することを特徴とする請求項に記載のRF通信用デバイス試験装置。
  4. 前記レベル制御部は、予め、過去の試験時において測定された出力レベルが目標値内であると該判定部が判定したときに前記制御量推定手段が前記利得制御信号に反映した過去の制御量を管理する初期制御量管理手段(52)を有し、前記制御量推定手段は、前記制御を開始するときに、前記信号発生部に対して該過去の制御量を反映した前記利得制御信号を送り、次の周期Taでは、該過去の制御量を反映した前記利得制御信号を、前回の周期Taにおける前記利得制御信号として、次の制御量を推定することを特徴とする請求項2又は3に記載のRF通信用デバイス試験装置。
  5. 操作部(61)と、表示部(62)と、を有し、
    前記判定部は、前記目標値の変化に対する前記試験の結果の分布を示す代表的な試験結果分布特性を記憶しており、該試験の開始前に、該試験結果分布特性を、該試験結果分布特性の目標値又は該試験の結果の分布のいずれかを前記操作部で指定可能に前記表示部に表示させるとともに、該試験結果分布特性上で、該目標値が指定されたときはその指定された値の目標レベル、又は、前記試験の結果が指定されたときは該代表的分布特性から該指定された該試験の結果に対応する目標値を、前記測定した出力レベルと比較するために設定することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載のRF通信用デバイス試験装置。
  6. 前記目標値は、許容レベル範囲と該許容レベル範囲内の特定レベルとを含み、 前記判定部は、該レベル測定部で測定した出力レベルと該特定レベルとを比較し、
    前記レベル制御部は、前記測定された出力レベルが目標値外であると該判定部が判定したときに、前記測定された出力レベルと該特定レベルとの前記レベル差がなくなるように、該信号発生部が出力する前記変調信号のレベルを制御し、前記測定された出力レベルが前記許容レベル範囲内にあると該判定部が判定したときに、そのときの前記変調信号のレベルを維持することを特徴とする1〜のいずれか一つに記載のRF通信用デバイス試験装置。
  7. 操作部(61)と、表示部(62)と、を有し、ベースバンド信号をRF信号で変調した変調信号を伝送するのに用いられるRF通信用デバイスの試験をするRF通信用デバイス試験装置であって、
    周期Taを有するとともに、何れの該周期Taにおいても同一に変化する前記ベースバンド信号を生成し、該ベースバンド信号を前記RF信号で変調した前記変調信号を前記RF通信用デバイスへ出力する信号発生部(10)と、
    該周期Taに同期して、該RF通信用デバイス出力レベルを測定するレベル測定部(30)と、
    過去の検査における目標値の変化に対する前記試験の結果の分布を示す代表的な試験結果分布特性を記憶しており、該試験の開始前に、該試験結果分布特性を、該試験結果分布特性の目標値又は該試験の結果の分布のいずれかを前記操作部で指定可能に前記表示部に表示させるとともに、該試験結果分布特性上で、該目標値が指定されたときはその指定された値の目標レベル、又は、前記試験の結果が指定されたときは該代表的分布特性から該指定された該試験の結果に対応する目標値と、前記レベル測定部で測定した出力レベルとを比較する判定部(40)と、
    測定された出力レベルが目標値外であると該判定部が判定したとき、該測定した出力レベルと該目標値内となるように、該信号発生部が出力する前記変調信号のレベルを制御するレベル制御部(50)と、を備え、
    前記測定された出力レベルが目標値内であると前記判定部が判定した後に、前記試験を行うことを特徴とするRF通信用デバイス試験装置。
  8. ベースバンド信号をRF信号で変調した変調信号を伝送するのに用いられるRF通信用デバイスの試験をするRF通信用デバイス試験方法であって、
    周期Taを有するとともに、前記各周期Ta内の第1の区間Ts(≦Ta)において、時間とともに変化するレベルが何れの該周期Taにおいても同一に変化する前記ベースバンド信号を生成し、該ベースバンド信号を前記RF信号で変調した前記変調信号を該周期Taに同期して前記第1の区間Ts内の第2の区間To(≦Ts)の信号を抜き出し該周期Taを有するバースト信号として前記RF通信用デバイスへ出力する信号発生段階と、
    該RF通信用デバイスからの出力を受けて、該周期Taに同期して、前記第2の区間To内の所定タイミングtr(0≦tr≦To)から該第2の区間Toの残り区間(To−tr)に亘って積分して出力レベルを測定するレベル測定段階と、
    該レベル測定部で測定した出力レベルと予め設定された目標値とを比較する判定段階と、
    測定された出力レベルが目標値外であると該判定段階で判定されたとき、該測定した出力レベルと該目標値内となるように、該信号発生部が出力する前記変調信号のレベルを制御するレベル制御段階と、
    前記測定された出力レベルが目標値内であると前記判定段階で判定された後に、前記試験を行う試験段階と、を備えたことを特徴とするRF通信用デバイス試験方法。
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